JP5139198B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキンや失禁パッド等の吸収性物品に関する。
従来、着用中の経血等の体液が幅方向に移動して側縁部から漏れてしまう横漏れを防止するため、長手方向両側縁部それぞれに防漏壁を設けた生理用ナプキンが知られている。
また、防漏壁の着用者へのフィット性を高める為に、中空のループ形状の防漏壁が知られている。例えば、引用文献1には、フィット性が高く、着用者の足の動き等の左右からの応力がかかった場合においても、中空のループ形状で緩衝し、生理用ナプキンにヨレを発生させず、漏れ防止性の高い中空のループ形状の防漏壁を備えた生理用ナプキンが開示されている。
近年、特に夜用の生理用ナプキンにおいて、生理用ナプキンの長さが長くなる傾向にあり、生理用ナプキンの長さと共に、防漏壁も長くなっている。防漏壁が長くなると、着用者の体液排泄部に当接される排泄部領域に位置する両側縁部の中空の防漏壁を、断面略円状のループ形状に起立させることが困難となる。
特開平11−299821号公報
従って、本発明の目的は、着用者の体液排泄部に当接される排泄部領域に位置する両側縁部の中空の防漏壁を、容易に断面略円状のループ形状に起立させることができ、防漏壁の形状が断面略円状のループ形状であるため、着用者へのフィット性を高め、ヨレ防止、漏れ防止性に優れた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート及び両シート間に介在する吸収体を具備する縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の長手方向両側部に形成された防漏壁とを備えた吸収性物品であって、前記防漏壁それぞれは、伸縮性シートの長手方向の一側部及び他側部を前記吸収性本体に接合部で接合するとともに、排泄部領域の前方及び後方において該伸縮性シートを該吸収性本体に接合して形成され、排泄部領域において、中空のループ状をなして起立しており、前記排泄部領域におけるループ状の前記防漏壁それぞれの前記接合部は、前記吸収性本体の長手方向の側部における肌当接面側に前記伸縮性シートの前記一側部が接合され、前記吸収性本体の長手方向の側部における非肌当接面側に前記伸縮性シートの前記他側部が接合されてなり、前記防漏壁それぞれは、ループ状をなしている部分の前方及び後方の少なくとも一方において、ループ状の前記防漏壁の一部を前記吸収性物品の幅方向の外方側及び/又は内方側から該防漏壁の内方に折り込まれた折り込み部を有する吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品によれば、着用者の体液排泄部に当接される排泄部領域に断面略円状の中空のループ形状の防漏壁を形成できるので、着用者へのフィット性を高め、ヨレ防止、漏れ防止性を高めることができる。
以下、本発明の吸収性物品である生理用ナプキンの好ましい一実施形態について、図1〜図3に基づいて説明する。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aは、図1に示すように、生理用ナプキン1Aの長手方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。
従って、以下には、主として生理用ナプキン1Aの左側の構成について詳述し、右側の構成については、適宜説明を省略し、左側の構成要素に対応する右側の構成要素は、符号にダッシュ(’)を付してある。
第1実施形態の吸収性物品(生理用ナプキン)1Aは、図1〜図3に示すように、肌当接面側の表面シート2、肌非当接面側の裏面シート3及び両シート2,3間に介在する吸収体4を具備する実質的に縦長の吸収性本体5と、該吸収性本体5の長手方向両側部5a,5a’に形成された防漏壁7,7’とを備えている。
防漏壁7,7’それぞれは、図1,図2に示すように、伸縮性シート6,6’の長手方向の一側部6a及び他側部6bを吸収性本体5に接合部8,8Dで接合するとともに、排泄部領域aの前方及び後方において伸縮性シート6,6’を吸収性本体5に接合して形成され、排泄部領域aにおいて、中空のループ状をなして起立している。
排泄部領域aにおけるループ状の防漏壁7,7’それぞれの接合部8は、図2に示すように、吸収性本体5の長手方向(CL方向;CL線と平行な方向)の側部5aにおける肌当接面側に、伸縮性シート6,6’の一側部6aが接合されて形成されている。ループ状の防漏壁7,7’それぞれの接合部8Dは、吸収性本体5の長手方向(CL方向)の側部5aにおける非肌当接面側に、伸縮性シート6,6’の他側部6bが接合されて形成されている。
防漏壁7,7’それぞれは、図3(a)に示すように、ループ状をなしている部分の前方及び後方の少なくとも一方において、ループ状の防漏壁7,7’の一部を生理用ナプキン1Aの幅方向の外方側e及び/又は内方側dから防漏壁7,7’の内方に折り込まれた折り込み部71,72,71’72’を有している。
