JP5138344B2 - 加硫用モールドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、未加硫のゴム製品の加硫成型に使用される加硫用モールドおよび該モールドの製造方法に関する。そして、前記ゴム製品は例えばタイヤである。
ゴム製品の製造の際に、未加硫のゴム製品の加硫成型の工程で使用される加硫用モールドにおいては、加硫成型後のゴム製品がモールドから離型しやすくなるように、モールドに離型剤の皮膜を形成することは知られている。(例えば、特許文献1,2参照)
特開2002−67621号公報(段落0003) 特開平9−48028号公報
ゴム製品(例えばタイヤ)の加硫成型に使用される加硫用モールドの成型面に離型剤の皮膜を形成する場合、離型剤を塗布するのでは、所定の加硫回数毎に離型剤を塗布する必要があるために、また所要の成型精度を確保すべく皮膜の厚さを整えるために、手間がかかり、生産性の低下やコストの増大を招来する。
また、成型面に形成されたフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂の皮膜は、成型面から剥がれやすく、剥がれた皮膜がゴム製品に付着すると、ゴム製品の外面の光沢度が減少して、ゴム製品の外観性が低下する。このため、所定の加硫回数毎に皮膜を形成したり、皮膜の損傷部分を修復する必要があること、および、皮膜の形成や修復には前処理が必要になるために、その形成作業または修復作業に手間がかかることから、生産性の低下やコストの増大を招来する。
さらに、加硫用モールドは繰り返して使用されるために、加硫時にゴム製品から放出される物質がモールドの成型面に汚れとして付着し、該汚れにより加硫成型後のゴム製品の光沢度が減少する。このため、成型面に付着した汚れを除去するクリーニング作業が必要になるが、前述のようにフッ素系樹脂などの皮膜は剥がれやすいので成型面の耐久性に乏しい。そこで、該クリーニング作業により皮膜が損傷しないように慎重な作業が要求されるので、このクリーニング作業にも手間がかかる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜7記載の発明は、ゴム製品の所要の離型性を確保しながら、ゴム製品の光沢度の維持効果およびモールドの耐久性の向上を図ることを目的とする。そして、請求項5記載の発明は、さらに、光沢度の維持効果の一層の向上を図ることを目的とし、さらに、請求項6記載の発明は、さらに、タイヤの加硫成型において前述の目的を実現するものである。
請求項1記載の発明は、未加硫のタイヤの加硫成型に使用される加硫用モールドであって、前記タイヤの表面が接触する成型面を有するモールド要素を備える加硫用モールドにおいて、前記モールド要素は、第1材料で形成される第1部分と、前記第1材料よりも前記タイヤの離型性に優れた第2材料で形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記成型面に開口すると共に分散した複数の凹部を形成し、前記第2部分は前記凹部に充填されており、前記成型面は、前記第1部分により形成される基面と、前記第2部分により形成される離型面とから構成され、前記第1材料は焼結生成された多孔質材料であり、前記第2部分は前記多孔質材料に含浸された前記第2材料により形成される加硫用モールドである。
請求項2記載の発明は、未加硫のタイヤの加硫成型に使用される加硫用モールドであって、前記タイヤの表面が接触する成型面を有するモールド要素を備える加硫用モールドにおいて、前記モールド要素は、第1材料で形成される第1部分と、前記第1材料よりも前記タイヤの離型性に優れた第2材料で形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記成型面に開口すると共に分散した複数の凹部を形成し、前記第2部分は前記凹部に充填されており、前記成型面は、前記第1部分により形成される基面と、前記第2部分により形成される離型面とから構成され、前記第1部分は母材に溶射により形成された皮膜であり、前記第2部分は前記皮膜に含浸された前記第2材料により形成される加硫用モールドである。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の加硫用モールドにおいて、前記第1材料は、金属、セラミックまたは合成樹脂であることを特徴とする加硫用モールドである。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の加硫用モールドにおいて、前記第2材料は、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂であることを特徴とする加硫用モールドである。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の加硫用モールドにおいて、前記成型面に占める前記離型面の割合は15%であることを特徴とする加硫用モールドである。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項記載の加硫用モールドの製造方法であって、モールド素材が有する前記第1部分に、前記第2材料が充填される複数の充填部が形成される充填部形成工程と、前記充填部に前記第2材料が充填される充填工程と、前記基面および前記離型面が混在する前記成型面が前記モールド素材に形成されるように、前記基面および前記離型面の上に付着している余分な第2材料を除去するとともに、成型面の表面を研磨し仕上げ加工する成型面形成工程とを含むことを特徴とする加硫用モールドの製造方法。
