JP5140136B2 - 地盤改良体、地盤改良方法 - Google Patents

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この発明は、地盤改良工法における地盤中の土とセメント系固化材を撹拌混合してソイルセメント柱を形成する際のソイルセメント柱からなる地盤改良体並びに地盤改良体を形成する方法である地盤改良方法に関する。
従来、地盤改良工法に用いる撹拌装置としては、撹拌ロッド下端の掘削ヘッドより上部に複数枚の撹拌翼を固定したものが知られている。
地盤改良工法、特に深層混合処理工法においては、撹拌ロッドを回転しながらセメント系固化材(例えば、セメントミルク)を注入し、地盤中の土と撹拌混合してソイルセメント柱を形成していく方法が知られている。
特開2001−98542
従来の地盤改良工法に用いる撹拌装置は、掘削された土が撹拌ロッドの撹拌翼の間に絡み付き、泥塊となって適切な撹拌処理ができず、均質なソイルセメント柱が形成できない問題があった。また、撹拌ロッドの引上げ時において、撹拌翼に貯留した泥塊が下方の改良体の中に落下し均質強度の得られないソイルセメント柱が形成されるおそれがあった。
また、ソイルセメント柱内に芯材として、テーパー状に形成した鋼管を使用することも提案されているが(特許文献1)、鋼管の周面摩擦力の強化のみを目的としたものであり、鉛直荷重が作用した時に鋼管から伝達する応力をソイルセメント柱内に確実に伝達させるためのソイルセメント柱と芯材との適切な外形状構造は考慮されていなかった。
然るにこの発明では、ソイルセメント柱内に、圧縮強度が高いコンクリート柱体をソイルセメント柱の底と間隙を設けて埋設したので、従来の問題点を解決した。
即ち、この発明は、地盤中にセメント系固化材を注入して、土と混合撹拌してなるソイルセメント柱を形成する地盤改良体であって、前記ソイルセメント柱内に、ソイルセメント柱の固化強度よりも圧縮強度が高い材料からなるコンクリート柱体を芯材として埋設してなり、前記コンクリート柱体は上端部を下端部よりも大径に形成し、かつ下端とソイルセメント柱の底との間に鉛直荷重伝達範囲を確保できるように所定間隙を設けて埋設し、さらに、前記ソイルセメント柱の外径を前記コンクリート柱体の上端部の1.5倍以上としたことを特徴とする地盤改良体である。
また、改良方法の発明は、ソイルセメント柱体内にコンクリート柱体を埋設して、以下のようにして地盤改良体を構築することを特徴とした地盤改良方法である
(1) 地盤中にセメント系固化材を注入して、土と混合撹拌して前記ソイルセメント柱を形成する。前記ソイルセメント柱の外径を前記コンクリート柱体の上端部の1.5倍以上とした。
(2) 前記ソイルセメント柱内に、ソイルセメント柱の固化強度よりも圧縮強度が高い材料からなり、かつ上端部を下端部よりも大径に形成してなる、コンクリート柱体を挿入し、
(3) 前記コンクリート柱体の下端を、ソイルセメント柱の底との間に鉛直荷重伝達範囲を確保できるように所定間隙を設けた状態で埋設する。
更に、コンクリート柱体を、廃棄されたコンクリートポールとした地盤改良方法である。
前記における廃棄されたコンクリートポールとは、電柱や、球技場の防球ネットの支持ポール等で、使用済みのものをいう。
また、前記におけるセメント系固化材とは、セメントミルクその他の水硬性材料からなる地盤改良材料で、改良地盤に注入使用されるものである。
また、前記における撹拌手段とは、翼状、棒状、板状等その形状は問わない。
周面に撹拌翼が固定された補助撹拌装置を撹拌ロッドの軸方向に対し、上下動可能に取り付けることによって、撹拌部分で掘削土がつまりにくくなり、均質なソイルセメント柱が形成でき、また撹拌ロッドの引上げの際に該撹拌ロッドに付着した泥塊がそのまま下方のソイルセメント中に落下せずに、細分化させることができる。
