JP5146261B2 - パワーモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、熱応力緩和性能と放熱性能に優れたパワーモジュールに関するものである。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子を搭載したパワーモジュールにおいては、該素子からの発熱を効率よく放熱し、発熱時においても基準温度以下となるような調整が図られている。
ここで、従来のパワーモジュールの実装構造を図10に基づいて説明すると、窒化アルミニウム(AlN)板や純アルミニウム板の積層体からなる絶縁基板b(DBA(Direct Brazed Aluminum)ともいう)の一側面に半導体素子aがはんだ層eを介して固定され、絶縁基板bの他側面には半導体素子aからの熱を絶縁基板bを介して放熱するための冷却器がろう付けもしくは接着剤にて接合されている。より具体的には、絶縁基板bは銅−モリブデン製等の放熱板cに接合され、この放熱板cは冷却器dに接合されている。この冷却器dは、アルミダイキャスト製の板状のヒートシンクd1と、これに接続される冷水等の冷媒を還流させる機能を備えた冷却装置d2から構成されている。
上記のごとく、従来のパワーモジュールは各種構成部材の多層積層構造となっているが、たとえば半導体素子の熱膨張率が3ppm/K程度、絶縁基板の熱膨張率が4〜5ppm/K程度、ヒートシンクアルミ板の熱膨張率が25ppm/K程度と構成部材ごとに熱膨張率が非常に異なっている。
ところで、上記するパワーモジュールがハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される場合には、長期に亘り、しかも寒暖差が極めて激しい冷熱サイクルに対してその耐久性の確保が要求される。しかし、上記のごとく構成部材ごとに熱膨張率が大きく異なっていることから、温度変化に起因する熱膨張差によって熱応力が構成部材間の接合部に生じ、たとえばはんだ層等のろう付けされた界面でクラックが生じ、これがパワーモジュールの耐久性を低下させる大きな要因となり得る。そこで、応力緩和材を上記する積層構造内に介在させることにより、界面に集中し易い応力を緩和せんとするパワーモジュールが開発されている。
上記する応力緩和材を備えたパワーモジュールに関する公開技術として、特許文献1〜3に開示のパワーモジュールを挙げることができ、特許文献1に開示のパワーモジュールでは気孔率が3〜50%の応力緩和材を、特許文献2に開示のパワーモジュールでは気孔率が1〜30%の応力緩和材を、特許文献3に開示のパワーモジュールでは気孔率が20〜50%の応力緩和材をそれぞれ備えた構造となっている。
上記する特許文献1〜3に開示のパワーモジュールでは、所定範囲の気孔率を有する応力緩和材をその積層構造内に介在させることによって熱応力を効果的に吸収し、上記する部材界面の接合部の損傷を抑制することが期待できる。しかし、本発明者等によれば、気孔率のみを如何に所定範囲内に制御したとしても、それのみでは、応力緩和材内で気孔に分布が生じてしまい、気孔が密な領域では応力緩和性能が高い一方で今度は放熱性能が極端に低下してしまうという課題が特定されている。また、応力緩和材内で気孔に分布が生じている場合には、応力緩和材内で熱応力に対する変形性能もしくは応力吸収性能が異なることから、応力緩和材における変形性能の相違する界面で過度の応力が生じてしまい、この応力を吸収しきれずに該応力緩和材自体が破損するという可能性も高くなってしまう。
特開2006−294699号公報 特開2000−294888号公報 特開平8−335652号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、応力緩和材を備えたパワーモジュールに関し、気孔が均一に分散した応力緩和材を備え、もって応力緩和性能と放熱性能の双方に優れたパワーモジュールを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるパワーモジュールは、金属配線板と、該金属配線板上に搭載された半導体素子と、からなる回路ユニットと、前記回路ユニットが搭載されるセラミックスからなる絶縁基板と、前記絶縁基板が搭載される金属素材の応力緩和材と、前記応力緩和材が搭載される冷却器と、からなり、前記応力緩和材は、その気孔径が0.1〜85μmの範囲であり、その気孔率が1〜15体積%の範囲である。