請求項1記載の発明によれば、加硫用モールドの成型面には、基面を形成する第1部分の形成材料である第1材料よりも離型性に優れた第2材料からなる第2部分により形成される離型面が分散して存在するので、加硫成型後のゴム製品の所要の離型性が確保される。
さらに、離型面を有する第2部分は、第1部分に充填されていて、その一部が第1部分に埋設された状態にあるので、成型面に形成される離型剤の皮膜とは異なり、剥がれることが殆どない。この結果、加硫回数の増加による第2部分のゴム製品への付着やクリーニング作業での第2部分の剥がれが防止されるので、ゴム製品の光沢度の維持効果およびモールドの耐久性が向上する。また、成型面に傷が生じた場合にも、成型面を研磨することにより、容易に成型面を修復できる。
そして、以上のことから、この加硫用モールドは、ゴム製品の生産性の向上およびコスト削減に寄与する。
さらに、また、凹部は焼結生成されている多孔質材料の空孔により構成されるので、第1部分に第2材料を含浸することにより、離型面を容易に形成することができる。
請求項2記載の発明によれば、凹部は溶射により形成された空孔により構成されるので、第1部分に第2材料を含浸することにより、離型面を容易に形成することができる。
請求項4記載の事項によれば、第2材料は表面自由エネルギが小さいフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂であるために、離型面に汚れが一層付着し難くなるので、ゴム製品の光沢度の維持効果が一層向上する。
請求項5記載の発明によれば、タイヤの光沢度について、本願発明により製造されたタイヤでは、加硫回数の増加に伴う光沢度の減少が殆どなく、従来のタイヤが著しく低下したときの加硫回数に比べて、遙かに多い加硫回数においても高い光沢度がほぼ維持される。そして、本願発明により製造されたタイヤでの光沢度の維持効果は、成型面に汚れが付着しにくいPTFE(フッ素系樹脂)の被膜が形成されたモールドにより加硫成型されて製造された他の従来のタイヤに対して同等以上である。
また、本願発明モールドの耐久性について、本願発明モールドでは、成型面に第2部分により形成される離型面があるにも拘わらず、サンドブラストを行ったときの表面粗さの変化は、従来のタイヤの製造に使用される比較モールド(鋼材で形成されると共に離型剤の被膜がないモールド)とほぼ同等であるか、比較モールドよりも少ない。
したがって、本願発明モールドは、優れた離型性を有しながら、耐久性およびタイヤの高い光沢度の維持効果にも優れている。
請求項6記載の事項によれば、第2材料が充填される複数の充填部をモールド素材の第1部分に形成した後、該充填部に第2材料を充填することにより、簡単な方法で、基面および離型面が混在する成型面を有するモールドを製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された加硫用モールド1は、ゴム製品としてのタイヤを製造する際の加硫工程において、未加硫のタイヤ(以下、「グリーンタイヤ」という。)9の加硫成型に使用される加硫用金型である。
モールド1は、タイヤの外面形状を規定する内面を有する外型2と、外型2の内側に配置されてタイヤの内面形状を規定する外面を有する内型6とを備える。外型2の前記内面および内型6の前記外面は、グリーンタイヤ9が配置されるトロイド状のキャビティ8を形成する。
外型2は、タイヤの赤道面上に配置されてタイヤのトレッド部を成型する環状のトレッド用モールド3と、タイヤの中心軸線Lが延びる方向でトレッド用モールド3を挟んで配置されてタイヤのサイドウォール部を成型する1対の環状のサイドモールド4,5とを備える。トレッド用モールド3および内型6は、周方向に分割された複数のセグメントから構成される。
外型2を構成する複数のモールド3〜5および内型6を構成する単一のモールド7は、いずれも、モールド1を構成する複数のモールド要素(実施例では金型要素である。)であり、キャビティ8内に配置されたグリーンタイヤ9の表面9aが接触して該表面9aの形状を規定する成型面13,14,15,17を有する。各モールド3〜5の成型面13〜15は前記内面を構成し、成型面17は前記外面を構成する。
各モールド3〜5,7は、後述する第1部分20および第2部分30を備える点で同一の共通構造を有することから、以下、その代表としてのサイドモールド5について、図2〜図4を参照してこの共通構造を詳細に説明する。なお、図2〜図4では、簡単化のために、空孔21が模式的に示されている。
