JP2009300128A - サンプリング同期装置、サンプリング同期方法 - Google Patents

サンプリング同期装置、サンプリング同期方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数を高精度かつ短時間で安定させるサンプリング同期装置等を提供する。
【解決手段】
サンプリングシステムは、サンプリング同期装置1,2、データ収集サーバ3を備える。サンプリング同期装置1は、GPS受信機11、サンプリング同期回路12、サンプリング回路13、解析回路14、を備える。受信機11は、GPSクロックを出力する。サンプリング回路13は、内部に水晶発振器、サンプリング演算回路、サンプリング同期パルス出力部を内蔵し、演算回路は、過去に測定したGPSクロックの1パルス内に含まれる水晶発振器のパルス数を計算する。これに基づいて、サンプリングタイムを各々水晶発振器のパルス数として出力する。サンプリング同期パルス出力部は、GPSクロックの立ち上がり点を開始点としてそれぞれのサンプリングタイムを水晶発振器のパルス数としてカウントし、そのパルス数に到達すると、サンプリング同期パルスを出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧、電流、信号等をサンプリングしたり、サンプリングされた信号を所定のサンプリングレートで出力するためのサンプリング同期装置、サンプリング同期方法、サンプリング同期システムに関する。
電力会社等では、電力供給の異常の原因を調べるため、複数の地点で同時に電流や電圧をサンプリングし、記録をとっている。異常の発生箇所を特定するためは、複数の地点に設置した装置間のサンプリング周期を同期させて同時に計測値を取得し、複数の地点で同時に起こったことを調べる必要がある。このような同期を取るために、従来、GPS(無線測位・航法システム)のクロックを基準周波数としたPLL回路によりサンプリング周波数を高精度にして、異なる地点間の記録装置を同期させる方法が提案されている(特許文献1等)。GPSクロックに同期させれば、記録装置間同士をケーブルで接続してサンプリング同期パルスを互いに伝送する必要がないので、装置の設置の自由度が高まる。
ここで、PLL(Phase Lock Loop)回路は、アナログPLL回路と、デジタルPLL回路がある。前者は、入力電圧により周波数を変えることができる発振素子(VCO)と、その発振素子の出力を分周する分周回路と、分周回路と基準周波数の入力との位相を比較する位相比較器とを備え、位相比較器が出力する位相差に基づいてVCOの電圧を制御するものである。後者は、カウンタを用いて、VCOの電圧を調整する。
また、特許文献2には、PLLを使わない同期回路が開示されている。この特許文献2の装置は、固定サンプリングクロックで連続的にサンプリングしていて、CPUによりS回に1回、AD変換器からのサンプリングデータを取得することにより、解析信号の周波数に同期させる。特許文献2では、データのサンプリング間隔は、常に一定で、その間隔の小数点以下を四捨五入して求める。
特許3718977号公報 特開2002−214260公報
しかしながら、特許文献1のようにPLL回路を用いると、アナログ、デジタルいずれのPLL回路でも、高精度な周波数になるよう安定させるためには、多大な時間を必要とする虞があった。即ち、PLLによれば、位相がずれている→VCOの電圧を上げる→周波数が目標の周波数を通り過ぎる→位相差がずれる→電圧を下げる・・・といった繰り返しをすることになり、目標の周波数になったときは、なんらフィードバックがかからず、制御が後手後手に回る可能性がある。したがって、周波数を狭い範囲に収束させるには時間がかかる虞があった。また、常に周波数を連続的に変動させるので、常時、周波数が連続的にふらつく虞があった。
特許文献2の方法では、この構成では、固定サンプリングクロックの誤差を測定するものではないから、それゆえこれを修正できなかった。また、特許文献2では、固定サンプリングパルスを単位にするが、小数点以下の丸め誤差を補正する対策はなされていなかった。
そこで、本発明は、周波数を高精度かつ短時間で安定させるサンプリング同期装置等を提供する。
(1)本発明は、
異なる地点での計測値を同時サンプリングで取得するためのサンプリング同期装置であって、
各サンプリング同期装置が同時に受信する第1のパルスを受信して、前記第1のパルスを出力する第1のパルス生成部と、
前記同時サンプリングのサンプリング周波数および前記第1のパルスのいずれよりも高い周波数の第2のパルスを出力する第2のパルス生成部と、
前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期(=サンプリング同期パルスの出力周期)を計算し、サンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期回路と、を備え、
前記サンプリング同期回路は、前記第1のパルスの各々のエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期装置である。
この構成では、サンプリング同期回路は、第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算する。したがって、第2のパルスに誤差があっても、第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数を計算することによりこの誤差を吸収でき、誤差の如何にかかわらず、サンプリング周期を正しく求めることができる。また、PLLのように、周波数を変動させて周波数を合わすような方向へ調整していくのではなく、第2のパルスという固定のものさしを用いて、サンプリング周期をこの固定の尺度の目盛の数として直接求めることができる。したがって、第1のパルスを1回測定するだけで、早期にサンプリング周期を目的の時間間隔に調整できる。また、PLLであれば、調整がずれてきたときに初めてフィードバックがかかるが、この構成では、調整がずれていない場合でも、適切な時間間隔に調整することができる。