本発明のパワーモジュールは、その構成部材である応力緩和材が1〜15体積%の気孔率であることのほかに、0.1〜85μmの範囲の気孔径を有しているものであり、双方の数値範囲を満たす応力緩和材とすることで、その内部の気孔分布を無くし、均一に気孔が分散してなる応力緩和材とすることで、応力緩和性能と放熱性能の双方に優れた応力緩和材、ひいてはパワーモジュールである。
ここで、金属素材の応力緩和材としては、それを、アルミニウムもしくはその合金、銅もしくはその合金のうちのいずれか一種から成形することが、製造コストと熱伝導率双方の観点から好ましい。
本発明者等によれば、気孔径が0.1μよりも小さいと、製造過程での気孔径制御が極めて困難となること、気孔径が85μmよりも大きくなると、気孔の偏在が極端に多くなってしまい、これを応力緩和材の剛性を測定することで検証した場合には、85μmを超えた範囲で剛性が極端に大きくなるという知見が得られている。なお、金属特性の一つであるヤング率に関しては、たとえばアルミニウムやその合金はおよそ70GPa、銅やその合金はおよそ100GPaとなっている。これらのヤング率を有する金属素材を使用した場合でも、応力緩和材の形状や寸法、気孔率および気孔径の変化に応じて、該応力緩和材の剛性が変化することは言うまでもないことである。
さらに、本発明者等によれば、たとえば平面視が矩形もしくは正方形で板形状を呈する応力緩和材の気孔率に関し、その気孔率が1体積%程度でその剛性が極度に低下すること、その気孔率が15体積%程度でその熱伝導率が極度に低下するという知見が得られている。
以上より、0.1〜85μmの範囲の気孔径を有し、かつ、1〜15体積%の範囲の気孔率を有している応力緩和材を製造することにより、気孔に分布が無い、もしくは気孔分布が極めて少ない応力緩和材を得ることができる。気孔が均一に分散していることによって該応力緩和材は応力緩和性能と放熱性能の双方に優れたものとなり、したがって、応力緩和性能と放熱性能の双方に優れたパワーモジュールを得ることができる。
また、本発明によるパワーモジュールの他の実施の形態は、前記応力緩和材と前記絶縁基板の間、該応力緩和材と前記冷却器の間の、双方もしくはいずれか一方に金属板が介層されているものである。
この金属板は、上記する応力緩和材と同様にアルミニウムもしくはその合金、銅もしくはその合金などから成形することができる。また、この金属板は、応力緩和材と異なり、その内部に気孔を具備していない無垢な部材である。
上記するパワーモジュールは、その構成部材である回路ユニット、セラミックス製の絶縁基板、冷却器、応力緩和材がそれぞれ単独で製造され、これらがろう付け(はんだ付けを含む)や接着剤による接着などで接合される。この接合時に、その表面に多数の気孔が臨んでいる応力緩和材と絶縁基板や冷却器等を直接接合しようとすると、気孔内に溶融された金属ろうが落ち込んでしまい、接合作業が極めて困難であるとともに、所期の接合強度が得られ難いという問題もある。そこで、気孔を具備していない金属板を応力緩和材の両側面の一方もしくは両方に熱圧着等で予め接合しておき、これと他部材とをろう付け等することにより、構成部材同士の接合容易性と接合強度の双方を高めることができる。
また、本発明によるパワーモジュールの他の実施の形態において、前記金属配線板が、気孔径が0.1〜85μmの範囲であり、気孔率が1〜15体積%の範囲である応力緩和材から形成されているものである。
本実施の形態は、金属配線板自体も応力緩和材となっているものであり、したがって、絶縁基板を介してその上下に2つの応力緩和材が具備されたパワーモジュールである。
ここで、気孔を有する金属配線板と絶縁基板との間に気孔を具備しない金属板を介層させることにより、既述するような構成部材同士の接合容易性と接合強度の双方を高めることができる。
さらに、本発明によるパワーモジュールの他の実施の形態は、前記金属配線板と前記絶縁基板の間に、気孔径が0.1〜85μmの範囲であり、気孔率が1〜15体積%の範囲である別途の応力緩和材が介層されているものである。
本実施の形態は、金属配線板は従来一般の気孔を具備しない金属板であり、この金属配線板と絶縁基板の間にも応力緩和材を設け、したがって、絶縁基板の上下に2つの応力緩和材が具備されたパワーモジュールである。
ここで、絶縁基板と気孔を有する応力緩和材との間に気孔を具備しない金属板を介層させることにより、既述するような構成部材同士の接合容易性と接合強度の双方を高めることができる。