ここで、「排泄部領域a」とは、装着者の体液排泄部に当接される領域を意味し、生理用ナプキンが個装形態に折り畳まれた際に生じる製品長手方向(CL方向)に直交する2つの折線について、生理用ナプキンの長手方向の前端から数えて第1折線と第2折線とに囲まれた領域と同じか又は狭い領域を言う。また、生理用ナプキンの製品長が長く3つの折線が生じる場合には、製品の長手方向の前端から数えて第1折線と第2折線に囲まれた領域あるいは製品の長手方向の前端から数えて第1折線と第3折線とに囲まれた領域と同じか又は狭い領域を言う。本実施形態の生理用ナプキン1Aにおける排泄部領域aは、図1に示すように、いわゆる2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1と第2折線a2とに囲まれた領域より狭い領域である。
また、「起立」とは、中空のループ状の防漏壁7,7’の上面が表面シート2の表面よりも上方に位置する状態を意味し、「凸に起立」とは、防漏壁7,7’の最も上方に位置する部位が、表面シート2の表面よりも上方に位置する状態を意味する。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aについて、詳述すると、本実施形態の生理用ナプキン1Aは、図1に示すように、その長手方向(CL方向)に、装着者の体液排泄部に当接される排泄部領域aの後方に後方領域b、排泄部領域a、排泄部領域aの前方に前方領域cを備えている。防漏壁7は、少なくとも排泄部領域aにおいて、ループ状をなして起立している。このように、防漏壁7のループ状をなして起立している部分は、排泄部領域aよりも、長手方向(CL方向)に広い領域であり、本実施形態の生理用ナプキン1Aにおいては、いわゆる2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1と第2折線a2とに囲まれた領域と略同じ大きさの領域である。第1実施形態の生理用ナプキン1Aは、図1〜図3に示すように、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備し、表面シート2と吸収体4とを固定する一対のエンボス溝9を具備している。エンボス溝9は、生理用ナプキン1Aの両側部に、長手方向に延びて延在している。表面シート2及び裏面シート3それぞれは、吸収体4よりも大きい外径寸法を有している。表面シート2及び裏面シート3は、生理用ナプキン1Aの長手方向の両端部において、吸収体4の長手方向の両端部から延出し、その延出部は互いにヒートシール等により接合されて吸収性本体5を形成している。裏面シート3の表面には、粘着剤が塗布されてズレ止め部(不図示)が形成されている。これらの構成は、従来品と同じである。
次いで、本実施形態の生理用ナプキン1Aのループ状の防漏壁7について説明する。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aでは、図1〜図3に示すように、帯状の伸縮シート6が、吸収性本体5の長手方向(CL方向)の側部5aに、長手方向に沿って、配設及び固定されており、伸縮シート6の収縮により、肌当接面側に凸に起立したの中空のループ状の防漏壁7が形成される。
上記伸縮シート6は、第1実施形態の生理用ナプキン1Aにおいては、弾性部材63により伸縮性が付与された複合シートである。伸縮シート6は、図2及び図3に示すように、肌当接面側のシート61と、非肌当接面側のシート62と、それらのシート61,62間に、複数本の弾性部材63を配置して形成されている。肌当接面側のシート61と、非肌当接面側のシート62とは、同形同大の帯状(長方形状)のシートであり、上記伸縮シート6は、肌当接面側のシート61と非肌当接面側のシート62との間に、糸状の弾性部材63を、シート61,62の長手方向(CL方向)に配置し、複数本の弾性部材63それぞれを、帯状のシート61,62の幅方向(CL方向と直交方向)に均等に配置して形成されている。複数本の弾性部材63それぞれは、図1に示すように、防漏壁7を形成した際、装着者の体液排泄部に当接される排泄部領域aより長く配置されている。
