JP5148219B2 - 触覚センサユニットおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、触覚センサユニットおよびその製造方法に関する。
マルチモーダルなインタラクション環境を実現するために、コンピュータからユーザに情報を提示する機能とともに、コンピュータが外界の状況を知覚する機能の研究開発が行われている。人の皮膚のように接触面の圧力および剪断力を同時に検出することが可能な触覚センサは、遠隔地の物理的な接触状況を把握するため、およびロボットが確実に物を操作しかつ安全に人と接するために必要である。
このような機能を実現する触覚センサとして、ナノ薄膜生成技術により作製される微小な4本のカンチレバー(片持ち梁)を用いて圧力および剪断力を同時に検出可能な多軸触覚センサの開発が進められている(非特許文献1参照)。
「ナノ薄膜生成技術を応用した集積多軸触覚センサによる形状認識手法の検討」 日本VR学会第11回大会,pp.261-262,2006
しかしながら、上記の多軸触覚センサは微小なカンチレバーからなるため、製造条件のばらつきにより印加された圧力および剪断力と出力値との関係を一定にすることが困難である。そのため、圧力および剪断力を同時にかつ高精度に検出することが可能な触覚センサは実現されていなかった。
本発明の目的は、圧力および剪断力を同時にかつ高精度に検出することが可能な触覚センサユニットおよびその製造方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る触覚センサユニットは、印加された圧力ならびに互いに異なる方向の第1および第2の剪断力に対応する出力値を与える触覚センサと、触覚センサに印加される圧力と触覚センサの出力値との関係を示す第1の関数またはその第1の関数の第1の係数群、触覚センサに印加される第1の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第2の関数またはその第2の関数の第2の係数群、および触覚センサに印加される第2の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第3の関数またはその第3の関数の第3の係数群を予め記憶する記憶手段と、使用時に、記憶手段に記憶された第1、第2および第3の関数または第1、第2および第3の係数群に基づいて、第1、第2および第3の関数を用いて触覚センサの出力値を圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を示す検出値に変換する出力変換手段とを備え、触覚センサは、基板と、基板上に異なる向きに設けられ、半導体材料からなるカンチレバーをそれぞれ有する少なくとも3つのセンサ素子と、少なくとも3つのセンサ素子を被覆する弾性を有する被覆層と、少なくとも3つのセンサ素子のカンチレバーのピエゾ抵抗の変化により変化する信号をそれぞれ出力する出力回路とを含み、触覚センサの出力値は、少なくとも3つのセンサ素子に対応して出力回路から出力される少なくとも3つの信号を含み、第1の係数群は、少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第1の係数および他の第1の係数を含み、第1の関数は、少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第1の係数との積和に他の第1の係数を加算する演算式の二乗であり、第2の係数群は、少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第2の係数および他の第2の係数を含み、第2の関数は、少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第2の係数との積和に他の第2の係数を加算する演算式の二乗であり、第3の係数群は、少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第3の係数および他の第3の係数を含み、第3の関数は、少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第3の係数との積和に他の第3の係数を加算する演算式の二乗であるものである。
その触覚センサユニットの触覚センサにおいては、基板上に半導体材料からなるカンチレバーをそれぞれ有する少なくとも3つのセンサ素子が異なる向きに設けられ、それらのセンサ素子が弾性を有する被覆層で被覆される。それにより、触覚センサの被覆層に圧力、第1の剪断力および第2の剪断力が印加されると、センサ素子から印加された圧力、第1の剪断力および第2の剪断力に対応する出力値が与えられる。
記憶手段には、触覚センサに印加される圧力と触覚センサの出力値との関係を示す第1の関数またはその第1の関数の第1の係数群、触覚センサに印加される第1の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第2の関数またはその第2の関数の第2の係数群、および触覚センサに印加される第2の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第3の関数またはその第3の関数の第3の係数群が予め記憶される。触覚センサユニットの使用時には、記憶手段に記憶された第1、第2および第3の関数または第1、第2および第3の係数群に基づいて、第1、第2および第3の関数を用いて出力変換手段により触覚センサの出力値が圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を示す検出値に変換される。
それにより、触覚センサの特性にばらつきがある場合または複数のセンサ素子間で特性が異なる場合にも、触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を同時にかつ簡単な処理で高精度に検出することができる。
)センサ素子の各々は、基板上に第1の膜からなる支持部および第2の膜からなる可動部をこの順に備え、第2の膜は半導体材料からなり、第1の格子定数を有する第1の層と、第1の格子定数よりも小さな第2の格子定数を有する第2の層とを順に含み、第1および第2の層の少なくとも一方は、不純物元素の添加により一導電型を有し、第1の格子定数と第の格子定数との差に起因して可動部が湾曲するとともに、可動部の一部が支持部を介して基板に固定され、可動部がカンチレバーであってもよい。
この場合、各センサ素子のピエゾ抵抗の変化量を検出することにより、被覆層の表面に印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力をより高感度で検出することができる。
)触覚センサユニットは、触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と触覚センサの出力値とに基づいて第1、第2および第3の係数群を算出する算出手段をさらに備えてもよい。
この場合、任意のタイミングで触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と触覚センサの出力値とに基づいて第1、第2および第3の係数群が算出手段により算出され、算出された第1、第2および第3の係数群をそれぞれ含む第1、第2および第3の関数、または第1、第2および第3の係数群が記憶手段に記憶される。それにより、任意のタイミングで触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と触覚センサの出力値との関係を修正することができる。
