JP5139692B2 - 建築部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート等の躯体の補強を目的として躯体内に埋設して用いられる竹筋等の建築部材の製造方法に関するものである。
従来より、住宅等の建築の省力化、合理化等を目的として梁と軒桁、軒桁と柱、胴差しと通し柱、柱と柱等の構造部材を接合するため、接合部材間に埋設して用いる接合具が開発されている。このような接合具は、例えば特開平5−331919号公報に記載されたものが知られている。しかし、金属製や合成樹脂製等で形成されており硬いため、建物の解体時に鋸やチェンソーで切断するのが困難で、また分別が必要なため部材のリユースやリサイクルが困難であるという問題を有していた。
近年、竹で形成された棒状部材と、棒状部材の長手方向に形成され棒状部材の両端部で開口する接着剤流入用の中空部と、を備えた接合具が開発されている。この接合具は、構造部材の当接面に穿孔された一対の連通孔に挿着され、接着剤注入用の中空部に接着剤を注入して連通孔と棒状部材の間に充填し、連通孔内の接着剤を硬化させて構造部材間を接合するものである。竹は剛性が大きく反発力が高く、強靭かつ低伸縮性で割裂性に優れた特性を有しているため、機械的特性の優れた接合具が製造でき、さらに建物の解体時に鋸やチェンソーで容易に切断でき、また分別が不要で部材のリユースやリサイクルが容易という特徴を有している。
また、従来、鋼材の節約を目的として、鉄筋コンクリートの鉄筋の代わりに竹材を用い補強した竹筋コンクリートや、炭素繊維やガラス繊維等を原材料とした繊維強化プラスチック(FRP)でコンクリート等を補強する技術が研究されていた。
しかし、構造部材内に埋設して用いられる竹製の接合具や竹筋等の建築部材は、金属製の接合具や鉄筋と比較して、引張り強さ及び曲げ強さ等の機械的強度が著しく低いという問題があった。また、竹は外皮側に近い部分の繊維の密度が高く繊維の粗密のばらつきがあるので、竹製の接合具や竹筋は、機械的強度のばらつきが生じ易いという問題があった。また、繊維強化プラスチック(FRP)は、再資源化や廃棄の点で問題があり、さらに製造時の消費エネルギー及び炭素放出量が大きく環境負荷が大きいという問題を有していた。
これらの問題を解決するため、天然の木材や竹材等の天然材を原材料とした従来の技術としては、(特許文献1)に「竹材を周方向に複数に分割した長尺の分割竹材に煮沸等の柔軟処理を施した後、圧搾して極細竹材を形成し、極細竹材に樹脂を加えて加圧し棒状に成形する竹を原材料とした加圧成形方法」が開示されている。
(特許文献2)に「裁断した単板を接着剤を介在して所定枚数積層して単板積層構体を構成し、この単板積層構体を高温高圧容器内で高温高圧スチームの雰囲気中に置いて高温高圧スチームにより加熱軟化した後、この状態で、単板積層構体に機械的な圧縮力を加えて当該単板積層構体の各単板を断面積比で1/2〜1/3程度に圧縮成形し、この後、単板積層構体の圧縮成形による変形を高温高圧スチームの雰囲気中で固定化する強化積層木材の製造方法」が開示されている。
特開平7−285105号公報 特開平5−77203号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、極細竹材に樹脂を加えて加圧成形する際に加熱していないので竹材組織を軟化させ難いため、圧縮率が小さく繊維の密度を高めることができず、得られた成形体の機械的強度が低く、またばらつきも大きいという課題を有していた。
(2)(特許文献2)に開示の技術は、単板積層構体を高温高圧容器内で高温高圧スチームの雰囲気中に置いて加熱軟化し高温高圧容器内で圧縮成形するので、単板積層構体の各単板の内部に形成されている内腔部分が小さくなって機械的強度が高く硬い木質が得られるが、高温高圧容器が必要なので装置が大型化し莫大な設備投資が必要となり、また装置の操作が複雑化し、さらに高温高圧容器内の温度や圧力、圧縮成形する金型の温度等の品質管理に必要な条件数が多く煩雑であり、品質管理が困難になるという課題を有していた。
(3)単板積層構体を高温高圧容器内で高温高圧スチームにより加熱軟化した後、圧縮成形し、次いで圧縮させた単板積層構体の形状の固定化を行うので、高温高圧容器内のバッチ毎の処理時間が長く量産性に欠けるという課題を有していた。また、単板積層構体の中心部に蒸気が浸透し難く、単板積層構体の外周部と中心部で圧密度に差が生じ製品の斑が生じ易いという課題を有していた。
(4)(特許文献1)や(特許文献2)に開示の技術は、成形可能な製品の大きさが、型や高温高圧容器の大きさに制限されるので、長尺の製品を成形する場合には、その長さに応じた長尺の型等を準備しなければならないため、長尺製品の成形が困難であるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造でき、また成形する金型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れ、さらに容易に長尺の建築部材を製造できる建築部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の建築部材の製造方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の建築部材の製造方法は、横断面が略円形,略楕円形又は略多角形のいずれかの棒状に形成された建築部材の製造方法であって、接着剤や合成樹脂を含浸させた天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体を型内に収容し、或いは天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させて型内に収容し、(a)前記天然繊維や前記繊維集合体に含浸させた前記接着剤若しくは前記合成樹脂を硬化させて、又は、(b)前記天然繊維や前記繊維集合体に含浸させた前記合成樹脂を溶融させた後に前記型から引き抜き冷却硬化させて成形体を形成する成形体形成工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)繊維集合体を形成することで非連続繊維を連続化させて機械的強度、特に引張強度を増すことができるため、高強度の建築部材を製造できる。
(2)接着剤や合成樹脂を含浸させた天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体を型内に収容し、或いは天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させて型内に収容し、天然繊維や繊維集合体に含浸させた接着剤若しくは合成樹脂を硬化させるので、天然繊維に含浸した接着剤若しくは合成樹脂が天然繊維を接着し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる。