上記伸縮シート6は、図2及び図3に示すように、表面シート2及び吸収体4を挟持するように、伸縮シート6の長手方向の一側部6aの肌当接面側のシート61の表面が、表面シート2の肌当接面側の表面に接合されて接合部8を形成している。また、伸縮シート6の長手方向の他側部6bは、吸収体4と裏面シート3との間に配され、他側部6bの非肌当接面側のシート62の表面が、吸収体4の非肌当接面側の表面に接合されて接合部8Dを形成している。また、排泄部領域aの前方の前方領域c及び後方の後方領域bにおいて、伸縮性シート6は吸収性本体5に接合されている部分を有している。このように、帯状の伸縮シート6を、吸収性本体5の長手方向(CL方向)の側部5aに、長手方向に沿って、配設及び接合しているため、伸縮シート6が収縮することにより、中空のループ状に起立した部分を有する防漏壁7が形成される。接合は、ヒートシールや接着剤等により行うことができる。第1実施形態においては、接合部8はヒートシールにより形成されており、伸縮シート6の非肌当接面側のシート62と吸収体4との接合は、接着剤により行われている。また、第1実施形態においては、表面シート2と吸収体4との接合は、接着剤により行われ、伸縮シート6の肌当接面側のシート61と裏面シート3との接合(接合部8D)は、ヒートシールにより行われている。
上記防漏壁7は、図1に示すように、ループ状をなしている部分の前方及び後方の少なくとも一方、本実施形態においては、図3に示すように、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに折り込み部7a1,7a2を備えている。折り込み部7a1,7a2それぞれは、図3(a)に示すように、ループ状の前記防漏壁7の一部を、生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)の内方側dから防漏壁7の内方に折り込まれて形成した内方側折込み部71を有している。更に、外方側eから防漏壁7の内方に折り込まれて形成した外方側折込み部72を有している。内方側折込み部71の肌当接面側のシート61の表面同士は、図3(a)に示すように、接合されている。接合は、ヒートシールや接着剤等を介して行うことができ、第1実施形態においては、接着剤により接合されている。外方側折込み部72の肌当接面側のシート61の表面同士も、同様に接合されている。また、内方側折込み部71及び外方側折込み部72の先端には、図3(a)に示すように、弾性部材63をそれぞれ配置している。弾性部材63を配置することにより、可撓軸となり、防漏壁7を折込み易くなる。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aの防漏壁7では、図3(a)に示すように、内方側折込み部71より、外方側折込み部72の方が、折込みが長く形成されている。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aの長さは、好ましくは、240mm〜440mmであり、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分に形成された折り込み部7a1,7a2の間の距離(長手方向(CL方向)の長さ)は、生理用ナプキン1Aの長さに対して、2%〜60%の範囲の長さである。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aの防漏壁7の内方側折込み部71の幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)の長さは、好ましくは、2mm〜15mmであり、外方側折込み部72の幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)の長さは、好ましくは、3mm〜15mmである。
上記防漏壁7は、図1及び図3(a)に示すように、折り込み部7a1,7a2においては、伸縮シート6と前記吸収性本体5との接合部8より生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置している。ここで、接合部8より幅方向の外方に位置しているとは、図3(a)に示すように、防漏壁7を内方側に折込むことにより形成される内方側折込み部71の肌当接面側の下端部71aが、内方側折込み部71の非肌当接面側の下端部71b(接合部8の長手方向の内側の側縁部8a)より、生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置していることを言い、肌当接面側の下端部71aが、接合部8の長手方向の外側の側縁部8bより、生理用ナプキン1Aの幅方向の外方に位置する必要はない。
上記防漏壁7を形成する複合シートは、図1及び図3(b)に示すように、防漏壁7のループ状をなしている部分の前方及び後方、本実施形態においては、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分の前方と第2折線a2の部分の後方においては、弾性部材63が配置されておらず、伸縮性シート6を形成していない。複合シートを形成する肌当接面側のシート61及び非肌当接面側のシート62は、弾性部材63が配置されていない領域において、図1,図3(b)に示すように、肌当接面側に凸に起立したの中空のループ状の防漏壁7を形成しないように、積極的に折り曲げられている。防漏壁7を形成する複合シートは、生理用ナプキン1の長手方向の両端部においては、表面シート2及び裏面シート3と同様に、吸収体4の長手方向の両端部から延出し、その延出部はヒートシールまたはホットメルト等により接合固定されている。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aの形成材料について説明する。
