JP5142099B2 - エレベータの脱レール検知装置 - Google Patents

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本発明は、エレベータの脱レールを検知する装置に関する。
エレベータは、乗りかごと、つり合いおもりとを備える。この乗りかご及びつり合いおもりは、それぞれガイド部であるガイドシューを備え、昇降路内に延設されたガイドレールに案内されて昇降路内を昇降動作する。
例えば地震が発生した時などに、ガイドレールが撓み、つり合いおもりや乗りかごのガイド部がガイドレールから外れてしまういわゆる脱レールが生じることがある。この脱レールが生じている状態でエレベータの高速運転を再開すると、つり合いおもりや乗りかごが大きく揺れたり回転したりするおそれがある。
特許文献1には、エレベータの脱レールを検知する脱レール検知装置が開示されている。この脱レール検知装置は、ガイドレールと平行に張られた導線と、乗りかご又はつり合いおもりに取り付けられてエレベータの昇降とともに上記導線に対して近接して平行に移動する感知体と、上記導線と上記感知体が一定時間以上接触したときに出力を発生する遅延回路とを備える。
特開昭53−91250号公報
上記特許文献に記載の脱レール検知装置は、昇降路の最上部から最下部に亘って導線を張設する必要があり、取付け作業が大変である。さらに上記脱レール検知装置によれば、脱レールが発生していない状態でも、風圧による建物のわずかな揺れや、エレベータの走行風圧による導線の揺れ、ガイドレールの撓み、又はつり合いおもりや乗りかごの振動により導線と感知体が接触してしまい、脱レールを誤検知することが考えられる。
本発明は、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置を提供することにある。
本発明の一つの形態に係る脱レール検知装置は、鉛直方向に沿って昇降路内に延設された一対のガイドレールと、このガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降動作する走行体とを備えたエレベータに設けられる脱レール検知装置であって、上記昇降路の全長の一部領域に設けられ、上記走行体が脱レールした時に、上記走行体の一部を覆うように配置されるブラケットと、上記走行体の脱レール状態を検出する検出部とを具備する。上記ブラケットは、一方のガイドレールから他方のガイドレールに向かう方向に沿って突出する一対の突出部を有し、この一対の突出部は、その突出方向と直交する方向に沿って上記ガイドレールの両側に分かれて配置される。
本発明の一つの態様によれば、上記エレベータは、異常停止から復旧する際に上記走行体を通常運転時よりも低速で走行させる診断運転を行い、上記ブラケットは、上記走行体が脱レールした時に上記走行体と鉛直方向に重なり、上記検出部は、上記診断運転における上記走行体と上記ブラケットとの接触の有無に基づいて上記走行体の脱レール状態を検出する。
本発明の一つの態様によれば、上記検出部は、上記走行体を昇降させる巻上機のトルク変動に基づいて上記走行体と上記ブラケットとの接触の有無を検出する。上記ブラケットは、上記昇降路内において、最上位置にある上記走行体に隣り合う第1の領域と最下位置にある上記走行体に隣り合う第2の領域とによって形成される昇降路端部領域にのみ設けられる。
本発明の一つの態様によれば、上記走行体は、上記ガイドレールに沿って摺動可能なガイド部を該走行体の上端部と下端部とにそれぞれ備え、上記ブラケットは、上記第1の領域と上記第2の領域とにそれぞれ設けられるとともに、上記第1の領域に設けられるブラケットは、最上位置にある上記走行体の下端部側の上記ガイド部に隣り合うように配置され、上記第2の領域に設けられるブラケットは、最下位置にある上記走行体の上端部側のガイド部に隣り合うように配置される。
本発明の一つの態様によれば、上記ブラケットの突出部は、上記走行体が脱レールして上記ガイド部の側面が上記ガイドレールに接触する時に、上記ガイド部と鉛直方向に重なるように設けられる。また別の態様によれば、上記走行体は、つり合いおもりであり、内部にウエイトが積載される枠部材と、上記枠部材と上記ガイドレールとの間に設けられるとともに上記ガイドレールに沿って摺動可能なガイド部とを備え、上記ブラケットの突出部は、上記走行体が脱レールした時に、上記枠部材と鉛直方向に重なるように設けられる。
本発明の一つの態様によれば、上記エレベータは、上記昇降路の壁に設置されるとともに上記ガイドレールを固定するレールブラケットを備え、上記ブラケットは、上記レールブラケットに隣接して設けられる。また別の態様によれば、上記エレベータは、上記ガイドレールを構成する複数のレール部材を繋ぎ合わせるガイドレール繋目板を備え、上記ブラケットは、上記ガイドレール繋目板に共締めされる。
本発明の一つの態様によれば、上記検出部は、上記ブラケットに取り付けられるとともに、脱レールした上記走行体が上記診断運転時に接触するスイッチを備え、このスイッチの作動状態に基づいて上記走行体と上記ブラケットとの接触の有無を検出する。
本発明の一つの態様によれば、板状部材を備え、上記ブラケットは、一対のガイドレールの同じ高さ位置にそれぞれ設けられるとともに、一方のガイドレールに設けられるブラケットの一つの突出部と、他方のガイドレールに設けられるブラケットの一つの突出部との間に上記板状部材が渡される。
本発明の一つの態様によれば、上記ブラケットは、上記第1の領域と上記第2の領域とにそれぞれ設けられるとともに、上記第1の領域に設けられるブラケットと上記ガイドレールの上端部との間にはワイヤー状部材が張設され、上記第2の領域に設けられるブラケットと上記ガイドレールの下端部との間にはワイヤー状部材が張設される。
また別の態様によれば、上記ブラケットは、上記第1の領域と上記第2の領域とにそれぞれ設けられるとともに、上記第1の領域に設けられるブラケットは、上記ガイドレールの上端部まで延び、上記第2の領域に設けられるブラケットは、上記ガイドレールの下端部まで延びる。
この場合、一つの態様によれば、上記第1の領域に設けられる上記ブラケットは、上方に進むに従い上記一対のガイドレールの間の中心に向いて張り出すくさび状に形成され、上記第2の領域に設けられるブラケットは、下方に進むに従い上記一対のガイドレールの間の中心に向いて張り出すくさび状に形成される。さらに別の態様によれば、上記ブラケットは、上記ガイドレールの延伸方向に沿って凹凸形状が設けられる。
本発明の一つの形態によれば、上記検出部は、光検出器と、この光検出器に向けて投光する光電管とを備え、この光電管は、上記ブラケットのなかで上記走行体が脱レールした時に上記走行体に対向する領域に配置され、上記検出部は、上記光電管から上記光検出器に達する光の有無に基づいて上記走行体の脱レール状態を検出する。
本発明によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図1ないし図31を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施形態に係るエレベータ1について、図1ないし図7を参照して説明する。図1は、エレベータ1を概略的に示す。図1に示すように、エレベータ1は、昇降路2内に配置された乗りかご3とつり合いおもり4とを備える。乗りかご3及びつり合いおもり4は、それぞれ本発明でいう走行体の一例である。
昇降路2内には、乗りかご3を案内する一対のガイドレール5a,5b(いわゆるメインレール)と、つり合いおもり4を案内する一対のガイドレール6a,6b(いわゆるカウンターレール)とが、それぞれ鉛直方向に沿って延設されている。
昇降路2の上方には機械室8が設けられている。この機械室8には、巻上機9が設置されるとともに、例えばエレベータ1を制御する制御装置10が設けられている。巻上機9は、メインシーブ12と、このメインシーブ12を回転駆動するモータ13と備える。メインシーブ12には、メインロープ14が巻き掛けられている。このメインロープ14の一端には、乗りかご3が懸吊されている。また、メインロープ14の他端には、つり合いおもり4が懸吊されている。これにより、巻上機9を駆動することでガイドレール5a,5b,6a,6bに沿って乗りかご3及びつり合いおもり4が互いに反対方向に昇降動作する。
