JP5143633B2 - 操舵輪舵角制御における補償値取得方法および操舵輪舵角制御における補償方法 - Google Patents

操舵輪舵角制御における補償値取得方法および操舵輪舵角制御における補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、操舵輪舵角制御における補償値取得方法および操舵輪舵角制御における補償方法に係り、特に、電動操舵アクチュエータで操舵輪を自動舵角操舵する際の操舵輪舵角制御における補償値取得方法および操舵輪舵角制御における補償方法に関する。
例えば、車両制御の分野で開発が進められている車線追従制御では、電動パワーステアリング装置等の電動ステアリング装置を活用して、電動モータ等の電動操舵アクチュエータを駆動制御し、自車両のステアリングホイールの舵角制御やラック軸のラック位置制御等により操舵輪(前輪)の舵角を制御して、自車両を左右の車線(追い越し禁止線等の道路中央線や車両通行帯境界線、路側帯と車道とを区画する区画線等の道路面上に標示された連続線や破線)に追従させるように操舵制御する操舵輪舵角制御が行われる場合がある(例えば特許文献1等参照)。
その際、電動ステアリング装置による操舵輪舵角制御の手法としては種々の手法が知られているが、その1つとして例えば舵角フィードバック制御という手法がある。
例えばステアリングホイールの舵角制御により操舵輪舵角制御を行って車線追従制御を行う場合、図20に示すように、車線LL、LRで挟まれた自車両MCの走行レーンRの中心線CL上の、自車両MCから所定距離Lだけ前方の位置Pに目標点Mを設定し、自車両MCの進路の前方位置Pにおける位置Kと目標点Mとの距離Δxを検出する。
そして、自車両MCのステアリングホイール2(図1参照)が転舵されるべき目標舵角をδx、所定のゲインをGとして、
δx=G・Δx …(1)
に従って目標舵角δxを算出し、この目標舵角δxと、現在転舵されている実際の舵角δとの差δx−δをフィードバックして、例えば図1に示す電動ステアリング装置1の操舵アクチュエータである電動モータ6からピニオン軸5に付与されるべき操舵アクチュエータの出力値(この場合は操舵トルクτ)が決定される。
舵角フィードバック制御では、いわゆるPD制御という手法が用いられることがある。例えば上記の例で言えば、PD制御では、上記の目標舵角δxと実際の舵角δとの差δx−δに比例する項(いわゆるP項)と、差δx−δの時間微分に比例する項(いわゆるD項)を加算して、
Figure 0005143633
に従って操舵トルクτを算出する。上記(2)式において、Gpは比例ゲイン、Gdは微分ゲインと呼ばれる比例定数である。
このようにして算出された操舵トルクτによって舵角フィードバック制御を行うと、ステアリングホイール2の舵角δは、理想的には図21(A)に示すように時間的に目標舵角δxに収束していくが、実際には種々の外乱のために図21(B)に示すように時間が経過しても目標舵角δxには収束せず、目標舵角δxに対して偏差Δδを有する値に収束してしまうことが多い。
このような事態を回避するために、上記の(2)式にさらにGi・∫(δx−δ)dtなる積分項(いわゆるI項)を加算して操舵トルクτを算出する、いわゆるPID制御が知られている。しかし、このようなPID制御では、よく知られているように、積分ゲインGiが小さい値に設定すると舵角δの目標舵角δxへの収束速度が遅くなるため即時性が担保されず、積分ゲインGiを大きい値に設定すると、即時性は得られるようになるが舵角δのオーバーシュート現象、すなわち舵角δが目標舵角δxを中心として大きくなったり小さくなったりして時間的に振動する現象が発生してしまう。
このように、PID制御は、特に操舵輪舵角制御による車線追従制御のようにリアルタイム性が求められる状況においては必ずしも有効に制御できない。また、PID制御ではそもそもドライバによるステアリングホイール2の転舵入力が外乱として受け止められてしまうため、ステアリングホイールの舵角制御等による操舵輪舵角制御には使い難いという問題もある。
これらの問題を克服するため、上記のような積分項(I項)を加算する代わりに、外乱をモデル化して操舵トルクτに対する補償値τcとして数値化して上記の(2)式に加算して修正する手法が種々提案されている。すなわち、この場合、操舵トルクτは、
Figure 0005143633
の形で算出される。
外乱は種々の形態で存在し、操舵系に働く外乱としては、例えば、
(a)路面摩擦
(b)操舵系における摩擦
(c)車体の持ち上がり、持ち下がり
(d)路面からの入力
等が挙げられる。
このうち、(d)の「路面からの入力」とは、操舵輪9が路面の轍や砂利道にとられる等して操舵輪9が路面から力を受けることによりステアリングホイール2がいわば自動的に転舵されるような外乱をいい、(a)の「路面摩擦」とあわせて、路面からの影響による外乱要素である。
一方、上記の(b)や(c)の要素は、路面状況とは無関係の、いわば車両独自の外乱要素である。そのうち、(b)の「操舵系における摩擦」とは、図1に示すように、車両の電動パワーステアリング装置1において、例えばステアリングシャフト4とピニオン軸5との間をつなぐユニバーサルジョイント10やステアリングギヤボックス7内等で生じる摩擦をいう。
また、(c)の「車体の持ち上がり」とは、通常、車両のフロントサスペンションのジオメトリにおいて、図22に示すように操舵輪(前輪)9の回動の中心軸となるキングピン軸20がキングピン傾斜角αを有して外下がりに傾斜するように設けられるため、操舵輪9がキングピン軸20周りに回動すると、操舵輪9と路面Gとの接地点Paは下方に移動しようとするが、路面Gに押し戻されて、相対的に図示しない車体が持ち上がる現象をいう。
また、「車体の持ち下がり」とは、同様に、車両のフロントサスペンションのジオメトリにおいて、図23に示すように操舵輪(前輪)9の回動の中心軸となるキングピン軸20がキャスタ角βを有して前下がりに傾斜するように設けられるため、操舵輪9がキングピン軸20周りに回動すると、操舵輪9と路面Gとの接地点Paは上方に移動しようとするが、車体の重量により押し下げられるため、相対的に車体が持ち下がる現象をいう。
特許文献2に記載の操舵アシスト装置では、車高センサを用いて上記(c)の車体の持ち上がり、持ち下がりを検出してそれによる車両のフロント荷重を推定し、また、図示しないコイルスプリング反力のキングピン軸20に対するモーメントアーム長を推定し、推定したフロント荷重とモーメントアーム長を用いて上記の操舵輪舵角制御における補償値τc(または補償値τcのトルクを得るための電動モータ6に流す電流の補正値)を算出して、車両独自の外乱要素、すなわちこの場合はコイルスプリング反力によるキングピン軸20周りのモーメントを打ち消すことを提案している。
特開2004−199286号公報 特開2005−343298号公報
しかしながら、特許文献2に記載された手法を用いてコイルスプリング反力によるキングピン軸20周りのモーメントを打ち消すことができたとしても、補償値τcに、その他の要因による外乱要素を反映させることができない。また、特許文献2では、上記(b)の操舵系における摩擦による影響は反映されていない。
