JP5142188B2 - 超音波による劣化損傷評価システム、超音波による劣化損傷評価装置、および、超音波による劣化損傷評価方法、超音波による劣化損傷評価プログラム - Google Patents

超音波による劣化損傷評価システム、超音波による劣化損傷評価装置、および、超音波による劣化損傷評価方法、超音波による劣化損傷評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、超音波により被検査材料の劣化や損傷を評価する劣化損傷評価システム、劣化損傷評価装置、劣化損傷評価方法および超音波による劣化損傷評価プログラムに関し、特に、被検査材料の底面で反射した超音波の強さ(エコー高さ)に基づいて被検査材料の劣化や損傷を評価する劣化損傷評価システム、劣化損傷評価装置、劣化損傷評価方法および超音波による劣化損傷評価プログラムに関する。
超音波による被検査材料の劣化や損傷の検出する方法としては、従来、音速測定と、エコー高さ測定が知られている。
前記音速測定は、材料の厚さ方向に超音波を伝搬させて、底面からのエコーを調べてその時間を測定して、厚さから音速を測定する。そして、経年変化に応じて、同様にして音速を測定し、音速の変化を調べることで、劣化や損傷を検出する。
前記エコー高さ測定は、材料に探触子を接触させて超音波を伝搬させ、材料の底面エコーの第1回目と第2回目を測定してその比を求める。両者の比は使用する探触子の周波数に依存し、経年変化に伴って変化していく。また、検査する周波数を変える場合には、探触子を替えて測定する。なお、エコーのスペクトルを調べるものもあるが、超音波の送信周波数は一定で行っている。
このほかにも、超音波を使用して探傷する技術として、下記の特許文献1〜3記載の技術が従来公知である。
特許文献1(特開平8−122308号公報)には、周波数が5MHzの探触子を使用し、周波数変調を1MHz〜9MHzとして、探触子のインパルス応答を測定し、インパルス応答から振幅スペクトル(周波数対振幅特性)を測定することで、探傷を行う技術が記載されている。このとき、探触子の振幅スペクトルに基づいて生じる波形劣化を補う補正分を、送信するチャープ波に付加した送信波形を生成することで、受信信号における探触子によるスペクトルの狭化を補い、スペクトルの広帯域化を計っている。
特許文献2(特開平6−281630号公報)には、検査体に超音波を伝搬させる際に、送信用の振動子と受信用の振動子とに分け、両者が同じ共振周波数(5MHz)を有し、発振器により5MHzの信号出力が送信用の振動子に供給され、受信用の振動子で受信することで探傷を行っている。
特許文献3(特開2006−308566号公報)には、アレイ型の超音波センサから発信した超音波の欠陥によるエコーにより検査対象の内部を探傷した探傷画像を取得し、探傷画像の領域が重なり合うように超音波センサを走査して、探傷画像を重ねる(加算または平均化する)ことで、高分解能な探傷画像を得る技術が記載されている。
特開平8−122308号公報 特開平6−281630号公報 特開2006−308566号公報
(従来技術の問題点)
前記音速測定では、時間計測をするための検査体の両面は、完璧な平滑平行でなければならないので、現実的には実施困難であるという問題がある。
前記エコー高さ測定では、第1回と第2回の底面エコーの検知を行い、第1回目と第2回目のエコーの比を算出することで、劣化等の判別を行うため、第1回目と第2回目の底面エコーの検知は欠かせない。このとき、減衰の大きい材料や、面に凹凸のあるものでは第2回以降のエコーが検出できない場合も多々ある。したがって、音速測定および底面エコー高さ測定では、劣化損傷は推定したとしても精度良く評価することが困難である。
また、エコーのスペクトル分析を扱う場合、扱う波形の切り方等でパターンが変わってしまうこと、および、送信周波数が固定のため、広範囲な周波数帯域が得られないので、損傷評価の精度が悪いという問題がある。
本発明は、被検査材料の劣化損傷を精度良く評価することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の超音波による劣化損傷評価システムは、
被検査材料に音響接続された超音波探触子と、
前記超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信する超音波送信手段と、
記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる前記超音波送信手段と、
所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出手段と、
前記エコー高さ検出手段で検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分手段と、
