JP5147378B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ等より得られる画像処理対象データを受けて画像表示する画像表示装置に関する。
パーソナルコンピュータ(PC)のモニタ等で表示される表示画面を、プロジェクター等の画像表示装置に表示させながらプレゼンテーションを行う場合、従来、PCのモニタ出力からのRGBアナログ信号等をケーブルで接続することが一般的であった。このため、プロジェクターとPCは近接して配置する必要があった。また、プロジェクターとPCは1対1で接続される必要があり、異なるPCを用いる場合、ケーブルを繋ぎ換える必要があった。
近年、イーサネット(登録商標)等のコンピュータ用ネットワークの普及に伴い、ネットワークを介してプレゼンテーションデータ等を伝送して表示する方法等が用いられるようになった。この方法によれば、ネットワーク接続可能な範囲であれば自由にプロジェクターとPCを配置できるため、例えば、無線LANの導入によってケーブル接続無しでシステムを構成できる。また、ネットワークに繋がった何れのPCからも1つのプロジェクターにアクセス可能となる。
例えば、特許文献1に記載された方式では描画コマンドの形で表示すべき内容を送ることでネットワークトラフィクス(ネットワークの特定の経路上を一定時間に流れる情報)を削減しながらネットワーク経由でPCからプロジェクターに画像処理対象データを伝達している。
また、特許文献2では、VNC(Virtual Network Computing)と呼ばれるビットマップ転送をベースとした方法でPCの表示画面を規定する画像処理対象データをプロジェクターに送っている。
さらに、特許文献3では、ネットワーク経由でサーバから画像データと共に画像制御データを送ることで表示のために必要な処理も画像データに応じて行うことで、ネットワーク接続による利便性の向上を図っている。
特開2002−366341号公報(図1) 特開2005−284195号公報(図3) 特開2000−23150号公報(図1)
上記特許文献1〜特許文献3で開示された先行技術によって、ネットワーク接続時のトラフィックスの削減や表示できる画像データ形式の多様化などを図ることができる。特許文献1及び特許文献2ではPCからプロジェクターへの画像処理対象データの伝送方法の改善提案である。ネットワークの導入によって単にPCの表示画像を規定するデータをプロジェクターに送出するだけでなく、特許文献3に示されたように制御データも送ることでプロジェクターの機能拡張を図っている。すなわち、特許文献1〜特許文献3ではPCから画像表示装置であるプロジェクターに対し多様な画像処理対象データ(プレゼンテーション用データ)を送信することが前提となっている。
このようにプロジェクター等の画像表示装置をネットワーク経由でPCに接続して、プレゼンテーション等を行う場合には、プロジェクター等の画像表示装置側において、ネットワーク接続機能や、多様な画像処理対象データに対応した画像表示機能(表示画面生成機能)の実現のためにマイクロプロセッサを組み込む必要がある。すなわち、画像表示装置内に上述した機能を実現すべく、様々なプログラムを内蔵してマイクロプロセッサに実行させる必要があった。
このように、画像表示装置とPCからなるネットワーク画像伝送表示システムにおいて、多様なプレゼンテーション用データに対応させるために、画像表示装置は、組み込まれたマイクロプロセッサによる処理負荷の増大、表示画面生成機能用のプログラム蓄積のためのメモリ容量の増大、及び表示速度の低下を招いてしまうという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、PC等とネットワーク接続可能な画像表示装置において、多様な画像処理対象データに対応しながら、処理負荷の軽減、記憶容量の減少、及び表示速度の向上を図ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の画像表示装置は、ネットワークを介して所定のコンピュータと接続可能な画像表示装置であって、前記所定のコンピュータは、第1の画像処理対象データに対応する第1の画像表示機能実現用プログラムを第1の領域に格納する外部記憶部を有し、ネットワーク接続用のインタフェースと、前記第1の画像表示機能実現用プログラムの前記第1の領域に関する情報を含む外部記憶アクセス情報を記憶した内部記憶部と、起動時に前記インタフェースを介した前記所定のコンピュータとのネットワーク接続の確認後、前記内部記憶部から取得した前記外部記憶アクセス情報に基づき、前記所定のコンピュータの前記外部