前述したように、(a)〜(d)の外乱要素のうち、少なくとも(b)や(c)の要素は路面状況に関係しない車両独自の外乱要素であるため、それらの外乱要素について車両構造に基づくモデル化により補償値τcを算出できる可能性がある。しかし、車両独自の外乱要素をすべてピックアップし、それらを総合して理論的に補償値τcを求めることは、運動方程式を解くための計算量が膨大になる等の困難が予想される。そこで、実際的には特許文献2に記載されているように比較的容易に理論化できる部分のみを抽出して補償値τcを算出したり、(b)の操舵系における摩擦等を大ざっぱに定数として扱うことが行われている。
本願発明者らは、上記の(b)や(c)のように、少なくとも路面状況に関係しない車両独自の種々の外乱要素を総合的に取り込んだ状態で電動モータ等の電動操舵アクチュエータの出力値(例えば操舵トルクτ)を補償することができる操舵輪舵角制御における出力値に対する補償値(例えば補償値τc)を得るために、実験的に補償値を求める研究を行った。
その結果、出力値(操舵トルクτ)に対する車両独自の外乱要素に関する有益な知見が得られ、上記の(b)や(c)の外乱要素を総合的に取り込んで補償値(補償値τc)を取得することができる操舵輪舵角制御における補償値取得方法が見出された。また、その方法により取得された補償値を有効に活用して操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を効果的に補償することができる操舵輪舵角制御における補償方法が見出された。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、操舵系における摩擦や車体の持ち上がり、持ち下がり等の外乱要素を総合的に取り込んで操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を的確に補償する補償値を取得することが可能な操舵輪舵角制御における補償値取得方法を提供することを目的とする。また、この方法により取得された補償値を用いて操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を効果的に補償することが可能な操舵輪舵角制御における補償方法を提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、第1の発明は、操舵輪舵角制御における補償値取得方法において、
電動操舵アクチュエータから操舵系に出力する出力値に基づいて操舵輪舵角制御を行う車両において、前記出力値を変化させた場合に変化する当該車両のステアリングホイールまたは操舵輪の舵角のデータを取得するデータ取得工程と、
前記舵角のデータが変化しない状態から変化する状態に遷移する際の前記舵角のデータとその際の前記出力値との相関に基づいて操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性を取得する静止摩擦ポテンシャル取得工程と、
前記舵角のデータが変化する状態から変化しない状態に遷移する際の前記舵角のデータとその際の前記出力値との相関に基づいて操舵系における動摩擦ポテンシャル特性を取得する動摩擦ポテンシャル取得工程と、
前記操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性をそれぞれ数式的にモデル化して、操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する各補償値をそれぞれ取得する補償値取得工程と、
を有することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の操舵輪舵角制御における補償値取得方法において、
前記データ取得工程では、前記電動操舵アクチュエータから前記操舵系に対して前記舵角が増加する方向および減少する方向にそれぞれ前記出力値を出力し、それぞれの場合について前記出力値を変化させた場合に変化する前記舵角のデータを取得し、
前記補償値取得工程では、前記舵角が増加する方向および減少する方向についてそれぞれ前記操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する前記各補償値を取得することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明の操舵輪舵角制御における補償値取得方法において、前記データ取得工程では、前記操舵輪を回動自在のターンテーブル上に載置して前記舵角のデータを取得することを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の操舵輪舵角制御における補償値取得方法において、前記データ取得工程では、前記電動操舵アクチュエータから前記操舵系に出力する前記出力値を、一定の割合で増加させまたは減少させて変化させることを特徴とする。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明の操舵輪舵角制御における補償値取得方法において、前記補償値取得工程では、前記操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性をそれぞれ3次式でモデル化することを特徴とする。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明の操舵輪舵角制御における補償値取得方法において、前記補償値取得工程では、前記操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性をそれぞれ数式的にモデル化して、前記操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する前記各補償値を各特性に対応する特性マップとしてそれぞれ取得することを特徴とする。
第7の発明は、車両の操舵輪舵角制御における補償方法において、第1から第6のいずれかの発明の操舵輪舵角制御における補償値取得方法で取得された前記操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する前記各補償値に基づいて前記出力値を補償する際に、当該車両のステアリングホイールまたは操舵輪の舵角の時間変化が0である場合には前記静止摩擦発生時の補償値を用い、前記時間変化が0以外の値である場合には前記動摩擦発生時の補償値を用いてそれぞれ補償することを特徴とする。
第1の発明によれば、例えば操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータから一定の割合で徐々に増加し或いは減少する出力値を操舵系に出力していくと、ステアリングホイールや操舵輪が静止した状態と急速に転舵する状態が繰り返し現れて、測定されるステアリングホイールや操舵輪の舵角がいわば階段状に変化するという知見が得られる。
そのため、舵角が変化しない状態から変化する状態に遷移する点のデータを解析することでユニバーサルジョイント等を含む操舵系における静止摩擦に関する情報を得ることができ、また、舵角が変化する状態から変化しない状態に遷移する点のデータを解析することで操舵系における動摩擦に関する情報を得ることが可能となる。また、実際に車両の操舵輪をターンテーブル上に載置する等してステアリングホイールや操舵輪の舵角と電動操舵アクチュエータの出力値との関係を求めることで、車体の持ち上がりや持ち下がり等の車両のフロントサスペンションのジオメトリに起因する外乱要素を操舵輪舵角制御における補償値に反映させることが可能となる。
