JP2022038608A - 炭素繊維チョップ製造方法および炭素繊維プリプレグ製造方法 - Google Patents

炭素繊維チョップ製造方法および炭素繊維プリプレグ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リサイクルされた炭素繊維を利用し得る炭素繊維チョップの新規な製造方法を提供すること。加えて、該製造方法を用いて準備される炭素繊維チョップを用いる、炭素繊維プリプレグの製造方法を提供すること。【解決手段】炭素繊維チョップ製造方法は次の各段階からなる:炭素短繊維からなる片撚糸を出発材料として準備する段階、前記片撚糸を解撚して解撚糸を得る段階、および、切断機で前記解撚糸を所定のチョップ長に切断してチョップを得る段階。炭素繊維プリプレグ製造方法は、前記炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備すること、および、前記炭素繊維チョップをマトリクス樹脂組成物で含浸させることを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維チョップ製造方法および炭素繊維プリプレグ製造方法に関する。
炭素繊維を補強材に用いた複合材料である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、航空機、自動車、船舶その他各種の輸送機器の部品、スポーツ用品、レジャー用品などに幅広く使用されている。
CFRP製品の好ましい製造方法のひとつでは、炭素繊維からなる補強材を予めマトリクス樹脂で含浸させた中間材料である炭素繊維プリプレグが使用される。
リサイクルされた炭素繊維から、スライバーの形成を経て、紡績糸を製造し得ることが知られている(特許文献1)。
炭素繊維スライバーを100mm以下に裁断して炭素繊維チョップを得ること、その炭素繊維チョップを乾式抄紙して炭素繊維マットを得ること、その炭素繊維マットを補強材に用いることが提案されている(特許文献2)。
複雑な形状を有するCFRP製品を製造するとき特に好適に用い得る炭素繊維プリプレグとして、チョップド炭素繊維トウを堆積させて形成したマットに熱硬化性のマトリクス樹脂組成物を含浸させる方法で製造される、シートモールディングコンパウンドが知られている(特許文献3)。
特表2013-519000号公報 特開2005-179809号公報 国際公開WO2017/150529号公報
本発明の目的のひとつは、リサイクルされた炭素繊維を利用し得る炭素繊維チョップの新規な製造方法を提供することである。本発明の他の目的は、該製造方法を用いて準備される炭素繊維チョップを用いる、炭素繊維プリプレグの製造方法を提供することである。
[1]次の各段階からなる炭素繊維チョップ製造方法:炭素短繊維からなる片撚糸を出発材料として準備する段階、前記片撚糸を解撚して解撚糸を得る段階、および、切断機で前記解撚糸を所定のチョップ長に切断してチョップを得る段階。
[2]前記片撚糸がサイジング剤を含有し、前記解撚糸を解撚する段階では加熱により前記サイジング剤を流動体化または低粘度化させる、[1]に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[3]前記解撚糸を切断する前に、ニップロールを用いて前記解撚糸を扁平化する段階を更に有する、[1]または[2]に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[4]前記片撚糸を解撚する段階では、前記解撚糸が無撚状態となるように解撚する、[3]に記載の製造方法。
[5]前記解撚糸を切断する前に、前記解撚糸に固定化剤を付与する段階を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[6]前記固定化剤が熱可塑性樹脂を含有する、[5]に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[7]前記固定化剤が熱硬化性樹脂を含有する、[5]に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[8]前記固定化剤がエポキシ樹脂と脂肪酸エステルを含有する、[5]に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[9]前記解撚糸に張力をかけない、[1]~[8]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[10]前記切断機がロータリーカッターである、[1]~[9]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[11]前記片撚糸が前記炭素短繊維としてリサイクルされた炭素繊維を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[12]前記所定のチョップ長が1cm以上10cm以下である、[1]~[11]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