記憶部より前記第1の画像表示機能実現用プログラムを読み出して実行することにより、前記第1の画像処理対象データに対する第1の画像表示処理を行い表示用データを得る画像処理部と、前記表示用データに基づき画像表示を行う表示デバイスとを備え、前記内部記憶部は、第2の画像処理対象データに対応する第2の画像表示機能実現用プログラムをさらに格納し、前記画像処理部は、起動時に前記第1の画像表示機能実現用プログラムが読み出し不能の場合、前記内部記憶部より読み出した前記第2の画像表示機能実現用プログラムを実行して、前記第2の画像処理対象データに対する第2の画像表示処理を行い、前記インタフェースはネットワーク接続に替えて所定の外部記憶装置と接続可能であり、前記所定の外部記憶装置は第3の画像処理対象データに対応する第3の画像表示機能実現用プログラムを格納し前記インタフェースが前記所定の外部記憶装置と接続されている場合、前記所定の外部記憶装置より読み出した前記第3の画像表示機能実現用プログラムを実行して、前記第3の画像処理対象データに対する第3の画像表示処理を行う
この発明における請求項1記載の画像表示装置の画像処理部は、所定のコンピュータの外部記憶部より読み出した第1の画像表示機能実現用プログラムを実行して、第1の画像処理対象データに対する第1の画像表示処理を行うことができる。
したがって、所定のコンピュータの外部記憶部に格納する第1の画像表示機能実現用プログラムの内容を適宜変更することにより、画像処理装置は、内部構成を何ら複雑化させることなく、多様な画像処理対象データに対応する画像処理が可能となる効果を奏する。
加えて、第1の画像表示機能実現用プログラム自体は所定のコンピュータの外部記憶部に格納されているため、画像表示装置内に上記第1の画像表示機能実現用プログラムを格納する必要がない分、内部の記憶容量の低減化を図ることができる。
さらに、第1の画像処理対象用データの生成処理は所定のコンピュータを含む外部装置が行っており、画像表示装置は上記第1の画像表示処理のみを実行すれば十分であるため、画像表示装置の処理負荷を増大させることなく高速処理が可能となる効果を奏する。
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1であるプロジェクター9を含むネットワーク画像伝送表示システム環境を示すブロック図である。同図に示すように、画像表示装置であるプロジェクター9はネットワークアダプタ7及びネットワーク15を介してPC8と接続可能である。
プロジェクター9は内部に表示デバイス1、グラフィックス生成部2、RAM3、フラッシュメモリ4、CPU5、及びインターフェース6を有している。
表示デバイス1は、グラフィックス生成部2で生成した表示用データに基づき、グラフィックス表示処理を実行して画像表示を行う。グラフィックス生成部2は組込マイクロプロセッサ(CPU)5によって制御され、画像処理対象データに対して画像表示処理を行い、表示デバイス1に表示可能な表示用データを生成する。これらグラフィックス生成部2及びCPU5は画像処理部として機能する。
プロジェクター9の内部記憶部であるフラッシュメモリ4は、予め用意したベースとなる制御用プログラム及び外部のPCのHDD等の外部記憶部における画像表示機能実現用プログラムを格納した領域(第1の領域)を指示する外部記憶アクセス情報を格納している。
CPU5は、フラッシュメモリ4プログラム実行時に作業領域等に必要となるRAM3及び外部機器とのデータの送受に用いるインターフェース6それぞれと双方向に送信可能に接続されている。
また、インターフェース6には、本実施の形態では、ネットワークアダプタ7が接続されており、ファイルサーバとして使われるPC8とネットワーク15を介したネットワーク接続を可能にしている。
なお、実際のプロジェクター9の機器構成としては表示デバイス1、グラフィックス生成部2、RAM3、フラッシュメモリ4、CPU5及びインターフェース6は一つの筐体に納められるのが一般的である。また、ネットワークアダプタ7は上記筐体外に備え付けられるのが一般的である。
なお、以下の説明ではインターフェース6としてはUSBインターフェース、ネットワークアダプタ7はUSB無線LANアダプタを用いるものとする。
以下、CPU5の制御下で実行される画像表示機能設定内容を説明する。
(1) まず、プロジェクター9の機器電源が入ると、CPU5はフラッシュメモリ4から制御用プログラムを読み出して実行し、プロジェクター9の内部で必要な初期設定を行う。
