JP5142021B2 - 独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体の製造方法と製造装置と独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体 - Google Patents

独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体の製造方法と製造装置と独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体 Download PDF

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Description

この発明は、表示用発光材料、医療用診断材料、高密度磁気記録用材料、NOx分解触媒や光触媒などの各種触媒、燃料電池用のキャパシタや電極材料、回路基板の配線や電極形成や導電性を必要とする微細な配線形成材料として適応可能な独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体の製造方法と製造装置と独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体に関するものである。
近年のナノテクノロジー技術により、金属微粒子を利用する製品の特性や機能に微粒子の粒子径が寄与するというサイズ効果が見出され、粒子径をナノメートルサイズに制御する検討が盛んに行われている。金属微粒子の活用において、金属の特性を利用した応用例としては、研磨剤、光触媒や合成用各種触媒のように既に産業界で応用活用され、信頼性を持って活用されている事例も多い。しかし、この状況に留まらず、金属粒子の粒子径をナノサイズにすることにより、さらに高機能化する試みが継続的に行われており、新たな微粒子合成法に関する検討は今後もナノテクノロジー技術の基盤として位置付けられている。
金属ナノ粒子の用途としては触媒への利用が知られている。具体的には、担体触媒として自動車排ガス処理用触媒、燃料電池用触媒、ハーバー・ボッシュ法用アンモニア合成触媒、水素化触媒および光触媒などがある。触媒として金属が働くのはその表面であるため、金属をナノ粒子化して比表面積を増加させることは触媒活性を大きく向上させる。金属ナノ粒子の粒径と総表面積の関係は、粒子径が10nm以下程度から増大し始め、2nm以下では急激に増大するため、金属はナノ粒子化されることで優れた触媒活性を発現する。
また、その他の金属ナノ粒子の用途候補としては、非特許文献1に示すように、光電変換太陽電池、単電子トランジスタ、高密度磁気メモリー、導電性インク/ペーストなどが挙げられる。これらは金属をナノ粒子化することで表面に存在する原子の割合を極めて多くし、バルクとは異なる金属原子の効果を利用したものであり、ナノ粒子化とその粒径制御が技術の重要な一部分となっている。
小粒径の金属ナノ粒子の製造方法としては、ガス中蒸気法と化学還元法が広く知られている。ガス中蒸気法として、特許文献1には、減圧した系内のヘリウムなどの不活性ガス気流中で銅と分散安定剤を同時に蒸発させ、冷却基板上に銅の金属ナノ粒子を捕集する方法が記載されている。また、化学還元法として、特許文献2には、水相中で銀イオンをアミン系化合物にて還元し、発生させた粒子が高分子分散剤を溶解させた有機相中に捕集されることで銀ナノ粒子を得る技術が開示されている。
特許文献1に示されたガス中蒸気法においては、系内に分散安定剤を溶解させたオイル相を存在させ、そのオイル相に金属粒子を捕集することにより、直接、冷却基板上に金属ナノ粒子を捕集する方法よりも若干の生産性の向上は可能になった。しかし、金属を蒸発させるための大掛かりな装置を必要としながら生産方式がバッチ式であるため、大量合成が困難であるととともに、捕集に用いたオイル相からの金属ナノ粒子の精製が使用用途に応じて必要となる。
また、特許文献2に示された化学還元法はバッチ式ではあるが、水相に1mol/L程度の高濃度まで金属イオンを溶解でき、生産量の観点から金属ナノ粒子の製造方法として期待されている。さらに、近年、エチレングリコールに代表されるポリオール類を溶媒として用い、溶解した金属イオンを溶媒であるポリオールにて還元させる方法や、特許文献3に記載されているように、還元剤を添加した系にマイクロ波照射による急速加熱を利用して効率良く金属イオンを還元させ、金属ナノ粒子を発生させる方法が試みられている。このように、導電性ナノ粒子の合成方法としては化学還元法が大量生産に向いているが、これらの工法の多くはバッチ式であるため、未反応先駆体、過剰量の分散剤、金属ナノ粒子前駆体の分解副生成物や還元剤などの残渣の残留が問題となっている。
そこで、特許文献4には、マイクロ波を照射させることにより前駆体を還元、発生させた金属ナノ粒子を含有するスラリーを自然沈降あるいは強制的に遠心分離した後、沈降させて上澄みを除去する方法が提案されている。この上澄みを除去することで不必要な残渣成分を取り除くことが可能であるが、この工程は非常に時間と労力を要することから、大量合成のメリットを阻害するばかりか、上澄みを除去した金属ナノ粒子含有スラリーを再分散する際に金属ナノ粒子が凝集する問題があり実用的ではない。
このほかに分散媒体として有機溶剤であるターピネオール中に分散した銀ナノ粒子スラリーを超臨界二酸化炭素に分散させ、分散液をノズルから金属粒子スラリーを超臨界二酸化炭素とともに噴出させ、回路パターンを形成する方法が特許文献5に記載されている。しかしながら、このような高圧からの流体噴射によるプロセスの吐出位置精度は極めて低く、マスクキングなどの前処理が必須となり、簡便性が大きく削がれる。
また、特許文献6には、あらかじめ作成した金属ナノ粒子を超臨界二酸化炭素に溶解させた後、発生させて金属ナノ粒子を作成する方法が記載されている。しかしながら、金属は特許文献6に記載されている50℃、20MPa程度の超臨界二酸化炭素中には溶解度を示さないことから、金属のナノ粒子化に超臨界二酸化炭素が寄与することはない。