上記表面シート2、上記裏面シート3及び上記吸収体4としては、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。
上記伸縮シート6としては、伸縮性を有し、少なくとも排泄部領域aにおいてループ形状に起立すると共に、このループ形状を保ちながら違和感がなく自在に変形する剛性を持つことが好ましい。例えば、シート材料としては、伸縮性のフィルム、伸縮性の不織布、伸縮性の織物又はそれらの積層シート等が挙げられる。具体的には、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、ポリエチレン−アクリル酸エチル等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる材自体が伸縮性を有する材料や、上述したような、これら伸縮性の材料を糸状にした弾性部材63を肌当接面側のシート61と非肌当接面側のシート62との間に配置した複合シートが挙げられる。
上記伸縮シート6の肌当接面側のシート61としては、肌触りを良好にするため、ポリエチレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレンからなる熱可塑性不織布であることが好ましい。非肌当接面側のシート62も同様である。この様な熱可塑性不織布は、不織布自体が伸縮性を有するように、クリンプ加工した繊維を用いることが好ましい。クリンプ加工されていない繊維による伸縮し難い不織布を肌当接面側のシート61及び非肌当接面側のシート62に使用する場合には、あらかじめ糸状の弾性部材63を所定の伸張率まで伸張し、それを肌当接面側のシート61及び非肌当接面側のシート62に、ホットメルトやヒートシール等によって接着することによって、複合シートを作成しても良い。
上記伸縮シート6の複数本の弾性部材63それぞれは、肌当接面側のシート61と非肌当接面側のシート62との間に、等間隔で配置している。
防漏壁7,7’の内方側折込み部71,71’の先端及び外方側折込み部72,72’の先端に弾性部材63をそれぞれ配置するためには、他の位置の弾性部材63よりも、先端の弾性部材63の弾性収縮率を高く設定することにより配置できる。また、先端の弾性部材63を他の位置の弾性部材63より太く(弾性収縮力を強く)することにより配置できる。
また、前記伸縮シート6には色が付与されていても良く、色は該伸縮シート6の肌当接面側のシート61、非肌当接面側のシート61、弾性部材63のいずれかにまたは全てに付与されていても良い。
次に上述した本発明の第1実施形態の生理用ナプキン1Aを使用した際の作用効果について説明する。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aは、図1〜図3に示すように、一対の防漏壁7,7’を備えており、一対の防漏壁7,7’それぞれは、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに、折り込み部7a1,7a2,7a1’,7a2’を有している。そのため、伸縮シート6,6’が収縮すると、少なくとも排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’は、図2に示すように、断面略円状のループ形状に起立する。少なくとも排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’が、断面略円状のループ状に起立することにより、着用者へのフィット性が向上し、着用者の足の動き等の左右からの応力がかかった場合においても、中空のループ形状で緩衝し、生理用ナプキン1Aにヨレを発生しない。その為、生理用ナプキン1Aは、漏れ防止性の高いナプキンとなる。
また、第1実施形態の生理用ナプキン1Aのループ状の前記防漏壁7,7’は、排泄部領域aの長手方向両端部a1,a2それぞれに、外方側折込み部72を有しているため、排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’は、内側に倒れ難く、中空のループ形状を安定して維持することができる。
また、第1実施形態の生理用ナプキン1Aのループ状の前記防漏壁7,7’は、排泄部領域aの長手方向両端部a1,a2それぞれに、内方側折込み部71を有しているため、生理用ナプキン1Aの使用後に平面視した場合、防漏壁7,7’によって、体液による防漏壁7,7’の汚れを遮蔽できるので、生理用ナプキン1Aの使用感が向上する。