そのため、操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を補償する補償値について、操舵系における摩擦や車体の持ち上がり、持ち下がり等の外乱要素の影響が同時に取り込まれて反映された補償値を取得することが可能となるとともに、操舵系における静止摩擦発生時の補償値と動摩擦発生時の補償値とをそれぞれ分離して取得することが可能となる。また、外乱要素を総合的に取り込んで、操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を的確に補償することができる補償値を取得することが可能となる。
第2の発明によれば、前記発明の効果に加え、電動操舵アクチュエータから前記操舵系に対して舵角が増加する方向および減少する方向にそれぞれ出力値を出力して補償値を取得することで、ステアリングホイールを右回りに転舵させる場合と左回りに転舵させる場合のそれぞれについて操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の出力値に対する各補償値をそれぞれ取得することが可能となり、さらに的確に操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を補償することができる補償値を取得することが可能となる。
第3の発明によれば、前記各発明の効果に加え、車体の持ち上がりや持ち下がり等の車両のフロントサスペンションのジオメトリに起因する外乱要素を効果的に操舵輪舵角制御における補償値に反映させることが可能となる。
第4の発明によれば、データ取得工程で、電動操舵アクチュエータから操舵系に出力する出力値を一定の割合で増加させまたは減少させて変化させることで、ステアリングホイールや操舵輪が静止した状態と急速に転舵する状態が繰り返し現れる状態を的確に形成して、ステアリングホイールや操舵輪の舵角を階段状に変化させることが可能となり、前記各発明の効果が的確に発揮される。
第5の発明によれば、前記各発明の効果に加え、操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性や動摩擦ポテンシャル特性をステアリングホイールや操舵輪の舵角に対してプロットすると、舵角が正の領域では下に凸、負の領域では上に凸(或いは舵角が正の領域では上に凸、負の領域では下に凸)の曲線状に分布する場合があり、このような場合には各特性をそれぞれ3次式で近似することで、精度良くモデル化することが可能となる。
第6の発明によれば、前記各発明の効果に加え、操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の出力値に対する各補償値を各特性に対応する特性マップとしてそれぞれ取得することで、この操舵輪舵角制御における補償値取得方法で取得された補償値を操舵輪舵角制御で用いる際に、各特性に応じて選択する特性マップを切り替えることで、容易かつ的確に特性に適合した補償値を抽出して用いることが可能となる。
第7の発明によれば、車両の操舵輪舵角制御における補償方法において、ステアリングホイールや操舵輪の舵角の時間変化に基づき、時間変化が0である場合には操舵系における静止摩擦発生時の補償値を用い、時間変化が0以外の値である場合には操舵系における動摩擦発生時の補償値を用いてそれぞれ電動操舵アクチュエータの出力値を補償することで、上記の操舵輪舵角制御における補償値取得方法で分離して取得された操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の各補償値を的確に選択して用いることが可能となる。そのため、操舵輪舵角制御における補償値取得方法によって取得された各補償値を用いて、操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を効果的に補償することが可能となる。
以下、本発明に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法および操舵輪舵角制御における補償方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法等の説明の前に、その前提となる車両の操舵系の構成について説明する。
なお、本実施形態では、操舵輪(前輪)に対する舵角制御を行う電動操舵アクチュエータとして、操舵系に操舵トルクを付与する電動ステアリング装置、特に電動パワーステアリング装置の電動モータが用いられる場合について説明するが、操舵系に出力する出力値に基づいて操舵輪舵角制御を行い得る電動操舵アクチュエータであれば電動モータに限定されない。また、電動ステアリング装置としては既存の装置を用いればよく、本発明の実現のために特別な装置や部材を設ける必要はない。
電動ステアリング装置1は、図1に示すように、主にステアリングホイール2やステアリングコラム3、ステアリングシャフト4、ピニオン軸5、電動操舵アクチュエータである電動モータ6、ステアリングギヤボックス7、図示しないラック軸、タイロッド8、操舵輪9等で構成されており、ステアリングシャフト4とピニオン軸5とがユニバーサルジョイント10で連結されている。
また、ステアリングコラム3には、前述したステアリングホイール2やステアリングシャフト4の軸線周りの舵角δを測定する舵角センサ11が取り付けられており、舵角センサ11が測定した舵角δは所定の電子制御装置(ECU)12に送信されるようになっている。なお、舵角センサ11は他の位置に取り付けられていてもよい。
そして、電子制御装置12は、車両が始動され、例えば車線追従制御のための操舵輪舵角制御が起動されると、舵角センサ11から送信されてくる舵角δに基づいて上記(3)式に従って操舵トルクτを算出してその操舵トルクτを得るための指示電流値を算出し、算出した指示電流値を電動モータ6に出力して電動モータ6を回転駆動させて、所定の操舵トルクτでピニオン軸5を回転させて、ステアリングホイール2の自動転舵を行うように構成されている。
なお、図1では、電動ステアリング装置1として、電動モータ6がピニオン軸5に取り付けられたいわゆるピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置を示したが、電動ステアリング装置はこれに限定されず、この他にも、電動モータ6がステアリングコラム3に取り付けられたいわゆるコラムアシスト型や、ラック軸に取り付けられたいわゆるラックアシスト型等の他の形式の電動パワーステアリング装置に対しても本発明は同様に適用される。
また、電動ステアリング装置1は、電動操舵アクチュエータから操舵系に出力して操舵輪の舵角制御を行うことができるものであれば必ずしも電動パワーステアリング装置に限定されず、例えば、ステアリングホイール2と操舵輪9との機械的な連結が切断され、ステアリングホイール2の操舵情報に基づいて電子制御装置が舵角を算出し、その舵角になるように操舵輪を回動させる、いわゆるステアリングバイワイヤ(ステアバイワイヤ)方式の操舵装置等についても本発明を適用することができる。