地盤中にセメント系固化材を注入して土と混合撹拌し、ソイルセメント柱を形成した後に、ソイルセメント柱の固化強度よりも強く、遠心成形によって形成された上端から下端に向けて小径となるようにテーパーを有する柱体を芯材としてソイルセメント中に埋設する際に、柱体の下端面からソイルセメント柱に伝達する鉛直荷重の伝達範囲を確保できる形状(径、深さ)に形成することによって、伝達荷重が破断せず、先端での支持力が向上し、テーパー部での摩擦力と相俟って改良体全体としての支持力が向上する。
ソイルセメント柱内に埋設するテーパーを有する柱体として、廃棄コンクリートポールを再利用すれば、産業廃棄物の低減につながり、環境性が向上する。
(1) この発明の地盤改良体41は、地盤38を掘削して掘削土とセメントミルクなどを撹拌混合して形成したソイルセメント柱39内に、芯材としてコンクリート製の柱体33を埋設した構造である(図5、図4(g))。
(2) また、柱体33のコンクリートの圧縮強度はソイルセメント柱39の固化強度(地質にもよるが概ね0.5N/mm未満)より強いものとし、例えば58.9N/mmとする。テーパー状の柱体33の固化強度をソイルセメント柱39よりも強くしたため、地震等によってソイルセメント柱39にひび割れ等が発生して健全性が損なわれても、芯材であるテーパー状の柱体33によって建造物を支持することができる。
(3) 柱体33は末口34側を下にして使用し、ソイルセメント柱39の軸方向に対し、下方から上方に向けて徐々に径が大きくなる形状である。
このような形状の柱体33を使用することによって、鉛直荷重が作用した際に、柱体33の下端面(末口34)から下方への押圧力だけでなく、テーパー部から斜め下方に伝播する押圧力も作用するため、柱体33の周面摩擦力が増加し、ソイルセメント柱体全体としての支持力が向上する。
ここで、鉛直載荷試験等によって、柱体33の下端面(末口34)から下方への押圧力は、軸方向に対し水平ではなく角度θ(θは30度程度)で伝播することが知られている。そのため、ソイルセメント柱39の下端面40と柱体33の下端面(末口34)との間に、末口外径D以上の間隔を空けて柱体33を設置する。
(4) 例えば、末口D=190mm、元口D=390mm、長さ15mの柱体33を使用する場合、柱体33の下端面(末口34)からの押圧力の伝播範囲を確保するために、以下のような形状のソイルセメント柱39を形成する。
ソイルセメント柱33の下端面40から柱体33の末口34面までの距離L(=500mm)の縦方向の伝播範囲を確保した場合、ソイルセメント柱39の外径Dを元口Dの1.5倍以上(例えば、700mm以上)として横方向の伝播範囲を確保する。このような寸法でソイルセメント柱39を形成することによって、柱体33の下端面(末口34)から下方のソイルセメントに伝わる鉛直荷重応力を確保できる。また、ソイルセメント柱39の外径Dを元口Dの1.5倍以上とすることによって、柱体33のテーパー面から押圧力の伝播範囲も確保できる(図5)。
(5) こうして、ソイルセメント柱39内にテーパー状の柱体33を芯材として使用し、なおかつ柱体33からソイルセメント柱39に伝わる応力の伝達範囲を確保するように距離Lをとって埋設することによって、従来のソイルセメント柱39のみを基礎としていた場合に比べて1.5〜2倍程度、支持力を向上させることができる。
図面に基づきこの発明の実施例を説明する。
(A)撹拌混合装置25の構成