また、第1実施形態の生理用ナプキン1Aのループ状の前記防漏壁7,7’は、内方側折込み部71を有しているため、排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’の起立性が向上したような安心感を与える。また、伸縮性シート6が着色されていると、伸縮シート6の形状が認識されやすくなるためより起立の印象性を向上することができる。
第1実施形態の生理用ナプキン1Aの防漏壁7では、図3(a)に示すように、内方側折込み部71より、外方側折込み部72の方が、折込みが長く形成されているため、排泄部領域で着用者の足の動きにより応力がかかった場合にも防漏壁が吸収体上に倒れこみにくく、吸収面を広く確保維持できる。
また、第1実施形態の生理用ナプキン1Aの内方側折込み部71の先端及び外方側折込み部72の先端の何れにも、図3(a)に示すように、弾性部材63をそれぞれ有しているため、弾性部材63が可撓軸になり、防漏壁7,7’は、排泄部領域aの長手方向両端部a1,a2それぞれにおいて、内方側及び外方側に容易に折込まれて形成される。
また、第1実施形態の生理用ナプキン1Aの防漏壁7,7’それぞれは、図1及び図3(a)に示すように、前記折り込み部7a1,7a2,7a1’,7a2’においては、前記伸縮シート6,6’と前記吸収性本体5との接合部8より幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置しているため、排泄部領域で着用者の足の動きにより応力がかかった場合、左右方向からの応力に対してループ形状の緩衝能力が高く、さらに防漏壁の吸収体上への倒れ込みが抑制できる。
また、第1実施形態の生理用ナプキン1Aの防漏壁7,7’それぞれは、図3(a)及び図3(b)に示すように、排泄領域後方bにおいては吸収体4と離間し、空間を形成していることから、吸収体4に吸収された液が防漏壁7,7’を介して滲み出さない。
さらには、吸収体4の裏面において伸縮シート6との接合点よりも幅方向(CL方向と直交方向)外側において裏面シート3と伸縮シート6とが接合されていても良い。
次に、本発明の第2実施形態の生理用ナプキンについて、図4に基づいて説明する。
第2実施形態の生理用ナプキン1Bについては、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと同様であり、第1実施形態の生理用ナプキン1Aの説明が適宜適用される。
第2実施形態の生理用ナプキン1Bの防漏壁7は、図1に示すように、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに折り込み部7a1,7a2を備えている。折り込み部7a1,7a2それぞれは、図4に示すように、ループ状の前記防漏壁7の一部を生理用ナプキン1Bの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)の内方側dから防漏壁7の内方に折り込まれて形成した内方側折込み部71を有している。内方側折込み部71の肌当接面側のシート61の表面同士は、図4に示すように、接着剤により接合されている。内方側折込み部71の先端には、図4に示すように、弾性部材63をそれぞれ配置している。
上記防漏壁7は、図1及び図4に示すように、折り込み部7a1,7a2においては、伸縮シート6と前記吸収性本体5との接合部8より生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置している。図4に示すように、防漏壁7を内方側に折込むことにより形成される内方側折込み部71の肌当接面側の下端部71aは、内方側折込み部71の非肌当接面側の下端部71b(接合部8の長手方向の内側の側縁部8a)より、生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置している。
次に上述した本発明の第2実施形態の生理用ナプキンを使用した際の作用効果について説明する。
第2実施形態の生理用ナプキン1Bは、図4に示すように、一対の防漏壁7,7’を備えており、一対の防漏壁7,7’それぞれは、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに、折り込み部7a1,7a2,7a1’,7a2’を有している。そのため、伸縮シート6,6’が収縮すると、少なくとも排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’は、図2に示すように、断面略円状のループ形状に起立する。
従って、第2実施形態の生理用ナプキン1Bは、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと同様に、着用者へのフィット性を高め、ヨレ防止、漏れ防止性を高めることができる。