乗りかご3の下端部とつり合いおもり4の下端部との間には、昇降路2の下部に設けられたコンペンシーブ15を介してコンペンロープ16が取り付けられている。コンペンロープ16は、乗りかご3の位置によるメインロープ14の質量の変化を打ち消すために設けられている。また昇降路2内には、ガバナー17とガバナテンショナー18との間に掛け渡されたガバナロープ19が垂れ下がっている。
エレベータ1には、乗りかご3やつり合いおもり4といった走行体の脱レールを検知する脱レール検知装置21が設けられる。本発明に係る脱レール検知装置21は、乗りかご3及びつり合いおもり4のいずれにも適用可能であるが、本実施形態ではつり合いおもり4に適用された脱レール検知装置21を代表して取り上げて詳しく説明する。
図2および図3は、つり合いおもり4の正面図を示す。なおこれらの図では、説明を簡単にするためメインロープ14などは省略されている。図3に示すように、つり合いおもり4は、枠部材23、ウエイト24、およびガイド部の一例としてのガイドシュー25,26を有する。枠部材23は、一対のガイドレール6a,6bの間に配置されている。枠部材23は、鉛直方向に延びる一対の縦材23aと、この一対の縦材23aの下端部同士の間に水平方向に渡された下梁23bとを備えるとともに、これら縦材23aと下梁23bとが組み立てられ、その内側にウエイト24が積載されている積載部を形成している。
図3に示すように、つり合いおもり4には、第1および第2のガイドシュー25,26が設けられている。一対の第1のガイドシュー25は、枠部材23の上端部の両側部に設けられ、枠部材23とガイドレール6a,6bとの間に配置されている。一対の第2のガイドシュー26は、枠部材23の下端部の両側部に設けられ、枠部材23とガイドレール6a,6bとの間に配置されている。
第1および第2のガイドシュー25,26は、それぞれガイドレール6a,6bに沿って摺動可能である。詳しく述べると、本実施形態に係る第1および第2のガイドシュー25,26は、ガイドレール6a,6bに遊嵌しており、ガイドレール6a,6bに対して滑軸受として機能する。なお第1および第2のガイドシュー25,26としては、これに代えて例えばローラータイプのガイドシューであってもよい。
次に、脱レール検知装置21について詳しく説明する。脱レール検知装置21は、検出用構造体であるブラケット31と、検出部32とを備える。なお本明細書でいう「ブラケット」とは、ガイドレールや昇降路の壁に取り付けられるとともに昇降路内に突出する部材を全て含み、例えば何かを支持するために設けられる部材に限定されるものではない。
ブラケット31は、例えば昇降路2の全長の一部領域に設けられている。図2に示すように、ブラケット31は、例えば各ガイドレール6a,6bに対してそれぞれ二つずつ設けられている。この二つのブラケット31は、鉛直方向に沿って互いに離間して設けられている。ブラケット31は、例えば金属で形成されており、比較的高い剛性を有する剛体部材である。なお本明細書でいう「剛体部材」とは、エレベータの走行風圧程度の力では変形しない部材をいう。
図4および図5は、ブラケット31の水平断面図を示す。図4は、つり合いおもり4に脱レールが生じていない通常運転時の状態を示す。図4に示すように、ブラケット31は、つり合いおもり4の通常運転時の通り道を外れた領域に突出している。なお、つり合いおもり4の通常運転時の通り道とは、通常運転においてつり合いおもり4が通過する空間を指し、通常運転時につり合いおもり4の水平投影面に重なる領域をいう。ブラケット31がつり合いおもり4の通常運転時の通り道を外れた領域に突出しているため、この状態でつり合いおもり4が昇降してもつり合いおもり4はブラケット31に接触しない。
ブラケット31は、一例として、日本語片仮名の「コ」の字形に形成されている。詳しくは、ブラケット31は、固定部34と、一対の突出部35,36とを有する。固定部34は、平板状に形成されるとともに、レールクリップ37によって例えばガイドレール6a,6bの背面38に固定される。なおガイドレール6a,6bの背面38とは、つり合いおもり4に臨む側とは反対側の面である。
一対の突出部35,36は、一方のガイドレール6aから他方のガイドレール6bに向かう方向(以下、X方向と呼称)に沿って、一対のガイドレール6a,6bの間の中心に向いて突出している。一対の突出部35,36は、その突出方向と直交する方向(以下、Y方向と呼称)に沿ってガイドレール6a,6bの両側に分かれて配置されている。突出部35,36は、X方向に沿って、ガイドレール6a,6bに対向するガイドシュー25,26の外側面S1よりもガイドレール6a,6bの間の中心側に突出している。
一方、図5は、つり合いおもり4に脱レールが生じている状態を示す。図5に示すように、ブラケット31は、つり合いおもり4が脱レールした時に、つり合いおもり4の一部を覆うように配置されている。つり合いおもり4に脱レールが生じた時、上記通り道から逸れたつり合いおもり4がブラケット31に対向する。本実施形態では、つり合いおもり4がブラケット31に対して鉛直方向に重なる。すなわち図5に示すように、つり合いおもり4とブラケット31とが水平投影面内で互いに重なる。この状態でつり合いおもり4が昇降すると、つり合いおもり4がブラケット31に接触する。
図4に示すように、ガイドレール6a,6bは、ガイドシュー25,26が遊嵌する案内部42を有する。つり合いおもり4は一対のガイドレール6a,6bの間の中心、および枠部材23の幅W方向の中心でメインロープ14に吊り下げられているため、図5に示すように、脱レールが生じたつり合いおもり4のガイドシュー25,26は、その側面S2がガイドレール6a,6bの案内部42に接触する。
例えば本実施形態では、Y方向に沿う案内部42と突出部35,36との間の幅W1が、Y方向に沿うガイドシュー25の幅W2よりも小さく設定されている。このような形状を有すると、ガイドシュー25,26の側面S2がガイドレール6a,6bと接触する時に、ブラケット31の一対の突出部35,36のいずれかがガイドシュー25,26と鉛直方向に重なる。すなわちこの状態でつり合いおもり4が昇降すると、第1および第2のガイドシュー25,26のいずれかがブラケット31に接触する。
次に、エレベータ1の制御装置10について詳しく説明する。図6に示すように、制御装置10は、運転制御部51、速度指令部52、速度検出部53、速度制御部54、電流制御部55、電流検出器56、および地震感知器57を有する。運転制御部51は、エレベータ全体の運転制御を行う。速度指令部52は、運転制御部51の制御の下で、所定の走行パターンに従った速度指令値を出力する。速度検出部53は、モータ13の回転速度を検出する。速度制御部54は、速度指令部52からの速度指令値と速度検出部53が検出した速度値との偏差を求め、この偏差がなくなるようにモータ13のトルク指令値を出力する。
電流制御部55は、速度制御部54から出力されたトルク指令値に基づいて、モータ13に供給する電流値を決定する。電流検出器56は、モータ13への供給電流値を検出して電流制御部55にフィードバックする。電流制御部55では、この電流検出器56によって検出された電流値が目標値となるようにモータ13へ供給する電流をコントロールする。
このような構成において、エレベータの通常運転中に地震感知器57によって所定レベル以上の地震が検出されると、運転制御部51は、通常運転から管制運転に切り換えて乗りかご3を最寄階で停止させ、そこで乗客を降車させる。
エレベータ1は、上記のような異常停止から復旧する際に、自動復旧のオペレーションとして診断運転を行う。診断運転とは、点検運転などとも呼ばれ、乗りかご3およびつり合いおもり4を通常運転時よりも低速である所定の速度で例えば一往復させて、その間に機器類の異常などを点検するための特殊な運転である。
脱レール検知装置21は、つり合いおもり4がブラケット31に対向する時に、その旨(すなわちつり合いおもり4がブラケット31に対向すること)を検出する検出部32を備える。すなわち検出部32は、つり合いおもり4の脱レール状態を検出する。検出部32は、例えば診断運転におけるつり合いおもり4とブラケット31との接触の有無に基づいて、ブラケット31がつり合いおもり4の一部を覆っているか否かを検出し、つり合いおもり4の脱レール状態を検出する。本実施形態では、この診断運転時におけるモータ13のトルクの変化を監視し、トルク変動の異常に基づいてつり合いおもり4とブラケット31との接触の有無を検出する。
