実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を、例えば上から下に移動するように可変表示する。飾り図柄表示領域には「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア(図柄表示ライン)9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリア9L,9C,9Rの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L,9C,9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
特別図柄表示器8の側方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示部18cという。)が設けられている。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定)させることである。
特別図柄表示器8において、特別図柄の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。ラウンドの回数は、例えば15である。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、例えば、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときと、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で飾り図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ(LEDでもよい。)25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠ランプ(LEDでもよい。)28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および飾り図柄の可変表示は、始動入賞口への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾ランプ25や枠側に設けられている枠ランプ28等の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号にもとづいて枠ランプ28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
例えば、音番号データに応じた制御データとして、所定の期間内の効果音(音声および楽曲を含む。)のディジタルデータが音声データROM704に格納されている。ディジタルデータとして、例えばPCMデータが使用される。その場合には、1秒間の効果音が8ビット×8k(8000)=64kビットで表される。なお、ここでは、PCMデータを用いる場合を例にするが、ADPCMデータ等の他の形式のディジタル音声データを用いてもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:大当りの種類(確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3:飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(3)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS32において、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)になった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)になった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)になったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS33において、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、大当り判定テーブルと大当り種別判定テーブルとを示す説明図である。大当り判定テーブルは、ランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルは、ROM54に格納されている。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図7(A)左側)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図7(A)右側)とがある。図7の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、有効始動入賞が生じたときに、ランダムRを生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とし、特別図柄の変動を開始するときに、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
図7(B)には、大当り種別判定テーブルが示されている。大当り種別判定テーブルは、ランダム2(大当り種別判定用乱数)と比較される判定値が、大当り種別毎に設定されているテーブルである。なお、図7(B)には、判定値そのものではなく、判定値の数が記載されている。また、大当り種別判定テーブルは、ROM54に格納されている。CPU56は、有効始動入賞が生じたときに、大当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り種別判定用乱数とし、特別図柄の変動を開始するときに、大当り種別判定用乱数が大当り種別毎に対応した判定値と一致すると、その大当り種別を、大当りの種類として決定する。
図8は、この実施の形態で用いられる飾り図柄の変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
この実施の形態では、さらに、短縮表示パターンが用いられる。短縮表示パターンは、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンであり、左中右の飾り図柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。
なお、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中=通常状態)でも変動パターン1〜14の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
図9は、変動パターン決定テーブルを示す説明図である。変動パターン決定テーブルは、ランダム3(変動パターン決定用乱数)と比較される判定値が設定されているテーブルである。なお、図9には、判定値そのものではなく、判定値の数が記載されている。また、変動パターン決定テーブルは、ROM54に格納されている。CPU56は、大当りにする場合には図9(A)に示す大当り時の変動パターン決定テーブル(大当り時変動パターンテーブル)にもとづいて変動パターンを決定する。また、大当りにしない場合であって遊技状態が通常状態であるときには図9(B)に示すはずれ時(通常状態)の変動パターン決定テーブル(はずれ時(通常状態)変動パターンテーブル)にもとづいて変動パターンを決定する。大当りにしない場合であって遊技状態が確変状態または時短状態であるときには図9(C)に示すはずれ時(確変/時短状態)の変動パターン決定テーブル(はずれ(確変/時短状態)変動パターンテーブル)にもとづいて変動パターンを決定する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。この実施の形態では、XXは、0〜14のいずれかである。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りにするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて飾り図柄および飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンドおよび大当り開始指定2指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドC300(H)ははずれ指定の演出制御コマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド)であり、C301(H)は通常大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定通常大当り指定コマンド)であり、C302(H)は確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定確変大当り指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、保留記憶数の増加(1増加)を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドE100(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じた場合には保留記憶数1増加を指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、増加後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否か決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)であるか否かを確認する(ステップS211)。保留記憶数カウンタの値が上限値であれば、処理を終了する。