図2を参照すると、モールド5は、第1材料で形成される第1部分20と、第1材料よりもグリーンタイヤ9の加硫成型後のタイヤの離型性に優れた第2材料で形成される第2部分30とを有する。第1材料は、金属、例えば鋼などの鉄またはアルミニウムである。また、第2材料は、第1材料よりも表面自由エネルギが小さい材料、例えばフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂などの合成樹脂である。この第2材料は、第1材料よりも表面自由エネルギが小さいことにより、第1材料よりも優れた離型性を有する。
なお、第1材料は、非金属、例えばセラミックまたは合成樹脂であってもよく、第2材料は合成樹脂以外の材料であってもよい。
第1部分20および第2部分30の一方の部分である第2部分30は、第1部分20および第2部分30の他方の部分である第1部分20に分散して入り込んでいる。そして、この実施形態では、第1部分20で構成される前記他方の部分は、第2部分30により構成される前記一方の部分よりも、大きな強度を有する。
そして、第1部分20は、成型面15に開口すると共に分散した複数の、ここでは多数の凹部24を形成している。凹部24は、第1部分20が多孔質材料で形成される場合には、該第1部分20により形成される多数の空孔21のうちの、成型面15に開口する空孔22により構成される。
第2部分30は、第2材料が第1部分20に含浸されることにより、第1部分20が多孔質材料で形成される場合には、第1部分20により形成される多数の空孔21に充填された第2材料で形成される。そして、空孔21に充填された第2部分30のうち、凹部24に充填された第2部分32は、その一部が成型面15に露出して後述する離型面35を形成し、残りの部分が第1部分20に埋設されている。したがって、第2部分30は第1部分20に強固に固着されている。一方、空孔21のうちで凹部24以外の空孔23に充填された第2部分33は、その全体が第1部分20に埋設されている。
なお、第1部分20により形成されるすべての空孔21が成型面15に開口していてもよく、その場合には、すべての空孔21が凹部24となり、したがってすべての第2部分30が離型面35を有する。
このため、成型面15は、第1部分20により形成される基面25と、第2部分30により形成されて該基面25に分散または点在する多数の離型面35とから構成される。そして、離型面35は基面25に比べて離型性に優れていることから、成型面15に占める離型面35の割合が大きいほどタイヤのモールド5からの離型性が高まる。好ましくは、該割合は10%以上であり、モールド5の耐久性を考慮して上限が設定される。
以下、図3,図4を参照して、モールド1(図1参照)の製造方法について説明する。
モールド1を構成する各モールド3〜5,7(図1参照)は同様にして製造されるので、以下、モールド5の製造について説明する。モールド5は、以下の各工程を含む製造方法により製造される。なお、説明の便宜上、第1材料は燒結金属で形成される多孔質材料であるとし、第2材料はフッ素系樹脂であるとする。
充填部形成工程
モールド5の素材であるモールド素材50に第2部分30が充填される凹部24を形成するために、粉末状の鉄系材料からなる金属が焼結されることにより、焼結金属の多孔質材料で形成されたモールド素材50が製造される。モールド素材50には、成型面15(図2参照)に形成される表面55に開口する空孔22と、表面55に開口しない空孔23とで構成される空孔21が形成されている。そして、これら空孔21のうち、少なくとも凹部24を構成する空孔22が、後の充填工程でフッ素系樹脂が充填される複数の、ここでは多数の充填部(以下、単に「充填部」という。)とされる。なお、ここではすべての空孔21が充填部とされる。
したがって、モールド素材50の全体が、成型面15に開口すると共に分散した多数の凹部24を形成する第1部分20である。
充填工程
モールド素材50が、適度な粘度となるように希釈されたフッ素系樹脂に浸漬されて、モールド素材50がフッ素系樹脂により含浸される。この含浸により、空孔21からなる充填部にフッ素系樹脂が充填されて、第2部分30が空孔21に充填される。
成型面形成工程
その後、モールド素材50の表面55上に付着しているフッ素系樹脂39をはじめとして、モールド素材50から余分な樹脂39が除去される。そして、表面55については、成型面15が形成されるように、余分な樹脂39を除去すると共にモールド素材50の表面55の仕上げ加工としての研磨加工が施される。
このモールド素材50の表面55の仕上げ加工により、モールド素材50(すなわち第1部分20)により形成される基面25と、成型面15に開口する充填部である凹部24に充填された第2部分32により形成される離型面35とが混在する成型面15(図2参照)が形成される。この時点で、モールド素材50において、基面25と離型面35とが同一面上で滑らかに連続する。