また、サンプリング同期回路は、前記第1のパルスの各々のエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力する。したがって、第1のパルスを同時に受信する限り、これに同期することができるので、サンプリング同期装置間のサンプリングデータの同期を取ることができる。
(2)本発明の前記サンプリング同期回路は、
前記過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数から、前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルス内ですでに出力したサンプリング同期パルスの周期(過去のサンプリング周期)に含まれる前記第2のパルスの数の合計を差し引いたパルス数と、
前記第1のパルス内でサンプリングすべき残りの数と、
に基づいて、前記サンプリング周期を計算する。
この構成では、上記の「前記過去の第1のパルスの周期に〜差し引いたパルス数」は、現在の出力している第1のパルスの周期内の残り時間の推定値を表わしている。この推定値と、前記第1のパルス内でサンプリングすべき残りの数に基づいて、サンプリング周期を計算するので、サンプリング同期回路が算出するサンプリング周期に丸め誤差があっても、この丸め誤差を修正でき、この誤差が累積する可能性を減らすことができる。
なお、本発明は、上記推定値、サンプリングすべき残りの数に基づいて、サンプリング周期を計算していれば良い。したがって、本発明には、後述の実施例2のようにサンプリング周期をその周期ごとに計算する構成のみならず、実施例3のように複数回に1回まとめてサンプリング周期を計算して、その間サンプリング周期を同じ値とすることも含む。
(3)本発明は、
異なる地点での計測値を同時サンプリングで取得するためのサンプリング同期装置に用いるサンプリング同期方法であって、
各サンプリング同期装置が同時に受信する第1のパルスを受信して、前記第1のパルスを出力する第1のパルス生成ステップと、
前記同時サンプリングのサンプリング周波数および前記第1のパルスのいずれよりも高い周波数の第2のパルスを出力する第2のパルス生成ステップと、を同時かつ継続的に行うと共に、
前記第1のパルス生成ステップにより現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算し、サンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期ステップを実行し、
前記サンプリング同期ステップは、前記第1のパルスの各々のエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期方法である。
この構成では、(1)の方法発明であり、(1)の説明を準用する。
(4)本発明の前記サンプリング同期ステップでは、
前記過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数から、前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルス内ですでに出力したサンプリング同期パルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数の合計を差し引いたパルス数と、
前記第1のパルス内でサンプリングすべき残りの数と、
に基づいて、前記サンプリング周期を計算する。
この構成は、(2)の方法発明であり、(2)の説明を準用する。
(5)本発明の 前記サンプリング同期ステップでは、
前記過去の第1のパルスに含まれる前記第2のパルスの合計の誤差が所定範囲を超えているか判定し、当該範囲を超えている場合には、前記サンプリング同期装置の内部に設けられた第3のパルス生成部が出力する第3のパルスを前記第1のパルスの代わりに用いて、前記第2のパルスを当該第3のパルスに同期させる。
この構成では、前記過去の第1のパルスに含まれる前記第2のパルスの合計の誤差がその誤差が所定範囲を超えている場合には、第3のパルス生成部が出力する第3のパルスを前記第1のパルスの代わりに用いて、前記第2のパルスを当該第3のパルスに同期させる。したがって、第1のパルスを受信できない場合でも、第3のパルスを代替的に用いることができ、サンプリング同期装置の安定性の向上を図ることができる。
(6)本発明は、
前記サンプリング同期パルスに基づいて、所定の計測値をサンプリングし、そのサンプリングデータを出力するサンプリング回路と、
前記サンプリング同期装置で解析する解析周波数を入力して、前記サンプリング同期装置から出力されたサンプリング同期パルスと解析周波数との比率に基づいて、前記サンプリング同期パルスのエッジの中から選択したサンプリング時点におけるサンプリングデータを抽出する解析回路と、をさらに備えた。
この構成では、サンプリング同期装置の解析周波数を入力して、同一周波数帯域のサンプリングデータを抽出することができるので、サンプリングする対象物の故障の原因の解析等に用いることができる。
(7)本発明は、
基準周波数となる第1のパルスを出力する第1のパルス生成部と、
サンプリング周波数および前記第1のパルスのいずれよりも高い周波数の第2のパルスを出力する第2のパルス生成部と、
前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算し、サンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期回路と、を備え、
前記サンプリング同期回路は、前記第1のパルスのエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期装置である。