本発明のパワーモジュールは、上記のごとく、回路ユニットからの放熱性能に優れ、回路ユニットに作用し得る応力緩和性能に優れ、しかも、各積層部材同士の接合強度も高く、接合効率も良好なものである。よって、このパワーモジュールは、高放熱性能および高耐久性能が要求される、近時のハイブリッド車や電気自動車に車載されるインバータ等に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明のパワーモジュールによれば、その構成部材である応力緩和材内で気孔分布が無い、もしくは気孔偏在が極めて少なく、しかも、剛性が低く、熱伝導率の高い応力緩和材を備えていることにより、応力緩和性能と放熱性能の双方に優れたパワーモジュールを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1aは、本発明のパワーモジュールの一実施の形態の実装構造を示した模式図であり、図1bは、図1aのb−b矢視図を写真で示したものである。このパワーモジュール100の実装構造は、半導体素子1(IGBTチップ)がはんだ層3を介して金属配線板2上に取付けられて回路ユニット4を形成し、金属配線板2が絶縁基板5上に取り付けられ、絶縁基板5とヒートシンク板71および還流器72とからなる冷却器7の間に、応力緩和部材6が介層された積層構造を呈している。
ここで、金属配線板2と絶縁基板5、絶縁基板5と応力緩和材6、応力緩和材6とヒートシンク板71は、ろう付けや接着剤、熱圧着などによって接合される。
還流器72には、冷水もしくは冷風、冷油などの冷媒が流れる流路72aがその内部に形成されており、ヒートシンク板71と還流器72は、アルミダイキャストの一体成形品となっている。
金属配線板2は、アルミニウムやその合金、銅やその合金などの熱伝導性に優れた素材から形成されており、絶縁基板5は、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素などから形成されている。
さらに、応力緩和材6は、ヤング率が低く、さらには熱伝導率の高い素材、具体的には、アルミニウムや銅、もしくはそれらの合金から形成されており、図1bで示すように、多数の気孔が応力緩和材6の全体に均一に分散した内部構造を有している。ここで、応力緩和材6に形成された気孔に関し、その気孔率は1〜15体積%の範囲に設定されており、その気孔径は0.1〜85μmの範囲に設定されている。なお、この気孔径範囲および気孔率範囲の設定根拠は、以後の実験結果に基づいて詳述する。
図2、図3には、パワーモジュールの他の実施の形態を示している。
図2aで示すパワーモジュール100Aは、図1のパワーモジュール100に対して絶縁基板5と応力緩和材6の間に金属板8を介層させた点でパワーモジュール100と相違している。
この金属板8もアルミニウムや銅、もしくはそれらの合金から形成されているが、この金属板8は気孔を具備しない無垢のプレート材である。したがって、たとえば多数の気孔がその表面に臨む応力緩和材6に金属板8を熱圧着等しておき、この金属板8と絶縁基板5とをろう付けや接着剤等によって接合することで、絶縁基板5と応力緩和材6をろう付け等する際に溶融金属ろうや接着剤が気孔内に落ち込み、接合加工性が低下したり、界面の接合強度不足が招来されるといった課題が解消される。
また、図2bで示すパワーモジュール100Bは、図1のパワーモジュール100に対して応力緩和材6とヒートシンク板71の間に金属板8を介層させた点でパワーモジュール100と相違している。
さらに、図2cで示すパワーモジュール100Cは、パワーモジュール100A,100Bの構成を組み合わせた形態であり、すなわち、絶縁基板5と応力緩和材6の間、および、応力緩和材6とヒートシンク板71の間の双方に金属板8,8を介層させたものである。このパワーモジュール100Cでは、予め応力緩和材6の両側面に金属板8,8を熱圧着等しておくことで、双方の金属板8,8と絶縁基板5およびヒートシンク板71とを接合する際の加工効率性が高まり、双方の接合界面が高い接合強度を確保できる。
上記するパワーモジュール100〜100Cは、絶縁基板5と冷却器7の間に応力緩和材6を備えた構造を有している点で共通している。これらに対して、図3で示す4つの形態のパワーモジュールは絶縁基板5の上下に2つの応力緩和材を有する点で共通するものである。
図3aで示すパワーモジュール100Dは、金属配線板が上記する気孔率範囲および気孔径範囲の多数の気孔を有する応力緩和材6Aからなり(回路ユニット4A)、絶縁基板5と応力緩和材6の間に金属板8が介層されたものである。
また、図3bで示すパワーモジュール100Eは、パワーモジュール100Dに対して応力緩和材6Aと絶縁基板5の間に金属板8が介層されたものである。
