JP5149759B2 - 光導波路付き配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、基板の表・裏面を貫通する貫通孔内に感光性ポリマを充填し、これを加熱・硬化した後、フォトマスクを介して紫外線を照射し、その照射部分の屈折率を低下または上昇させることで、内外二重のクラッドとコアとからなる光配線層を形成する光電気集積配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記光電気集積配線基板では、前記感光性ポリマに対し、紫外線を高照度により基板の厚み方向に沿って十分に照射するには、長時間を要しないと、所望の屈折率の差が得られにくい。しかも、前記フォトマスクの位置ずれにより光結合効率が低下し易く、且つ貫通孔のドリル加工と上記マスクの位置合わせとの2回の位置合わせにより、位置ずれを生じるおそれがある、という問題があった。
しかし、上記結合機能付光配線基板では、樹脂基板に設けるスルーホールとGIファイバとのクリアランスが適正化が必須であり、該クリアランスが適正でないと、前記ファイバがスルーホールの軸心に対して傾斜するなどの位置ずれが生じ易いと共に、前記絶縁性樹脂層などによる固定や、接着手段などが必要となり、構成部品や製造工程の数が多くなる、という問題があった。
しかし、上記光ビアの作成方法では、クラッド用の貫通孔とコア用の貫通孔との2回の孔開け加工が必要となり、2つの貫通孔の軸心が位置ずれするおそれが生じ易い。しかも、クラッドの中心部をドリル加工するので、形成される貫通孔の内壁面が粗くなって凹凸を生じ易いため、該凹凸がコアの周面に残ることによって、光信号の伝送ロスが大きくなる、という問題があった。
2007年電子情報通信学会総合大会、予稿集、C−3−77、第233頁
即ち、本発明による第1の光導波路付き配線基板の製造方法(請求項1)は、絶縁材からなるコア基板に設けられた表面と裏面との間を貫通する通し孔に、該コア基板よりも被削性に優れた穴埋め材を充填する工程と、前記コア基板の表面および裏面の少なくとも一方に、複数の絶縁層およびこれらの間に位置する配線層を含むビルドアップ層を形成する工程と、上記コア基板に充填された穴埋め材およびビルドアップ層を厚み方向に沿って貫通する貫通孔を形成する工程と、該貫通孔の内壁面に対し、一方の開口部から有機系または無機系材料を負圧を用いて塗布し、ほぼ円筒形のクラッドを形成する工程と、該クラッドの中心部を軸方向に貫通する中空部に、透明で且つ上記クラッドを形成する材料よりも高い屈折率の有機系または無機系材料を充填して、ほぼ円柱形のコアを形成することで、光導波路を形成する工程と、を含む、ことを特徴とする。
また、前記ビルドアップ層は、エポキシ系などの樹脂からなる絶縁層、それらの間に配置される配線層、および、これらの間を導通するビア導体を含み、最外側の絶縁層は、別のエポキシ系などの樹脂からなるソルダーレジスト層である。
また、前記「被削性に優れた」とは、穴埋め材の方が、コア基板よりも、ドリル加工による孔明けに際し、抵抗が少なく且つ容易に穿孔できることを意味する。
加えて、前記クラッドおよびコアには、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂のような有機系材料のほか、石英ガラスなどの無機系材料からなり、互いに屈折率が相違するものが選定される。このうち、クラッドには、透明または半透明の上記材料が適用され、コアには、透明な上記材料が適用される。
一方、クラッドおよびコアを形成する無機系材料としては、例えば、石英ガラスの粉末をバインダ樹脂に混入させたペースト材が使用される。
更に、前記穴埋め材は、ビルドアップ層の絶縁層を構成する樹脂と同等か、あるいは該樹脂よりも被削性に優れたものであれば良い。
加えて、前記光導波路を形成する工程の後に、該光導波路の両端面を平坦面に研磨する工程が施される。その際、光導波路の両端面は、前記ビルドアップ層の最外に位置するソルダーレジスト層、あるいは剥離可能な仮保護層と同時に同じレベルで研磨される。
