JP5137994B2 - 水素吸蔵合金の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素吸蔵合金の製造方法に関する。特に電気自動車及びハイブリッド自動車用途等に搭載するNi−MH電池に用いる負極活物質として好適な水素吸蔵合金の製造方法に関する。
水素吸蔵合金は、水素と反応して金属水素化物となる合金であり、室温付近で多量の水素を可逆的に吸蔵・放出し得るため、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle;電気モータと内燃エンジンという2つの動力源を併用した自動車)やデジタルスチルカメラに搭載されるニッケル・水素電池(「Ni−MH電池」と称する)や燃料電池等、様々な分野で実用化が進められている。
水素吸蔵合金としては、LaNiに代表されるAB型合金、ZrV0.4Ni1.5に代表されるAB型合金、そのほかAB型合金やAB型合金など様々な合金が知られている。その多くは、水素との親和性が高く水素吸蔵量を高める役割を果たす元素グループ(Ca、Mg、希土類元素、Ti、Zr、V、Nb、Pt、Pdなど)と、水素との親和性が比較的低く吸蔵量は少ないが、水素化反応が促進し反応温度を低くする役割を果たす元素グループ(Ni、Mn、Cr、Feなど)との組合せで構成されている。
これらの中で、CaCu型の結晶構造を有するAB型水素吸蔵合金、例えばAサイトに希土類系の混合物であるMm(ミッシュメタル)を用い、BサイトにNi、Al、Mn、Co等の元素を用いてなる合金(以下、この種の合金を「Mm−Ni−Mn−Al−Co合金」と称する)は、他の合金組成に比べて、比較的安価な材料で負極を構成でき、しかもサイクル寿命が長く、過充電時の発生ガスによる内圧上昇が少ない密閉型ニッケル水素蓄電池を構成できるなどの特徴を備えている。
今後、水素吸蔵合金の用途として、電気自動車やハイブリッド自動車への普及拡大を図るためには、寿命特性及び出力特性をさらに向上させる必要がある。特に水素吸蔵合金を負極活物質とするNi−MH電池は、強アルカリ性の電解液によって水素吸蔵合金の腐食が徐々に進行するため、電池の長寿命化を図る上で合金の耐食性を高める必要がある。
かかる課題を解決するための水素吸蔵合金として、例えば特許文献1には、一般式MmNiMnAlCo(式中、Mmはミッシュメタル、XはFe及び/又はCu、3.7≦a≦4.2、0≦b≦0.3、0≦c≦0.4、0.2≦d≦0.4、0≦e≦0.4、5.00≦a+b+c+d+e≦5.20、但しb=c=0の場合を除く、また0<b≦0.3、かつ0<c≦0.4の場合は、b+c<0.5である)で表されるCaCu型の結晶構造を有する水素吸蔵合金が開示されている。
特許文献2には、一般式MmNiMnAlCo(式中、Mmはミッシュメタル、4.0<a≦4.3、0.25≦b≦0.4、0.25≦c≦0.4、0.3≦d≦0.5、5.05≦a+b+c+d≦5.25)若しくは一般式MmNiMnAlCo(式中、Mmはミッシュメタル、XはCu及び/又はFe、4.0<a≦4.3、0.25≦b≦0.4、0.25≦c≦0.4、0.3≦d≦0.5、0<e≦0.1、5.05≦a+b+c+d+e≦5.25)で表されるCaCu型の結晶構造を有するAB5型水素吸蔵合金であって、c軸の格子長が404.9pm以上であることを特徴とする水素吸蔵合金が開示されている。
また、耐食性を高め得る水素吸蔵合金として、特許文献3には、希土類元素、Mg、Ni、及びAlを少なくとも含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において、2θ=30°〜34°の範囲に現れる最強ピークの強度(IA)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピークの強度(IB)との強度比(IA/IB)が0.6以上である水素吸蔵合金であって、希土類元素としてLaが実質的に含まれていないことを特徴とする水素吸蔵合金が開示されている。
同じく耐食性を高め得る水素吸蔵合金として、特許文献4には、一般式Ln1-xMgxNiy-a-bAla(式中、LnはYを含む希土類元素から選択される少なくとも1種の元素、MはV,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P,B,Zr及びTiから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.35、2.8≦y≦3.9、0.05≦a≦0.30、0≦b≦0.5の条件を満たす。)で表され、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において、2θ=44〜46°の範囲に現れる最強ピークの半値幅Δθ1が、2θ=34.5〜36.5°の範囲に現れる最強ピークの半値幅Δθ2より小さいことを特徴とするアルカリ電池用水素吸蔵合金が開示されている。