また、図3cで示すパワーモジュール100Fは、気孔のない一般的な金属配線板2を具備し、この金属配線板2と絶縁基板5の間に応力緩和材6Bを備えたものであり、図3dで示すパワーモジュール100Gは、パワーモジュール100Fに対して、応力緩和材6Bと絶縁基板5の間に金属板8を介層させたものである。
上記するパワーモジュール100〜100Gはいずれも、所定範囲の気孔径および気孔率の多数の気孔がその全体(もしくは全面)に均一に分散して形成された応力緩和材を少なくとも一つ具備することにより、半導体素子1における発熱の冷却器7への放熱性能と熱応力吸収性能(もしくは応力緩和性能)の双方に優れたパワーモジュールである。
次に、上記する応力緩和材の気孔率範囲および気孔径範囲を規定するための実験とその結果について説明する。
[応力緩和材の気孔径および気孔径と剛性の関係を検証した実験、応力緩和材の気孔率と熱伝導率の関係を検証した実験とそれらの結果]
本発明者等は、応力緩和材の気孔径および気孔率の最適範囲、すなわち、多数の気孔が部材内に均一に分散する応力緩和材を気孔径および気孔率の双方から規定するに際し、それらをファクターとして変化させた際の、応力緩和材の剛性と熱伝導率を計測し、計測結果からそれらの傾向を特定する方法を採用した。図4は、応力緩和材の気孔径範囲を規定するために、応力緩和材の気孔径と剛性の関係を検証した実験の結果を示したものであり、いずれも平面視が矩形で板状を呈し、気孔径のみが異なる応力緩和材を複数作成し、それらの剛性(曲げ剛性)を計測したものである。なお、この実験では、すべての実験モデルの気孔率を9〜10体積%に設定し、その上で気孔径をモデルごとに変化させている。
また、図5,6は応力緩和材の気孔率範囲を規定するために、応力緩和材の気孔率と剛性の関係、および応力緩和材の気孔率と熱伝導率の関係をそれぞれ検証した実験の結果を示している。なお、これら実験では、すべての実験モデルの気孔径を10〜50μmに設定し、その上で気孔率をモデルごとに変化させている。
なお、この応力緩和材は、一般的な粉末焼結よりも焼結温度の低い、いわゆる低温粉末焼結による製造方法と、気孔形成剤(樹脂ボール)を使用した粉末焼結による製造方法の2つの方法を実施し、双方の結果を勘案して気孔率範囲を規定している。
図4より、気孔径が85μmを超えると剛性が急激に増加し、85μm以下の範囲では5〜10GPaの範囲の低剛性を示すことが特定された。これは、気孔率が10体積%前後の場合において、気孔径が85μmよりも大きくなると、多数の気孔を均一に分散して形成することが困難となり、その結果、応力緩和材内において気孔が集中する領域と気孔が存在しない領域が顕著に分かれてしまい、気孔のない部位が存在することによって応力緩和材全体の剛性が必然的に高められてしまうからである。
また、気孔径の加工制御の観点から、0.1μm未満の気孔径を有する気孔を応力緩和材内で均一に形成することが極めて困難であることも特定されており、気孔形成の加工効率の観点から、気孔径の最小値を0.1μmに規定することとした。
一方、図5より、低温粉末焼結、気孔形成剤を使用した粉末焼結のいずれの製造方法による場合でも、気孔率が1体積%の前後で応力緩和材の剛性が急激に低下することが特定され、したがって、気孔率:1体積%をその下限値に規定することとした。
また、図6より、気孔率が15体積%を超えると、応力緩和材の熱伝導率が急激に低下することが特定され、したがって、気孔率:15体積%をその上限値に規定することとした。
以上の実験およびその結果より、気孔径が0.1〜85μmの範囲で、気孔率が1〜15体積%の範囲の場合に、多数の気孔が均一に分散され、したがって、低剛性で変形性能に優れ、放熱性能に優れた応力緩和材を形成できることが実証された。この応力緩和材をパワーモジュールの構成部材とすることにより、熱応力に対して損傷が生じ難く、したがって耐久性が高く、しかも、放熱性能に優れパワーモジュールを得ることができる。
[絶縁基板で発生する最大主応力と応力緩和材の気孔率の関係を検証した解析、および、発熱体温度と応力緩和材の気孔率の関係を検証した解析とそれらの結果]
本発明者等はさらに、実際のパワーモジュールの1/4規模の解析モデルを気孔率を変えてコンピュータ内で複数作成し、窒化アルミニウムからなる絶縁基板に発生した最大主応力を解析するとともに、発熱体(半導体素子)の温度を解析した。