さらに、特許文献7には、超臨界二酸化炭素を用いた金属ナノ粒子の合成法として、超臨界二酸化炭素中に少量の水と界面活性剤を加えることでエマルジョンを形成し、ミセル中に含まれる金属イオンを還元する方法が記載されている。しかしながらエマルジョンを形成や金属イオンの還元にいくつかの薬品を必要とするため、複雑な精製工程が必要となり、また反応媒体の水を除去する際に、粒子の凝集が発生するため、得られた金属をナノ粒子として安定化することが難しい。
特許第2561537号公報 特開平11−319538号公報 特開2000−256707号公報 特開1006−169557号公報 特開2004−119790号公報 特開2004−185952号公報 特開2005−290481号公報 米澤徹、金属ナノ粒子の合成・調製、コントロール技術と応用展開、技術情報協会(2004) 依田智、超臨界二酸化炭素中における金属錯体の熱分解挙動(第2報)、化学工学会第38回秋季大会(2006)
例えば電池、トランジスタ、磁気メモリー、導電性インク/ペーストや触媒などに使用される金属ナノ粒子は用途に応じた粒径、粒度分布、分散状態が求められている。このため金属ナノ粒子の粒径、粒度分布、分散状態を任意に制御し、かつ工業的に安定して生産する方法が前記のように数多く検討されている。しかしながら、その製造方法は製造エネルギーが高く、高環境負荷であり、満足な手法が確立されていないのが現実である。
この発明は、このような問題を解決し、低エネルギー、安価、大量製造することができる独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体の製造方法と製造装置と独立分散金属微粒子及び独立分散金属微粒子分散媒体を提供することを目的とするものである。また、未反応前駆体、反応副生成物などによる汚染のない高純度品を、精製工程を必要とせず製造するとともに環境適用性を高めることを目的とする。
この発明の独立分散金属微粒子の製造方法は、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を媒体として金属ナノ粒子の前駆体と分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に別々の溶解槽で溶解させる第1の工程と、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中で溶解させた前駆体と分散剤を混合した後、還元して金属原子を発生、凝集させ、金属粒子を成長させる第2の工程と、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中で成長した金属粒子の表面を分散剤で保護して粒成長を停止させ、粒径をナノメートルサイズに制御するとともに金属ナノ粒子を独立分散状態として安定化させる第3の工程と、生成した独立分散金属ナノ粒子を有する亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中から未反応前駆体および副生成物を抽出分離する第4の工程とを有することを特徴とする。
前記分散剤の溶解槽の温度は、前記前駆体の溶解槽の温度よりも低いと良い。
また、前記第1の工程において前記前駆体と分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させる溶解槽に、前駆体と分散剤の溶解度に対して過剰量の前駆体と分散剤とを投入することが望ましい。
さらに、前記第2の工程において亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解して混入した前駆体を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素と分散剤の三成分系で熱還元すると良い。
前記前駆体は金属錯体もしくは金属アルコキシドであることを特徴とする。
また、前記分散剤はC,N,O,P,S,Si,Fの元素から構成されていることを特徴とする。
また、前記第4の工程は、独立分散金属ナノ粒子を有する亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素に、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素のみを供給して未反応前駆体及び副生成物を除去する。
この発明の独立分散金属ナノ粒子分散媒体の製造方法は、前記独立分散金属ナノ粒子の製造方法で生成した独立分散金属ナノ粒子を、水系、アルコール系または有機溶剤系のいずれかの分散媒体に分散させることを特徴とする。
この発明の独立分散金属ナノ粒子の製造装置は、金属ナノ粒子の前駆体を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させる前駆体溶解槽と、分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させる分散剤溶解槽と、前記前駆体溶解槽で亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体と前記分散剤溶解槽で亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した分散剤を混合する混合手段と、前駆体と分散剤の混合した亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中の前駆体を還元して金属ナノ粒子を発生させた後、金属ナノ粒子表面を分散剤で保護する還元槽と、前記還元槽に亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素のみを供給して未反応前駆体及び副生成物を除去する精製手段とを有することを特徴とする。
前記前駆体溶解槽と分散剤溶解の温度を個別に制御することを特徴とする。