前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波による劣化損傷評価システムにおいて、
前記超音波探触子の受信信号を、前記送信周波数を包括する所定の周波数帯域の信号に限定する帯域フィルタと、
前記帯域フィルタを通過した超音波のエコー高さを検出する前記エコー高さ検出手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の超音波による劣化損傷評価システムにおいて、
前記被検査材料に劣化、損傷がない健全部の前記エコー高さ積分値と、前記被検査材料が劣化、損傷した劣化損傷部の前記エコー高さ積分値と、に基づいて予め導出された前記エコー高さ積分値の変化を特定する積分値変化曲線を記憶する積分値変化曲線記憶手段と、
前記被検査材料で測定されたエコー高さ積分値と、前記積分値変化曲線とに基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する前記劣化損傷評価手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4記載の発明の超音波による劣化損傷評価装置は、
被検査材料に音響接続された超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信する超音波送信手段と、
記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる前記超音波送信手段と、
所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出手段と、
前記エコー高さ検出手段で検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分手段と、
前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項5記載の発明の超音波による劣化損傷評価方法は、
被検査材料に音響接続された超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信すると共に、前記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる超音波送信工程と、
所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出工程と、
前記エコー高さ検出工程において検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分工程と、
前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価工程と、
を実行することを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項6記載の発明の超音波による劣化損傷評価プログラムは、
コンピュータを、
被検査材料に音響接続された超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信すると共に、前記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる超音波送信手段、
所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出手段、
前記エコー高さ検出工程において検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分手段、
前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価手段、
として機能させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明の劣化損傷評価システムによれば、所定の刻みごとの送信周波数に対応したエコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を使用するため、所定の刻みごとの多数の周波数成分が含まれるため、評価する際の誤差が小さくなり、劣化損傷評価の精度を高めることができる。また、各周波数成分におけるエコー高さから評価ができ、エコー高さの比を測定する必要がないため、従来技術のように2回底面エコーを測定する必要が無く、測定を簡易に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、帯域フィルタにより、ノイズを除去でき、各周波数成分におけるエコー高さを精度良く測定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、積分値変化曲線が予め導出されているので、エコー高さ積分値と積分値変化曲線とに基づいて、評価を行うことができる。