[13][1]~[12]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備すること、および、前記炭素繊維チョップをマトリクス樹脂組成物で含浸させることを含む、炭素繊維プリプレグ製造方法。
[14][1]~[12]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備すること、前記炭素繊維チョップを堆積させることにより炭素繊維マットを形成すること、および、前記炭素繊維マットをマトリクス樹脂組成物で含浸させることを含む、炭素繊維プリプレグ製造方法。
[15]前記マトリクス樹脂組成物が熱硬化性樹脂からなる、[13]または[14]に記載の炭素繊維プリプレグ製造方法。
[16]前記マトリクス樹脂組成物が熱可塑性樹脂からなる、[13]または[14]に記載の炭素繊維プリプレグ製造方法。
[17]次の各段階からなる炭素繊維プリプレグ製造方法:[1]~[12]のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備する段階、走行する第一キャリアフィルムの片面に熱硬化性のマトリクス樹脂組成物からなる第一ペーストを塗布する段階、走行する第一キャリアフィルムの上方から前記炭素繊維チョップを落下させて第一キャリアフィルムの第一ペーストが塗布された面上に炭素繊維マットを堆積させる段階、第一キャリアフィルムの前記炭素繊維マットが堆積した側に、第一ペーストと同じ熱硬化性のマトリクス樹脂組成物からなる第二ペーストを片面に塗布した第二キャリアフィルムを、その第二ペーストが塗布された面を第一キャリアフィルム側に向けて重ね合わせて積層体を得る段階、および、前記積層体を加圧することによって前記炭素繊維マットを前記熱硬化性のマトリクス樹脂組成物で含浸させる段階。
リサイクルされた炭素繊維を利用し得る炭素繊維チョップの、新規な製造方法が提供される。また、該製造方法を用いて準備される炭素繊維チョップを用いる、炭素繊維プリプレグの製造方法が提供される。
図1は、炭素繊維チョップ製造方法のフローを表す。 図2は、炭素繊維プリプレグ製造方法のフローを表す。
1.炭素繊維チョップ製造方法
本発明の第一実施形態は、炭素繊維チョップ製造方法に関する。
第一実施形態に係る炭素繊維チョップ製造方法は、図1にフローを示すように、次の各段階からなる:
炭素短繊維からなる片撚糸を出発材料として準備する段階;
前記片撚糸を解撚して解撚糸を得る段階;および
切断機で前記解撚糸を所定のチョップ長に切断してチョップを得る段階。
出発材料として準備される、炭素短繊維からなる片撚糸は、例えば、前述の特許文献1に記載の方法で製造される。この片撚糸は、炭素短繊維を重量にして50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有するものであり、例えば、含有する繊維成分の全てが炭素短繊維であってもよいし、あるいは、熱可塑性樹脂からなる繊維が混合されたものであってもよい。
片撚糸が含有する炭素短繊維は、その一部または全部が、炭素繊維廃棄物または炭素繊維複合材料廃棄物からリサイクルされた炭素繊維であってもよい。
片撚糸と比べると、解撚糸は断面の単位面積当たり繊維本数が少なく、柔らかい。そのため、片撚糸をそのまま切断するよりも、解撚してから切断してチョップを作った方が、切断機の刃の寿命を長くすることができる。かかる観点から、片撚糸を解撚して解撚糸を得る段階では、解撚糸がスライバーのように無撚状態となるように解撚することが好ましい。
片撚糸はスライバーを経て製造されるが、片撚糸の方がスライバーよりも炭素短繊維が高密度に集合している。従って、スライバーを切断して得られるチョップよりも、片撚糸を解撚して得られる解撚糸を切断して得られるチョップの方が、繊維含有率の高いプリプレグを製造する際の補強材として適している。
片撚糸が室温(30℃以下)で流動性を有さないサイジング剤を含有する場合は、解撚するときに加熱によってサイジング剤を流動体化することが好ましい。