また、前記還元槽は、前駆体と分散剤の混合した亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中の前駆体を熱還元することを特徴とする。
この還元槽は、前記流体混合部から供給される亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体と分散剤を滞留させる反応管と、該反応管を加熱する加熱源を有することを特徴とする。
この発明の独立分散金属ナノ粒子分散媒体の製造装置は、前記独立分散金属ナノ粒子の製造装置の前記精製手段に、生成した独立分散金属ナノ粒子を、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素とともに水系、アルコール系または有機溶剤系のいずれかの分散媒体に分散させる金属ナノ粒子分散手段を有することを特徴とする。
この発明の独立分散金属ナノ粒子は、前記独立分散金属ナノ粒子の製造装置で製造されたことを特徴とする。
この発明の独立分散金属ナノ粒子分散媒体は、前記独立分散金属ナノ粒子分散媒体の製造装置で製造されたことを特徴とする。
この発明は、独立分散金属ナノ粒子の前駆体と分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中にそれぞれ溶解させ、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体と分散剤を混合した後、還元して金属原子を発生、金属表面を分散剤で保護することにより独立分散金属ナノ粒子を得ることができる。
また、合成した独立分散金属ナノ粒子を分散媒体中に吐出させることにより、独立分散金属ナノ粒子を含有した独立分散金属ナノ粒子含有分散液を得ることができる。
また、分散剤の溶解槽の温度は、前駆体の溶解槽の温度よりも低いことにより、前駆体と分散剤とを連続的に合成できる
さらに、独立分散金属ナノ粒子の前駆体として金属錯体もしくは金属アルコキシドなどの有機金属化合物を使用することにより、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に安定して溶解することができる。
また、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体と分散剤を混合した後、熱還元して金属原子を発生させ、金属表面を分散剤で保護することにより、簡単な装置構成で独立分散金属ナノ粒子を連続的に合成することができる。
さらに、独立分散金属ナノ粒子と亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素が共に吐出される分散媒体として水系、アルコール系又は有機溶剤系のいずれかを選択することにより、所望の分散媒体での独立分散金属ナノ粒子含有分散媒体を得ることができる。
また、生成する独立分散金属ナノ粒子の粒径制御は、前駆体と分散剤を溶解する二つの溶解槽の温度、圧力、二酸化炭素流量(ポンプ流量)などを可変制御して前駆体と分散剤の溶解度およびモル比を変化させることにより確実に行うことができる。また、還元槽の温度、圧力などを可変制御して前駆体の熱還元速度を変化させることにより、独立分散金属ナノ粒子の粒径制御を行うことができる。
図1は、この発明の独立分散金属微粒子を連続合成する製造装置の構成図である。図に示すように、独立分散金属ナノ粒子及び独立分散金属ナノ粒子含有分散液の製造装置は、前駆体溶解部10と分散剤溶解部20と流体混合部30と反応部40及び精製部50を有する。
前駆体溶解部10は、金属ナノ粒子の前駆体を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させるものであり、前駆体溶解槽11と二酸化炭素供給手段12を有する。前駆体溶解槽11は、恒温槽13内に収容され、内部を撹拌器14で撹拌される。二酸化炭素供給手段12は、減圧弁61を有する二酸化炭素ボンベ60から供給される二酸化炭素を冷却器15で冷却し、冷却した二酸化炭素を高圧ポンプ16及びストップ弁17を有する加圧手段で加圧し、加圧した亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を前駆体溶解槽11に供給する。この前駆体溶解槽11に供給する二酸化炭素の圧力は圧力センサ18で検出して所定の圧力範囲になるように高圧ポンプ16を駆動制御し、前駆体溶解槽12の内部温度は熱電対や抵抗温度計等の温度センサ19で検出して制御する。
分散剤溶解部20は、分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させるものであり、分散剤溶解槽21と二酸化炭素供給手段22を有する。分散剤溶解槽21は、恒温槽23内に収容され、内部を撹拌器24で撹拌される。二酸化炭素供給手段22は、減圧弁71を有する二酸化炭素ボンベ70から供給される二酸化炭素を冷却器25で冷却し、冷却した二酸化炭素を高圧ポンプ26及びストップ弁27を有する加圧手段で加圧し、加圧した亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を分散剤溶解槽21に供給する。この分散剤溶解槽21に供給する二酸化炭素の圧力は圧力センサ28で検出して所定の圧力範囲になるように高圧ポンプ26を駆動制御し、分散剤溶解槽21の内部温度は熱電対や抵抗温度計等の温度センサ29で検出して制御する。
この前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21は溶解させる金属ナノ粒子の前駆体や分散剤の形態によって槽型、カラム型などに変更して使用すると良い。