保留記憶数カウンタの値が上限値になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2,3:図6参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS214)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS215)。また、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)でない場合には(ステップS216)、入賞時演出設定処理を実行する(ステップS217)。
なお、この実施の形態では、高確率状態では入賞時演出設定処理を実行しないが、高確率状態でも入賞時演出設定処理を実行するようにしてもよい。ただし、高確率状態でも入賞時演出設定処理を実行する場合には、ステップS217の処理(具体的には、図13に示すステップS222の処理において実行される図14に示すステップS251〜S253の処理)で、実際に変動が開始されるときに実行されるステップS222の処理(図16に示すステップS62でコールされる。)で使用される大当り判定テーブル(通常時大当り判定テーブルまたは確変時大当り判定テーブル)と同じ大当り判定テーブルが使用されるようにするために、既に記憶されている保留記憶における乱数値も考慮して、現在判定対象になっている始動入賞にもとづく実際の変動が開始されるときの遊技状態(確変状態または通常状態)を把握した上で、通常時大当り判定テーブルまたは確変時大当り判定テーブルを選択する処理を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
図13は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理は、始動入賞について、その始動入賞にもとづく特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に、大当りが生ずるか否か判定する処理である。そして、大当りが生ずると判定された場合には、後述するように所定の演出が実行される。
入賞時演出処理において、CPU56は、まず、保留記憶数カウンタの値が1であるか否か確認する(ステップS220)。保留記憶数カウンタの値が1であれば、処理を終了する。保留記憶数カウンタの値が1であるということは、保留記憶数カウンタの値が0であるときに発生した始動入賞について入賞時演出設定処理が実行されることを意味する。その場合には、保留記憶がないことを示すデータが保留記憶数カウンタに記憶されているときに飾り図柄の変動の実行条件(始動条件すなわち始動入賞)が成立したことになるので、所定の演出が実行されることはない。所定の演出を実行したとしても、その演出と、表示結果を大当り図柄にする変動とが同時に実行されることになって、所定の演出の意味がないからである。よって、保留記憶数カウンタの値が1であれば、入賞時演出処理における以降の処理は実行されない。
保留記憶数カウンタの値が1でない場合には、CPU56は、保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)の値を読み出し(ステップS221)、図16におけるステップS62でも用いられる大当り判定モジュール、すなわち実際に変動が開始されるときにも用いられる大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS222)。そして、コマンド送信禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS223)。コマンド送信禁止フラグがセットされている場合には、処理を終了する。ただし、大当り判定フラグがセットされている場合には、大当り判定フラグをリセットしておく(ステップS224)。
コマンド送信禁止フラグがセットされていない場合には、CPU56は、大当り判定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS225)。大当り判定フラグがセットされていない場合(大当り判定モジュールにおいて、大当り判定フラグがセットされない場合)には、入賞時判定はずれ指定コマンドを演出制御基板80に送信する制御を行う(ステップS232)。
大当り判定フラグがセットされている場合には、CPU56は、ランダム2の値と、図7(B)に示す大当り種別判定テーブルに設定されている判定値とにもとづいて、大当りの種別(通常大当りまたは確変大当り)を判定する(ステップS227)。具体的には、ランダム2の値に一致する判定値に対応する大当りの種別を選択する。
確変大当りとなると判定した場合には、入賞時判定確変大当り指定コマンドを示すデータを送信する制御を行う(ステップS228,S229)。そして、ステップS231に移行する。確変大当りとならない(通常大当りになる)と判定した場合には、入賞時判定通常大当り指定コマンドを示すデータを送信する制御を行う(ステップS228,S230)。そして、ステップS231に移行する。
ステップS231では、CPU56は、コマンド送信禁止フラグをセットする。
図14は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否か判定する(ステップS251)。具体的には、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変状態であれば、確変時大当り判定テーブル(図7(A)右側)を使用することに決定する(ステップS252)。確変状態でなければ、通常時大当り判定テーブル(図7(A)左側)を使用することに決定する(ステップS253)。
そして、乱数バッファに格納されているランダムRの値に一致する判定値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS254)、一致する判定値があれば大当りとすることにし(ステップS255)、大当り判定フラグをセットする(ステップS256)。なお、この実施の形態では、ランダムRの値に一致する判定値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定するが、ランダムRの値が所定範囲内の値になっているか否か確認するようにしてもよい。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存する(ステップS54)。また、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1減らす(ステップS55)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。上記のように、大当り判定モジュールでは、ランダムRの値と、あらかじめ決められている大当り判定値(図7(A)参照)と、それらが一致したら大当りにすることに決定して、大当り判定フラグをセットする。なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定フラグがセットされた場合には(ステップS63)、CPU56は、大当り判定フラグをリセットし(ステップS70)、大当りフラグをセットする(ステップS71)。また、ランダム2の値と、図7(B)に示す大当り種別判定テーブルに設定されている判定値とにもとづいて、大当りの種別(通常大当りまたは確変大当り)を決定する(ステップS72)。具体的には、ランダム2の値に一致する判定値に対応する大当りの種別を選択する。そして、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。例えば、大当り種別が「通常」(通常大当り)の場合には大当り種別を示すデータとして「01」を設定し、大当り種別が「確変」(確変大当り)の場合には大当り種別を示すデータとして「02」を設定する。
