JP5140473B2 - 冷凍システム - Google Patents
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Description
この種のものでは、水の流れを検出すると共にこの検出結果に基づいてポンプの異常を検出するフロースイッチを水配管に設け、フロースイッチによってポンプの異常を検出した場合、室外機及び、ポンプの駆動を停止する制御を行っている。
そして、水配管をいずれの接続状態とするかは、工場出荷時には判断できず、電気配線等の工事を含んで現場合わせの作業となる。
この構成によれば、室外機の制御部に設けた第三の機能を用いることにより、冷凍システムが水配管を一系統備えるか、あるいは、複数形等備えるかに応じて、容易に第一の機能と第二の機能とを切り替えることができる。このため、水配管を設置した後の現場において、水配管が一系統が複数系統かに応じて、作業者は、第三の機能を利用して第一の機能を適用するか第二の機能を適用するかを容易に選択でき、冷凍システムの設置作業を簡便に行うことができる。
この構成によれば、作業者が室外機の制御部に設けられた第三の機能を利用して、第一の機能または第二の機能を選択したとき、室外機の制御部とチラー装置の制御部とを接続する既存の通信線を介して制御信号がチラー装置の各制御部に送信され、この制御信号に基づいて、各チラー制御部は、第一の機能又は第二の機能に応じた動作を実行することになる。従って、第一の機能又は第二の機能を実行させるために、室外機の制御部とチラー装置の制御部との間に新たな通信線を設けるための電気配線等の工事が不要になり、冷凍システムの設置作業を簡便に行うことができる。
図1は、複数系統の水配管14を備える冷凍システム1aの構成を模式的に示す図である。
この図に示すように、冷凍システム1aは、室外機10を備え、この室外機10に対して一系統の冷媒配管28を介して3台のチラー装置11a,11b,11cが並列に接続されている。また、冷凍システム1aは、第一系統水配管12及び第二系統水配管13という2系統の水配管14を備えている。なお、図1では、チラー装置11a,11b,11cが冷水を生成している状態の冷媒回路となっており、以下の説明もこの状態における冷凍システム1aについて説明する。
また、室外機10は、室外機10が備える各機器を制御する室外制御部20を備えている。この室外制御部20は、後述するチラー制御部21a,21b,21cと通信線22を介して通信可能に接続されており、これら制御部が連携し、例えば、圧縮機16の駆動のレベルの調整等、冷凍システム1a全体を制御する構成となっている。
プレート式熱交換器27aの水媒体の出口付近の流出側水配管14bには、水媒体の温度を検出するための水媒体温度センサ31aが設けられている。さらに、プレート式熱交換器27aの水媒体の出口付近の流出側水配管14bには、流出側水配管14b内を水媒体が流れているか否かを検出するためのフロースイッチ32aが設けられている。
また、チラー制御部21aと上述した水媒体温度センサ31aとは通信可能に接続されており、チラー制御部21aは、水媒体温度センサ31aの出力値に基づいてプレート式熱交換器27aから流出する水媒体の温度を検出する。特に、チラー制御部21aは、検出した水媒体の温度と水媒体の凍結の想定温度とを比較することにより、水媒体が凍結している可能性があるか否かを検出することができる。なお、本実施形態では、水媒体温度センサ31aが、プレート式熱交換器27aの出口側に設けられている。ここで、プレート式熱交換器27aによって過度に冷却された水媒体の凍結は、プレート式熱交換器27aから流出する側の水媒体から順次始まっていくが、水媒体温度センサ31aが、プレート式熱交換器27aの出口側に設けられているため、水媒体の凍結を迅速に検出することができる構成となっている。
また、チラー制御部21aと上述したフロースイッチ32aとは通信可能に接続されており、チラー制御部21aは、フロースイッチ32aから入力された信号に基づいて、水配管14内を水媒体が流れているか否かを検出することができる。
なお、以下の説明においては、「チラー装置11aのフロースイッチ32aが第一ポンプ30の異常を検出する」とは、第一ポンプ30に対して駆動の命令がなされている場合において、チラー装置11aの水媒体温度センサ31aによって水媒体の凍結が検出されていないにも関らず、フロースイッチ32aによって水媒体が流れていないことが検出されている状態のことを言う。
チラー装置11cは、チラー装置11aと略同一の構成を有しており、チラー制御部21cと、開閉弁252cと、膨張弁26cと、プレート式熱交換器27cと、水媒体温度センサ31cと、フロースイッチ32cと、を備えている。
このように複数系統の水配管14を備える冷凍システム1aでは、チラー装置11a,11b,11cのいずれかのフロースイッチ32a,32b,32cが第一ポンプ30又は第二ポンプ35の異常を検出したときには、室外機10の駆動及び全ての第一,第二ポンプ30,35の駆動が停止されることが求められる。これは、以下の理由による。