(3)型内に繊維集合体を収容して天然繊維や繊維集合体に含浸させた接着剤等を硬化させて成形するため、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れる。
(4)成形体を型から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れる。
ここで、建築部材としては、断面形状が略円形、略楕円形、又は略三角形,略四角形,略六角形等の略多角形等に形成された棒状部材、管状体、板状体等が用いられる。これらの建築部材は、コンクリート補強用部材、フェンス等の柱材、建材、ガセットプレート、構造用梁、桁、パレット(すのこ)、窓枠、手摺、階段の親柱,段板、バルコニーの床,束,柱等に用いることができる。なかでも、コンクリート補強用部材(竹筋)に好適に用いられる。本発明の建築部材は引張強度が高いため、高い引張強度を必要とするコンクリート補強用部材の要求特性を満たすからである。
天然繊維としては、竹、ケナフ、亜麻,マニラ麻,ジュート等の麻、サトウキビ、トウモロコシ、バナナ、ヤシ、綿等の植物系原料から取り出された繊維が用いられる。なかでも、竹が好適に用いられる。機械的強度が高いからである。植物系原料から繊維を取り出す方法は、特に限定する必要はない。例えば、ケナフ,麻,サトウキビ,トウモロコシ,バナナ等では、茎部(靭皮部)を池や沼等に浸漬して繊維質以外の部分(主にペクチン質)をバクテリアに分解させた後、残った繊維を取り出す方法が挙げられる。竹の場合は、竹片をローラ、プレス等の任意の加圧手段等を用いて繊維状にする方法、高温高圧状態の竹材を急激に常圧の状態等にして爆砕して繊維状にする方法、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ剤で処理し繊維を分離するアルカリ処理法が挙げられる。綿の場合は、緬実として採取する方法が挙げられる。また、植物系原料のパルプ、植物系原料を用いたセルロースレーヨン繊維糸,セルロース繊維糸等の繊維糸も用いることができる。
天然繊維を型内に収容するときは、天然繊維の繊維方向を、目的とする建築部材の長手方向と略一致するように配向させるのが好ましいが、建築部材の用途に応じて、建築部材の長手方向に対する天然繊維の配向角度が、0〜60°の範囲になるように適宜選択することができる。建築部材の引張り強さ等の機械的強度を高めるためである。
接着剤としては、イソシアネート系接着剤、熱可塑性の水性ポリウレタン樹脂系接着剤、フェノール系接着剤、タンニン、リグフェノール、ポリ乳酸樹脂、ゴム系接着剤、無機系接着剤等を用いることができる。イソシアネート系接着剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであればよく、例えばTDI(トルエンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルイソシアネート)等が挙げられる。これらの接着剤は、刷毛塗り等の塗布、噴霧、どぶ漬け等の任意の方法によって竹片等に付着することができる。
合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。また、溶剤系樹脂、水性樹脂のいずれも用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、水性ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、スチレン系,オレフィン系,塩ビ系,ウレタン系,エステル系,ポリアミド系,塩素化ポリエチレン等の熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ウレタン樹脂,水性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂や熱可塑性の接着剤を用いた場合は、施工現場や工場で建築部材を加熱して熱可塑性樹脂等を軟化させてベンド加工を施すことができるので、施工現場に応じたベンド加工を施すことができ好ましい。
また、熱硬化性樹脂や無機系接着剤等を用いた場合は、施工現場や工場で建築部材を加熱しても軟化させることができないためベンド加工を施すことができないが、複数の建築部材の端部同士を折曲状に形成された継手やジョイント等で接合することによって、ベンド状の建築部材を形成することができる。
水性樹脂としては、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性エポキシ樹脂等を用いることができる。水性樹脂は、親水性の天然繊維との親和性が高く、また有機溶剤フリーなものは製造時の刺激臭等の問題が生じず、さらに環境負荷が少ないため好適に用いられる。なかでも、水性ポリウレタン樹脂系の接着剤や合成樹脂は、接着性と強靭性に優れるため好適に用いられる。
水性ポリウレタン樹脂としては、乳化剤を使用して水に分散させたエマルジョンタイプ、ポリマー骨格中に親水成分を直接導入したディスパージョンタイプ(自己乳化型)等を用いることができる。但し、熱軟化点が80〜180℃のものが好ましい。熱軟化点が80℃未満では耐熱性が乏しく、熱軟化点が180℃より高いと、施工現場や工場で建築部材を加熱してベンド加工を施す際に加工し難く、さらに天然繊維が焦げて機械的強度が低下するからである。
水性樹脂を繊維集合体に含浸させる前処理として、デンプン、にかわ、カゼイン、デキストリン、植物ガム、動植物タンパク質、セラック等の水溶性樹脂の水溶液を繊維集合体や天然繊維に塗布,スプレー,浸漬等を行った後、乾燥させておくのが好ましい。水性樹脂は、ディスパージョンタイプ、エマルジョンタイプのいずれであっても水に分散されているので、前記前処理を行わずに繊維集合体を浸漬すると、繊維集合体が吸水し水性樹脂による接着力にばらつきが生じることがあるため、前処理を行うことによって、天然繊維の表面や深部に水性樹脂を付着させることができ、機械的強度のバラつきをさらに抑制できる。
また、天然繊維に付着させる樹脂量を多くしたい場合は、ディスパージョンタイプ、エマルジョンタイプ等の水性樹脂の溶液に、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を溶かしたり熱可塑性樹脂の粉末を混ぜたりして、水性樹脂に加えて溶液中の熱可塑性樹脂を天然繊維に付着させることができる。これにより、天然繊維に付着させる樹脂量を増やして天然繊維間の接着性を高めることができる。
天然繊維と接着剤若しくは合成樹脂との比率は、建築部材に対し天然繊維30〜70vol%、残部が接着剤若しくは合成樹脂であるのが好ましい。天然繊維が30vol%より少なくなると引張り強さ等の機械的強度が低下し、天然繊維が70vol%より多くなると繊維集合体が解れ易くなるからである。