そして、特別図柄の停止図柄を決定し(ステップS74)、決定した特別図柄の停止図柄を示すデータをRAM55の所定領域に記憶した後、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
この実施の形態では、特別図柄の停止図柄は、確変大当りにすることに決定されている場合には「7」であり、通常大当りにすることに決定されている場合には「3」である。はずれにすることに決定されている場合には「−」である。ステップS74の処理では、それらの停止図柄を示すデータがRAM55に記憶される。なお、停止図柄を、乱数を用いた抽選によって決定するようにしてもよい。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。
大当りフラグがセットされている場合には、大当り時変動パターンテーブル(図9(A)参照)から、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する(ステップS91,S92)。そして、ステップS94に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ時リーチ変動パターンテーブル(図9(B)および図9(C)参照)から、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する(ステップS93)。具体的には、確変フラグまたは時短フラグがセットされている場合には、はずれ時(確変/時短状態)変動パターンテーブル(図9(C)参照)から変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択し、確変フラグも時短フラグもセットされていない場合には、はずれ時(通常状態)変動パターンテーブル(図9(B)参照)から変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する。そして、ステップS94に移行する。
ステップS94では、CPU56は、ステップS92またはステップS93で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図16参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。また、決定した変動パターンを示すデータをRAM55に記憶する。なお、ステップS92,S93の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。また、ステップS92,S93の処理は、ステップS217の入賞時演出設定処理における判定結果に関わらず実行される。すなわち、遊技制御手段は、入賞時演出設定処理における判定結果に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。そして、特別図柄の変動を開始する(ステップS95)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図10参照)に応じた値を設定する(ステップS96)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS97)。
図18は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。大当りの種別が確変大当りでないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS110,S118)。
そして、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における表示結果特定コマンド格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りとするか否かについては特定可能である。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りがセットされていない場合には、ステップS139に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、開放回数カウンタに、大当り遊技中のラウンド数(大入賞口の開放回数)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS139では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS140)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短フラグをリセットする(ステップS141,S142)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS143)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットする(ステップS151A)。また、コマンド送信禁止フラグをリセットする(ステップS151B)。さらに、大当り種別を示すデータが通常大当りを示すデータである場合には大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータである場合には大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS152)。また、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過している場合には、大当りの種別が確変大当りであったか否か確認する(ステップS158)。
大当りの種別が確変大当りであった場合には、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS159)。また、高確率状態指定コマンドを演出制御基板80に送信する制御を行う(ステップS160)。そして、ステップS164に移行する。確変大当りでない場合には、低確率状態指定コマンドを演出制御基板80に送信する制御を行い(ステップS161)、時短フラグをセットし(ステップS162)、時短回数カウンタに例えば100をセットする(ステップS163)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS164)。
図22は、入賞時演出設定処理等の制御を説明するための説明図である。図22に示す例では、最初に始動入賞が生じたことにもとづいて演出表示装置9において飾り図柄の変動が実行されるが(A参照)、その変動の表示結果ははずれである。
また、図22には、その変動の実行中に新たな始動入賞が生じ、入賞時演出設定処理において大当り(通常大当りまたは確変大当り)またははずれと判定されたことが、「始動入賞についての「あり」、および始動入賞時大当り判定についての「大当り」と「はずれ」として示されている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、入賞判定大当り指定コマンド(入賞判定通常大当り指定コマンドまたは入賞判定確変大当り指定コマンド)が送信され(ステップS229,S230参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100が、入賞判定大当り指定コマンドの受信にもとづいて、ランプを用いて枠ランプフラッシュ点灯の制御を実行すること、および遊技制御用マイクロコンピュータ560がコマンド送信禁止フラグをセット(ON)した(ステップS231参照)ことが示されている(B参照)。
さらに、始動入賞が発生し、入賞時演出設定処理において大当り(通常大当りまたは確変大当り)と判定されたが、コマンド送信禁止フラグがセットされているので、入賞判定大当り指定コマンドを送信しなかった(ステップS223,224参照)ことが示されている(C参照)。さらに、始動入賞が発生し、入賞時演出設定処理においてはずれと判定されたが、コマンド送信禁止フラグがセットされているので、入賞判定はずれ指定コマンドを送信しなかった(ステップS223,224参照)ことが示されている(D参照)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了したときにコマンド送信禁止フラグをリセット(OFF)した(ステップS151B参照)ことが示されている(E参照)。その後、始動入賞が発生し、入賞時演出設定処理において大当り(通常大当りまたは確変大当り)と判定され、コマンド送信禁止フラグがセットされていないので、入賞判定大当り指定コマンドを送信したことが示されている(F参照)。
