JP5137748B2 - 無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信技術に関し、特に他の無線装置との通信を実行する無線装置に関する。
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)が、近年、普及している。このような無線LANには、2種類のネットワーク構成が含まれる。ひとつはインフラストラクチャ・モードであり、もうひとつはアドホック・モードである。さらに、無線ディストリビューション・システム(WDS:Wireless Distribution System)とよばれるネットワーク構成も含まれる。インフラストラクチャ・モードは、基地局装置と、当該基地局装置にて形成される無線セル内に存在する端末装置とによって構成される。
また、ひとつの基地局装置と、当該基地局装置に接続される複数の端末装置との組合せによって形成されるネットワークは、BSS(Basic Service Set)とよばれる。基地局装置は、一般的に、有線のバックボーン・ネットワークに接続されており、バックボーン・ネットワークと端末装置との間においてパケット信号を中継する。さらに、基地局装置は、端末装置間のパケット信号も中継する。一方、アドホック・モードは、基地局装置を含まず、端末装置だけによって構成される。端末装置は、一般的に、パケット信号を中継する機能を有さず、パケット信号を互いに直接送信する。さらに、WDSは、基地局装置間でもパケット信号を中継する(例えば、非特許文献1参照)。
守倉正博、久保田周治、802.11高速無線LAN教科書、日本、インプレス、2005年1月1日、p.60−63
一般的に、基地局装置には、基地局装置としての機能(以下、「基地局モード」という)が実装され、端末装置には、端末装置としての機能(以下、「端末モード」という)が実装される。つまり、基地局装置と端末装置とは、それぞれ別の装置として構成される。一方、これらとは異なった形態の無線装置が提案されている。このような無線装置には、基地局モードと端末モードとが実装されており、いずれかかが選択される。そのため、このような無線装置にて形成された無線ネットワークでは、基地局モードを選択すべき無線装置が任意に設定される。しかしながら、無線ネットワークでの安定した通信を維持するために、各無線装置において、基地局モードあるいは端末モードの設定が適切になされる必要がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、基地局モードおよび端末モードを備えた無線装置において、いずれかのモードを適切に設定する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、複数の他の無線装置を多重接続する基地局モードと、基地局モードに設定された他の無線装置に接続される端末モードとのいずれかを選択して、通信を実行する通信部と、通信部における基地局モードと端末モードとに関する動作を制御する制御部とを備える。制御部は、通信部を端末モードに設定している場合に、端末モードから基地局モードへの切替を決定する決定部と、通信部を介して、基地局モードに設定された他の無線装置へ、決定部において決定した切替を通知する通知部と、通知部において切替を通知した後、基地局モードに設定された他の無線装置から切替が許可された場合に、通信部を基地局モードへ切り替える切替部とを備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、基地局モードおよび端末モードを備えた無線装置において、いずれかのモードを適切に設定できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、複数の無線装置によって形成されるネットワークにて、通信を実行する通信システムに関する。各無線装置は、基地局モードと端末モードのいずれにも対応しており、いずれか一方を選択して使用する。前述のごとく、選択は適切になされる必要があるが、選択される場面は複数種類あり、それぞれに応じた処理がなされるべきである。以下では、1.において、通信システムの全体的な概要を説明した後に、2.から5.において、場面ごとに説明する。なお、通信システムには、前述の無線装置の他に、通常の基地局装置や通常の端末装置が含まれてもよいが、必要ない限り、ここでは、これらを省略して説明する。また、以下では、基地局モードと端末モードのいずれにも対応した無線装置を「無線装置」とよび、基地局装置専用の無線装置を「基地局装置」とよび、端末装置専用の無線装置を「端末装置」とよぶが、基地局装置専用の無線装置や端末装置専用の無線装置を「無線装置」とよぶこともある。
1.動作概要
通信システムは、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、WDS(AP間通信)に対応する。さらに、通信システムは、基地局モードと端末モードのいずれにも対応した無線装置が、基地局モードと端末モードのいずれかを選択して通信するモード(以下、「切替モード」という)にも対応する。まず、通信システムの構成として、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、切替モードの構成を簡単に説明する。
図1(a)−(b)は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、無線装置10と総称される第1無線装置10a、第2無線装置10b、第3無線装置10c、第4無線装置10dを含む。図1(a)は、4つの無線装置10がアドホック・モードで動作している場合を示している。各無線装置10は、端末モードを選択しているか、端末装置そのものである。アドホック・ネットワークにおける通信処理として公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略するが、ひとつの無線装置10は、通信対象となる無線装置10へパケット信号を直接送信する。