繊維集合体の形成は、カード機,撚り機,編組機等に天然繊維を通すことによってスライバ状にしたり撚り合わせたり編組させたりすることができる。なかでも、繊維集合体は、合撚してヤーン状,ストランド状,ロープ状に形成されたものが好適に用いられる。合撚させた天然繊維は互いに他の繊維の周りを巻回する構造になるため、天然繊維に張力が作用すると互いに締め合うように作用するので集束効果が高く、製品のバラつきが少ないため高い機械的特性を安定して得られるとともに、合撚する作業は生産性に優れるからである。
繊維集合体は、接着剤や合成樹脂を含浸させたものを型内に引き込むことができる。また、型内で繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させることもできる。また、繊維集合体にする前の天然繊維や繊維束に接着剤や合成樹脂を含浸させることができる。なお、撚られた繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させる場合は、繊維集合体の撚りを戻して少し解撚した状態で合成樹脂等を含浸させ、含浸させた後に再び繊維集合体を加撚するのが望ましい。合成樹脂等を天然繊維間に充分浸透させるためである。
天然繊維や繊維集合体に合成樹脂や接着剤を含浸させる際は、減圧又は加圧可能な密閉容器内で行うのがよい。型内で繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させる際は、型内を減圧し脱気するのが好ましい。気泡をかみ込ませることなく合成樹脂や接着剤を天然繊維や繊維集合体に含浸させるためである。
また、天然繊維や接着剤と親和性の高い変性樹脂を合成樹脂等と併用したり、合成樹脂等との親和性を高めるため予め天然繊維を表面処理したりしておくのが好ましい。天然繊維の合成樹脂等に対する濡れ性を改善し、合成樹脂等と天然繊維との密着性を高め、成形体の機械的強度を高めるためである。
天然繊維の繊維集合体を形成する場合に、収束用バインダ樹脂を含浸させて天然繊維を収束し易くすることができる。収束用バインダ樹脂としては、揮発性を有し天然繊維を溶解しない溶剤に可溶であれば、どのような樹脂でも用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、澱粉、酢酸ビニル樹脂等の水溶性樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート樹脂等を用いることができる。
天然繊維に対する収束用バインダ樹脂の割合としては、0.05〜3wt%が好適に用いられる。収束用バインダ樹脂の割合が0.05wt%より少なくなるにつれ繊維集合体が解れ易くなる傾向がみられ、3wt%より多くなるにつれ揮発するまでの時間が長くなり生産性が低下する傾向がみられる。
接着剤や合成樹脂、収束用バインダ樹脂を天然繊維や繊維集合体に含浸させる方法としては、特に限定する必要はなく、塗布,スプレー,浸漬等の一般的な手段を用いることができる。
内面に凹凸が形成された型を用いることによって、コンクリート補強用部材(竹筋)等として製造された建築部材の表面に凹凸を形成することができる。また、型から引き抜かれた成形体が冷却硬化する前に、開閉式のプレス金型で凹凸を形成することができる。凹凸を形成することにより、接着剤やコンクリートの付着性が向上するため好適に用いられる。
なお、建築部材は、クレオソート油等の油状防腐剤、トリブロモフェノール,3−ヨード−プロビニルブチルカルボナート,ナフテン酸銅等の油溶性防腐剤、CCA防腐剤等の水溶性防腐剤,乳化性防腐剤等による防腐処理;8ホウ酸ナトリウム4水和物等のホウ素化合物,カルバリル,プロポクスル等のカーバメート系化合物、パーメスリン,サイパメスリン等のピレスロイド系化合物、クロルピリホス等の有機リン系化合物等による防虫処理; ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系,サリシレート系,シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤等による光安定化処理を施すのが好ましい。建築部材は、コンクリート補強用部材(竹筋)として用いる場合等、屋外に放置されることもあるからである。
また、酸化カルシウム,酸化マグネシウム等の吸湿剤を天然繊維に対して1〜10wt%添加することもできる。天然繊維は吸水し易いものが多いが、天然繊維が吸水していると、成形時に天然繊維中のリグニン等を巻き込んで表面が変色することがあるからである。吸湿剤を添加することで、天然繊維と接触する水分量を減少させて変色等を抑制させることができる。なお、天然繊維に対する吸湿剤の添加量が1wt%より少なくなると吸湿抑制効果が低下し、10wt%より多くなると得られた建築部材の引張強さ等の機械的強度が低下するため、いずれも好ましくない。
繊維集合体を収容した型の温度としては、天然繊維が焦げ付かない温度より低く設定される。機械的強度が低下するのを防止するためである。さらに、熱可塑性樹脂を用いる場合は、樹脂の融点以上に設定される。溶融した熱可塑性樹脂で天然繊維を融着させるためである。
また、常温硬化型の接着剤や、硬化剤によって硬化する熱硬化性樹脂を用いる場合、型の温度は20℃付近の常温でよいが、加熱によって硬化する熱硬化性樹脂等を用いる場合、架橋反応等によって樹脂が硬化を開始する硬化開始温度以上に設定される。型内で熱硬化性樹脂の硬化を開始させ天然繊維を固着させるためである。
型の温度は、具体的には、20〜180℃好ましくは80〜150℃の範囲に設定されるのが好ましい。型の温度が80℃より低くなるにつれ、接着剤や熱硬化性樹脂の硬化や熱可塑性樹脂の溶融に長時間を要し生産性が低下する傾向がみられ、150℃より高くなるにつれセルロース等の分解が起こり褐色化や焦げ付いたりして機械的強度が低下する傾向がみられる。特に、20℃より低くなるか180℃より高くなると、これらの傾向が著しくなるためいずれも好ましくない。
なお、型の加熱は、ヒータ等で加熱する他、高周波誘導加熱,電磁誘導加熱等によって型に渦電流を発生させてジュール熱によって加熱することもできる。
型が成形体に加える圧力としては、型の温度にもよるが、0〜15MPaが好適に用いられる。単に引抜成形で成形体を形成する場合は0MPaでよい。なお、成形体の密度を高めるため、型を成形体の長手方向と直交軸方向に可動させて成形体の表面に加圧する場合や、成形体の引き抜きの進行方向に向かって縮径した成形面を有する絞りノズル等の型を用いる場合は、1〜15MPa好ましくは5〜10MPaが好適である。圧力が5MPaより小さくなるにつれ圧縮量が小さく高密度の成形体を製造し難くなる傾向がみられ、10MPaより大きくなるにつれ繊維同士が圧迫されて切断され機械的強度が低下する傾向がみられる。特に、1MPaより小さくなるか15MPaより高くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。縮径した成形面を有する絞りノズル等の型を用いる場合は、圧力は、型の成形面の縮径率で適宜設定される。
