JP5142167B2 - 電気所の複数点同時測定方法、複数点同時測定システムおよびこれに用いる内部時計 - Google Patents

電気所の複数点同時測定方法、複数点同時測定システムおよびこれに用いる内部時計 Download PDF

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Description

本発明は、電気所の複数点同時測定方法、複数点同時測定システムおよびこれに用いる内部時計に関する。
従来、水晶振動子などの発振器を内蔵した時計は、何らかの補正を行わない限り、時間の経過とともに時刻がずれていく(例えば、特許文献1参照)。このため、より正確な時刻に測定等を行う必要がある場合には、GPS電波により高精度の時刻情報を受信しながら行っている。また、複数の測定点で同時に測定を行う必要がある場合には、測定の同時性の確保が問題となるため(例えば、特許文献2乃至4参照)、複数の測定器をケーブル類で接続して同時性を確保している。
例えば、発変電所では、配電盤の修理や改造を行ったときに、計器用変成器(VCT)を用いて、VCT組合せ試験や電圧突き合わせ試験を行っている(例えば、特許文献4参照)。これらの試験では、基準側の測定点と比較側の測定点との間で、電圧や電流の位相差を求める必要があるため、基準側の測定点と比較側の測定点とで同時に電圧や電流の測定を行っている。このとき、基準側の測定器と比較側の測定器とをケーブル類で接続することにより、測定の同時性を確保している。なお、複数の測定器同士をFM通信方式で無線通信する方法も考えられるが、無線信号の変調・復調の際に時間遅れが発生するため、同時性を確保するのが困難である。
特開2009−180511号公報 特許第2553689号公報 特公平7−120973号公報 特開2007−206848号公報 特開2000−78711号公報
しかしながら、GPS電波を受信しながら測定する方法では、GPS電波を受信できない屋内等の場所では高精度の時刻情報が得られないという電気所の課題があった。また、複数の測定器をケーブル類で接続して測定する方法は、各測定器が近くに配置されているときには、同時性の確保が容易であり、効果的である。しかし、各測定点の距離が離れているときには、ケーブル類の引きまわしに時間や労力を要するという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、GPS電波が受信できない電気所内の場所であっても複数点の電圧・電流を正確な時刻に測定を行うことができ、複数の測定器をケーブル類を接続したままでなくても、容易に高精度で同時性を確保することができる電気所の複数点同時測定方法、複数点同時測定システムおよびこれに用いる内部時計を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る複数点同時測定方法は、複数の測定器と、各測定器との間で、互いに無線で信号を送受信可能に構成された親機とを有し、各測定器は、内蔵された発振器と該発振器の出力パルスをカウントするカウンターを含む時刻補正手段により動作する内部時計を有し、該内部時計は前記発振器が発振する実際の発振周波数に一定の時間を乗じたパルス数と目標とする発振周波数に前記一定の時間を乗じた積との差を、前記一定の時間毎に前記パルス数に加えることにより時刻を補正するよう構成されており、前記一定の時間は前記発振器の発振周波数の小数点以下によるパルス数が整数になる時間から成り、GPS電波により、または各測定器を接続することにより各測定器の内部時計を合わせ、各測定器は、前記内部時計を合わせてから測定を終わるまでの間、一定の時間毎に前記内部時計の補正を行い続け、各測定器をそれぞれの測定点に設置し、前記親機から各測定器に測定時刻を送信し、前記内部時計が前記親機から送信された測定時刻になったとき、各測定器により所定の物理量を測定し、その測定データを各測定器から前記親機に送信することを特徴とする。特に、前記一定の時間は100秒〜300秒であることが好ましい。
本発明に係る内部時計は、本発明に係る複数点同時測定方法に用いられることを特徴とする。本発明に係る内部時計で、前記一定の時間は、互いに異なる複数の補正時間から成っていてもよい。
本発明に係る電気所の複数点同時測定システムは、本発明に係る内部時計を有し、前記内部時計が指定された時刻になったとき、所定の物理量を測定する複数の測定器と、各測定器との間で、互いに無線で信号を送受信可能に構成された親機とを有し、前記親機は各測定器に測定時刻を送信するとともに、各測定器で測定された前記所定の物理量を各測定器から受信可能に構成され、各測定器は、前記内部時計が前記親機から送信された測定時刻になったとき、前記所定の物理量を測定して前記親機に送信するよう構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、GPS電波が受信できない場所であっても正確な時刻に測定を行うことができ、複数の測定点をケーブル類を接続したままでなくても、容易に高精度で同時性を確保することができる複数点同時測定方法、複数点同時測定システムおよびこれに用いる内部時計を提供することができる。