)第2の発明に係る触覚センサユニットの製造方法は、印加された圧力ならびに互いに異なる方向の第1および第2の剪断力に対応する出力値を与える触覚センサと、触覚センサに印加される圧力と触覚センサの出力値との関係を示す第1の関数またはその第1の関数の第1の係数群、触覚センサに印加される第1の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第2の関数またはその第2の関数の第2の係数群、および触覚センサに印加される第2の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第3の関数またはその第3の関数の第3の係数群を予め記憶するための記憶手段と、触覚センサの出力値を記憶手段に記憶された第1、第2および第3の関数または第1、第2および第3の係数群に基づいて、第1、第2および第3の関数を用いて圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を示す検出値に変換する出力変換手段とを作製する工程と、触覚センサに圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を印加するとともに触覚センサの出力値を取得する工程と、印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と取得される出力値とに基づいて第1、第2および第3の係数群を算出する工程と、算出された第1、第2および第3の係数群をそれぞれ含む第1、第2および第3の関数、または第1、第2および第3の係数群を記憶手段に記憶させる工程とを備え、触覚センサは、基板と、基板上に異なる向きに設けられ、半導体材料からなるカンチレバーをそれぞれ有する少なくとも3つのセンサ素子と、少なくとも3つのセンサ素子を被覆する弾性を有する被覆層と、少なくとも3つのセンサ素子のカンチレバーのピエゾ抵抗の変化により変化する信号をそれぞれ出力する出力回路とを含み、触覚センサの出力値は、少なくとも3つのセンサ素子に対応して出力回路から出力される少なくとも3つの信号を含み、第1の係数群は、少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第1の係数および他の第1の係数を含み、第1の関数は、少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第1の係数との積和に他の第1の係数を加算する演算式の二乗であり、第2の係数群は、少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第2の係数および他の第2の係数を含み、第2の関数は、少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第2の係数との積和に他の第2の係数を加算する演算式の二乗であり、第3の係数群は、少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第3の係数および他の第3の係数を含み、第3の関数は、少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第3の係数との積和に他の第3の係数を加算する演算式の二乗であるものである。
その製造方法によれば、触覚センサ、記憶手段および出力変換手段が作製される。次に、触覚センサに圧力、第1の剪断力および第2の剪断力が印加されるとともに触覚センサの出力値が取得される。そして、印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と取得される出力値とに基づいて触覚センサに印加される圧力と触覚センサの出力値との関係を示す第1の関数の第1の係数群、触覚センサに印加される第1の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第2の関数の第2の係数群、および触覚センサに印加される第2の剪断力と触覚センサの出力値との関係を示す第3の関数の第3の係数群が算出される。その後、算出された第1、第2および第3の係数群をそれぞれ含む第1、第2および第3の関数、または第1、第2および第3の係数群が記憶手段に記憶される。
このようにして製造された触覚センサユニットの触覚センサにおいては、基板上に半導体材料からなるカンチレバーをそれぞれ有する少なくとも3つのセンサ素子が異なる向きに設けられ、それらのセンサ素子が弾性を有する被覆層で被覆される。それにより、触覚センサの被覆層に圧力、第1の剪断力および第2の剪断力が印加されると、センサ素子から印加された圧力、第1の剪断力および第2の剪断力に対応する出力値が与えられる。
記憶手段には、第1、第2および第3の係数群をそれぞれ含む第1、第2および第3の関数、または第1、第2および第3の係数群が予め記憶される。触覚センサユニットの使用時には、記憶手段に記憶された第1、第2および第3の関数または第1、第2および第3の係数群に基づいて、第1、第2および第3の関数を用いて出力変換手段により触覚センサの出力値が圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を示す検出値に変換される。
それにより、触覚センサの特性にばらつきがある場合または複数のセンサ素子間で特性が異なる場合にも、触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を同時にかつ簡単な処理で高精度に検出することができる。
本発明によれば、触覚センサの特性にばらつきがある場合または複数のセンサ素子間で特性が異なる場合にも、触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を同時にかつ高精度に検出することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る触覚センサユニットおよびその製造方法について図面を参照しながら説明する。
(1)触覚センサシステム
図1は本発明の一実施の形態に係る触覚センサシステムを製造するための触覚センサ製造システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す触覚センサ製造システムは、触覚センサユニット1、関数算出部2および測定装置3により構成される。
触覚センサユニット1は、触覚センサ200、出力変換部300および関数記憶部400により構成される。
触覚センサ200の構成については後述する。出力変換部300は、マイクロコンピュータまたはゲートアレイ等により構成される。関数記憶部400は、ROM(リードオンリメモリ)または不揮発性RAM(ランダムアクセスメモリ)等により構成される。関数算出部2は、パーソナルコンピュータまたはゲートアレイ等により構成される。なお、触覚センサユニット1が関数算出部2を内蔵してもよい。