片撚糸が室温で高粘度のサイジング剤を含有する場合は、解撚するときに加熱によってサイジング剤の粘度を低下させることが好ましい。
解撚糸は、切断してチョップにする前に、ニップロールを用いて扁平化することが、切断不良を防ぐうえで好ましい。例えばロータリーカッターの場合なら、カッターローラーに取り付けられた切断刃により解撚糸をアンビルローラーの表面に押し付けて切断するところ、切断前に解撚糸を扁平化しておけば、切断刃の突き出し量を小さくできるので、刃こぼれが生じ難くなるとともに、アンビルローラーの消耗も遅くなる。
ニップロールを用いて解撚糸を扁平化する場合には、扁平化後の解撚糸に捩じれが生じないために、片撚糸を解撚するときに解撚糸が無撚状態となるようにすることが望ましい。
解撚糸を扁平化してから切断することにより得られる炭素繊維チョップは、形状が扁平であるため、マトリクス樹脂組成物で含浸させてプリプレグを製造するときに、マトリクス樹脂組成物が炭素繊維チョップの内部まで浸透するのに要する時間が短いという利点がある。また、扁平な炭素繊維チョップを平面上に堆積させて得られる炭素繊維マットは、炭素繊維チョップ同士の間に形成される隙間が小さいために、マトリクス樹脂組成物で含浸させたときに繊維含有率の高いプリプレグが得られる。
室温で流動性を有さないサイジング剤を含有する片撚糸を、加熱によりサイジング剤を融解させて解撚する場合、または、室温で高粘度のサイジング剤を含有する片撚糸を、加熱によりサイジング剤を低粘度化させて解撚する場合には、解撚後にサイジング剤が固化または高粘度化するように冷却することで、解撚糸の形態を固定化させ得る場合がある。
一例では、切断前の任意の段階で、解撚糸の形態を固定化するために、解撚糸に固定化剤を付与することができる。
固定化剤は熱可塑性樹脂を含有してもよい。好適例のひとつは、解撚糸を切断して得られるチョップからプリプレグを製造するときに用いられるマトリクス樹脂組成物に溶解し得る熱可塑性樹脂である。
例えば、マトリクス樹脂組成物が反応性希釈剤としてスチレンを含有する場合、スチレンに対し溶解し得る熱可塑性樹脂、例えば、スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーやABS樹脂を、固定化剤に用いることができる。
解撚糸を切断して得られるチョップに熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂組成物を含浸させてプリプレグを製造する場合には、この熱可塑性樹脂と同種の、または、この熱可塑性樹脂と相容し得る熱可塑性樹脂を、固定化剤として解撚糸に付与してもよい。
固定化剤は、室温で固体の熱硬化性樹脂または室温では実質的に流動性を有さない熱硬化性樹脂を含有してもよい。好適例のひとつは、解撚糸を切断して得られるチョップからプリプレグを製造するときに用いられるマトリクス樹脂組成物に溶解し得る熱硬化性樹脂である。
例えば、マトリクス樹脂組成物が不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル樹脂のいずれか一方または両方を含有する場合、不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル樹脂のいずれか一方または両方を、固定化剤に用いることができる。
エポキシ樹脂は、いかなる場合でも固定化剤の成分として好ましく使用し得る。エポキシ樹脂の硬化物は炭素繊維に対し良好な接着性を有するからである。エポキシ樹脂を用いた固定化剤には、脂肪酸エステルを添加してもよい。
熱硬化性樹脂を含有する固定化剤には、硬化剤を添加しないことが好ましい。
固定化剤を解撚糸に付与する方法は特に限定されない。好適例として、固定化剤の水分散液に解撚糸を浸漬した後、加熱して乾燥させる方法、粉末化した固定化剤を解撚糸に吹き付けた後、加熱して溶融させる方法、溶融させた固定化剤をスプレーガン、ロールコーター、ダイコーターなどの任意のアプリケーターで解撚糸に塗布する方法が挙げられる。
ニップローラーで解撚糸を扁平化する場合、固定化剤を解撚糸に付与するタイミングは、扁平化の前であってもよいし、後であってもよい。
固定化剤の付与が扁平化の前であると、扁平化の段階で解撚糸から炭素短繊維が脱落し難い点で有利である。
固定化剤の付与が扁平化の後であると、ニップローラーが固定化剤で汚れない点と、解撚糸に付与される固定化剤の量が制御し易い点で有利である。
解撚糸の切断に用い得る切断機は、例えば、ロータリーカッターまたはギロチンカッターであるが、これらに限定されるものではない。解撚糸は、所定のチョップ長を有するチョップが生じるように切断される。所定のチョップ長は、限定するものではないが、好ましくは1cm以上10cm以下である。