具体的な一例としては、図6に示すように、検出部32は、トルク指令検出部61、閾値バンド幅設定部62、異常検出閾値設定部63、トルク異常判定部64、および診断走行指令部65を有する。トルク指令検出部61は、速度制御部54が出力するトルク指令値を検出する。閾値バンド幅設定部62は、トルク異常を検出するための閾値のバンド幅を設定する。異常検出閾値設定部63は、乗りかご3のゼロ速度時にトルク指令検出部61によって検出されるトルクを基準にして、閾値バンド幅設定部62にて設定されたバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定する。
トルク異常判定部64は、トルク指令検出部61によって検出されるトルクを監視し、異常検出閾値設定部63によって設定された閾値と比較することでトルク異常を検出する。診断走行指令部65は、トルク異常判定部64の判定結果に基づいて診断運転時の走行を制御し、トルクの異常が検出された場合には診断運転を中止して乗りかご3を強制停止する指令を速度司令部52に出力する。
以下に、このトルク異常の検出方法について詳しく説明する。
まず、診断運転が開始された際に、速度指令部52にてゼロ速度指令を出力し、そのときに速度制御部54から出力されるトルクを検出する。ゼロ速度指令が出力された状態では、図示せぬモータ13のブレーキだけが開いている。このとき、速度制御によって乗りかご3のゼロ速度を保とうとするトルクが発生する。このトルクは、乗りかご3を停止させるためだけに出力されているトルクであり、いわゆる荷重補償トルク(TmWeight)である。
このようにして得られる荷重補償トルク(TmWeight)に、閾値バンド幅設定部62にて設定されるバンド幅(TmBAND)を加減算することで、トルク異常を判定するための上下の閾値を設定する。なお、上記バンド幅(TmBAND)は、予め実験を繰り返すことにより最適な値に設定されている。
ここで、上側の閾値をTMER_U、下側の閾値をTMER_Lとすると、以下の式(1),(2)で表せる。
TMER_U=TmWeight+TmBAND …(1)
TMER_L=TmWeight−TmBAND …(2)
診断運転時において、乗りかご3を走行させるために得られるトルクが上側の閾値(TMER_U)あるいは下側の閾値(TMER_L)を超えた場合にトルク異常と判定する。トルク異常の場合には、診断運転が直ちに中止され、乗りかご3が強制停止される。
次に、つり合いおもり4の脱レールを検知する動作を説明する。
図7は第1の実施形態における制御装置10による診断運転時の動作を示すフローチャートである。なお、診断運転時には、乗りかご3に乗客は乗っていないものとする。運転制御部51によって診断運転に切り換えられると、まず、速度指令部52からゼロ速度指令が出力される(ステップA11)。このとき、トルク指令検出部61にて、速度制御部54から出力されるトルク指令が荷重補償トルク(TmWeight)として検出される(ステップA12)。
ここで、異常検出閾値設定部63では、乗りかご3のゼロ速度時に得られた荷重補償トルク(TmWeight)に、閾値バンド幅設定部62によって設定された異常検出閾値のバンド幅(TmBAND)を加減算することにより、上側の閾値(TMER_U)と下側の閾値(TMER_L)を設定する(ステップA13)。
その後、乗りかご3が診断運転の速度パターンに従って走行を開始し、トルク異常判定部64によってトルク異常の判定が開始される。この判定は、走行中にトルク指令検出部61にて検出されるトルク(Tm)と、異常検出閾値設定部63にて設定された異常検出の閾値(TMER_U,TMER_L)とを比較することで行なわれる(ステップA15)。
ここで、走行中のトルク(Tm)が閾値(TMER_U,TMER_L)の範囲内であれば(ステップA15のNo)、脱レールのおそれなしと判定される(ステップA16)。これにより、乗りかご3はそのまま診断運転の速度パターンに従って減速停止する(ステップA17)。
一方、つり合いおもり4に脱レールが生じていると、つり合いおもり4とブラケット31とが鉛直方向に重なっており、診断運転中にブラケット31とつり合いおもり4との間に接触が生じる。ブラケット31とつり合いおもり4との間に接触が生じると、閾値(TMER_U,TMER_L)を超える大きなトルクが生じることになる。検出部32は、閾値(TMER_U,TMER_L)を超える大きなトルクが検出されると(ステップA15のYes)、脱レールのおそれありと判定する(ステップA18)。これにより脱レールが検知される。脱レールのおそれありと判定されると、診断走行指令部65によって診断運転は直ちに中止され、乗りかご3が強制停止される(ステップA19)。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、本実施形態によれば、昇降路2の全長の少なくとも一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができる。つまり、脱レール検出用の部材を昇降路2の最上部から最下部に亘り設ける必要が無く、取付け作業の手間が少なくて済む。
また、昇降路2内の全長のなかで一部の領域に設けられたブラケット31によれば、風圧による建物のわずかな揺れや、エレベータの走行風圧による導線の揺れ、ガイドレール6a,6bの撓み、又はつり合いおもり4の振動が生じていても、つり合いおもり4とブラケット31が接触するおそれがほとんど無く、脱レールを誤検知するおそれが小さい。これにより、高い検出精度の実現が可能になる。
ブラケット31が剛体部材であると、風圧による建物の揺れやエレベータの走行風圧などによってブラケット31とつり合いおもり4が誤って接触することもないため、脱レールを誤検知するおそれがさらに小さくなる。
ブラケット31がX方向に沿って延びる一対の突出部35,36を有し、この一対の突出部35,36がY方向沿ってガイドレール6a,6bの両側に分かれて配置されていると、つり合いおもり4がY方向に沿ってガイドレール6aのどちらの側に脱線しようと脱レールを確実に検知することができる。これにより、より高い検出精度の実現が可能になる。
脱レールが生じた時にブラケット31とつり合いおもり4とが鉛直方向に重なり、診断運転におけるつり合いおもり4とブラケット31との接触の有無に基づいて脱レールが検知可能であると、例えばつり合いおもり4がブラケット31に対向したこと(すなわちブラケット31がつり合いおもり4の一部を覆ったこと)を検出する検出器を別に設ける必要がなくなる。これにより、脱レール検知装置21の構造を簡単にすることができる。
巻上機9のトルク変動に基づいてつり合いおもり4とブラケット31との接触の有無が検出可能であると、例えば接触を検出するためのスイッチなどをブラケット31に設けることなくつり合いおもり4とブラケット31との接触を容易に検出することができる。これにより、脱レール検知装置21の構造をさらに簡単にすることができる。
つり合いおもり4に脱レールが生じてガイドシュー25,26の側面S2がガイドレール6a,6bに接触する時にブラケット31の突出部35,36のいずれかがガイドシュー25,26と鉛直方向に重なるように設けられていると、ブラケット31がガイドシュー25,26のいずれかに接触することで脱レールを検知することができる。ブラケット31は、脱レールが生じた時につり合いおもり4の枠部材23に接触するように形成してもよいが、ガイドシュー25,26と接触するように形成するとブラケット31の小型化を図ることができる。
なお本実施形態、および以下に述べる第2ないし第15の実施形態の構成によれば、第1および第2のガイドシュー25,26の両方が脱レールした場合はもちろん、第1および第2のガイドシュー25,26のいずれか一方のみが脱レールした場合も脱レールを検知することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るエレベータ1について、図8ないし図10を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第2の実施形態は、上記第1の実施形態におけるブラケット31の設置位置を特定したものであり、エレベータ1の基本的な構成は上記第1の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを備える。
つり合いおもり4は、昇降路2内において、最上位置と最下位置との間で昇降動作する。詳しくは、乗りかご3が最下階に位置する時、つり合いおもり4は最上位置に位置する。乗りかご3が最上階に位置する時、つり合いおもり4は最下位置に位置する。