本発明の実施の形態の複数点同時測定システムを示す構成図である。 図1に示す複数点同時測定システムの測定器を示すブロック構成図である。 図1に示す複数点同時測定システムの、測定器の時刻補正手段を示す回路図である。 図1に示す複数点同時測定システムの、測定器に内蔵された内部時計の発振器の出力パルスをカウントするためのパルスカウンタの一例を示す回路図である。 図1に示す複数点同時測定システムの、測定器の時刻補正手段により、10秒間隔、100秒間隔、1000秒間隔で補正を行ったとき、および、補正無しのときの、経過時間に対する時刻誤差の変化を示すグラフである。 図1に示す複数点同時測定システムの、3段階補正を行う時刻補正手段を示す回路図である。 図6に示す3段階補正での、経過時間に対する時刻誤差の変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態の複数点同時測定方法の測定手順を示すテーブルである。 図1に示す複数点同時測定システムの各測定器の位相誤差を測定するための回路を示す回路図である。 GPSにより同期をとったときの、図9に示す各測定器の位相誤差測定回路による(a)電流位相の変化を示すグラフ、(b)電圧位相の変化を示すグラフである。 (a)図10(a)に示す電流位相の変化の測定器毎の各相の平均を示すグラフ、(b)図10(b)に示す電圧位相の変化の測定器毎の各相の平均を示すグラフである。 各測定器を専用ケーブルで接続して同期をとったときの、図9に示す各測定器の位相誤差測定回路による(a)電流位相の変化を示すグラフ、(b)電圧位相の変化を示すグラフである。 (a)図12(a)に示す電流位相の変化の測定器毎の各相の平均を示すグラフ、(b)図12(b)に示す電圧位相の変化の測定器毎の各相の平均を示すグラフである。
内蔵された発振器により動作する一般的な時計は、高精度な発振器を使用することにより、1秒程度の短い時間では、正確な時刻とのズレがほとんど生じないようにすることができる。しかし、発振器をいかに調整しても、発振器の実際の発振周波数と目標とする発振周波数との間には、僅かなズレが生じている。本発明に係る内部時計は、発振器の実際の発振周波数と目標とする発振周波数との差に基づいて時刻を補正することにより、そのズレを解消し、高精度の時刻情報を得ることができる。また、一定の時間毎に時刻を補正することにより、時刻情報を高精度に維持することができる。1秒程度の短い時間では、発振器の実際の発振周波数と目標とする発振周波数とのズレが僅かしか生じなくとも、比較的長い時間(例えば、100秒程度)をとることにより、そのズレが大きくなるため、その比較的長い時間(例えば、100秒)毎に時刻を補正することで、補正が容易となる。特に、本発明に係る内部時計は、実際にカウントされた発振器の一定の時間でのパルス数と、目標とする発振周波数とその一定の時間との積との差を、その一定の時間毎にその積に加えることにより、時刻を補正するよう構成されていることが好ましい。
本発明に係る内部時計は、測定器に内蔵して使用されることにより、GPS電波が受信できない屋内等の場所であっても正確な時刻に測定を行うことができる。GPS電波が受信できる場所で時刻を合わせた後、GPS電波が受信できない場所に移動させることにより、時刻情報をより高精度に維持することができる。また、複数の測定点で同時に測定を行う場合には、本発明に係る内部時計を各測定器に内蔵することにより、ケーブル類を接続したままでなくても、容易に高精度で同時性を確保することができる。
本発明に係る内部時計は、互いに異なる複数の補正時間毎に補正を行うことにより、時刻情報をより高精度に維持することができる。最も長い補正時間毎に補正をする場合、補正の所定時間経過後から次の補正時間までの間に、時刻誤差が大きくなってしまうため、その間にも細かく、より短い補正時間毎に補正を行うことにより、時刻誤差を小さくすることができる。最も長い補正時間は、要求される時刻精度に応じて決定されることが好ましい。補正時間の数は、多いほど時刻情報を高精度に維持することができるが、補正のための回路も複雑になってしまうため、要求される時刻精度に応じて決定されることが好ましい。また、各補正時間を、最も長い補正時間の(1/整数)倍になるよう設定することにより、補正のための回路設定を容易にすることができる。各補正時間は、例えば、最も長い補正時間を1000秒とし、次に長い補正時間を100秒とし、最も短い補正時間を10秒としてもよい。
本発明に係る複数点同時測定方法および複数点同時測定システムは、VCT組合せ試験や電圧突き合わせ試験など、複数の測定点で同時に物理量の測定を行う必要がある場合に、好適に使用される。本発明に係る複数点同時測定方法は、各測定器が本発明に係る内部時計を内蔵しており、GPS電波により、または各測定器を接続することにより各測定器の内部時計を合わせてから測定を終わるまでの間、一定の時間毎に内部時計の補正を行い続けるため、内部時計の時刻情報を正確に維持することができる。また、本発明に係る複数点同時測定システムでは、各測定器が本発明に係る内部時計を内蔵しているため、各測定器の内部時計を高精度に維持することができる。
本発明に係る複数点同時測定方法および複数点同時測定システムは、高精度に維持された内部時計が指定された時刻になったとき、各測定器の測定手段で所定の物理量を測定するため、各測定器で複数点を同時に測定を行う際に、高精度で同時性を確保することができる。各測定器をケーブル類で接続しておかなくとも内部時計の時刻に基づいて各測定器が測定を行うため、各測定点の距離が離れていても容易に測定を行うことができる。このように、本発明に係る複数点同時測定方法および複数点同時測定システムは、ケーブル類を接続したままでなくても、容易に高精度で同時性を確保することができる。
本発明に係る複数点同時測定方法および複数点同時測定システムは、親機により測定時刻を制御することができる。また、各測定器で測定された所定の物理量から成る測定データを親機に送信することにより、親機で集中してデータを管理することができる。親機は、ノートパソコンなどのコンピュータから成り、各測定器から送信された測定データを保存するとともに、各種のデータ解析が可能であってもよい。親機と各測定器との間の送受信は、無線による通信であればいかなる方法で行われてもよく、例えば無線LANやPHS、携帯電話を利用した方法で行われてもよい。