さらに、本実施形態では、電動操舵アクチュエータである電動モータ6から操舵系(本実施形態ではピニオン軸5)に出力値として操舵トルクτを付与し、この操舵トルクτに対する補償値τcを取得する場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、電動操舵アクチュエータから操舵系に出力される出力値の種類および補償値の内容は、用いられる電動操舵アクチュエータの形態にあわせて適宜決められる。
以下では、ステアリングホイール2の舵角δは、ステアリング中立の位置を舵角0°として、ステアリングホイール2をドライバから見て右回りに転舵した場合には正の値を、左回りに転舵した場合には負の値をとるものとする。また、操舵トルクτも、ステアリングホイール2をドライバから見て右回りに転舵させる場合には正の値を、左回りに転舵させる場合には負の値をとるものとする。
[操舵輪舵角制御における補償値取得方法]
本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法について、図2等に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法は、図2に示すように、主に、データ取得工程(ステップS1)と、静止摩擦ポテンシャル取得工程(ステップS2)と、動摩擦ポテンシャル取得工程(ステップS3)と、補償値取得工程(ステップS4)とを備えている。
データ取得工程(ステップS1)では、電動操舵アクチュエータである電動モータ6から操舵系(ピニオン軸5)に付与する操舵トルクτを変化させた場合に変化する車両のステアリングホイール2の舵角δのデータを取得するようになっている。
具体的には、図3のフローチャートに示すように、まず、車両の操舵輪(前輪)9を図示しないターンテーブル上に載置する(ステップS11)。ターンテーブルは水平面方向に回動自在に配設されており、ターンテーブルの回動における摩擦は非常に小さく無視することができる。また、ターンテーブルを用いることで、前述した操舵系に働く外乱である(a)や(d)のような路面からの影響による外乱要素を遮断して、(b)や(c)のような路面状況とは無関係の車両独自の外乱要素のみを抽出して補償値を取得することが可能となる。
続いて、ステアリングホイール2を例えば左回りに転舵し、リターンスプリング等でステアリングホイール2を戻す方向に転舵する力が加わらない最小の舵角δmin、すなわち、ドライバがステアリングホイール2から手を離してもステアリングホイール2の戻りが生じない最小の舵角δminまでステアリングホイール2を転舵する。
その状態で、ステアリングホイール2を右回りに転舵させるために、電動モータ6から操舵系(ピニオン軸5)に付与する操舵トルクτが一定の割合で徐々に増加していくように電動モータ6に指示電流を与える(ステップS12)。指示電流は、例えば図示しないランプ波発生器から出力される傾きの小さなランプ波形として電動モータ6に与えられ、ステアリングホイール2が上記の最小の舵角δminから右向きの最大舵角まで数分の時間をかけて転舵されるように操舵トルクτを付与する。
このように一定の割合で増加する操舵トルクτを電動モータ6から操舵系に付与しながら、舵角センサ11で計測されるステアリングホイール2の舵角δのデータを取得する(ステップS13)。
このようにして一定の割合で徐々に増加する操舵トルクτを操舵系に付与していくと、例えば図4に示されるように、ステアリングホイール2は、時間tに対して舵角δが一定の割合で増加せず、舵角δが変化しない状態がしばらく続いた後、ある瞬間に舵角δが急激に増加し(すなわちステアリングホイール2が急速に転舵し)、増加し終わると、また変化しない状態がしばらく続く状態となる。このように、ステアリングホイール2の舵角δは、いわば階段状に変化する。
続いて、今度は、ステアリングホイール2を、戻りが生じない最大の舵角δmaxまで右回りに転舵する。そして、その状態で、今度は電動モータ6から操舵系(ピニオン軸5)に付与する操舵トルクτが一定の割合で徐々に減少するように電動モータ6に指示電流を与えて(図3のステップS12)、舵角センサ11で計測されるステアリングホイール2の舵角δのデータを取得する(ステップS13)。
上記と同様に取得された舵角δのデータを時間tに対してプロットすると、今度は例えば図5に示されるように、ステアリングホイール2の舵角δは、一定の割合で減少せず、舵角δが変化しない状態がしばらく続いた後、ある瞬間に舵角δが急激に減少し、減少し終わると、また変化しない状態がしばらく続く階段状に変化するデータが得られる。
なお、このようにステアリングホイール2の舵角δが階段状に変化する場合、操舵輪9(図1参照)の舵角や操舵輪9が載置されたターンテーブルの回動角度も階段状に変化する。すなわち、ステアリングホイール2の舵角δが変化しない状態では操舵輪9の舵角も変化せずターンテーブルも静止しており、ステアリングホイール2の舵角δが急激に変化する(すなわちステアリングホイール2が急速に転舵する)状態では、操舵輪9の舵角も急激に変化し(すなわち操舵輪9が急速に転舵され)、ターンテーブルもすばやく回動する状態となる。
次に、静止摩擦ポテンシャル取得工程(図2のステップS2)では、上記のようにして得られたステアリングホイール2の舵角δの階段状のデータに基づいて、舵角δが変化しない状態から変化する状態に遷移する際の舵角δとその際の操舵トルクτとの相関から操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性を取得するようになっている。
具体的には、静止摩擦ポテンシャル取得工程は、図6に示すフローチャートに従って処理が行われる。すなわち、まず、ステアリングホイール2を左方向に切った状態から右回りに転舵させた場合の舵角δのグラフ(図4参照)の中から、図7に○印を付して示すように、舵角δが変化しない状態から変化する状態に遷移する点、すなわちステアリングホイール2が静止した状態から転舵動作を開始した瞬間に相当する点(以下、動作開始点という。)をそれぞれ抽出する(図6のステップS21)。
この動作開始点は、静止した状態のステアリングホイール2やそれに付随するステアリングシャフト4やピニオン軸5等が、増加する操舵トルクτに耐え切れなくなって転舵動作を開始する直前の舵角δと操舵トルクτを与える点である。従って、この動作開始点を解析することにより、ユニバーサルジョイント10等を含む操舵系における静止摩擦ポテンシャルに関する情報、すなわち上記(b)の「操舵系における摩擦」の外乱要素における操舵系の静止摩擦ポテンシャルに関する情報を得ることができる。
そこで、本実施形態では、得られた各動作開始点における舵角δと操舵トルクτとを、図8に示すように、舵角−操舵トルク相関平面にプロットし(図6のステップS22)、右回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性を得る。
また、同様に、ステアリングホイール2を右方向に切った状態から左回りに転舵させた場合の舵角δのグラフ(図5参照)についても、その中から、図9に○印を付して示すように、動作開始点をそれぞれ抽出する(図6のステップS21)。そして、得られた各動作開始点における舵角δと操舵トルクτとを、図10に示すように、舵角−操舵トルク相関平面にプロットし(図6のステップS22)、左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性を得る。
