JP5139633B2 - ノンアルゴン高濃度酸素精製装置 - Google Patents

ノンアルゴン高濃度酸素精製装置 Download PDF

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Description

本発明は、現在普及しているPSA在宅酸素治療器の酸素濃度を従来の94%から99.6%以上に向上させるための在宅用,医療用,治療用として好適なアルゴンガスを含まない高濃度酸素精製装置に関する。
現在、我が国の病院では日本薬局方の99.5%以上の基準の高純度の液体酸素かボンベ酸素が使用さている。従来、慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD患者と称する)のうち動脈内酸素分圧60Torr以下の患者は、入院し病院の酸素(ボンベ又は液体酸素)などの薬局方で認可された医療用酸素で呼吸補助して血液中の酸素分圧をあげて治療してきた。しかし、近年、入院費の医療負担の節減からPSA酸素発生装置が医療機器認可され在宅治療が政府により推進され爆発的に普及し、現在10万人近くの患者が適用を受けている。
上記のPSA酸素発生装置は、圧力スイング吸着装置といわれ、通常、吸着剤として合成ゼオライトが使用されるが、原料として空気を使用した場合、窒素は合成ゼオライトに吸着されるがアルゴンは吸着されないため、この装置で得られる酸素は95%に濃縮されるとしてもアルゴン濃度も0.9%から5%に濃縮される結果になる。
現在、我が国での認定患者の在宅酸素の普及率は95%以上にのぼるが高純度酸素(液体酸素)の需要は5%に過ぎない。
なぜなら、ボンベや液体酸素は回分式で簡単に酸素補充できないが、PSA装置は電源さえあれば無尽蔵に酸素の供給が可能で在宅治療に極めて便利である。担当医より業者を通じてPSA酸素発生器(厚生労働省認証品)が運び込まれ酸素治療が一般的に行なわれるからである。このために病院等では液体酸素、またはボンベ酸素の負担が少なくなった。これが欧米諸国のように病院でもPSAによる安価な酸素ガスが使用できれば従来の1/10の医療負担ですみ国民医療負担は軽減し経済的効果は計り知れない。
しかし、PSA酸素はアルゴンガスが5%弱含まれる不純酸素であることも事実でありこのアルゴンガスの毒性の臨床試験も行われていない現状では、医療機関への94%PSA酸素の採用は当分不可能視される。
一方、酸素PSA装置が医療認可されているCOPDなどの肺疾患の在宅治療ではこの普及により病状が改善され快適な酸素治療生活を送っている患者も多い。現在、我が国での認定患者の在宅酸素PSAの普及率は95%にのぼり高純度の酸素(液体酸素)の需要は5%に過ぎない。病状が安定すれば在宅治療に切替えられ、PSA装置選定が一方的におこなわれるからである。
しかしながら、PSA酸素治療は1980年のデータ米国NOTTおよびMRC(英国)はPSA酸素発生装置について在宅治療後予後7年で死亡ということが記載されている。我国の患者の予後生存率についても厚生労働省は在宅治療7年で死亡を確認しているため、患者は予後に対する不安を払拭できない。
治療に使用されていた酸素発生装置はすべて国産PSA装置であったと記載される。しかしながら、前述のNOTTのデータには病院での液体酸素或はボンベよりのCOPD患者は長生きできる傾向が明らかに示され、在宅PSA酸素治療と異なる結果を与えている。これは病院での酸素は不純物としてのアルゴンガスが含まれていなかったことに起因し、これに対して在宅治療に使用したPSA装置の5%のアルゴンガスが患者の予後に何らかの影響を与えたとも考えられる。