特許文献5には、寿命特性に特に優れた水素吸蔵合金、すなわち均質な組織及び特性を有する水素吸蔵合金を得るべく、ニッケル系水素吸蔵合金原料を溶解し、得られた溶湯を鋳型に流し込んで急冷し、得られた合金を粉砕して合金粉末とし、該合金粉末を分級し、分級した合金粉末を不活性ガス雰囲気中1000〜1200℃の温度で熱処理する製造方法が開示されている。
特開2001−40442号公報 特許第3493516号公報 特開2004−263213号公報 特開2007−250439号公報 特開2002−212601号公報
本発明は、従来とは全く異なるアプローチにより、耐食性に優れた新たな水素吸蔵合金を提供せんとするものである。
かかる課題解決のため、本発明は、水素吸蔵合金原料を混合し溶解して鋳造する鋳造工程と、鋳造された合金を熱処理する熱処理工程とを備えた水素吸蔵合金の製造方法であって、当該熱処理工程において、目的とする温度(「保持温度」と称する)を保持する前に、当該保持温度よりも高温の温度に昇温させた後、前記保持温度まで降温させる予備熱処理(この予備熱処理を、本明細書では「オーバーシュート」と称する)を行うことを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法を提案する。
本発明のように、目的とする温度を保持する直前にオーバーシュートさせることにより、水素吸蔵合金の耐食性をさらに高めることができ、特に電気自動車やハイブリッド自動車へ搭載する電池の負極材料として好適に用いることができる水素吸蔵合金を提供することができる。
本発明における予備熱処理(オーバーシュート)と高温保持処理との関係を説明するために、加熱チャートの一例を模式的に示したグラフである。
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<水素吸蔵合金の製造方法>
本実施形態に係る水素吸蔵合金の製造方法(「本製法」と称する)は、所定の合金組成となるように各水素吸蔵合金原料を秤量し、混合した後、水素吸蔵合金原料を溶解して溶湯となし、これを鋳型に流し込んで鋳造し、冷却し、次いでオーバーシュートした上で、所定の温度を保持する処理(この処理を「高温保持処理」とも称する)を行うことを特徴とする方法である。
通常の熱処理工程は、鋳造した水素吸蔵合金を900〜1200℃の温度領域内の所定温度(保持温度)に所定時間保持することにより、各元素を再配列(“マクロな再配列”)させて構造的な欠陥を消失させることを目的とする高温保持処理である。このような高温保持処理の前に、保持温度よりも高温の温度に昇温させた後、該保持温度まで降温させるオーバーシュートを行うことによって、各元素をより安定したサイト(例えば2cサイトや3gサイト)へ再配列(“ミクロな再配列”)させることができ、構造的により安定でより耐食性に優れた合金を得ることができる。
例えばAB型水素吸蔵合金、具体的には例えばMm−Ni−Mn−Al−Co合金で示されるAB型水素吸蔵合金であれば、B元素が入るサイト、すなわちNi、Mn、Al及びCoが入るサイトは3gサイト若しくは2cサイトである。2cサイトは比較的狭い空間に存在し、電子密度が小さい一方、3gサイトは比較的広い空間に存在し、電子密度が高いことが知られている。一定温度を保持する高温保持処理の直前に、該温度よりも高温の熱エネルギーを一次的に水素吸蔵合金に与えることで、例えばNi、Co及びMnなどのようにイオン半径が比較的大きくて電子密度も高い元素を2cサイトから放出させ、Alなどのようにイオン半径が比較的小さくて電子密度も低い元素を2cサイトに残すことができるから、各B元素をより安定したサイトに固定することができ、高温保持処理に比べて、合金の耐食性をより一層高めることができる。
(鋳造工程)
本製法における鋳造は、従来行われている方法で行えばよい。例えば誘導加熱による高周波加熱溶解炉を用いて水素吸蔵合金原料を溶解して溶湯となし、これを鋳型、例えば水冷型の鋳型に流し込んで、例えば1350〜1550℃の鋳湯温度で鋳造し、所定の冷却速度(所定の冷却水量)で冷却するようにすればよい。
ただし、鋳造条件、例えば鋳造方法、鋳造温度、冷却速度などは、合金組成に合わせて適宜選択、制御するのが好ましい。
鋳型鋳造法は好ましい鋳造方法の一つであるが、例えばツインロール法(具体的には特願2002−299136の段落[0013]〜[0016]参照)、その他の鋳造法でも製造可能である。