外管4の内側に、互いに独立して回転できるように、内管1を挿入し、外管4の下端6より内管1を所定長さ突出させる。前記内管1の下端部に、外管4と略同径の取付筒8を嵌装固定し、取付筒8に、掘削刃10、10を取り付けた横杆9、9を略放射状に固定する。取付筒8(内管1)の下面にも掘削刃11、11を取付ける。
また、横杆9の側面に、地盤改良材(セメントミルクなど)の吐出口26が形成され、地盤改良材は、内管1を通して吐出口26に導かれる。
外管4の下端部に、上撹拌翼13を放射状で直径対称に突設固定する(図1(b))。内管1の下端部で、取付筒8の上方に、回転筒15を回転自在に嵌装し、回転筒15の外面に下撹拌翼16、16を放射状で直径対称に突設する。
上下撹拌翼13、16は内管1の軸に対して平面同位置(同位相)で取り付けられており、上撹拌翼13の先端と対応する下撹拌翼16の先端とを、縦に配置した固定板18で結合する。
内管1の下端部外周で、外管4の下端6と取付筒8との間で、ほぼ全長に亘り、内管1の軸方向に沿って、嵌合溝20、20を形成する。嵌合溝20は、直径対称な位置に2本形成する(図1(d))。
内管1の下端部外周で、外管4の下端6と取付筒8との間に、移動筒22を取付ける。移動筒22の内面に軸方向の突条21、21が形成され、突条21は内管1の嵌合溝20に嵌合して、嵌合溝20に沿って、移動筒22を上下(H1の範囲)に移動できるように形成されている(図1(c))。また、嵌合溝20と突条21とが嵌合するので、内管1に対して移動筒22の回転が規制され、移動筒22は内管1と共に回転するように形成されている。また、移動筒22の外面に、放射状でかつ直径対称に移動撹拌翼23、23を上下3段に突設する。移動筒22と移動撹拌翼23、23とで補助撹拌装置24を構成する。
内管1の上端に、回転支持装置(図示していない)に連結する中空の連結軸2を突設して、この発明の撹拌混合装置25を構成する(図1(a))。撹拌混合装置25は、内管1の連結軸2を回転支持装置の回転機構に連結し、外管4の上端部5を内管1の回転に依拠せず自由に回転できうように支持して使用し、内管1が回転した際には、外管4の上撹拌翼13が抵抗となって、外管4は内管1と共回りしない構造となっている。
(B)他の実施例
(1) 前記実施例において、横杆9の吐出口26に代えて、あるいは吐出口26と共に内管1の下面(取付筒8の下面)で、掘削刃11、11の間隙に、地盤改良材を注入する吐出口を形成することもできる(図示していない)。また、吐出口26は、吐出される地盤改良材を掘削土と撹拌混合して均質な地盤改良体41を形成できる位置であれば、他の位置に設けることもできる。
(2) 前記実施例において、嵌合溝20、突条21は2つづつ形成したが、1つ又は3つ以上形成することもできる(図示していない)。
また、前記実施例において、内管1に嵌合溝20、移動筒22に突条21を形成したが、移動筒22に嵌合溝20を形成し、内管1に対応する突条21を形成することもできる(図示していない)。
(3) 前記実施例において、外管4の下端6と取付筒8との間で、ほぼ全長に亘り嵌合溝20、20を形成したが他の構成とすることもできる(図2)。
例えば、外管4の下端6の直ぐ下の内管1の外周に、撹拌翼を固定し、更に取付筒8の直ぐ上の内管1の外周に、撹拌翼を固定し、撹拌翼間に嵌合溝を形成する(図2(a))。この場合、移動筒22は、H2の範囲で上下に移動できる。また、移動筒8には2対の移動撹拌翼23、23を固定する。また、この場合、内管1の回転により、掘削刃10を取り付けた横杆9、撹拌翼28、29、補助撹拌装置24が同時に回転する。