測定装置3は、触覚センサユニット1の触覚センサ200に圧力および剪断力を印加するとともに、触覚センサ200に実際に印加された圧力および剪断力を測定する。以下、測定装置3により触覚センサ200に印加された圧力および剪断力の測定値を印加値Fと呼ぶ。
触覚センサ200は、印加された圧力および剪断力に応じたデジタル信号を出力する。以下、触覚センサ200から出力されるデジタル信号を出力値Sと呼ぶ。
関数算出部2は、触覚センサ200の出力値Sおよび測定装置3から出力される印加値Fに基づいて後述する方法で出力値Sと印加値Fとの関係を示す関数Gまたはその係数Cを算出する。本実施の形態では、関数算出部2は、関数Gとして一次式または二次式の係数を算出する。
関数記憶部400は、関数算出部2により算出された関数Gまたはその係数Cを記憶する。本実施の形態では、関数記憶部400は、関数Gとして一次関数または二次関数の係数を記憶する。
出力変換部300は、触覚センサユニット1の使用時に、触覚センサ200の出力値Sを関数記憶部400に記憶される関数Gまたはその係数Cを用いて圧力および剪断力に対応する値に変換する。以下、出力変換部300から出力される圧力および剪断力に対応する値を検出値Fcと呼ぶ。
(2)触覚センサ200の構成
図2は触覚センサユニット1の触覚センサ200を示す概略斜視図である。
図2に示すように、触覚センサ200は、複数のセンサ素子201,202,203,204を含む。本実施の形態では、触覚センサ200は、4つのセンサ素子201,202,203,204を含む。
センサ素子201,202,203,204は、それぞれカンチレバーCL1,CL2,CL3,CL4を含む。センサ素子201,202,203,204は、共通の結晶シリコン基板101に形成され、共通のエラストマー膜105により被覆されている。
以下、結晶シリコン基板101の表面に平行で互いに直交する2つの方向にX軸およびY軸を定義し、結晶シリコン基板101の表面に垂直な方向にZ軸を定義する。結晶シリコン基板101の表面に向かう方向をZ軸の正の方向とする。
結晶シリコン基板101には、カンチレバーCL1,CL2,CL3,CL4のピエゾ抵抗の変化量をアナログ電圧の変化量に変換するブリッジ回路、ブリッジ回路の出力電圧を増幅する増幅器および増幅器の出力電圧をデジタル信号の出力値に変換するAD変換器(アナログデジタル変換器)を含む出力回路(図示せず)が形成されている。詳細については後述する。
センサ素子201のカンチレバーCL1とセンサ素子203のカンチレバーCL3とが互いに対向し、センサ素子202のカンチレバーCL2とセンサ素子204のカンチレバーCL4とが互いに対向する。また、センサ素子201,203とセンサ素子202,204とは互いに直交する向きに配置されている。
本実施の形態においては、カンチレバーCL1,CL3がX軸方向に沿うようにセンサ素子201,203が配置され、カンチレバーCL3,CL4がY軸方向に沿うようにセンサ素子202,204が配置されている。XY面に沿って剪断力が印加され、Z軸の正の方向に圧力が印加される。
(3)センサ素子の製造方法の一例
図3〜図8は図2の触覚センサ200に含まれる1つのセンサ素子の製造方法の一例を示す工程図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。図9はカンチレバーCL1に接続される出力回路の一例を示す回路図である。
図3には、1つのセンサ素子201のみが示されるが、他のセンサ素子202,203,204もセンサ素子201と同時に同様の方法で形成される。
まず、図3に示すように、SOI(Silicon On Insulator:絶縁体上シリコン)基板1000を用意する。SOI基板1000は、結晶シリコン基板101、埋め込み酸化膜102および結晶シリコン膜103を有する。結晶シリコン膜103の厚さは、例えば、200nmである。埋め込み酸化膜102は、例えば酸化シリコン(SiO)からなる。
次に、図4に示すように、熱拡散またはイオン注入により結晶シリコン膜103にホウ素(B)を添加する。これにより、結晶シリコン膜103は、ノンドープ層103aとp型のドープ層103bとに分かれる。ドープ層103bの厚さは、例えば、100nmである。また、ドープ層103bにおけるホウ素の濃度は、例えば、0.2原子%(1020/cm)である。
次に、図5に示すように、SOI基板1000の一端側でドープ層103b上に、フォトリソグラフィ、および蒸着またはスパッタリングにより矩形の電極104a,104bを形成する。電極104a,104bは、例えば、アルミニウム(Al)からなる。
次に、図6に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、電極104a,104b下の領域および中央部の略U字状の領域を除くノンドープ層103aおよびドープ層103bを除去する。なお、エッチングとしては、例えば、ウェットエッチング法を用いることができる。エッチング液としては、例えば、2,6−ヒドロキシナフトエ酸(HNA)を用いることができる。なお、上記略U字状に残されたノンドープ層103aおよびドープ層103bが後述するカンチレバーCL1となる。
次に、図7に示すように、エッチングにより埋め込み酸化膜102の所定の領域を除去する。エッチング液としては、例えば、フッ化水素(HF)を用いることができる。
ここで、上述したように、ドープ層103bは、結晶シリコン膜103(図2)にホウ素を添加することにより形成されている。また、ドープ層103bにおけるホウ素の濃度は、0.2原子%(1020/cm)に設定されている。これにより、ドープ層103bの格子定数は、シリコン(Si)の格子定数(約5.4295Å)に比べて約0.0028Å小さくなっている。
この場合、ノンドープ層103aとドープ層103bとの境界面において格子定数の差に起因して歪みが発生する。そのため、埋め込み酸化膜102の上記所定の領域を除去した場合、上記境界面の歪みを緩和するように、図7に示すようにノンドープ層103aおよびドープ層103bの一端側が上方に向かって湾曲する。これにより、XY平面において略U字状でかつXZ平面において湾曲するカンチレバーCL1が形成される。
なお、例えば、カンチレバーCL1のXZ平面における曲率半径は約400μmであり、カンチレバーCL1の長手方向の長さは約600μmである。また、ノンドープ層103aとドープ層103bとの間に発生する歪みは、例えば、約5×10−4である。
次に、図7の状態で、水洗浄、IPA(イソプロピルアルコール)置換、およびt−ブチルアルコール置換を行う。その後、フリーズドライ(真空凍結乾燥)を行う。
次に、図8に示すように、結晶シリコン基板101上で、埋め込み酸化膜102、ノンドープ層103a、ドープ層103bおよび電極104a,104bをエラストマー層105に埋設する。これにより、センサ素子201が完成する。なお、エラストマー層105としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂等を用いることができる。本実施の形態においては、PDMS(ポリジメチルシロキサン:polydimethylsiloxane)樹脂を用いる。
このようにして作製されたセンサ素子201においては、略U字形状を有するp型のドープ層103bの一端に電極104aが形成され、他端に電極104bが形成されている。これにより、ドープ層103bを、ピエゾ抵抗素子として機能させることができる。