一方、第一系統水配管12に接続されているチラー装置11a,11bのフロースイッチ32a,32bのうち、いずれか一方が第一ポンプ30の異常を検出した場合であっても、室外機10、及び、第一ポンプ30の駆動を停止することなく、安全性を確保できる。なぜなら、この場合、第一ポンプ30の異常を検出していない方のフロースイッチによって第一ポンプ30が正常に駆動していることが担保されているため、状態としては、第一系統水配管12内を正常に水媒体が循環しているものの、異常を検出したフロースイッチ自体が誤作動を起こしている状態が考えられるからである。従って、チラー装置11a,11bのように1の水配管に対し複数のチラー装置が並列に接続されている場合は、チラー装置のいずれかのフロースイッチがポンプの異常を検出した場合であっても室外機10やポンプを止める必要はなく、全てのチラー装置のフロースイッチがポンプの異常を検出した場合に室外機10及びポンプを止める必要がある。
室外機10の室外制御部20は、通信線22を介して通信可能に接続されているチラー制御部21a,21b,21cに制御信号を送信し、これらこれらチラー制御部21a,21b,21cが制御しているフロースイッチ32a,32b,32cのいずれかが第一ポンプ30又は第二ポンプ35の異常を検出したか否かを監視する(ステップSA1)。フロースイッチ32a,32b,32cのいずれかが第一ポンプ30又は第二ポンプ35の異常を検出した場合(ステップSA1:YES)、室外制御部20は、圧縮機16の駆動を制御することにより室外機10の運転を停止し(ステップSA2)、さらに、第一,第二ポンプ30,35の駆動を停止する(ステップSA3)。次いで、室外制御部20は、フロースイッチ32a,32b,32cのうち、どのスイッチが異常を検出したかを表示部19に表示すると共に、室外機10及び第一,第二ポンプ30,35の駆動を停止した旨の表示を表示部19にする(ステップSA4)。これにより、作業者は、室外機10及び第一,第二ポンプ30,35の駆動を停止していることを容易かつ迅速に認識できると共に、第一,第二ポンプ30,35のうちどのポンプに異常が発生しているかを容易かつ迅速に認識することができ、この認識に基づいて修理その他の作業を効率よく行うことができる。
図3に示すように、冷凍システム1bは、冷凍システム1aと異なり、第三系統水配管37という一系統のみの水配管14を備えており、この第三系統水配管37に対し、チラー装置11a,11b,11cが並列に接続されている。この第三系統水配管37には、配管内において水媒体を流動するための第三ポンプ36が設けられている。
このように水配管14を一系統のみ備える冷凍システム1bにおいては、第三系統水配管37に接続されているチラー装置11a,11b,11cのフロースイッチ32a,32b,32cのうち全てではなくいずれかが第三ポンプ36の異常を検出した場合は、室外機10、及び、第三ポンプ36の駆動を停止しなくても、安全性を確保した状態で冷凍システム1bを運転することができる。なぜなら、この場合、第三ポンプ36の異常を検出していないフロースイッチによって第三ポンプ36が正常に駆動していることが担保されているため、状態としては、第三系統水配管37内を正常に水媒体が循環しているものの、異常を検出したフロースイッチ自体が誤作動を起こしている状態が考えられるからである。従って、上記のように一系統の水配管に対し複数のチラー装置が並列に接続されている場合は、チラー装置のいずれかのフロースイッチがポンプの異常を検出した場合であっても室外機10やポンプを止めることなく、安全性を確保した状態で冷凍システムを運転することができ、これにより冷凍システムの稼動性を高めることができる。一方、全てのチラー装置11a,11b,11cのフロースイッチ32a,32b,32c全てが第三ポンプ36の異常を検出した場合には、第三ポンプ36について実際に異常が発生している可能性が高いため、第三ポンプ36を止める必要がある。
図4に示すように、冷凍システム1cは、第四系統水配管38という一系統のみの水配管14を備えており、この第四系統水配管38に対し、チラー装置11a,11b,11cが直列に接続されている。つまり、冷凍システム1cは、水配管14に対してチラー装置11a,11b,11cが直列に接続されている点で、水配管14に対しチラー装置11a,11b,11cが並列に接続されている冷凍システム1bと異なっている。このような構成を備える冷凍システム1cにおいても、冷凍システム1bと同様の理由により、フロースイッチ32a,32b,32cのうち、いずれかが第三ポンプ36の異常を検出した場合であっても、室外機10、及び、第一ポンプ30の駆動を停止することなく安全性を確保できる状態であることが確実に把握できる。このため、フロースイッチ32a,32b,32cのいずれかが第三ポンプ36の異常を検出した場合であっても、室外機10及び第三ポンプ36の駆動を停止する必要はない。