流体混合部30は、前駆体送給部31と分散剤送給部32及び混合手段33を有する。前駆体送給部31はストップ弁34を有し、前駆体溶解槽11で亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させた金属ナノ粒子の前駆体を送り出す。分散剤送給部32は、ストップ弁35を有し、分散剤溶解槽21で亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させた分散剤を送り出す。混合手段33は、前駆体送給部31から送り出される亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させた金属ナノ粒子の前駆体と分散剤送給部32から送り出される亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させた分散剤を混合する。この流体混合部30に供給する前駆体と分散剤は前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21の温度と圧力及び流量をそれぞれ独立して制御して供給比を変える。
反応部40は、還元槽41と還元槽41を覆うヒータ42を有する。還元槽41は混合手段33から送られる亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中で溶解した金属ナノ粒子の前駆体を熱還元して金属ナノ粒子を発生させ、発生した金属ナノ粒子表面を分散剤で保護する。この還元槽41の温度も温度センサ43で検出して制御する。また、還元槽41に供給される二酸化炭素の圧力は圧力センサ18と圧力センサ28で検出して所定の圧力になるように高圧ポンプ16と高圧ポンプ26と精製部50の背圧弁53を駆動制御する。
精製部50は、洗浄用バイパス51と固気分離器52と背圧弁53及び気液分離器54を有する。洗浄用バイパス51はストップ弁55,56を有し、高圧ポンプ16で加圧された亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を前駆体送給部31のストップ弁34と混合手段33との間に送る。固気分離器52は反応部40で合成された金属ナノ粒子と、未反応の前駆体と過剰な分散剤、反応副生成物及び亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を分離する。気液分離器54は未反応の前駆体と過剰な分散剤及び副生成物と、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を分離する。
この製造装置で独立分散金属ナノ粒子及び独立分散金属ナノ粒子含有分散液を合成する場合、第1の工程で前駆体溶解槽11に金属ナノ粒子の前駆体を投入し、分散剤溶解槽21に分散剤を投入する。この前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21に二酸化炭素供給手段12,22から亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を供給し、前駆体と分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素に溶解させる。この前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21で前駆体と分散剤を溶解する超臨界二酸化炭素とは、図2に示すように、超臨界温度以上でかつ超臨界圧力以上の状態にあるものをいう。
二酸化炭素の場合、図2に示したように、温度が31.1℃以上、圧力が7.38MPa以上で超臨界二酸化炭素の流体となる。この二酸化炭素の気体と超臨界流体及び液体の物性値の比較を表1に示す。表1に示すように二酸化炭素の超臨界流体は密度が液体に近く、粘度と拡散係数が気体に近いため、物を溶解する能力と浸透性がある。
Figure 0005142021
また、亜臨界二酸化炭素とは臨界温度と臨界圧力、もしくはどちらか一方が臨界点を僅かに下回る二酸化炭素を意味する。通常、臨界温度以上かつ臨界圧力以下にある流体は過熱蒸気と表されるがここでは表記の簡略化のため亜臨界二酸化炭素とした。この亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素は前駆体と分散剤の溶解度に応じて選択して用いれば良い。
また、金属ナノ粒子の前駆体と分散剤を溶解する媒体として二酸化炭素以外の流体を使用しても良いが、二酸化炭素は他の流体と比較して臨界温度と臨界圧力が低いこと、有機化合物への中程度の溶解度を示すこと、常温常圧時、すなわち大気圧下で気体の二酸化炭素となり拡散していくため生成物からの分離が容易に行えること、環境低負荷であること、さらに安全性が高いことなどから最適である。これらの特性から亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を反応媒体として用いることで、前記従来法であるガス中蒸気法に比べて低エネルギーで合成プロセスが構築可能となる。
さらに、超臨界二酸化炭素の溶媒特性、例えば、密度、拡散係数、粘度、誘電率等は、反応部40の温度や圧力を変えることによって変化させることができるため、独立分散金属ナノ粒子の合成に溶媒として超臨界二酸化炭素を使用すると、反応部40の圧力を降圧することで、独立分散金属ナノ粒子から未反応の前駆体と過剰な分散剤および副反応物を抽出除去できるとともに、独立分散金属ナノ粒子から反応媒体である超臨界二酸化炭素を容易に分離することができる。以後、超臨界二酸化炭素を媒体とし使用した場合について説明する。
前駆体溶解槽11における独立分散金属ナノ粒子の前駆体の超臨界二酸化炭素への溶解度(mol/L)は、流通法にて超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体の重量を測定される直接法と、紫外・可視吸光法にて測定される間接法などによって求めることができる。これらの方法で測定した超臨界二酸化炭素に溶解した前駆体である銅アセチルアセトナト[Cu(II)(acac)]の溶解度を図3に示す。