この構成では、前記サンプリング回路は、前記第1のパルスのエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するので、基準周波数となる第1のパルスに同期させることができる。(1)と同様、前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算するので、第2のパルスが公称値とずれていても、基準周波数に基づく正確なサンプリング周期を計算できる。また、PLLのように、周波数を変動させて周波数を合わすような方向へ調整していくのではなく、第2のパルスという固定のものさしを用いて、サンプリング周期をこの固定のものさしの目盛の数として直接求めることができる。したがって、過去の第1のパルスを1回測定するだけで、早期にサンプリング周期を目的の時間間隔に調整できる。また、PLLであれば、調整がずれてきたときに初めてフィードバックがかかるが、この構成では、調整がずれていない場合でも、サンプリング周期を適切な時間間隔に調整することができる。
(8)本発明の前記サンプリング同期回路は、前記サンプリング周期の計算値を、前記第2のパルスの数または半波長のパルス数を単位とする値に丸め込んだ値とし、当該丸め込んだ値に基づいて、前記第2のパルスのうち、立ち上がりまたは立ち下りのエッジに同期して、サンプリング同期パルスを出力する。
この構成では、前記サンプリング周期の計算値を、前記第2のパルスの数または半波長のパルス数を単位とする値に丸め込んだ値とする。即ち、サンプリング回路が計算するサンプリング周期を整数+半波長を単位として算出する。前記第2のパルスのうち、立ち上がりまたは立ち下りのエッジに同期して、サンプリング同期パルスを出力する。例えば、サンプリング周期の開始点が立ち上がりの場合に、算出したサンプリング周期が整数+半波長であれば、サンプリング周期の終了点が立ち下りのエッジに同期する。したがって、サンプリング回路の計算するサンプリング周期の誤差を第2のパルスの±0.25波長に抑えることができ、統計的に誤差を丸め誤差を半分にすることができる。
(9)本発明の前記サンプリング同期回路は、前記第2のパルスについて立ち下がりまたは立ち上がりのエッジ点のうち、前記第1のパルスのエッジ点に直近のエッジ点を前記開始点としてサンプリングを開始する。
第1のパルス、第2のパルスは、独立であっても良く、必ずしもエッジが一致するとは限らない。この場合、前記開始点は、厳密には、第1のパルスのエッジの後、第2のパルスが最初にエッジを検出する時になる。このエッジとしては、立ち下がりまたは立ち上がりがあるが、この構成では、立ち下がりまたは立ち上がりのうち、前記第1のパルスのエッジ点に直近のエッジ点を前記開始点としてサンプリングを開始する。したがって、第1のパルスのエッジから、半波長以上ずれることがないので、サンプリング周期の誤差を小さくすることができる。
本発明のサンプリング同期装置によれば、周波数を高精度かつ短時間で安定させることができる。
図1を用いて、本実施形態のサンプリング同期システムについて説明する。このシステムは、サンプリング同期装置1、サンプリング同期装置2、データ収集サーバ3を備えている。サンプリング同期装置1とサンプリング同期装置2は、同じものとすることができる。サンプリング同期装置1、2は、所定の電力供給設備、供給網の電流、電圧等を所定のサンプリング周期でAD変換し、そのサンプリングデータを無線または有線でデータ収集サーバ3へ送信する。データ収集サーバ3は、サンプリングデータを収集し、解析データとして記録する。サーバ3は、解析データから事故時における電力系統状態を解析する。装置1、2は、GPS衛星101〜103から発信されるGPSクロック(1pps)のパルスにより同期を取る。
サンプリング同期装置1は、アンテナ10、GPS受信機11、サンプリング同期回路12、サンプリング回路13、解析回路14、アナログ入力部19を備える。
アンテナ10は、GPS衛星101〜103からGPSの電波を受信する。GPS受信機11は、この電波に基づいて、1ppsの高精度なGPSクロックを出力する。サンプリング同期回路12は、内部に水晶発振器を備えている。
サンプリング同期回路12は、サンプリング回路13がAD変換すべきタイミングを伝達するサンプリング同期パルスを出力する。このサンプリング同期パルスは、基本的には、水晶発振器が出力するパルスの整数倍の周期のパルスである。サンプリング同期パルスは、矩形波でも、インパルス信号でも良く、サンプリング回路13がそのエッジを検出できれば良い。サンプリング同期回路12内部には、サンプリング演算回路を備え、その演算回路は、サンプリング同期パルスを新たに出力するまでの時間を、水晶発振器のパルス数として計算する。その計算は、GPSクロックのパルスのエッジを開始点とし、過去に、GPSクロック1パルス内で水晶発振器が出力したパルス数P_allを計算した結果に基づいて行う。詳細は後述する。
サンプリング回路13は、AD変換器を備える。系統の電流、電圧を検出するセンサ群によって検出された測定対象の電圧、電流をアナログ入力部19から入力する。サンプリング回路13は、サンプリング同期回路12が出力するサンプリング同期パルスによって、サンプリングしAD変換する。このAD変換されたデータは、データ収集サーバ3に送信される。
<サンプリング同期回路12の実施例1,2>
次に、図2を用いて、サンプリング同期回路12の構成例および制御方法の実施例1,2について、より詳しく説明する。図2(A)は、この実施例の前提を、図2(B)は、サンプリング同期回路12の構成を表わしている。
<設例>ここで、説明の容易のため、図2(A)に示す以下の設例を用いる。即ち、検出された60Hzの交流信号(電圧または電流)を、60Hzの周期当たり約512点をサンプリングすることを目的とする。ここでは、1秒間に2500万パルス(=25MHz、公称値)の一定周期パルスを発信する水晶発振器を用いて、その整数倍のパルス数でサンプリング周期を出力するものとする。
この設例では、仮に、水晶発振器の周波数が正確であるとすると、サンプリング同期パルス出力部154は、水晶発振器が約813パルス出力するごとに、1つのサンプリング同期パルスを出力することになる。
<サンプリング同期回路12の構成>
サンプリング同期回路12は、サンプリング演算回路15、水晶発振器16を備える。
サンプリング演算回路15は、総カウント数計算部151、カウントリセット部152、サンプリング周期計算処理部153、サンプリング同期パルス出力部154を備える。総カウント数計算部151、カウントリセット部152、サンプリング同期パルス出力部154は、1または複数のFPGA、およびそのサブルーチンで構成することができる。