図1(b)は、4つの無線装置10がインフラストラクチャ・モードで動作している場合を示している。第1無線装置10aは、基地局モードを選択しているか、基地局装置そのものである。一方、第2無線装置10b、第3無線装置10c、第4無線装置10dは、端末モードを選択しているか、端末装置そのものである。端末モードの無線装置10間の通信において、パケット信号は、基地局モードの無線装置10にて中継される。例えば、第2無線装置10bから第4無線装置10dへパケット信号が送信される場合、第2無線装置10bは、第1無線装置10aへパケット信号をまず送信する。第1無線装置10aは、受信したパケット信号を第4無線装置10dへ送信する。
つまり、基地局モードの無線装置10あるいは基地局装置は、最初の送信元および最終的な宛先が自らでないデータが含まれたパケット信号を通信対象とする。前述の例の場合、データの最初の送信元は、第2無線装置10bであり、データの最終的な宛先は、第4無線装置10dであり、基地局モードの第1無線装置10aは、いずれにも含まれない。また、基地局モードの無線装置10あるいは基地局装置は、複数の端末モードの無線装置10を多重接続する。多重接続には、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、SDMA(Space Division Multiple Access)が使用される。
一方、端末モードの無線装置10あるいは端末装置は、最初の送信元あるいは最終的な宛先が自らであるデータが含まれたパケット信号を通信対象とする。前述の例の場合、第2無線装置10bから送信されるパケット信号には、第2無線装置10bを最初の送信元にしたデータが含まれ、第4無線装置10dにて受信されるパケット信号には、第4無線装置10dを最終的な宛先としたデータが含まれる。これは、図1(a)のアドホック・ネットワークにておいても同様である。また、インフラストラクチャ・モード、切替モードにおいて、端末モードの無線装置10あるいは端末装置は、基地局モードに設定された無線装置10に接続される。その際、ふたつの端末モードの無線装置10は、直接通信を実行せずに、基地局モードに設定された無線装置10を介して通信を実行する。
図2(a)−(b)は、本発明の実施例に係る通信システム100の別の構成を示す。図2(a)−(b)は、4つの無線装置10が切替モードで動作している場合を示している。図2(a)では、第1無線装置10aが基地局モードで動作し、第2無線装置10b、第3無線装置10c、第4無線装置10dが端末モードで動作する。一方、図2(b)では、第2無線装置10bが基地局モードで動作し、第1無線装置10a、第3無線装置10c、第4無線装置10dが端末モードで動作する。切替モードでは、図2(a)の状態と図2(b)の状態とが適宜切りかえられる。なお、切りかえられる期間およびタイミングは、任意の値でよい。ここで、図2(a)の状態は、図1(b)と同等である。つまり、切替モードでは、所定のタイミングにおいて、インフラストラクチャ・モードと同様の処理がなされており、両者の違いは、基地局装置に相当する無線装置10が変更になるか否かである。
2.起動時のモード設定
まず、概略を説明する。無線装置10が、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、切替モードを備えている場合、無線装置10は、起動する際に、これらの動作モードのうちのいずれかを選択する必要がある。一般的に、起動する際、ユーザには、使用したい動作モードの希望がある。そのため、ユーザの希望を反映させるような動作モードの選択が好ましい。無線装置10が切替モードで起動した場合、無線装置10は、基地局モードあるいは端末モードを選択する必要がある。既に周囲に基地局モードや端末モードの無線装置10が存在する可能性があるので、これらのモードの選択は、周囲の無線装置10でのモードに応じて決定される方が好ましい。これに対応するために、本実施例に係る無線装置10は、次の動作を実行する。
無線装置10は、起動前にユーザから、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、切替モードのいずれかの指示を受けつけ、指示に応じて、使用すべき動作モードを選択する。無線装置10は、選択した動作モードとなるような設定を実行する。一方、無線装置10は、切替モードで起動した場合、初期状態において端末モードを実行する。つまり、無線装置10は、端末装置として起動する。その後、無線装置10は、一定期間にわたって、他の無線装置10からの報知信号、つまりビーコン信号を受信する。受信できない場合、周囲に基地局モードの無線装置10が存在しないと推定されるので、無線装置10は、端末モードから基地局モードに切りかわる。
図3は、本発明の実施例に係る無線装置10の構成を示す。無線装置10は、アンテナ20、通信実行部22、バッテリ24を含む。また、通信実行部22は、無線部26、変復調部28、データ処理部30、制御部32、操作部34、IF部36、記憶部38を含む。さらに、データ処理部30は、AP処理部50、STA処理部52を含み、制御部32は、検出部40、固定モード受付部42、切替モード受付部44、切替部46、維持部48を含む。
無線部26は、他の無線装置10との間においてパケット信号を使用しながら、通信を実行する。無線部26は、受信処理として、アンテナ20を介して受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、無線部26は、ベースバンドのパケット信号を変復調部28に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、無線部26には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