図8に示すように、昇降路2内の領域は、最上位置にあるつり合いおもり4に水平方向から隣り合う第1の領域71と、最下位置にあるつり合いおもり4に水平方向から隣り合う第2の領域72とを含む。この第1および第2の領域71,72によって昇降路端部領域73が形成されている。
本実施形態に係るブラケット31は、昇降路2の昇降路端部領域73にのみ設けられている。より詳しくは、ブラケット31は、第1および第2の領域71,72にそれぞれ設けられている。図7に示すように、第1の領域71に設けられたブラケット31は、最上位置にあるつり合いおもり4の第2のガイドシュー26(すなわち下端部側のガイド部)に対して水平方向から隣り合うように配置されている。図8に示すように、第2の領域72に設けられたブラケット31は、最下位置にあるつり合いおもり4の第1のガイドシュー25(すなわち上端部側のガイド部)に対して水平方向から隣り合うように配置されている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
つり合いおもり4に脱レールが生じてガイドシュー25,26の側面S2がガイドレール6a,6bに接触する時にブラケット31の突出部35,36のいずれかがガイドシュー25,26と鉛直方向に重なるように設けられていると、ブラケット31がガイドシュー25,26に接触することで脱レールを検知することができる。
昇降路2内には、メインロープ14、コンペンロープ16、およびガバナロープ19を含む種々のロープ(以下、これらを総称してロープ75と略)が垂れ下がっている(図1参照)。このため、地震発生時にロープ75が振れて、ロープ75がブラケット31に引っ掛かるおそれがある。ロープ75がブラケット31に引っ掛かると、脱レールを復旧させる作業とは別途、ロープ75をブラケット31から取り除く作業などが必要となる。
ここで、メインロープ14は、第1の領域71の近くでメインシーブ12に支持されている。コンペンロープ16は、第2の領域72の近くでコンペンシーブ15に支持されている。ガバナロープ19は、第1の領域71の近くでガバナー17に支持されるとともに、第2の領域72の近くでテンショナー18に支持されている。このためロープ75の両端部は、ロープ75の中央部に比べて地震発生時に振れが発生しにくい。
本実施形態ではブラケット31が、ロープ75が振れにくい昇降路端部領域73にのみ設けられている。このような構成によれば、ロープ75がブラケット31に引っ掛かるおそれを低減することができる。
なお、診断運転において乗りかご3が昇降路2内を一往復するエレベータ1においては、ブラケット31を上記第1および第2の領域71,72のいずれか一方に設ければよい。一方、ブラケット31を第1および第2の領域71,72のそれぞれに設けられると、例えば診断運転において乗りかご3とつり合いおもり4とが一方向のみ走行されるエレベータ1、例えば乗りかご3とつり合いおもり4とが互いに離れる方向にのみ走行されるエレベータ1においても脱レールを確実に検知することができる。
地震発生時には、つり合いおもり4の第1および第2のガイドシュー25,26の両方が脱レールすることもあれば、第1および第2のガイドシュー25,26のいずれか一方のみが脱レールする場合もある。第1の領域71に設けられたブラケット31が最上位置にあるつり合いおもり4の下側のガイドシュー26に隣り合うように配置されていると、上昇するつり合いおもり4の第1および第2のガイドシュー25,26の両方が必ずブラケット31を通過する。
これにより、一つのブラケット31によって第1および第2のガイドシュー25,26の両方の状態を調べることができる。すなわち、第1および第2のガイドシュー25,26のいずれか一方のみが脱レールした場合でも脱レールを確実に検知することができる。
第2の領域72に設けられたブラケット31が最下位置にあるつり合いおもり4の上側のガイドシュー25に隣り合うように配置されていると、下降するつり合いおもり4の第1および第2のガイドシュー25,26の両方が必ずブラケット31を通過するため、第1および第2のガイドシュー25,26のいずれか一方のみが脱レールした場合でも脱レールを確実に検知することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るエレベータ1について、図11を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第3の実施形態は、上記第2の実施形態におけるブラケット31の設置位置をさらに特定したものであり、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを備える。
図11に示すように、昇降路2内には、ガイドレール6a,6bを固定するために昇降路2の壁81に設置されるレールブラケット82が設けられている。このレールブラケット82には、ロープ75が引っ掛からないように例えば昇降路2の全高に亘り鉛直方向に保護線83が張られている。保護線83は、例えばレールブラケット82の突出先端部に設けられている。
本実施形態においてブラケット31は、上記レールブラケット82に隣接して設けられている。すなわちブラケット31は、レールブラケット82の直上または直下に取り付けられている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
ブラケット31がレールブラケット82に隣接して設けられていると、ブラケット31がレールブラケット82や保護線83になどによってガードされ、地震発生時に揺れたロープ5がブラケット31に引っ掛かりにくい。すなわち、ロープ75がブラケット31に引っ掛かるおそれをさらに低減することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るエレベータ1について、図12を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第4の実施形態は、上記第2の実施形態におけるブラケット31の設置位置をさらに特定したものであり、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを備える。
図12に示すように、昇降路2内には、ガイドレール6a,6bを構成する複数のレール部材を互いに継ぎ合わせるガイドレール継目板91が設けられている。ガイドレール継目板91は、複数のレール部材の端部に亘るとともに、それぞれのレール部材に対して例えばボルトのような固定部材92で固定されている。これにより複数のレール部材が互いに継ぎ合わされてガイドレール6a,6bを形成している。
本実施形態においてブラケット31は、上記ガイドレール継目板91に対向して設けられるとともに、ガイドレール継目板91をガイドレール6a,6bに固定する固定部材92によってガイドレール継目板91と共締めされている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
ブラケット31がガイドレール継目板91と共締めされていると、必要なレールクリップ37の数を減らすことができ、エレベータ1のコストダウンを図ることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るエレベータ1について、図13ないし図16を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第5の実施形態は、検出部32の構成が上記第2の実施形態と異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31を備える。
本実施形態に係る検出部32は、接触スイッチ101(以下、単にスイッチ101と呼称)を有する。図13および図14に示すように、接触スイッチ101は、ブラケット31に設けられている。スイッチ101は、本体部102と、この本体部102に対して進退するスイッチトップ103を有する。スイッチトップ103が本体部102に向けて押し込まれると、スイッチ101が作動する。
図13および図14に示すように、第1の領域71に設けられたスイッチ101は、スイッチトップ103を下方に向けて配置されている。図15に示すように、スイッチトップ103の下端は、ブラケット31の下面31aよりも下方に突出している。このようなスイッチ101によれば、脱レールが生じた状態のつり合いおもり4が上昇して来た時、つり合いおもり4がスイッチトップ103に接触してスイッチ101が切られ、これによりつり合いおもり4が停止する。