総カウント数計算部151は、GPS受信機11が出力するGPSクロックのエッジを開始点とし、水晶発振器16のパルスをカウントし、サンプリング周期計算処理部153に出力する。カウントリセット部152は、総カウント数計算部151のカウントをGPSクロックのエッジに同期してリセットする。
サンプリング周期計算処理部153は、内部に演算回路、メモリを備えている。メモリは、総カウント数計算部151の出力を基にして、前回のGPSクロックの1パルス当たりの水晶発振器のパルスP_allを記憶している。また、メモリは、現在のGPSクロックの1パルスにおいて既にサンプリングしたサンプリング周期[秒]を、一定周期の水晶発振器16のパルス数[cycle]を単位として記憶する。演算回路は、メモリに記憶したこれらの過去のデータを基にして、次にサンプリングするまでの時間を、水晶発振器16のパルス数[cycle]を単位として計算し、計算値をサンプリング同期パルス出力部154に出力する。サンプリング周期計算処理部153は、過去のデータを基にサンプリング周期を計算しているので、水晶発振器の誤差を修正できる。なお、この実施例では、サンプリング周期[秒]が、必ず水晶発振器16のパルス数の整数倍になるよう、計算処理部153は、上記計算値の丸め込みを行う。
サンプリング同期パルス出力部154は、水晶発振器16のパルス数をカウントし、出力部154は、サンプリング周期計算処理部153が出力した、上記計算値のパルス数[cycle]に到達する毎に、サンプリング同期パルスbをサンプリング回路13に出力する。
次に、図3〜図6を用いて、サンプリング同期回路12を用いたサンプリング周期の計算方法の実施例1〜4について説明する。
<実施例1>
総カウント数計算部151が測定した全パルスP_allは、誤差があり、そのGPSクロックの過去の1周期当たり、実測2504万パルスであったと仮定する。全パルスP_allは、急激に変化するものではないため、前回に測定したP_allは、今回のP_allに近い値となるはずである。そこで、前回に測定したP_allを使用する(前回より前の過去の測定値でもよいが直近である前回が望ましい)。
図3(A)は、実施例1を表わしている。図3(B)は、実施例1の応用例を表わしている。総カウント数計算部151は、過去の(前回の)GPSクロック1パルス当たりのパルス数をカウントする。上記仮定の下では、過去の1pps当たりのパルス数2504万パルスに基づいて、次のGPSの1パルスの時間帯では、2504万パルスを等分した周期でサンプリング同期パルスを出力する。サンプリング周期を計算すると、1サンプリング当たり、水晶発振器のパルスが2504万/60/512=815.1≒815パルスになり、公称値で計算した813パルスと異なっている。もし、サンプリング同期パルスを813パルス毎に発生させるとすると、サンプリング周期は、813/815倍になり、大きな誤差を生じさせる。このように、上記公称25MHzを基に計算した813パルスからずれていても、水晶発振器16のパルス数を実測した値を用いるので、その誤差を吸収できる。
サンプリング周期計算処理部153は、このサンプリング周期を計算し、値をサンプリング同期パルス出力部154にセットする。サンプリング同期パルス出力部154は、このパルス数を数え、815パルスに到達すると、サンプリング回路13に対し、サンプリング同期パルスを出力する(なお、本願において「同期パルスを出力する」の概念には、このサンプリング同期パルスを連続とし、HI,LOWを切り換えてエッジを出現させるようにすることも含むものとし、出力部154が何らかの形でサンプリングのタイミングを伝達できれば、便宜的にこの概念に含むものとする。)。
また、図3(A)に示すように、GPS受信機11のGPSクロックの立ち上げ時(立下り時でも良い)には、カウントリセット部152は、総カウント数計算部151、サンプリング同期パルス出力部154のカウントをリセットする。したがって、サンプリング同期パルスとGPSクロックとのずれは、GPSクロックのパルスの周期ごとに修正され、GPSクロックとの同期を取ることができる。
以上の通り、この実施例、またはそのサンプリング方法によれば、以下の効果が生じる。
(A)水晶発振器の周波数が公称値からのずれが生じていても、より正確な周期でサンプリングすることができる。
(B)GPSクロックに同期させているので、サンプリング同期装置1、2間で同期を取ることができる。
(C)さらに、以下の通り、短期間に安定させることができる。即ち、水晶発振器の過去の実測の全パルス数は、GPS1周期(1秒)で測定できる。したがって、次の周期からはこれを踏まえて、サンプリング同期パルスを出力するまでのパルス数を調整する。したがって、直ちに精度を向上させることができるから、短期間に安定させることができる。これは、本実施形態のサンプリング同期装置1が、PLLのように周波数全体(ものさし全体)を変えるのではなく、いわば、GPSという「基準器」の1パルスの長さを、25MHzの水晶発振器16という「固定のものさし」の目盛の数を測定していることに基づく。「固定のものさし」を用いて目盛の数を計算するから、計算により直接に正しいサンプリング周期を求めることができ、サンプリング周期を直ちに適正な値に収束させることができる。これは、PLLのように、誤差が生じて初めて、順次良い方向に修正していくのとは異なる。また、水晶発振器16は温度によって周波数が変動するが、温度が1秒単位で振れるということも少ないので、水晶発振器16に周波数の変動があっても、短期間に安定させることができる。