請求項4に記載の発明の劣化損傷評価装置によれば、所定の刻みごとの送信周波数に対応したエコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を使用するため、所定の刻みごとの多数の周波数成分が含まれるため、評価する際の誤差が小さくなり、劣化損傷評価の精度を高めることができる。また、各周波数成分におけるエコー高さから評価ができ、エコー高さの比を測定する必要がないため、従来技術のように2回底面エコーを測定する必要が無く、測定を簡易に行うことができる。
請求項5に記載の発明の劣化損傷評価方法によれば、所定の刻みごとの送信周波数に対応したエコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を使用するため、所定の刻みごとの多数の周波数成分が含まれるため、評価する際の誤差が小さくなり、劣化損傷評価の精度を高めることができる。また、各周波数成分におけるエコー高さから評価ができ、エコー高さの比を測定する必要がないため、従来技術のように2回底面エコーを測定する必要が無く、測定を簡易に行うことができる。
請求項6に記載の発明の劣化損傷評価プログラムによれば、所定の刻みごとの送信周波数に対応したエコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を使用するため、所定の刻みごとの多数の周波数成分が含まれるため、評価する際の誤差が小さくなり、劣化損傷評価の精度を高めることができる。また、各周波数成分におけるエコー高さから評価ができ、エコー高さの比を測定する必要がないため、従来技術のように2回底面エコーを測定する必要が無く、測定を簡易に行うことができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の超音波による劣化損傷評価システムの説明図である。
図1において、本発明の実施例1の超音波による劣化損傷評価システムS0は、劣化損傷評価装置の一例としての情報処理装置PCを有する。実施例1の情報処理装置PCは、いわゆるノート型のパーソナルコンピュータにより構成されている。前記情報処理装置PCは、本体H1と、ディスプレイ(情報表示部)H2と、入力装置の一例としてのキーボードH3およびマウスH4を有する。
前記情報処理装置PCは、信号線1を介して、探触子2に接続されている。前記探触子2は、吸音材3と、吸音材3の先端部に配置された第1の電極4と、前記第1の電極4の先端側に配置されたエレメント5と、前記エレメント5の先端側に配置された第2の電極6とを有する。前記第1の電極4および第2の電極6との間には、前記信号線1を通じてエレメント5を励振して、被検査材料の検査を行うための超音波を発振するための電気信号が供給可能に構成されており、前記電極4、6およびエレメントにより、実施例1の振動子(4〜6)が構成されている。なお、前記振動子4〜6には、図示しない信号線が接続されており、被検査材料から反射した超音波(エコー)を計測可能に構成されている。また、前記電極6の表面は、保護用のコーティングが施されている。なお、このような垂直探傷型の超音波探触子2は、例えば、前記特許文献1〜3に記載されているように従来公知であり、種々のものを採用可能である。
前記探触子2は、コンクリート材11の表面に保護用に貼付された被検査材料の一例としてのFRPライニング12表面に接触した状態で配置される。この状態では、前記探触子2とFRPライニング12とは音響接続される。なお、図1に示す一具体例としてのFRPライニングには、経年劣化による劣化損傷部12aが発生しており、その他の部分は劣化が無い健全部12bとなっている。なお、実施例1では、前記FRPライニング12は、界面12cを有する二層のFRP(繊維強化プラスチック、Fiber Reinforced Plastics)で構成されている。
(制御部の説明)
図2は本発明の実施例1の劣化損傷評価システムの制御部のブロック線図である。
図2において、前記情報処理装置PCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行う入出力インタフェース、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置(CPU)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
(前記情報処理装置PCに接続された信号入力要素)