さらに、80℃で種々の圧力における超臨界二酸化炭素中の前駆体Cu(II)(acac)の紫外・可視吸収スペクトルを図4に示す。図4は低圧側から順に昇圧し、各圧力における吸光度を測定したものであるが、各圧力において、吸収スペクトルが10分程度で重なることが確認されている。これは前駆体であるCu(II)(acac)の溶解度が一定になったことを意味する。超臨界二酸化炭素中へのCu(II)(acac)の溶解量が一定になる時間を溶解平衡時間とすると、この場合、超臨界二酸化炭素中へのCu(II)(acac)の溶解平衡時間は10分程度であると言える。この溶解平衡時間は化合物により異なるため、紫外・可視吸収スペクトルが一定になる時間を測定することで他の前駆体の溶解平衡時間も把握することができる。
図3から、80℃、20MPaにおける超臨界二酸化炭素中へのCu(II)(acac)の溶解度は3.3×10−4mol/L程度であることがわかるが、この溶解度から前駆体溶解槽11の容積に応じて過剰となる投入量を算出することができる。例えば、前駆体溶解槽11の反応容器を50mLとした場合には、
3.3×10−4(mol/L)×50×10−3(L)=1.65×10−7(mol)
となり、前駆体Cu(II)(acac)の分子量は261.76g/molであるので、この前駆体Cu(II)(acac)が50mLの前駆体溶解槽11で80℃、20MPaの超臨界二酸化炭素に溶解する飽和溶解量は、0.0043g程度である。また,分散剤の過剰となる投入量に関しても同様な手順で算出できる。
第2工程では、前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21で超臨界二酸化炭素に溶解した前駆体と分散剤を前駆体送給部31と分散剤送給部32から混合手段33に送り混合して還元槽41に供給して熱還元する。この熱還元により前駆体の中心金属が原子状態となり、これらがクラスター化して金属ナノ粒子が析出する。このとき適度な流量で前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21に超臨界二酸化炭素を流通させることにより前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21に過剰量投入しておいた前駆体と分散剤がさらに溶解して還元槽41に供給される。
この超臨界二酸化炭素中における金属ナノ粒子の発生に適した還元方法は、熱、光や超音波などのエネルギーによるものである。還元剤を用いた化学的還元法は還元剤残渣が金属ナノ粒子の特性に悪影響を与えるおそれがあるのに対してエネルギーによる還元は新たな添加剤を必要としなく高純度粒子が得られる。なかでも高圧の二酸化炭素中で行うことを考慮すると、高圧セルに窓を取り付ける必要性が生まれる光還元法、超音波照射による装置配管継手のゆるみなどの危険性を伴う超音波還元などと比較して特別な装置構成を必要としない熱還元法が最適といえる。
第3の工程では、還元槽41で発生した金属ナノ粒子の表面を分散剤で被覆して、金属ナノ粒子の凝集を防いで金属ナノ粒子の粒径制御を行ない、独立分散金属ナノ粒子を合成する。
第4の工程では、還元槽41で発生した独立分散金属ナノ粒子及び独立分散金属ナノ粒子含有分散液を精製部50の固気分離器52にて回収する。また、未反応の前駆体と過剰な分散剤および副生成物は洗浄用バイパス51を用いて超臨界二酸化炭素のみを流通することによって抽出除去される。このようなプロセスによって従来困難であった独立分散金属ナノ粒子及び独立分散金属ナノ粒子含有分散液の連続合成と精製が可能となる。
この製造装置の前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽11及び還元槽41に滞留する超臨界二酸化炭素の滞留時間は、前駆体溶解槽11における前駆体の溶解平衡時間や還元槽41における前駆体の熱還元時間よりも長く設定する必要がある。すなわち前駆体溶解槽11での超臨界二酸化炭素の滞留時間が前駆体の溶解平衡時間より短い場合、前駆体の超臨界二酸化炭素への溶解が不十分となり、還元槽41への前駆体の供給が不十分となる。同様に還元槽41における還元時間が短い場合、十分に還元反応が進行しないため、溶解した前駆体がそのまま系外に流出され、生産効率に悪影響を与える。
そこで高圧ポンプ16と高圧ポンプ26から供給する二酸化炭素の流量R(mL/min)と、前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21及び還元槽41に滞留する超臨界二酸化炭素の滞留時間について説明する。精製部50を経て二酸化炭素は外部に放出されることから、高圧ポンプ16と高圧ポンプ26から前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21に供給される二酸化炭素量と、精製部50から外部に放出される二酸化炭素量は等しくなる。
例えば二酸化炭素ボンベ60から供給される二酸化炭素の圧力が6MPaで、この二酸化炭素を冷却器15で−5℃に冷却したときの二酸化炭素密度ρ1(g/mL)は、0.976(g/mL)であり、この密度の二酸化炭素が高圧ポンプ16に供給される。高圧ポンプ16の流量R(mL/min)を1(mL/min)とすると、1分間に前駆体溶解槽11に供給される二酸化炭素重量(g/min)は、供給される二酸化炭素密度ρ1と高圧ポンプ16の流量Rの積から0.976(g/min)となる。
一方、前駆体溶解槽11の温度、圧力及び容積V(mL)を80℃、20MPa、50mLとすると、このときの超臨界二酸化炭素密度ρ2(g/mL)は0.468g/mL程度であることから、前駆体溶解槽11内に存在する超臨界二酸化炭素の重量は、80℃、20MPaの超臨界二酸化炭素密度ρ2と前駆体溶解槽11の容積Vの積から23.4gとなる。
また、前駆体溶解槽11内に存在する超臨界二酸化炭素の重量を高圧ポンプ16によって供給される一定時間あたりの二酸化炭素重量で除することにより、前駆体溶解槽11における超臨界二酸化炭素の滞留時間が求められる。例えば高圧ポンプ16の流量Rを1mL/minとしたとき、前駆体溶解槽11における超臨界二酸化炭素の滞留時間は25分程度となり、溶解平衡時間以上が確保できていることが判る。