尚、前記光導波路を形成する工程の後に、該光導波路の両端面を平坦面に研磨する工程が施される。
図1は、本発明により得られる一形態の光導波路付き配線基板1の要部を示す部分断面図、図2は、図1中の一点鎖線部分Xの模式的な拡大図、図3は、図2中のY−Y線の矢視に沿った模式的な断面図である。
光導波路付き配線基板1は、図1に示すように、表面3および裏面4を有するコア基板2と、該コア基板2の表面3および裏面4に形成されたビルドアップ層u1,u2と、該ビルドアップ層u1,u2および上記コア基板2を、これらの厚み方向に沿って貫通し、外側のクラッド11および内側のコア12からなる光導波路10と、を備えている。
上記コア基板2は、例えば、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(以下、BT樹脂と称する:絶縁材)にシリカフィラなどの無機フィラを含有したものである。尚、コア基板2は、アルミナなどの高温焼成セラミック、あるいはガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックからなるものでも良い。
また、上記コア基板2の表面3と裏面4とには、スルーホール導体6に接続され、Cuなどからなる配線層14,15が所定パターンで形成されている。
更に、前記ビルドアップ層u1,u2は、図1に示すように、例えば、エポキシ系樹脂からなる絶縁層r1〜r3、絶縁層r4〜r6と、これらの間に形成され、且つCuなどからなる配線層16〜21が所定パターンで形成されている。該配線層16〜21間および上記配線層14,15との間は、フィルドビア導体(以下、単にビア導体と称する)vによって、接続されている。
前記ビルドアップ層u1,u2の最外側には、前記とは異なるエポキシ系樹脂からなるソルダーレジスト層s1,s2が形成され、これらを貫通する凹部22,23には、前記配線層20,21の一部がパッドとして露出し、該パッド上には、外か世話面23,27よりも外側に突出するハンダバンプ24,25が形成されている。尚、スルーホール導体6、配線層14など、およびビア導体vは、Agでも良い。また、ハンダバンプ24,25は、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Zn−Ag−Bi、Sn−Ag−Bi−Cu、Sn−Zn、Sn−Zn−Bi系などの低融点合金からなる。
上記Cu粉末mの粒径を0.1μm以上としたので、図2,図3に示すように、次述する貫通孔10を穿孔する際のドリル加工において、ドリルの外周面に当たるCu粉末mがその中間で容易に剪断されるため、内周面に凹凸のない貫通孔10が形成されている。尚、上記Cu粉末mの粒径が0.1μm未満になると、ドリルの外周面に当たった際に、Cu粉末mの全体が上記樹脂jから剥離し、貫通孔10の内周面に凹みを生じるおそれがあるので、好ましくない。
また、コア基板2内に位置する上記穴埋め材9と、ビルドアップ層u1,u2との厚み方向に沿って、これらを貫通する断面ほぼ円形の貫通孔10内には、外側のほぼ円筒形を呈するクラッド11と、その中心部を軸方向に沿って貫通し、且つほぼ円柱形を呈するコア12とが同心円状に配置された光導波路Lが形成されている。因みに、クラッド11の直径は、0.1mm以下(例えば、50μm)であり、長さは、0.2mm以上(例えば、0.4mm)である。
更に、図1に示すように、上方のビルドアップu1の外側面26上には、ハンダバンプ24と接続される光素子Cが実装可能とされ、該光素子C中の発光点cは、図1中の一点鎖線の矢印で示すように、光導波路Lにおけるコア12の中心部に光を発光可能としている。
光導波路付き配線基板1aは、図4に示すように、前記同様のコア基板2、ビルドアップ層u1,u2、および穴埋め材9などを有すると共に、クラッド11およびコア12からなる光導波路Lは、コア基板2内の穴埋め材9と、ビルドアップ層u1,u2の絶縁層r1〜r3、絶縁層r4〜r6とを、これらの厚み方向に沿って貫通する貫通孔10内に形成されている。