前記情報処理装置PCの本体H1は、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、その他の信号入力要素からの信号が入力され、探触子2で検出されたエコーの検出信号が帯域フィルタ16を介して入力されている。
キーボードH3やマウスH4等の入力装置は、ユーザの入力に応じた信号を本体H1に出力している。
前記探触子2は、被検査材料から反射したエコーを検出して、その検出信号を出力している。
(情報処理装置PCの本体H1に接続された制御要素)
前記本体H1には、探触子2や帯域フィルタ16、ディスプレイH2、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記探触子2は、情報処理装置PCからの制御信号に応じて、振動子(4〜6)を励振して、検査用の超音波を発振する。
前記帯域フィルタ16は、前記情報処理装置PCからの制御信号に応じて、探触子2の受信信号を限定する周波数帯域を制御する。
ディスプレイH2は、情報処理装置PCからの画像情報を表示する。
(情報処理装置PCの機能)
前記情報処理装置PCの本体H1に組み込まれた劣化損傷評価プログラムAP1は、入力装置H3,H4からの入力信号に応じた処理を実行して、各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。
前記劣化損傷評価プログラムAP1は次の機能手段(プログラムモジュール)を有している。
図3は実施例1の探触子を励振するために入力される電気信号の一例としての矩形パルスの説明図である。
C1:超音波送信手段
超音波送信手段C1は、測定周波数範囲記憶手段C1aと、送信周波数制御手段C1bとを有し、前記探触子2へ制御信号を送信して、探触子2を励振して、被検査材料であるFRPライニング12を検査するための超音波を発振(送信)させる。実施例1の超音波送信手段C1は、探触子2への制御信号を制御することにより、発振させる超音波の周波数である送信周波数finを変化させる。図3において、実施例1の超音波送信手段C1により前記探触子2へ入力される制御信号は、矩形パルスが使用され、周期T=1/finの矩形パルス、すなわち、幅がT/2の矩形パルスが入力される。
C1a:測定周波数範囲記憶手段
測定周波数範囲記憶手段C1aは、発振させる超音波の周波数である送信周波数finを変化させる範囲である測定周波数範囲を記憶する。前記測定周波数範囲は、底面エコーが得られる最適の周波数を下限値fLとし、fLの数倍の周波数を上限値fHとすることができ、実施例1の測定周波数範囲記憶手段C1aでは、測定周波数範囲として、下限値fL=3[MHz]と上限値fH=8[MHz]を記憶する。
C1b:送信周波数制御手段
送信周波数制御手段C1bは、探触子2から発振させる超音波の送信周波数finを、前記測定周波数範囲fL〜fHの間で制御する。実施例1の送信周波数制御手段C1bは、fL〜fHの間で、1MHz刻みで送信周波数finを変化させる。
図4は実施例1の帯域フィルタの説明図である。
C2:フィルタ帯域制御手段
フィルタ帯域制御手段C2は、前記帯域フィルタ16へ制御信号を送信して、帯域フィルタ16を通過させる周波数帯域を制御する。図4において、実施例1では、前記帯域フィルタ16として、特定の周波数帯域の信号のみを透過させ、それ以外の周波数帯域の信号は減衰させるフィルタ、いわゆるバンドパスフィルタを使用している。そして、周波数帯域の下限BLはBL=fin/2に設定され、周波数帯域の上限BHはBH=fH+Cbに設定されている。ここで、定数Cbは、送信周波数finが上限値fHであってもエコーが測定可能とするために適切な定数である。したがって、実施例1のフィルタ帯域制御手段C2は、検査が行われる送信周波数finに応じて、周波数帯域BL〜BHが変化するように前記帯域フィルタ16へ制御信号を送信している。なお、周波数帯域が変化する帯域フィルタに限定されず、周波数帯域が固定の帯域フィルタを使用することもできる。この場合には、ノイズを除去するために送信周波数finの近傍の周波数帯域のみ通過させれば良く、下限BLは送信周波数finより小さく、上限BHは送信周波数finよりも高く設定すれば良く、例えば、下限BL=fL/2、上限BH=fH+Cbとする固定の帯域フィルタを使用することもできる。
図5は実施例1のエコー高さの説明図であり、エコー高さの典型的な一例の説明図である。
C3:エコー高さ検出手段
エコー高さ検出手段C3は、前記探触子2で検出し、帯域フィルタ16を通過した特定の周波数のエコーの高さを検出する。図5において、実施例1のエコー高さ検出手段C3は、検出された超音波の波形の中で、底面エコーの振幅の高さを前記エコー高さA(fin)として検出する。
C4:検出エコー高さ記憶手段
検出エコー高さ記憶手段C4は、エコー高さ検出手段C3で検出されたエコー高さA(fin)を、送信周波数finに対応づけて記憶する。