なお、型内に天然繊維とともに収容された接着剤や合成樹脂は、型内で硬化させてもよいし、型内で溶融させ型の外で冷却硬化させてもよい。
また、接着剤や合成樹脂と天然繊維との密着性を高めるため、型内を減圧可能にしておくのが好ましい。型内で発生した水蒸気を型外に導き易くするためである。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建築部材の製造方法であって、前記成形体を耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)成形体を耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えているので、建築部材の耐火性を高めて火災時にも軟化し難くすることができる。
ここで、耐火被覆剤としては、水ガラス、無機接着剤等を用いることができる。また、成形体等の表面が硬化する前であれば、熱伝導率が低く断熱効果のあるシリカ,アルミナ等のセラミック粉末を成形体等の表面に吹き付けて、硬化した成形体等の表面に埋設させることもできる。
耐火被覆剤で被覆する方法としては、特に限定する必要はなく、塗布,スプレー,浸漬等の一般的な手段を用いることができる。耐火被覆剤で被覆することによって、コンクリート補強部材として用いた場合、コンクリートの付着性を向上させることができ、さらに火災時にコンクリートが加熱されても、建築部材の断熱性を高め変質や耐力低下を防止することができる。
本発明の請求項3に記載の建築部材の製造方法は、横断面が略円形,略楕円形又は略多角形のいずれかの棒状に形成された建築部材の製造方法であって、天然繊維と合成樹脂繊維とが撚り合わせられ又は編組され若しくはスライバ状にされた樹脂繊維含有繊維集合体を型内に収容し、前記合成樹脂繊維を溶融させた後に前記型から引き抜き冷却硬化させて樹脂成形体を形成する樹脂成形体形成工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)樹脂繊維含有繊維集合体を形成することで非連続繊維を連続化させて機械的強度、特に引張強度を増すことができるため、高強度の建築部材を製造できる。
(2)天然繊維に合成樹脂繊維を撚り合わせる等の樹脂繊維含有繊維集合体を型内に収容し、合成樹脂繊維を溶融させた後に冷却硬化させるので、合成樹脂繊維が溶融固化して天然繊維を溶着若しくは接着し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる。
(3)型内に樹脂繊維含有繊維集合体を収容して合成樹脂繊維を溶融させた後に冷却硬化させて樹脂成形体を形成するので、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れる。
(4)樹脂成形体を型から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れる。
(5)天然繊維と合成樹脂繊維はいずれも固形物なので、天然繊維に対する合成樹脂繊維の配合量を容易にコントロールすることができ、品質の安定性に優れる。
ここで、天然繊維、成形の圧力や温度としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。樹脂繊維含有繊維集合体、樹脂成形体としては、請求項1で説明した繊維集合体、成形体と同様なので、説明を省略する。
なお、樹脂繊維含有繊維集合体を型内で段階的に縮径させたり、一旦平板状に成形したものを管状の型に導いて棒状に成形させたりするのが好ましい。合成樹脂繊維が軟化するにつれて合成樹脂繊維が天然繊維間に侵入し嵩が低下するため、合成樹脂繊維の嵩の低下に応じて段階的に縮径させたり形状を変形させたりすることで、樹脂成形体の密度を高めて品質の安定性を高められるからである。
合成樹脂繊維としては、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維が用いられる。熱可塑性樹脂繊維を用いることで、施工現場又は工場で埋設用部材の所定箇所に熱を加えて曲げ加工を容易に行うことができ施工性に優れる。
横断面が略円形,略楕円形又は略多角形のいずれかの棒状に形成された建築部材の製造方法であって、天然繊維を合成樹脂シートで巻回して形成された樹脂シート含有繊維集合体を型内に収容し、前記合成樹脂シートを溶融させた後に前記型から引き抜き冷却硬化させて合成樹脂成形体を形成する合成樹脂成形体形成工程を備えた構成を有している場合、以下のような作用が得られる。
(1)樹脂シート含有繊維集合体を形成することで非連続繊維を連続化させて機械的強度、特に引張強度を増すことができるため、高強度の建築部材を製造できる。
(2)天然繊維を合成樹脂シートと撚り合わせる等の手段によって、天然繊維を合成樹脂シートで巻回して形成された樹脂シート含有繊維集合体を型内に収容し、合成樹脂シートを溶融させた後に冷却硬化させるので、合成樹脂シートが溶融固化して天然繊維を溶着若しくは接着し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる。
(3)型内に樹脂シート含有繊維集合体を収容して合成樹脂シートを溶融させた後に冷却硬化させて合成樹脂成形体を形成するので、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れる。
(4)合成樹脂成形体を型から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れる。
(5)天然繊維と合成樹脂シートはいずれも固形物なので、天然繊維に対する合成樹脂シートの配合量を容易にコントロールすることができ、品質の安定性に優れる。
ここで、天然繊維、成形の圧力や温度としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。樹脂シート含有繊維集合体、合成樹脂成形体としては、請求項1で説明した繊維集合体、成形体と同様なので、説明を省略する。
なお、樹脂シート含有繊維集合体は、型内で段階的に縮径させたり、一旦平板状に成形したものを管状の型に導いて棒状に成形させたりするのが好ましい。合成樹脂シートが軟化するにつれて合成樹脂シートが天然繊維間に侵入し嵩が低下するため、合成樹脂シートの嵩の低下に応じて段階的に縮径させたり形状を変形させたりすることで、合成樹脂成形体の密度を高めて品質の安定性を高められるからである。
合成樹脂シートとしては、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂シートが用いられる。熱可塑性樹脂シートを用いることで、施工現場又は工場で埋設用部材の所定箇所に熱を加えて曲げ加工を容易に行うことができ施工性に優れる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建築部材の製造方法であって、前記樹脂成形体を耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)樹脂成形体を耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えているので、建築部材の耐火性を高めて火災時にも軟化し難くすることができる。