エラストマー層105に圧力または剪断力が印加されると、エラストマー層105の内部応力が変化し、カンチレバーCL1が変形する。それにより、ドープ層103bのピエゾ抵抗が変化する。
図9に示すように、カンチレバーCL1の電極104a,104bには、外部抵抗R1,R2,R3が接続され、カンチレバーCL1、外部抵抗R1,R2,R3および直流電源211によりブリッジ回路210が構成されている。ブリッジ回路210の出力電圧は増幅器230に与えられ、増幅器230の出力電圧がAD変換器240に入力される。なお、図2のカンチレバーCL2,CL3,CL4にも、図9の出力回路と同様の出力回路が接続される。
ここで、カンチレバーCL1の変形によりカンチレバーCL1のピエゾ抵抗が変化する。このピエゾ抵抗の変化量がブリッジ回路210および増幅器230により電圧の変化として検出される。さらに、増幅器230の出力電圧がAD変換器240によりデジタル信号の出力値S1に変換される。その結果、圧力および剪断力の大きさを検出することができる。
また、カンチレバーCL1は、一端側が斜め上方に向かって湾曲している。このため、エラストマー層105において、図8に示す矢印Aの方向に剪断力が印加された場合、カンチレバーCL1は曲率半径が大きくなるように変形する。一方、エラストマー層105において、図8に示す矢印Bの方向に剪断力が印加された場合、カンチレバーCL1は曲率半径が小さくなるように変形する。さらに、エラストマー層105において、図8に矢印Cの方向に圧力が印加された場合、カンチレバーCL1は曲率半径が大きくなるように変形する。
そのため、矢印Aの方向に剪断力が印加された場合と矢印Bの方向に剪断力が印加された場合とでは、ドープ層103bのピエゾ抵抗の変化の方向(増加する方向または減少する方向)が逆になる。また、矢印Cの方向に圧力が印加された場合は、ドープ層103bのピエゾ抵抗の変化の方向がそのカンチレバーCL1の近傍の他のカンチレバー(図2におけるカンチレバーCL2,CL3,CL4)のピエゾ抵抗の変化の方向と同じになる。つまり、ピエゾ抵抗の変化の方向および変化量を検出することにより、エラストマー層105に印加される剪断力および圧力の方向および大きさを判別することができる。
他のセンサ素子202,203,204の動作は、センサ素子201の動作と同様である。
(4)触覚センサ200による圧力および剪断力の検出
図2の触覚センサ200において、センサ素子201,202,203,204の出力値をそれぞれS1,S2,S3,S4とする。ここで、S=(S1,S2,S3,S4)である。
触覚センサ200においては、センサ素子201,203が互いに対向しかつX軸方向に沿うように配置され、センサ素子202,204が互いに対向しかつY軸方向に沿うように配置されている。この場合、4つのセンサ素子201,202,203,204の出力値S1,S2,S3,S4に基づいて、触覚センサ200に印加される圧力および剪断力を検出することができる。
(5)測定装置3の構成
図10は図1の測定装置3の構成の一例を示す模式図である。図10において、測定装置3は、コンピュータ30、Z軸駆動装置31、6軸力センサ32、加圧軸33、円盤状の加圧板34、XYステージ35およびXY軸駆動装置36により構成される。
XYステージ35上に触覚センサ200が設置される。加圧軸33は、Z軸駆動装置31の下部に6軸力センサ32を介してZ軸に沿って取り付けられる。加圧軸33の下端に加圧板34がXY平面に平行に取り付けられる。Z軸駆動装置31およびXY軸駆動装置36は、コンピュータ30により制御される。
コンピュータ30は、Z軸駆動装置31に圧力の目標値Fpを与えるとともに、XY軸駆動装置36にX軸方向およびY軸方向の剪断力の目標値Fsx,Fsyを与える。
Z軸駆動装置31は、目標値Fpに基づいて、加圧板34が触覚センサ200に接した状態で矢印Pで示すように加圧軸33を+Z軸方向に駆動する。それにより、触覚センサ200に圧力が印加される。
また、XY軸駆動装置36は、目標値Fsxに基づいて、矢印Qで示すようにXYステージ35を+X軸方向および−X軸方向に駆動する。それにより、触覚センサ200に±X軸方向の剪断力が印加される。さらに、XY軸駆動装置36は、目標値Fsyに基づいて、加圧板34が触覚センサ200に接した状態でXYステージ35を+Y軸方向および−Y軸方向に駆動する。それにより、触覚センサ200に±Y軸方向の剪断力が印加される。
6軸力センサ32は、±X軸方向、±Y軸方向および±Z軸方向の力を測定し、測定値F’を出力する。コンピュータ30は、6軸力センサ32の測定値F’を印加値Fとして出力する。
(6)関数Gおよび係数Cの算出処理
関数Gおよび係数Cの算出処理は、触覚センサユニット1の製造時または製造後で出荷前の調整時に行われる。
印加値Fは、X軸方向の剪断力の印加値Fx、Y軸方向の剪断力の印加値FyおよびZ軸方向の圧力の印加値Fzからなる。また、関数Gは触覚センサ200の出力値SとX軸方向の剪断力の印加値Fxとの関係を示す関数Gx、触覚センサ200の出力値SとY軸方向の剪断力の印加値Fyとの関係を示す関数Gyおよび触覚センサ200の出力値SとZ軸方向の圧力の印加値Fzとの関係を示す関数Gzからなる。さらに、触覚センサ200の出力値Sはセンサ素子201,202,203,204の出力値S1,S2,S3,S4からなる。すなわち、印加値F、関数Gおよび出力値Sは次のようになる。
F=(Fx,Fy,Fz)
G=(Gx,Gy,Gz)
S=(S1,S2,S3,S4)
Fx=Gx(S1,S2,S3,S4) …(a1)
Fy=Gy(S1,S2,S3,S4) …(a2)
Fz=Gz(S1,S2,S3,S4) …(a3)
まず、関数Gを算出するための教師データの取得処理を説明する。ここで、測定装置3による測定回数をNとする。各測定で得られる印加値FをFとし、触覚センサ200の出力値SをSとする。ここで、iは1からNまでの自然数である。印加値Fと出力値Sとの組み合わせ(F,S)を教師データと呼ぶ。
図11は関数Gの決定処理を示すフローチャートである。まず、測定装置3のXYステージ35上に触覚センサ200を設置する。また、測定装置3のコンピュータ30に測定回数Nを入力するとともに触覚センサ200に印加する圧力および剪断力の範囲を入力する。
最初に、コンピュータ30は変数iをNに設定する(ステップS101)。次に、コンピュータ30は、入力された範囲内において触覚センサ200に印加する圧力および剪断力を決定する(ステップS102)。この場合、入力された範囲内で圧力および剪断力をランダムに選択してもよく、あるいは均一に分散するように選択してもよい。
次いで、Z軸駆動装置31が加圧軸33をZ軸方向に駆動する(ステップS103)。また、XY軸駆動装置36がXYステージ35をX軸方向およびY軸方向に駆動する(ステップS104)。それにより、触覚センサ200に圧力および剪断力が印加される。
この状態で6軸力センサ32が±X軸方向、±Y軸方向および±Z軸方向の力を測定する(ステップS105)。コンピュータ30は、6軸力センサ32の測定値F’が決定された圧力および剪断力にほぼ達したか否かを判定する(ステップS106)。測定値F’が決定された圧力および剪断力にほぼ達していない場合には、ステップS103に戻り、ステップS103〜S106の処理を繰り返す。