本発明に係る複数点同時測定方法および複数点同時測定システムで、測定器が測定する物理量は、三相交流電圧、単相交流電圧、三相交流電流および単相交流電流、または、三相交流電圧および単相交流電圧であってもよい。この場合、各測定器で三相交流電圧、単相交流電圧、三相交流電流および単相交流電流を測定することにより、VCT組合せ試験や電圧突き合わせ試験を行うことができ、各測定器で三相交流電圧および単相交流電圧を測定することにより、電圧突き合わせ試験を行うことができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図13は、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法、複数点同時測定システムおよびこれに用いる内部時計を示している。
図1に示すように、複数点同時測定システム10は、発変電所において行われるVCT組合せ試験や電圧突き合わせ試験で使用可能に構成されており、親機11と2つの測定器12とを有している。
図1に示すように、親機11は、ノートパソコンから成り、無線LANまたはPHSを使用して、各測定器12との間で互いに無線で信号を送受信可能に構成されている。親機11は、各測定器12が測定を行う時刻である測定時刻を各測定器12に送信するとともに、各測定器12が測定した測定データを各測定器12から受信可能に構成されている。また、親機11は、各測定器12から受信した測定データを保存するとともに、測定データの表示や、位相解析などの各種のデータ解析ができるよう構成されている。
図2に示すように、各測定器12は、内部時計21と測定手段22と送受信手段23と連結同期用コネクタ24と制御部25とを有している。内部時計21は、内蔵された高精度の発振器21aにより動作する時計から成り、制御部25に接続されている。内部時計21は、発振周波数が10MHzの発振器21aを内蔵している。また、内部時計21は、一定の時間毎に時刻を補正する時刻補正手段21bを有している。
測定手段22は、三相交流電流および単相交流電流を測定可能な電流測定部22aと、三相交流電圧および単相交流電圧を測定可能な電圧測定部22bとを有している。電流測定部22aは、第一相(R)、第二相(S)、第三相(T)、第四相(N)を測定し、電圧測定部22bは、R−N,S−N,T−N,R−S,S−T,T−Rを測定するよう構成されている。電流測定部22aおよび電圧測定部22bは、A/Dコンバータ22cを介して制御部25に接続されている。
送受信手段23は、パネルコンピュータから成り、制御部25に接続されている。送受信手段23は、USBインターフェースを介して無線LANやPHSを接続可能であり、接続された無線LANやPHSを利用して、親機11との間で信号を送受信可能になっている。連結同期用コネクタ24は、内部時計21と制御部25とに接続され、専用ケーブルを接続可能になっている。各測定器12は、専用ケーブルの両端をそれぞれの連結同期用コネクタ24に接続して、互いに連結可能になっている。
制御部25は、CPUボードから成り、内部時計21、測定手段22および送受信手段23を制御可能になっている。制御部25は、送受信手段23を介して親機11からの測定時刻を受信し、内部時計21がその指定された測定時刻になったとき、測定手段22に電流や電圧を測定させ、その測定データを送受信手段23を介して親機11に送信するよう構成されている。また、制御部25は、RS−232Cを介してGPSレシーバに接続可能に構成されている。同様に、制御部25は、GPSレシーバから出力される1pulse/secの信号を入力可能に構成されている。
[内部時計の時刻補正メカニズム]
時刻補正手段21bは、以下のようにして内部時計21の時刻を補正するようになっている。
内部時計21に内蔵された高精度の発振器21aとして、発振周波数が10MHzの発振器「OCXO8663(オシロクオーツ社製)」を使用する場合を考える。なお、この発振器21aの周波数安定性は、6×10−10である。GPSを利用して内部時計21の補正を行うときには、発振器21aの実際の発振周波数を、できる限り10MHzに近い値にしておく必要がある。
発振器21aの実際の発振周波数は、いかに調整しても、目標とする発振周波数の10MHzから僅かにずれる。例えば、発振器21aの実際の発振周波数が、10,000,000.12Hzのとき、表1に示すように、1時間(3600秒)経過後の時刻誤差は43.2μsecとなる。また、10,000,000.01Hzのときの1時間(3600秒)経過後の時刻誤差は3.6μsecとなる。このことから、高精度同時測定に必要な1時間当たりの誤差を10μsec以下とするためには、発振周波数は少数点以下2桁まで合わせる必要があることがわかる。これを周波数カウンタを利用した周波数調整方法により行うためには、9桁の周波数カウンタが必要である。しかし、9桁の周波数カウンタは市販されていないため、周波数カウンタを利用した通常の周波数調整方法を行うことはできない。
そこで、時刻補正手段21bは、発振器21aの発振周波数を正確に合わせる方法ではなく、発振周波数の少数点以下2桁が整数になる、例えば100秒に1回、発振器21aの実際の発振周波数に合わせて、時刻を補正するよう構成されている。以下,補正時間が100秒の場合を説明する。100秒に1回補正を行うことにより、少数点以下2桁を整数(表1の経過時間100秒のパルス数を参照)として扱うことができ、補正が容易となる。
図3に示すように、時刻補正手段21bは、発振器21aの出力パルスをカウントし、1パルス毎秒(1P/sec)のパルスを生成する回路から成っている。図3中のC、C、Cはパルスカウンタであり、Nは目標とする発振周波数(10MHz)に対応するパルス数で10、Nは実際の発振周波数が10,000,000.12Hzのとき、10+12と設定し、Nは100秒毎に補正を行うため100とする。すなわち,発振器の実際の発振周波数が10,000,000.12Hzと測定(後述)されたとき,内部時計は100秒当たり12パルス(1.2μsec)分進む。よって、100秒の内99回は10個のパルスで1秒とし、残り1回では10+12カウントで1秒とカウントすることにより10×99+10+12=10+12カウントとなり補正することができる。つまり、10+12カウントで1秒とカウントすることは内部時計を12パルス(1.2μsec)分遅らせることになる。