光導波路付き配線基板1aが前記光導波路付き配線基板1と相違するのは、光導波路10の軸方向の両端面が、ソルダーレジスト層s1,s2の外側面26,27よりもコア基板2側で且つ最外側の絶縁層r3,r6の中間に位置し、且つ凹部g1,g2の底面に露出している構造である。
光導波路付き配線基板1bは、図5に示すように、前記同様のコア基板2、およびビルドアップ層u1,u2などを有すると共に、コア基板2およびビルドアップ層u1,u2の厚み方向に沿って貫通する通し孔8内に、前記同様の穴埋め材9が充填され、該穴埋め材9の内側に設けた貫通孔10内を、クラッド11およびコア12からなる光導波路Lが貫通している。
かかる光導波路付き配線基板1bでは、図5に示すように、通し孔8、穴埋め材9の両端面、貫通孔10、および光導波路Lの両端面が、ビルドアップ層u1,u2の最外側に位置するソルダーレジスト層s1,s2の外側面26,27に、それぞれ面一で露出している。
先ず、図6に示すように、シリカフィラなどの無機フィラを含有するBT樹脂(絶縁材)からなるコア基板2に設けられた表面3と裏面4との間の厚み方向に沿って、ドリル加工あるいはレーザ加工によって、複数のスルーホール5と、これよりも大きな内径の通し孔8とを貫通させた。
次に、所要の位置にマスキングを被覆するか、あるいはメッキ用レジストを形成した後、上記スルーホール5の内壁面およびコア基板2の表面3および裏面4におけるスルーホール5の開口部の周辺部に対し、Pdを含むメッキ触媒を塗布し、更に無電解銅メッキおよび電解銅メッキを施した。その後、上記マスキングなどを除去した。
その結果、図7に示すように、スルーホール5の内壁面に沿って、Cuからなり且つほぼ円筒形のスルーホール導体6が形成され、且つ表面3および裏面4には、スルーホール導体6の両端と接続された導体部14a,15aが形成された。
次いで、所要の位置にマスキングなどを被覆した後、図9に示すように、コア基板2の表・裏面3,4に位置する導体部14a,15aと、これらに囲まれた埋め込み樹脂7の端面とに対し、前記同様の電解銅メッキによる蓋メッキを施すことによって、コア基板2の表・裏面3,4に配線層14,15を形成した。
尚、以上の各工程は、予め、表・裏面3,4の全面に銅箔が貼り付けられたコア基板2に対し、前記同様にスルーホール5および通し孔8を穿孔し、表・裏面3,4の銅箔上と、スルーホール5および通し孔8の内壁面とに対し、前記同様の電解銅メッキなどを施して、上記銅箔を含む表・裏面導体層、スルーホール導体7、および通し孔8の内壁面に沿った筒形導体を形成し、更に、前記同様に埋め込み樹脂7および穴埋め材9を充填した後、所定パターンのエッチングにより配線層14,15を形成する方法で行っても良い。
その結果、図10に示すように、コア基板2の表面3に、絶縁層r1〜r3,ソルダーレジスト層s1と、配線層16,18,20とを備えたビルドアップ層u1が形成され、コア基板2の裏面4に、絶縁層r4〜r6,ソルダーレジスト層s2と、配線層16,18,20とを備えたビルドアップ層u2が形成された。
尚、前記工程では、最外層のソルダーレジスト層s1,s2に、最外側の配線層20,21の一部を底面に露出させる凹部22,23が併せて形成された。
即ち、穴埋め材9は、前記樹脂j中に粒径が0.1μm以上のCu粉末mを含有しているため、シリカフィラを含有するコア基板2よりも、ドリルによる孔明け加工に際し、抵抗が少ないと共に、ドリルの外周面に当たるCu粉末mを中間で容易に剪断できた故である。尚、ビルドアップ層u1,u2の絶縁層r1〜r6,ソルダーレジスト層s1,s2は、コア基板2に比べて被削性に優れているため、これらを貫通する貫通孔10の内壁面も、上記と同様であった。