無線部26は、送信処理として、変復調部28から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、無線部26は、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、無線部26には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部28は、受信処理として、無線部26からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部28は、復調した結果をデータ処理部30に出力する。また、変復調部28は、送信処理として、データ処理部30からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部28は、変調した結果をベースバンドのパケット信号として無線部26に出力する。なお、IEEE802.11a規格のようなOFDM変調方式に無線装置10が対応する場合、変復調部28は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
また、IEEE802.11b規格のようなスペクトル拡散方式に無線装置10が対応する場合、変復調部28は、受信処理として逆拡散も実行し、送信処理として拡散も実行する。さらに、IEEE802.11nのようなMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式に無線装置10が対応する場合、変復調部28は、受信処理としてアダプティブアレイ信号処理も実行し、送信処理として複数のストリームへの分散処理も実行する。
AP処理部50は、前述の基地局モードの処理を実行する。基地局モードの処理として、公知の基地局装置の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略するが、少なくとも前述のごとく、図示しない端末モードの無線装置10間の通信を中継する。つまり、AP処理部50は、受信処理として、変復調部28からの復調結果であるデータを受けつける。当該データの最終的な宛先は、自らの無線装置10ではなく、図示しない別の無線装置10である。AP処理部50は、送信処理として、図示しない別の無線装置10を最終的な宛先としながら、受けつけたデータを変復調部28へ出力する。当該データの最初の送信元は、自らの無線装置10でなく、受信処理において受けつけたデータを送信した図示しない無線装置10である。
STA処理部52は、前述の端末モードの処理を実行する。端末モードの処理として、公知の端末装置の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略するが、少なくともネットワークの端部に配置され、中継処理を実行しない。つまり、STA処理部52は、受信処理として、変復調部28からの復調結果であるデータを受けつける。当該データの最終的な宛先は、自らの無線装置10である。STA処理部52は、受けつけたデータに対して所定の処理を実行した後に、その結果を制御部32へ出力する。STA処理部52は、送信処理として、図示しない別の無線装置10を最終的な宛先としながら、制御部32から受けつけたデータを変復調部28へ出力する。当該データの最初の送信元は、自らの無線装置10である。
制御部32は、データ処理部30における基地局モードと端末モードとに関する動作を制御する。つまり、制御部32は、AP処理部50の動作あるいはSTA処理部52の動作を選択する。また、制御部32は、無線装置10の動作モードとして、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、切替モードを規定し、これらの動作モードのいずれかを選択する。前述のごとく、アドホック・モードとは、AP処理部50あるいはSTA処理部52を固定的に使用する動作モードであり、切替モードとは、AP処理部50およびSTA処理部52を切りかえながら使用する動作モードである。なお、アドホック・モードの場合、STA処理部52だけが使用される。
操作部34は、ボタン等によって構成されており、ユーザからの指示を受けつける。また、パーソナルコンピュータと接続されるように無線装置10が形成されている場合に、操作部34は、パーソナルコンピュータに備えられたキーボード、マウスであってもよい。IF部36は、図示しない機器や構成要素とのインターフェイスである。例えば、無線装置10がパーソナルコンピュータやプリンタと接続される場合、IF部36は、パーソナルコンピュータやプリンタとのインターフェイスである。一方、無線装置10が携帯情報端末装置等に内蔵される場合、IF部36は、携帯情報端末装置の各構成要素、例えば、ディスプレイ、スピーカ、CPUとのインターフェイスである。
ユーザは、操作部34を使用して、動作モードの選択の指示を入力する。つまり、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、切替モードに対する選択の指示が入力される。また、インフラストラクチャ・モードの場合、基地局モードあるいは端末モードの選択の指示も入力される。操作部34によって入力された指示が、インフラストラクチャ・モードの選択指示あるいはアドホック・モードの選択指示である場合、固定モード受付部42は、それらの指示を受けつける。また、固定モード受付部42は、インフラストラクチャ・モードの選択指示を受けつけた場合、基地局モードあるいは端末モードの選択指示も受けつける。
操作部34によって入力された指示が、切替モードの選択指示である場合、切替モード受付部44は、当該指示を受けつける。制御部32は、本無線装置10を起動する際に、データ処理部30の動作モードとして、インフラストラクチャ・モード、アドホック・モード、切替モードのいずれかを選択し、選択した動作モードを設定する。さらに、制御部32は、動作モードにあわせて、AP処理部50またはSTA処理部52のいずれかを動作させる。具体的に説明すると、固定モード受付部42がインフラストラクチャ・モードの選択指示であり、かつ基地局モードの選択指示を受けつけた場合、制御部32はAP処理部50を動作させる。