(オーバーシュート)
オーバーシュートは、所定の温度(「保持温度」と称する)を所定時間保持する高温保持処理を行う直前に行うのが好ましく、当該保持温度よりも高温の温度に昇温させた後、前記保持温度まで降温させることによって、保持温度よりも高温の熱エネルギーを一次的に水素吸蔵合金に与えることができる。
例えば所定時間保持する保持温度よりも5〜100℃高温の温度まで昇温させ(この際の最高到達温度を「オーバーシュート温度」と称する)、必要に応じてオーバーシュート温度を適宜時間保持した後、前記保持温度まで降温させるようにすればよい。但し、オーバーシュート温度に到達した直後に降温させるようにしてもよい。
この際、オーバーシュート温度は、低温過ぎるとミクロな再配列を促すことが難しくなり、高温過ぎても固溶しにくい元素の吐き出しが生じて偏析となるため、保持温度よりも5〜100℃高温の温度まで昇温させるのが好ましく、特に5〜80℃、中でも特に6〜60℃保持温度よりも高温の温度まで昇温させるのが好しい。
より具体的には、例えば1040〜1080℃の保持温度を3時間〜6時間程度保持する熱処理の場合であれば、前記保持温度よりも5〜100℃高温の温度まで昇温し、その温度を0分〜60分保持し、その後前記保持温度まで降温させるようにすればよい。
オーバーシュートによって合金に与えるエネルギー量、特に保持温度よりも高温の熱エネルギー量(「オーバーシュートエネルギー量」と称する)は、保持温度との温度差(℃)と処理時間(min)との積分値として算出されるエネルギー換算として(図1の斜線部の面積)、50(℃・min)〜900(℃・min)であるのが好ましい。
オーバーシュートによって合金に与えるエネルギー量が小さ過ぎるとミクロな再配列を促すことが難しくなり、大き過ぎても偏析となるため、かかる観点から、5(℃・min)〜1700(℃・min)であるのが好ましく、特に5(℃・min)〜1200(℃・min)、中でも特に6(℃・min)〜900(℃・min)であるのが好ましい。
オーバーシュートにおける昇温速度及び降温速度は特に限定するものではないが、これらを変化させることにより、保持温度よりも高温の熱エネルギー量が変化するため、上記の好ましいエネルギー量を考慮して適宜設定するのが好ましい。
オーバーシュートは、不活性ガス、例えばAr、N2などの雰囲気で行うのが好ましい。
(高温保持処理)
オーバーシュート後の高温保持処理は、従来の熱処理と同様に行えばよい。
例えば鋳造した水素吸蔵合金を900〜1200℃の温度領域(保持温度)の所定温度を所定時間保持すればよい。この際、所定温度を保持した後はどのように処理してもよい。降温させてもよいし、昇温するようにしてもよい。段階的に降温させてもよいし、段階的に昇温するようにしてもよい。
このような高温保持処理によって、各元素を再配列(“マクロな再配列”)させて構造的な欠陥(例えば酸素欠損)を消失させて均質化を図ることができる。
高温保持処理は、オーバーシュートと同じ雰囲気で行うのが好ましい。
(後処理)
高温保持処理後の水素吸蔵合金(インゴット)は、必要に応じて、粗粉砕、微粉砕により必要な粒度の水素合金粉末とすることができる。例えば500μmの篩目を通過する粒子サイズ(−500μm)まで粉砕を行い水素吸蔵合金粉末とすることができる。
また、必要に応じて、金属材料や高分子樹脂等により合金表面を被覆したり、酸やアルカリで表面を処理したりするなど適宜表面処理を施し、各種の電池の負極活物質として用いることができる。
(合金組成)
本製法で得られる水素吸蔵合金(以下「本水素吸蔵合金」という)は、特に組成を限定するものではなく、例えばインターナショナルテーブル番号191(P6/mmm)の空間群を有するCaCu型結晶構造からなるAB型水素吸蔵合金であるのが好ましい。
AB型水素吸蔵合金であれば、2cサイト、3gサイトという異なるサイトが存在し、オーバーシュートによって2cサイト及び3gサイトへの再配列を促すことができるため、組成が異なっていても、本製法により同様の効果を期待することができる。
本水素吸蔵合金のより具体的な一例としては、例えば一般式MmNiMnAlCo(式中、Mmはミッシュメタル、a+b+c+d>5)又は一般式MmNiMnAlCo(式中、Mmはミッシュメタル、Mは、Ni、Mn、Al及びCoを除く遷移金属のうちの1種又は2種以上、a+b+c+d+e>5)で表すことができる、AB型水素吸蔵合金を挙げることができる。