(2) その後、上記制御用プログラムの実行を継続して、ネットワークアダプタ7がインターフェース6に接続されているか否かを判定し、接続されている際には画像表示機能実現用のプログラムファイル等を供給可能なPC8(画像表示機能実現可能PC)と通信可能かを調べる。そして、画像表示機能実現可能PCとのネットワーク接続を確認すると次の処理(3)に移行する。
PC8が画像表示機能実現可能PCである場合、PC8のハードディスクドライブ(HDD)の一部をネットワーク接続のプロジェクター用に予め割り振られている。すなわち、PC8のHDDは、画像表示機能実現用のプログラムファイル等(以下、単に「画像表示機能実現用プログラム」と称する場合有り)を格納すると共に、プロジェクター9からLAN経由で上記画像表示機能実現用プログラムにアクセスできるように設定されている。
(3) 制御用プログラムの実行を継続し、PC8のHDD上に予め割り振られた領域(第1の領域)にアクセスし、アクセスした領域に存在する画像表示機能実現用プログラムを読み出して実行する。なお、上記PC8のHDD上に予め割り振られた領域は、上記(1)〜(3)のいずれかのタイミングでフラッシュメモリ4の外部記憶アクセス情報を参照することによりCPU5が認識することができる。
LAN経由で他の外装装置上の記憶装置(HDD等)にアクセスするための方式は、現在、一般的に広くネットワーク環境で用いられているNFS(Network File System)などを用いることが出来る。ここで、CPU5では、初期設定後にOS(Operating System)としてLinuxが起動するよう設定し、NFSを用いてPC8上の画像表示機能実現用プログラムにアクセス可能にする。
このように、ネットワーク15を介して接続されたプロジェクター9,PC8間でNFSにより通信を確立すると、予め定めたPC8のHDDの格納領域がプロジェクター9自体に内蔵されたHDDの格納領域と同様にアクセス可能となる。
以下、Linuxが動作した場合を例にして、上記(1)〜(3)の処理を詳述する。
(1) Linuxが動作して、PC8上の画像表示機能実現用プログラムを実行可能にするためには、Linux OSの本体であるカーネルと種々の設定ファイルや画像表示機能実現用プログラムが実装されたルートファイルシステムが必要になる。実施の形態1では、カーネルはフラッシュメモリ4に圧縮した状態で上記制御用プログラムとして格納され、システム起動時にカーネルを読み込んでLinuxを起動する初期設定動作が行われる。
(2) 起動したLinuxでは、先ず、画像表示機能実現可能PCとの通信可能かを確認し、可能であれば、画像表示機能実現可能PCであるPC8へのLAN接続を確立する。
(3) その後、ルートファイルシステムが格納されているPC8上のHDDの領域にアクセスし、プロジェクター9によりNFSルートファイルシステムを利用可能にする。例えば、ルートファイルシステム上における画像表示機能実現用プログラムの格納位置が予めLinux上で決まっている場合、プロジェクター9はPC8のHDDのルートファイルシステムを取得すると同時に、画像表示機能実現用プログラムにアクセスすることができる。この場合、ルートファイルシステムが格納されているPC8上のHDDの領域を指示する外部記憶アクセス情報をフラッシュメモリ4が記憶することになる。すなわち、外部記憶アクセス情報は、画像表示機能実現用プログラムの格納領域に関する情報として、ルートファイルシステムが格納されているPC8上のHDDの領域を指示する。
その結果、プロジェクター9は、PC8上のルートファイルシステム内に予め割り当てられた画像表示機能実現用プログラムを、プロジェクター9自体に内蔵されたHDDの領域と同様にアクセス可能となる。したがって、プロジェクター9はPC8のHDD上に格納された画像表示機能実現用プログラムをダウンロードすることなく実行できる。
ここでネットワーク接続のネットワークアダプタ7として、PC8とプロジェクター9との間にケーブルが不要となるよう無線LANアダプタを用いたが、ネットワークアダプタ7として通常のLANアダプタを用いてPC8とケーブルで接続しても同様の動作が可能である。
なお、実装するファイルを限定して小容量に抑えたルートファイルシステムをフラッシュメモリ4に蓄積しておき、ネットワークアダプタ7がインターフェース6に接続されていない場合や、画像表示機能実現可能PC上における使用可能なルートファイルシステムが見つからなかった場合にはフラッシュメモリ4に蓄積されたルートファイルシステムを代用することができる。
すなわち、プロジェクター9は、何らかの理由で、PC8のHDDに格納された画像表示機能実現用プログラムの実行が不可能な場合、フラッシュメモリ4に蓄積されたルートファイルシステムを用いてシステムを立ち上げ、VGA入力からの映像信号を表示するなど限定した画像表示処理(第2の画像表示処理)を行うことができる。