また、第2実施形態の生理用ナプキン1Bのループ状の前記防漏壁7,7’は、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに、内方側折込み部71を有しているため、生理用ナプキン1Bの使用後に平面視した場合、防漏壁7,7’によって、体液による防漏壁7,7’の汚れを遮蔽できるので、生理用ナプキン1Bの使用感が向上する。
また、第2実施形態の生理用ナプキン1Bのループ状の前記防漏壁7,7’は、内方側折込み部71を有しているため、排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’の起立性が向上したような安心感を与えることができる。
次に、本発明の第3実施形態の生理用ナプキン1Cについて、図5に基づいて説明する。
第3実施形態の生理用ナプキン1Cについては、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと同様であり、第1実施形態の生理用ナプキン1Aの説明が適宜適用される。
第3実施形態の生理用ナプキン1Cの上記防漏壁7は、図1に示すように、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに、折り込み部7a1,7a2を備えている。折り込み部7a1,7a2それぞれは、図5に示すように、ループ状の前記防漏壁7の一部を生理用ナプキン1Cの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)の外方側eから防漏壁7の内方に折り込まれて形成した外方側折込み部72を有している。外方側折込み部72の肌当接面側のシート61の表面同士は、図5に示すように、接着剤により接合されている。外方側折込み部72の先端には、図5に示すように、弾性部材63をそれぞれ配置している。
上記防漏壁7は、図1及び図5に示すように、折り込み部7a1,7a2においては、伸縮シート6と前記吸収性本体5との接合部8より生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置している。ここで、接合部8より幅方向の外方に位置しているとは、図5に示すように、防漏壁7が、接合部8の長手方向の内側の側縁部8aより、生理用ナプキン1Aの幅方向(長手方向中心線CLと直交方向)外方に位置していることを言う。
次に上述した本発明の第3実施形態の生理用ナプキンを使用した際の作用効果について説明する。
第3実施形態の生理用ナプキン1Cは、図5に示すように、一対の防漏壁7,7’を備えており、一対の防漏壁7,7’それぞれは、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに、折り込み部7a1,7a2,7a1’,7a2’を有している。そのため、伸縮シート6,6’が収縮すると、少なくとも排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’は、図2に示すように、断面略円状のループ形状に起立する。
従って、第3実施形態の生理用ナプキン1Cは、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと同様に、着用者へのフィット性を高め、ヨレ防止、漏れ防止性を高めることができる。
また、第3実施形態の生理用ナプキン1Cのループ状の前記防漏壁7,7’は、2つ折の個装形態の際に生じる第1折線a1の部分と第2折線a2の部分それぞれに、外方側折込み部72を有しているため、排泄部領域aに位置する一対の中空の防漏壁7,7’は、内側に倒れ難く、中空のループ形状を安定して維持することができる。
本発明の吸収性物品は、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキンに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキンにおける各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキン1A,1B,1Cにおいては、防漏壁7を形成する伸縮シート6は、図2に示すように、伸縮シート6の長手方向の一側部6aの肌当接面側のシート61の表面が、表面シート2の肌当接面側の表面に接合しているが、図6に示すように、伸縮シート6の長手方向の一側部6aの非肌当接面側のシート62の表面が、表面シート2の肌当接面側の表面に接合していても良い。
また、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキン1A,1B,1Cにおいては、裏面シート3の表面に粘着剤を設け、ズレを止めているが、裏面シート3側にウイングを設け、これにより装着固定を容易なものとしても良い。
また、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキン1A,1B,1Cにおいては、内方側折込み部71の先端又は外方側折込み部72の先端に、弾性部材63をそれぞれ配置しているが、弾性部材63を配置していなくても良い。