一方、還元槽41で還元に要する時間は非特許文献2によると前駆体Cu(II)(acac)は還元温度が高いほどその還元に要する時間は短くなると報告されている。非特許文献2から還元条件250℃、20MPaの場合、前駆体Cu(II)(acac)の99%を分解するには2分程度の時間を要することから、還元槽41中での超臨界二酸化炭素の滞留時間も2分以上必要となることがわかる。前駆体溶解槽11における超臨界二酸化炭素の滞留時間と同様の計算を容積25mLの還元槽41内の還元条件(250℃、20MPa、CO2の流量1mL/min)にて行うと、還元槽41内での超臨界二酸化炭素の滞留時間は5.60分となり、99%還元時間以上が確保できることがわかる。
このような設定範囲の温度、圧力および流量であれば前駆体溶解槽11で前駆体が溶解平衡に達する時間及び還元槽41で溶解した前駆体が還元され、金属ナノ粒子が発生するために必要な滞留時間は充分であることがわかる。
この金属ナノ粒子を発生するための前駆体は、超臨界二酸化炭素に溶解する化合物であれば、なんら限定されることはなく、例えば配位子と中心金属からなるM(n)(L)(Mは中心金属原子、nは金属原子の価数、Lは配位子、bは配位子Lの荷数を表す)で示される金属錯体である。ここで、配位子としては、アセチルアセトンのほかにヘキサフルオロアセチルアセトン、テトラメチルヘプタンジオン、トリメチルオクタンジオネート、トリエチルオクタンジオン、ビニルトリメチルシランなどが好ましい。この他、前駆体としては、金属アミド、金属アルコキシドが挙げられる。これら前駆体を単独あるいは金属種の異なる前駆体を複数種用いることも可能である。また金属原子は、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミ、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、クロム、ジルコニウム、チタン等が挙げられる。このような前駆体の例としては、Mg(OC)、Ba(OC)、Zn(OC)、Cu(OCH)、Cu(OC)、好ましくは、銅アセチルアセトン、銅テトラメチルペンタジオン、銅ヘキサフルオロアセチルアセトン等が挙げられる。なお、金属単体は超臨界二酸化炭素に溶解しないため前駆体としては使用できない。
また、金属ナノ粒子を保護する分散剤は超臨界二酸化炭素に溶解する化合物であれば、なんら限定されることはなく、例えば、チオール系、アミン系、アルコール系化合物などがあげられる。
次に還元槽9で発生した独立分散金属ナノ粒子の粒径制御法について説明する。独立金属ナノ粒子の粒径制御法は大きく分けて、還元槽41への前駆体と分散剤の供給量及び供給比を制御する方法と、還元槽41での前駆体の熱還元速度及び発生した金属原子の生成量を制御する方法の二つがある。
還元槽41で前駆体が熱還元されて金属ナノ粒子が発生し、発生した金属ナノ粒子表面を分散剤が保護して独立分散ナノ粒子を合成するとき、前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21の温度と圧力、滞留時間、二酸化炭素流量を変えると、超臨界二酸化炭素中への前駆体と分散剤の溶解度が大きく変わる。図3に示したように、例えば、40℃、8MPaにおける超臨界二酸化炭素中への前駆体Cu(II)(acac)の溶解度は1.5×10−6mol/Lであるが、80℃、30MPaの溶解度は1.2×10−3mol/Lと1000倍程度異なることがわかる。このように温度、圧力などの単純な操作因子によって、溶解度を大きく変化させることが可能なため、前駆体と分散剤の供給量を自由に選択可能となる。前駆体と分散剤の供給量及び供給比は生成する独立分散金属ナノ粒子の粒径に大きく関係することから前駆体と分散剤の供給量を制御することにより金属ナノ粒子の粒径を任意に制御することができる。
また、非特許文献2によると熱還元の温度、圧力によって前駆体の分解速度が変わる。このことは還元槽41の温度、圧力を変化させることにより、超臨界二酸化炭素中での熱還元による金属ナノ粒子の発生頻度が変わることを意味しており、金属ナノ粒子の発生量は生成するナノ粒子の粒径に関係することから、還元槽41の温度、圧力を制御することにより、金属ナノ粒子の粒径を制御することができる。
さらに、高圧ポンプ16と高圧ポンプ26の流量を可変制御すて還元槽41内の前駆体及び分散剤を溶解した二酸化炭素の滞留時間を変えること、その他、金属ナノ粒子の合成時間を変えることによって金属の粒子成長速度を変化させることが可能なため、金属ナノ粒子の粒径制御を行うことができる。
また、前記製造装置の精製部50の固気分離器52と背圧弁53及び気液分離器54の代わりに水系、アルコール系または有機溶剤系のいずれかの分散媒体を有するトラップを設け、還元槽41で生成した独立分散金属ナノ粒子を、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素とともに分散媒体に分散させることにより、独立分散金属ナノ粒子分散媒体を得ることができる。
[実施例1] 図1に示した製造装置の容積50mLの前駆体溶解槽11に前駆体としてCu(II)(acac)を1g仕込み、容積50mLの分散剤溶解槽22に分散剤としてヘキサデカンチオールを6mL仕込んだ。次に、二酸化炭素ボンベ60,70から減圧弁61,71を用いて0.5MPaに減圧した二酸化炭素で前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21と還元槽41を含む系内の空気を置換した後、系内に二酸化炭素をボンベ圧まで導入した。次に全てのバルブを閉じ、恒温槽13を用いて前駆体溶解槽11の温度を60℃に昇温し、恒温槽23を用いて分散剤溶解槽21の温度を35℃に昇温し、ヒータ42を用いて還元槽41の温度を250℃に昇温した後、ストップ弁55とストップ弁56を開き、ストップ弁17,34,35を閉じて高圧ポンプ16と洗浄用バイパス51を用いて前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21以外の系内を20MPaまで昇圧した。