本水素吸蔵合金において、ABx組成におけるAサイトを構成する元素の合計モル数に対するBサイトを構成する元素の合計モル数の比率「a+b+c+d」又は「a+b+c+d+e」(この比率を「ABx」ともと称する)は、特に限定するものではないが、電気自動車(「EV」と称する)及びハイブリッド自動車(「HEV」と称する)に搭載するNi−MH電池の負極活物質に使用する観点から、5.0より大きいことが重要であり、中でも5.0<ABx≦5.5であるのが好ましい。
ABxが5.0より大きい、すなわちBサイトリッチの非化学量論組成であると、低温容量及び寿命特性(容量維持率)の低下を抑制することができる。よって、このような観点から、ABxは5.1以上であるのがより好ましく、5.2以上、特に5.25以上であるのがさらに好ましく、他方、5.4以下であるのがさらに好ましい。
Mm、Ni、Mn、Al、Co及びMの組成比率は、特に限定するものではないが、EV及びHEVに搭載するNi−MH電池の負極活物質に使用する観点からは、次のように考えることができる。
Coの割合(d)は、その量を低減すれば安価に提供できるが、寿命特性を維持することが難しくなるため、0.10≦d≦0.80であるのが好ましく、特に0.10以上、或いは0.50以下、中でも特に0.20以上、或いは0.40以下、その中でも特に0.30以下であるのが好ましい。
Niの割合(a)は、3.70≦a≦4.70、好ましくは4.00以上、或いは4.50以下、更に好ましくは4.10以上、或いは4.40以下、中でも4.15以上、或いは4.35以下の範囲内で調整するのがよい。3.70≦a≦4.70の範囲内であれば、出力特性を維持し易く、しかも微粉化特性や寿命特性を格別に悪化させることもない。
Mnの割合(b)は、0≦b≦0.70、好ましくは0.10以上、或いは0.50以下、特に好ましくは0.20以上、或いは0.45以下、さらに好ましくは0.30以上、或いは0.41以下の範囲内で調整するのがよい。Mnの割合がかかる範囲であれば、微粉化残存率を維持し易くすることができる。
Alの割合(c)は、0.10≦c≦0.50、好ましくは0.20以上、或いは0.50以下、特に好ましくは0.35以上、或いは0.45以下の範囲内で調整するのがよい。Alの割合がかかる範囲内であれば、プラトー圧力が必要以上に高くなって充放電のエネルギー効率を悪化させるのを抑えることでき、しかも水素吸蔵量が低下するのを抑えることもできる。
M元素は、必須元素ではないが、Ni、Mn、Al及びCoを除く遷移金属のうちの1種又は2種以上であればよい。例えばFe、Cu、V、Zn、Zrなどを挙げることができる。中でも寿命特性の観点から、Fe及びCuのうちの1種又は2種、その中でもFeを好ましく例示することができる。例えばFeを適当量添加することにより微粉化の抑制、すなわち寿命特性を高めることができる。
M元素の割合(e)は、0≦e≦0.20であるのが好ましく、中でも0.15以下、その中でも0.13以下の範囲内で調整するのが好ましい。
Mmは、少なくともLa及びCeを含む希土類系の混合物(ミッシュメタル)であればよい。通常のMmは、La及びCeのほかにPr、Nd、Sm等の希土類を含んでいる。例えばCe(40〜50%)、La(20〜40%)、Pr、Ndを主要構成元素とする希土類混合物を挙げることができるが、本水素吸蔵合金においては、Laの含有量が水素吸蔵合金中13〜30wt%、特に18〜27wt%、中でも特に20〜25wt%で、Ceの含有量が水素吸蔵合金中3〜10wt%、特に4〜9wt%、中でも特に4.5〜8.5wt%であるのが好ましい。
なお、Ti,Mo,W,Si,Ca,Pb,Cd,Mgのいずれかの不純物を0.05質量%程度以下であれば含んでいてもよい。
(本水素吸蔵合金の用途)
本水素吸蔵合金(インゴット及び粉末を含む)は、公知の方法により、電池用負極を調製することができる。すなわち、公知の方法により結着剤、導電助剤などを混合、成形することにより水素吸蔵合金負極を構成することができる。
このようにして得られる水素吸蔵合金負極は、二次電池のほか一次電池(燃料電池含む)にも利用することができる。例えば、水酸化ニッケルを活物質とする正極と、アルカリ水溶液よりなる電解液と、セパレータとから、Ni―MH電池を構成することができる。
特に本水素吸蔵合金は、耐食性に優れており、出力を低下させずに寿命特性を高めることができるため、これらの特性が求められるEVやHEVなどに搭載するNi−MH電池として特に好適に用いることができる。
(語句の説明)
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」或いは「X≦」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」或いは「≦Y」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であるのが好ましい」旨の意図も包含する。