図6は実施例1のエコー高さ積分の説明図であり、健全部のエコー高さ積分の説明図である。
図7は実施例1のエコー高さ積分の説明図であり、劣化損傷部のエコー高さ積分の説明図である。
C5:エコー高さ積分手段
エコー高さ積分手段C5は、前記検出エコー高さ記憶手段C4に記憶されたエコー高さに基づいて、測定周波数範囲fL〜fHで積分したエコー高さ積分値を算出する。実施例1のエコー高さ積分手段C5は、エコー高さA(fin)に対して、以下の式(1)に基づいて、エコー高さ積分値Sを算出する。
S=C∫A(fin)・dfin …式(1)
なお、ここでCは任意の定数である。したがって、図6、図7において、前記式(1)で導出されるのは、図6、図7の網掛けで示した領域の面積に対応する。
C6:劣化損傷評価手段
劣化損傷評価手段C6は、積分値変化曲線記憶手段C6aと、劣化閾値記憶手段C6bを有し、前記エコー高さ積分値Sに基づいて、FRPライニング12の劣化、損傷を評価する。実施例1の劣化損傷評価手段C6は、エコー高さ積分値Sと、予め測定されて積分値変化曲線記憶手段C6aに記憶された積分値変化曲線D=f(S)とに基づいて、FRPライニング12の劣化損傷量Dを算出し、劣化損傷量Dが劣化閾値D1以上であるか否かを判別することで評価を行う。
図8は実施例1の積分値変化曲線の説明図である。
C6a:積分値変化曲線記憶手段
積分値変化曲線記憶手段C6aは、健全部12bのエコー高さ積分値Sと、劣化損傷部12aのエコー高さ積分値Sとに基づいて予め導出された前記エコー高さ積分値Sの変化を特定する積分値変化曲線D=f(S)を記憶する。図8において、前記積分値変化曲線D=f(S)は、実験等により測定された実験結果に基づいて、予め測定され、記憶されている。
C6b:劣化閾値記憶手段
劣化閾値記憶手段C6bは、被検査対象のFRPライニング12の劣化を、検査者に告知して、補修や交換を促すか否かを判別するための劣化閾値D1を記憶する。前記劣化閾値D1は、被検査材料12の安全性や使用状況に応じて、任意の数値に設定可能である。
(実施例1のフローチャートの説明)
(劣化損傷評価処理の説明)
図9は本発明の実施例1の劣化損傷評価システムにおける劣化損傷評価処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記情報処理装置PCの本体H1のROMに記憶された劣化損傷評価プログラムAP1に従って行われる。また、この処理は情報処理装置PCの他の各種処理と並行して実行される。
図9に示す劣化損傷評価処理は劣化損傷評価プログラムAP1の起動により開始される。
図9のST1において、情報処理装置PCの入力装置3、4による入力により、探触子2による被検査材料12の検査開始の入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、超音波の送信周波数finを測定周波数範囲fL〜fHの下限値fLに設定する。そして、ST3に進む。
ST3において、振動子(4〜6)を振動させて、超音波を被検査材料12内に伝搬させ、底面からの反射波である底面エコーを測定する。そして、ST4に進む。
ST4において、底面エコーの最大振幅をエコー高さの測定値A(fin)として検出する。そして、ST5に進む。
ST5において、送信周波数finは、測定周波数範囲fL〜fHの上限値fHであるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST6に進み、イエス(Y)の場合はST7に進む。
ST6において、送信周波数finを、現在の周波数から上限値fH側に変化させる。すなわち、実施例1では、送信周波数finを1MHz高くする。そして、ST3に進む。
ST7において、前記式(1)に基づいて、エコー高さ積分値S=C∫A(fin)dfinを導出する。実施例1では、S=C・{A(fL)+・・・+A(fH)}で近似して、エコー高さ積分値Sを導出する。そして、ST8に進む。
ST8において、エコー高さ積分値Sと、積分値変化曲線D=f(S)から、劣化損傷量Dを演算する。そして、ST9に進む。
ST9において、劣化損傷量Dと劣化閾値D1とに基づいて、被検査材料であるFRPライニング12の劣化の評価を行う。そして、ST10に進む。
ST10において、劣化損傷量Dと、劣化の評価結果を、ディスプレイH2に表示する。そして、ST1に戻る。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の劣化損傷評価システムS0では、探触子2から発振された超音波が被検査材料12中を伝搬して、底面で反射した底面エコーのエコー高さを測定する。そして、発振される超音波の発信周波数finを測定周波数範囲fL〜fHの間で変化させて、そのときのエコー高さをそれぞれ測定する。このとき、超音波が被検査材料12中で減衰したり吸収され、送信周波数finが高くなればなるほど減衰等されやすくなって、エコー高さが小さくなる。また、超音波が、経時劣化により材質が変化したり、クリープが発生した劣化損傷部12aを通過すると、健全部12bとは減衰率が異なるため、エコー高さが変化する。