99.5%の酸素であればこれらの疑念や厚生労働省の障害壁は事実上取り除かれたことになりPSA酸素も医療酸素ガスとして販売ができるようになる。その結果、医療用酸素に高額な大型深冷分離プラントを設置する必要がなくなり、需要に応じた酸素発生装置を設置できるため、地域密着の生産システムが可能となるので、従来のような重いボンベや危険な液体酸素の運送経費を軽減できる。
上記のような問題を解決するため、医療用の高濃度酸素発生装置を本発明の発明者も加わり開発し、既に特許出願している(特許文献1)。この特許文献1に記載した装置は、安価に酸素を発生できるPSA装置を用い、これにアルゴンガスを分離排出し、酸素を濃縮する設備を連結配備して、99.5%以上の高濃度の酸素が得られるようにしたものである。
特許文献1に記載した装置は、きわめて優れた装置であるが、更に改良の余地があった。即ち、この特許文献1に記載した装置では、合成ゼオライトと分子ふるいカーボンという2種類の吸着剤を充填した吸着塔の2塔を自動弁等の弁により並列に連結し、弁を交互に切り換えることにより、アルゴンガスを除去した酸素ガスを得るようにしている。しかし、1種類の吸着剤を充填した吸着塔を使用して同様の効果が得られるようにできないか、また、原料ガスから酸素を吸着した後、脱着するとき、その吸着塔内の空隙には一部原料ガスが残っていてそれらが脱着開始直後に吸引されて製品ガスに混入するが、これを防ぐことはできないか、などの点で改良の余地があった。
特開2001−87616号公報
本発明は、従来の装置より更に安価に高濃度の酸素を発生することができる装置で、COPD患者の切なる余生に対する願望に対処することができ、医療業者と医療機関との利権の対象とならない患者本位の選択が可能になるアルゴンガスを含まない在宅用,医療用,治療用として好適な新たなノンアルゴン高濃度酸素精製装置を提供することを、その課題とするものである。
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明の構成は、圧力スイング吸着により空気中から酸素を分離し濃縮するPSA酸素発生器に連結し、当該発生器からの濃縮酸素を原料ガスとして常温において当該ガス中に含まれる酸素のみを大気圧以上で吸着しアルゴンガスを含まない酸素を真空ポンプで取出す装置において、アルゴン分子を吸着しない分子ふるい作用を持つ3.8オングストロームの細孔径を有する吸着剤を充填した吸着塔の2塔を並列配置し、一方の吸着塔で前記原料ガス中に含まれる酸素の吸着が終了したとき、前記原料ガスを酸素脱離直後の他方の吸着塔に供給するとともにその一方の吸着塔の塔内を前記真空ポンプで吸引して減圧して酸素を取出しつつこの減圧直後の酸素前記他方の吸着塔に供給される原料ガスに加えて他方の吸着塔の昇圧に使用し、使用後、前記一方の吸着塔から取出した酸素を製品酸素とする操作を、双方の吸着塔について交互に繰り返すことにより、99.6%以上の高濃度の酸素が得られるようにしたことを特徴とするものである。
本発明は上記構成において、吸着塔出口の酸素濃度が原料ガスの酸素濃度と一致したとき、その吸着塔について酸素吸着が終了したと判断することが望ましい。また、吸着塔からの酸素の取出しを、原料ガスを吸着塔に供給する入口から行うようにすることが望ましい。
本発明は、酸素吸着が終了した吸着塔内には、吸着剤間の空隙などに原料ガスが一部残っているため、吸着した酸素を減圧して取出すとき、初期の取出しガスには原料ガスが一部混入してしまうことから、この初期取出しガスを製品ガスとしないで、脱着が終了し減圧状態にある他の吸着塔を昇圧するための原料ガスに加えるようにしたので、純度の高い製品ガスを得ることができると共に、昇圧用の原料ガスが少なくて済むという効果が得られる。また、本発明は、初期取出しガスを他の吸着塔の昇圧にどの程度使用するかにより、製品ガスの濃度を調節することができ、使用量を増やすことにより酸素濃度が99.6%から100%に近い製品ガスを得ることができるという効果が得られる。