上記する解析モデルの実装構造を図7に示しており、発熱体m1(10mm×10mm×0.5mm(厚み))、高純度アルミニウムからなる金属配線板m2および金属板m2(31.4mm×27mm×0.6mm(厚み))、窒化アルミニウムからなる絶縁基板m3(34mm×29.6mm×0.64mm(厚み))、アルミニウム粉末を低温粉末焼結にて焼結し、10〜50μm範囲の気孔径を有する応力緩和材m4(37.8mm×33.4mm×1mm(厚み))、アルミニウム製のヒートシンク板m5(59.8mm×51.4mm×4.4mm(厚み))の解析モデルとなっている。
絶縁基板で発生する最大主応力と気孔径の関係に関する解析においては、室温を解析開始温度とし、その後に−40℃〜105℃の温度サイクルを3回実施し、実施中に絶縁基板に発生する最大主応力を求めたものである。
図8で示すように、絶縁基板で発生する最大主応力においても、応力緩和材の気孔率が1体積%前後で急激に低下し、気孔率:1体積%を気孔率の下限値とする上記実験結果と照合する。
また、発熱体温度を計測した解析に関しては、発熱体上面に100Wを与え、20秒後の発熱体温度をシュミレーションしたものであり、該シュミレーションにおいては、その周囲を断熱し、ヒートシンク板下面の熱伝導率を13000W/mKとしている。
図9で示すように、発熱体温度は応力緩和材の気孔率が15体積%を前後で急激に増加し、このこともまた、気孔率:15体積%を気孔率の上限値とする上記実験結果と照合する。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
(a)は本発明のパワーモジュールの一実施の形態の実装構造を示した模式図であり、(b)は、(a)のb−b矢視図を写真で示した図である。 (a),(b),(c)はともに、本発明のパワーモジュールの他の実施の形態の実装構造を示した模式図である。 (a),(b),(c),(d)はともに、本発明のパワーモジュールのさらに他の実施の形態の実装構造を示した模式図である。 応力緩和材の気孔径と剛性の関係を検証した実験結果である。 応力緩和材の気孔率と剛性の関係を検証した実験結果である。 応力緩和材の気孔率と熱伝導率の関係を検証した実験結果である。 パワーモジュールのシュミレーションモデルの実装構造を示した模式図である。 図7のシュミレーションモデルを使用して、絶縁基板で発生する最大主応力と応力緩和材の気孔率の関係を検証した実験結果である。 図7のシュミレーションモデルを使用して、発熱体温度と応力緩和材の気孔率の関係を検証した実験結果である。 従来のパワーモジュールの実装構造を示した模式図である。
符号の説明
1…半導体素子、2…金属配線板、3…はんだ層、4,4A…回路ユニット、5…絶縁基板、6,6A,6B…応力緩和材、7…冷却器、71…ヒートシンク板、72…還流器、8…金属板、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G…パワーモジュール

Claims (7)

  1. 金属配線板と、該金属配線板上に搭載された半導体素子と、からなる回路ユニットと、
    前記回路ユニットが搭載されるセラミックスからなる絶縁基板と、
    前記絶縁基板が搭載される金属素材の応力緩和材と、
    前記応力緩和材が搭載される冷却器と、からなり、
    前記応力緩和材は、その気孔径が0.1〜85μmの範囲であり、その気孔率が1〜15体積%の範囲である、パワーモジュール。
  2. 前記応力緩和材は、アルミニウムもしくはその合金、銅もしくはその合金のうちのいずれか一種からなる、請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. 前記応力緩和材と前記絶縁基板の間、該応力緩和材と前記冷却器の間の、双方もしくはいずれか一方に金属板が介層されている、請求項1または2に記載のパワーモジュール。
  4. 前記金属配線板が、気孔径が0.1〜85μmの範囲であり、気孔率が1〜15体積%の範囲である応力緩和材から形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のパワーモジュール。
  5. 応力緩和材からなる前記金属配線板と前記絶縁基板の間に金属板が介層されている、請求項4に記載のパワーモジュール。
  6. 前記金属配線板と前記絶縁基板の間に、気孔径が0.1〜85μmの範囲であり、気孔率が1〜15体積%の範囲である別途の応力緩和材が介層されている、請求項1〜3のいずれかに記載のパワーモジュール。
  7. 前記別途の応力緩和材と前記絶縁基板の間に金属板が介層されている、請求項6に記載のパワーモジュール。
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