ここで、耐火被覆剤及び耐火被覆剤で被覆する方法は前述のため、ここでは説明を省略する。
以上のように、本発明の建築部材の製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)繊維集合体を形成することで非連続繊維を連続化させて機械的強度、特に引張強度を増すことができるため、高強度の建築部材を製造できる建築部材の製造方法を提供できる。
(2)接着剤や合成樹脂を含浸させた天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体を型内に収容し、或いは天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させて型内に収容し、天然繊維や繊維集合体に含浸させた接着剤若しくは合成樹脂を硬化させるので、天然繊維に含浸した接着剤若しくは合成樹脂が天然繊維を接着し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる建築部材の製造方法を提供できる。
(3)型内に繊維集合体を収容して天然繊維や繊維集合体に含浸させた接着剤等を硬化させて成形するため、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れた建築部材の製造方法を提供できる。
(4)成形体を型から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れた建築部材の製造方法を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)耐火性を高めて火災時にも軟化し難い建築部材を製造できる製造部材の製造方法を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、
(1)樹脂繊維含有繊維集合体を形成することで非連続繊維を連続化させて機械的強度、特に引張強度を増すことができるため、高強度の建築部材を製造できる建築部材の製造方法を提供できる。
(2)天然繊維に合成樹脂繊維を撚り合わせる等の樹脂繊維含有繊維集合体を型内に収容し、合成樹脂繊維を溶融させた後に冷却硬化させるので、合成樹脂繊維が溶融固化して天然繊維を溶着若しくは接着し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる建築部材の製造方法を提供できる。
(3)型内に樹脂繊維含有繊維集合体を収容して合成樹脂繊維を溶融させた後に冷却硬化させて樹脂成形体を形成するので、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れた建築部材の製造方法を提供できる。
(4)成形体を型から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れた建築部材の製造方法を提供できる。
(5)天然繊維と合成樹脂繊維はいずれも固形物なので、天然繊維に対する合成樹脂繊維の配合量を容易にコントロールすることができ、品質の安定性に優れた建築部材の製造方法を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、
(1)耐火性を高めて火災時にも軟化し難い建築部材を製造できる製造部材の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における建築部材の製造装置を示す模式断面図である。
図中、1は実施の形態1における建築部材の製造装置、2は樹脂含浸槽、3は樹脂含浸槽2に貯留された液状の熱硬化性樹脂、4はガイドローラ、5は竹繊維等の天然繊維、6はガイドローラ4にガイドされて樹脂含浸槽2に浸漬され熱硬化性樹脂3を含浸させた天然繊維、7は過剰な熱硬化性樹脂3を搾るローラ等の搾り機、8は熱硬化性樹脂3を含浸させた天然繊維5を撚り合わせ又は編組し若しくはスライバ状に形成する繊維集合体形成装置、9は繊維集合体形成装置8で形成された繊維集合体、10は熱硬化性樹脂3を加熱して架橋反応等を起こさせる温度に維持され繊維集合体9の進行方向と直交軸方向に上下可動し間歇式に繊維集合体9を加圧する型、11は繊維集合体9の進行方向に向かって略同じ径で形成され間歇式に繊維集合体9を加圧する成形面、12は型10から引き出された繊維集合体9を硬化させる硬化炉、13は硬化炉12内に配設されたヒータ、14は硬化した繊維集合体9を型10の動作と連動して間歇式に引き取る引取り装置、15は引取り装置14によって型10から引き取られた成形体である。
なお、本実施の形態においては、型10の成形面11が繊維集合体9に加える圧力は1〜15MPaに設定されている。また、型10には、内部が減圧できるように図示しない真空ポンプ等の減圧装置が接続されている。
以下、図面を参照しながら、実施の形態1における埋設用部材の製造方法について説明する。
始めに、繊維集合体形成工程において、竹繊維等の天然繊維5に熱硬化性樹脂3を含浸させた後、過剰な熱硬化性樹脂3を搾り機7で搾り取る。次に、複数の天然繊維5を繊維集合体形成装置8で撚り合わせ又は編組し若しくはスライバ状にして繊維集合体9を形成する。
次に、成形体形成工程において、型10内で加熱し減圧して繊維集合体9に含浸した熱硬化性樹脂3の硬化を開始させながら、成形面11で間歇式に加圧し、次いで硬化炉12で熱硬化性樹脂3を完全に硬化させて長尺の連続した成形体15を、引取り装置14で引き抜きながら成形する。引き抜かれた成形体15を適当な長さに切断することで、コンクリート補強用部材(竹筋)等の建築部材が製造される。
以上のような実施の形態1における建築部材の製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)繊維集合体形成工程を有しているので、繊維集合体9を形成することで、非連続繊維を連続化させて機械的強度を増すことができるため、高強度の建築部材が製造できる。
(2)繊維集合体9を型10内に収容し天然繊維5に含浸させた熱硬化性樹脂3を硬化させるので、繊維集合体9に含浸した熱硬化性樹脂3が天然繊維5を接着し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる。
(3)型10内に繊維集合体9を収容して天然繊維5に含浸させた熱可塑性樹脂3を硬化させて成形するため、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型10の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れる。