なお、水晶発振器16は、GPSクロックの周期とは独立に動作する。したがって、GPSクロックのパルスの立ち上がり時と水晶発振器16の立ち上がりとは、厳密には同期するものではないし、水晶発振器16のパルスの周期を、GPSクロックのパルスの立ち上がり時からカウントできるようにリセットできるものでもない。GPSクロックのパルスの立ち上がり時にリセットされた時の25MHzのパルスの起算点(サンプリングの開始点)は、厳密にはGPSクロックのパルスの立ち上がり後の最初の25MHzのパルスの立ち上がり時411(または立ち下り時)とすることができる。また、このパルスの「立ち上がり時(立ち下り時)」に代えて、「水晶発振器16の立ち下がりまたは立ち上がりのエッジ点のうち、GPSクロックのパルスのエッジ点に直近のエッジ点」を前記開始点とすることができる。図3(B)を用いてこれを説明する。この直近が立ち下がり時となる場合には、その後、サンプリング同期パルス出力部154がサンプリングするためのパルスのカウントは、立下り時を基準にサンプリング数をカウントする(開始点412)。サンプリング同期パルスの出力点413は、サンプリング周期計算処理部153が計算したパルス数の経過後であり、立ち下り時になる。このようにすれば、より同期誤差を小さくすることができる。
<実施例2>上記実施例1で示した仮定と同じく、全パルスP_allには誤差があり、そのGPSクロックの過去の1周期当たり、実測2504万パルスとする。実施例2は、実施例1の応用である。実施例1で算出したサンプリング周期が小数点を含む場合には、小数点以下を四捨五入する。したがって、整数への丸め誤差を含むことになる。この場合には、過去に実測したGPSの1パルス当たりの水晶発振器16のパルス数と、現在のGPSクロック1パルス内で、水晶発振器16がすでに生成したパルスの数との差を計算する。この値は、現在出力しているGPSクロックの周期の、残り時間の推定値をパルス数で表わすものである。サンプリング周期計算処理部153は、この残りのパルス数の推定値を、GPSクロック1パルス当たりの残りのサンプリング数で除算することを繰り返す。これにより、小数点以下の丸め誤差を現在のGPSクロックの周期内で修正し、吸収することができる。
実施例2のサンプリング周期の計算方法は以下の通りとなる。
過去に実測したGPSの1パルス当たりの水晶発振器16のパルス数の合計を上記P_allとすれば、
1回目:P1=P_all/60/512=25.04×10/60/512
(図4(A)のサンプリング周期421参照)
2回目:P2=(P_all−P1)/(60×512−1)
(P_all−P1は、図4(A)の422に相当する。(60×512−1)は、図3(A)の423に相当する。)
3回目:P3=(P_all−P1−P2)/(60×512−2)
((P_all−P1−P2)は、図4の425に相当する。P2は、図4(B)のサンプリング周期424に相当する。(60×512−2)は、図4(B)の425に相当する。)
i回目:
Pi=(P_all−Σ(k=1〜(i−1))Pk)/(60×512−(i−1)
最後の30720回目:
P30720=(P_all−Σ(k=1〜30719)Pk))/1
(なお、60×512=30720である。また、{Σ(k=1〜n)Pk}は、k=1〜nとしたPkの式をすべて合算することを表わす。以下同じ。)
このようにGPS1パルス内で計算し直しているので、それぞれのサンプリング周期について整数への丸め込みを行っても、GPS1パルス内で修正され、整数への丸め込み誤差が累積する量を減らすことができる。
なお、以上の実施例において、サンプリング同期回路12がサンプリング時間内に計算を終了させるのは、容易に可能である。上記説例で、周波数60Hzを50Hzとすれば、1サンプリングあたりの時間は、39.0625マイクロ秒相当、60Hzとすれば、32.5521マイクロ秒相当になる。特に特別の構成をとらなくてもサンプリング周期計算処理部153をFPGAとすれば数マイクロ秒以内に計算を終了させることができ、1サンプリングごとに計算することが可能である。
<実施例3>
図5は、実施例3の計算例を表わしている。この実施例3は、実施例2の応用である。一定サンプリング数ごとに上記計算を行い、その間は1サンプリング当たりの水晶発振器16のパルス数を同じとする。ここでは、過去に実測したGPSの1パルス当たりの水晶発振器16のパルス数の合計を上記P_allとして、60回ごとに周期を計算するものとする。この場合、サンプリング周期計算処理部153が計算すべきパルスの数は、それぞれのパルス数は以下の通りとなる。
1回目〜60回目:
P1=P_all/60/512=25.04×10/60/512
61回目〜120回目:
P2={(P_all/60)−P1}/511
121回目〜180回目:
P3=(P_all/60−P1−P2)/510
m=1+(n−1)×60回目
Pm=(P_all/60−Σ(k=1〜m)Pk)/(512−m+1)
最後の30661回目〜30720回目:
P512=(P_all/60−Σ(k=1〜511)Pk)/1
P_allが2504万パルスとして、以上の計算をまとめると、図5のようになる。図中、整数に丸めたものがP1〜P512の計算値である。図5の例では、FPGAによる計算のしやすさから小数点以下切捨ての実施例を示しているが、もちろん四捨五入でも良い。
この実施例は、例えば、1サンプリング周期ごとに上記計算をするのがサンプリング周期計算処理部153の処理能力上困難な場合や、短期の周波数を安定させたい場合などにおいては、特に有効である。この実施例3では、実施例2と同様、水晶発振器の周波数の誤差のみならず、上記小数点以下の丸め誤差をも吸収できる。
なお、以上の実施例2、3では、GPSクロック1周期の最後のサンプリングは、GPSクロックのエッジに同期させるから、必ずしも計算する必要がない。
また、以上の実施例3では、60回分のサンプリング周期をすべて同じとしたが、小数点以下の誤差を吸収できるように、同じ区画m内で、サンプリング周期の計算値の小数点をはさんで、2種類以上のカウント数を比例按分により求めることができる。例えば、Pmの計算値が813.1であるとすると、60回のうち6回は814パルス、その他の54回は、813パルスとすることができる(実施例3−2とする)。これにより、時間が後ろの方のP512におけるサンプリング時間の誤差を抑えることができる。また、実施例3においても、図3(B)で説明したようにサンプリング周期計算処理部153が半波長のパルス数を出力できるように構成できる。この場合、Pmの計算値が813.1とすれば、60回すべてを813としても良いし(実施例3−3とする)、上記比例按分により、48回が813.1、その他12回が813.5のパルスを出力してもよい(実施例3−4とする)。これらパルス数を組み合わせるときは、交互にバランスよく混ぜるようにすると、サンプリング時間のずれを小さくすることができる。例えば、上記実施例3−3であれば、60回のうち、5回に1回が813.5のパルスを出力する。