一方、第2の領域72に設けられたスイッチ101は、スイッチトップ103を上方に向けて設けられている。図16に示すように、スイッチトップ103の上端は、ブラケット31の上面31bよりも上方に突出している。このようなスイッチ101によれば、脱レールが生じた状態のつり合いおもり4が下降して来た時、つり合いおもり4がスイッチトップ103に接触してスイッチ101が切られ、これによりつり合いおもり4が停止する。
ここで、図15に示すように、第1の領域71に設けられたスイッチ101は、スイッチトップ103が全ストローク押し込まれる前につり合いおもり4がブラケット31に接触するように、本体部102がブラケット31の下面31aから上方に一段下げて配置されている。図16に示すように、第2の領域72に設けられたスイッチ101は、スイッチトップ103が全ストローク押し込まれる前につり合いおもり4がブラケット31に接触するように、本体部102がブラケット31の上面31bから下方に一段下げて配置されている。
本実施形態に係る検出部32は、診断運転時におけるスイッチ101の作動状態に基づいて脱レール状態を検出する。すなわち、診断運転においてスイッチ101が作動すると、つり合いおもり4とブラケット31との間の接触を認定し、つり合いおもり4がブラケット31に対向しているものとして脱レールのおそれありと判定する。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
スイッチ101を用いると、つり合いおもり4とブラケット31との間の接触を機械的に確実に検出することができるため、誤検知のおそれがさらに小さくなり、より高い検出精度の実現が可能となる。スイッチ101がスイッチトップ103が全ストローク押し込まれる前につり合いおもり4がブラケット31に接触するように配置されていると、スイッチ101の故障や破損を防止することができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るエレベータ1について、図17ないし図18を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第6の実施形態は、ブラケット31の形状が上記第2の実施形態と異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じ検出部32を備える。
図17に示すように、ブラケット31の突出部35,36は、つり合いおもり4の枠部材23の側面S3に対向する領域まで突出している。図18に示すように、ブラケット31の一対の突出部35,36は、ガイドシュー25,26の側面S2がガイドレール6a,6bと接触する時に、つり合いおもり4の枠部材23と鉛直方向に重なるように設けられている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
つり合いおもり4に脱レールが生じてガイドシュー25,26の側面S2がガイドレール6a,6bに接触する時にブラケット31の突出部35,36のいずれかがつり合いおもり4の枠部材23と鉛直方向に重なるように設けられていると、ブラケット31が枠部材23に接触することで脱レールを検知することができる。
枠部材23は、ガイドシュー25,26に比べて大きく、さらにガイドシュー25,26が有するような溝部も無いため、ブラケット31と枠部材23とが接触しやすく、脱レールした時により精度よく当該脱レールを検知することができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係るエレベータ1について、図19および図20を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第7の実施形態は、上記第2の実施形態におけるブラケット31に対して追加部材を加えてものであり、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを備える。
図19に示すように、図中左方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部35と、図中右方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部35との間に渡された板状部材111を備える。さらに、図中左方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部36と、図中右方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部36との間に渡された板状部材112を備える。
このように、左右のガイドレール6a,6bの同じ高さ位置に設置された二つのブラケット31と、二つの板状部材111,112とが協働してガイドレール6a,6bを取り囲む枠体114を形成している。板状部材111,112は、つり合いおもり4の通常運転時の通り道を外れた領域に位置している。板状部材111,112は、ブラケット31に対して例えばボルト固定されている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
図20に示すように、脱レールが生じたつり合いおもり4は、ガイドレール6a,6bから外れて回転するおそれがある。本実施形態のように、一方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部35と、他方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部35との間に板状部材111が渡されていると、つり合いおもり4が回転してブラケット31に接触しない状態でも、つり合いおもり4が板状部材111に接触するので、脱レールをより確実に検出することができる。なお、本実施形態では板状部材111,112を二つ備えているが、少なくとも一つ備えれば上記効果を奏することができる。
一方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部35と、他方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部35との間に板状部材111が渡されていると、地震発生時に振れたロープ75がブラケット31に引っ掛かりにくくなる。特に、二つの板状部材111,112を備えて枠体114が形成されていると、ロープ75がブラケット31に引っ掛かるおそれがさらに低減される。
一方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部35と、他方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部35との間に板状部材111が渡されていると、ガイドレール6a,6bが撓み難くなるので、脱レールの発生自体が抑制される。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態に係るエレベータ1について、図21および図22を参照して説明する。なお第1、第2および第7の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第8の実施形態は、上記第2の実施形態に対してブラケット31の形状が異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じ検出部32を備える。
図21に示すように、図中左方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部35と、図中右方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部35との間に渡された板状部材111を備える。ブラケット31の他方の突出部36は、一方のガイドレール6aから他方のガイドレール6bに向かう方向に対して傾いた方向に突出している。例えば一方の突出部35は、固定部34に対して直角方向に突出しているのに対し、他方の突出部36は、一対のガイドレール6a,6bの内側方向に進むに従い一方の突出部35との間の間隔が広がるように傾斜している。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。本実施形態のように、一方のガイドレール6aに設けられたブラケット31の一つの突出部35と、他方のガイドレール6bに設けられたブラケット31の一つの突出部35との間に板状部材111が渡されていると、上記第7の実施形態と同様の効果を奏することができる。