図3に示すように、Cの出力電圧は、Cのパルス出力を100回カウントしたときのみ、電圧が高い「H(ハイレベル)」となり、その後、電圧が低い「L(ローレベル)」となる。ここで、AND回路は、入力が「H」同士のときのみ、出力が「H」となる。このため、Cの出力が「L」のとき、NOT回路33によりAND回路31aの入力が「H」、AND回路31bの入力が「L」となるため、AND回路31aの出力が「H」となり、ORゲート回路32にはCの出力が入力される。また、Cの出力が「H」のとき、NOT回路33によりAND回路31aの入力が「L」、AND回路31bの入力が「H」となるため、AND回路31bの出力が「H」となり、ORゲート回路32にはAND回路31bを通してCの出力が入力される。すなわち、1回目〜99回目まではCの出力でパルスが生成され、100回目のときだけ、Cの出力でパルスが生成される。
これにより、時刻補正手段21bは、1〜99秒までは、発振周波数N=10で時間を刻み(パルスをカウント)、100秒目に、N=10+12で時間を刻む(パルスをカウント)こととなり、100秒間の実際の発振器21aのパルス数「10+12」をカウントする。そして、実際にカウントされた発振器21aの100秒間のパルス数「10+12」と、目標とする発振周波数N=10と100秒との積「10」との差であるカウント数「12」を、100秒に1回、積「10」に加える。すなわち、0.12Hz周波数が高いので補正をしないと内部時計は進むから,この分12カウント余分に数えて内部時計を遅らせる。逆に、発振器21aの実際の発振周波数が目標とする発振周波数よりも少ない場合は、補正をしないと内部時計は遅れるから数えるカウント数を少なくして内部時計を進ませる。このように、時刻補正手段21bは、100秒に1回、発振器21aの実際のパルス数「10+12」に合わせ、内部時計21の時刻を補正するようになっている。
なお、図3に示すように、時刻補正手段21bは、CとCのカウントがズレたり、そのズレが蓄積されたりするのを防ぐよう、ORゲート回路32がパルスを生成するたび(1秒毎)に、CおよびCのカウントをリセット(reset)して、再び1からカウントを始めるようになっている。また、Cも、100回カウントして「H」となり、ORゲート回路32がパルスを生成した後にリセットされ、再び1からカウントを始めるようになっている。
ここで、Nは10の値で固定であるが、Nは発振器21aごとに異なる値であり、GPSを利用してあらかじめ求めておくことができる。すなわち、GPSの1p/secの信号をゲート信号とし、100秒当たりの発振器21aの出力パルスをカウントすることにより、Nを求めることができる。発振器21aのパルスカウンタの回路構成例を、図4に示す。図4に示すように、7セグメントLEDに表示された数値の下2桁の値により、その発振器21aのNの値(本例では10+12)を決定できる。図4の回路は,発振器21aの出力パルスをGPSの1p/secのパルスをゲート信号として100秒間カウントして停止する。そのとき,7セグメントLEDに表示された値の下2桁によりNを決定する。すなわち、実際の発振周波数が10,000,000.12Hzの場合には1,000,000,012と表示されるので,N2=10+12と決定できる。なお、時刻補正を行う時間間隔は、発振周波数の少数点以下が整数になる時間にすればよく、発振周波数の小数点以下2桁を合わせるためには、100秒、200秒、300秒など、100の倍数秒であればよい。なお、補正から次の補正までの間の時刻の誤差が小さくなるよう、時刻の補正は、100秒〜300秒毎に行われることが好ましい。
なお、上記の発振器「OCXO8663(オシロクオーツ社製)」は、周波数安定度が10−9であり、発振周波数の少数点3桁以下の値は不安定になるため、小数点以下2桁までの補正が最も適している。これに対し、ルビジウム発振器は、10−10〜10−11の周波数安定度を有しているため、小数点以下3〜4桁まで補正の効果が期待できる。この場合、小数点以下3桁で補正を行うには、1000秒間隔で時刻の補正を行う必要がある。例えば、発振器21aの実際の発振周波数が、10,000,000.1234Hzのときの、所定の経過時間ごとのパルス数と、補正無しのとき、それぞれ10秒間隔、100秒間隔、1000秒間隔で補正を行ったときの時刻誤差とをまとめ、表2に示す。また、このときの経過時間に対する時刻誤差の変化を、図5に示す。
表2および図5に示すように、10秒間隔で補正したとき、補正無しの場合と比べると時刻誤差は小さくなるが、経過時間が大きくなるに従って、時刻誤差が蓄積されていくことがわかる。また、100秒間隔で補正したとき、経過時間が大きくなるに従って、時刻誤差が僅かに蓄積されていくが、10秒間隔で補正したときに比べると誤差の蓄積は非常に小さいことがわかる。なお、この100秒間隔での補正が、図3に示す時刻補正手段21bによる時刻誤差の変化を示している。また、1000秒間隔で補正したとき、補正直後は100秒間隔で補正したときよりも時刻誤差が小さくなるが、補正の100〜200秒後から補正直前までは、時刻誤差が非常に大きくなることがわかる。
[3段階補正による時刻補正メカニズム]
このことから、小数点以下3桁で補正を行うためには、1000秒間隔で時刻の補正を行うだけでなく、1000秒間隔で補正したときの、補正の所定時間経過後から補正直前までの時刻誤差をも小さくする必要がある。このため、その1000秒の間の100秒毎および/または10秒毎にも時刻の補正を行うことが好ましい。10秒毎、100秒毎および1000秒毎に補正を行う回路の一例を、図6に示す。