次に、動摩擦ポテンシャル取得工程(図2のステップS3)では、上記のようにして得られたステアリングホイール2の舵角δの階段状のデータに基づいて、今度は舵角δが変化する状態から変化しない状態に遷移する際の舵角δとその際の操舵トルクτとの相関から操舵系における動摩擦ポテンシャル特性を取得するようになっている。具体的には、動摩擦ポテンシャル取得工程は、図11に示すフローチャートに従って処理が行われ、上記の静止摩擦ポテンシャル取得工程と類似の処理が行われる。
動摩擦ポテンシャル取得工程では、まず、ステアリングホイール2を左方向に切った状態から右回りに転舵させた場合の舵角δのグラフ(図4参照)の中から、図12に○印を付して示すように、舵角δが変化する状態から変化を停止する状態に遷移する点、すなわちステアリングホイール2が転舵している状態から転舵動作を停止した時点に相当する点(以下、動作停止点という。)をそれぞれ抽出する(図11のステップS31)。
この動作停止点は、ステアリングホイール2やそれに付随するステアリングシャフト4やピニオン軸5等が、付与される操舵トルクτに従って動作する際に動摩擦に抗しきれなくなって転舵動作を停止する直前の舵角δを与える点である。従って、この動作停止点を解析することにより、今度は、ユニバーサルジョイント10等を含む操舵系における動摩擦ポテンシャルに関する情報、すなわち上記(b)の「操舵系における摩擦」の外乱要素における操舵系の動摩擦ポテンシャルに関する情報を得ることができる。
そこで、本実施形態では、得られた各動作停止点における舵角δと操舵トルクτとを、図13に示すように、舵角−操舵トルク相関平面にプロットし(図11のステップS32)、右回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性を得る。
また、同様に、ステアリングホイール2を右方向に切った状態から左回りに転舵させた場合の舵角δのグラフ(図5参照)についても、その中から、図14に○印を付して示すように、動作停止点をそれぞれ抽出する(図11のステップS31)。そして、得られた各動作停止点における舵角δと操舵トルクτとを、図15に示すように、舵角−操舵トルク相関平面にプロットし(図11のステップS32)、左回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性を得る。
このようにして、ステアリングホイール2を左方向に切った状態から右回りに転舵させた場合に得られる階段状に増加する舵角δのグラフ(図4参照)から、右回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性(図8参照)と動摩擦ポテンシャル特性(図13参照)とを得ることができ、ステアリングホイール2を右方向に切った状態から左回りに転舵させた場合に得られる階段状に減少する舵角δのグラフ(図5参照)から、左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性(図10参照)と動摩擦ポテンシャル特性(図15参照)とを得ることができる。
以上の静止摩擦ポテンシャル取得工程(図2のステップS2)と動摩擦ポテンシャル取得工程(ステップS3)とを同一の車両に対して繰り返して行い、全試行ごとに得られた各動作開始点を同一平面上にまとめてプロットすると、図16に示すように、右回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性については、図中○印で示される各動作開始点が特性曲線Aの近傍に分布するようにプロットされる。また、左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性については、各動作開始点が特性曲線Bの近傍に分布するようにプロットされる。
また、同様にして、全試行ごとに得られた各動作停止点を同一平面上にまとめてプロットすると、図17に示すように、右回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性については、図中○印で示される各動作停止点が特性曲線Cの近傍に分布するようにプロットされる。また、左回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性については各動作停止点が特性曲線Dの近傍に分布するようにプロットされる。
続いて、補償値取得工程(図2のステップS4)では、このようにして得られた操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性(図16参照)と動摩擦ポテンシャル特性(図17参照)をそれぞれ数式的にモデル化するようになっている。
図16および図17に示したように、右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性についての各動作開始点、および右回りおよび左回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性についての各動作停止点は、各特性曲線A〜Dの近傍に分布するため、それぞれを曲線で近似して有効にモデル化することができる。
図16や図17に示した特性曲線A〜Dは、実際にはステアリングホイール2の舵角δを変数とする3次関数で操舵トルクτをそれぞれ近似した曲線であり、各図に示すように、各動作開始点や各動作停止点の各分布は3次曲線A〜Dで比較的精度良く近似される。そこで、本実施形態では、操舵系における右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性を、それぞれ3次式で近似してモデル化するようになっている。
なお、操舵系における右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性を近似する式は3次式には限定されず、特性曲線A〜Dの形状にあわせて適宜決定される。本実施形態では、図16や図17に示されるように、各動作開始点や各動作停止点の各分布が、舵角δが正の領域では下に凸、負の領域では上に凸のように分布し、全体的に単調増加の傾向にあることから、奇数次の多次式や正接関数(tangent)等で近似することが好ましい。
ここで、動作開始点について再度考察すると、図7や図9に示したように、ステアリングホイール2がある舵角δで静止している状態では、動作開始点に示される所定の操舵トルクτを付与するとステアリングホイール2が転舵を開始する。別の言い方をすれば、舵角δを有する状態で静止しているステアリングホイール2は、動作開始点に示される所定の操舵トルクτを付与しないと転舵を開始しない。
つまり、ここで言う動作開始点に示される操舵トルクτは、舵角δを有する状態で静止しているステアリングホイール2(およびそれに付随するステアリングシャフト4やピニオン軸5等)の転舵(動作)を開始させるために必要な操舵トルクτの補償値τc(すなわち操舵系における静止摩擦発生時の出力値(操舵トルクτ)に対する補償値τc)を表している。
動作停止点についても同様に考察され、動作停止点に示される操舵トルクτは、舵角δを有する状態で転舵しているステアリングホイール2(およびそれに付随して動作しているステアリングシャフト4やピニオン軸5等)の転舵(動作)を継続させるために必要な操舵トルクτの補償値τc(すなわち操舵系における動摩擦発生時の出力値(操舵トルクτ)に対する補償値τc)を表している。