(4)成形体15を型10から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れる。
(5)型10が間歇式に繊維集合体9を加圧するので、繊維集合体9内の天然繊維5の密度を高め機械的強度を高めることができる。
(6)型10の内部を減圧することで、型10内で発生した水蒸気を型10の外に導き易くして、熱硬化性樹脂3と繊維集合体9の天然繊維との密着性を高めることができ、品質の安定性に優れる。
ここで、本実施の形態においては、型10は型締め及び型開きができる構造で、型10の成形面11が繊維集合体9に加える圧力は1〜15MPaに設定されており、成形体15が型10から間歇式に引き抜かれる場合について説明したが、成形面11の上下可動を行わずに、成形面11が繊維集合体9に加える圧力を0MPaに設定する場合もある。この場合でも、型10は熱硬化性樹脂3を加熱することができるので、架橋反応等を生じさせ熱硬化性樹脂3の硬化を開始させることができる。
また、熱硬化性樹脂3を含浸させた天然繊維5を繊維集合体9にする場合について説明したが、繊維集合体9を形成した後、若しくは予め製造した繊維集合体を使って、樹脂含浸槽2に繊維集合体9を浸漬して熱硬化性樹脂3を含浸させる場合もある。撚られた繊維集合体に熱硬化性樹脂3を含浸させる場合は、繊維集合体の撚りを戻して少し解撚した状態で含浸させ、含浸させた後に再び繊維集合体を加撚すると、熱硬化性樹脂3を天然繊維5間に充分浸透させることができる。
また、繊維集合体9を形成した後、型10内で熱硬化性樹脂を含浸させる場合もある。また、樹脂含浸層2に浸漬するのではなく、熱硬化性樹脂を塗布したり吹き付けたりして含浸させる場合もある。これらの場合も同様の作用が得られる。
また、熱硬化性樹脂3に代えて、イソシアネート系接着剤等の接着剤を用いることができる。この場合も接着剤を型10内で硬化させることができ、同様の作用が得られる。また、熱硬化性樹脂3に代えて、エマルジョンタイプやディスパージョンタイプの水性ポリウレタン樹脂等の水性樹脂を用いることができる。この場合も、硬化させた水性樹脂で繊維集合体9を硬化させることができ、同様の作用が得られる。なお、この場合には、水性樹脂を含浸させた繊維集合体9を型10に導入する前に、繊維集合体9を70〜100℃付近で乾燥させるのが望ましい。繊維集合体9が吸収した水を蒸発させ、型10内で生じる蒸気量を減少させ、成形体15が気泡を噛み込むのを防止するためである。また、型10の内部を減圧するとともに、発生した水蒸気を型10から抜くための脱気孔を型10に設けるのが好ましい。
また、熱硬化性樹脂3に代えて、溶融させた熱可塑性樹脂を型10内に注入して溶融状態の熱可塑性樹脂を繊維集合体9に付着させた場合は、型10から引き抜いた繊維集合体9を冷却し熱可塑性樹脂を硬化させて建築部材を得ることができる。
また、成形面11に凹凸が形成された型を用いることによって、成形体15の表面に凹凸を形成することができ、コンクリート補強用部材としての建築部材では、コンクリートの付着性が向上するため好適に用いられる。成形面11に螺子溝状の凹凸を形成することもでき、この場合は、引取り装置14で成形体15を螺子溝方向に沿って回転させながら引取ることで型10から引き抜くことができる。また、成形体15に螺子溝状の凹凸を形成する型10を回転させることができる場合には、引取り装置14で成形体15を回転させることなく型10から成形体15を引き抜くことができる。
また、型10の成形面11の略中心に心材を配設することによって、中空状の成形体も製造する場合もある。なお、成形面11の形状を適宜選択することによって、断面形状が略円形、略楕円形、又は略三角形,略四角形,略六角形等の略多角形等に形成された建築部材を製造することができる。
また、成形体形成工程の後、硬化した成形体15を無機接着剤,水ガラス,セラミック粉末等の耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えていると、耐火性を高めて火災時にも軟化し難い建築部材を製造できるため好ましい。なお、成形体15を耐火被覆剤で被覆する手段としては、塗布、スプレー、浸漬等の種々の手段を用いることができる。
(実施の形態2)
図2は実施の形態2における建築部材の製造装置を示す模式断面図である。
図中、21は実施の形態2における建築部材の製造装置、22はガイドローラ、23は竹繊維等の天然繊維、24はスライバ状に形成された天然繊維、25はポリオレフィン系樹脂,ポリエステル系樹脂等で形成された熱可塑性樹脂繊維、26は天然繊維24と熱可塑性樹脂繊維25を撚り合わせ又は編組し若しくはスライバ状に形成する繊維集合体形成装置、27は繊維集合体形成装置26で形成された天然繊維24と熱可塑性樹脂繊維25の樹脂繊維含有繊維集合体、28は熱可塑性樹脂繊維25の融点以上の120〜180℃の温度に維持された型、29は繊維集合体27の進行方向に向かって縮径した成形面、30は型28から引き出された樹脂繊維含有繊維集合体27を冷却する冷却槽、31は冷却槽30内に配設されたガイドローラ、32は樹脂繊維含有繊維集合体27を連続的に引き抜く引取り装置、33は引取り装置32によって型28から引き取られた樹脂成形体である。
以下、図面を参照しながら、実施の形態2における建築部材の製造方法について説明する。
始めに、繊維集合体形成工程において、竹繊維等の複数の天然繊維24及び熱可塑性樹脂繊維25を繊維集合体形成装置26で撚り合わせ又は編組し若しくはスライバ状にして樹脂繊維含有繊維集合体27を形成する。
次に、樹脂成形体形成工程において、型28の成形面29で樹脂繊維含有繊維集合体27の熱可塑性樹脂繊維25を溶融させ天然繊維22を溶着させる。次いで、冷却槽30内で樹脂繊維含有繊維集合体27を冷却し、溶融した熱可塑性樹脂繊維25を硬化させて、長尺の連続した樹脂成形体33を引抜成形する。引き抜かれた樹脂成形体33を適当な長さに切断することで、コンクリート補強用部材(竹筋)等の建築部材が製造される。
以上のような実施の形態2における建築部材の製造方法によれば、実施の形態1に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)型28の成形面29が樹脂繊維含有繊維集合体27の進行方向に向かって縮径しているので、樹脂繊維含有繊維集合体27が型28を移動する間に熱可塑性樹脂繊維25が軟化溶融し減容して繊維集合体27の外径が小さくなっても、樹脂繊維含有繊維集合体27と成形面29とを面接触させることができるので、型28の熱を樹脂繊維含有繊維集合体27に伝達し熱可塑性樹脂繊維25を溶融させ天然繊維22を完全に接着することができる。
(2)得られた樹脂成形体33は熱可塑性樹脂で天然繊維22が接着されているので、施工現場又は工場で樹脂成形体33の所定箇所を加熱することで曲げ加工を容易に行うことができ、コンクリート補強用部材のベンド加工等も容易に行うことができ施工性に優れる。