また、他の嵌合溝の例として、外管4の下端6と取付筒8との間で、ほぼ中間位置の内管1の外周に、固定撹拌翼31を固定した回転筒30を嵌装し、固定撹拌翼の先端を固定板の中央部に連設する。外管4の下端6と回転筒との間、回転筒と取付筒8との間で、それぞれ嵌合溝20a、20bを形成し、嵌合溝20a側、20b側に、突条を形成した移動筒22a、22bを夫々取付ける。この場合、移動筒22a、移動筒22bは、夫々H3、H4の範囲で、上下動できる。移動筒22a、22bには同様に移動撹拌翼23、23が突設されている。移動筒22aと移動撹拌翼23、23とで上補助撹拌装置24aを、移動筒22bと移動撹拌翼23、23とで下補助撹拌装置24bを夫々構成する(図2(b))。
(4) また、前記実施例において、内管1の嵌合溝20と、移動筒22の突条21とを嵌合して、移動筒22を内管1と共に回転する構成としたが、嵌合溝20及び突条21を省略して、内管1に移動筒22を回転及び上下動自在に取付けることもできる(図3(a)(c))。この場合、移動筒22と移動撹拌翼23からなる補助撹拌装置24は、内管1の回転方向に拘わらず、土圧の方向に従って自由に上下動及び回転する。
(5) 前記実施例において、内管1、外管4からなる二重管を使用したので、各撹拌翼等による撹拌効率を高められるが、1本の撹拌管から構成することもできる(図示していない)。
次に、芯材としてテーパーを有する柱体33を埋設するこの発明の地盤改良体41及び地盤改良体41の構築方法について説明する。
(A)構築方法
(1) この発明の実施に使用する芯材は、一端の外径D(以下、末口34という)が小径で、他端の外径D(以下、元口35という)が大径に形成されたテーパー状の側面を有する遠心成形されたコンクリート製の柱体33とする。
柱体33は、例えば杭長15m、末口34外径Dが190mm、元口34の外径Dが390mmの外形寸法であって、肉厚45mmで形成し、中空部を有するように形成されている。肉厚内にはPC鋼棒(φ10.7−8本)及びPC鋼棒を巻回した螺旋状鉄筋が埋設され、プレストレスが導入された状態となっている。また、柱体の曲げ強度を増加させるために、必要に応じてPC鋼棒に沿うように複数本の補助筋(異形鋼棒等)を配置する。
(2) 撹拌混合装置25を改良予定の地盤38の上方から下降して(図4(a))、内管1を回転して掘削刃10、11で、地盤38を掘削しながら、下降する(図4(b))。掘削した掘削土は、内管1の回転に伴い、掘削刃10を設けた横杆9、9で撹拌され、また移動撹拌翼23、23で撹拌される。このとき、外管4は、上撹拌翼13が抵抗となって、内管1の回転とは共回りしない構造となっているので、外管4に取り付けた上下撹拌翼13、16の撹拌と相まって、効率良い撹拌ができる。
(3) 更に、撹拌混合装置25の下降に伴い、掘削土が滞留しているので、相対的に上昇する土圧によって、補助撹拌装置25は、内管1の嵌合溝20にそって上昇し、上撹拌翼13と最上の移動撹拌翼23とで、掘削土の塊を破砕できる。また、一旦、撹拌混合装置25の下降を止め若干上昇すれば、補助撹拌装置24は、内管1の嵌合溝20にそって下降し、下撹拌翼16と最下の移動撹拌翼23とで、掘削土の塊を破砕できる。
また、掘削の進行に伴い、各撹拌翼13、16、23等によって撹拌された掘削土が上昇し、滞留してあった掘削土も掘削の進行に伴い上昇し、補助撹拌装置24の移動撹拌翼23と上撹拌翼23との間隔が狭まったことによって細かく砕かれ、掘削土は充分に均質に撹拌される。
(4) 続いて、撹拌が完了したならば、あるいは撹拌しながら、吐出口26、26からセメントミルク(水・セメント比:100%。固化強度0.5N/mm程度)を掘削土内に注入して、上記のように作用して掘削土とセメントミルクとを充分に撹拌混合して、均質なソイルセメントを形成できる。