従って、図16や図17に示した特性曲線A〜Dは、ステアリングホイール2の右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦発生時および動摩擦発生時の出力値(操舵トルクτ)に対する各補償値τcをそれぞれ表すものである。
補償値取得工程(図2のステップS4)では、以上のようにして、操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性(図16参照)と動摩擦ポテンシャル特性(図17参照)をそれぞれ数式的に特性曲線A〜Dで近似してモデル化し、図18に示すように、ステアリングホイール2の右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦発生時および動摩擦発生時の操舵トルクτに対する各補償値τcをそれぞれ特性曲線A〜Dの形で取得するようになっている。
なお、図18において、特性曲線A、Bは右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦発生時の各補償値τc、特性曲線C、Dは右回りおよび左回りの転舵に関する動摩擦発生時の各補償値τcをそれぞれ表す。
また、取得された補償値τcは、電動ステアリング装置1(図1参照)の電子制御装置12に保持されて、前述した舵角フィードバック制御において前記(3)式に従う操舵トルクτの算出等に用いられる。その際、特性曲線A〜Dを各特性に対応する特性マップとして3次式
τc=aδ+bδ+cδ+d …(4)
の形で保持し、舵角センサ11から送信されてくるステアリングホイール2の舵角δを各特性に適合する特性曲線の式に代入して補償値τcを算出するように構成することができる。
また、各特性に対応する特性マップとして、特性曲線A〜Dを表す各3次式に舵角δを代入して予めテーブル状の特性マップを形成して電子制御装置12に保持させておき、電子制御装置12における処理ではそのテーブル状の特性マップを参照して各特性に適合する補償値τcを用いるように構成することも可能である。
本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法における各工程の作用については、上記の説明の中で述べたので説明を省略する。また、前述した車両独自の外乱要素である(b)と(c)の各要素のうち、(b)の「操舵系における摩擦」については上記の説明の中で述べたので、以下、(c)の「車体の持ち上がり、持ち下がり」が本実施形態でどのように反映されているかについて説明する。
車体の持ち上がり(図22参照)や持ち下がり(図23参照)は、前述したように、操舵輪9の回動の中心軸となるキングピン軸20が鉛直方向に対して傾斜するように設けられているために生じる現象である。
車体の持ち上がり現象では、図22に示した操舵輪9の舵角が0°の状態(この場合ステアリングホイール2の舵角δも0°でありステアリング中立の状態)からステアリングホイール2を右回りまたは左回りに切り、操舵輪9がキングピン軸20周りに右方向または左方向に回動すると、操舵輪9と路面Gとの接地点Paは下方に移動しようとする。そのため、相対的に図示しない車体が持ち上げられる。
そして、車体の大きな重量を持ち上げることになるため、操舵輪9には逆に舵角を0°方向に戻そうとする力が加わる。また、それと同時に、ステアリングホイール2等にもステアリング中立の状態に戻そうとする力が加わる。ステアリングホイール2を右回りまたは左回りに大きく切るほど、操舵輪9はより下方に移動しようとするため、相対的に車体が大きく持ち上げられて、操舵輪9やステアリングホイール2等に加わる戻す力が大きくなる。
このように、ステアリングホイール2の舵角δの絶対値が0°から離れるほどステアリング中立の状態に戻そうとする力が大きくなるため、電動モータ6から操舵系に付与すべき操舵トルクτの補償値τcの大きさ(すなわち補償値τcの絶対値)を大きくしなければならない。
一方、車体の持ち下がり現象では、図23に示した操舵輪9の舵角が0°の状態からステアリングホイール2を右回りまたは左回りに切ると車体が下がるため、車体の持ち上がり現象の場合とは逆に、ステアリングホイール2を右回りまたは左回りに切るほど、ステアリングホイール2を同方向にさらに切るように車体から力が加わる。
そのため、この場合には、ステアリングホイール2の舵角δの絶対値が0°から離れるほどステアリングホイール2が自動的にその方向に転舵しようとするため、電動モータ6から操舵系に付与すべき操舵トルクτの補償値τcの大きさ(すなわち補償値τcの絶対値)は小さくなり、或いはステアリングホイール2の転舵と逆向きのトルクを与えなければならなくなる。
通常、車体の持ち下がり現象よりも持ち上がり現象の方が強く作用する。そのため、操舵輪9やステアリングホイール2等に加わる戻す力に対抗するように電動モータ6等の電動操舵アクチュエータから操舵系に操舵トルク(補償値τc)を加えなければならなくなるため、図18に示したように、補償値τcの舵角δに対する特性曲線A〜Dは、全体的に右肩上がりのグラフになると考えられる。
以上のように、本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法によれば、電動ステアリング装置1の電動モータ6のような操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータから一定の割合で徐々に増加し或いは減少する出力値(例えば操舵トルクτ)を操舵系に出力していくと、ステアリングホイール2や操舵輪9が静止した状態と急速に転舵する状態が繰り返し現れて、測定されるステアリングホイール2や操舵輪9の舵角がいわば階段状に変化するという知見が得られる。
そのため、階段状に変化するステアリングホイール2や操舵輪9の舵角において、舵角が変化しない状態から変化する状態に遷移する点のデータを解析することでユニバーサルジョイント10等を含む操舵系における静止摩擦に関する情報を得ることができ、また、舵角が変化する状態から変化しない状態に遷移する点のデータを解析することで操舵系における動摩擦に関する情報を得ることが可能となる。
また、実際に車両の操舵輪9をターンテーブル上に載置する等してステアリングホイール2や操舵輪9の舵角と電動操舵アクチュエータの出力値との関係を求めることで、車体の持ち上がりや持ち下がり等の車両のフロントサスペンションのジオメトリに起因する外乱要素を操舵輪舵角制御における補償値に反映させることが可能となる。
このように、本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法では、操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を補償する補償値について、操舵系における摩擦や車体の持ち上がり、持ち下がり等の外乱要素の影響が同時に取り込まれて反映された補償値を取得することが可能となるとともに、操舵系における静止摩擦発生時の補償値と動摩擦発生時の補償値とをそれぞれ分離して取得することが可能となる。
そのため、外乱要素を総合的に取り込んで、操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を的確に補償することができる補償値を取得することが可能となる。