例えばガイドレール6a,6bに遊嵌する溝部121がガイドシュー25,26に形成されている場合、第1の実施形態に係るブラケット31の形状では突出部35,36がガイドシュー25,26の溝部121にはまってしまう可能性がある。
一方、本実施形態に係るブラケット31のように、ブラケット31の突出部36が一方のガイドレール6aから他方のガイドレール6bに向かう方向に対して傾いた方向に突出していると、この突出部36がガイドシュー25,26の溝部121にはまるおそれが無く、脱レールをより確実に検知することができる。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態に係るエレベータ1について、図23および図24を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第9の実施形態は、上記第2の実施形態に対して追加部材を加えてものであり、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを備える。
図23に示すように、本実施形態では、さらにガイドレール6a,6bの上端部と下端部とにそれぞれブラケット125が設けられている。このブラケット125は、例えばブラケット31と同じ形状を有する。図24に詳しく示すように、ブラケット31の突出部35,36およびブラケット125の突出部35,36には、穴126が設けられている。図23に示すように、この穴126を利用して、第1の領域71に設けられたブラケット31の突出部35,36と、ガイドレール6a,6bの上端部に設けられたブラケット125の突出部35,36との間にワイヤー状部材127が張設されている。これにより、第1の領域71に設けられたブラケット31とガイドレール6a,6bの上端部との間にはガイドレール6a,6bに沿ってワイヤー状部材127が延びている。
一方、上記穴126を利用して、第2の領域に設けられたブラケット31の突出部35,36と、ガイドレール6a,6bの下端部に設けられたブラケット125の突出部35,36との間にワイヤー状部材127が張設されている。これにより、第2の領域72に設けられたブラケット31とガイドレール6a,6bの下端部との間にはガイドレール6a,6bに沿ってワイヤー状部材127が延びている。
なおワイヤー状部材とは、ワイヤーおよびロープを含む。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
第1の領域71に設けられたブラケット31とガイドレール6a,6bの上端部との間にはワイヤー状部材127が張設され、第2の領域72に設けられたブラケット31とガイドレール6a,6bの下端部との間にはワイヤー状部材127が張設されていると、ロープ75の引っ掛かりの原因となる凸部がなくなり、ロープ75がブラケット31に引っ掛かるおそれが低減される。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態に係るエレベータ1について、図25を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第10の実施形態は、上記第2の実施形態に対してブラケット31の形状が異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じ検出部32を備える。
第1の領域71に設けられたブラケット31の突出部35,36は、最上位置にあるつり合いおもり4の下端部側のガイドシュー26に隣り合う位置からガイドレール6a,6bの上端部まで延びている。第2の領域72に設けられたブラケット31の突出部35,36は、最下位置にあるつり合いおもり4の上端部側のガイドシュー25に隣り合う位置からガイドレール6a,6bの下端部まで延びている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
第1の領域71に設けられたブラケット31がガイドレール6a,6bの上端部まで延びており、第2の領域72に設けられたブラケット31がガイドレール6a,6bの下端部まで延びていると、ロープ75の引っ掛かりの原因となるブラケットの端部がなくなり、ロープ75がブラケット31に引っ掛かるおそれが低減される。
(第11の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態に係るエレベータ1について、図26を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第11の実施形態は、上記第2の実施形態に対してブラケット31の形状が異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じ検出部32を備える。
第1の領域71に設けられたブラケット31の突出部35,36は、最上位置にあるつり合いおもり4の下端部側のガイドシュー26に隣り合う位置からガイドレール6a,6bの上端部まで延びている。第2の領域72に設けられたブラケット31の突出部35,36は、最下位置にあるつり合いおもり4の上端部側のガイドシュー25に隣り合う位置からガイドレール6a,6bの下端部まで延びている。
第1の領域71に設けられたブラケット31の突出部35,36は、上方に進むに従い一対のガイドレール6a,6bの間の中心に向いて張り出すくさび状に形成されている。第2の領域72に設けられたブラケット31の突出部35,36は、下方に進むに従い一対のガイドレール6a,6bの間の中心に向いて張り出すくさび状に形成されている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
第1の領域71に設けられたブラケット31が上方に進むに従い一対のガイドレール6a,6bの中心方向に向いて張り出すくさび状に形成されており、第2の領域72に設けられたブラケット31が下方に進むに従い一対のガイドレール6a,6bの中心方向に向いて張り出すくさび状に形成されていると、脱レールが生じたつり合いおもり4がブラケット31に接触する時、最初の緩衝の度合いが小さいので急激な衝突を避けることができる。さらにブラケット31が傾斜しているため、巻上機9に加わるトルクが除々に変動し、検出部32はトルク変動に基づいてブラケット31とつり合いおもり4との間の接触を検出することができる。
(第12の実施形態)
次に、本発明の第12の実施形態に係るエレベータ1について、図27を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第12の実施形態は、上記第2の実施形態に対してブラケット31の形状が異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じ検出部32を備える。
第1の領域71に設けられたブラケット31の突出部35,36は、最上位置にあるつり合いおもり4の下端部側のガイドシュー26に隣り合う位置からガイドレール6a,6bの上端部まで延びている。第2の領域72に設けられたブラケット31の突出部35,36は、最下位置にあるつり合いおもり4の上端部側のガイドシュー25に隣り合う位置からガイドレール6a,6bの下端部まで延びている。ブラケット31の突出部35,36には、ガイドレール6a,6bの延伸方向に沿って凹凸形状が設けられている。凹凸形状は、例えばブラケット31の一端から他端まで設けられている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
ブラケット31にガイドレール6a,6bの延伸方向に沿う凹凸形状が設けられていると、脱レールが生じた時に巻上機9に加わるトルクが上記凹凸形状に対応した特定のパターンに従って変動するので、ブラケット31とつり合いおもり4との間の接触をより確実に検出することができる。
(第13の実施形態)
次に、本発明の第13の実施形態に係るエレベータ1について、図28を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第13の実施形態は、上記第2の実施形態に対してブラケット31の取付構造が異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを備える。