図6中の発振器fの実際の発振周波数を10,000,000.1234Hzとする。また、C10、C11、C12、C13、C21、C22、C23はパルスカウンタであり、Nは目標とする発振周波数(10MHz)に対応するパルス数で10、Nは10+1、Nは10+2+1、Nは10+3+2+1と設定する。すなわち、発振器の実際の発振周波数が10,000,000.1234Hzとしたとき、表2(「カウンタ出力値」および「補正無し」参照)に示すように、内部時計は10秒当たり1パルス(0.1μsec)分進む。よって、10秒の内9回は10個のパルスで1秒とし、残り1回では10+1(=N)カウントで1秒とカウントすることにより10×9+10+1=10+1カウントとなり補正することができる。つまり、10+1カウントで1秒とカウントすることは内部時計を、10秒毎に1パルス(0.1μsec)分遅らせることになる。
同様に、表2(「カウンタ出力値」および「補正無し」参照)に示すように、内部時計は100秒当たり12パルス(1.2μsec)分進む。しかし、10秒毎に1パルス分ずつ遅れるよう補正されているため、実際には100秒当たり12−(1×10)=2パルス分進んでいる。よって、100秒に1回だけ2パルス分遅らせればよい。この100秒毎補正は、10秒毎補正の10回目と重なるため、実際には、2+1=3パルス分遅らせればよい。従って、100秒の内90回は10個のパルスで1秒とし、9回は10秒毎補正により10+1個のパルスで1秒とし、残りの1回で、10+2+1(=N)カウントで1秒とカウントすることにより、10×90+(10+1)×9+10+3=10+12カウントとなり補正することができる。つまり、10+3カウントで1秒とカウントすることは内部時計を、100秒毎に3パルス(0.3μsec)分遅らせることになる。なお、この3パルスは、実際の発振周波数の少数第2位に対応する2パルスと、10秒毎補正の10回目の1パルスとを加えたものである。
同様に、表2(「カウンタ出力値」および「補正無し」参照)に示すように、内部時計は1000秒当たり123パルス(12.3μsec)分進む。しかし、10秒毎に1パルス分ずつ、100秒毎に3パルス分ずつ遅れるよう補正されているため、実際には1000秒当たり123−(1×90+3×10)=3パルス分進んでいる。よって、1000秒に1回だけ3パルス分遅らせればよい。この1000秒毎補正は、10秒毎補正の100回目および100秒毎補正の10回目と重なるため、実際には、3+2+1=6パルス分遅らせればよい。従って、1000秒の内900回は10個のパルスで1秒とし、90回は10秒毎補正により10+1個のパルスで1秒とし、9回は100秒補正により10+2+1個のパルスで1秒とし、残りの1回で、10+3+2+1(=N)カウントで1秒とカウントすることにより、10×900+(10+1)×90+(10+3)×9+10+6=1010+123カウントとなり補正することができる。つまり、10+6カウントで1秒とカウントすることは内部時計を、1000秒毎に6パルス(0.6μsec)分遅らせることになる。なお、この6パルスは、実際の発振周波数の少数第3位に対応する3パルスと、100秒毎補正の10回目の2パルスと、10秒毎補正の100回目の1パルスとを加えたものである。
図6に示す回路では、C10、C11、C21、AND回路41a、41b、OR回路42、NOT回路43aで、10秒毎補正の回路を成している。また、C10、C12、C22、AND回路41a、41c、OR回路42、NOT回路43bで、100秒毎補正の回路を成している。また、C10、C13、C23、AND回路41a、41d、OR回路42、NOT回路43cで、1000秒毎補正の回路を成している。これらの10秒毎補正回路、100秒毎補正回路および1000秒毎補正回路は、それぞれが図3に示す回路と同様の構成を成しており、図3に示す回路と同様の動作を行うようになっている。なお、NOT回路43d〜43fは、10秒毎補正回路、100秒毎補正回路および1000秒毎補正回路のうち少なくとも2つが同時に動作するのを防ぐよう設けられている。各AND回路41a〜41dは、入力が全て「H」のときのみ、出力が「H」となる。
10秒毎補正回路では、C21の出力電圧は、C10のパルス出力を10回カウントしたときのみ、電圧が高い「H(ハイレベル)」となり、その後、電圧が低い「L(ローレベル)」となる。このため、C21の出力が「L」のとき、NOT回路43aによりAND回路41aの入力が「H」、AND回路41bの入力が「L」となるため、AND回路41aの出力が「H」となり、ORゲート回路42にはC10の出力が入力される。また、C21の出力が「H」のとき、NOT回路43aによりAND回路41aの入力が「L」、AND回路41bの入力が「H」となるため、AND回路41bの出力が「H」となり、ORゲート回路42にはAND回路41bを通してC11の出力が入力される。すなわち、1回目〜9回目まではC10の出力、N=10カウントでパルスが生成され、10回目のときだけ、C11の出力、N=10+1カウントでパルスが生成される。
100秒補正回路および1000秒補正回路は、10秒補正回路と同様に動作するようになっている。すなわち、100秒補正回路では、1回目〜99回目まではC10の出力、N=10カウントでパルスが生成され、100回目のときだけ、C12の出力、N=10+2+1カウントでパルスが生成される。また、1000秒補正回路では、1回目〜999回目まではC10の出力、N=10カウントでパルスが生成され、1000回目のときだけ、C13の出力、N=10+3+2+1カウントでパルスが生成される。