厚生労働省で認可される従来市販されている量産型PSA酸素発生器に本発明のアルゴンガス除去装置を連結しアルゴンを吸着しない分子ふるい作用を持つ3.8オングストロームの細孔をもつ吸着剤を充填し酸素吸着させ真空によりこれを脱離し呼吸用の医療酸素として連続使用するものである。なお、塔の吸着,脱着の切換えは、10〜50秒の時間間隔に設定する。
次に、本発明の実施の形態例を図に拠り説明する。図1は長期在宅酸素療法患者の予後を示すグラフ図、図2は2方口電磁弁を使用した本発明VSA装置の一例の系統図、図3は4方口電磁弁を使用した本発明VSA装置の別例の系統図、図4は減圧直後の取出し酸素の初期取出時間と酸素濃度、及び、製品ガスの取出量の関係を示すグラフ図、図5は、図3に示した装置におけるタイムスケジュールを示すグラフ図、図6は従来の市販94%PSA酸素発生器に本発明VSA装置を取付けて使用する状態を示す側面図、図7は従来の市販94%PSA酸素発生器の内部に本発明VSA装置の構成機器を分散して組込んだ状態を示す図で、(a)は前面側を示す斜視図、(b)は裏面側を示す斜視図である。
図1は、上述した背景技術において説明した内容を裏付けるもので、克誠堂出版株式会社から発行されている「在宅酸素療法」(編著者谷本晋一 1997年7月25日第1版第2刷発行)の第116頁に「在宅酸素療法の準備と実施」というタイトルで掲載されているグラフ図である。このグラフ図は、米国のNOTT(nocturnal oxygen trial group)と英国のNOC(medical research council working party)の有名なデータであり、このデータは我が国での在宅酸素治療の有効性の裏付けとなったものである。これによれば従来のPSA装置による酸素はNOTTのCOT(b)とMRCのO2(c)のいずれもアルゴンガスの存在がNOTTのCOT(a)の病院の酸素(99.5%)に比して短く患者の予命に悪影響を与えていることがわかる。
次に、図2により、本発明装置の一例の系統図を説明する。図2に示す系統図は、この図の左側に、吸着剤に合成ゼオライトを用いた2塔式のPSA型酸素発生器を示し、右側に、この酸素発生器に接続して使用する本発明のノンアルゴン高濃度酸素精製装置(以下、VSA装置という)を示している。
先に、PSA型酸素発生器について説明すると、1はミクロフィルタ、2は無給油コンプレッサ、3はクーラ、4は2方口電磁弁、5,5′は吸着塔である。原料空気は殺菌し、ミクロフィルタ1を通して清浄な処理をした後、無給油コンプレッサ2に導入され、クーラ3を経て2方口電磁弁4(a,b,c,d)により、合成ゼオライト(13X型又は5A型或はリチウム交換型)を充填した2つの吸着塔5,5′のいずれかに導入される。3気圧の加圧でN2を吸着し1気圧でN2を出口酸素のパージで脱離し、廃棄6する。
酸素のパージ量は、製造酸素の79%、全供給空気量の25%が消費される。塔の切換は8〜12秒であり、4個の2方口電磁弁4あるいは1個の5方口電磁弁(図示せず)で行われる吸着操作は2.2〜3気圧であり、脱着操作は1気圧で行われる。塔切換の直前に0.5〜3秒の原料空気による均圧工程を設ける。
濃縮されたO2(95%)とAr(5%)は、逆止弁7,8を経て、流量計9より原料ガス10として真空再生のVSA装置に導入される。
次に、本発明VSA装置における工程について説明する。
1)昇圧工程
2つの吸着塔のうち、1塔の内圧を1.2気圧まで原料ガスの94%酸素で昇圧する。このとき、他の吸着塔は減圧状態で酸素を脱離し製品の酸素ガスが取出されている。