ここで、本実施の形態においては、引取り装置32が樹脂成形体33を連続的に引取る場合について説明したが、実施の形態1で説明したように、型28を型締め及び型開きができる構造にして、型の動作に連動して間歇的に樹脂成形体33を引取るようにする場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
また、成形面29に螺子溝状の凹凸を形成したり、型28の下流部に螺子溝状の凹凸が形成された絞りノズルを配設したりすることもでき、この場合は、引取り装置32で樹脂成形体33を螺子溝方向に沿って回転させながら引取ることで、型28や絞りノズルから樹脂成形体33を引き抜くことができる。また、螺子溝状の凹凸を形成された型28や絞りノズルを回転させることができる場合には、引取り装置32で樹脂成形体33を回転させることなく、型28や絞りノズルを回転させることで、樹脂成形体33を型28や絞りノズルから引き抜くことができる。これにより、樹脂成形体33の表面に凹凸を形成することができ、コンクリート補強用部材としての建築部材では、コンクリートの付着性がアンカー効果によって向上するため好ましい。
また、樹脂成形体形成工程の後、硬化した樹脂成形体33を無機接着剤,水ガラス,セラミック粉末等の耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えていると、耐火性を高めて火災時にも軟化し難い建築部材を製造できるため好ましい。なお、樹脂成形体33を耐火被覆剤で被覆する手段としては、塗布、スプレー、浸漬等の種々の手段を用いることができる。
また、繊維集合体形成工程において、繊維集合体形成装置26を用いて天然繊維24及び熱可塑性樹脂繊維25から樹脂繊維含有繊維集合体27を形成する場合について説明したが、熱可塑性樹脂シートの上に天然繊維を撒き、熱可塑性樹脂シートからなる合成樹脂シートで天然繊維を巻回する場合もある。この場合、合成樹脂成形体形成工程において、天然繊維が合成樹脂シートで巻回された樹脂シート含有繊維集合体を型内に収容して、合成樹脂シートを溶融させた後に冷却硬化させて合成樹脂成形体を製造でき、同様の作用が得られる。なお、合成樹脂成形体形成工程の後、合成樹脂成形体を無機接着剤や水ガラス等の耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備える場合もある。これにより、耐火性を高めることができ好ましい。
(実施の形態3)
図3は実施の形態3における建築部材の製造装置を示す模式断面図である。
図中、41は実施の形態3における建築部材の製造装置、42は竹繊維等の天然繊維が合撚されヤーン,ストランド,ロープ等に形成された繊維集合体、43は減圧可能に形成された樹脂含浸槽、44は樹脂含浸槽43に貯留された水性ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂の水性樹脂、45は樹脂含浸槽43の上流側に配設され繊維集合体42が解撚される方向に回転しないように支持する支持部材、46は樹脂含浸槽43の下流側に配設され支持部材45に軽く支持された繊維集合体42を解撚する方向に捻って繊維集合体42の撚りの締め付けを緩める解撚装置、47は解撚装置46の下流に配設され繊維集合体42を再び加撚する加撚装置、48は水性樹脂44を含浸させた繊維集合体42の水分を乾燥させる70〜100℃に加熱された乾燥機、48aは乾燥機48のヒータ、49は熱可塑性樹脂44の熱軟化点以上の80〜150℃の温度に維持された型、50は繊維集合体42の進行方向に向かって縮径した成形面、51は繊維集合体42に含まれた水分が蒸発して生じる蒸気を型49の外に抜く脱気孔、52は内面に螺子溝状の凹凸を有し回転可能に形成された凹凸形成部材、53は型49から引き出された繊維集合体42(成形体)を冷却する冷却槽、54は冷却槽53内に配設されたガイドローラ、55は冷却された成形体56を連続的に引き抜く引取り装置である。
なお、本実施の形態においては、型49には、内部が減圧できるように図示しない真空ポンプ等の減圧装置が接続されている。
以下、図面を参照しながら、実施の形態3における埋設用部材の製造方法について説明する。
始めに、繊維集合体形成工程において、竹繊維等の天然繊維を合撚してヤーン状,ストランド状,ロープ状等に製造された繊維集合体42を、樹脂含浸槽44の水性樹脂44に浸漬させる。解撚装置46で繊維集合体42の撚りの締め付けを緩めて、水性樹脂44を繊維集合体42の深部まで含浸させる。樹脂含浸槽43から引き出された繊維集合体42は、加撚装置47によって再び加撚され、次いで乾燥機48により乾燥される。
次に、成形体形成工程において、繊維集合体42を型49内で加熱して、加熱架橋等により繊維集合体42に含浸した水性樹脂44の硬化を開始させながら、成形面50で加圧し繊維集合体42を圧縮した後、水性樹脂44が柔らかいうちに凹凸形成部材52により繊維集合体42の表面に凹凸を形成する。次いで冷却槽53で冷却することによって、繊維集合体42に含浸させた水性樹脂44を完全に硬化させて、長尺の連続した成形体56を引取り装置55で引き抜きながら成形する。引き抜かれた成形体56を適当な長さに切断することで、コンクリート補強用部材(竹筋)等の建築部材が製造される。
以上のような実施の形態3における建築部材の製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)合撚されヤーン状,ストランド状,ロープ状等に製造された繊維集合体42を用いているので、合撚させた天然繊維は互いに他の繊維の周りを巻回する構造になるため、天然繊維に張力が作用すると互いに締め合うように作用し集束効果が高く、集束のバラつきが少ないため高い機械的特性を安定して得ることができる。
(2)天然繊維や繊維束は機械的強度のバラつきがあるが、繊維集合体42が合撚されているのでバラつきをなくし、製品品質を一定に保つことができる。
(3)樹脂含浸槽43を減圧して水性樹脂44を繊維集合体42に含浸させるので、繊維集合体42の深部まで水性樹脂44を含浸させることができ、成形体56の機械的強度を高めることができる。
(4)樹脂含浸槽43内で繊維集合体42の撚りの締め付けを緩めるので、水性樹脂44を繊維集合体42の深部まで含浸させることができ、成形体56の機械的強度を高めることができる。
(5)繊維集合体42を乾燥機48で乾燥した後、型49で加熱するので、繊維集合体9が吸収した水を蒸発させて型49内で生じる蒸気量を減少させ、成形体56が気泡を噛み込んで機械的強度が低下するのを防止することができる。
(6)繊維集合体42を水性樹脂44と共に型49内に収容し、加熱して水性樹脂44で繊維集合体42を接着させるので、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造できる。
(7)型49内に繊維集合体42と水性樹脂44を収容して水性樹脂44を硬化させて成形するため、大型の高温高圧容器が不要なため設備投資を少なくでき、また成形する型49の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れる。