次に、実施例に基づいて、本発明について更に説明するが、本発明が以下に示す実施例に限定されるものではない。
<実施例、比較例使用の合金作製>
各元素の質量比率で、Mm:31.79%、Ni:57.98%、Mn:5.09%、Al:2.15%、Co:2.69%、Fe:0.30%となるように原料(Ni、Mn、Al、Co及びFeの原料には純金属を用いた。)を秤量し、混合した。
なお、Mmは、La及びCeの希土類混合物であるミッシュメタルであり、Mm中の各成分の含有割合が、Mm全質量に対してLa:78.7%、Ce:15.0%、Nd:4.8%、Pr:1.5%となるよう調整したものを原料として用いた。
得られた混合物をルツボに入れて高周波溶解炉に固定し、10−4〜10−5Torrまで減圧した後、アルゴンガスを導入し、アルゴンガス雰囲気中で1450℃まで加熱し、次いで総質量200kgの水冷式銅鋳型に10kgの溶湯を4kg/秒で流し込み、水素吸蔵合金を得た。
得られた水素吸蔵合金をステンレス鋼製容器に入れて真空熱処理装置にセットし、アルゴンガス雰囲気中でオーバーシュート後に高温保持処理を行い、水素吸蔵合金(サンプル)を得た。
この際、オーバーシュート及び高温保持処理は、1080℃まで昇温させた後、1080℃から1080℃+設定温度(表1参照)まで設定時間(表1参照)の1/2時間で昇温させ、1080℃+設定温度に到達した直後から降温を開始し、1080℃+設定温度から1080℃まで、設定の1/2時間で降温させた後、1080℃を4時間45分保持するように熱処理を行った。
なお、高温保持処理における保持温度及びオーバーシュート温度は、真空熱処理装置内の上部及び下部に設置した熱電対によって測定された温度であり、品温と略同温度であると考えられる(以降の実施例及び比較例においても同様)。
得られた水素吸蔵合金(サンプル)は、ICP分析により、MmNi4.35Al0.35Mn0.41Co0.20Fe0.02(ABx=5.33)であることが確認された。
なお上記水素吸蔵合金のオーバーシュート無でのa軸長は5.019258Å、VSM増加量は1.042(emu/g)であった。
(オーバーシュートエネルギー量)
保持温度との温度差(℃)と処理時間(min)との積分値、すなわち図1の点線交差斜線部の面積を計算によって算出した。すなわち、図1の斜線部は三角形であるため、保持温度とオーバーシュート温度(最高温度)との温度差ΔT(℃)と、オーバーシュートの処理時間ΔH(min)との積の1/2の値として算出した。
オーバーシュートエネルギー量=ΔT(℃)×ΔH(min)×1/2
<耐食性の評価:VSM上昇率指標>
高温のアルカリ溶液中に水素吸蔵合金粉を浸漬すると、合金成分の中でも特にMn、Al及びMm(La、Ce、Nd、Pr)が合金表面からアルカリ溶液中に溶出し、残りの合金成分であるNi、Co及びFeを主体とした成分は水素吸蔵合金表面層を形成することになる。その為、高温のアルカリ溶液に浸漬すると、水素吸蔵合金表面に強磁性体であるNi、Co及びFeが存在することになる。そこで、アルカリ溶液中に水素吸蔵合金粉を浸漬させた際の磁化を測定することにより、合金表面にNi、Co及びFeがどの程度存在するか、すなわち腐食の程度を示すことができる。
ここでは、充放電した前後の磁化を測定し、充放電前の磁化に対する充放電後の磁化の変化率(%)をVSM上昇率として算出し、比較例1のVSM上昇率を100とした場合の各サンプルのVSM上昇率の値をVSM上昇率指標として示した。
(試料の調製)
実施例及び比較例で得られた水素吸蔵合金をジョークラッシャー(Fuji Paudal社製:model1021−B)を用いて粗砕し、さらに横型ブラウン粉砕機(吉田製作所製)で500μmの篩目を通過する粒子サイズ(−500μm)まで粉砕を行った。
さらに、得られたこの−500μmの合金粉末20gをサイクロミル((型式1033-200)株式会社吉田製作所)で1分間粉砕した。次に、目開き22μm、53μmの篩を自動分級機(GILSON社製「GILSONIC AUTO SIEVER」)にセットし、得られた合金粉を該自動分級機を用いて5分間分級し、目開き22μmと53μmの篩間で得られた粉をサンプルとした。
(使用した装置)
・恒温槽
・ヒーター:THERMO MINDER SH−12(タイテック株式会社)
・振とう機:WATER BATH SHAKER PERSONAL H−10(タイテック株式会社)
・熱媒体:ヒータールブ・オイルK−1(株式会社キング製作所)