図28は、第1の領域71に設けられたブラケット31を示す。ブラケット31には、取り付け用の長穴131が形成されている。この長穴131の長手は、鉛直方向に沿っている。ブラケット31は、この長穴131の上端部に挿通されたレールクリップまたはボルトのような固定部材132によって取り付けられている。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
ブラケット31が長穴131の上端部に挿通された固定部材132によって取り付けられていると、上昇して来たつり合いおもり4がブラケット31に接触した時、ブラケット31は長穴131の分だけ持ち上がることができる。これにより、つり合いおもり4とブラケット31との間に大きな衝突力が生じることを避けることができ、つり合いおもり4やブラケット31の損傷を防止することができる。なお、第2の領域72に設けられたブラケット31においては、長穴131の下端部に挿通された固定部材132によって取り付けられることで、同様の効果を奏することができる。
(第14の実施形態)
次に、本発明の第14の実施形態に係るエレベータ1について、図29および図30を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第14の実施形態は、上記第2の実施形態に対してブラケット31および検出部32が異なるが、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。
図29に示すように、ブラケット31は、つり合いおもり4の通常運転時の通り道を外れた領域に設けられている。第1の領域71に設けられたブラケット31は、最上位置にあるつり合いおもり4の下端部側のガイドシュー26に対して水平方向から隣り合うように配置されている。第2の領域72に設けられたブラケット31は、最下位置にあるつり合いおもり4の上端部側のガイドシュー25に対して水平方向から隣り合うように配置されている。
ブラケット31は、中央部141と、この中央部141の両端部から延びる一対の張出部142,143とを備える。中央部141は、つり合いおもり4の通り道に水平方向から対向するとともに、ガイドレール6a,6bに固定されている。張出部142,143は、上記通り道に対向しない領域に延びている。一方のガイドレール6aに固定されたブラケット31の張出部142,143は、他方のガイドレール6bに固定されたブラケット31に張出部142,143に対向している。張出部142,143は、脱レールが生じて通常運転時の通り道から逸れたつり合いおもり4に対して水平方向から対向する。張出部142,143は、つり合いおもり4が脱レールした時に、つり合いおもり4の一部を覆うように配置されている。
本実施形態に係る検出部32は、つり合いおもり4がブラケット31の張出部142,143に対向する時にその旨に基づいてつり合いおもり4の脱レール状態を検出するものであって、光電管145と、光検出器146とを含む。光電管145は、一方のガイドレール6aに固定されたブラケット31の一対の張出部142,143にそれぞれ設けられている。光検出器146は、他方のガイドレール6bに固定されたブラケット31の一対の張出部142,143にそれぞれ設けられている。光電管145は、光検出器146に向けて投光する。光検出器146は、光電管145からの光の有無を検出する。
光電管145は、ブラケット31のなかでつり合いおもり4に脱レールが生じた時につり合いおもり4に対向する領域に配置されている。検出部32は、光電管145から光検出器146に達する光の有無に基づいてつり合いおもり4がブラケット31に対向しているか否か、すなわち脱レールが生じているか否かを検出する。つまり、脱レールが生じていない時は光電管145から出た光は光検出器146に入光される。一方、図30に示すように、脱レールが生じると、光電管145から投光された光がつり合いおもり4によって遮られ、光検出器146には光が届かず、検出部32は脱レール状態を検知する。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
光電管145と光検出器146によれば、風圧による建物のわずかな揺れや、エレベータの走行風圧による導線の揺れ、ガイドレール6a,6bの撓み、又はつり合いおもり4の振動が生じていても、脱レールを誤検知するおそれが小さい。これにより、高い検出精度の実現が可能になる。さらに、つり合いおもり4とブラケット31が直接接触しないので、つり合いおもり4およびブラケット31の損傷を防止することができる。
(第15の実施形態)
次に、本発明の第15の実施形態に係るエレベータ1について、図31を参照して説明する。なお第1および第2の実施形態に係るエレベータと同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。この第15の実施形態は、乗りかご3に対して適用された脱レール検知装置21を示し、エレベータ1の基本的な構成は上記第2の実施形態と同じである。すなわち脱レール検知装置21は、第1の実施形態と同じブラケット31と検出部32とを有する。
このような構成の脱レール検知装置21によれば、取付け作業が簡単であり、且つ、高い検出精度を実現可能なエレベータの脱レール検知装置が提供される。すなわち、上記第1の実施形態と同様に、昇降路2の全長のなかの一部の領域に設けられたブラケット31によって脱レールを検知することができるので、取付け作業の手間が少なくて済み、且つ、脱レールを誤検知するおそれが小さい。
なお、ここでは詳しい説明を省略するが、第2ないし第14の実施形態に係る脱レール検知装置21を乗りかご3に適用してもよい。すなわち第2ないし第14の実施形態において、「つり合いおもり4」を「乗りかご3」と、「ガイドレール6a,6b」を「ガイドレール5a,5b」と読み替えることで、第2ないし第14の実施形態を乗りかご3に適用した実施形態を得ることができる。
以上、本発明の第1ないし第15の実施形態に係るエレベータの脱レール検知装置21について説明したが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。各実施形態に係る構成要素は、適宜組み合わせて適用することができる。
第2以降の実施形態では、第1および第2の領域71,72にブラケット31がそれぞれ設けられた場合を示したが、ブラケット31は少なくともいずれか一方の領域に設けられていればよい。また、ブラケット31は、必ずしも昇降路端部領域73に設けられる必要はなく、昇降路端部領域73を外れた領域に設けてもよい。さらに、ブラケット31は、昇降路2の全長に亘って設けてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るエレベータを概略的に示す図。 第1の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 第1の実施形態に係るつり合いおもりの正面図。 第1の実施形態に係るエレベータの通常運転時における図2中F4−F4線に沿う断面図。 第1の実施形態に係るエレベータの脱レールが生じた状態の断面図。 第1の実施形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図。 第1の実施形態に係るエレベータの診断運転時の動作を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 第2の実施形態に係るつり合いおもりの最上位置を示す正面図。 第2の実施形態に係るつり合いおもりの最下位置を示す正面図。 本発明の第3の実施形態に係るエレベータの断面図。 本発明の第4の実施形態に係るエレベータの断面図。 本発明の第5の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 第5の実施形態に係る脱レール検出装置の側面図。 図14中に示されたブラケットの一点鎖線F15で囲まれた領域を拡大して示す側面図。 図14中に示されたブラケットの一点差線F16で囲まれた領域を拡大して示す側面図。 本発明の第6の実施形態に係るエレベータの断面図。 第6の実施形態に係るエレベータの脱レールが生じた状態の断面図。 本発明の第7の実施形態に係るエレベータの断面図。 第7の実施形態に係るエレベータの脱レールが生じた状態の断面図。 本発明の第8の実施形態に係るエレベータの断面図。 第8の実施形態に係るエレベータの脱レールが生じた状態の断面図。 本発明の第9の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 第9の実施形態に係るブラケットの正面図。 本発明の第10の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 本発明の第11の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 本発明の第12の実施形態に係る脱レール検出装置の正面図。 本発明の第13の実施形態に係るブラケットの側面図。 本発明の第14の実施形態に係るエレベータの断面図。 第14の実施形態に係るエレベータの脱レールが生じた状態の断面図。 本発明の第15の実施形態に係るエレベータの断面図。