測定値F’が決定された圧力および剪断力にほぼ達した場合には、コンピュータ30は測定値F’を印加値Fとして図1の関数算出部2に出力する。関数算出部2は、印加値Fを記憶する(ステップS107)。また、関数算出部2は、このときの触覚センサ200の出力値Sを記憶する(ステップS108)。それにより、関数算出部2に、教師データ(F,S)が記憶される。
次に、コンピュータ30は、変数iから1を減算する(ステップS109)。その後、コンピュータ30は、変数iが0となったか否かを判定する(ステップS110)。変数iが0でない場合には、ステップS102に戻り、ステップS102〜S110の処理を繰り返す。
変数iが0の場合には、関数算出部2はN組の教師データ(F,S)〜(F,S)を用いて後述する方法で関数Gを算出する(ステップS111)。
次に、教師データ(F,S)〜(F,S)を用いた関数Gの算出方法について説明する。
各組の教師データ(F,S)により次の関数Gが定義される。
=G(S) …(a4)
実際には、印加値Fおよび出力値Sには種々の誤差が含まれるため、すべの組の教師データ(F,S)に共通の関数Gは求まらない。そこで、すべての組の教師データ(F,S)で最も誤差が小さくなるように単一の関数Gを算出する。
単一の関数Gを用いることにより生じる誤差eを次式のように定義する。
=F−G(S) …(a5)
次式のように、すべての誤差eの自乗和Eが最小になる場合、すべての組の教師データ(F,S)について誤差eが最小となる。
Σe =E≧0 …(a6)
上式において、Σはi=1からi=Nまでの和を表す。上式の自乗和Eは0以上になるので、自乗和Eを関数Gx,Gy,Gzで偏微分した値が0となる変曲点で自乗和Eが最小となる。
∂E/∂Gx=∂E/∂Gy=∂E/∂Gz=0 …(a7)
したがって、自乗和Eが最小となるように最小自乗法により関数Gx,Gy,Gzを算出する。算出された関数Gx,Gy,Gzは図1の関数記憶部400に記憶される。
触覚センサ200の出力値SとX軸方向の剪断力の印加値Fxとの関係を示す関数Gx、触覚センサ200の出力値SとY軸方向の剪断力の印加値Fyとの関係を示す関数Gyおよび触覚センサ200の出力値SとZ軸方向の圧力の印加値Fzとの関係を示す関数Gzをそれぞれ線形の1次式とすると、関数Gx,Gy,Gzは次式で表される。
Fx=Gx(S1,S2,S3,S4)
=[S1 S2 S3 S4 1][C1x C2x C3x C4x C5x]
…(b1)
=C1x・S1+C2x・S2+C3x・S3+C4x・S4+C5x
Fy=Gy(S1,S2,S3,S4)
=[S1 S2 S3 S4 1][C1y C2y C3y C4y C5y]
=C1y・S1+C2y・S2+C3y・S3+C4y・S4+C5y
…(b2)
Fz=Gz(S1,S2,S3,S4)
=[S1 S2 S3 S4 1][C1z C2z C3z C4z C5z]
=C1z・S1+C2z・S2+C3z・S3+C4z・S4+C5z
…(b3)
上記のように、N組の教師データ(F,S)を用いて最小自乗法により係数C1x〜C5x,C1y〜C5y,C1z〜C5zを算出することができる。算出された係数C1x〜C5x,C1y〜C5y,C1z〜C5zは、 図1の関数記憶部400に記憶される。ここで、係数Cは、係数C1x〜C5x,C1y〜C5y,C1z〜C5zを要素とする行列式である。
なお、関数Gx,Gy,Gyをそれぞれ2次式とすると、関数Gx,Gy,Gyは次式で表される。
Fx=Gx(S1,S2,S3,S4)
=(C1x・S1+C2x・S2+C3x・S3+C4x・S4+C5x)
…(c1)
Fy=Gy(S1,S2,S3,S4)
=(C1y・S1+C2y・S2+C3y・S3+C4y・S4+C5y)
…(c2)
Fz=Gz(S1,S2,S3,S4)
=(C1z・S1+C2z・S2+C3z・S3+C4z・S4+C5z)
…(c3)
(7)出力変換処理
出力変換部300による出力変換処理は、触覚センサユニット1を用いて実際に圧力および剪断力を検出する際に行われる。
図12は出力変換部300による出力変換処理を示すフローチャートである。
触覚センサ200に圧力および剪断力が印加された状態で、出力変換部300は、関数記憶部400から関数Gを読み出す(ステップS121)。ここで、G=(Gx,Gy,Gz)である。本実施の形態では、出力変換部300は、関数記憶部400から1次式または2次式の係数Cを読み出す。
また、出力変換部300は、触覚センサ200の出力値Sを読み込む(ステップS122)。ここで、S=(S1,S2,S3,S4)である。
そして、出力変換部300は、関数Gを用いて出力値Sから検出値Fcを次式により算出する(ステップS123)。それにより、触覚センサユニット1から検出値Fcが出力される。ここで、検出値Fcは、X軸方向の剪断力の検出値Fcx、Y軸方向の剪断力の検出値FcyおよびZ軸方向の圧力の検出値Fczからなる。すなわち、Fc=(Fcx,Fcy,Fcz)である。
Fcx=Gx(S1,S2,S3,S4) …(d1)
Fcy=Gy(S1,S2,S3,S4) …(d2)
Fcz=Gz(S1,S2,S3,S4) …(d3)
本実施の形態では、図1の関数記憶部400に1次式の係数C1x〜C5x,C1y〜C5y,C1z〜C5zが記憶される。したがって、検出値Fcx,Fcy,Fczは次式より算出される。
Fcx=C1x・S1+C2x・S2+C3x・S3+C4x・S4+C5x
…(e1)
Fcy=C1y・S1+C2y・S2+C3y・S3+C4y・S4+C5y
…(e2)
Fcz=C1z・S1+C2z・S2+C3z・S3+C4z・S4+C5z
…(e3)
なお、図1の関数記憶部400に2次式の係数C1x〜C5x,C1y〜C5y,C1z〜C5zが記憶される場合には、検出値Fcx,Fcy,Fczは次式より算出される。
Fcx=(C1x・S1+C2x・S2+C3x・S3+C4x・S4+C5x) …(f1)
Fcy=(C1y・S1+C2y・S2+C3y・S3+C4y・S4+C5y) …(f2)
Fcz=(C1z・S1+C2z・S2+C3z・S3+C4z・S4+C5z) …(f3)
(8)実施の形態の効果
本実施の形態に係る触覚センサユニット1においては、触覚センサ200への印加値Fと触覚センサ200からの出力値Sとの関係を示す関数Gまたは係数Cが関数記憶部400に予め記憶される。そして、触覚センサユニット1の実際の使用時に、触覚センサ200からの出力値Sが関数記憶部400に記憶された関数Gまたは係数Cを用いて検出値Fcに変換される。それにより、触覚センサ200の特性にばらつきがある場合またはセンサ素子201,202,203,204間で特性が異なる場合にも、触覚センサ200に印加される圧力および剪断力を同時にかつ高精度に検出することができる。
(9)構造摸型によるシミュレーション
(a)構造模型の作製
ここで、上記実施の形態に係る触覚センサユニット1により同時にかつ高精度で圧力および剪断力を検出可能であることを実証するためにシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、触覚センサ200を模擬した構造模型を用いた。