(8)成形体56を型49から引き抜きながら成形しているので、コンクリート補強部材(竹筋)等の長尺の建築部材も連続的に成形することができ生産性に優れる。
(9)水性樹脂44が柔らかいうちに凹凸形成部材52により成形体56の表面に凹凸を形成するので、コンクリート補強用部材としての建築部材では、コンクリートの付着性をアンカー効果によって向上させることができる。
(10)水性樹脂44を用いているので、親水性の天然繊維との親和性が高く、また有機溶剤フリーなものは製造時の刺激臭等の問題が生じず作業性に優れ、さらに環境負荷が少ない。特に、水性樹脂44として水性ポリウレタン樹脂を用いた場合は、接着性と強靭性に優れるため、成形体56の機械的強度を高め、さらに強度バラつきの少ない建築部材を製造することができる。
(11)型49の内部を減圧することで、型49内で発生した水蒸気を型49の外に導き易くして、水性樹脂44と繊維集合体42の天然繊維との密着性を高めることができ、品質の安定性に優れる。
ここで、本実施の形態においては、冷却槽53で成形体56を冷却する場合について説明したが、これに限らず、水等の冷媒で冷やした金型等を用いて成形体56を冷却する場合もある。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルカリ処理法によって得られた竹材の長繊維の天然繊維を合撚して形成したストランドを、複数本合加撚してロープ状の繊維集合体を形成した後、この繊維集合体をディスパージョンタイプの水性ポリウレタン樹脂(大日精化工業製、熱可塑性樹脂)を満たした樹脂含浸槽に浸して、繊維集合体に水性ポリウレタン樹脂を含浸させ、さらに70℃の乾燥機内を通過させた。これを、成形体形成工程において、繊維集合体の進行方向に向かって縮径した成形面が形成され160℃に維持された型内を通過させて絞りながら圧縮し、断面の直径が20mmの円形の長尺状に成形した後、空冷して水性ポリウレタン樹脂を硬化させ、天然繊維含有率60vol%の成形体を得た。
JIS Z2101に準拠して成形体の引張強度を測定したところ、平均400MPaであり、鋼材(SS400)(引張強度400MPa)とほぼ同等の高い引張強度を有していることが明らかになった。
(実施例2)
高分子イソシアネート系接着剤(商品名:コニシCU50)を塗布したジュートの天然繊維を加撚して、樹脂繊維含有繊維集合体を製造した。次に、樹脂繊維含有繊維集合体を180℃に加熱された型内に引き込み、型の成形面で間歇式に8MPa(約80kg/cm)の圧力で加圧し、樹脂繊維含有繊維集合体を圧縮しながら接着剤を硬化させた。次いで、冷却槽内で樹脂繊維含有繊維集合体を冷却して、天然繊維含有率51vol%の樹脂成形体を成形した。
JIS Z2101に準拠して成形体の引張強度を測定したところ、平均220MPaであった。
(実施例3)
熱可塑性の水系ポリウレタン樹脂製シート(大日精化工業製)を細く繊維状に裁断した熱可塑性樹脂繊維と、ジュートの天然繊維とを加撚して、樹脂繊維含有繊維集合体を製造した。次に、樹脂繊維含有繊維集合体を160℃に加熱された型内に引き込み、熱可塑性樹脂繊維を溶融させながら、型の成形面で間歇式に8MPa(約80kg/cm)の圧力で加圧し、樹脂繊維含有繊維集合体を圧縮した。次いで、冷却槽内で樹脂繊維含有繊維集合体を冷却し、溶融した熱可塑性樹脂繊維を硬化させて、天然繊維含有率50vol%の樹脂成形体を成形した。
JIS Z2101に準拠して成形体の引張強度を測定したところ、平均220MPaであった。
以上のように本実施例によれば、機械的強度の高い建築部材を生産性よく製造できることが明らかになった。特に竹材の天然繊維を用いた場合は、鋼材(SS400)とほぼ同等かそれ以上の高い引張強度が発現されることが明らかになった。
本発明は、コンクリート等の躯体の補強を目的として躯体内に埋設して用いられる竹筋等の建築部材の製造方法に関し、硬く機械的強度が高く強度のばらつきの小さな建築部材を製造でき、また成形する金型の温度、圧力等の品質管理に必要な条件数が少なく管理が容易で品質の安定性に優れ、さらに容易に長尺の建築部材を製造できる建築部材の製造方法を提供することができる。
実施の形態1における建築部材の製造装置を示す模式断面図 実施の形態2における建築部材の製造装置を示す模式断面図 実施の形態3における建築部材の製造装置を示す模式断面図
符号の説明
1 建築部材の製造装置
2 樹脂含浸槽
3 熱硬化性樹脂
4 ガイドローラ
5,6 天然繊維
7 搾り機
8 繊維集合体形成装置
9 繊維集合体
10 型
11 成形面
12 硬化炉
13 ヒータ
14 引取り装置
15 成形体
21 建築部材の製造装置
22,31 ガイドローラ
23,24 天然繊維
25 熱可塑性樹脂繊維
26 繊維集合体形成装置
27 樹脂繊維含有繊維集合体
28 型
29 成形面
30 冷却槽
32 引取り装置
33 樹脂成形体
41 建築部材の製造装置
42 繊維集合体
43 樹脂含浸槽
44 水性樹脂
45 支持部材
46 解撚装置
47 加撚装置
48 乾燥機
48a ヒータ
49 型
50 成形面
51 脱気孔
52 凹凸形成部材
53 冷却槽
54 ガイドローラ
55 引取り装置

Claims (4)

  1. 横断面が略円形,略楕円形又は略多角形のいずれかの棒状に形成された建築部材の製造方法であって、
    接着剤や合成樹脂を含浸させた天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体を型内に収容し、或いは天然繊維が撚り合わせられ又は編組された繊維集合体に接着剤や合成樹脂を含浸させて型内に収容し、(a)前記天然繊維や前記繊維集合体に含浸させた前記接着剤若しくは前記合成樹脂を硬化させて、又は、(b)前記天然繊維や前記繊維集合体に含浸させた前記合成樹脂を溶融させた後に前記型から引き抜き冷却硬化させて成形体を形成する成形体形成工程を備えていることを特徴とする建築部材の製造方法。
  2. 前記成形体を耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載の建築部材の製造方法。
  3. 横断面が略円形,略楕円形又は略多角形のいずれかの棒状に形成された建築部材の製造方法であって、
    天然繊維と合成樹脂繊維とが撚り合わせられ又は編組され若しくはスライバ状にされた樹脂繊維含有繊維集合体を型内に収容し、前記合成樹脂繊維を溶融させた後に前記型から引き抜き冷却硬化させて樹脂成形体を形成する樹脂成形体形成工程を備えていることを特徴とする建築部材の製造方法。
  4. 前記樹脂成形体を耐火被覆剤で被覆する耐火被覆工程を備えていることを特徴とする請求項3に記載の建築部材の製造方法。
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