扁平化後の解撚糸を切断してチョップを得るときは、切断により形成される解撚糸の端部が、扁平な解撚糸を平面視したときに、解撚糸の長手方向と角度90°をなすように切断してもよいし、90°未満の角度(例えば10~45°)をなすように切断してもよい。
解撚糸は片撚糸に比べ引張強度が低いので、解撚機から切断機までの間の任意の区間において、張力をかけない状態、すなわち、弛んだ状態で走行させることができる。
2.炭素繊維プリプレグ製造方法
本発明の第二実施形態は、炭素繊維プリプレグ製造方法に関する。
第二実施形態に係る炭素繊維プリプレグ製造方法は、前述の第一実施形態に係る炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備すること、および、その準備した炭素繊維チョップをマトリクス樹脂組成物で含浸させることを含む。含浸方法とマトリクス樹脂組成物に限定はない。
好適例のひとつでは、第一実施形態に係る炭素繊維チョップ製造方法を用いて準備した炭素繊維チョップを堆積させることにより炭素繊維マットを形成し、その炭素繊維マットをマトリクス樹脂組成物で含浸させることにより炭素繊維プリプレグとする。
この例において、マトリクス樹脂組成物は熱硬化性樹脂からなるものであってもよいし、熱可塑性樹脂からなるものであってもよい。
炭素繊維マットを熱可塑性樹脂で含浸させるための技法については、公知技術を適宜参照することができる。
第二実施形態に係る、熱硬化性樹脂からなるマトリクス樹脂組成物を用いた炭素繊維プリプレグ製造方法のひとつは、図2にフローを示すように、次の各段階からなる:
第一実施形態に係る炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備する段階;
走行する第一キャリアフィルムの片面に熱硬化性のマトリクス樹脂組成物からなる第一ペーストを塗布する段階;
走行する第一キャリアフィルムの上方から前記炭素繊維チョップを落下させて第一キャリアフィルムの第一ペーストが塗布された面上に炭素繊維マットを堆積させる段階;
第一キャリアフィルムの前記炭素繊維マットが堆積した側に、第一ペーストと同じ熱硬化性のマトリクス樹脂組成物からなる第二ペーストを片面に塗布した第二キャリアフィルムを、その第二ペーストが塗布された面を第一キャリアフィルム側に向けて重ね合わせて積層体を得る段階;および
前記積層体を加圧することによって前記炭素繊維マットを前記熱硬化性のマトリクス樹脂組成物で含浸させる段階。
この炭素繊維プリプレグ製造方法において、炭素繊維チョップを準備する段階と、その後の段階は、連続的であってもよい。すなわち、走行する第一キャリアフィルムの上方に切断機を設置し、そこに供給される解撚糸を切断することにより次々と産出される炭素繊維チョップを切断機から下方に落下させることで、第一キャリアフィルム上に炭素繊維マットを堆積させることができる。
この炭素繊維プリプレグ製造方法において、炭素短繊維からなる片撚糸を準備する段階およびその片撚糸を解撚する段階を除く各段階は、特許文献3を含む公知文献に開示されたシートモールディングコンパウンドの製造装置を用いて実行することができる。
第一キャリアフィルムおよび第二キャリアフィルムは、シートモールディングコンパウンドの製造で従来用いられているポリオレフィンフィルムであり得る。
熱硬化性のマトリクス樹脂組成物は、シートモールディングコンパウンドの製造で従来用いられているマトリクス樹脂組成物であり得る。
熱硬化性のマトリクス樹脂組成物の好適例のひとつは、ビニルエステル樹脂および不飽和ポリエステル樹脂を、反応性希釈剤としてエチレン性不飽和化合物を用いて希釈した組成物である。この組成物には重合開始剤が必須として添加される他、内部離型剤、増粘剤、重合禁止剤、着色剤、難燃剤などから選ばれる添加剤が必要に応じて添加される。エチレン性不飽和化合物の好適例は、スチレンならびに各種の(メタ)アクリレートである。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの総称である。分子量150~250の単官能(メタ)アクリレートが低臭気である点で好ましく、その一例としてフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
熱硬化性のマトリクス樹脂組成物の他の好適例はエポキシ樹脂組成物である。エポキシ樹脂組成物は、炭素繊維マットを含浸させる段階において、低粘度化させるために加温してもよい。