かかる状態で、図12に示すように、メタルマスク30の上面に、液状で透明あるいは半透明のエポキシ系樹脂(有機系材料)11aを配置し、メタルマスク30の上面にスキージ32をスライドさせて、上記樹脂11aを貫通孔10内に吸引しつつ充填した後、更に加熱して硬化させた。その結果、図示のように、貫通孔10の内壁面に沿って、外周面が平滑なほぼ円柱形で且つ均一な厚みを有し、全体がほぼ円筒形を呈するクラッド11が形成された。尚、クラッド11を貫通孔10内に均一な厚みで形成するには、その直径、前記樹脂11aの粘度、および前記負圧となる圧力差(P1−P2)を、制御することにより可能である。
次に、前記同様の一対のメタルマスクを、そのガイド孔がクラッド11の上記各フランジ11bを囲むように配置し、クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通する中空部に、前記同様のスキージなどを用いて、透明で且つクラッド11を形成した前記樹脂11aよりも高い屈折率を有し、且つ液状のエポキシ系樹脂(有機系材料)を充填し後、更に加熱して硬化させた。
その結果、図14に示すように、クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通するほぼ円柱形のコア12が形成された。尚、該コア12の両端部には、クラッド11の各フランジ11bに囲まれた太径部12aが外側に若干突出していた。また、前記エポキシ系液状の樹脂を充填する際に、かかる樹脂液が各フランジ11bを乗り越えて外側に流れ出さないように留意することが肝要である。
その結果、図15に示すように、両端の前記フランジ11bおよび太径部12aが除去され、円筒形のクラッド11と円柱形のコア12とが平面視で同心円状に配置され、且つ両端面が平坦に研磨された光導波路Lが形成された。同時に、ソルダーレジスト層s1,s2は、目標値の約20μmの厚みとなった。
その後、図15に示すように、ソルダーレジスト層s1,s2に開設された凹部22,23の底面に露出する配線層20,21の表面の一部であるパッド20a,21a上に、前記ハンダバンプ24,25を形成することで、前記図1に示した光導波路付き配線基板1を製造することができた。
更に、かかる光導波路付き配線基板1の外側面26上に前記光素子Cを配置し、その外部接続端子をハンダバンプ24,25と接続すると共に、光導波路Lの上端面に光素子C側の発光点cを対向させつつ実装することで、光導波路Lを通じて外部との光信号による正確な送・受信が可能となった。
予め、図16に示すように、前記同様に通し孔8に穴埋め材9が充填され、且つスルーホール5にスルーホール導体6が形成されたコア基板2の表・裏面3,4に、前記同様の絶縁層r1,r2、絶縁層r4,r5と、配線層16,18、配線層17,19と、これらの間に位置するビア導体vとを形成した。更に、最外層の絶縁層r2,r5の上に、例えば、感光性のアクリル系、あるいはエポキシ系樹脂からなり、且つ剥離可能な仮保護層p1,p2を形成した。
次に、図17に示すように、コア基板2内の通し孔8に充填された穴埋め材9のほぼ中央部と、該穴埋め材9の上下に位置するビルドアップ層u1,u2の絶縁層r1〜r4および仮保護層p1,p2とを、厚み方向に沿って貫通するようにドリル加工によって、断面円形の貫通孔10を形成した。この際、貫通孔10の内壁面のうち、少なくとも穴埋め材9を貫通する部分では、断面がほぼ真円形となっており、ビルドアップ層u1,u2の内壁面でも同様となっていた。
その結果、図18に示すように、貫通孔10の内壁面に沿って、外周面が平滑なほぼ円柱形で且つ均一な厚みを有し、全体がほぼ円筒形を呈するクラッド11が形成され、且つその軸方向の両端には、上下一対のフランジ11bが残った。
更に、クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通する中空部に、前記同様のスキージなどを用いて、透明で且つクラッド11を形成した前記樹脂(11a)よりも高い屈折率を有し、且つ液状のエポキシ系樹脂を充填し、更に加熱して硬化させた。その結果、図19に示すように、クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通するほぼ円柱形のコア12と、その両端に位置する太径部12aとが形成された。