なお、AND回路41bの動作は、100秒補正回路のC22の出力が「L」のとき、NOT回路43dによりAND回路41bの入力が「H」となり、1000秒補正回路のC23の出力が「L」のとき、NOT回路43eによりAND回路41bの入力が「H」となるため、10秒補正回路の動作に従う。しかし、100秒補正回路のC22の出力が「H」のとき、または、1000秒補正回路のC23の出力が「H」のとき、NOT回路43dまたは43eによりAND回路41bに「L」が入力されるため、AND回路41bの出力は、常に「L」となる。これにより、100秒毎および1000秒毎に補正を行うときには、10秒補正ができないようになっている。同様に、AND回路41cの動作は、1000秒補正回路のC23の出力が「L」のとき、NOT回路43fによりAND回路41cの入力が「H」となるため、100秒補正回路の動作に従う。しかし、1000秒補正回路のC23の出力が「H」のとき、NOT回路43fによりAND回路41cに「L」が入力されるため、AND回路41cの出力は、常に「L」となる。これにより、1000秒毎に補正を行うときには、100秒補正ができないようになっている。このため、図6に示す回路では、1000秒毎補正のときには、1000秒毎補正による補正量(3パルス)に、10秒毎補正による補正量(1パルス)と100秒毎補正による補正量(2パルス)とを加えた補正(6パルス)を行い、100秒毎補正のときには、100秒毎補正による補正量(2パルス)に、10秒毎補正(1パルス)による補正量を加えた補正(3パルス)を行うよう構成されている。
こうして、図6に示す回路は、10秒毎、100秒毎および1000秒毎に、内部時計の時刻を補正するようになっている。なお、図6に示すように、C10、C11、C12、C13のカウントがズレたり、そのズレが蓄積されたりするのを防ぐよう、ORゲート回路42がパルスを生成するたび(1秒毎)に、それぞれのカウントをリセット(reset)して、再び1からカウントを始めるようになっている。また、C21、C22、C23も、それぞれ「H」となり、ORゲート回路42がパルスを生成した後にリセットされ、再び1からカウントを始めるようになっている。
図6に示す回路により、10秒間隔、100秒間隔および1000秒間隔の3段階で補正を行ったときの、経過時刻に対する時刻誤差の変化を、図7に示す。図7に示すように、3段階で補正を行った場合には、5000秒経過後であっても、時刻誤差が最大で0.8μsec程度であり、図5に示す10秒間隔補正、100秒間隔補正、1000秒間隔補正のそれぞれの結果よりも、時刻誤差が顕著に小さくなっていることがわかる。このように、3段階で補正を行うことにより、周波数安定度が高いルビジウム発振器を用いて小数点以下3桁まで補正を行うことができ、非常に時刻精度の高い時計を得ることができる。
[複数点同時測定システムによる複数点同時測定方法の実施例]
本発明の実施の形態の複数点同時測定方法は、複数点同時測定システム10により、発変電所において行われるVCT組合せ試験や電圧突き合わせ試験を好適に実施することができる。本発明の実施の形態の複数点同時測定方法では、複数点同時測定システム10の各測定器12をそれぞれ基準側測定点Aおよび比較側測定点Bに設置し、親機11を各測定器12と無線通信可能な任意の場所に設置して測定が行われる。なお、通信手段として無線LANを使用する場合には、親機11と各測定器12との間に無線LANのアクセスポイントを設置してもよい。なお、以下の実施例では、図3に示す時刻補正手段21bを用いて、内部時計21を100秒毎に補正している。
図8に示すように、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法では、まず、準備段階として、親機11および各測定器12の電源を入れる(ステップ1)。無線LANのアクセスポイントを設置する場合には、そのアクセスポイントの電源も入れて通信を確認する(ステップ2,3)。GPS電波を受信可能な場所に各測定器12を移動させ、GPSレシーバを接続し、GPSにより内部時計21の時刻を合わせることにより内部時計21を同期させる(ステップ4)。なお、各測定器12を近づけて専用ケーブルで接続し、内部時計21を同期させてもよい。これにより、電源を切るまで、時刻補正手段21bにより内部時計21の時刻を一定の時間毎(好ましくは100秒毎)に補正しつづける。無線LANまたはPHSによる、各測定器12と親機11との間の無線通信を確認する(ステップ5)。
次に、測定段階として、各測定器12をそれぞれ基準側測定点Aおよび比較側測定点Bに移動させ、電圧や電流を測定可能に、測定手段22をR,S,T,Nの信号線に接続する(ステップ6)。親機11の測定ボタンを押して測定を開始する(ステップ7)。親機11は、測定ボタンを押した3分後の時間を測定時刻として設定し(ステップ8)、各測定器12にその測定時刻を送信する(ステップ9)。各測定器12は、親機11から測定時刻を受信すると、測定レンジを設定し(ステップ10)、内部時計21が測定時刻になったとき、測定手段22により電流や電圧を測定し(ステップ11)、その測定データを親機11に送信する(ステップ12)。
親機11は、各測定器12から測定データを受信すると、その測定データを表示し(ステップ13)、測定データを確認後、保存する(ステップ14)。測定が終わったならば、各測定器12を次の測定点に移動させて、ステップ6〜14を繰り返す。また、全ての測定点での測定が終わったならば、親機11および各測定器12の電源を切り、全ての作業を終了する(ステップ15)。こうして、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法は、複数点同時測定システム10を使用して、VCT組合せ試験や電圧突き合わせ試験を行うことができる。
