JP5143482B2 - 車両買取システム - Google Patents

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Description

本発明は、業務の内容をインターネット通信回線網を利用して行う車両買取システムに関する。
従来より、顧客が売却したい自動車(車両)を買取店が中古車として買い取るときには、車両情報を取得し、その車両情報に基づいて買取価格を算出する作業、いわゆる査定という作業が必要となる。すなわち車両の持ち込まれた買取店の担当者がその車両を観察してその担当者の知識に基づく独自の判断によって買取価格の算定に必要な車両情報(年式、色、傷の有無や程度など)を取得し、取得した車両情報やその車両情報に基づいて算出した買取価格を顧客に提示して買取交渉を行うということが行われている。
しかし、この車両買取システムによると、買取店が車両情報を取得して買取価格を算出するのに必要な知識を持った担当者を確保しておくことが不可欠であり、また、そのような担当者を確保できたとしても、担当者個人の知識の程度や経験などによって買取価格に変動が生じ、買取価格に大きなばらつきを生じるおそれがある。
そこで、車両を売却したいユーザ(顧客)が、インターネット通信回線網を利用して買取店のサーバに直接にアクセスした後、サーバに蓄積されている中古車買取査定のためのデータベースを利用して自己の車両の買取店による買取価格情報を閲覧し、その買取価格情報に基づいて売買契約を行う、という車両買取システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、ユーザが中古品を引き取ってもらうときに下取りに出すべきか買取に出すべきかの指標を提示することに役立つ中古品見積システムについての提案もなされている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2004−62770号公報 特開2004−126672公報
上掲の特許文献1や同文献2によって提案されているものはいずれもインターネット通信回線網を利用してユーザが端末器を使用してサーバにアクセスし、そのサーバに蓄積されているデータベースとしての情報を利用するというものであるに過ぎない。
また、特許文献1によって提案されている車両買取システムを利用したとしても、実際に車両を売却するときには、顧客所有車両が持ち込まれた買取店の担当者がその車両を査定して買取価格を算出する必要があるので、冒頭に記載したような問題点、すなわち、買取店が車両情報を取得するのに必要な知識を持った担当者を確保しておくことが不可欠であり、また、そのような担当者を確保できたとしても、担当者個人の知識の程度や経験などによって買取価格に変動が生じ、買取価格に大きなばらつきを生じるおそれがある、という問題がある。
また、顧客が売却したい車両を買取店が中古車として買い取るときには、その場で現金を渡す場合があるため、数十万から数百万の資金(多額の場合は振り込みの場合もあるが、いずれにせよ2,3日以内には必要)を買取店内に用意しておく必要があり、多額の現金を用意し、管理するリスクがあった。
本発明は、以上の状況や問題に鑑みてなされたものであって、車両情報から買取価格を算出するのに必要な知識を持った担当者を確保しておくことを必要とせず、しかも、買取店が車両を買い取るために必要な準備資金を用意しておく必要のない車両買取システムを提供することを目的とする。
本発明に係る車両買取システムでは、
事業者としての本部と中古車両の買取窓口としての複数の買取店とが車両買取グループを構成していると共に、本部が取り扱うコンピュータ端末器である本部端末器と買取店が取り扱うコンピュータ端末器である買取店端末器とを備えて、それら双方のコンピュータ端末器同士がインターネット通信回線網によって接続されている車両買取システムにおいて、
本部が作成した、車両情報を得る際の指標としての機能を有する車両情報基準を、本部端末器が買取店端末器インターネット通信回線網を介して提供すること、
顧客によって査定依頼された車両から上記車両情報基準に基づいて取得した車両情報を買取店端末器にデータベースとして蓄積、その車両情報を買取店端末器が、本部端末器にインターネット通信回線網を介して通知すること、