(5) 続いて、所定深度まで掘削・撹拌・混合が完了し、所望のソイルセメント柱39を形成後(図4(c))、セメントミルクの吐出を中止し、撹拌混合装置25を回転しながら引上げる(図4(d))。撹拌混合装置25の引上げの際、形成されたソイルセメントが抵抗となって補助撹拌装置25には下向きの力が加わり、補助撹拌装置24は、嵌合溝20、20に沿って、下方に移動する。このとき、補助撹拌装置24の回転下降に伴い、補助撹拌装置24や固定板18等に付着していた掘削土を細かく砕いて掻き落としながら撹拌するので、撹拌混合装置25を地上に引き上げる際に、付着していた掘削土の塊が、形成されたソイルセメント中に落下することを防止できる。
このようにして撹拌混合装置25を引上げて、均質なソイルセメント柱39が完成する(図4(e))。
(6) 次に、ソイルセメント柱39内に、芯材としての柱体33を、末口34側を下にして、静かに沈設する(図4(e))。柱体33の末口34をソイルセメント柱39の底面40より距離Lだけ上方に位置させ、柱体33の末口34と地盤の底との間に、距離Lのソイルセメント層が形成される。前記距離Lは、末口34の外径D以上に形成することが望ましい。
以上のようにして、ソイルセメント柱39が固化発現することにより、芯材として柱体33と一体の地盤改良体41を構成する(図4(f))。
(7) 尚、前記におけるソイルセメント柱39の形成、柱体33の埋設の際の位置出しは例えば次のように行う(図6)。
先ず、柱材33(芯材)の埋設位置、即ち形成予定のソイルセメント柱39の中心点45を基点として、形成されるソイルセメント柱39の外側の地盤中に、位置出し棒43aを埋め込む。位置出し棒43aと対称に(直径上に)位置出し棒43bを埋め込む。同様にして、位置出し棒43c、43dを埋め込む。その後、撹拌混合装置25で掘削を開始し、ソイルセメント柱39を形成する。
撹拌混合装置25を引き上げた後、対称位置の位置出し棒43c、43d、位置出し棒43c、43dを夫々、テープ44、44を結び、テープ44、44の交点から中心点45を出す。尚、テープ44は、位置出し棒43a、43b間等に直線を形成できる材料であればテープ以外で、紐、糸等でも可能である。
次に、その交点(即ち中心点45)を軸に合わせて、ソイルセメント柱39内に、柱体33を埋設する。尚、このとき柱材33の鉛直性については、下げ振り(紐等の先端に錘をぶら下げたもの)で目視により、また光波測定器等により確認しながら、埋設する。
(B)他の実施例
(1) 前記実施例において、ソイルセメント柱39内に1本の柱体33を埋設したが、複数本の柱体33、33を芯材として埋設することもできる(図示していない)。この場合、柱体33の配置方法としては、隣接する柱体同士を間隔を空けて配置してもよいし、間隔を空けずに当接させて配置してもよい。
(2) また、前記実施例におけるコンクリート製の柱体33は、コンクリートで形成された電柱等で使用済みの廃棄ポールを利用してもよい。建柱されている電柱、防球ネットの支持ポール等は数年経過すると抜柱されて新しいものと取り替えられる。抜柱されたポールは廃棄ポールとして破砕され産業廃棄物として処理される。ここで、本体の強度上問題がないにもかかわらず、廃ポールとされる理由は、コンクリートの表面層の一部の劣化等による外観上の問題、あるいは足場(ボルト)部分の破損等によるものであるから、該ポールを使用してソイルセメント柱39内に埋設すれば、そのポールの表面層の劣化も防止できる。更に、この廃ポールをソイルセメント柱39の芯材として再利用すれば、産業廃棄物の低減につながり、環境上好ましい。
一般に、電柱などは、使用状況如何にかかわらず、所定の年数を経過した場合に、廃棄されるので、クラック等が発生している場合を除き、地中に埋設されるので、芯材としての使用に何ら支障がない。