そして、この成型面形成工程の後、第2部分30が充填されたモールド素材50に対して成型面15以外の部分に仕上げ加工が施されて、図1に示されるモールド5が製造される。
以上の各工程を経て製造されたモールド3〜5,7(図1参照)で構成されるモールド(以下、「本発明モールド」という。)によりグリーンタイヤが加硫成型されて製造されたタイヤ(以下、「本発明タイヤ」という。)について、図5、図6を参照して説明する。なお、この実施例の本発明モールドにおいて、成型面15に占める離型面35の前記割合は15%である。
本発明タイヤの光沢度について、図5を参照すると、比較タイヤ1(鋼材で形成されると共に離型剤の被膜がないモールドを使用して加硫されたタイヤ)では加硫回数の増加と共に光沢度が急速に低下するのに対して、本発明タイヤでは、加硫回数の増加に伴う光沢度の減少が殆どなく、しかも比較タイヤ1が著しく低下したときの加硫回数に比べて、遙かに多い加硫回数においても高い光沢度がほぼ維持される。そして、本発明タイヤでの光沢度の維持効果は、成型面に汚れが付着しにくいPTFE(フッ素系樹脂)の被膜が形成されたモールドにより加硫成型されて製造されたタイヤ(比較タイヤ2)に対して同等以上である。
また、本発明モールドの耐久性について、図6を参照すると、本発明モールドでは、成型面(図2の成型面25参照)にフッ素系樹脂の第2部分32により形成される離型面35があるにも拘わらず、サンドブラストを行ったときの表面粗さの変化は、比較モールド(鋼材で形成されると共に離型剤の被膜がないモールド)とほぼ同等であるか、比較モールドよりも少ない。なお、PTFEの被膜を有するモールドでは、クリーニング回数(換算)が10未満で皮膜が剥がれた。
したがって、本発明モールドは、優れた離型性を有しながら、耐久性およびタイヤの高い光沢度の維持効果にも優れている。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
グリータイヤ9の加硫成型に使用される加硫用モールド1を構成する各モールド3〜5,7は、第1材料で形成される第1部分20と、第1材料よりもタイヤの離型性に優れた第2材料で形成される第2部分30とを有し、第1部分20は、成型面13〜15,17に開口すると共に分散した多数の凹部24を形成し、第2部分32は凹部24に充填されて第1部分20に分散して入り込んでおり、成型面13〜15,17は、第1部分20により形成される基面25と、第2部分32により形成される離型面35とから構成される。
これにより、加硫用モールド1の成型面13〜15,17には、基面25を形成する第1部分20の形成材料である第1材料よりも離型性に優れた第2材料からなる第2部分32により形成される離型面35が分散して存在するので、加硫成型後のタイヤの所要の離型性が確保される。
さらに、離型面35を有する第2部分32は、第1部分20に充填されていて、その一部が第1部分20の凹部24に埋設された状態にあるので、成型面に形成される離型剤の皮膜とは異なり、剥がれることが殆どない。この結果、加硫回数の増加による第2部分32のタイヤへの付着や、成型面13〜15,17に付着した汚れを除去するためのクリーニング作業での第2部分32の剥がれが防止されるので、タイヤの光沢度の維持効果およびモールド1の耐久性が向上する。また、成型面13〜15,17に傷が生じた場合にも、成型面13〜15,17を研磨することにより、容易に成型面13〜17を修復できる。
そして、以上のことから、この加硫用モールド1は、タイヤの生産性の向上およびコスト削減に寄与する。
第1材料は多孔質材料であり、第2部分30は多孔質材料に含浸された第2材料により形成されることにより、凹部24は多孔質材料の空孔22により構成されるので、第1部分20に第2材料を含浸することにより、離型面35を容易に形成することができる。
第2材料は表面自由エネルギが小さいフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂であることにより、離型面35に汚れが一層付着し難くなるので、タイヤの光沢度の維持効果が一層向上する。
加硫用モールド1の製造方法が、モールド素材50が有する第1部分20に、第2材料が充填される多数の空孔21から構成される充填部が形成される充填部形成工程と、充填部に第2材料が充填されて第2部分30が形成される充填工程と、基面25および離型面35が混在する成型面13〜15,17がモールド素材50に形成される成型面形成工程とを含むことにより、第2材料が充填される多数の充填部をモールド素材50の第1部分20に形成した後、該充填部に第2材料を充填することにより、簡単な方法で、基面25および離型面35が混在する成型面13〜17を有するモールド1を製造することができる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した形態について、変更した構成に関して説明する。