また、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキン1A,1B,1Cにおいては、表面シート2と裏面シート3とが吸収体4の幅方向の両端から延出しておらず、伸縮シート6の長手方向の他側部6bにおける非肌当接面側のシート62の表面が、吸収体4の非肌当接面側の表面に接合されているが、表面シート2と裏面シート3とが吸収体4の幅方向の両端から延出し接合されており、他側部6bにおける非肌当接面側のシート62の表面が、延出した部分の表面シート2の肌当接面側の表面に接合されていても良い。
また、上述の第1〜第3実施形態の生理用ナプキン1A,1B,1Cにおいては、折り込まれて形成した折込み部71、72を有している。折込み部71、72の肌当接面側のシート61の表面同士は、図3(a)、図4、図5に示すように、接着剤により接合されているが、接着剤により接合されてなくても、製品前後端部にてヒートシール又はホットメルト等により接合されていても良い。
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外にも、例えば、使い捨ておむつ、失禁者用パッド、パンティーライナー等に好適に用いることができる。
本発明の第1実施形態である生理用ナプキンの斜視図である。 図1に示す生理用ナプキンのX1−X1線断面図である。 (a)図1に示す生理用ナプキンのX2−X2線断面図である。(b)図1に示す生理用ナプキンのX3−X3線断面図である。 本発明の第2実施形態である生理用ナプキンのX2−X2線断面図である。 本発明の第3実施形態である生理用ナプキンのX2−X2線断面図である。 本発明のその他の実施形態である生理用ナプキンのX1−X1線断面図である。
符号の説明
1A,1B,1C 生理用ナプキン
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 吸収性本体
5a,5a’ 吸収性本体の長手方向の両側部
6,6’ 伸縮シート
61 肌当接面側のシート
62 非肌当接面側のシート
63,63’ 弾性部材
6a 一側部
6b 他側部
7,7’ 防漏壁
7a1,7a1’ 排泄部領域の後方端部a1における折り込み部
7a2,7a2’ 排泄部領域の前方端部a2における折り込み部
71 内方側折込み部
71a 内方側折込み部の肌当接面側の下端部
71b 内方側折込み部の非肌当接面側の下端部
72 外方側折込み部
8,8D 接合部
8a 接合部の長手方向の内側の側縁部
8b 接合部の長手方向の外側の側縁部
9 エンボス溝
a 排泄部領域
a1 排泄部領域の後方端部
a2 排泄部領域の前方端部
b 排泄部領域aの後方の後方領域
c 排泄部領域aの前方の前方領域
d 内方側
e 外方側
CL 生理用ナプキンの長手方向に延びる中心線

Claims (3)

  1. 肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート及び両シート間に介在する吸収体を具備する縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の長手方向両側部に形成された防漏壁とを備えた吸収性物品であって、
    前記防漏壁それぞれは、伸縮性シートの長手方向の一側部及び他側部を前記吸収性本体に接合部で接合するとともに、排泄部領域の前方及び後方において該伸縮性シートを該吸収性本体に接合して形成され、排泄部領域において、中空のループ状をなして起立しており、
    前記排泄部領域におけるループ状の前記防漏壁それぞれの前記接合部は、前記吸収性本体の長手方向の側部における肌当接面側に前記伸縮性シートの前記一側部が接合され、前記吸収性本体の長手方向の側部における非肌当接面側に前記伸縮性シートの前記他側部が接合されてなり、
    前記防漏壁それぞれは、ループ状をなしている部分の前方及び後方の少なくとも一方において、ループ状の前記防漏壁の一部を前記吸収性物品の幅方向の外方側及び/又は内方側から該防漏壁の内方に折り込まれた折り込み部を有し、
    前記折り込み部は、前記接合部から上方に離れた位置に形成されている吸収性物品。
  2. 前記折り込み部は、ループ状の前記防漏壁の一部を前記吸収性物品の幅方向の外方側及び内方側から該防漏壁の内方に折り込まれて形成されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記折り込み部は、内方に折り込まれた折込み部の先端に弾性部材を有している請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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