2)吸着工程
昇圧する吸着塔には、酸素未飽和状態の吸着剤が飽和吸着量に達するまで原料ガスが供給される。原料ガスの供給は、塔出口に濃縮アルゴン(25%)が流出し原料酸素ガスの破過が始まるまで行われ、この時点で原料ガスの供給を中止する。
3)減圧洗浄工程
原料ガスの供給を中止した吸着塔の塔内の圧力を1.2気圧から1気圧乃至はそれ以下に減圧することにより、吸着剤の空隙とマクロ孔内の空隙にある原料ガスを含んだ酸素を塔の原料ガス供給部側に逆方向に流し洗浄排気をする。このときの排ガスは全量回収されるが、初期に取出した排ガスには原料ガスが多く含まれている。しかし、時間の経過と共に、また、塔圧力の低下と共に、原料ガスの量は少なくなり、排ガスは濃度99%以上の酸素を含有するようになる。
このように大気圧以下に減圧された吸着塔は、直ちに真空ポンプに接続されて脱離99.6%以上の純粋酸素は製品酸素としてタンクに採取される。製品濃度の純度は、圧力1.2気圧を1気圧以下の圧力まで減圧する工程、要求されるなら1気圧以下になるまで十分に脱着製品ガスのパージの追加を行うことにより高めることができる。
4)真空排気工程
真空脱着の製品ガス量は、初期数秒はゼロであるが続いて多量の酸素が流出、後半は少量に変動し脈動するので一定の製品酸素を得るには製品ガスはバッファータンクに真空ポンプの2次側圧力が1.2〜1.5気圧の高圧になるまで蓄積され、圧力調整弁でO2製品ガス流量を一定にする排出が必要となる。
5)ガス回収・昇圧工程
2塔式であれば吸着塔が長くて50秒の吸着工程に対して他の吸着塔は45秒の真空脱着工程があり、ガス回収・昇圧工程は5〜11秒が真空から大気圧又はそれ以下の圧力まで洗浄排ガス回収と原料による昇圧工程が準備される。この間製品ガスは一時停止するがこの間の製品ガス補充はバッファータンクで補うことができる。
本発明VSA装置における工程は上記の通りであり、次に、各部の構成について詳述する。VSA装置は、後に詳述するアルゴン分子以下の細孔径を有する吸着剤を充填した吸着塔11,11′の2塔を並列配置し、2方口電磁弁12(a,b,c,d)により、いずれか一方の吸着塔11,11′に原料ガス10が導入される。例えば、吸着塔11へ吸着1.2気圧で酸素を吸着し、排ガス(アルゴン)は逆止弁13より廃棄14される。
一方、他方の吸着塔11′では、大気圧以下の60Torrで酸素の脱離を行い、真空ポンプ15による脱離直前に2方口電磁弁12により、上記の酸素吸着が終了した吸着塔11から製品ガスを取出すときの初期取出酸素を回収し、回収した酸素を、この吸着塔11′の昇圧に、原料ガスと一緒に使用する。この初期取出酸素の取出し時間の設定は電磁弁16により任意に設定することができる。
即ち、本発明では、一方の吸着塔11について酸素吸着が終了したときその吸着塔11の塔内を減圧して酸素を取出し、減圧直後に取出した酸素を原料ガス10に加えて酸素脱離直後の他方の吸着塔11′の昇圧に使用すると共に、この一方の吸着塔11に残存する酸素を製品酸素として取出す操作を、双方の吸着塔について交互に繰り返すことにより、99.6%以上の高濃度の酸素が得られるようにしている。
本発明では、吸着塔11の出口の酸素濃度が原料ガスの酸素濃度と一致したとき、その吸着塔11について酸素吸着が終了したと判断するので、吸・脱着の切換え操作はそれ以前に行うのが望ましい。吸着剤が飽和吸着量に達し、原料酸素ガスの破過が始まるのを十分待ってから切換え操作を行うとタイムラグが生じ、その時間、塔出口から原料ガスが流出してしまい損失となるからである。