以上のように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定の予告演出(例えば、枠ランプフラッシュ点灯)を開始してから、大当り遊技状態が終了するまで、演出制御用マイクロコンピュータ100による所定の予告演出の実行を禁止するように構成されているので、すなわち、可変表示の表示結果を大当り図柄とする始動入賞が生じたときに所定の演出を行い、その後、大当りが発生するまで所定の演出は実行されず、大当りが、何時の始動入賞に応じたものかを遊技者が容易に把握することができる。なお、枠ランプフラッシュ点灯とは、枠ランプ28が、例えば、短い周期で連続的に点滅を繰り返すような点灯である。また、図22には、枠ランプフラッシュ点灯が開始時から所定時間が経過したら終了する場合の例が示されているが、枠ランプフラッシュ点灯を、大当りが発生するまで(例えば、大当り図柄が導出表示されるまで)継続させるようにしてもよい。
図23は、演出表示装置9、遊技状態報知用のランプ(この実施の形態では、枠ランプ25や装飾ランプ28)およびスピーカ27を用いて実行される予告演出(大当りとなること、またはリーチとなる可能性があることを報知するための演出)の例を示す説明図である。図23(A)〜(B)に例示するように、この実施の形態では、演出変表示装置9において、背景(図柄表示エリア以外の部分)に現れるキャラクタ等の表示による2種類の予告演出を行うことが可能である。図23(A)に示す予告Aおよび図23(B)に示す予告Bは、連続予告(保留予告:始動入賞発生時に実行される大当りとするか否かの抽選の結果にもとづいて、以後の複数回の特別図柄の可変表示において保留記憶数を上限として連続して実行される予告演出)以外の予告演出である。
また、図23(C)〜(F)に示すような4種類の連続予告演出を行うことが可能である。図23(C)に示す連続予告Aは、演出表示装置9において、背景に現れるキャラクタ等の表示による予告演出である。図23(D)に示す連続予告Bは、演出表示装置9およびスピーカ27を用いた予告演出である。図23(E)に示す連続予告Cは、演出表示装置9およびランプを用いた予告演出である。図23(F)に示す連続予告Dは、演出表示装置9、ランプおよびスピーカ27を用いた予告演出である。
なお、図23に示す予告演出の例は一例であって、より多くの種類の予告演出を行うようにしてもよい。例えば、連続予告BやCにおいて、音発生パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよいし、連続予告CやDにおいて、ランプの点滅パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。また、連続予告A〜Dにおいて、キャラクタの種類を異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。なお、より多くの種類の連続予告演出を行う場合でも、いずれの演出手段を用いて連続予告を行うのかと、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかとは、演出制御手段が、判定結果コマンドと始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドの受信にもとづいて独自に決定する。また、演出制御手段が独自に決定する予告演出の態様(内容)は、表示結果を大当り図柄とする飾り図柄の可変表示が開始される前に実行されるものであれば、連続予告の態様でなくてもよい。例えば、図22に例示された枠ランプフラッシュ点灯の態様を、複数種類のうちから選択するようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図29は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、枠ランプフラッシュ点灯の制御を行う枠ランプフラッシュ制御処理を実行する(ステップS707)。そして、ステップS702に移行する。
枠ランプフラッシュ制御処理では、演出制御用CPU101は、枠ランプフラッシュ制御を開始する条件が成立すると、所定期間(例えば、3秒)に亘って、枠ランプ28を短周期で点滅させる制御を行う。そして、所定時間が経過すると、枠ランプ28の点灯状態を元の状態(例えば、飾り図柄の変動時の演出態様に応じた状態)に戻す。
図25および図26は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、RAMにおける保留記憶領域の保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)を更新(+1)する(ステップS632)。また、演出表示装置9において例えば表示色が変化する保留記憶表示部18cの数を更新(+1)する(ステップS633)。さらに、乱数カウンタの値を+1する(ステップS634)。乱数カウンタとは、連続予告を実行するか否か決定するための乱数を生成するためのカウンタである。なお、この実施の形態では、乱数カウンタのカウント値は0〜126の範囲の値をとり、カウント値が127になったら、その値を0に戻す。なお、乱数カウンタは、ステップS702の乱数更新処理でも更新される。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定はずれ指定の演出制御コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS636)、乱数カウンタのカウント値を読み出すことによって乱数を抽出し(ステップS637)、連続予告の判定を行う(ステップS638)。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定通常大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS641)、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS642)、乱数を抽出し(ステップS643)、連続予告の判定を行う(ステップS644)。また、枠フラッシュフラグをセットする(ステップS645)。なお、枠フラッシュフラグがセットされると、枠ランプフラッシュ制御の開始条件が成立し、枠ランプフラッシュ制御処理(ステップS707)で、枠ランプフラッシュ点灯の制御が開始される。
さらに、受信した演出制御コマンドが入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS646)、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS647)、乱数を抽出し(ステップS648)、連続予告の判定を行う(ステップS649)。また、枠フラッシュフラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定の演出制御コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、RAMにおける保留記憶数カウンタの値を更新(−1)する(ステップS652)。また、演出表示装置9において例えば表示色が変化する保留記憶表示部18cの数を更新(−1)する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
次に、連続予告の判定について説明する。図27および図28は、始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。(A)は、入賞時判定はずれ指定の演出制御コマンドを受信した場合の保留記憶数と連続予告の実行回数の関係を示し、(B)は、入賞時判定通常大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合の保留記憶数と連続予告の実行回数の関係を示す。そして、(C)は、入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合の保留記憶数と連続予告の実行回数の関係を示す。