測定されたエコー高さは、測定周波数範囲fL〜fHで積分されて、エコー高さ積分値Sが算出される。算出されたエコー高さ積分値Sは、予め算出されている積分値変化曲線D=f(S)に基づいて、劣化損傷量Dが導出される。そして、導出された劣化損傷量Dと、劣化閾値D1とを比較することで、被検査材料12の劣化損傷量Dが、補修や交換が必要な状態か否かが判別される。
(実験)
図10は、実施例1の実験例の実験結果の説明図であり、図10Aは実験例1の実験結果のグラフ、図10Bは実験例2の実験結果のグラフ、図10Cは実験例3の実験結果のグラフ、図10Dは実験例4の実験結果のグラフ、図10Eは実験例5の実験結果のグラフ、図10Fは実験例6の実験結果のグラフである。
次に、被検査試料としてのFRPライニング12の損傷検出を目的とする実験を行った。実験は、実施例1の構成を使用して行った。このとき、探触子2は、ジャパンプローブ(株)製5C6N(周波数5MHz、振動子径6mm)を使用し、探触子2は、200gの重りで一定加重をかけて被検査材料12に押し当てた。
なお、実験では、FRPライニング12の一部を硫酸に浸漬して劣化損傷部12aを形成し、浸漬されていない非浸漬部により構成された健全部12bと、を有する被検査材料を使用した。そして、各被検査材料において、劣化損傷部12aと健全部12bとを複数箇所で測定して、その平均値をグラフにプロットした。
(実験例1)
実験例1では、試料として、マトリクス(母材)にエポキシ樹脂を使用し、構成がチョップドストランドマット(短いガラス繊維を無方向に分散させて作成したマット)と、サーフェサー(表面を保護するためのマット)と、の二層構造のFRPライニングを使用した。ライニング厚さは1560μmで、硫酸への浸漬時間が80℃で220時間とした。このときの、FRPライニング12内部への硫黄の浸入深さ、すなわち、劣化損傷量Dが、940μmであった。実験結果を図10Aに示す。
(実験例2)
実験例2では、試料として、実験例1のマットを使用せずにサーフェサーのみを使用した構造のものを使用した。ライニング厚さは980μmで、硫酸への浸漬時間が80℃で400時間とした。このときの、FRPライニング12内部への硫黄の浸入深さ、すなわち、劣化損傷量Dが、720μmであった。実験結果を図10Bに示す。
(実験例3)
実験例3では、実験例1と同様の構成の試料を使用した。ライニング厚さは1670μmで、硫酸への浸漬時間が80℃で400時間とした。このときの、FRPライニング12内部への硫黄の浸入深さ、すなわち、劣化損傷量Dが、750μmであった。実験結果を図10Cに示す。
(実験例4)
実験例4では、実験例1と同様の構成の試料を使用した。ライニング厚さは1680μmで、硫酸への浸漬時間が80℃で930時間とした。このときの、FRPライニング12内部への硫黄の浸入深さ、すなわち、劣化損傷量Dが、1660μmであった。実験結果を図10Dに示す。
(実験例5)
実験例5では、実験例1と同様の構成の試料を使用した。ライニング厚さは2200μmで、硫酸への浸漬時間が80℃で2000時間とした。このときの、FRPライニング12内部への硫黄の浸入深さ、すなわち、劣化損傷量Dが、2200μmであった。実験結果を図10Eに示す。
(実験例6)
実験例6では、実験例2と同様の構成の試料を使用した。ライニング厚さは1260μmで、硫酸への浸漬時間が80℃で930時間とした。このときの、FRPライニング12内部への硫黄の浸入深さ、すなわち、劣化損傷量Dが、1130μmであった。実験結果を図10Fに示す。
図11は、実験例1〜6のデータを整理したグラフであり、横軸に浸入深さをとり縦軸にエコー高さ積分値を取ったグラフである。
図10、図11において、前記実験例1〜6から、健全部12bに対して、劣化損傷部12aのエコー高さが小さくなり、面積であるエコー高さ積分値Sは結果として大きくなることが確認された。すなわち、硫黄の浸入によりFRPが劣化した部分におけるエコー高さが、硫黄の浸入がなく劣化していない部分に比べて、低くなっている。このとき、各周波数成分におけるエコー高さの差やスペクトルに基づいて判別しようとすると、実験誤差や不純物、試料の個体差等により判別が困難な場合もある。しかし、エコー高さ積分値Sを使用することで、ばらつきが小さくなり、確実且つ精度良く健全部12bと劣化損傷部12aとの判別が可能となる。