・振動試料型磁力計(振動試料型磁力計:TM−VSM1014−MRO−M型,電磁石:TM−WTF51.406−101.5FA型)(株式会社玉川製作所)
(測定手順)
(1)100mL三角フラスコ(フッ素樹脂製)に31wt%KOH水溶液を30mL入れ、栓をして振とう機にセットした。
(2)THERMO MINDER SH−12(タイテック株式会社)で温度を調整し、三角フラスコ内の31wt%KOH水溶液を120℃に調整した。
(3)上記のように調製した20〜53μmの合金粉(サンプル)3gを投入し、WATER BATH SHAKERPERSONAL H−10(タイテック株式会社)の振とう速度を160min−1に調整して、120℃で所定時間(1時間)振とうさせた。
(4)三角フラスコ内の31wt%KOH水溶液をデカンテーションした。
(5)80℃のお湯75mLを三角フラスコに入れ、攪拌、デカンテーションを3回繰り返した。
(6)お湯で洗浄した合金粉を吸引ろ過し、80℃の循環式乾燥機で15分間乾燥させた。
(7)得られたサンプル1gに導電剤としてCu粉末を3gと結着剤としてのポリエチレン粉末0.12gを加えて混合し、混合粉末(充放電前混合粉末)を得た。この混合粉末(充放電前混合粉末)を、振動試料型磁力計(振動試料型磁力計:TM−VSM1014−MRO−M型,電磁石:TM−WTF51.406−101.5FA型)(株式会社
玉川製作所)にて、スイープパターン3(ヒステリシスループ)の測定を行った。
(振動試料型磁力計の測定条件)
・max magnetic field・・・10(kOe)
・time constant lock−in amp・・・100(msec)
・measuring method・・・sweep{speed1:5sec/1kOe speed2:10sec/1kOe(1〜−1[kOe])}
・angle・・・fix 0[°]
・gap of pole chips・・・14mm
・measuring loop・・・half
得られたヒステリシスループから磁化を以下のように求めた
磁化(emu/g)=M(10)−2{M(10)−M(5)}
ここで、M(10)とは、X軸が10[kOe]時の磁化であり、M(5)とは、X軸が5[kOe]時の磁化である。
この磁化では、導電材と結着剤が質量として入っているため、以下の式にて合金粉末のみの磁化を算出した。
(充放電前磁化)
合金粉のみの磁化=(得られた磁化/0.2427)
また、上記にて得られた混合粉末(充放電前混合粉末)1.24gを発泡Ni上に加圧成型し、直径18mm、厚さ1.8mmのペレット型とし、150℃×1時間真空焼成を行って焼結させてペレット電極を作製した。
このペレット電極を負極とし、十分な容量の正極(焼結式水酸化ニッケル)でセパレータ(日本バイリーン製)を介して挟み込み、31wt%のKOH水溶液中に浸漬させて開放型試験セル(図1参照)を作製し、下記条件の試験サイクルパターン(「活性化」→「一定充電サイクル」→「容量確認」)にもとづき、装置(TOSCAT3000(東洋システム社製))を使用して充放電試験を行った。
[充放電条件]
(活性化及び容量確認サイクル)
・充電0.2C−120%;放電0.2C−0.9Vカット
・サイクル:1〜10サイクル、59〜60サイクル
・温度:20℃
(一定充電サイクル)
・充電0.2C−80%;放電1.0C−0.9Vカット
・サイクル:11〜58サイクル
・温度:20℃
上記充放電後、前記同装置を使用して、下記条件にて放電した。
(解体前放電)
・0.2C−0.9Vカット
・温度:20℃
放電後の開放型試験セルを解体、ペレット電極を採取、採取したペレット電極を流水中にて90分以上180分以内まで洗浄し、真空乾燥機にて以下の条件で乾燥させた。
(乾燥条件)
真空度:−0.1MPa
乾燥温度:30℃
乾燥時間:12時間
乾燥したペレット電極から、発泡Ni部分を剥離、電極部分のみを採取し、採取した電極部分を、アルミナ製乳鉢にて粉砕し、充放電後の混合粉末を得た。
得られた充放電後の混合粉末を、前記充放電前混合粉の磁化と同様に測定、計算し、充放電後混合粉末の磁化を算出した。
そして、このようにして得られた充放電前後の磁化から下記の式を用い、VSM上昇率を算出した。
VSM上昇率=(充放電後磁化/充放電前磁化)×100
<a軸長の測定>
a軸長の短さは、結晶構造がより安定化していることの指標となり、結晶構造が安定化していれば、水素の吸放出に伴う微細化(割れ)が抑制され、比表面積の増加が少なくなるため、腐食量も抑制され、結果、寿命特性が向上する。よって、a軸長の短さは寿命特性の指標にもなるため、次のようにしてa軸長を測定した。