この場合、フラッシュメモリ4内に、VGA入力からの映像信号(第2の画像処理対象データ)を表示するための第1の簡易表示プログラム(第2の画像表示機能実現用プログラム)をフラッシュメモリ4のルートファイルシステムに割り当てて予め格納しておき、上記第1の簡易表示プログラムを読み出して実行することにより可能となる。
このように、PC8のHDDに格納された画像表示機能実現用プログラムが実行不可能な場合でも、フラッシュメモリ4から読み出した上記第1の簡易表示プログラムを実行することにより、実施の形態1のプロジェクター9は単体でも画像処理動作を実現することができる。
また、図2に示すように、ネットワークアダプタ7の代わりに、インターフェース6にフラッシュメモリ等のUSBメモリ11(所定の外部記憶装置)が接続されていることをCPU5が検出した場合、USBメモリ11に蓄積されたファイルの内容を調べ、USBメモリ11のルートファイルシステムに相当するものが見つかった場合、LAN接続時と同様に、USBメモリ11のルートファイルシステムを用いることも可能である。
この場合、USBメモリ11内に、所定の画像処理対象データ(第3の画像処理対象データ)に対する第2の簡易表示プログラム(第3の画像表示機能実現用プログラム)をルートファイルシステム上に割り当てて予め格納しておき、上記第2の簡易表示プログラムを読み出して実行することにより可能となる。
このように、PC8のHDDに格納された画像表示機能実現用プログラムが実行不可能な場合でも、USBメモリ11から読み出した上記第2の簡易表示プログラムを実行することにより、実施の形態1のプロジェクター9は直接接続可能なの外部記憶装置(USBメモリ11)を利用して画像処理動作を実現することができる。
図3は実施の形態1のプロジェクター9によるPC8上の画像表示機能実現用プログラムの具体的利用例を示す説明図である。同図に示すように、PC8は、内蔵されたハードディスクドライブ(HDD)22には、PC8上で実行されるプレゼンテーション用プログラム20とプロジェクター9上で実行されるXサーバ(プログラム)21とが蓄積されている。
ここで、PC8のHDD22に蓄積されたデータを伝送して画面表示するには様々な形態が考えられる。例えば、“X Window System”と呼ばれるグラフィックス表示用ソフトウェアを用いる場合を想定する。このソフトウェアは、XサーバとXクライアントから構成される。Xサーバは実行するコンピュータ上で画面表示やキーボード・マウス入力を直接処理する役割を担う。一方、Xクライアントは、Xサーバの画面に表示するユーザーインターフェース等のグラフィックスデータを生成する。Xクライアント・Xサーバ間はXプロトコルと呼ばれる方式で通信を確立する。XクライアントとXサーバとは同一マシン上にあっても良いし、別々のマシンに分かれていても良い。図3で示す例ではPC8のHDD22上のルートファイルシステムに実装されたXサーバ21を画像表示機能実現用プログラムとしてプロジェクター内のCPU5で実行する。
すなわち、プロジェクター9は、フラッシュメモリ4からXサーバ21の格納領域を指示する外部記憶アクセス情報を読み出し、上記した処理(1)〜(3)を実行する。その結果、プロジェクター9は、PC8上のHDD22に対しプロジェクター9自体に内蔵されたHDDの領域と同様にアクセス可能となり、PC8のHDD22に格納されたXサーバ21をダウンロードすることなく読み出して実行できる。
一方、Xクライアントとなるアプリケーションプログラム(図3ではプレゼンテーション用プログラム20)はPC8上で実行され、その表示画面を規定する(第1の)画像処理対象データである画像データV8をXプロトコルによってプロジェクター9内のCPU5に送る。
グラフィックス生成部2は、Xプロトコルに従って送られてきた画像データV8に対し、(第1の)画像表示処理を行って表示用データを作成し、この表示用データを表示デバイス1に送る。この際、グラフィックス生成部2の処理はCPU5の制御下でXサーバ21を実行することにより実現される。
上述したように、実施の形態1のプロジェクター9において、フラッシュメモリ4は上述した制御用プログラム及び外部記憶アクセス情報を格納すれば十分であるため、画像処理対象データに対応した画像表示機能実現用プログラムを格納する必要ない。なぜなら、そのようなプログラムは、PC8のHDD上でのルートファイルシステム上に割り当てられたプログラムとして外部に存在すれば十分であるからである。その結果、プロジェクター9は内部の記憶容量の低減化を図ることができる。