次いで、上記仮保護層p1,p2に対し、アミン系溶液からなるエッチング(現像)液を接触させて、図21に示すように、仮保護層p1,p2を剥離した。
更に、光導波路Lの両端面をマスキングした状態で、図22に示すように、絶縁層r2,r5の上に絶縁層r3,r5を形成し、前記同様にしてこれらを貫通するビア導体vと、これらの上方に接続する配線層20,21と、を形成した。
その後、上記パッド20a,21a上に、前記ハンダバンプ24,25を形成することで、前記図4に示した光導波路付き配線基板1aを製造できた。
更に、光導波路付き配線基板1aの外側面26上に前記光素子Cを配置し、光導波路Lの上端面に該光素子C側の発光点cを対向させつつ実装することで、光導波路Lを通じて外部への伝送が可能となった。
更に、前記仮保護層p1,p2を用いた後、これを剥離する異なる形態の製造方法では、ビルドアップ層u1,u2の最外側に位置するソルダーレジスト層s1の表面(外側面)26が研磨されていないため、該表面26と前記ハンダバンプ24,25の上方に追って実装される光素子Cの底面との間に、充填するアンダーフィル材の充填を容易に行うことも可能となった。
先ず、前記同様にして、図24に示すように、コア基板2にスルーホール5、およびスルーホール導体6を形成し、該コア基板2の表面3および裏面4に、前記同様の配線層14,15、絶縁層r1〜r3,ソルダーレジスト層s1、あるいは絶縁層r4〜r6,ソルダーレジスト層s2を形成し、これらの間および内部に配線層16,18,20、ビア導体v、あるいは配線層17,19,21、ビア導体vを形成して、ビルドアップ層u1,u2を形成した。ソルダーレジスト層s1,s2には、凹部22,23を形成し、その底面に配線層20,21の一部であるパッド20a,21aを露出させた。尚、ソルダーレジスト層s1,s2は、目標値よりも厚く形成しても良い。
次いで、図24に示すように、コア基板2およびビルドアップ層u1,u2に対し、これらの厚み方向に沿って、ドリル加工による通し孔8を形成した。
次に、図25に示すように、上記通し孔8内に、前記同様の穴埋め材9を充填した。
次いで、ビルドアップ層u1の上方の圧力に対し、ビルドアップ層u2の下方の圧力を小さくして、後者側を負圧とし、且つ前記同様の一対のメタルマスクおよびスキージを用い、液状で透明あるいは半透明のエポキシ系の樹脂(11a)を、吸引しつつ貫通孔10の内壁面に沿って充填し、更に加熱・硬化した。
次に、該クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通する中空部に、前記同様のスキージなどを用いて、透明で且つクラッド11を形成した前記樹脂(11a)よりも高い屈折率を有し、且つ液状のエポキシ系樹脂を充填し、更に加熱して硬化させた。
その結果、図27に示すように、クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通する円柱形のコア12が形成されると共に、クラッド11およびコア12が内外2重の同心円で配置され、且つ全体が円柱形の光導波路Lが形成された。
次いで、ソルダーレジスト層s1,s2の表層を研磨すると同時に、光導波路Lの両端面をも平坦面に研磨できた。
そして、光導波路付き配線基板1bの外側面26上に前記光素子Cを配置し、光導波路Lの上端面に該光素子C内の発光点cを対向させつつ実装することで、光導波路Lを通じて外部への伝送が可能となった。