実施例・比較例で得られた水素吸蔵合金をジョークラッシャー(Fuji Paudal社製:model1021−B)を用いて粗砕し、さらに横型ブラウン粉砕機(吉田製作所製)で500μmの篩目を通過する粒子サイズ(−500μm)まで粉砕を行った。
得られた−500μm(500μmの篩目を通過する粒子)の水素吸蔵合金粉末20gをサイクロミル((型式1033−200)吉田製作所製)で1分間粉砕し、目開き20μmの篩で分級して―20μm(20μmの篩目を通過する粒子)の水素吸蔵合金粉末(サンプル)を得た。
得られたサンプルをサンプルホルダーに充填し、X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス(株)製D8ADVANCE)を使用し測定を行った。
なお、使用したX線回折装置仕様・条件等は以下の通りである。
管球:CuKα線
Spacegroup:P6/mmm
※Sample disp(mm):Refine
Detector:PSD
Detector Type:VANTEC−1
High Voltage:5616V
Discr.Lower Level:0.1V
Discr.Window Width:0.5V
Grid Lower Level:0.075V
Grid Window Width:0.524V
Flood Field Correction:Disabled
Primary radius:250mm
Secondary radius:250mm
Receiving slit width:0.1436626mm
Divergence angle:0.3°
Filament Length:12mm
Sample Length:25mm
Receiving Slit Length:12mm
Primary Sollers:2.623°
Secondary Sollers:2.623°
Lorentzian,1/Cos:0.01630098Th
Det.1 voltage:760.00V
Det.1 gain:80.000000
Det.1 discr.1 LL:0.690000
Det.1 discr.1 WW:1.078000
Scan Mode:Continuous Scan
Scan Type:Locked Coupled
Spinner Speed:15rpm
Divergence Slit:0.300°
Start:20.000000
Time per step:0.28s
Increment:0.00730
♯steps:13624
Generator voltage:35kV
Generator current:40mA
測定により得られたX線回折パターン(回折角2θ=20〜120°の範囲)を用いて、解析用ソフトウエア(ソフト名:Topas Version3)で解析した。
解析には、FundamentalParameterを採用し、結晶子サイズ(Lorentzian法)も変数とした状態でPawley法による格子定数の精密化を行い、a軸長を求めた。
なお、解析を行う際に使用したX線回折パターンのピークは、以下の通りである。
・20.5°付近にあるミラー指数(010)で指数付けされるピーク
・21.9°付近にあるミラー指数(001)で指数付けされるピーク
・30.1°付近にあるミラー指数(011)で指数付けされるピーク
・35.8°付近にあるミラー指数(110)で指数付けされるピーク
・41.6°付近にあるミラー指数(020)で指数付けされるピーク
・42.4°付近にあるミラー指数(111)で指数付けされるピーク
・44.6°付近にあるミラー指数(002)で指数付けされるピーク
・47.5°付近にあるミラー指数(021)で指数付けされるピーク
・49.5°付近にあるミラー指数(012)で指数付けされるピーク
・56.1°付近にあるミラー指数(210)で指数付けされるピーク
・58.5°付近にあるミラー指数(112)で指数付けされるピーク
・60.9°付近にあるミラー指数(211)で指数付けされるピーク
・62.6°付近にあるミラー指数(022)で指数付けされるピーク
・64.4°付近にあるミラー指数(030)で指数付けされるピーク
・68.9°付近にあるミラー指数(031)で指数付けされるピーク
・69.4°付近にあるミラー指数(003)で指数付けされるピーク
・73.2°付近にあるミラー指数(013)で指数付けされるピーク
・74.3°付近にあるミラー指数(212)で指数付けされるピーク
・76.0°付近にあるミラー指数(220)で指数付けされるピーク
・79.7°付近にあるミラー指数(310)で指数付けされるピーク
・80.2°付近にあるミラー指数(221)で指数付けされるピーク
・80.7°付近にあるミラー指数(113)で指数付けされるピーク