モールド素材(したがってモールド)が、母材と、母材に表面処理としての溶射により形成された皮膜とを有し、第1部分が該皮膜により構成されてもよい。この場合、凹部は該皮膜により形成される多数の空孔により構成され、第2部分は、該皮膜に含浸されることにより、前記空孔に充填された第2材料で形成される。
このように、第1部分は母材に溶射により形成された皮膜であり、第2部分は皮膜に含浸された第2材料により形成されることにより、凹部は溶射により形成された空孔により構成されるので、第1部分に第2材料を含浸することにより、離型面を容易に形成することができる。
加硫用モールド1は、前記実施形態では複数のモールド要素から構成されたが、1つのモールド要素のみにより構成されてもよい。
第2材料が複数の異なる材料であり、第2部分は、該複数の第2材料が材料毎に異なる凹部に充填されて形成されてもよい。
凹部は、機械加工により形成されたものであってもよい。また、凹部への第2部分の充填は、第2材料の含浸により行われる以外に、凹部への第2部分の機械的な充填、例えば圧入により行われてもよい。
第1部分および第2部分の一方の部分である第1部分が、第1部分および第2部分の他方の部分である第2部分に分散して入り込んでいてもよい。この場合にも、他方の部分は、一方の部分と同等か、または一方の部分よりも大きな強度を有することが好ましい。
ゴム製品は、タイヤ以外のものであってもよい。
本発明が適用された加硫用モールドの要部断面図である。 図1のII部分のモールドの要部拡大図である。 図2のモールドの製造過程において、充填部形成工程でのモールド素材の、図IIに相当する部分の断面図である。 図2のモールドの製造過程において、充填工程での図3に相当する部分の断面図である。 加硫成形されたタイヤの光沢度と加硫回数との関係を示すグラフである。 加硫用モールドの表面粗さとクリーニング回数(換算)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…モールド、9…グリーンタイヤ、13,14,15,17…成型面、20…第1部分、21〜23…空孔、24…凹部、25…基面、30,32…第2部分、35…離型面、50…モールド素材。

Claims (6)

  1. 未加硫のタイヤの加硫成型に使用される加硫用モールドであって、前記タイヤの表面が接触する成型面を有するモールド要素を備える加硫用モールドにおいて、
    前記モールド要素は、第1材料で形成される第1部分と、前記第1材料よりも前記タイヤの離型性に優れた第2材料で形成される第2部分とを有し、
    前記第1部分は、前記成型面に開口すると共に分散した複数の凹部を形成し、前記第2部分は前記凹部に充填されており、
    前記成型面は、前記第1部分により形成される基面と、前記第2部分により形成される離型面とから構成され、
    前記第1材料は焼結生成された多孔質材料であり、
    前記第2部分は前記多孔質材料に含浸された前記第2材料により形成されることを特徴とする加硫用モールド。
  2. 未加硫のタイヤの加硫成型に使用される加硫用モールドであって、前記タイヤの表面が接触する成型面を有するモールド要素を備える加硫用モールドにおいて、
    前記モールド要素は、第1材料で形成される第1部分と、前記第1材料よりも前記タイヤの離型性に優れた第2材料で形成される第2部分とを有し、
    前記第1部分は、前記成型面に開口すると共に分散した複数の凹部を形成し、前記第2部分は前記凹部に充填されており、
    前記成型面は、前記第1部分により形成される基面と、前記第2部分により形成される離型面とから構成され、
    前記第1部分は母材に溶射により形成された皮膜であり、
    前記第2部分は前記皮膜に含浸された前記第2材料により形成されることを特徴とする加硫用モールド。
  3. 前記第1材料は、金属、セラミックまたは合成樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加硫用モールド。
  4. 前記第2材料は、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の加硫用モールド。
  5. 前記成型面に占める前記離型面の割合は15%であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の加硫用モールド。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項記載の加硫用モールドの製造方法であって、
    モールド素材が有する前記第1部分に、前記第2材料が充填される複数の充填部が形成される充填部形成工程と、
    前記充填部に前記第2材料が充填される充填工程と、
    前記基面および前記離型面が混在する前記成型面が前記モールド素材に形成されるように、前記基面および前記離型面の上に付着している余分な第2材料を除去するとともに、成型面の表面を研磨し仕上げ加工する成型面形成工程とを含むことを特徴とする加硫用モールドの製造方法。
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