また、図11において、エコー高さ積分値Sと劣化損傷量(浸入深さ)Dとの関係である積分値変化曲線S=f-1(D)(D=f(S)の逆関数)に示すように、浸入深さDとエコー高さ積分値Sとの間には、一定の相関関係が見られる。したがって、予め測定しておいた積分値変化曲線S=f-1(D)と、被検査材料12から測定されたエコー高さ積分値Sとから、被検査材料12の劣化損傷量Dが測定できる。
したがって、実施例1の劣化損傷評価システムS0では、底面エコーの高さを計測して、エコー高さの周波数で積分したエコー高さ積分値Sを計算することで、劣化損傷量Dを計測でき、劣化閾値D1と比較することで、評価を行うことができ、被検査材料12の安全性に寄与できる。また、実施例1では、底面エコーの比を使用するのではなく、底面エコーの周波数依存特性のみが観測できれば良く、底面エコーの測定は一度で済ませることができる。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、測定周波数範囲や周波数帯域、FRPライニングの材料や厚さ、層構造等の具体的な数値や材質等は、例示したものに限定されず、対象とする被検査材料の材質、形状等に応じて、適宜変更可能である。
(H02)前記実施例において、帯域フィルタは、設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H03)前記実施例において、積分値変化曲線Dと劣化閾値D1とを使用して、エコー高さ積分値Sに基づいて、評価を行ったが、評価方法はこの方法に限定されず、任意の方法とすることが可能である。例えば、閾値以上であるか否かのみを知りたい場合には、劣化閾値D1に対応するエコー高さ積分値Sの閾値S1を予め導出し、この閾値S1のみを記憶しておくことで、測定されたエコー高さ積分値Sと、閾値S1とを比較することで評価することも可能である。すなわち、積分値変化曲線Dと劣化閾値D1と記憶せずに評価することも可能である。
(H04)前記実施例において、FRPを硫酸に浸漬した場合を例示したが、これに限定されず、FRP以外の樹脂や金属の被検査材料や、被検査材料が使用される環境(温度、湿度や腐食性のガスや液体、紫外線に曝される)における劣化損傷の評価にも適用可能である。
図12は本発明の実施例1の変更例の説明図である。
(H05)前記実施例において、エコー高さ積分値Sを算出する際に、0[dB]を基準として積分をしたが、これに限定されず、図12に示すように、健全部12bのエコー高さA(fin)と、劣化損傷部12aのエコー高さA(fin)′との差の領域Sdの面積を積分で算出して、評価に使用することも可能である。すなわち、基準を、健全部12bで観測される曲線とすることが可能である。
本発明の実施例1の超音波による劣化損傷評価システムの説明図である。 本発明の実施例1の劣化損傷評価システムの制御部のブロック線図である。 実施例1の探触子を励振するために入力される電気信号の一例としての矩形パルスの説明図である。 実施例1の帯域フィルタの説明図である。 実施例1のエコー高さの説明図であり、エコー高さの典型的な一例の説明図である。 実施例1のエコー高さ積分の説明図であり、健全部のエコー高さ積分の説明図である。 実施例1のエコー高さ積分の説明図であり、劣化損傷部のエコー高さ積分の説明図である。 実施例1の積分値変化曲線の説明図である。 本発明の実施例1の劣化損傷評価システムにおける劣化損傷評価処理のフローチャートである。 実施例1の実験例の実験結果の説明図であり、図10Aは実験例1の実験結果のグラフ、図10Bは実験例2の実験結果のグラフ、図10Cは実験例3の実験結果のグラフ、図10Dは実験例4の実験結果のグラフ、図10Eは実験例5の実験結果のグラフ、図10Fは実験例6の実験結果のグラフである。 実験例1〜6のデータを整理したグラフであり、横軸に浸入深さをとり縦軸にエコー高さ積分値を取ったグラフである。 本発明の実施例1の変更例の説明図である。
符号の説明
1…信号線
2…探触子
3…吸音材
4…第1の電極
4〜6…振動子
5…エレメント
6…第2の電極
11…コンクリート材
12b…健全部
12a…劣化損傷部
12c…界面
12…被検査材料
16…帯域フィルタ
AP1…劣化損傷評価プログラム
BH…上限
BL…下限
BL〜BH…周波数帯域
C1…超音波送信手段
C1a…測定周波数範囲記憶手段
C1b…送信周波数制御手段
C2…フィルタ帯域制御手段
C3…エコー高さ検出手段
C4…検出エコー高さ記憶手段
C5…エコー高さ積分手段
C6…劣化損傷評価手段
C6a…積分値変化曲線記憶手段
C6b…劣化閾値記憶手段
Cb…定数
D…積分値変化曲線
D…劣化損傷量
D1…劣化閾値
fH…上限値
fin…送信周波数
fL…下限値
fL〜fH…測定周波数範囲
H1…本体
H2…ディスプレイ
H3…キーボード