一方、固定モード受付部42がインフラストラクチャ・モードの選択指示であり、かつ端末モードの選択指示を受けつけた場合、あるいは固定モード受付部42がアドホック・モードの選択指示を受けつけた場合、制御部32は、STA処理部52を動作させる。切替モード受付部44が切替モードの選択指示を受けつけた場合、制御部32は、STA処理部52を動作させる。つまり、切替モードの場合、制御部32は、STA処理部52を選択しながら、無線装置10を起動させる。無線装置10がインフラストラクチャ・モードあるいはアドホック・モードで動作する場合、制御部32では、基地局モードあるは端末モードがユーザの指示によって特定されている。一方、無線装置10が切替モードで動作する場合、制御部32では、基地局モードあるは端末モードがユーザの指示によって特定されておらず、初期値として、端末モードが自動的に選択される。
記憶部38は、各種のデータおよび設定を記憶する。例えば、記憶部38は、固定モード受付部42や切替モード受付部44において受けつけた設定を記憶する。バッテリ24は、無線装置10を駆動させる電源である。なお、無線装置10は、バッテリ24の代わりにACアダプターによって、駆動されてもよい。
以下では、切替モードとして、無線装置10が起動された場合の処理を説明する。このような場合では、前述のごとく、STA処理部52が起動されている。検出部40は、無線部26、変復調部28、STA処理部52を介して、起動してから一定期間を経過するまでに、図示しない他の無線装置10から送信されたパケット信号であって、かつ報知情報が含まれたパケット信号、つまりビーコン信号を受信するかを検出する。このようなビーコン信号を受信した場合、本無線装置10の近傍に、基地局モードの別の無線装置10あるいは基地局装置が存在するといえる。一定期間の間にビーコン信号を検出しなければ、検出部40は、切替モード受付部44へその旨を通知する。さらに、切替モード受付部44は、その旨を切替部46へ通知する。切替部46は、通知を受けつけると、STA処理部52の動作を停止させて、AP処理部50を動作させる。つまり、切替部46は、端末モードから基地局モードへデータ処理部30の動作を切り替える。
一方、検出部40は、一定期間の間にビーコン信号を検出すると、ビーコン信号の内容とともにその旨を切替モード受付部44へ出力する。ここで、ビーコン信号には、当該ビーコン信号を送信した装置に関する情報が含まれている。このような情報のひとつは、ビーコン信号の送信元が基地局モードおよび端末モードに対応した別の無線装置10であるか、通常の基地局装置であるかという情報である。切替モード受付部44は、ビーコン信号を検出した旨を受けつけると、ビーコン信号の内容をもとに、送信元の装置の種類を確認する。基地局モードおよび端末モードに対応した別の無線装置10である場合、切替モード受付部44は、受けつけた情報を維持部48へ出力する。一方、通常の基地局装置である場合、切替モード受付部44は、受けつけた情報を切替部46へ出力する。
維持部48は、切替モード受付部44から情報を受けつけると、STA処理部52の動作を維持させる。つまり、維持部48は、端末モードの設定を維持する。切替部46は、切替モード受付部44から情報を受けつけると、STA処理部52の動作を停止させて、AP処理部50を動作させる。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図4は、無線装置10における設定手順を示すフローチャートである。電源がONにされる(S10)。切替モード受付部44が切替モードでの起動の指示を受けつけていれば(S12のY)、制御部32は、STA処理部52の動作を起動させる。つまり、制御部32は、端末モード(以下、「STAモード」ともいうが、両者を区別せずに使用する)を設定する(S14)。検出部40が一定期間にビーコン信号を受信しなければ(S16のN)、切替部46は、STA処理部52の動作を停止させて、AP処理部50を動作させる。つまり、切替部46は、基地局モード(以下、「APモード」ともいうが、両者を区別せずに使用する)に切り替える(S20)。
一方、検出部40が一定期間にビーコン信号を受信し(S16のY)、ビーコン信号の送信元が、通常の基地局装置(以下、「AP専用装置」ともいうが、両者を区別せずに使用する)である場合(S18のY)、切替部46は、APモードに切り替える(S20)。ビーコン信号の送信元が、AP専用装置でない場合(S18のN)、処理は終了される。切替モード受付部44が切替モードでの起動の指示を受けつけておらず(S12のN)、つまり、固定モード受付部42がインフラストラクチャ・モードあるいはアドホック・モードでの起動の指示を受けつけている場合、固定モード受付部42は、APモードかSTAモードかを確認する。APモードである場合(S22のY)、制御部32は、AP処理部50を動作させる。つまり、制御部32は、APモードを設定する(S24)。一方、APモードでない場合(S22のN)、制御部32は、STAモードを設定する(S26)。
本実施例によれば、起動する際にユーザからの指示をもとに動作モードを選択するので、ユーザの希望を反映できる。また、切替モードにて起動する際に、端末モードを選択するので、基地局モードの無線装置が複数存在する状況を回避でき、通信の安定性を維持できる。また、ビーコン信号を受信しなければ、端末モードから基地局モードへ切りかわるので、切替モードによる通信を実行できる。また、受信したビーコン信号が、AP専用装置から送信された場合、端末モードから基地局モードへ切りかわるので、インフラストラクチャ・モードによる通信とは別に、切替モードによる通信を実行できる。
3.接続時のモード設定