室外機10の室外制御部20は、通信線22を介して通信可能に接続されているチラー制御部21a,21b,21cに制御信号を送信し、これらこれらチラー制御部21a,21b,21cが制御しているフロースイッチ32a,32b,32cのいずれか又は全てが第三ポンプ36の異常を検出したか否かを監視する(ステップSB1)。フロースイッチ32a,32b,32cのいずれか又は全てが第三ポンプ36の異常を検出した場合(ステップSB1:YES)、室外制御部20は、フロースイッチ32a,32b,32cの全てが第三ポンプ36の異常を検出したか否かを判定する(ステップSB2)。全てのフロースイッチ32a,32b,32cが第三ポンプ36の異常を検出していない場合(ステップSB2:NO)、室外制御部20は、表示部19に、フロースイッチ32a,32b,32cのうち、どのフロースイッチが異常を検出したかを表示部19に表示すると共に、室外機10及び第三ポンプ36の駆動を維持している旨表示部19に表示する(ステップSB3)。これにより、作業者は、フロースイッチ32a,32b,32cのうち第三ポンプ36の異常を検出しているフロースイッチがあること、及び、その状態で室外機10及び第三ポンプ36が駆動していることを、容易かつ迅速に認識することができ、その認識に基づいてフロースイッチの作動の確認等の作業を行うことができる。表示部19への表示後、室外制御部20は、処理手順をステップSB1に戻す。従って、フロースイッチ32a,32b,32cのいずれかのフロースイッチが第三ポンプ36の異常を検出した場合であっても、全てのフロースイッチ32a,32b,32cが第三ポンプ36の異常を検出していない場合は、室外機10及び第三ポンプ36の駆動は停止しない。
ここで、水配管14を一系統とするか複数系統とするかは、冷凍システムの各機器の工場出荷時には判断できず、現場合わせの作業となるが、本実施形態によれば、現場において実際に水配管14が設置された後、その設置された水配管14が一系統化複数系統かに応じて、作業者は、第三の機能を利用して容易に第一の機能と第二の機能とを切り替えることができるため、冷凍システムの設置作業を簡便に行うことができる。
例えば、冷凍システム1aのように水配管が複数系統の場合、作業者は、スイッチ20aを操作して第一の機能を選択する。すると、室外制御部20及びこの室外制御部20に接続されているチラー制御部21a,21b,21cは、図2のフローチャートに示した第一の機能に係る動作を実行する。また例えば、冷凍システム1bや冷凍システム1cのように設置された水配管14が一系統のとき、作業者は、スイッチ20aを操作して第二の機能を選択する。すると、室外制御部20及びこの室外制御部20に接続されているチラー制御部21a,21b,21cは、図5のフローチャートに示した第二の機能に係る動作を実行する。
例えば、上述した実施形態では、回路基板上に設けたディップスイッチによって第一の機能と第二の機能とを切り替え可能としたが、切り替え方はこれに限らない。例えば、室外機10が動作モード設定等の各種設定を行うための操作部を備えている場合は、この操作部を操作することによって第一の機能と第二の機能とを切り替え可能としてもよく、また、室外制御部20をパーソナルコンピュータ等の端末と通信可能に接続し、この接続した端末を操作することによって第一の機能と第二の機能とを切り替えることができるようにしてもよい。
また、冷凍システムの例として、冷凍システム1a,1b,1cを示して説明したが、冷凍システムの構成は、これに限らず、冷凍システムの設置条件や求められる機能において様々な構成を有し得る。
10 室外機
11a,11b,11c チラー装置
12 第一系統水配管
13 第二系統水配管
14 水配管
20 室外制御部
20a スイッチ
21a,21b,21c チラー制御部
22 通信線
28 冷媒配管
32a,32b,32c フロースイッチ
37 第三系統水配管
38 第四系統水配管
Claims (2)
- 室外機に対し、一系統の冷媒配管を介して、水用のフロースイッチを有した複数のチラー装置を並列に接続した冷凍システムにおいて、
前記チラー装置が、複数系統に分かれて水配管で接続され、前記各水用のフロースイッチの一つでも動作したときに前記室外機を停止する第一の機能と、前記チラー装置が、一系統の水配管で接続され、前記各水用のフロースイッチのすべてが動作したときに前記室外機を停止する第二の機能とを備え、
前記室外機の制御部に、第一の機能と第二の機能とを択一的に選択可能に第三の機能を備えたことを特徴とする冷凍システム。 - 前記室外機の制御部と、前記複数のチラー装置の各制御部とを通信線で接続し、前記第三の機能により、第一の機能または第二の機能のいずれかが選択されたとき、前記室外機の制御部が、通信線を介して、選択された前記機能を実行することを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
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