炭素繊維マットを熱硬化性のマトリクス樹脂組成物で含浸させた後、得られたプリプレグを例えば30~60℃の範囲内の所定温度で一定期間保持することで、該マトリクス樹脂組成物を増粘させることができる。

Claims (17)

  1. 次の各段階からなる炭素繊維チョップ製造方法:炭素短繊維からなる片撚糸を出発材料として準備する段階、前記片撚糸を解撚して解撚糸を得る段階、および、切断機で前記解撚糸を所定のチョップ長に切断してチョップを得る段階。
  2. 前記片撚糸がサイジング剤を含有し、前記解撚糸を解撚する段階では加熱により前記サイジング剤を流動体化または低粘度化させる、請求項1に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  3. 前記解撚糸を切断する前に、ニップロールを用いて前記解撚糸を扁平化する段階を更に有する、請求項1または2に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  4. 前記片撚糸を解撚する段階では、前記解撚糸が無撚状態となるように解撚する、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記解撚糸を切断する前に、前記解撚糸に固定化剤を付与する段階を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  6. 前記固定化剤が熱可塑性樹脂を含有する、請求項5に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  7. 前記固定化剤が熱硬化性樹脂を含有する、請求項5に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  8. 前記固定化剤がエポキシ樹脂と脂肪酸エステルを含有する、請求項5に記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  9. 前記解撚糸に張力をかけない、請求項1~8のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  10. 前記切断機がロータリーカッターである、請求項1~9のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  11. 前記片撚糸が前記炭素短繊維としてリサイクルされた炭素繊維を含む、請求項1~10のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  12. 前記所定のチョップ長が1cm以上10cm以下である、請求項1~11のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備すること、および、前記炭素繊維チョップをマトリクス樹脂組成物で含浸させることを含む、炭素繊維プリプレグ製造方法。
  14. 請求項1~12のいずれかに記載の炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備すること、前記炭素繊維チョップを堆積させることにより炭素繊維マットを形成すること、および、前記炭素繊維マットをマトリクス樹脂組成物で含浸させることを含む、炭素繊維プリプレグ製造方法。
  15. 前記マトリクス樹脂組成物が熱硬化性樹脂からなる、請求項13または14に記載の炭素繊維プリプレグ製造方法。
  16. 前記マトリクス樹脂組成物が熱可塑性樹脂からなる、請求項13または14に記載の炭素繊維プリプレグ製造方法。
  17. 次の各段階からなる炭素繊維プリプレグ製造方法:請求項1~12のいずれか一項に記載の炭素繊維チョップ製造方法を用いて炭素繊維チョップを準備する段階、走行する第一キャリアフィルムの片面に熱硬化性のマトリクス樹脂組成物からなる第一ペーストを塗布する段階、走行する第一キャリアフィルムの上方から前記炭素繊維チョップを落下させて第一キャリアフィルムの第一ペーストが塗布された面上に炭素繊維マットを堆積させる段階、第一キャリアフィルムの前記炭素繊維マットが堆積した側に、第一ペーストと同じ熱硬化性のマトリクス樹脂組成物からなる第二ペーストを片面に塗布した第二キャリアフィルムを、その第二ペーストが塗布された面を第一キャリアフィルム側に向けて重ね合わせて積層体を得る段階、および、前記積層体を加圧することによって前記炭素繊維マットを前記熱硬化性のマトリクス樹脂組成物で含浸させる段階。
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