(3) 前記における撹拌方法は任意であり、例えば、一旦地盤改良予定の深さまで掘削しながら粗く撹拌し、地盤38と底40との間で、撹拌混合装置25を上下して、均一に撹拌することもできる(図示していない)。この場合も、セメントミルクの注入時期は、粗い撹拌中、粗い撹拌が完了した時期等任意である。
また、所定深さまで、ほぼ均一に撹拌混合し、撹拌混合装置25を引き上げる際に、底40からセメントミルクを注入しながら均一に撹拌混合しながら引き上げてソイルセメント柱39を形成することもできる。
(4) 前記実施例において、外管4を回転機構に連結せずに自由に回転できるように支持したが、外管4を回転しないように支持し、または内管1と異なる速度(早い又は遅い速度)で同方向に回転し、あるいは内管1とは異なる回転方向に回転できるように支持させることもできる。この場合にも、外管4が内管1と共回りすることを防止できる。従って、上下撹拌翼13、16、移動撹拌翼23により掘削土を効率よく撹拌できる。
(a)は、この発明の撹拌混合装置の正面図で、(b)は(a)のA−A線における一部拡大端面図、(c)は(a)のB−B線における一部拡大端面図、(d)は(a)のC−C線における一部拡大端面図である。 (a)(b)は、同じく他の撹拌混合装置の正面図である。 (a)他の撹拌混合装置の正面図で、(b)は平面図、(c)は(a)のD−D線における断面図である。 (a)〜(f)は、この発明の地盤改良方法を説明する概略した縦断面図である。 この発明の地盤改良体に作用する応力を説明する図である。 この発明の埋設方法における位置出しを説明する概略した平面図である。
1 内管
4 外管
6 外管の下端
8 取付筒
9 横杆
10 掘削刃
11 掘削刃
13 上撹拌翼
15 回転筒
16 下撹拌翼
18 固定板
20、20a、20b 嵌合溝
21 突条
22、22a、22b 移動筒
23 移動撹拌翼
24 補助撹拌装置
25 撹拌混合装置
26 吐出口
28 撹拌翼
29 撹拌翼
30 回転筒
31 固定撹拌翼
33 柱体
34 柱体の末口(細径、下端)
35 柱体の広口(太径、上端)
38 地盤
39 ソイルセメント柱
40 ソイルセメント柱の底
41 地盤改良体

Claims (3)

  1. 地盤中にセメント系固化材を注入して、土と混合撹拌してなるソイルセメント柱を形成する地盤改良体であって、
    前記ソイルセメント柱内に、ソイルセメント柱の固化強度よりも圧縮強度が高い材料からなるコンクリート柱体を芯材として埋設してなり、前記コンクリート柱体は上端部を下端部よりも大径に形成し、かつ下端とソイルセメント柱の底との間に鉛直荷重伝達範囲を確保できるように所定間隙を設けて埋設し
    さらに、前記ソイルセメント柱の外径を前記コンクリート柱体の上端部の1.5倍以上としたことを特徴とする地盤改良体。
  2. ソイルセメント柱体内にコンクリート柱体を埋設して、以下のようにして地盤改良体を構築することを特徴とした地盤改良方法
    (1) 地盤中にセメント系固化材を注入して、土と混合撹拌して前記ソイルセメント柱を形成する。前記ソイルセメント柱の外径を前記コンクリート柱体の上端部の1.5倍以上とした。
    (2) 前記ソイルセメント柱内に、ソイルセメント柱の固化強度よりも圧縮強度が高い材料からなり、かつ上端部を下端部よりも大径に形成してなる、コンクリート柱体を挿入し、
    (3) 前記コンクリート柱体の下端を、ソイルセメント柱の底との間に鉛直荷重伝達範囲を確保できるように所定間隙を設けた状態で埋設する。
  3. コンクリート柱体を、廃棄されたコンクリートポールとした請求項2記載の地盤改良方法。
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