図27および図28に示すように、この実施の形態では、入賞時判定はずれ指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が29または124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告を実行可能であり、入賞時判定通常大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が7〜27または105〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。そして、入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が3〜17、38〜67または85〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。
また、入賞時判定通常大当り指定および入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合には、演出表示装置9、スピーカ27およびランプを用いた連続予告(連続予告D)が実行可能になる。
図29は、ステップS638,S644,S649で実行される連続予告の判定処理例を示すフローチャートである。連続予告の判定処理において、演出制御用CPU101は、まず、連続予告を実行中であるか否か判定する(ステップS661)。実行中であるか否かは、実行中にセットされている内部フラグである連続予告実行中フラグによって判定できる。連続予告の実行中でなければ、連続予告判定テーブルを選択する(ステップS662)。連続予告判定テーブルとは、図27および図28に示された情報が設定されているテーブルであり、入賞時判定はずれ指定の演出制御コマンドを受信した場合には図27(A)に示す情報に対応したテーブルが選択され、入賞時判定通常大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合には図27(B)に示す情報に対応したテーブルが選択され、入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドを受信した場合には図28(C)に示す情報に対応したテーブルが選択される。
ステップS662では、具体的には、遊技状態が高確率状態(確変状態)であれば(ステップS662A)、図27および図28に示された情報が設定されているテーブルの右側部分を選択し(ステップS662B)、遊技状態が高確率状態(確変状態)でなければ、テーブル全体を選択する。テーブルの右側部分を選択するとは、図27(A)に示す例では、乱数値が29のときにのみ連続予告を可能にすることであり、テーブル全体を選択するとは、乱数値が29または124のときに連続予告を可能にすることである。図27(B)に示す例では、テーブルの右側部分を選択するとは、乱数値が7〜17または105〜115のいずれかのときに連続予告を可能にすることであり、テーブル全体を選択するとは、乱数値が7〜17、18〜27、105〜115または116〜126のときに連続予告を可能にすることである。すなわち、特別遊技状態としての高確率状態(確変状態)では、非特別遊技状態として低確率状態(通常状態)に比べて、所定の演出としての連続予告の演出が選択される割合が低くなっている。このような制御は、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くする場合や、特別遊技状態として特別図柄の変動時間を短縮する時短状態を採用している遊技機において効果的である。特別遊技状態において所定の演出としての連続予告の演出の出現割合を低くしておけば、変動時間が短い変動パターンによる演出が所定の演出によって煩わされることが防止されるからである。
そして、演出制御用CPU101は、抽出されている乱数の値と同じ連続予告判定値が連続予告判定テーブルに設定されているか否か確認し(ステップS663)、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブルから対応する連続予告の種類と実行回数とを抽出する。実行回数が0でなければ(ステップS664)、連続予告の種類をRAMにおける予告種類バッファに格納するとともに、実行回数をRAMにおける実行回数バッファに格納し(ステップS665)、連続予告抽選済フラグセットする(ステップS666)。
以上の処理によって、乱数カウンタは、保留記憶数指定、入賞時判定はずれ指定、入賞時判定通常大当り指定、入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドを受信する度に歩進し、入賞時判定はずれ指定、入賞時判定通常大当り指定、入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドを受信すると連続予告を行うか否かの抽選が実行される。そして、連続予告を行うことに決定された場合には、連続予告の種類が決定されるとともに、そのときの保留記憶数に応じてあらかじめ決められた実行回数が決定される。そして、いずれの演出手段を用いて連続予告を行うのかと、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかとは、演出制御手段が、判定結果コマンドと保留記憶数指定の演出制御コマンドの受信にもとづいて独自に決定することになる。
また、例えば、連続予告BやCにおいて、音発生パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現したり、連続予告CやDにおいて、ランプの点滅パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現したり、連続予告A〜Dにおいて、キャラクタの種類を異ならせることによって、より多くの種類の連続予告演出を行う場合でも、図27および図28に示された情報にもとづく連続予告判定テーブルにおいて、多数の演出態様の振り分けを設定しておけば、いずれの演出手段を用いて連続予告を行うのかと、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかとを、演出制御手段が、判定結果コマンドと保留記憶数指定の演出制御コマンドの受信にもとづいて独自に決定することができる。
後述するように、演出制御用CPU101は、0回でない実行回数が決定された後、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を行う場合には、実行回数分の飾り図柄の変動期間において予告演出(連続予告)の制御を行う。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が0である場合の決定結果も連続予告判定テーブルに設定されているが、保留記憶数指定の演出制御コマンドを判定結果コマンドよりも先に受信でき、かつ、保留記憶数が0である場合には連続予告を行わないので、連続予告判定テーブルに保留記憶数が0である場合のデータは設定されていなくてもよい。設定されていなくても、演出制御手段は、受信した始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドにもとづいて、保留記憶数が0である場合には連続予告を行わないと判断することができる。
図30は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信している場合には、そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
予告選択処理(ステップS801):予告演出(連続予告ではない予告演出)を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS806):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS807)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了している場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS807):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図31は、図30に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図32は、図30に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、連続予告を実行中であるか否か確認する(ステップS911)。実行中でなければ、連続予告抽選済フラグがセットされているか否か確認する(ステップS912)。連続予告抽選済フラグがセットされていれば、すなわち、連続予告を行うことに決定されていれば、連続予告抽選済フラグをリセットし(ステップS913)、実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定する(ステップS914)。そして、連続予告実行中フラグをセットする(ステップS915)。