本部端末器に通知された上記車両情報に基づいて本部が当該車両の値付を行い、その値付値に基づいて決定された買取価格を、本部端末器がインターネット通信回線網を介して買取店端末器に指値指示すること、
本部端末器から買取店端末器に指値指示された買取価格を基にして買取店が見積書を作成し、見積額を顧客に提示して買取交渉を行、上記買取交渉に伴う契約が肯定的に成立した段階で、買取店が、車両の買取りと受入れ、買取店端末器への成約情報の登録、及び、顧客への成約の通知、を行、上記買取交渉に伴う契約が肯定的に成立した段階で、成約情報を買取店端末器が、インターネット通信回線網を介して本部端末器に通知すること、
買取店端末器への成約情報の上記登録後に、買取店端末器が、インターネット通信回線網を介して本部端末器に、顧客への代金支払い依頼を行うこと、
上記代金支払い依頼に基づき、買取店に代わって、本部が直接顧客に代金を立替え払いするか、又は、本部から代金の支払い代行を依頼された支払い代行業者が顧客に代金を立替え払いを行い、本部又は支払い代行業者が、買取店に立替え払いした代金を請求、この代金の請求を受けた段階で、買取店端末器が、インターネット通信回線網を介して本部端末器に対して、買取りと受入れを行った車両の買取依頼を行うこと、
買取店端末器が、本部端末器に対して車両の買取依頼をして売却するときの本部に対する請求代金を、本部又は支払い代行業者が買取店に代わって立替え払いした代金によって相殺すること、
を行う。この発明において、上記見積額は、買取価格に一致する額であっても、買取店の利益率を買取価格に加算又は減算した額であってもよい。
この発明によると、買取店の担当者は、買取価格の算定に必要な車両情報を取得するだけで済み、取得した車両情報から買取価格を算出するのは本部の役割になる。このため、買取店の担当者は、車両情報から買取価格を算出するための知識や経験も必要としなくなり、買取店にとって担当者を確保しやすくなるという利点がある。また、買取店と顧客との契約が肯定的に成立した場合、車両の買取り受入れを行うこととなるが、立替払いで決済とし、数日内に顧客指定口座への支払いとすれば、買取店は本部に代金支払い依頼を行うだけで済み、買取代金を実際に支払う必要がないので、買取店にとっては車両を買い取るための準備資金を用意しておく必要がない。そのために、上記した車両買取グループに新規に加入する買取窓口としての買取店の数を増やしやすくなり、車両を売却したい顧客の要望にも対処しやすくなる。
以上説明した本発明によると、買取店にとっては、車両情報から買取価格を算出するのに必要な知識を持った担当者を確保しておくことが不要になるだけでなく、顧客の車両の買い取りを立替払いで決済とし、数日内に顧客指定口座への支払いとすれば、車両を買い取るために必要な準備資金を用意しておく必要がなくなるという効果が奏される。また、立替え払いされた代金は最終的には本部、又は支払い代行業者から買取店に請求されることとなるが、立替金と本部に買取依頼をして売却したときの代金請求権を相殺すれば、買取店にとっては、小額の準備資金を用意しておくだけで良いという利点がある。そのため、車両買取グループを構成する場合に、買取店の新規参入が促進されて幅広い車両買取サービスを顧客に提供することができるようになる。
図1は車両買取グループFの説明図である。同図のように、この発明に係る車両買取システムの実施形態では、事業者としての本部Mと中古車両の買取窓口としての複数の買取店A…とが車両買取グループFを構成していて、この車両買取グループFに属する本部Mとそれぞれの買取店Aとはインターネット通信回線網(以下「ネット」と略称する)で結合されている。そして、以下に説明する本部Mと買取店Aとの間での指示、通知、依頼などの業務の内容は、本部Mが取り扱うコンピュータ端末器と買取店Aが取り扱うコンピュータ端末器との相互間でインターネット通信回線網を使って、その都度、即時的に行われるものとする。
本部Mには買取店Aから通知されてくる情報を処理するマネジメント部門や値付を行うプライシング部門、その他の小売部門や事務処理を行う書類事務管理部門などが置かれ、それぞれの部門で役割分担して業務を遂行することができるようになっている。買取店Aは、たとえば本部Mによる募集に応募することによって車両買取グループFに参入した店舗などが含まれている。買取店Aは、車両情報の取得や買取価格の見積書作成、成約登録、本部受注登録といった雑業務を行うけれども、買取価格の算定や顧客への代金の支払いなどは行わず、それらは本部Mの業務に属している。