まず、概略を説明する。無線LANでの無線装置における簡単接続方法として、WPS(Wi−Fi Protected Setup)が開発されている。WPSの前提として、近年、無線LANが普及するにつれ、無線LANにおけるセキュリティ保護強化が求められている。このため、暗号鍵や初期化ベクトル(IV:Initial Vector)の長さが短く、メッセージの完全性を保証できなかったWEP(Wired Equivalent Privacy)のかわりに、暗号鍵の長さを拡張し、一定期間ごとに暗号鍵を更新可能なTKIP(Temporal Key Integrity Protocol)や、メッセージの改ざんを検出するMIC(Message Integrity Code)を採用するWPA(Wi−Fi Protected Access)が開発され、無線LANのセキュリティ保護強化が図られている。
WPAは、無線LAN装置間での相互認証を実現するために、PSK(Pre−Shared Key)をサポートしている。PSKにより保護された無線LANネットワークを構築するために、利用者は、基地局装置と、この基地局装置と接続する端末装置にPSKを設定しておく必要がある。また、PSK以外にも、無線LANネットワークを識別する情報であるSSID(Service Set Identifier)を設定するなど、無線LANネットワークのセキュリティ保護のために、利用者は数多くの設定を行う必要がある。
WPSは、このような利用者の負担を軽減するため開発された。WPSに対応する無線装置10では、個人暗証番号(PIN:Personal Identification Number)を入力する、もしくは専用ボタンを押す(PBC:Push−Button Configuration)により、SSID、WPAなどの設定を行う。このようなWPS対応の無線装置10を利用することで、利用者は、セキュアな無線LANネットワークを簡単に構築できる
ここでは、このようなWPSを使用してふたつの無線装置10が接続する際に、それらのモードも設定される必要がある。ふたつの無線装置10が既に起動している場合、それらには、基地局モードや端末モードが既に設定されている。これらのモードの設定は、他の無線装置10との関係を反映していることもあるので、接続後も同じ状態である方が好ましい。これに対応するために本実施例に係る無線装置10は、簡単接続を実行する場合に、接続の前後でのモードを維持するように、基地局モードや端末モードを設定する。
無線装置10の構成は、図3と同様のタイプである。ここでは、図3との差異を中心に説明する。本無線装置10と、他の無線装置10とが互いのパケット信号が受信できる距離に配置され、両方のボタンが押し下げられることによって、WPSによる簡単接続が両者の間で実行される。つまり、本無線装置10において、ユーザは、簡単接続を実行する際に、操作部34のボタンを押し下げる。制御部32は、ボタンの押し下げを検出すると、無線部26、変復調部28、データ処理部30を介して、図示しない無線装置10との間でWPSによる簡単接続を実行する。なお、WPSによる簡単接続として公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
なお、前述のごとく、データ処理部30において、AP処理部50あるいはSTA処理部52が起動されており、記憶部38は、その情報(以下、「モード情報」という)を記憶する。制御部32は、簡単接続を実行する前に、他の無線装置10との間でモード情報を交換する。ここで、モード情報の交換には、ふたつの方法が存在する。ひとつは、制御部32が、データ処理部30、変復調部28、無線部26を介して、他の無線装置10へモード情報を送信し、他の無線装置10においてモードを決定してもらう方法である。
もうひとつは、制御部32が、無線部26、変復調部28、データ処理部30を介して、他の無線装置10からのモード情報を受信して、モードを決定する。つまり、本無線装置10あるいは他の無線装置10が、両方のモード情報を把握して、両方のモードを決定する。決定したモードは、相手方の無線装置10にも通知される。つまり、制御部32は、無線部26、変復調部28、データ処理部30を介して、他の無線装置10との間で行ったモード情報の交換結果をもとに、AP処理部50あるいはSTA処理部52を動作させる。
ここで、モードの決定規則は、例えば、次のように示される。(1)両方が基地局モードとして動作している場合、現在の設定は維持される。つまり、両方の間で基地局間通信(以下、「AP間通信」というが、両者を区別せずに使用する)が実現される。なお、基地局間通信として公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。(2)一方が既に基地局モードとして動作しているか、基地局モードになると決定した場合、一方が基地局モードに設定され、他方が端末モードに設定される。(3)両方が端末モードで動作しており、かつ両方が基地局モードに変更しない場合、端末モードの設定が維持される。つまり、両方の間でアドホック・モードが実現される。基地局モードに変更しない場合とは、基地局モードとして動作することをユーザが希望しないときや、バッテリの残量が少ないとき、また、受信レベルが下がり他のエリアへ移動することを検出したときに相当する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図5は、本発明の実施例に係る通信システム100における設定手順を示すシーケンス図である。第1無線装置10aのボタンが押し下げられ(S40)、第2無線装置10bのボタンも押し下げられる(S42)。第1無線装置10aは、第2無線装置10bへ、モード情報を情報信号として送信する(S44)。第2無線装置10bは、モードを決定する(S46)。第2無線装置10bは、第1無線装置10aへ、決定したモードを通知信号として送信する(S48)。第1無線装置10aは、モードを設定し(S50)、第2無線装置10bも、モードを設定する(S52)。第1無線装置10aと第2無線装置10bとは、WPSによる設定処理を実行する(S54)。