以上のような光導波路付き配線基板1bを得るための第2の製造方法によれば、前記貫通孔10は、コア基板2およびビルドアップ層u1,u2を貫通する通し孔8に充填された前記穴埋め材9を、その全長に沿って断面ほぼ真円形にて貫通しているため、外周面が平滑であり、全体がほぼ円筒形であり且つ均一な厚みの前記クラッド11を一層確実に形成できた。更に、該クラッド11の中心部を軸方向に沿って貫通するほぼ円柱形の中空部に、これと相似形のコア12を形成することで、クラッド11およびコア12が内外2重の同心円で且つ全体が円柱形の光導波路Lを確実に形成できた。従って、外部との間に配線された光ファイバとの光信号を送信ロスを少なくし、一層正確に送信ないし受信できる光導波路付き配線基板1bを確実に提供することが可能となった。
例えば、前記コア基板は、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂、あるいはフッ素系樹脂などに、ガラス繊維、ガラス織布、あるいはポリイミド繊維を混入した有機系の複合材料からなるものとしても良い。
また、前記コア基板は、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどの高温焼成セラミック、あるいは、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックのような無機系材料からなるものとしても良い。
更に、本発明により得られる光導波路付き配線基板は、ビルドアップ層を、コア基板の表面または裏面の何れか一方のみに形成した形態としても良い。
更に、前記コア基板2内に形成した1個の穴埋め材9に対し、2つの以上の貫通孔10および光導波路Lを並列に形成しても良い。
また、前記パッド20a,21a上には、導体からなるボールをハンダ付けしたり、あるいは裏面側のパッド21a上には、導体ピンの太径部をハンダ付けしても良い。
加えて、前記光導波路付き配線基板の製造方法は、多数個取りによって行っても良い。
2…………………コア基板
3…………………表面
4…………………裏面
8…………………通し孔
9…………………穴埋め材
10………………貫通孔
11………………クラッド
11a……………エポキシ系樹脂(有機系材料)
12………………コア
16〜21………配線層
r1〜r6………絶縁層
s1,s2………ソルダーレジスト層(絶縁層)
u1,u2………ビルドアップ層
L…………………光導波路
Claims (2)
- 絶縁材からなるコア基板に設けられた表面と裏面との間を貫通する通し孔に、該コア基板よりも被削性に優れた穴埋め材を充填する工程と、
上記コア基板の表面および裏面の少なくとも一方に、複数の絶縁層およびこれらの間に位置する配線層を含むビルドアップ層を形成する工程と、
上記コア基板に充填された穴埋め材およびビルドアップ層を厚み方向に沿って貫通する貫通孔を形成する工程と、
上記貫通孔の内壁面に対し、一方の開口部から有機系または無機系材料を負圧を用いて塗布し、ほぼ円柱形のクラッドを形成する工程と、
上記クラッドの中心部を軸方向に貫通する中空部に、透明で且つ上記クラッドを形成する材料よりも高い屈折率の有機系または無機系材料を充填して、コアを形成することで、光導波路を形成する工程と、を含む、
ことを特徴とする光導波路付き配線基板の製造方法。 - 絶縁材からなるコア基板に設けられた表面および裏面における少なくとも一方に、複数の絶縁層およびこれらの間に位置する配線層を含むビルドアップ層を形成する工程と、
上記コア基板およびビルドアップ層の厚み方向に沿って、通し孔を形成する工程と、
上記通し孔に上記コア基板よりも被削性に優れた穴埋め材を充填する工程と、
上記穴埋め材に上記コア基板およびビルドアップ層の厚み方向に沿った貫通孔を形成する工程と、
上記貫通孔の内壁面に対し、一方の開口部から有機系または無機系材料を負圧を用いて塗布し、ほぼ円柱形のクラッドを形成する工程と、
上記クラッドの中心部を軸方向に貫通する中空部に、透明で且つ上記クラッドを形成する材料よりも高い屈折率の有機系または無機系材料を充填して、コアを形成することで、光導波路を形成する工程と、を含む、
ことを特徴とする光導波路付き配線基板の製造方法。
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