H3,H4…入力装置
H4…マウス
PC…情報処理装置
S…積分値変化曲線
S0…劣化損傷評価システム
S1…閾値
Sd…領域
T…周期

Claims (6)

  1. 被検査材料に音響接続された超音波探触子と、
    前記超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信する超音波送信手段と、
    記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる前記超音波送信手段と、
    所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出手段と、
    前記エコー高さ検出手段で検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分手段と、
    前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波による劣化損傷評価システム。
  2. 前記超音波探触子の受信信号を、前記送信周波数を包括する所定の周波数帯域の信号に限定する帯域フィルタと、
    前記帯域フィルタを通過した超音波のエコー高さを検出する前記エコー高さ検出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波による劣化損傷評価システム。
  3. 前記被検査材料に劣化、損傷がない健全部の前記エコー高さ積分値と、前記被検査材料が劣化、損傷した劣化損傷部の前記エコー高さ積分値と、に基づいて予め導出された前記エコー高さ積分値の変化を特定する積分値変化曲線を記憶する積分値変化曲線記憶手段と、
    前記被検査材料で測定されたエコー高さ積分値と、前記積分値変化曲線とに基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する前記劣化損傷評価手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波による劣化損傷評価システム。
  4. 被検査材料に音響接続された超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信する超音波送信手段と、
    記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる前記超音波送信手段と、
    所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出手段と、
    前記エコー高さ検出手段で検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分手段と、
    前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波による劣化損傷評価装置。
  5. 被検査材料に音響接続された超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信すると共に、前記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる超音波送信工程と、
    所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出工程と、
    前記エコー高さ検出工程において検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分工程と、
    前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価工程と、
    を実行することを特徴とする超音波による劣化損傷評価方法。
  6. コンピュータを、
    被検査材料に音響接続された超音波探触子を励振して前記被検査材料に超音波を送信すると共に、前記被検査材料に送信される超音波の送信周波数を、予め設定された測定周波数範囲で所定の刻みで変化させる超音波送信手段、
    所定の刻みで変化させた前記送信周波数ごとに、前記被検査材料内に伝搬した超音波のエコー高さを検出するエコー高さ検出手段、
    前記エコー高さ検出工程において検出された所定の刻みごとの前記送信周波数に対応した前記エコー高さを前記測定周波数範囲で積分したエコー高さ積分値を算出するエコー高さ積分手段、
    前記エコー高さ積分値に基づいて、前記被検査材料の劣化、損傷を評価する劣化損傷評価手段、
    として機能させることを特徴とする超音波による劣化損傷評価プログラム。
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