また、決定した予告演出に対応した予告開始時間決定タイマをスタートする(ステップS916)。そして、演出制御プロセスフラグを全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS917)。予告開始時間決定タイマは、演出表示装置9において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始するタイミングを決定するためのタイマである。
ステップS911において連続予告実行中であると確認したら、演出制御用CPU101は、実行回数カウンタを−1し(ステップS921)、実行回数カウンタが0でなければステップS916に移行する(ステップS922)。実行回数カウンタが0になった場合には、決定された実行回数分の連続予告が既に完了していることになる。その場合には、ステップS925に移行する。
ステップS912において、連続予告抽選済フラグがセットされていないことを確認した場合には、予告Aまたは予告Bによる予告演出を行う。あるいは、予告演出を行わないことにする。具体的には、予告乱数カウンタから乱数値を抽出し(ステップS925)、乱数値にもとづいて予告する/しないと、予告するならば予告Aと予告Bのうちのいずれの態様で予告演出を行うのかを決定する(ステップS926)。例えば、予告しない/予告A/予告Bのそれぞれに対応した判定値が設定されているテーブルをROMに用意しておき、乱数値と判定値とを比較することによって、予告する/しないと、予告するならば予告Aと予告Bのうちのいずれの態様で予告演出を行うのかを決定する。予告Aまたは予告Bの予告演出を行うことに決定した場合には(ステップS927)、ステップS916に移行する。
図33は、図30に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS820)。そして、演出制御用CPU101は、停止図柄の組み合わせを決定する(ステップS821)。例えば、はずれを示す表示結果1指定コマンドを受信している場合には、左右の飾り図柄が一致しない左中右の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、変動パターンコマンドとしてリーチ態様を含む変動パターンを示すコマンドを受信している場合には、左右の飾り図柄が一致し中図柄が不一致の左中右の飾り図柄の組み合わせを決定する。また、確変大当りを示す表示結果3指定コマンドを受信している場合には、「7」「7」「7」の左中右の飾り図柄の組み合わせを決定する。通常大当りを示す表示結果2指定コマンドを受信している場合には、「7」「7」「7」以外の左中右図柄が揃った左中右の飾り図柄の組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU101は、使用するプロセスデータを選択する(ステップS822)。そして、プロセスデータ1中のプロセスタイマをスタートさせる(ステップS823)。また、演出制御実行データ1における表示制御実行データ1にもとづいて演出表示装置9の表示制御を行う(ステップS824)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる演出表示装置9に与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従って表示制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ制御を行う(ステップS825)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS826)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS827)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS828)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS829)。
図34は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体の点滅を制御する。
図34に示すプロセステーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンおよび各予告演出を含む演出制御パターンに応じて用意されている。
図35は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図35に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やランプ等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の演出が実現される。なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。
図36は、演出制御プロセス処理に飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告開始時間決定用タイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ、)予告開始時間決定用タイマの値を−1する(ステップS830)。そして、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS831)。タイムアウトしていたら、実行することに決定されている予告演出が連続予告BまたはDであるか否か確認する(ステップS832)。連続予告BまたはDを実行する場合には、連続予告BまたはDに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS833)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS845)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS846)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS847)。
変動時間タイマがタイムアウトしている場合(変動開始から変動終了までの期間が経過した場合)には(ステップS848)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS849)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図37は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS880)。停止図柄表示フラグがセットされている場合には、ステップS887に移行する。この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS885で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS881〜S886の飾り図柄の停止図柄を表示する処理等を実行することなく、ステップS887に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS882)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS882の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS883)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS884)。