図6は、本発明の実施例に係る通信システム100における別の設定手順を示すシーケンス図である。第1無線装置10aのボタンが押し下げられ(S70)、第2無線装置10bのボタンも押し下げられる(S72)。第1無線装置10aは、第2無線装置10bへ、モード情報送信の要求信号を送信する(S74)。第2無線装置10bは、第1無線装置10aへ、モード情報を情報信号として送信する(S76)。第1無線装置10aは、モードを決定する(S78)。第1無線装置10aは、第2無線装置10bへ、決定したモードを通知信号として送信する(S80)。第1無線装置10aは、モードを設定し(S82)、第2無線装置10bも、モードを設定する(S84)。第1無線装置10aと第2無線装置10bとは、WPSによる設定処理を実行する(S86)。
図7は、図5または図6における決定手順を示すフローチャートである。本無線装置10の制御部32、あるいは他の無線装置10の制御部32は、両方がAPモードであれば(S100のY)、AP間通信を実行する(S102)。両方がAPモードでなく(S100のN)、いずれか一方がAPモードであれば(S104のY)、一方がAPモードに決定され、他方がSTAモードに決定される(S106)。いずれか一方がAPモードでなければ(S104のN)、アドホック通信の実行が決定される(S108)。
本実施例によれば、簡単接続を実行する際に、モードを調節するので、接続後の通信状態へスムーズに移行できる。また、それまで使用したモードを可能な限り使用するので、他の無線装置に与える影響を低減できる。
4.APモードからSTAモードへの切替
まず、概要を説明する。基地局モードで動作している無線装置10が、基地局モードから端末モードへの切替を要求する場合がある。例えば、当該無線装置10のバッテリ残量が少なくなったときである。当該無線装置10が基地局モードから端末モードへ切り替えた場合であっても、通信システム100には、それまでと同様に安定した通信が要求される。これに対応するために本発明に係る無線装置10は、周囲の他の無線装置10の状態を取得し、いずれかの他の無線装置10を選択する。また、無線装置10は、選択した他の無線装置10へ基地局モードへの切替を要求する。
図8は、本発明の実施例に係る無線装置10の別の構成を示す。図8の無線装置10は、図3の無線装置10と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。制御部32は、検出部40、選択部60、切替部62を含む。検出部40は、本無線装置10に備えられたバッテリ24の残量を監視する。検出部40は、AP処理部50が動作している場合、つまり基地局モードが設定されている場合に、バッテリ24の残量がしきい値より低くなったことを検出すると、その旨を選択部60へ通知する。
選択部60は、検出部40からの通知を受けつけると、AP処理部50、変復調部28、無線部26を介して他の無線装置10へ、バッテリ残量が低下した旨をリソース情報として報知する。通知後、選択部60は、無線部26、変復調部28、データ処理部30を介して、他の無線装置10からのリソース情報を取得する。例えば、リソース情報には、他の無線装置10におけるバッテリ残量の情報が含まれている。選択部60は、バッテリ残量がしきい値よりも大きい他の無線装置10を選択する。なお、複数の他の無線装置10が該当する場合、選択部60は、バッテリ残量が最大の他の無線装置10を選択する。選択部60は、AP処理部50、変復調部28、無線部26を介して、選択した他の無線装置10へ、端末モードから基地局モードへの変更を指示する。切替部62は、選択部60からの指示の出力後、AP処理部50の動作を停止させ、STA処理部52を動作させる。つまり、切替部62は、基地局モードから端末モードへデータ処理部30を切り替える。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図9は、無線装置10における設定手順を示すフローチャートである。検出部40は、バッテリ24の電源状況を取得する(S120)。バッテリ24の残量がしきい値よりも低い場合(S122のY)、選択部60は、リソース情報を報知する(S124)とともに、リソース情報を取得する(S126)。AP動作条件のよい無線装置10があれば(S128のY)、選択部60は、当該無線装置10へAPモードへの切替を依頼する(S130)。一方、AP動作条件のよい無線装置10がなければ(S128のN)、選択部60は、APモード継続不能を通知する(S132)。その後、切替部62は、STAモードへの切替を実行する(S134)。バッテリ24の残量がしきい値よりも低くない場合(S122のN)、処理は終了される。
本実施例によれば、バッテリの残量が少なくなった場合に、基地局モードから端末モードへ切りかわるので、バッテリの消費を低減できる。また、切りかわる前に、他の無線装置へ基地局モードへの切替を指示するので、基地局モードで動作する無線装置がネットワーク内に存在しないという状況を回避できる。また、基地局モードで動作する無線装置がネットワーク内に存在しないという状況が回避されるので、安定した通信を維持できる。また、基地局モードで動作する無線装置がネットワーク内に存在しないという状況が回避されるので、切替モードによる通信を維持できる。
5.STAモードからAPモードへの切替
まず、概略を説明する。無線装置10が、基地局モードから端末モードへ切りかわる際のトリガーについては説明した。ここでは、無線装置10が、端末モードから基地局モードへ切りかわる際のトリガーについて説明する。前述のごとく、基地局モードに設定された無線装置10は、端末モードに設定された複数の無線装置10と通信する。つまり、一般的に、基地局モードに設定された無線装置10での処理量は、端末モードに設定された無線装置10での処理量よりも多い。そのため、複数の無線装置10の中には、基地局モードに適した無線装置10もあれば、基地局モードに適さない無線装置10もある。