また、画像処理対象用データ(プレゼンテーション用データ)はPC8上で動作するプレゼンテーション用プログラム20により作成される構成となっている。このため、PC8から送信される画像処理対象データのフォーマットを変更した場合、変更したフォーマットの画像処理対象データに対応する画像表示機能実現用プログラムをPC8のHDDから読み出すようにすれば良い。
その結果、実施の形態1のプロジェクター9は、種々のフォーマットの画像処理対象データに対応する画像表示機能実現用プログラムを、内部の記憶容量を増やすことなく実行することができる。すなわち、プロジェクター9は内部構成を複雑化することなく、多様な画像処理対象データに対応する画像処理が可能となる効果を奏する。
また、プレゼンテーション用プログラム等による画像処理対象データの生成処理はPC8上で実行されるので、プロジェクター9のCPU5への負荷を軽減でき、プロジェクター9の画像表示処理の処理速度の向上が期待できる。また、PC8からプロジェクター9への送信データ(画像データV8)の絶対量の低減化が図れるため、プロジェクター9が実行する画像表示処理を考慮しても十分に高速化を図ることができる。
なお、図3で示したソフトウェア構成では、PC8上で動作するプレゼンテーション用プログラム20のユーザーインターフェース画面に操作すべき項目がある場合、このプログラムの操作はプロジェクター内蔵のマイクロプロセッサに接続した入力デバイス(図示せず)から行うことになる。プロジェクターへのデータ入力手段としてはリモコン(リモート・コントローラ)等を用いることが可能であり、Xサーバ21の入力としてリモコン信号が使えるように設定を行えばよい。この場合、プロジェクター9で実行されるXサーバ21からPC8のプレゼンテーション用プログラム20に制御信号C9が送られることになる。
また、PC8のキーボード、マウス等の入力手段を用いてPC8(に接続されるモニタ)上でプロジェクター9の表示画面を見ながら、プレゼンテーション用プログラム20の操作が出来るようにすることも可能である。容易に実現する手段としては特許文献2に詳細が述べられているVNC(Virtual Network Computing)と呼ばれるソフトウェアを用いることができる。
VNCではプロジェクター9で表示されているグラフィックス画面のビットマップデータである画像データV9をネットワーク経由でPC8に送信し、受信側であるPC8内のグラフィックス表示用バッファに書き込むことができる。その結果、サーバとなるマシンであるプロジェクター9の表示画面をクライアントマシンであるPC8の画面上に表示すると共に、クライアントマシンのキーボード、マウス等の入力デバイスをサーバとなるマシンの入力デバイスとして用いることができる。
図4は、図1で示したネットワーク画像伝送表示システムにおいて、VNCを用いる場合のソフトウェア構成を示す説明図である。同図に示すように、PC8はHDD22内にVNCサーバ(プログラム)23(画像信号外部出力用プログラム)及びVNCビューア(プログラム)24を格納している。なお、図3で示したソフトウェア構成も同時に実現されている。
プロジェクター9は図3のXサーバ21と同様にVNCサーバ23をHDD22から読み出して実行することができる。なお、VNCサーバ23の読み出しは、Xサーバ21の場合と同様、フラッシュメモリ4内にVNCサーバ23のHDD22における格納領域(第2の領域)を指示する外部記憶アクセス情報をフラッシュメモリ4が記憶していることが前提となる。
その結果、プロジェクター9がVNCサーバ23を実行することにより、プロジェクター9の表示デバイス1上で表示されている表示画面を規定するビットマップデータである画像データV9(外部出力用画像データ)をネットワーク経由でPC8に送信することができる。
一方、VNCビューア24は図3のプレゼンテーション用プログラム20と同様、PC8上で実行される。その結果、プロジェクター9より得た画像データV9に基づき、VNCビューア24を実行することにより、プロジェクター9の表示画面をクライアントマシンであるPC8の画面上に表示することができる。
そして、PC8に備え付けられたキーボード・マウスを操作し、図3で示したプレゼンテーション用プログラム20を実行することにより、プロジェクター9に表示された画面内容をPC8側で確認しながら、プレゼンテーション用ソフトウェアを制御できる。
このように、実施の形態1のプロジェクター9は、画像信号外部出力用プログラムであるVNCサーバ23を読み出し、VNCサーバ23を実行して、外部出力用画像データである画像データV9を外部に出力することにより、PC8等の外部装置からプロジェクター9の表示画面を参照することができる。