次にストップ弁55とストップ弁56を閉じた後、ストップ弁17とストップ弁27を開き、高圧ポンプ16と高圧ポンプ26を用いて前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21を20MPaまで昇圧した。前駆体溶解槽11と分散剤溶解槽21との昇圧完了後、高圧ポンプ16と高圧ポンプ26の流量をそれぞれ1.75mL/minと0.25mL/min(ポンプ流量比7対1))に設定して、前駆体溶解槽11で前駆体、分散財溶解槽21で分散剤を溶解した超臨界二酸化炭素を5時間流通して還元槽41で独立分散金属ナノ粒子の連続合成を行った。合成終了時、ストップ弁17,34,27,35を閉じ、ヒータ42の加熱を停止して還元槽41の温度を低下させ、ストップ弁55とストップ弁56を開いて高圧ポンプ16と洗浄用バイパス51を用いて超臨界二酸化炭素のみを還元槽41に0.5時間流通させることにより独立分散銅ナノ粒子の精製を行った。精製終了後、合成された独立分散銅ナノ粒子は還元槽41から固気分離器52で回収した。この回収した独立分散銅ナノ粒子のTEM画像を図5に示す。
[実施例2] 還元槽41の温度を200℃と300℃とにして、それ以外は実施例1と同様の方法にて独立分散金属ナノ粒子の合成して回収した。還元槽41の温度を200℃とした場合の回収した独立分散銅ナノ粒子のTEM画像を図6(a)に示し、還元槽41の温度を300℃とした場合の回収した独立分散銅ナノ粒子のTEM画像を図6(b)に示す。
[実施例3] 前駆体溶解槽11の温度を40℃と50℃と70℃及び80℃のそれぞれとし、それ以外は実施例1と同様の方法にて独立分散金属ナノ粒子を合成して回収した。
[実施例4] 還元槽41の圧力を15MPaと25MPa及び30MPaのそれぞれとし、それ以外は実施例1と同様の方法にて独立分散金属ナノ粒子合成して回収した。
[実施例5] 金属ナノ粒子の合成時間を1時間と2時間及び10時間のそれぞれとし、それ以外は実施例1と同様の方法にて独立分散金属ナノ粒子を合成して回収した。
[実施例6] 高圧ポンプ16と高圧ポンプ26の高圧ポンプ31と32の流量比を1対1(1mL/min対1mL/min)と3対1(1.5mL/min対0.5mL/min)及び19対1(1.9mL/min対0.1mL/min)のそれぞれとし、それ以外は実施例1と同様の方法にて金属ナノ粒子を合成して回収した。
[実施例7] 分散剤溶解槽21に分散剤として、メタノール、エタノール、1−オクタノール、1−ウンデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタンアミン、1−オクタンアミン、1−ウンデカンアミン、1−ヘキサデカンアミン、1−オクタンチオール、1−ウンデカンチオールを用い、それ以外は実施例1と同様の方法にて独立分散金属ナノ粒子を合成して回収した。
この実施例1から実施例7で回収した独立分散銅ナノ粒子した結果、超臨界二酸化炭素中での独立分散銅ナノ粒子は連続的に合成されることがわかった。また合成条件によって得られる独立分散金属ナノ粒子の粒径が変化することが確認された。
[比較例1]
図7に示すように、この発明の製造装置から分散剤溶解槽21と二酸化炭素供給手段22を有する分散剤溶解部20を取り外して分散剤を添加しない系で、実施例1と同様の方法にて金属ナノ粒子の合成と回収を行った。この分散剤を添加しないで合成した銅粒子のSEM画像を図8に示す。図8に示すように、分散剤を添加しないで合成した銅粒子は二次凝集が発生して独立分散銅ナノ粒子は得られなかった。
[比較例2] 実施例1の還元槽41の温度を150℃と400℃及び500℃のそれぞれとし、実施例1と同様の方法にて金属ナノ粒子の合成と回収を行った。還元槽41の温度が150℃の場合は銅粒子の生成は確認されなかった。これは還元槽41の還元温度が低く、Cu(II)(acac)の熱還元が行えなかったことを示す。また、還元槽41の温度が400℃及び500℃の場合は銅ナノ粒子の生成は確認された。しかしながら、精製部50の固気分離器52からは大量の炭化物が回収され、高温下で分散剤及びCu(II)(acac)から脱離した配位子とが熱分解し、炭化してしまうことがわかった。
この発明の独立分散金属微粒子を連続合成する製造装置の構成図である。 二酸化炭素の温度−圧力線図である。 超臨界二酸化炭素中の前駆体Cu(II)(acac)の溶解度の変化特性図である。 超臨界二酸化炭素中の前駆体Cu(II)(acac)の吸収スペクトルの圧力依存性を示す変化特性図である。 実施例1において得られた独立分散銅ナノ粒子のTEM画像を示す図である。 実施例2において得られた独立分散銅ナノ粒子のTEM画像を示す図である。 比較例1の製造装置を示す構成図である。 比較例1において得られた銅粒子のTEM画像を示す図である。
符号の説明
10;前駆体溶解部、11;前駆体溶解槽、12;二酸化炭素供給手段、
13;恒温槽、14;撹拌器、15;冷却器、16;高圧ポンプ、
17;ストップ弁、18;圧力センサ、19;温度センサ、20;分散剤溶解部、
21;分散剤溶解槽、22;二酸化炭素供給手段、23;恒温槽、24;撹拌器、
25;冷却器、26;高圧ポンプ、27;ストップ弁、28;圧力センサ、
29;温度センサ、30;流体混合部、31;前駆体送給部、32;分散剤送給部、
33;混合手段、34;ストップ弁、35;ストップ弁、40;反応部、
41;還元槽、42;ヒータ、43;温度センサ、50;精製部、
51;洗浄用バイパス、52;固気分離器、53;背圧弁、54;気液分離器、
60;二酸化炭素ボンベ、61;減圧弁、70;二酸化炭素ボンベ、71;減圧弁。

Claims (15)

  1. 亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を媒体として金属ナノ粒子の前駆体と分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に別々の溶解槽で溶解させる第1の工程と、
    亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中で溶解させた前駆体と分散剤を混合した後、還元して金属原子を発生、凝集させ、金属粒子を成長させる第2の工程と、
    亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中で成長した金属粒子の表面を分散剤で保護して粒成長を停止させ、粒径をナノメートルサイズに制御するとともに金属ナノ粒子を独立分散状態として安定化させる第3の工程と、
    生成した独立分散金属ナノ粒子を有する亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中から未反応前駆体および副生成物を抽出分離する第4の工程と、を有することを特徴とする独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記分散剤の溶解槽の温度は、前記前駆体の溶解槽の温度よりも低い請求項1記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記第1の工程において前記前駆体と分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させる溶解槽に、前駆体と分散剤の溶解度に対して過剰量の前駆体と分散剤とを投入することを特徴とする請求項記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記第2の工程において亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解して混入した前駆体を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素と分散剤の三成分系で熱還元することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 前記前駆体は金属錯体もしくは金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記分散剤はC,N,O,P,S,Si,Fの元素から構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  7. 前記第4の工程は、独立分散金属ナノ粒子を有する亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素に、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素のみを供給して未反応前駆体及び副生成物を除去する請求項1乃至6のいずれかに記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の独立分散金属ナノ粒子の製造方法で生成した独立分散金属ナノ粒子を、水系、アルコール系または有機溶剤系のいずれかの分散媒体に分散させることを特徴とする独立分散金属ナノ粒子分散媒体の製造方法。
  9. 金属ナノ粒子の前駆体を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させる前駆体溶解槽と、
    分散剤を亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解させる分散剤溶解槽と、
    前記前駆体溶解槽で亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体と前記分散剤溶解槽で亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した分散剤を混合する混合手段と、
    前記混合手段で前駆体と分散剤の混合した亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中の前駆体を還元して金属ナノ粒子を発生させた後、金属ナノ粒子表面を分散剤で保護する還元槽と、
    前記還元槽に亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素のみを供給して未反応前駆体及び副生成物を除去する精製手段と、を有することを特徴とする独立分散金属ナノ粒子の製造装置。
  10. 前記前駆体溶解槽と分散剤溶解の温度を個別に制御することを特徴とする請求項9記載の独立分散金属ナノ粒子の製造装置。
  11. 前記還元槽は、前駆体と分散剤の混合した亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中の前駆体を熱還元することを特徴とする請求項9又は10記載の独立分散金属ナノ粒子の製造装置。
  12. 前記還元槽は、前記流体混合部から供給される亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素中に溶解した前駆体と分散剤を滞留させる反応管と、該反応管を加熱する加熱源を有することを特徴とする請求項11記載の独立分散金属ナノ粒子の製造装置。
  13. 請求項9乃至12のいずれかに記載された独立分散金属ナノ粒子の製造装置の前記精製手段に、生成した独立分散金属ナノ粒子を、亜臨界二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素とともに水系、アルコール系または有機溶剤系のいずれかの分散媒体に分散させる金属ナノ粒子分散手段を有することを特徴とする独立分散金属ナノ粒子分散媒体の製造装置。
  14. 請求項9乃至12のいずれかに記載された独立分散金属ナノ粒子の製造装置で製造されたことを特徴とする独立分散金属ナノ粒子。
  15. 請求項13記載の独立分散金属ナノ粒子分散媒体の製造装置で製造されたことを特徴とする独立分散金属ナノ粒子分散媒体。
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