図2は本部M及び買取店Aの役割分担と買取業務の流れの骨子を示したフロー図であり、同図を参照して買取業務の流れを時系列に沿って以下に説明する。
本部Mが車両買取グループFを立ち上げるに際して、本部Mは車両情報基準を作成し、作成した車両情報基準を買取店Aに提供しておく(車両情報基準提供ステップS1)。車両情報基準は車両情報を得る際の指標としての機能を有している。この車両情報基準は、複数の買取店Aのそれぞれが属している地域の立地性などを勘案して作成されていてもよい。また、それぞれの買取店Aにあらかじめ提供される車両情報基準の内容は同一であっても異なっていてもよい。
顧客Uには、自己が所有する車両を売却することを希望している者、車両買取グループFに属していない中古車下取り業者その他の車両を売却することを希望している者が含まれる。
顧客Uが車両売却の意思を持って所有車両の査定依頼を行う。この査定依頼は口頭、電話、インターネット通信回線網(以下「ネット」という略称する)のフォームへの必要事項の入力を通じて行う。車両査定依頼先は買取店Aである(査定依頼ステップS2)。
査定依頼を受けた買取店の担当者は、車両の査定を開始して、顧客Uが買取店Aに持ち込んだ車両の車両情報を取得するか、あるいは、顧客Uの車両の保管場所まで出向くことにより車両情報を取得する(車両情報取得ステップS3,S4)。この車両情報の取得は、本部Mから買取店Aにあらかじめ提供されている上記車両情報基準に基づいて行われる。車両情報基準の内容には、たとえば、車両についての年式、型式、走行距離、ボディ色、傷の有無や傷付き場所といった買取価格の算定に必要な事項が含まれている。買取店Aは、取得した車両情報をコンピュータに登録してデータベースとして蓄積する(車両情報登録ステップS5)ことと併せて、取得した車両情報を本部Mへ通知する(車両情報通知ステップS6)。
買取店Aから本部Mに通知されたその車両情報は本部Mで処理され、本部が、その車両の値付を行う(値付ステップS7)。値付は、買取店Aから本部Mに通知されたその車両情報に基づいて行われ、その値付値に基づく買取価格を決定(価格決定ステップS8)した後、その買取価格が買取店Aに指値で指示される(買取価格指示ステップS9)。
買取店Aは、本部Mから指示された買取価格を基にして見積書を作成し、併せて顧客データをコンピュータに登録してデータベース化する(見積ステップS10)。見積書に表示される見積額は本部Mから指示された買取価格を基にして買取店Aが決定する。たとえば、買取店Aは、本部Mが指値で指示した買取価格に買取店Aの利益率を加算または減算した額を見積額として見積書に表示する。
買取店Aの担当者は、上記見積書を顧客に提示して買取交渉(商談)を行う(契約ステップS11)。この時の買取交渉が否定的に終了した場合は、その買取交渉は終了する。これに対し、買取交渉により売買契約が肯定的に成立したときには、その段階で、買取店Aは車両を買い取り受入れる。買い取りの決済方法は立替払いで決済とし、数日内に顧客指定口座への支払いとする。買取店Aが成約情報をコンピュータに登録し(成約情報登録ステップS12)、併せて、買取店Aが顧客との関係で契約書を作成して顧客に成約を通知する(契約書作成ステップS13)と共に、成約情報を本部Mに通知する(成約情報通知ステップS14)。
買取店Aは成約情報をコンピュータに登録した後、本部Mに対して顧客への代金支払い依頼を行う(代金支払い依頼ステップS15)。本部Mは、買取店Aからの代金支払い依頼に基づき、直接本部Mが顧客に対して代金を支払うか、又は直接本部Mが顧客に対して代金を支払わない場合には、支払い代行業者に顧客への代金の支払いを依頼する(代金支払い依頼ステップS16)。
買取店Aは成約情報をコンピュータに登録した後、本部Mに対して顧客から買い取り受け入れた車両の買い取りの依頼を行う( 買取依頼ステップS17) 。本部Mは、買取店Aからの買取依頼に基づき車両を買取る(車両買取ステップS18)。
以上説明した車両買取システムにおいて、買取店Aは、過去に取得した車両情報と、本部Mから買取店Aに通知された過去の値付情報と、過去の成約情報と、その時々の市場価格を登録し、それらの登録された情報をデータベースとして保存することが望ましく、そのようにしておくと、買取実績が増えるにつれて車両情報の精度が高まって客観的な買取価格が算出されやすくなる。