構造模型は次のように作製した。燐青銅(幅5mm、長さ20mmおよび厚さ0.1mm)を素材として数十ミリメートルのカンチレバーを4つ形成した。各カンチレバーに予め反り(高さ方向に10mm程度)を持たせた。4つのカンチレバーを図2の触覚センサ200の立体構造と相似形になるようにプレート上に対向させて配置し、プレートにネジ止めした。各カンチレバーの下面には、歪みゲージ(東京測器研究所製FLA−5−11−3L;全体の幅3mm、全体の長さ10mm、ゲージ部の幅1.5mmおよび長さ5mm)を瞬間接着剤にて固定した。これらのカンチレバーをプレート面からの厚みが12mm程度になるようにシリコーンゴム(信越化学工業製KE−109;ヤング率0.84MPa)で覆った。
(b)構造模型を用いたシミュレーションの方法
上記の構造模型に圧力および剪断力を印加し、歪みゲージより得られる値を観察することにより、想定した変形の傾向が観察できるか否かを確認した。
まず、構造模型に圧力および剪断力を同時かつ正確に印加するために加圧実験装置として図10の測定装置3を用意した。XYステージ35上に構造模型を設置し、直径30mmの加圧板34の中心を構造模型のほぼ中央に配置した。加圧軸33には6軸力センサ32(ニッタ製IFS−20E12A15−I25−EX)が取り付けられている。加圧板34により構造模型に印加されている圧力および剪断力が6軸力センサ32により常に測定される。測定装置3は、印加される圧力および剪断力の目標値Fp,Fsx,Fsyと6軸力センサ32による測定値F’とを比較し、比較結果に基づいてフィードバック制御により加圧軸33およびXYステージ35の移動量を調整する。
なお、測定装置3の精度上、コンピュータ30より与えられる圧力および剪断力の目標値Fp,Fsx,Fsyと構造模型に実際に印加された圧力および剪断力との間には若干の誤差が生じる。そこで、以降の測定では、6軸力センサ32の測定値F’を構造模型に実際に印加された真の印加値Fとする。
(c)歪みの測定方法
歪みゲージの抵抗変化を検出するためには、一般的にはブリッジ回路および増幅器により抵抗変化を電圧変化に変換する手法が採られる。ここでも、同様に、ブリッジ回路およびストレインアンプ(TEAC製SA−150)を用いて抵抗変化を電圧変化に変換し、その電圧をAD変換器(CONTEC製AI−1608AY−USB)を介してコンピュータ30に入力した。なお、本シミュレーションでは、10.5Vが2000μの歪みに相当する。
(d)構造模型への印加値Fおよび構造模型からの出力値Sの測定方法
上記の測定装置3を用いて構造模型に圧力および剪断力を印加し、印加値Fと構造模型の出力値Sとの関係を観察した。
図2の触覚センサ200と同様に、第1番目および第3番目のカンチレバーの向く方向を±X軸方向と定義し、第2番目および第4番目のカンチレバーの向く方向を±Y軸方向と定義する。
圧力の目標値Fpは、3段階(7.1kPa、14.1kPaおよび21.2kPa)に設定した。剪断力の目標値Fsx,Fsyは、圧力と同程度の力を最大値として5段階に設定した。剪断力は+X軸方向、−X軸方向、+Y軸方向および−Y軸方向の4方向に印加した。
また、上記実施の形態における触覚センサ200と同様に第1番目〜第4番目のカンチレバーの出力値をS1、S2、S3およびS4とする。
ここで、圧力および剪断力の印加時には、目標値Fp,Fsx,Fsy付近で加圧軸33およびXYステージ35を5秒程度停止させ、停止中に6軸力センサ32の測定値を1秒間隔で3回取得した。このように取得した6軸力センサ32の測定値の平均値を印加値Fとして用いた。
構造模型の各カンチレバーの変形量を歪みゲージ、ストレインアンプおよびAD変換器を介して電圧値で取得した。各カンチレバーについて上記停止時間に100m秒間隔で取得した電圧値のデータのうち30フレーム分のデータの平均値を出力値S1,S2,S3,S4として用いた。
(e)構造模型への印加値Fおよび構造模型からの出力値Sの測定結果
(e−1)圧力の印加値とカンチレバーの出力値との関係
図13は圧力の印加値と各カンチレバーの出力値との関係を示す図である。図13の横軸は構造模型に印加したZ軸方向の圧力の印加値Fzを示し、縦軸は4つのカンチレバーからの出力値S1,S2,S3,S4を示す。上記のように、構造模型に3段階の圧力を4回ずつ印加し、合計12回の測定における4つのカンチレバーからの出力値S1,S2,S3,S4を取得した。
なお、実際には、若干の剪断力も生じているが、ここでは、その影響を考慮した図示はしていない。生じていた剪断力の絶対値の平均は1.00kPaであり、標準偏差は0.50であった。
図13に示すように、出力値S1,S2,S4については、圧力の変化に対してほぼ同様に線形に変化していることがわかる。一方、出力値S3については、他の出力値S1,S2,S4と異なる変化が得られた。この原因としては、カンチレバーごとのわずかな構造の違い、歪みゲージの接着状態の違い等が考えられる。しかしながら、出力値S3についても、切片0の回帰直線との相関係数は0.82と比較的高くなった。
(e−2)剪断力の印加値とカンチレバーの出力値との関係
図14はX軸方向の剪断力の印加値と各カンチレバーの出力値との関係を示す図である。図15はY軸方向の剪断力の印加値と各カンチレバーの出力値との関係を示す図である。
図14の横軸は構造模型に印加した±X軸方向の剪断力の印加値Fxを示し、縦軸は4つのカンチレバーからの出力値S1,S2,S3,S4を示す。また、図15の横軸は構造模型に印加した±Y軸方向の剪断力の印加値Fyを示し、縦軸は4つのカンチレバーからの出力値S1,S2,S3,S4を示す。
構造模型に3段階の圧力および5段階の剪断力の組み合わせで合計15回の測定を直交する4方向(±X軸方向および±Y軸方向)で合計60回行った。
図14から、±X軸方向の剪断力について、出力値S1,S2の組は変化するが、出力値S3,S4の組はほとんど変化しないことがわかる。逆に、図15から、±Y軸方向の剪断力について、出力値S3,S4の組は変化するが、出力値S1,S2の組はほとんど変化しないことがわかる。
以上の結果から、対向するカンチレバーの組ごとに独立して各軸方向の剪断力の検出が可能であることが読み取れる。また、各軸方向の出力値S1,S2,S3,S4の変化傾向には線形関数との強い相関があることも読み取れる。
なお、図14および図15の結果を図13の結果と比較すると、剪断力の変化に対する出力値S1,S2,S3,S4の変化は、圧力の変化に対する出力値S1,S2,S3,S4の変化に比べて大きくなっている。それにより、上記実施の形態の触覚センサ200における検出原理では、圧力に比べて剪断力がより強く反応することがわかる。
(f)カンチレバーからの出力値による圧力および剪断力の検出値の推定
(f−1)関係を求める実験
上記のシミュレーションより、構造模型への印加値Fx,Fy,Fzと構造模型からの出力値S1,S2,S3,S4との間には、一定の関係性が見られることがわかった。
そこで、上記のシミュレーションにより取得した合計72組の教師データを用いて上式(a4)〜(a7),(b1)〜(b3)より、印加値Fx,Fy,Fzと出力値S1,S2,S3,S4との関係を示す1次式の係数Cを算出した。同様に、合計72組の教師データを用いて上式(a4)〜(a7),(c1)〜(c3)より、印加値Fx,Fy,Fzと出力値S1,S2,S3,S4との関係を示す2次式の係数Cを算出した。
