JP5145756B2 - ディスプレイ用光学シート及びバックライト・ユニット並びに表示装置 - Google Patents
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Description
このBEFは、図1に示すように、基材70上に、断面三角形状の単位プリズム72が一方向に周期的に配列された光学フィルムである。この単位プリズム72は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
また、単位プリズム72の反復的アレイ構造が一方向のみに並列される方式ものでは、その並列方向での方向転換またはリサイクルのみが可能であり、水平および垂直方向での表示光の輝度制御を行うためには、プリズム群の並列方向が互いに略直交するように、2枚の光学シートを重ねて組み合わせて用いる必要がある。
BEFに代表される単位プリズム72の反復的アレイ構造を有する輝度制御基材をディスプレイに採用した先行技術として、例えば特許文献1乃至3に開示したものが知られている。
しかしながら、同時に反射/屈折作用Yによる光成分が、視聴者の視野方向Fに進むことなく横方向に無駄に出射されてしまう。
したがって、図1及び図2に示すようなBEFを用いた光学シートから出射される光強度分布は、図3に示すように、視聴者の視野方向F、すなわち視野方向Fに対する角度が0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高められるものの、図3の横軸に示す±90°近辺の小さな光強度ピークとして示されるように、横方向から無駄に出射される光も増えてしまうという問題がある。
一方、バックライト・ユニットには、前記単位プリズム72の並列される方向が略直交するように、2枚の光学シートが併用される使用形態が普及している。
また、軸上輝度のみが過度に向上すると、グラフ中(特に、垂直分布の曲線で)の山の幅が著しく狭くなり、視域が極端に限定されるため、グラフ中の山の幅を適度に拡げるために、前記光学シートとは別基材の光拡散フィルムを新たに併用する必要がある。しかし、この方式は、部材数が増加する問題がある。
従来、このような問題を解決するための手段として、前記単位プリズムではなく凸レンズ形状の単位レンズを二次元方向に一定のピッチで配列してなるアレイ構造の光学フィルムを用いたバックライト・ユニットが知られている(特許文献4参照)。
図4に示す液晶表示装置100は、表裏両面に偏光板41をそれぞれ対向配置した液晶パネル42と、この液晶パネル42の光入射側に偏光板41を介して臨むように配置されたバックライト・ユニット40を備える。
光学シート38は、光透明性基材39と、この基材39の液晶パネル42と対向する一方の面に二次元方向に一定のピッチで配列してなる単位レンズ44と、基材39の単位レンズ44と反対の他方の面に形成され、各単位レンズ44の焦点面箇所に光透過用の開口部46を有する光マスク48とから構成される。また、基材39と単位レンズ44はレンズシートを構成する。
また、直下型の光源23は、陰極線管またはLED等からなる複数のランプ23aと、これらランプ23aからの光及び他からの反射光を拡散板26側へ反射させる反射板27とを含んで構成されている。
すなわち、拡散板26から出射した光のうち、開口部46を通過した光と一部光マスクを透過した光が、単位レンズ44に入射し、前記単位レンズ44によって出射される光の方向が制御される。そして、偏光板41に入射し、所定の偏光成分の光のみが液晶パネル42に導かれる。
一方、光マスク48により反射された光は、拡散板26側に戻され、反射板27へ導かれる。そして、反射板27によって反射され、再び拡散板26に入射し、この拡散板26において再び拡散される。この拡散板26から出射した拡散光の一部は開口部46を通って単位レンズ44に入射し、一部は光マスク48によって反射される。以下、これらの動作を繰り返す。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の光学シートにおいて、前記単位レンズがレンチキュラーであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2記載の光学シートにおいて、前記基材と前記単位レンズは同一の材料で一体に成形されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1または2記載の光学シートにおいて、前記開口部は低屈折率材料により充填されていることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