本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、測定を行っている間、時刻補正手段21bで内部時計21の時刻を一定の時間毎(好ましくは100秒毎)に補正しているため、内部時計21を高精度に維持することができる。本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、内部時計21に高精度な発振器21aを使用しているため、時刻補正手段21bで補正しなくとも、1秒程度の短い時間では、内部時計21の時刻と正確な時刻とのズレがほとんど生じない。しかしながら、100秒程度の比較的長い時間をとると、内部時計21の時刻と正確な時刻とのズレが大きくなるため、100秒間に実際にカウントされた発振器21aのパルス数と、発振器21aの発振周波数10MHzと100秒との積との間に有意な差が生じる。本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、その生じた差を、100秒毎に、発振器21aの発振周波数10MHzと100秒との積に加えることにより、正確な時刻とのズレを解消することができ、内部時計21の時刻を補正することができる。
本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、各測定器12に内蔵された内部時計21が高精度に維持されるため、GPS電波が受信できない場所であっても正確な時刻に測定を行うことができる。また、各測定器12を移動させてGPS電波が受信できる場所で内部時計21の時刻を合わせた後、GPS電波が受信できない測定点に各測定器12を移動させることにより、時刻情報をより高精度に維持した状態で測定を行うことができる。なお、各測定器12は、GPS電波が受信できない場所であっても正確な時刻に測定可能であるため、それぞれ独立した測定器として使用されてもよい。
本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、高精度に維持された内部時計21が指定された時刻になったとき、各測定器12の測定手段22で電圧や電流を測定するため、高精度で同時性を確保することができる。また、各測定器12をケーブル類で接続しておかなくとも内部時計21の時刻に基づいて各測定器12が測定を行うため、各測定点の距離が離れていても、容易に測定を行うことができる。このように、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、ケーブル類を接続したままでなくても、容易に高精度で同時性を確保することができる。また、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、測定データを親機11に送信して保存するため、親機11で集中して測定データの管理を行うことができる。
[内部時計に起因する位相誤差の確認試験]
図9に示す位相誤差測定回路を用いて、各測定器12の内部時計21に起因する位相誤差の測定を行った。図9に示す回路の電圧および電流は同位相となっているので、各測定器12で測定される電圧(線間電圧を除く)、電流の位相はすべて等しくならなければならない。すなわち、位相差が0度からずれているものは全て誤差である。
試験は、以下の手順で行った。まず、各測定器12および親機11の電源を入れ、電源投入後約30分経過した時点で各測定器12をGPSの電波を受信可能な屋外に持ち出し、内部時計21の時刻を合わせて同期をとる。なお、これにより、内部時計21は日本標準時に対して、±1μsecに校正される。同期後は、時刻補正手段21bにより内部時計21の時刻を一定の時間毎(100秒毎)に補正しつづける。次に、図9に示す試験回路を構成し、測定時刻を同期時から10分後として、親機11から各測定器12に送信し、各測定器12で測定を行う。各測定器12で測定された測定データを親機11に送信して保存する。同様にして、測定時刻を同期時から20分後、30分後、1時間後、1.5時間後、2時間後、2.5時間後、3.5時間後、4.5時間後、5.5時間後にしてそれぞれ測定を行う。なお、試験電流は1A、試験電圧は100Vである。
測定結果のうち、電流位相の変化を図10(a)に、電圧位相の変化を図10(b)に示す。また、各測定器12による違いを分かりやすくするため、測定器毎に各相の平均を表したものをそれぞれ図11(a)および(b)に示す。なお、図10および図11では、一方の測定器を「A」、他方の測定器を「B」として表している。また、図10および図11では、「A」の測定器のVrnを位相基準としている。
図10および図11に示すように、電流および電圧ともに、同期時刻からの時間経過に伴い、「B」の測定器の位相は、基準となる「A」の測定器の位相に対してプラス側に変化していることが確認できる。内部時計21に起因する位相誤差は、オフセット(経過時間が0のときの、0度からの位相のズレ)を取り除いたものである。オフセットを取り除いたときには、時間経過に伴って「A」および「B」の各測定器間の位相差は増加し、5時間経過後には位相差は約0.7゜になっている。この場合、1時間当たりの位相差は0.14°となり、時間誤差に換算すると、1時間当たり約8μsecとなる。このように、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10では、各測定器間の内部時計21の1時間当たりの時間誤差が10μsec以下となり、非常に高精度で同期性が確保されているといえる。
なお、図10および図11に示すように、電圧と電流の位相変化の様相に違いがあるように見えるが、これは電流測定にはクランプセンサを用いているため、その個々のセンサ特性と、調整のばらつきによるものと推察される。