そこで、無線装置10は、自らが基地局モードに適しているか否かを検出する。当該検出について、以下ではさまざまな態様を説明する。まずは、複数の他の無線装置10へ送信すべきデータが発生した場合に、無線装置10は、基地局モードに適していることを検出する。前述のごとく、端末モードに設定された無線装置10は、他の無線装置10へデータを直接送信できない。そのため、端末モードに設定された無線装置10から送信されたデータは、基地局モードに設定された無線装置10を介して、複数の他の無線装置10へ送信される。これに対して、基地局モードに設定された無線装置10は、複数の他の無線装置10へデータを直接送信できる。そのため、複数の無線装置10へ送信すべきデータの発生は、基地局モードに適していることといえる。
また、通信システム100での端末モードや基地局モードへの切替は、スムーズになされるべきである。そのため、端末モードに設定された無線装置10のうち、基地局モードに適している無線装置10は、既に基地局モードに設定された無線装置10へ切りかわることを通知し、許可を受けた場合に、端末モードから基地局モードへ切りかわる。なお、既に基地局モードに設定された無線装置10は、端末モードへ切りかわる。
図10は、本発明の実施例に係る無線装置10のさらに別の構成を示す。図10の無線装置10は、図3の無線装置10と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。制御部32は、検出部110、決定部112、通知部114、受付部116、切替部118を含む。
前述のごとく、AP処理部50は、基地局モードによる通信を実行し、STA処理部52は、端末モードによる通信を実行しており、AP処理部50またはSTA処理部52が選択されることによって、パケット信号による通信がなされる。制御部32は、AP処理部50またはSTA処理部52を選択するようにデータ処理部30を制御する。ここでは、説明の前提として、STA処理部52が選択されているとする。
検出部110は、無線装置10に含まれたアプリケーションプログラム処理部あるいは無線装置10に接続されたアプリケーションプログラム処理部(図示せず)にて生成されるデータを監視する。ここでは、特に、データの宛先およびデータ量を監視する。また、検出部110は、宛先数に対するしきい値「N」とデータ量に対するしきい値「M」とを予め規定する。検出部110は、宛先数とNとを比較し、データ量とMとを比較する。宛先数がN以上である場合、あるいはデータ量がM以上である場合、検出部110は、複数の他の無線装置10へ同報すべきデータの生成あるいは大量のデータの生成を検出する。検出部110は、検出内容を決定部112へ出力する。
決定部112は、検出部110から検出内容を受けつけると、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替を決定する。つまり、決定部112は、検出部110においてN以上の宛先へ送信すべきデータの生成が検出された場合、あるいは検出部110においてM以上のデータ量のデータの生成が検出された場合に、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替を決定する。決定部112は、切替を決定した場合に、その旨を通知部114へ出力する。
通知部114は、決定部112から、決定の内容を受けつける。通知部114は、決定の内容、つまり切替の決定が含まれたパケット信号を生成する。また、通知部114は、STA処理部52、変復調部28、無線部26を介して、基地局モードに設定された他の無線装置10(図示せず)へパケット信号を通知する。つまり、通知部114は、基地局モードに設定された他の無線装置10へ切替の決定を通知する。
受付部116は、通知部114において切替を通知した後、無線部26、変復調部28、STA処理部52を介して、基地局モードに設定された他の無線装置10からのパケット信号を受けつける。当該パケット信号には、切替の許可が含まれている。これは、基地局モードに設定された他の無線装置10によって、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替が許可された状態といえる。受付部116は、切替の許可を切替部118へ出力する。切替部118は、STA処理部52の選択をAP処理部50の選択へ切り替える。その結果、STA処理部52の動作が中止され、AP処理部50が起動される。
AP処理部50は、変復調部28、無線部26を介して、基地局モードに切りかわった旨が含まれたパケット信号を報知する。図示しない他の無線装置10は、新たな基地局モードの無線装置10を認識する。特に、それまで基地局モードに設定された無線装置10は、端末モードに切りかわる。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図11は、無線装置10における設定手順を示すフローチャートである。STA処理部52は、STAモードを実行する(S200)。検出部110が、N以上の無線装置10へ送信すべきデータを検出した場合(S202のY)、あるいはN以上の無線装置10へ送信すべきデータを検出せず(S202のN)、データ量がM以上である場合(S204のY)、AP処理部50があれば(S206のY)、決定部112はSTA処理部52からAP処理部50への切替を決定する。一方、データ量がM以上でない場合(S204のN)、およびAP処理部50がなければ(S206のN)、ステップ202へ戻る。通知部114は、APモードに設定された無線装置10へ切替を通知する(S208)。受付部116が許可を受けつければ(S210のY)、切替部118は、STAモードからAPモードへの切替処理を実行する(S212)。一方、受付部116が許可を受けつけなければ(S210のN)、ステップ212は、スキップされる。
次に別の実施例を説明する。別の実施例は、これまでの説明と比較して、基地局モードに適しているか否かの検出の条件が異なる。ここでは、通信システム100に新たに参加するタイミングが、基地局モードに適している場合とする。ある程度の期間にわたって基地局モードに設定された無線装置10は、その期間にわたって高負荷の処理を実行している。そのため、バッテリ駆動の場合にバッテリ残量が少なくなっていたり、筐体の温度が上昇していたりする。一方、通信システム100へ新たに参加する無線装置10は、そのような状況になっていないので、基地局モードに適しているといえる。