・81.8°付近にあるミラー指数(032)で指数付けされるピーク
・83.9°付近にあるミラー指数(311)で指数付けされるピーク
・84.3°付近にあるミラー指数(023)で指数付けされるピーク
・90.6°付近にあるミラー指数(040)で指数付けされるピーク
・92.7°付近にあるミラー指数(222)で指数付けされるピーク
・94.7°付近にあるミラー指数(041)で指数付けされるピーク
・95.2°付近にあるミラー指数(213)で指数付けされるピーク
・96.3°付近にあるミラー指数(312)で指数付けされるピーク
・98.8°付近にあるミラー指数(004)で指数付けされるピーク
・101.5°付近にあるミラー指数(320)で指数付けされるピーク
・102.5°付近にあるミラー指数(014)で指数付けされるピーク
・102.6°付近にあるミラー指数(033)で指数付けされるピーク
・105.8°付近にあるミラー指数(321)で指数付けされるピーク
・107.4°付近にあるミラー指数(042)で指数付けされるピーク
・109.0°付近にあるミラー指数(410)で指数付けされるピーク
・110.0°付近にあるミラー指数(114)で指数付けされるピーク
・113.4°付近にあるミラー指数(411)で指数付けされるピーク
・113.9°付近にあるミラー指数(024)で指数付けされるピーク
・114.0°付近にあるミラー指数(223)で指数付けされるピーク
・118.0°付近にあるミラー指数(313)で指数付けされるピーク
・119.2°付近にあるミラー指数(322)で指数付けされるピーク
Figure 0005137994
(考察)
通常の熱処理、すなわち、鋳造した水素吸蔵合金を900〜1200℃の温度領域内の所定温度に所定時間保持する処理(比較例2、3など)に比べ、その直前に、保持温度よりも高温の温度に昇温させた後、該保持温度まで降温させるオーバーシュートを行うことによって、合金の耐食性をより一層高めることができることが判明した。この結果は、オーバーシュート温度を保持する熱処理(比較例1)と比べても同様であった。
これは、オーバーシュートを行うことによって、各元素をより安定したサイト(例えば2cサイトや3gサイト)へ再配列(“ミクロな再配列”)させることができ、構造的により安定でより耐食性に優れた合金を得ることができるものと考えることができる。例えばMm−Ni−Mn−Al−Co合金で示されるAB型水素吸蔵合金であれば、Ni、Co及びMnなどのようにイオン半径が比較的大きくて電子密度も高い元素を2cサイトから放出させ、Alなどのようにイオン半径が比較的小さくて電子密度も低い元素を2cサイトに残すことができるから、各B元素をより安定したサイトに固定することができ、構造的により安定でより耐食性に優れた合金を得ることができるものと考えることができる。
このようにAB型水素吸蔵合金であれば、2cサイト、3gサイトという異なるサイトが存在し、オーバーシュートによって2cサイト及び3gサイトへの再配列を促すことができるため、同様の効果を期待することができる。すなわち、AB型水素吸蔵合金であれば、上記実施例同様に、熱処理前にオーバーシュートすることによって2cサイト及び3gサイトへの再配列を促すことができ、その後、熱処理によって、各元素をそれぞれ安定したサイト(Aサイト及びBサイト)に再配列させて構造的な欠陥を消失させることができるため、単に熱処理するよりもさらに耐食性を高めることができるものと考えることができる。見方を換えると、従来の熱処理方法において熱処理条件を調整して最も短くしたa軸長よりも、本発明の方法によればさらに短くすることができることが分かった。


Claims (2)

  1. 水素吸蔵合金原料を混合し溶解して鋳造する鋳造工程と、鋳造された合金を熱処理する熱処理工程とを備えた、AB 水素吸蔵合金の製造方法であって、
    当該熱処理工程において、目的とする温度(「保持温度」と称する)を保持する前に、保持温度との温度差(℃)と処理時間(min)との積分値として算出されるエネルギー換算として、50(℃・min)〜900(℃・min)のエネルギーを合金に与えるように、当該保持温度よりも高温の温度に昇温させた後、前記保持温度まで降温させる予備熱処理を行うことを特徴とする、AB 水素吸蔵合金の製造方法。
  2. 予備熱処理では、保持温度よりも5〜100℃高温の温度に昇温させることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金の製造方法。
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