さらに、算出された1次式の係数Cを用いて上式(e1)〜(e3)より構造模型の出力値S1,S2,S3,S4から圧力の検出値Fczおよび剪断力の検出値Fcx,Fcyを推定した。同様に、算出された2次式の係数Cを用いて上式(f1)〜(f3)より構造模型の出力値S1,S2,S3,S4から圧力の検出値Fczおよび剪断力の検出値Fcx,Fcyを推定した。
表1に実際の印加値Fx,Fy,Fzと推定された検出値Fcx,Fcy,Fzとの差の絶対値平均を示し、括弧内にそれらの標準偏差を示す。単位はkPaである。
Figure 0005148219
表1の結果から、2次式によれば1次式よりも実際の印加値Fx,Fy,Fzと推定された検出値Fcx,Fcy,Fzとの間の関係性を良く表していることがわかる。
(f−2)推定実験
次に、上記の測定とは別に取得した合計90組のデータを用いて、上記の印加値Fx,Fy,Fzと出力値S1,S2,S3,S4との関係を示す1次式および2次式の係数Cから、圧力および剪断力に対する検出値Fcx,Fcy,Fczを算出した。この場合、剪断力を印加する方向としてXY平面内でZ軸を中心として0度から270度の範囲より6方向を選択した。
図16はZ軸方向の圧力の印加値と検出値との関係を示す図である。図17はX軸方向の剪断力の印加値と検出値との関係を示す図である。図18はY軸方向の剪断力の印加値と検出値との関係を示す図である。
図16〜図18の横軸は実際の圧力の印加値Fzおよび剪断力の印加値Fx,Fyを示し、縦軸は出力値S1,S2,S3,S4から算出された圧力の検出値Fczおよび剪断力の検出値Fcx,Fcyを示す。
図16〜図18において、点線で示された真の値からの検出値Fcx,Fcy,Fczの乖離が小さいほど誤差が少ない。
図17および図18の結果によれば、剪断力については、1次式を用いた場合にも2次式を用いた場合にも、検出値の精度が高くなった。
一方、図16の結果によれば、圧力については、関数Gを1次式とした場合に、印加値Fzと検出値Fczとの誤差の絶対値平均が3.16kPaとなり、標準偏差が2.60となった。関数Gを2次式とした場合には、印加値Fzと検出値Fczとの誤差の絶対値平均が5.0lkPaとなり、標準偏差が5.22となった。それにより、圧力については、1次式を用いた検出値Fczの精度が2次式を用いた検出値Fczの精度よりも高くなった。これは、圧力については、教師データの個数が少なかったためであると推察される。したがって、高い精度で圧力および剪断力を検出するためには、より多くの教師データを取得することが望ましい。
(g)評価
上記のシミュレーションの結果から、予め構造模型への圧力および剪断力の印加値Fx,Fx,Fzと構造模型からの出力値S1,S2,S3,S4との関係を示す関数Gまたは係数Cを算出することにより、構造模型からの出力値S1,S2,S3,S4から構造模型への圧力および剪断力の検出値Fcx,Fcy,Fczを同時にかつ高精度に検出可能であることがわかった。
また、4つのカンチレバーのうちいずれかのカンチレバーの特性が他のカンチレバーの特性と異なる場合でも、構造模型に印加される圧力および剪断力の検出値Fcx,Fcy,Fczを同時にかつ高精度に検出することができることがわかった。
したがって、上記実施の形態に係る触覚センサユニット1によれば、触覚センサ200の特性にばらつきがある場合またはセンサ素子201,202,203,204間で特性が異なる場合にも、触覚センサ200に印加される圧力および剪断力の検出値Fcx,Fcy,Fczを同時にかつ高精度に検出することができることがわかった。
(10)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、触覚センサ201,202,203,204が3つ以上の触覚センサの例であり、関数記憶部400が記憶手段の例であり、出力変換部300が出力変換手段の例である。また、結晶シリコン基板101が基板の例であり、埋め込み酸化膜102が第1の膜または支持部の例であり、結晶シリコン膜103が第2の膜の例であり、カンチレバーCL1,CL2,CL3,CL4が可動部の例であり、ノンドープ層103aが第1の層の例であり、ドープ層103bが第2の層の例であり、エラストマー層105が被覆層の例である。
さらに、X軸方向の剪断力が第1の剪断力の例であり、Y軸方向の剪断力が第2の剪断力の例であり、センサ素子201,202,203,204の出力値S1,S2,S3,S4が少なくとも3つの信号の例であり、式c1の関数Gxが第1の関数の例であり、係数C1x,C2x,C3x,C4x,C5xが第1の係数群の例であり、係数C1x,C2x,C3x,C4xが複数の第1の係数の例であり、係数C5xが他の第1の係数の例であり、式c2の関数Gyが第2の関数の例であり、係数C1y,C2y,C3y,C4y,C5yが第2の係数群の例であり、係数C1y,C2y,C3y,C4yが複数の第2の係数の例であり、係数C5yが他の第2の係数の例であり、式c3の関数Gzが第3の関数の例であり、係数C1z,C2z,C3z,C4z,C5zが第3の係数群の例であり、係数C1z,C2z,C3z,C4zが複数の第3の係数の例であり、係数C5zが他の第3の係数の例である。
(11)他の実施の形態
上記実施の形態では、触覚センサ200が4つのセンサ素子201,202,203,204を有するが、触覚センサ200が3つのセンサ素子を有してもよい。この場合には、3つのセンサ素子が互いに約120度の向きに配置されることが好ましい。
さらに、センサ素子201,202,203,204のカンレレバーCL1〜CL3の形状はU字形状に限らず、V字形状、W字形状、他の任意の形状に形成することができる。
本発明は、圧力および剪断力を検出するため等に効果的に用いることができる。
本発明の一実施の形態に係る触覚センサシステムを製造するための触覚センサ製造システムの構成を示すブロック図である。 触覚センサを示す概略斜視図である。 触覚センサの製造方法の一例を示す工程図である。 触覚センサの製造方法の一例を示す工程図である。 触覚センサの製造方法の一例を示す工程図である。 触覚センサの製造方法の一例を示す工程図である。 触覚センサの製造方法の一例を示す工程図である。 触覚センサの製造方法の一例を示す工程図である。 カンチレバーに接続される出力回路の一例を示す回路図である。 図1の測定装置の構成の一例を示す模式図である。 関数の決定処理を示すフローチャートである。 出力変換部による出力変換処理を示すフローチャートである。 圧力の印加値と各カンチレバーの出力値との関係を示す図である。 X軸方向の剪断力の印加値と各カンチレバーの出力値との関係を示す図である。 Y軸方向の剪断力の印加値と各カンチレバーの出力値との関係を示す図である。 Z軸方向の圧力の印加値と検出値との関係を示す図である。 X軸方向の剪断力の印加値と検出値との関係を示す図である。 Y軸方向の剪断力の印加値と検出値との関係を示す図である。
符号の説明
1 触覚センサユニット
2 関数算出部
3 測定装置
100 触覚センサ
101 結晶シリコン基板
102 埋め込み酸化膜
103 結晶シリコン膜
103a ノンドープ層
103b ドープ層
104a,104b 電極
105 エラストマー層
200 触覚センサユニット
201〜204 センサ素子
300 出力変換部
400 関数記憶部
CL1〜CL4 カンチレバー
S,S1〜S4 出力値
G,G1〜G4 関数
C,C1x〜C5x,C1y〜C5y,C1z〜C5z 係数
F,Fx,Fy,Fz 印加値
Fc,Fcx,Fcy,Fcz 検出値