<実施の形態2>
図5はこの発明の実施の形態2であるプロジェクター19を含むネットワーク画像伝送表示システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、プロジェクター19は、実施の形態1のプロジェクター9の内部構成に加えて、ビデオデコーダ10を追加した構成となっている。
実施の形態1のプロジェクター9で説明したように、プロジェクター9の画面上にはPC8上で実行されるプレゼンテーション用プログラムの出力画面が表示される。このとき、表示画面を規定する画像データV8は実施の形態1ではXプロトコルによりPC8からプロジェクター9のXサーバ21に送られる構成となっているため、通常、表示以外の処理はPC8上において実行される。
したがって、実施の形態1のプロジェクター9は、静止したグラフィックス画面の伝送には適している。しかし、実施の形態1のプロジェクター9が動画の表示、例えばMPEG規格(MPEG2等)に従って圧縮された動画信号を表示する場合には、PC8上で予めデコードしてプロジェクター9に送ることも可能であるが、伝送帯域の増加を考慮すると表示処理負荷の増大等をもたらし、実時間で表示出来る動画の大きさは制限を受ける。
そこで、圧縮された映像信号からなる動画ストリームについてはPC8からプロジェクター19に伝送し、プロジェクター19内に実装したビデオデコーダ10で動画ストリームをデコードしてデコード後の映像信号(デコード映像信号)を得る構成を実現したのが実施の形態2のプロジェクター19である。なお、動画ストリームは、ネットワーク15より得られ、ネットワークアダプタ7及びインターフェース6を介してプロジェクター19内に受信され、CPU5の制御下でビデオデコーダ10に付与される。
プロジェクター19において、必要に応じてグラフィックス生成部2の画像表示処理で得た中間表示用データ(実施の形態1のプロジェクター9の表示用データに相当)と上記デコード映像信号を重畳して最終的な表示用データを得る。そして、上記最終的な表示用データをグラフィックス生成部2から表示デバイス1に与えることにより、表示デバイス1より表示画面を表示する。すなわち、グラフィックス生成部2はデコード映像信号を加味して画像表示処理を行い表示用データを出力することができる。
このとき、動画ストリームはPC8上に蓄えられているものとし、PC8からプロジェクター19への伝送には、上述のNFSによりストリームの蓄積されたHDD上の領域をCPU5がリモートマウントして、そこから選択した動画ストリームを読み出してビデオデコーダ10に供給することで容易に動画処理ができる。
ここで、CPU5は、ビデオデコーダ10を制御し、動画の画面サイズ、位置等を設定できるものとし、後段のグラフィックス生成部2も制御して、上記デコード映像信号と上記中間表示用データとを重畳した表示デバイス1への最終的な表示用データを作成する。
なお、上記例ではNFSにより動画ファイルをPC8からプロジェクター19に送信したが、他のネットワーク伝送方法(HTTP(HyperText Transfer Protocol)、RTP(Real-time Transport Protocol)など)を利用して圧縮された映像信号をPC8からプロジェクター19に送信するようにしても良い。
この方法によれば圧縮された映像信号をPC8からプロジェクター19に送るので伝送帯域の効率的な利用が可能である。また、プロジェクター19では、動画のデコード処理は専用のビデオデコーダ10によってなされるため、動画処理負荷を大幅に軽減することができる。
本発明の活用例として、種々のネットワークを介して接続されたPCから供給する動画を含む画像処理対象データに対し画像表示処理を行って画像表示を行う画像表示装置全般に適用できる。
この発明の実施の形態1であるプロジェクターを含むネットワーク画像伝送表示システム環境を示すブロック図である。 実施の形態1のプロジェクターにおける他の態様を示す説明図である。 実施の形態1のプロジェクターによるPC上の画像表示機能実現用プログラムの具体的利用例を示す説明図である。 実施の形態1のプロジェクターにおいてVNCを実現する場合の具体的利用例を示す説明図である。 この発明の実施の形態2であるプロジェクターを含むネットワーク画像伝送表示システム環境を示すブロック図である。
符号の説明