請求項6の発明は、請求項1または2記載の光学シートにおいて、前記低屈折率材料は空気であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1または2記載の光学シートにおいて、前記光マスクが光反射層であることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11記載の光学シートにおいて、前記光拡散層は、透明樹脂中に透明粒子を分散して構成されていることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項11記載の光学シートにおいて、前記光拡散層は、プリズムシート、多角錘プリズムシート、円錐プリズムシート、マイクロレンズシート、レンチキュラーシート、レンチキュラーレンズに1:1で対応する開口部と反射層を備えたレンチキュラーシート等の何れかで構成されていることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14記載のディスプレイ用バックライト・ユニットにおいて、前記画像表示素子は液晶表示素子であることを特徴とする。
また、本発明によれば、光マスクを形成するための感光性樹脂の露光領域と非露光領域との境界面に露光が集中するように、単位レンズを、焦点F2が基材内に位置する短焦点の凸状曲面と、焦点F3が前記感光性樹脂の外側に位置する長焦点の凸状側方曲面とを組み合わせることにより形成する構成したので、露光コントラストを上昇させるとともに光マスクの転写性が向上し、品質不良を低減することができるディスプレイ用光学シート及びこれを用いたバックライト・ユニット並びに表示装置を提供できる。
また、本発明においては、作製された光学シートのレンズ側、反射層側、またはその両方の面に拡散・集光・屈折・反射等光学機能を備えた光学シートを一体的に積層することも出来る。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態における光学シートをディスプレイ用バックライト・ユニットの照明光路制御に用いたバックライト・ユニットを具備する液晶表示装置の概略断面図であり、各部位の縮尺は実際とは一致しない。
図5に示す液晶表示装置200は、液晶パネル42(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)と、この液晶パネル42の光入射側に臨ませて配置されたバックライト・ユニット50を備える。
バックライト・ユニット50は、液晶パネル42の光入射側に臨ませて配置された、照明光路制御用の光学シート52及び直下型光源23を含んで構成される。
前記光マスク62は、反射材からなるものであり、この反射材は、白色である二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を所定のパターン(単位レンズが半円柱状凸シリンドリカルレンズ群の場合、単位レンズそれぞれに1:1で対応して開口部60を有するストライプ状となる。)で印刷により形成され、または転写により形成される。
基材54を構成する透明材としてはガラス材料でもプラスティック材料でも良い。このプラスティック材料としては、一般的にPETが挙げられるが、他にPE、PP、PCなどのプラスティック材料でも良い。
上記光反射層としては、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ等を顔料とした白色反射材料や、金属薄膜などがある。BEFに代表される輝度上昇フィルムと同等以上のゲインを得るためには、光マスク62が光反射層であることが最も望ましく、その反射率が80%以上であることが最も望ましい。
次に、本発明にかかる単位レンズの他の実施の形態について図8を参照して説明する。
この実施の形態における単位レンズ80は、図8(a)に示すように、形状の異なる2つの曲面が組み合わされてなる凸形状を呈している。すなわち、単位レンズ80は、焦点F2が基材82内に位置する短焦点の凸状曲面80aと、焦点F3が感光性樹脂61の外側に位置する長焦点の凸状側方曲面80bとを組み合わせることにより形成される。
本発明かかる液晶表示装置の第3の実施の形態について図9を参照して説明する。
この図9に示す液晶表示装置100において、上記図5に示す第1の実施の形態と同様な構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、図5と異なる部分を重点に述べる。
上記第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態による図5に示される光学シート52の入射側、すなわち光マスク62側に、光拡散層66を一体的に積層したところにある。この光拡散層66は、透明樹脂中に透明粒子を分散することで構成される。
また、基材54と光拡散層66を貼り合わせた場合、そりの影響を考慮すると、基材32の膨張係数、すなわち常温での線膨張係数は、4.0×10−5cm/cm/℃から1.0×10−4cm/cm/℃であることが望ましい。
例えば、図9中に示した光拡散層66を別構造の光拡散層、すなわち光学的屈折・反射を利用した拡散層にすることもできる。この場合の光拡散層66は、例えばプリズムシート、レンチキュラーシート、マイクロレンズシート等が挙げられる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、光学シート52の出射面側、すなわち単位レンズ56上に光拡散層を設けることもできる。この場合の光拡散層としては、例えばプリズムシート、レンチキュラーシート、マイクロレンズシート、開口部と反射層を備えたレンチキュラーシート、DBEF、拡散シートなどが挙げられる。