<実施例4>
図6に実施例4を示す。サンプリング周期計算処理部153が計算した1サンプリング当たりの水晶発振器16のパルスの数の小数点以下の値pが、0.25<p≦0.75である場合(または0.25≦p<0.75)の場合には、小数点以下、サンプリング周期をパルスの半波長(0.5パルス)を計算処理部153が出力する。
例えば、過去の実測の全パルスP_allが2505万パルスとすると、実施例1〜3の最初のサンプリング周期のカウントは、815.4パルスになる。この場合、小数点以下が0.25を超えているので、計算処理部153は、815.5回というパルス数をサンプリング同期パルス出力部154に出力する。そして、出力部154が、サンプリング周期のパルスのカウントを水晶発振器16の立ち上がり時から開始している場合(図6の開始点442)には、出力部154は、815回のパルスの立ち上がり後(図6の位置443)、直近の立下り時のタイミングで(図6のサンプリング同期パルスの出力点444)、出力部154が信号を出力する。
逆に、サンプリング周期のカウントを水晶発振器16の立ち下がり時から起算している場合には、出力部154は、813回のパルスの立ち下がり後、直近の立ち上がり時のタイミングでサンプリング同期パルスを出力する。
この実施例4によれば、整数への丸め誤差が±0.25以内となり、統計上、約半分にすることができる。この実施例4は、実施例1および実施例1の付加的実施例(図3(B)参照)、および、実施例2、実施例3に適用できる。
なお、この付加的実施例(図3(B)参照)に実施例4を適用する場合には、サンプリング周期計算処理部153が計算するサンプリング周期は整数でない場合もあるから、図3(B)で説明したパルス出力点413は、立ち下がりではない場合もありうる。
図7を用いて、以上の実施例1〜4の応用にかかるサンプリング同期回路12の構成例120について説明する。サンプリング同期回路120は、GPS受信機11が、何らかの影響により、パルスを出力できない場合の対策を行うものである。サンプリング同期回路120は、上記サンプリング演算回路15、水晶発振器16のほかに同期判定回路17を備えている。水晶発振器16の出力は、同期判定回路17に入力される。また、同期判定回路17の出力は、図2で示す水晶発振器16の代わりとして、サンプリング演算回路15に入力される。
同期判定回路17は、過去にサンプリング周期計算処理部153により計算したサンプリング周期をすべて合算する。サンプリング周期の計算値は、以上の通り、水晶発振器16のパルス数を単位として算出することができる。
同期判定回路17は、GPSクロックの1パルスに含まれる水晶発振器のP_allが例えば±6250パルスの範囲内(時間にして、250マイクロ秒程度)であるかどうか判定する。この範囲内にあれば、同期が取れていると判定する。同期判定回路17は、この範囲外にある(即ち同期が取れていない)と判定した場合には、サンプリング同期装置1内の一定周期パルスd(1pps)を基準としてサンプリング同期パルスを得る。これにより、GPS受信機11が、パルスを出力できない場合でもサンプリングを継続することができる。
ここで、一定周期パルスdは本発明の「第3のパルス」の1例である。また、この設例において±6250パルスの範囲は、本発明の「所定範囲」の1例である。この所定範囲は、GPSクロックと同期を判定できる閾値に設定すればよい。
なお、以上では、周波数誤差についての説明の容易のため、25MHzの水晶発振器の誤差を誇張して2504万パルス等の例を示したが、水晶発振器を用いればそれほどの誤差は生じない。例えば、上記25MHz±6250パルスの誤差は250ppmであり、水晶発振器であれば十分達成できる範囲である。上記±6250パルスの範囲は、1サンプリング周期分の誤差に換算して水晶発振器の±約0.2パルスに相当し、±1パルス以内である。ただし、以上の説明の通り、本実施形態のサンプリング方法によれば、1サンプリング周期分の誤差が水晶発振器の±1パルスを超えている実施例であっても、その誤差を吸収できる。
また、システムクロックとしては、例えば、RTC(Real Time Clock)、FPGAの内部生成クロックを分周して1ppsを生成して用いることができる。この場合、水晶発振器16についての上記判定で同期が取れていないとした場合には、RTCを用い、RTCによる供給が途絶えた場合には、FPGAの内部生成クロックを用いるようにしても良い。GPSパルスをシステムクロックに切り換えた後は、サンプリング同期装置1は、システムクロックの1ppsパルスのエッジを検出した後、サンプリングを再開する。これにより、サンプリング周期を一定範囲内に収めることができる。
図8を用いて、解析回路14の構成例について説明する。解析回路14は、ゼロクロス点検出回路181、データ抽出回路182、高調波解析回路183を備える。ゼロクロス点検出回路181は、電圧のグラウンドと比較するコンパレータ、またはそれに相当する回路を備え、サンプリング回路13で得た電流、電圧データがゼロクロス点をまたぐ回数を計測する。これにより、解析する周波数を算出できる。データ抽出回路182は、ゼロクロス点検出回路181が解析した周波数と、サンプリング回路13が出力するサンプリング同期パルスとの比率から、サンプリングデータを抽出する。高調波解析回路183は、このサンプリングデータに基づいて、高調波を測定する。このように構成すれば、解析する周波数(解析周波数)に対して、同期するサンプリングデータc(図8)の抽出が可能になる。
以上の実施形態について補足する。