なお、本実施形態では、ステアリングホイール2やステアリングシャフト4の軸線周りの舵角δを舵角センサ11で測定する場合について説明したが、ターンテーブルの回動角度を測定する等して操舵輪9の舵角を測定し、操舵輪9の舵角に対する補償値の特性を求めるように構成することも可能である。
また、ステアリングホイール2の舵角δや操舵輪9の舵角等に代えて、或いはそれらとあわせて車両のラック軸のラック位置等に対する補償値の特性を求めるように構成することも可能である。
[操舵輪舵角制御における補償方法]
次に、上記の操舵輪舵角制御における補償値取得方法で取得された電動操舵アクチュエータの出力値を補償する補償値に基づいて出力値を補償する操舵輪舵角制御における補償方法について説明する。
本実施形態では、前述したように、取得された補償値τcの特性マップ(図18参照)は、上記(4)式に示した3次式の形或いはテーブルの形で電動ステアリング装置1(図1参照)の電子制御装置12に保持されている。
そして、舵角センサ11で測定されたステアリングホイール2の舵角δのデータが送信されてくると、電子制御装置12は、補償値τcの特性マップを参照して補償値τcを決定し、決定した補償値τcを上記(3)式に代入して、電動操舵アクチュエータである電動モータ6から操舵系(本実施形態ではピニオン軸5)に出力する出力値である操舵トルクτを算出する。そして、本実施形態では、電子制御装置12は算出した操舵トルクτを指令電流値に変換して電動モータ6を回転駆動させる。
本実施形態では、このようにして操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータ(電動モータ6)からの操舵系(ピニオン軸5)への出力値を補償して、車線追従制御等のための操舵輪舵角制御を行うようになっている。
上記のように、本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法では、操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の出力値(操舵トルクτ)に対する補償値τcがそれぞれ右回りおよび左回りの転舵に関連づけられて得られている。そこで、本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償方法では、それらを的確に選択して、電動モータ6から操舵系に付与する操舵トルクτの補償値τcとして用いるようになっている。
本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償方法では、図19に示すフローチャートに従って処理が行われるようになっている。
電子制御装置12は、まず、舵角センサ11からステアリングホイール2の舵角δのデータを入手する(ステップS51)。この処理は所定の時間間隔Δtで行われ、電子制御装置12は入手した舵角δのデータを図示しない記憶手段に保存するようになっている。電子制御装置12は、ステアリングホイール2の舵角δのデータを入手すると、続いて、前回入手した舵角のデータδoldと今回入手した舵角のデータδnewの差分Δδ(=δnew−δold)を算出して、舵角δの時間変化Δδ/Δtを算出する(ステップS52)。
そして、電子制御装置12は、この舵角δの時間変化Δδ/Δtの値に基づいてステアリングホイール2が右回りに転舵しているか否かを判断し(ステップS53)、右回りに転舵していると判断した場合には(ステップS53;YES)、補償値τcの各特性マップ(図18参照)のうち右回りの転舵に関する動摩擦発生時用の特性マップ(特性曲線C)を参照する(図19のステップS54)。
また、電子制御装置12は、舵角δの時間変化Δδ/Δtの値に基づいてステアリングホイール2が右回りに転舵していないと判断すると(ステップS53;NO)、続いて、ステアリングホイール2が左回りに転舵しているか否かを判断する(ステップS55)。そして、左回りに転舵していると判断した場合には(ステップS55;YES)、補償値τcの各特性マップ(図18参照)のうち左回りの転舵に関する動摩擦発生時用の特性マップ(特性曲線D)を参照する(図19のステップS56)。
また、電子制御装置12は、舵角δの時間変化Δδ/Δtの値に基づいてステアリングホイール2が右回りにも左回りにも転舵していないと判断すると(ステップS55;NO)、ステアリングホイール2は転舵していないと判断する。
そして、車線追従制御等における操舵輪舵角制御を行うにあたって現時点で操舵輪9を転舵させるために必要な操舵トルクτ、すなわち上記(3)式における補償値τc以外の右辺第1項(P項)および第2項(D項)の和が正の値であれば(ステップS57;YES)、ステアリングホイール2を右回りに転舵すべき状況にあると判断されるため、電子制御装置12は、補償値τcの各特性マップ(図18参照)のうち右回りの転舵に関する静止摩擦発生時用の特性マップ(特性曲線A)を参照する(図19のステップS58)。
また、現時点で操舵輪9を転舵させるために必要な操舵トルクτ(すなわち上記(3)式のP項とD項の和)が正の値ではなく(ステップS57;NO)、負の値であれば(ステップS59;YES)、ステアリングホイール2を左回りに転舵すべき状況にあると判断されるため、電子制御装置12は、補償値τcの各特性マップ(図18参照)のうち左回りの転舵に関する静止摩擦発生時用の特性マップ(特性曲線B)を参照する(図19のステップS60)。
なお、現時点で操舵輪9を転舵させるために必要な操舵トルクτが正の値でも負の値でもない場合(すなわち0の場合。ステップS59;NO)には、ステアリングホイール2を転舵させる必要がない状況にあると判断されるため、ステップS51の処理に戻る。
電子制御装置12は、続いて、参照する特性マップに基づいて,ステップS51で入手した現在のステアリングホイール2の舵角δから補償値τcを算出し、或いはテーブル中から舵角δに対応する補償値τcを抽出して導出し(ステップS61)、導出した補償値τcを上記(3)式に代入して、電動操舵アクチュエータである電動モータ6から操舵系(本実施形態ではピニオン軸5)に出力する出力値である操舵トルクτを算出する(ステップS62)。
そして、本実施形態では、電子制御装置12は、算出した操舵トルクτを指令電流値に変換して電動モータ6に送信し、電動モータ6を回転駆動させて適切な操舵トルクτを操舵系に付与して操舵輪舵角制御を行うようになっている。
以上のように、本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償方法によれば、ステアリングホイール2の舵角δの時間変化に基づき、時間変化が0である場合には操舵系における静止摩擦発生時の補償値を用い、時間変化が0以外の値である場合には操舵系における動摩擦発生時の補償値を用いてそれぞれ電動操舵アクチュエータの出力値を補償することで、本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法により分離して取得された操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の各補償値を的確に選択して用いることが可能となる。