次に、各測定器12の連結同期用コネクタ24に専用ケーブルを接続し、各測定器12を互いに連結して同期をとった場合について、同様の位相誤差の確認試験を行った。試験は、以下の手順で行った。まず、各測定器12および親機11の電源を入れ、電源投入後約30分経過した時点で、各測定器12を専用ケーブルで接続し、内部時計21の同期をとる。同期後は、時刻補正手段21bにより内部時計21の時刻を一定の時間毎(100秒毎)に補正しつづける。各測定器12から専用ケーブルを外し、図9に示す試験回路を構成する。測定時刻を同期時から10分後として、親機11から各測定器12に送信し、各測定器12で測定を行う。各測定器12で測定された測定データを親機11に送信して保存する。同様にして、測定時刻を同期時から20分後、30分後、1時間後、1.5時間後、2時間後、2.5時間後、3.5時間後、4.5時間後、5.5時間後にしてそれぞれ測定を行う。なお、試験電流は1A、試験電圧は100Vである。
測定結果のうち、電流位相の変化を図12(a)に、電圧位相の変化を図12(b)に示す。また、各測定器12による違いを分かりやすくするため、測定器毎に各相の平均を表したものをそれぞれ図13(a)および(b)に示す。なお、図12および図13でも、一方の測定器を「A」、他方の測定器を「B」として表している。また、図12および図13でも、「A」の測定器のVrnを位相基準としている。
図12および図13に示すように、同期時刻からの時間経過に伴い、「B」の測定器の位相は、基準となる「A」の測定器の位相に対してプラス側に変化していることが確認できる。オフセットを取り除いたときには、時間経過に伴って「A」および「B」の各測定器間の位相差は増加し、5時間経過後には位相差は約0.7゜になっている。この位相差の変化は、図10および図11に示すGPSを利用して同期したときの結果と、ほぼ同じ傾向を示している。このように、本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、GPSを利用して同期をとる場合に限らず、専用ケーブルを利用して同期をとった場合であっても、非常に高精度で同期性を確保することができる。本発明の実施の形態の複数点同時測定方法および複数点同時測定システム10は、各測定器12を近づけて専用ケーブルを接続して同期をとった後、各測定器12を測定点に移動させることにより、高精度で同時性を確保した状態で測定を行うことができる。
10 複数点同時測定システム
11 親機
12 測定器
21 内部時計
21a 発振器
21b 時刻補正手段
22 測定手段
22a 電流測定部
22b 電圧測定部
22c A/Dコンバータ
23 送受信手段
24 連結同期用コネクタ
25 制御部
31a AND回路
31b AND回路
32 ORゲート回路
33 NOT回路

Claims (5)

  1. 複数の測定器と、各測定器との間で、互いに無線で信号を送受信可能に構成された親機とを有し、
    各測定器は、内蔵された発振器と該発振器の出力パルスをカウントするカウンターを含む時刻補正手段により動作する内部時計を有し、
    該内部時計は前記発振器が発振する実際の発振周波数に一定の時間を乗じたパルス数と目標とする発振周波数に前記一定の時間を乗じた積との差を、前記一定の時間毎に前記パルス数に加えることにより時刻を補正するよう構成されており、
    前記一定の時間は前記発振器の発振周波数の小数点以下によるパルス数が整数になる時間から成り、
    GPS電波により、または各測定器を接続することにより各測定器の内部時計を合わせ、
    各測定器は、前記内部時計を合わせてから測定を終わるまでの間、前記一定の時間毎に前記内部時計の補正を行い続け、
    各測定器をそれぞれの測定点に設置し、
    前記親機から各測定器に測定時刻を送信し、
    前記内部時計が前記親機から送信された測定時刻になったとき、各測定器により所定の物理量を測定し、その測定データを各測定器から前記親機に送信することを
    特徴とする電気所の複数点同時測定方法。
  2. 前記内部時計は、前記目標とする発振周波数が10 (Nは自然数)Hz、実際にカウントされた前記発振器の発振周波数が10 +0.1×a+0.01×b Hz(a,bは1桁の整数)のとき、100秒の内99回を10 カウントで1秒とし、残り1回を10 +10×a+bカウントで1秒とすることにより、100秒に1回、時刻を補正するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気所の複数点同時測定方法。
  3. 前記内部時計は、前記目標とする発振周波数が10 (Nは自然数)Hz、実際にカウントされた前記発振器の発振周波数が10 +0.1×a+0.01×b+0.001×c Hz(a,b,cは1桁の整数)のとき、10秒の内9回を10 カウントで1秒とし、残り1回を10秒毎補正として10 +aカウントで1秒とし、前記10秒毎補正の10回目を100秒毎補正として10 +a+bカウントで1秒とし、前記100秒毎補正の10回目を1000秒毎補正として10 +a+b+cカウントで1秒とすることにより、10秒毎、100秒毎および1000秒毎に時刻を補正するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気所の複数点同時測定方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気所の複数点同時測定方法に用いられることを特徴とする内部時計。
  5. 請求項4記載の内部時計を有し、前記内部時計が指定された時刻になったとき、所定の物理量を測定する複数の測定器と、
    各測定器との間で、互いに無線で信号を送受信可能に構成された親機とを有し、
    前記親機は各測定器に測定時刻を送信するとともに、各測定器で測定された前記所定の物理量を各測定器から受信可能に構成され、
    各測定器は、前記内部時計が前記親機から送信された測定時刻になったとき、前記所定の物理量を測定して前記親機に送信するよう構成されていることを
    特徴とする電気所の複数点同時測定システム。
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