以上の図1、図2、図7、図8の説明では、機能ごとに分離したブロックで説明したが、実装上は、物理的に合体していても良いし、別々の筐体に入れられていても良い。これらの機能ブロックの機能のうち、いずれかが複数の機能が一体となったシステムICで構成してもよいし、一つのブロックを複数に分離して構成してもよい。例えば、サンプリング同期回路12、サンプリング回路13全体を1チップとすることもできる。サンプリング同期回路12は、FPGAに限らず、汎用PC、マイコンでも構成できる。また、説明の便宜上、総カウント数計算部151と、サンプリング同期パルス出力部154を別々としたが、実装上同一のサブルーチンで水晶発振器16のパルスをカウントしていても良い。また、図2では、カウントリセット部152を説明の便宜上設けたが、総カウント数計算部151またはサンプリング同期パルス出力部154が、GPSクロックの入力に同期してカウントをリセットできるようにすれば、それで十分であり、必ずしもカウントリセット部152を別に設ける必要はない。
GPS受信機11の代替としては、GPS受信機としたが、サンプリング同期装置1、2が同時に同じ信号を受信できるのであれば使用できる。例えば、JJY等の標準電波でも良いし、装置1、2以外の別の機器が電波を発していても良い。
GPS受信機11が出力するパルスは、本発明の第1のパルスに相当する。水晶発振器16が出力するパルスは、本発明の第2のパルスに相当する。本発明の第2のパルスの実施例としては、水晶発振器16に限られず、LC発振器等でも良い。第1、第2のパルスとも一定周波数のパルスを出力できれば良く、水晶発振器16でなくてもよい。この一定周波数には、第1のパルス、第2のパルスのいずれとも周波数の誤差を含んでいても良い。第1のパルス、第2のパルスいずれも誤差や時間の揺らぎを含んでいたとしても、共通の第1のパルスを受信する限り、サンプリング同期システムとして成立する。なぜなら、第1のパルスの1パルスを第2のパルスの数で測定するから、第2のパルスの誤差を吸収することができ、同一の第1のパルスを受信する限り同期を取ることができるからである。したがって、異なる装置間でサンプリングの同期を高精度にする必要がある場合でも、サンプリング周期の間隔が高精度でなくても良い場合には、第1のパルスが第2のパルスより必ずしも高精度であることを要しない。
サンプリング同期装置間で同期を取るためには、サンプリング同期装置1、2等の複数のサンプリング同期装置1が必要であり、同じパルスを有線または無線で受信する必要がある。しかし、サンプリング同期装置1単体でも、本実施形態で説明したサンプリング周波数を高速に安定させる効果を得ることができるし、この効果を得るためには、必ずしも、第1のパルスがGPS受信機11のように無線でパルスを受信する必要もない。例えば、映像、音声の同期をとる映像記録システム、音響用の再生、録音のジッタを小さくするためのクロックジェネレータに応用できる。この場合、GPS受信機11の代替としては、必ずしも無線でパルスを受信する必要はなく、高精度水晶発振器、ルビジウムクロック、セシウムクロック等を用いることができる。
また、本発明は、第1のパルスの1パルスを第2のパルスの数で計って、第2のパルスの誤差を吸収する関係上、第1のパルスより第2のパルスの方が周波数を高くする必要がある。また、サンプリング周期も第2のパルスの数で測定する関係上、サンプリング周期よりも第2のパルスの方が周波数を高くする必要がある。第2のパルスの周波数は、どのようなものでも良いが、整数丸め誤差を考慮すると、高い周波数の方が望ましい。
本実施形態では、GPS受信機11が出力する過去のパルスの1回分を、水晶発振器16のパルス数で測定しているが、過去のパルスを複数測定して平均しても良い。
以上では測定対象の電力周波数として60Hzを用いて説明したが、50Hzの電力供給源に対しても用いることができる。また、本実施形態で説明の容易のために設けた説例のほか、以上で説明に用いたあらゆる数値、例えば25MHz、2504万パルス、512点、実施例3の60回に1回などは一例にすぎず、いずれの数値もそれ以上でもそれ以下でも、本実施形態として用いることができる。また、本実施形態において図2(A)で設定した説例での目的は、あくまで説明を容易にするための具体例であり、それ以外の目的の装置についても本実施形態を適用できる。また、図2(B)の構成は、この説例で示した数値でなく、別の数値の実施例や別目的の装置にも適用することができる。
本発明のパルスとしては、矩形波に限らない。ゼロクロス点または閾値でエッジを捉えることができる限り、別の形状の波形、例えば、サインカーブでもよく、3角波でも良い。エッジは、立ち上がりでも、立ち下がりのいずれでもよく、いずれを捕らえても良い。本願のエッジには、矩形波のそれに限らず、ゼロクロス点でエッジを捉えることができればその概念を含む。
本発明の実施形態のサンプリング同期装置の概略を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング演算回路の構成例を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング演算回路を用いたサンプリング算出方法の例1を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング演算回路を用いた図3とは異なるサンプリング算出方法の例2を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング演算回路を用いた図4とは異なるサンプリング算出方法の例3を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング演算回路を用いた図5とは異なるサンプリング算出方法の例4を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング同期装置の構成例を表わす。 本発明の実施形態のサンプリング同期装置の構成例を表わす。
符号の説明
1−サンプリング同期装置、 2−サンプリング同期装置、 3−データ収集サーバ、
10−アンテナ、 11−GPS受信機、 12−サンプリング同期回路、
13−サンプリング回路、 14−解析回路、15−サンプリング演算回路、
150−サンプリング演算回路、 151−総カウント数計算部、