Claims (16)
- ディスプレイ用バックライト・ユニットの照明光路制御に使用される光学シートであって、
光透過性の基材と、前記基材の一方の面に一定のピッチで配列された複数の単位レンズとからなるレンズシートと、
前記基材の他方の面に形成され、前記単位レンズの光軸を含む中央部に対応して形成された光透過用の開口部と前記中央部を除く箇所に対応して形成された光マスクとを備え、
前記単位レンズは、前記基材と反対の方向から照射される露光用の光が前記開口部と前記光マスクとの境界に前記開口部中心より多く集光されるように、該単位レンズの頂部領域の焦点F1が基材の上方に位置し、かつ該単位レンズの側方領域の焦点が基材の下方に位置する放物面形状の凸形状を呈している、
ことを特徴とする光学シート。 - ディスプレイ用バックライト・ユニットの照明光路制御に使用される光学シートであって、
光透過性の基材と、前記基材の一方の面に一定のピッチで配列された複数の単位レンズとからなるレンズシートと、
前記基材の他方の面に形成され、前記単位レンズの光軸を含む中央部に対応して形成された光透過用の開口部と前記中央部を除く箇所に対応して形成された光マスクとを備え、
前記光マスクと前記開口部は、
前記単位レンズと反対に位置する前記基材の面に感光性樹脂層を形成し、
前記感光性樹脂層に前記単位レンズ側から光を照射し、前記単位レンズの集光作用により前記感光性樹脂層に露光領域と未露光領域を生じさせることで形成され、
前記単位レンズは、焦点F2が前記基材内に位置する短焦点の凸状曲面と、焦点F3が前記感光性樹脂の外側に位置する長焦点の凸状側方曲面とを組み合わせることにより形成されることを特徴とする光学シート。 - 前記単位レンズがレンチキュラーであることを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。
- 前記基材と前記単位レンズは同一の材料で一体に成形されていることを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。
- 前記開口部は低屈折率材料により充填されていることを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。
- 前記低屈折率材料は空気であることを特徴とする請求項5記載の光学シート。
- 前記光マスクと前記開口部は、
前記単位レンズと反対に位置する前記基材の面に感光性樹脂層を形成し、
前記感光性樹脂層に前記単位レンズ側から光を照射し、前記単位レンズの集光作用により前記感光性樹脂層に露光領域と未露光領域を生じさせることで形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の光学シート。 - 前記開口部は低屈折率材料により充填され、
前記単位レンズのピッチをP、前記基材の厚さをTB、前記単位レンズの高さをTL、前記開口部の幅をA、前記開口部に充填する低屈折率材料と前記基材との屈折率差による臨界角をαとした時、P,TB,A/P,TB/P,TL/Pがそれぞれ、P≦A+2TBtanα,0.3≦A/P≦0.6,0.3≦TB/P≦1.0,0.3≦TL/P≦0.8の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。 - 前記光マスクが光拡散機能を有することを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。
- 前記光マスクが光反射層であることを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。
- 前記光学シートの入射面及び出射面の何れか一方の面もしくは両方の面に光拡散層を積層したことを特徴とする請求項1または2記載の光学シート。
- 前記光拡散層は、透明樹脂中に透明粒子を分散して構成されていることを特徴とする請求項11記載の光学シート。
- 前記光拡散層は、プリズムシート、多角錘プリズムシート、円錐プリズムシート、マイクロレンズシート、レンチキュラーシート、レンチキュラーレンズに1:1で対応する開口部と反射層を備えたレンチキュラーシート等の何れかで構成されていることを特徴とする請求項11記載の光学シート。
- 表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、光源と、請求項1乃至13の何れか1項に記載の光学シートを少なくとも備える、
ことを特徴とするディスプレイ用バックライト・ユニット。 - 前記画像表示素子は液晶表示素子であることを特徴とする請求項14記載のディスプレイ用バックライト・ユニット。
- 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、光源と、請求項14または15記載のディスプレイ用バックライト・ユニットを備えることを特徴とする表示装置。
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