F’ 測定値

Claims (4)

  1. 印加された圧力ならびに互いに異なる方向の第1および第2の剪断力に対応する出力値を与える触覚センサと、
    前記触覚センサに印加される圧力と前記触覚センサの出力値との関係を示す第1の関数またはその第1の関数の第1の係数群、前記触覚センサに印加される第1の剪断力と前記触覚センサの出力値との関係を示す第2の関数またはその第2の関数の第2の係数群、および前記触覚センサに印加される第2の剪断力と前記触覚センサの出力値との関係を示す第3の関数またはその第3の関数の第3の係数群を予め記憶する記憶手段と、
    使用時に、前記記憶手段に記憶された前記第1、第2および第3の関数または前記第1、第2および第3の係数群に基づいて、前記第1、第2および第3の関数を用いて前記触覚センサの出力値を圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を示す検出値に変換する出力変換手段とを備え、
    前記触覚センサは、
    基板と、
    前記基板上に異なる向きに設けられ、半導体材料からなるカンチレバーをそれぞれ有する少なくとも3つのセンサ素子と、
    前記少なくとも3つのセンサ素子を被覆する弾性を有する被覆層と、
    前記少なくとも3つのセンサ素子の前記カンチレバーのピエゾ抵抗の変化により変化する信号をそれぞれ出力する出力回路とを含み、
    前記触覚センサの出力値は、前記少なくとも3つのセンサ素子に対応して前記出力回路から出力される少なくとも3つの信号を含み、
    前記第1の係数群は、前記少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第1の係数および他の第1の係数を含み、前記第1の関数は、前記少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第1の係数との積和に前記他の第1の係数を加算する演算式の二乗であり、
    前記第2の係数群は、前記少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第2の係数および他の第2の係数を含み、前記第2の関数は、前記少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第2の係数との積和に前記他の第2の係数を加算する演算式の二乗であり、
    前記第3の係数群は、前記少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第3の係数および他の第3の係数を含み、前記第3の関数は、前記少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第3の係数との積和に前記他の第3の係数を加算する演算式の二乗であることを特徴とする触覚センサユニット。
  2. 前記センサ素子の各々は、前記基板上に第1の膜からなる支持部および第2の膜からなる可動部をこの順に備え、前記第2の膜は半導体材料からなり、第1の格子定数を有する第1の層と、第1の格子定数よりも小さな第2の格子定数を有する第2の層とを順に含み、前記第1および第2の層の少なくとも一方は、不純物元素の添加により一導電型を有し、前記第1の格子定数と前記第の格子定数との差に起因して前記可動部が湾曲するとともに、前記可動部の一部が前記支持部を介して前記基板に固定され、前記可動部が前記カンチレバーであることを特徴とする請求項記載の触覚センサユニット。
  3. 前記触覚センサに印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と前記触覚センサの出力値とに基づいて前記第1、第2および第3の係数群を算出する算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の触覚センサユニット。
  4. 印加された圧力ならびに互いに異なる方向の第1および第2の剪断力に対応する出力値を与える触覚センサと、前記触覚センサに印加される圧力と前記触覚センサの出力値との関係を示す第1の関数またはその第1の関数の第1の係数群、前記触覚センサに印加される第1の剪断力と前記触覚センサの出力値との関係を示す第2の関数またはその第2の関数の第2の係数群、および前記触覚センサに印加される第2の剪断力と前記触覚センサの出力値との関係を示す第3の関数またはその第3の関数の第3の係数群を予め記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記第1、第2および第3の関数または前記第1、第2および第3の係数群に基づいて、前記第1、第2および第3の関数を用いて前記触覚センサの出力値を圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を示す検出値に変換する出力変換手段とを作製する工程と、
    前記触覚センサに圧力、第1の剪断力および第2の剪断力を印加するとともに前記触覚センサの出力値を取得する工程と、
    前記印加される圧力、第1の剪断力および第2の剪断力と前記取得される出力値とに基づいて前記第1、第2および第3の係数群を算出する工程と、
    前記算出された前記第1、第2および第3の係数群をそれぞれ含む第1、第2および第3の関数、または前記第1、第2および第3の係数群を前記記憶手段に記憶させる工程とを備え、
    前記触覚センサは
    基板と、
    前記基板上に異なる向きに設けられ、半導体材料からなるカンチレバーをそれぞれ有する少なくとも3つのセンサ素子と、
    前記少なくとも3つのセンサ素子を被覆する弾性を有する被覆層と、
    前記少なくとも3つのセンサ素子の前記カンチレバーのピエゾ抵抗の変化により変化する信号をそれぞれ出力する出力回路とを含み、
    前記触覚センサの出力値は、前記少なくとも3つのセンサ素子に対応して前記出力回路から出力される少なくとも3つの信号を含み、
    前記第1の係数群は、前記少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第1の係数および他の第1の係数を含み、前記第1の関数は、前記少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第1の係数との積和に前記他の第1の係数を加算する演算式の二乗であり、
    前記第2の係数群は、前記少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第2の係数および他の第2の係数を含み、前記第2の関数は、前記少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第2の係数との積和に前記他の第2の係数を加算する演算式の二乗であり、
    前記第3の係数群は、前記少なくとも3つの信号にそれぞれ対応して予め決定された値をそれぞれ有する複数の第3の係数および他の第3の係数を含み、前記第3の関数は、前記少なくとも3つの信号とそれぞれに対応する第3の係数との積和に前記他の第3の係数を加算する演算式の二乗であることを特徴とする触覚センサユニットの製造方法。
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