152−カウントリセット部、 153−サンプリング周期計算処理部、
154−サンプリング同期パルス出力部、 16−水晶発振器、
17−同期判定回路、 181−ゼロクロス点検出回路、
182−データ抽出回路、 183−高調波解析回路、
101,102,103−GPS衛星

Claims (9)

  1. 異なる地点での計測値を同時サンプリングで取得するためのサンプリング同期装置であって、
    各サンプリング同期装置が同時に受信する第1のパルスを受信して、前記第1のパルスを出力する第1のパルス生成部と、
    前記同時サンプリングのサンプリング周波数および前記第1のパルスのいずれよりも高い周波数の第2のパルスを出力する第2のパルス生成部と、
    前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算し、サンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期回路と、を備え、
    前記サンプリング同期回路は、前記第1のパルスの各々のエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期装置。
  2. 前記サンプリング同期回路は、
    前記過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数から、前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルス内ですでに出力したサンプリング同期パルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数の合計を差し引いたパルス数と、
    前記第1のパルス内でサンプリングすべき残りの数と、
    に基づいて、前記サンプリング周期を計算する請求項1に記載のサンプリング同期装置。
  3. 異なる地点での計測値を同時サンプリングで取得するためのサンプリング同期装置に用いるサンプリング同期方法であって、
    各サンプリング同期装置が同時に受信する第1のパルスを受信して、前記第1のパルスを出力する第1のパルス生成ステップと、
    前記同時サンプリングのサンプリング周波数および前記第1のパルスのいずれよりも高い周波数の第2のパルスを出力する第2のパルス生成ステップと、を同時かつ継続的に行うと共に、
    前記第1のパルス生成ステップにより現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算し、サンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期ステップを実行し、
    前記サンプリング同期ステップは、前記第1のパルスの各々のエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期方法。
  4. 前記サンプリング同期ステップでは、
    前記過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数から、前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルス内ですでに出力したサンプリング同期パルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数の合計を差し引いたパルス数と、
    前記第1のパルス内でサンプリングすべき残りの数と、
    に基づいて、前記サンプリング周期を計算する請求項3に記載のサンプリング同期方法。
  5. 前記サンプリング同期ステップでは、
    前記過去の第1のパルスに含まれる前記第2のパルスの合計の誤差が所定範囲を超えているか判定し、当該範囲を超えている場合には、前記サンプリング同期装置の内部に設けられた第3のパルス生成部が出力する第3のパルスを前記第1のパルスの代わりに用いて、前記第2のパルスを当該第3のパルスに同期させる請求項3〜4のいずれかに記載のサンプリング同期方法。
  6. 前記サンプリング同期パルスに基づいて、所定の計測値をサンプリングし、そのサンプリングデータを出力するサンプリング回路と、
    前記サンプリング同期装置で解析する解析周波数を入力して、前記サンプリング同期装置から出力されたサンプリング同期パルスと解析周波数との比率に基づいて、前記サンプリング同期パルスのエッジの中から選択したサンプリング時点におけるサンプリングデータを抽出する解析回路と、をさらに備えた請求項1,2のいずれかのサンプリング同期装置。
  7. 基準周波数となる第1のパルスを出力する第1のパルス生成部と、
    サンプリング周波数および前記第1のパルスのいずれよりも高い周波数の第2のパルスを出力する第2のパルス生成部と、
    前記第1のパルス生成部が現在受信している第1のパルスより前に受信した、過去の第1のパルスの周期に含まれる前記第2のパルスの数に基づいて、前記第2のパルスの数を単位とするサンプリング周期を計算し、サンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期回路と、を備え、
    前記サンプリング同期回路は、前記第1のパルスのエッジを開始点としてサンプリング同期パルスを出力するサンプリング同期装置。
  8. 前記サンプリング同期回路は、前記サンプリング周期の計算値を、前記第2のパルスの数または半波長のパルス数を単位とする値に丸め込んだ値とし、当該丸め込んだ値に基づいて、前記第2のパルスのうち、立ち上がりまたは立ち下りのエッジに同期して、サンプリング同期パルスを出力する請求項1、請求項2、請求項7のいずれかに記載のサンプリング同期装置。
  9. 前記サンプリング同期回路は、前記第2のパルスについて立ち下がりまたは立ち上がりのエッジ点のうち、前記第1のパルスのエッジ点に直近のエッジ点を前記開始点としてサンプリングを開始する請求項1、請求項2、請求項7、請求項8のいずれかに記載のサンプリング同期装置。
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