上記した代金支払い依頼ステップS15を行うことによって、本部M、又は支払い代行業者が顧客に代金を立替え払いすることになる。立替え払いされた代金は最終的には本部M、又は支払い代行業者から買取店Aに請求されることとなるが、立替金と本部Mに買取依頼をして売却したときの代金請求権を相殺すれば、買取店Aにとっては、小額の準備資金を用意しておくだけで良いという利点がある。
図3は、買取店A、本部M、支払い代行業者F、顧客Uの4者間での買取に伴う資金の流れを示したフロー図である。同図のように、顧客Uと買取店Aとの間で車両の売買契約が締結されると、買取店Aは本部Mに代金の支払いを依頼し、その依頼に従って、本部Mが直接に顧客Uに代金を立替え払いを行うか、又は本部Mが直接に顧客Uに代金を立替え払いを行わない場合には、本部Mが支払い代行業者Fに支払い代行依頼を行う。そして、本部M、又は支払い代行業者Fは、顧客Uに代金を立替え払いすることと併せて、買取店Aに立替金を請求する。本部Mは立替金が請求された後に、本部M、又は支払い代行業者Fに立替え金を返済するが、立替金と本部Mに買取依頼をして売却したときの代金請求権を相殺することができる。
車両買取グループの説明図である。 本部及び買取店の役割分担と買取業務の流れなどを示したフロー図である。 買取に伴う資金の流れを示したフロー図である。
M 本部
A 買取店
F 車両買取グループ
S4 車両情報取得ステップ
S6 車両情報通知ステップ
S7 値付ステップ
S9 買取価格指示ステップ
S11 契約ステップ
S15 受入れ通知ステップ
S16 代金支払い依頼ステップ
S17 代金支払い依頼ステップ

Claims (1)

  1. 事業者としての本部と中古車両の買取窓口としての複数の買取店とが車両買取グループを構成していると共に、本部が取り扱うコンピュータ端末器である本部端末器と買取店が取り扱うコンピュータ端末器である買取店端末器とを備えて、それら双方のコンピュータ端末器同士がインターネット通信回線網によって接続されている車両買取システムにおいて、
    本部が作成した、車両情報を得る際の指標としての機能を有する車両情報基準を、本部端末器が買取店端末器インターネット通信回線網を介して提供すること、
    顧客によって査定依頼された車両から上記車両情報基準に基づいて取得した車両情報を買取店端末器にデータベースとして蓄積、その車両情報を買取店端末器が、本部端末器にインターネット通信回線網を介して通知すること、
    本部端末器に通知された上記車両情報に基づいて本部が当該車両の値付を行い、その値付値に基づいて決定された買取価格を、本部端末器がインターネット通信回線網を介して買取店端末器に指値指示すること、
    本部端末器から買取店端末器に指値指示された買取価格を基にして買取店が見積書を作成し、見積額を顧客に提示して買取交渉を行、上記買取交渉に伴う契約が肯定的に成立した段階で、買取店が、車両の買取りと受入れ、買取店端末器への成約情報の登録、及び、顧客への成約の通知、を行、上記買取交渉に伴う契約が肯定的に成立した段階で、成約情報を買取店端末器が、インターネット通信回線網を介して本部端末器に通知すること、
    買取店端末器への成約情報の上記登録後に、買取店端末器が、インターネット通信回線網を介して本部端末器に、顧客への代金支払い依頼を行うこと、
    上記代金支払い依頼に基づき、買取店に代わって、本部が直接顧客に代金を立替え払いするか、又は、本部から代金の支払い代行を依頼された支払い代行業者が顧客に代金を立替え払いを行い、本部又は支払い代行業者が、買取店に立替え払いした代金を請求、この代金の請求を受けた段階で、買取店端末器が、インターネット通信回線網を介して本部端末器に対して、買取りと受入れを行った車両の買取依頼を行うこと、
    買取店端末器が、本部端末器に対して車両の買取依頼をして売却するときの本部に対する請求代金を、本部又は支払い代行業者が買取店に代わって立替え払いした代金によって相殺すること、
    を行うことを特徴とする車両買取システム。
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