符号の説明
2…昇降路、5a,5b,6a,6b…ガイドレール、9…巻上機、21…脱レール検知装置、23…枠部材、25,26…ガイドシュー、31…ブラケット、32…検出部、35,36…突出部、71…第1の領域、72…第2の領域、73…昇降路端部領域、82…レールブラケット、91…ガイドレール継目板、92…固定部材、101…接触スイッチ、111,112…板状部材、114…枠体、127…ワイヤー状部材、145…光電管、146…光検出器。

Claims (16)

  1. 鉛直方向に沿って昇降路内に延設された一対のガイドレールと、このガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降動作する走行体とを備えたエレベータに設けられる脱レール検知装置であって、
    上記昇降路の全長の一部領域に設けられ、上記走行体が脱レールした時に、上記走行体の一部を覆うように配置されるブラケットと、
    上記走行体の脱レール状態を検出する検出部と、
    を具備し、
    上記ブラケットは、一方のガイドレールから他方のガイドレールに向かう方向に沿って突出する一対の突出部を有し、この一対の突出部は、その突出方向と直交する方向に沿って上記ガイドレールの両側に分かれて配置されることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  2. 請求項の記載において、
    上記エレベータは、異常停止から復旧する際に上記走行体を通常運転時よりも低速で走行させる診断運転を行い、
    上記ブラケットは、上記走行体が脱レールした時に上記走行体と鉛直方向に重なり、上記検出部は、上記診断運転における上記走行体と上記ブラケットとの接触の有無に基づいて上記走行体の脱レール状態を検出することを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  3. 請求項の記載において、
    上記検出部は、上記走行体を昇降させる巻上機のトルク変動に基づいて上記走行体と上記ブラケットとの接触の有無を検出することを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  4. 請求項の記載において、
    上記ブラケットは、上記昇降路内において、最上位置にある上記走行体に隣り合う第1の領域と最下位置にある上記走行体に隣り合う第2の領域とによって形成される昇降路端部領域にのみ設けられることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  5. 請求項の記載において、
    上記走行体は、上記ガイドレールに沿って摺動可能なガイド部を該走行体の上端部と下端部とにそれぞれ備え、
    上記ブラケットは、上記第1の領域と上記第2の領域とにそれぞれ設けられるとともに、上記第1の領域に設けられるブラケットは、最上位置にある上記走行体の下端部側の上記ガイド部に隣り合うように配置され、上記第2の領域に設けられるブラケットは、最下位置にある上記走行体の上端部側のガイド部に隣り合うように配置されることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  6. 請求項の記載において、
    上記ブラケットの突出部は、上記走行体が脱レールして上記ガイド部の側面が上記ガイドレールに接触する時に、上記ガイド部と鉛直方向に重なるように設けられることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  7. 請求項の記載において、
    上記走行体は、つり合いおもりであり、内部にウエイトが積載される枠部材と、上記枠部材と上記ガイドレールとの間に設けられるとともに上記ガイドレールに沿って摺動可能なガイド部とを備え、
    上記ブラケットの突出部は、上記走行体が脱レールした時に、上記枠部材と鉛直方向に重なるように設けられることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  8. 請求項の記載において、
    上記エレベータは、上記昇降路の壁に設置されるとともに上記ガイドレールを固定するレールブラケットを備え、
    上記ブラケットは、上記レールブラケットに隣接して設けられることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  9. 請求項の記載において、
    上記エレベータは、上記ガイドレールを構成する複数のレール部材を繋ぎ合わせるガイドレール繋目板を備え、
    上記ブラケットは、上記ガイドレール繋目板に共締めされることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  10. 請求項の記載において、
    上記検出部は、上記ブラケットに取り付けられるとともに、脱レールした上記走行体が上記診断運転時に接触するスイッチを備え、このスイッチの作動状態に基づいて上記走行体と上記ブラケットとの接触の有無を検出することを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  11. 請求項の記載において、
    板状部材を備え、
    上記ブラケットは、一対のガイドレールの同じ高さ位置にそれぞれ設けられるとともに、一方のガイドレールに設けられるブラケットの一つの突出部と、他方のガイドレールに設けられるブラケットの一つの突出部との間に上記板状部材が渡されることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  12. 請求項の記載において、
    上記ブラケットは、上記第1の領域と上記第2の領域とにそれぞれ設けられるとともに、上記第1の領域に設けられるブラケットと上記ガイドレールの上端部との間にはワイヤー状部材が張設され、上記第2の領域に設けられるブラケットと上記ガイドレールの下端部との間にはワイヤー状部材が張設されることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  13. 請求項の記載において、
    上記ブラケットは、上記第1の領域と上記第2の領域とにそれぞれ設けられるとともに、上記第1の領域に設けられるブラケットは、上記ガイドレールの上端部まで延び、上記第2の領域に設けられるブラケットは、上記ガイドレールの下端部まで延びることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  14. 請求項1の記載において、
    上記第1の領域に設けられる上記ブラケットは、上方に進むに従い上記一対のガイドレールの間の中心に向いて張り出すくさび状に形成され、上記第2の領域に設けられるブラケットは、下方に進むに従い上記一対のガイドレールの間の中心に向いて張り出すくさび状に形成されることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  15. 請求項1の記載において、
    上記ブラケットは、上記ガイドレールの延伸方向に沿って凹凸形状が設けられることを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
  16. 請求項1の記載において、
    上記検出部は、光検出器と、この光検出器に向けて投光する光電管とを備え、この光電管は、上記ブラケットのなかで上記走行体が脱レールした時に上記走行体に対向する領域に配置され、上記検出部は、上記光電管から上記光検出器に達する光の有無に基づいて上記走行体の脱レール状態を検出することを特徴とするエレベータの脱レール検知装置。
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