また、本発明装置では、2塔の吸着と脱着の切換えは、10〜50秒の時間間隔で行なうようにしている。更に、本発明では、昇圧に使用する酸素は、減圧直後の吸着塔11から5〜11秒以内に取出した酸素を用いるようにしている。この取出時間は、製品ガスの酸素濃度に関連し、取出時間が長い程、製品ガスの酸素濃度が高くなり、100%近くまで濃度を高くすることも可能である。なお、この5〜11秒という初期酸素の取出時間は、圧力でいうと、760Torrから100Torr程度になるまで減圧することである。
17は、製品ガスタンクで、吸着塔11の2倍量とし製品ガスの逆流を防止するため、逆止弁18が設けられている。製品ガス(濃度99.6%以上の酸素)21は、ジルコニア方式の酸素計19にて計測され、流量計20より取出される。
22は、3方口電磁弁でその切換により、PSA装置からの94%酸素、VSA装置からの99.6%酸素のように、取出す出口酸素を任意に選択することができる。
ここで図4に、酸素吸着が終了した吸着塔から製品ガスを取出すときの初期取出酸素の濃度と取出時間の関係、及び、初期取出酸素を他の吸着塔の昇圧に使用したときの使用する酸素の濃度と製品ガスの発生量の関係を示す。供給する原料ガスは4L/min以下であるが、図4から分かるように、他の吸着塔の昇圧に濃度が低い初期取出酸素を使用する、即ち、初期取出時間が短い(7秒程度)ときの酸素を昇圧に使用するときは、製品ガスの酸素濃度は99.6%程度であるが、製品ガスの発生量は多くなる。一方、初期取出時間が長い(〜11秒程度)ときの酸素を昇圧に使用するときは、製品ガスの酸素濃度は99.7〜99.9%程度にまでなるが、製品ガスの発生量は少なくなることが分かる。
本発明VSA装置Vの吸着塔11,11′に充填する吸着剤は、モレキュラーシーブ4A型(昭和ユノックス)を、CVD法などでカーボンあるいはSi(OCH34などにより表面コーティングし細孔の直径を3.8オングストロームに縮小調節したものを使用している。なお、モルシーボン3A(武田エンバイロメント)は、本来の目的がN2の濃縮であるから99.5%以上の酸素に到達しにくい欠点がある。
本発明において、吸着剤の選定は回収率に大きく作用し、上述したように4A型の分子ふるいカーボンあるいは4A型ゼオライトをミクロ細孔径入口を3.8オングストロームの絞りを与えることができる。アルゴンの分子径は3.8オングストロームなので吸着されないところまで4A型分子ふるいに付着させるには、ベンゼンあるいはキシレンと吸着剤を窒素気流中で0.5〜1%表面吸着させてつぎ、窒素気流中で1〜2時間の間550℃にて焼成する方法で得られる。酸素分子は2.8オングストローム、窒素分子は3.3オングストロームなので酸素と窒素はともに吸着されるが、窒素が酸素に比べて吸着剤粒子内拡散速度が1/20と遅いので、本発明のごとく短時間サイクルでは窒素は吸着されない。
以上のように、従来は共吸着したアルゴンガスを多量の酸素パージ中に置換脱離し、収率を犠牲にして純度を向上させていたが、本発明では吸着剤中にアルゴンが吸着されないから空隙部分の自塔の脱ガスのみで塔内の不純原料ガスが洗浄でき、さらに排ガスを他塔の均圧工程に回収するため、製品ガスのロスは全く生じない。
次に、図3は、本発明VSA装置の別例の系統図であり、図2の装置では、2方口電磁弁4,12を使用していたが、2方口電磁弁4の代わりに4方口電磁弁V1と2方口電磁弁V2を組合せたものを使用し、2方口電磁弁12の代わりに、4方口電磁弁V3と3方口電磁弁V4を組合せたものを使用し、図2に示した装置と同様の操作を行なうことができるようにしたものである。なお、図2に示した符号と同一に符号は同一の部材を示している。23はマフラタンク、24は製品ガスバッファタンクである。なお、図5に、この図3に示した装置における電磁弁V1〜V4の切換えのタイムスケジュールを示してある。