そのため、操舵輪舵角制御における補償値取得方法によって取得された各補償値を用いて、操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を効果的に補償することが可能となる。また、ステアリングホイール2の右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦発生時および動摩擦発生時の出力値に対する各補償値τcを的確に選択して用いることで、さらに的確に操舵輪舵角制御における電動操舵アクチュエータの出力値を補償することが可能となる。
本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法等で用いられる車両の操舵系の構成を示す図である。 本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償値取得方法の各処理工程を示すフローチャートである。 データ取得工程で行われる処理を示すフローチャートである。 ステアリングホイールを右回りに転舵させる場合に舵角が階段状に変化することを示すグラフである。 ステアリングホイールを左回りに転舵させる場合に舵角が階段状に変化することを示すグラフである。 静止摩擦ポテンシャル取得工程で行われる処理を示すフローチャートである。 図4のグラフにおける動作開始点を示すグラフである。 右回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性を示すグラフである。 図5のグラフにおける動作開始点を示すグラフである。 左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性を示すグラフである。 動摩擦ポテンシャル取得工程で行われる処理を示すフローチャートである。 図4のグラフにおける動作停止点を示すグラフである。 右回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性を示すグラフである。 図5のグラフにおける動作停止点を示すグラフである。 左回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性を示すグラフである。 右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦ポテンシャル特性および各特性曲線を表すグラフである。 右回りおよび左回りの転舵に関する動摩擦ポテンシャル特性および各特性曲線を表すグラフである。 右回りおよび左回りの転舵に関する静止摩擦発生時および動摩擦発生時の操舵トルクに対する各補償値を表す各特性曲線を示す図である。 本実施形態に係る操舵輪舵角制御における補償方法で行われる処理を示すフローチャートである。 車線追従制御を行う際に設定される目標点等を説明する図である。 舵角フィードバック制御によりステアリングホイールの舵角が(A)目標舵角に収束する場合および(B)目標舵角に対して偏差を有する値に収束する場合を示すグラフである。 車体の持ち上がり現象を説明する図である。 車体の持ち下がり現象を説明する図である。
符号の説明
1 電動ステアリング装置
2 ステアリングホイール
5 操舵系(ピニオン軸)
6 電動操舵アクチュエータ(電動モータ)
9 操舵輪
A〜D 特性マップ(特性曲線)
δ 舵角
τ 出力値(操舵トルク)
τc 補償値

Claims (7)

  1. 電動操舵アクチュエータから操舵系に出力する出力値に基づいて操舵輪舵角制御を行う車両において、前記出力値を変化させた場合に変化する当該車両のステアリングホイールまたは操舵輪の舵角のデータを取得するデータ取得工程と、
    前記舵角のデータが変化しない状態から変化する状態に遷移する際の前記舵角のデータとその際の前記出力値との相関に基づいて操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性を取得する静止摩擦ポテンシャル取得工程と、
    前記舵角のデータが変化する状態から変化しない状態に遷移する際の前記舵角のデータとその際の前記出力値との相関に基づいて操舵系における動摩擦ポテンシャル特性を取得する動摩擦ポテンシャル取得工程と、
    前記操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性をそれぞれ数式的にモデル化して、操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する各補償値をそれぞれ取得する補償値取得工程と、
    を有することを特徴とする操舵輪舵角制御における補償値取得方法。
  2. 前記データ取得工程では、前記電動操舵アクチュエータから前記操舵系に対して前記舵角が増加する方向および減少する方向にそれぞれ前記出力値を出力し、それぞれの場合について前記出力値を変化させた場合に変化する前記舵角のデータを取得し、
    前記補償値取得工程では、前記舵角が増加する方向および減少する方向についてそれぞれ前記操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する前記各補償値を取得することを特徴とする請求項1に記載の操舵輪舵角制御における補償値取得方法。
  3. 前記データ取得工程では、前記操舵輪を回動自在のターンテーブル上に載置して前記舵角のデータを取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操舵輪舵角制御における補償値取得方法。
  4. 前記データ取得工程では、前記電動操舵アクチュエータから前記操舵系に出力する前記出力値を、一定の割合で増加させまたは減少させて変化させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の操舵輪舵角制御における補償値取得方法。
  5. 前記補償値取得工程では、前記操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性をそれぞれ3次式でモデル化することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の操舵輪舵角制御における補償値取得方法。
  6. 前記補償値取得工程では、前記操舵系における静止摩擦ポテンシャル特性および動摩擦ポテンシャル特性をそれぞれ数式的にモデル化して、前記操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する前記各補償値を各特性に対応する特性マップとしてそれぞれ取得することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の操舵輪舵角制御における補償値取得方法。
  7. 車両の操舵輪舵角制御における補償方法であって、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の操舵輪舵角制御における補償値取得方法で取得された前記操舵系における静止摩擦発生時および動摩擦発生時の前記出力値に対する前記各補償値に基づいて前記出力値を補償する際に、当該車両のステアリングホイールまたは操舵輪の舵角の時間変化が0である場合には前記静止摩擦発生時の補償値を用い、前記時間変化が0以外の値である場合には前記動摩擦発生時の補償値を用いてそれぞれ補償することを特徴とする操舵輪舵角制御における補償方法。
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