ステップS882の処理で大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS885)、連続予告の実行回数を示す実行回数カウンタの値をクリアしておくとともに、連続予告実行中フラグをリセットする(ステップS886)。この結果、連続予告の実行回数分の連続予告が完了していなくても、この時点で、連続予告の制御は終了する。そして、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS887)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS888)、ファンファーレ演出に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS889)。また、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS890)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS891)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1およびランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS892)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS893)。
図38は、演出制御基板80から音声出力基板70に出力される音番号データの一例を示す説明図である。図38に示すように、音番号データには、特別図柄の変動パターンに応じた音番号データ、大当り遊技中における音番号データ、および連続予告B,Dに応じた音番号データが含まれる。
以上に説明したように、演出制御手段としての演出制御手段は、遊技制御手段が始動入賞時に判定した結果(始動入賞時に抽出した乱数の値にもとづいて大当りが発生するか否かとリーチするか否か)にもとづいて、連続予告(保留予告)を実行するか否かを決定し、実行する場合には実行回数を決定する。また、連続予告の実行中では、予告Aおよび予告Bの態様での予告演出は行われない(ステップS811からS821に移行するので)。また、大当りが発生した場合には、実行回数分の連続予告が完了していなくても連続予告は終了する(ステップS886参照)。
例えば、演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われている場合に、保留記憶数が「4」であることを示す演出制御コマンドと、入賞時判定大当り指定の演出制御コマンドとを受信した場合を想定する。そして、連続予告を行うか否かの判定において、連続予告することに決定され、実行回数が4であったとする。また、保留記憶が1,2,3に対応する判定結果は大当りでなかったとする。その場合、現在行われている飾り図柄の変動が終了した後、第4回目の飾り図柄の変動の結果大当りが発生する。また、現在行われている飾り図柄の変動が終了した後、第1回目〜第4回目の飾り図柄の変動が行われているときに連続予告演出が実行される。そして、第4回目の飾り図柄の変動の結果大当りが発生する。すなわち、第4回目の飾り図柄の変動の結果大当りが発生することを、それ以前の回の図柄の変動中において、遊技者に所定の報知(すなわち予告演出)することができる。
なお、例えば、保留記憶数が「4」であることを示す演出制御コマンドと、入賞時判定大当り指定の演出制御コマンドとを受信した場合に、連続予告を行うか否かの判定において連続予告することに決定され、実行回数が4であり、保留記憶が3に対応する判定結果は大当りであったときには、2回の連続予告が実行された後に大当りが発生するので、その時点で、連続予告は終了する。
図27および図28に例示されたように、始動入賞が発生したときに大当りとなると決定された場合には、大当りとならない場合に比べて、高い確率で連続予告が行われることが決定され、かつ、実行回数も多い。従って、連続予告の信頼度(連続予告が実行された場合に、実際に大当りが発生する割合)は高く、遊技者は、連続予告の発生によって大当りの発生を強く期待することができる。さらに、通常大当りとなる場合に比べて、確変大当りとなる場合には、より高い確率で連続予告が行われることが決定される。従って、確変大当りとなる場合には、連続予告が実行される確率も高くなり、遊技者にとってより信頼性の高い連続予告が実現される。すなわち、演出制御手段は、将来、大当りや確変大当りが出現することを示唆するような保留記憶数にもとづく演出を行うことができる。
そして、演出制御手段は、判定結果コマンドおよび保留記憶数を指定する演出制御コマンドにもとづいて、独自に、連続予告を実行するか否かと実行回数を決定する。その際、いずれの演出手段(演出表示装置9、ランプ、スピーカ27)を用いるのかも独自に決定する。さらに、いずれの演出態様で連続予告を行うのかも独自に決定する。なお、演出用の可動部材が設けられている場合には、演出制御手段は、予告演出を実行する際に可動部材を用いるのか否かも独自に決定する。
図39は、連続予告に関わる遊技制御手段および演出制御手段の制御、演出制御コマンドの送信タイミングおよび演出手段(演出表示装置9、ランプ、スピーカ27)の動作の関係の一例を示すタイミング図である。遊技制御手段は、始動入賞の発生を検出すると、入賞時演出設定処理において、その始動入賞にもとづく抽選結果(その始動入賞にもとづいて将来実行される特別図柄および飾り図柄の変動の結果、大当りとなるか否か)を判定する。なお、図39において、「始動入賞」の右に示されている数字は、その時点における保留記憶数の例を示す。判定結果にもとづく判定結果コマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンドまたは入賞時判定確変大当り指定コマンド)が演出制御基板80の演出制御手段に送信される。なお、判定結果コマンドの送信前に、保留記憶指定の演出制御コマンドが送信される。そして、特別図柄および飾り図柄の可変表示の開始条件が成立すると、遊技制御手段から演出制御手段に、飾り図柄の変動開始を示す変動パターン指定の演出制御コマンドが送信される。
演出制御手段は、保留記憶指定の演出制御コマンドを受信すると、自身が管理している保留記憶数を更新するとともに、連続予告の判定を行う(図29参照)。そして、変動パターン指定の演出制御コマンドを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の変動が開始されるように制御し、連続予告の判定の結果、連続予告を行うことに決定されている場合には、演出手段(演出表示装置9、ランプ、スピーカ27)の一部または全部を用いて連続予告演出が実行されるように制御する。なお、図39には、前回の変動中に3回の連続予告の判定がなされ、3回目の判定において連続予告を行うと判定され、遊技制御手段から図柄確定指定コマンドを受信したこと(図39において図示せず)にもとづいて前回の変動が終了した後、今回の変動(開始時が「変動開始」として示されている変動)から予告演出が開始されたことが例示されている。
以上に説明したように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定の予告演出を開始してから、大当り遊技状態が終了するまで、演出制御用マイクロコンピュータ100による所定の予告演出の実行を禁止するように構成されているので、すなわち、可変表示の表示結果を大当り図柄とする始動入賞が生じたときに所定の演出を行い、その後、大当りが発生するまで所定の演出は実行されず、大当りが、何時の始動入賞に応じたものかを遊技者が容易に把握することができる。
なお、上記の実施の形態では、判定結果コマンドの入賞時判定大当り指定コマンドとして、入賞時判定通常大当り指定コマンドと入賞時判定確変大当り指定コマンドとが用いられていたが、通常大当り/確変大当りに関わらず、1つの入賞時判定大当り指定コマンドを用いるようにしてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときの大当りの判定において通常大当り/確変大当りのいずれと判定したかに関わらず、大当りになると判定した場合には、1種類の入賞時判定大当り指定コマンドを送信する。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド禁止フラグがセットされていても、始動入賞時に抽出されたランダムR(大当り判定用乱数)の値が大当り判定値に一致するか否かの判定を実行する(開始条件成立前判定処理に相当する大当り判定モジュールを実行する)が、判定結果コマンドを送信しないように制御したが(図13におけるステップS222,S223参照)、すなわち、開始条件成立前演出禁止手段は、開始条件成立前判定処理の実行を許容するが、判定結果コマンド送信手段によるコマンドの送信を禁止することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100による所定の予告演出の実行を禁止するようにしたが、ステップS222の処理を実行する前にコマンド禁止フラグがセットされているか否か確認し、コマンド禁止フラグがセットされていたらステップS222の処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、開始条件成立前演出禁止手段は、開始条件成立前判定処理の実行を禁止することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100による所定の予告演出の実行を禁止するようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、常に、開始条件成立前判定処理と、開始条件成立前判定処理の判定結果にもとづくコマンドの送信を行うことが可能であるように構成され、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図22に示された枠ランプフラッシュ点灯の開始時期(図22におけるB参照)に禁止フラグがセットし、大当り遊技中の演出が終了したときに禁止フラグをリセットするようにしてもよい。そのように構成した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、禁止フラグがセットされているときに受信した判定結果コマンドを無視する。