図6は、従来の市販94%PSA酸素発生器に、本発明VSA装置を接続アダプターSにより取付けて使用する形態例を示している。なお、本発明VSA装置は、このようなPSA酸素発生器に取付けないで単独で使用することもできる。その場合は、空気が原料ガスとなるため窒素は除去されないが、アルゴンガスは除去されるので、吸引しても安全なガスといえる。
また、図7は、従来の市販94%PSA酸素発生器(米国エアセップ杜S-12)に、本発明VSA装置の構成機器を分散収納して99.6%の酸素を得るようにした装置の内部における機器類の配置関係を示し、(a)は前面側を示す斜視図、(b)は裏面側を示す斜視図である。
本発明VSA装置は、従来のPSA酸素発生器に接続し、或は、従来のPSA酸素発生器内に組込むことにより、従来のPSA装置のみでは到達できない99.6%以上の酸素を得ることができる。その結果、従来の装置より更に安価に高濃度の酸素を発生することができ、COPD患者の切なる余生に対する願望に対処することができるので、医療業者と医療機関との利権の対象とならない患者本位の選択が可能になる。
長期在宅酸素療法患者の予後を示すグラフ図。 2方口電磁弁を使用した本発明VSA装置の一例の系統図。 4方口電磁弁を使用した本発明VSA装置の別例の系統図。 減圧直後の取出し酸素の初期取出時間と酸素濃度、及び、製品ガスの取出量の関係を示すグラフ図。 図3に示した装置におけるタイムスケジュールを示すグラフ図。 従来の市販94%PSA酸素発生器に本発明VSA装置を取付けて使用する状態を示す側面図。 従来の市販94%PSA酸素発生器の内部に本発明VSA装置の構成機器を分散して組込んだ状態を示す図で、(a)は前面側を示す斜視図、(b)は裏面側を示す斜視図。
符号の説明
1 ミクロフィルタ
2 無給油コンプレッサ
3 クーラ
4,12 2方口電磁弁
5,5′ 吸着塔
6,14 廃棄
7,8,13,18 逆止弁
9 流量計
10 原料ガス
11,11′ 吸着塔
15 真空ポンプ
16 電磁弁
17 製品ガスタンク
19 酸素計
20 流量計
21 製品ガス
22 3方口電磁弁
23 マフラタンク
24 製品ガスバッファタンク

Claims (3)

  1. 圧力スイング吸着により空気中から酸素を分離し濃縮するPSA酸素発生器に連結し、当該発生器からの濃縮酸素を原料ガスとして常温において当該ガス中に含まれる酸素のみを大気圧以上で吸着しアルゴンガスを含まない酸素を真空ポンプで取出す装置において、アルゴン分子を吸着しない分子ふるい作用を持つ3.8オングストロームの細孔径を有する吸着剤を充填した吸着塔の2塔を並列配置し、一方の吸着塔で前記原料ガス中に含まれる酸素の吸着が終了したとき、前記原料ガスを酸素脱離直後の他方の吸着塔に供給するとともにその一方の吸着塔の塔内を前記真空ポンプで吸引して減圧して酸素を取出しつつこの減圧直後の取出した酸素前記他方の吸着塔に供給される原料ガスに加えて他方の吸着塔の昇圧に使用し、使用後、前記一方の吸着塔から取出した酸素を製品酸素とする操作を、双方の吸着塔について交互に繰り返すことにより、99.6%以上の高濃度の酸素が得られるようにしたことを特徴とするノンアルゴン高濃度酸素精製装置。
  2. 吸着塔出口の酸素濃度が原料ガスの酸素濃度と一致したとき、その吸着塔について酸素吸着が終了したと判断する請求項1に記載のノンアルゴン高濃度酸素精製装置。
  3. 前記吸着塔からの酸素の取出しは、前記原料ガスを前記吸着塔に供給する入口から行うようにした請求項1又は2のいずれか1項に記載のノンアルゴン高濃度酸素精製装置。
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