1 表示デバイス、2 グラフィックス生成部、3 RAM、4 フラッシュメモリ、5 CPU、6 インターフェース、7 ネットワークアダプタ、8 PC、9,19 プロジェクター、11 USBメモリ、20 プレゼンテーション用プログラム、21 Xサーバプログラム、22 HDD、23 VNCサーバ、24 VNCビューア。

Claims (3)

  1. ネットワークを介して所定のコンピュータと接続可能な画像表示装置であって、前記所定のコンピュータは、第1の画像処理対象データに対応する第1の画像表示機能実現用プログラムを第1の領域に格納する外部記憶部を有し、
    ネットワーク接続用のインタフェースと、
    前記第1の画像表示機能実現用プログラムの前記第1の領域に関する情報を含む外部記憶アクセス情報を記憶した内部記憶部と、
    起動時に前記インタフェースを介した前記所定のコンピュータとのネットワーク接続の確認後、前記内部記憶部から取得した前記外部記憶アクセス情報に基づき、前記所定のコンピュータの前記外部記憶部より前記第1の画像表示機能実現用プログラムを読み出して実行することにより、前記第1の画像処理対象データに対する第1の画像表示処理を行い表示用データを得る画像処理部と、
    前記表示用データに基づき画像表示を行う表示デバイスとを備え、
    前記内部記憶部は、第2の画像処理対象データに対応する第2の画像表示機能実現用プログラムをさらに格納し、
    前記画像処理部は、起動時に前記第1の画像表示機能実現用プログラムが読み出し不能の場合、前記内部記憶部より読み出した前記第2の画像表示機能実現用プログラムを実行して、前記第2の画像処理対象データに対する第2の画像表示処理を行い、
    前記インタフェースはネットワーク接続に替えて所定の外部記憶装置と接続可能であり、前記所定の外部記憶装置は第3の画像処理対象データに対応する第3の画像表示機能実現用プログラムを格納し
    前記インタフェースが前記所定の外部記憶装置と接続されている場合、前記所定の外部記憶装置より読み出した前記第3の画像表示機能実現用プログラムを実行して、前記第3の画像処理対象データに対する第3の画像表示処理を行う、
    画像表示装置。
  2. ネットワークを介して所定のコンピュータと接続可能な画像表示装置であって、前記所定のコンピュータは、第1の画像処理対象データに対応する第1の画像表示機能実現用プログラムを第1の領域に格納する外部記憶部を有し、
    ネットワーク接続用のインタフェースと、
    前記第1の画像表示機能実現用プログラムの前記第1の領域に関する情報を含む外部記憶アクセス情報を記憶した内部記憶部と、
    起動時に前記インタフェースを介した前記所定のコンピュータとのネットワーク接続の確認後、前記内部記憶部から取得した前記外部記憶アクセス情報に基づき、前記所定のコンピュータの前記外部記憶部より前記第1の画像表示機能実現用プログラムを読み出して実行することにより、前記第1の画像処理対象データに対する第1の画像表示処理を行い表示用データを得る画像処理部と、
    前記表示用データに基づき画像表示を行う表示デバイスとを備え、
    前記内部記憶部は、第2の画像処理対象データに対応する第2の画像表示機能実現用プログラムをさらに格納し、
    前記画像処理部は、起動時に前記第1の画像表示機能実現用プログラムが読み出し不能の場合、前記内部記憶部より読み出した前記第2の画像表示機能実現用プログラムを実行して、前記第2の画像処理対象データに対する第2の画像表示処理を行い、
    前記所定のコンピュータの前記外部記憶部は、前記表示用データに相当する外部出力用画像データを外部に出力する画像信号外部出力用プログラムを第2の領域に格納し、
    前記外部記憶アクセス情報は、前記外部記憶部における前記画像信号外部出力用プログラムを格納した前記第2の領域に関する情報をさらに含み、
    前記画像処理部は、起動時に前記インタフェースを介した前記所定のコンピュータとのネットワーク接続を確認後、前記第1の画像表示処理を行うとともに、前記所定のコンピュータの前記外部記憶部より前記画像信号外部出力用プログラムを読み出して実行することにより、前記外部出力用画像データを外部に出力する、
    画像表示装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載の画像表示装置であって、
    圧縮された映像信号を受けてデコードし、デコード映像信号を出力する映像デコード部をさらに備え、
    前記画像処理部は、前記デコード映像信号を加味して画像処理を行う、
    画像表示装置。
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