また、上記の実施の形態では、所定の演出によって、通常大当りであるか確変大当りであるか否かに関わらず大当りが発生することのみを予告報知する。表示結果が確変大当り図柄(大当り遊技が終了した後、大当りが連続して発生する可能性が極めて高い遊技状態に相当する確変状態になることに対応する図柄)になることを予告報知することを目的として所定の演出を実行する場合には、過度に射幸的になるおそれがあるが、上記の実施の形態では、そのようなおそれは生じない。
また、表示結果を大当りにする図柄の変動が開始される時点よりも前に、表示結果が大当りになることを検出したときに表示結果が大当りになることを予告報知する場合に、表示結果を大当りにする図柄の変動が実際に開始される前に実行される図柄の変動時間(変動開始から表示結果が導出表示されるまでの時間)を、表示結果が大当りになることを検出しない場合に対して変更してしまうように構成された遊技機があった。例えば、表示結果が大当りになることを検出した場合には、表示結果を大当りにする図柄の変動が実際に開始される前に、比較的変動時間が長い変動パターン(長い時間のリーチ演出を伴う変動パターン等)を高い割合で選択する遊技機があった。そのような遊技機では、変動時間を長引かせるので、結果として、保留記憶数が消化(減少)されるまでの時間(消化時間)を長くなって、遊技者に不利益を与えるおそれがある。しかし、上記の実施の形態では、図13に示された入賞時演出設定処理における判定結果(ステップS225,S229,S230,S232参照)に関わらず、一の変動パターン決定テーブル(図9参照)を用いて変動パターン(変動時間)を決定するので(図17におけるステップS91〜S93参照)、遊技者に不利益を与えるおそれはない。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、判定結果コマンドと保留記憶数指定コマンドとを別個に送信するように構成されているが、判定結果コマンドと保留記憶数指定コマンドとを1つのコマンドにまとめてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を特定可能であるとともに開始条件成立前判定手段の判定結果を特定可能な一のコマンド(判定結果/保留記憶指定コマンド:ただし、はずれの場合、通常大当りの場合、確変大当りの場合のそれぞれに対応する3種類がある)を送信するようにしてもよい。図10に示された例について説明すると、C300(H)、C301(H)、C302(H)、E000(H)の使用に代えて、例えば、MODEデータをE3(H)とし、EXTデータの8ビットにおける上位4ビットに開始条件成立前判定手段の判定結果を示すデータを設定し、下位4ビットに保留記憶数の値または保留記憶数が増加した旨を示すデータを設定したコマンドを判定結果/保留記憶指定コマンドを使用する。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド禁止フラグがセットされているときには、入賞時演出設定処理における判定結果に関わらず、はずれ指定のデータが設定された判定結果/保留記憶指定コマンドを送信する。
また、上記の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、判定結果コマンドを受信したら、保留記憶数が1増えたとみなす。また、その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド禁止フラグがセットされているときには、入賞時判定はずれ指定コマンドを送信する。また、コマンド禁止フラグがセットされたときに、所定の演出の実行を禁止することを示すコマンドを送信してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづく図柄の変動の表示結果が大当り図柄になるか否か判定したが、図柄の可変表示を開始するときに、保留記憶が0でなければ、全ても保留記憶を対象として、保留記憶中の大当り判定用乱数について大当り判定値と一致するか否か判定し、一致するものがあれば、入賞時判定大当り指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞にもとづく図柄の変動の表示結果が大当り図柄になるか否か判定したが、判定内容を大当り以外にしてもよい。例えば、「はずれ」であるかそれ以外かを判定したり、確変大当りであるかそれ以外かを判定したり、通常大当りであるかそれ以外かを判定したり、大当りのラウンド数が複数種類(例えば、15ラウンドと2ラウンド)ある場合に特定のラウンド数になるかそれ以外のラウンド数になるかを判定したり、小当り遊技(大入賞口は開放するが、高確率状態/低確率状態の遷移には関わらない)を実行可能な遊技機において小当りになるかそれ以外かを判定したり、高ベース(時短あり)大当りがある場合に高ベース大当りになるかそれ以外かを判定したり、低ベース(時短なし)大当りがある場合に低ベース大当りになるかそれ以外かを判定したり、特定の変動の種類(例えば、特テーのリーチ態様の変動)になるかそれ以外かを判定したり、低ベース大当りから高ベース大当りに昇格する演出(遊技者に対して変化したように見せる演出)を実行可能な遊技機において昇格演出を実行することになるかそれ以外かを判定したり、大当り遊技中または大当り遊技終了後に昇格演出(低ベース大当りから高ベース大当りへの昇格、通常大当りから確変大当りへの昇格、相対的に少ないラウンドの大当りから多いラウンドの大当りへの昇格等)を実行可能な遊技機において昇格演出を実行することになるかそれ以外かを判定したりしてもよい。
また、上記の各判定のみを実行するようにしてもよいし、上記の各判定のうちの任意の複数を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、1つの特別図柄表示器8が設けられている構成を例示したが、各々が特別図柄を可変表示する2つの特別図柄表示器(A,B)が設けられた遊技機にも本発明を適用できる。その場合、各々の特別図柄表示器(A,B)に対応した始動口が2個(A、B)設けられ、さらに保留記憶も各々4個合計8個設けられる。そして、特別図柄表示器Aに対応する始動口Aへの入賞の入賞時判定にて大当り判定がなされた場合には、両方の始動口に対して入賞時判定のコマンド送信禁止処理を実行することが望ましい。そのように制御することによって、各々別個に禁止の判定をすると所定の予告が重複してしまう(連チャンする旨の予告が実行されてしまう)ことを防止する。この効果は、2つの特別図柄表示器が同時に変動可能なものでも、交互(始動入賞順)に変動するものでも得られる。
また、2つの特別図柄表示器(A,B)を設け、さらに特別図柄表示器B側の変動が優先的に先に実行されるようなものの場合には、優先される側である特別図柄表示器Bに対応する始動入賞時のみについて入賞時判定を実行することが望ましい。非優先側である特別図柄表示器Aに対応する始動入賞について入賞時判定を実行すると、仮に特別図柄表示器Aについて大当りの保留記憶が記憶され、その後に特別図柄表示器Bについての始動入賞が連続(保留記憶が0にならない)すると、予告を実行しても大当りがなかなか発生しないという状況になってしまい興趣が低下するおそれがある。
また、入賞時の判定処理において高確率状態中と低確率状態中とで共通の大当り判定値についてのみ大当りと判定したコマンドを送信するようにしてよい。そのように構成した場合には、入賞時判定を行う際に、その入賞による変動開始時の遊技状態が高確率状態となるか低確率状態となるかを判定しなくてもよくなる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。