図12は、本発明の実施例に係る無線装置10のさらに別の構成を示す。図12の無線装置10は、図10の無線装置10と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。制御部32は、接続部120、決定部112、通知部114、受付部116、切替部118を含む。
前述のごとく、AP処理部50は、基地局モードによる通信を実行し、STA処理部52は、端末モードによる通信を実行しており、AP処理部50またはSTA処理部52が選択されることによって、パケット信号による通信がなされる。制御部32は、AP処理部50またはSTA処理部52を選択するようにデータ処理部30を制御する。ここでは、説明の前提として、STA処理部52が選択されているとする。
接続部120は、STA処理部52、変復調部28、無線部26を介して、図示しない基地局モードに設定された他の無線装置10との間において、接続のための処理を実行する。ここで、接続のための処理は、前述の簡単接続に相当する。簡単接続はこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。接続部120は、接続が完了した場合、つまり基地局モードに設定された他の無線装置10からの認証を受けつけた場合に、接続の完了を決定部112へ出力する。決定部112は、接続部120から接続の完了を受けつけると、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替を決定する。つまり、決定部112は、接続のための処理がなされた場合に、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替を決定する。以降の処理はこれまでの説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図13は、無線装置10における設定手順を示すフローチャートである。STA処理部52は、STAモードを実行する(S230)。接続部120がAPモードに設定された無線装置10からの認証OKを検出した場合(S232のY)、AP処理部50があれば(S234のY)、決定部112はSTA処理部52からAP処理部50への切替を決定する。一方、接続部120がAPモードに設定された無線装置10からの認証OKを検出しない場合(S232のN)、およびAP処理部50がなければ(S234のN)、ステップ232へ戻る。通知部114は、APモードに設定された無線装置10へ切替を通知する(S236)。受付部116が許可を受けつければ(S238のY)、切替部118は、STAモードからAPモードへの切替処理を実行する(S240)。一方、受付部116が許可を受けつけなければ(S238のN)、ステップ240は、スキップされる。
次に別の実施例を説明する。別の実施例は、これまでの説明と比較して、基地局モードに適しているか否かの検出の条件が異なる。ここでは、有線ネットワークへの接続を検出したときが、基地局モードに適している場合とする。基地局モードに設定された無線装置10が有線ネットワークに直接接続されていれば、他の無線装置10は、基地局モードに設定された無線装置10へアクセスすれば、有線ネットワークを介して、インターネットに接続できる。つまり、通信システム100内でのデータ転送が少なくされる。そのため、有線ネットワークに直接接続された無線装置10は、基地局モードに適しているといえる。
図14は、本発明の実施例に係る無線装置10のさらに別の構成を示す。図14の無線装置10は、図10の無線装置10と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。通信実行部22は、有線通信部122を含む。
有線通信部122は、有線ネットワークに接続されることによって、有線ネットワークによる通信を実行する。例えば、有線通信部122は、有線ネットワークを介してインターネットにアクセスする。また、無線部26、変復調部28、AP処理部50と、有線通信部122とによって、無線ネットワークと有線ネットワークとの間でデータが中継される。
検出部110は、有線通信部122が有線ネットワークに接続されていることを検出する。検出には、公知の技術が使用されればよいが、例えば、有線通信部122から、有線ネットワーク上の所定のアドレスに対して信号を送信し、当該信号に対する応答を受信した場合に、検出部110は、有線ネットワークとの接続を検出する。検出部110は、接続を検出した場合に、接続の検出を決定部112へ出力する。決定部112は、接続部120から接続の検出を受けつけると、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替を決定する。以降の処理はこれまでの説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図15は、無線装置10における設定手順を示すフローチャートである。STA処理部52は、STAモードを実行する(S260)。有線通信部122が有線でネットワークに接続していることを検出部110が検出した場合(S262のY)、AP処理部50があれば(S264のY)、決定部112はSTA処理部52からAP処理部50への切替を決定する。一方、有線通信部122が有線でネットワークに接続していることを検出部110が検出しない場合(S262のN)、およびAP処理部50がなければ(S264のN)、ステップ262へ戻る。通知部114は、APモードに設定された無線装置10へ切替を通知する(S266)。受付部116が許可を受けつければ(S268のY)、切替部118は、STAモードからAPモードへの切替処理を実行する(S270)。一方、受付部116が許可を受けつけなければ(S268のN)、ステップ270は、スキップされる。
次に別の実施例を説明する。別の実施例は、これまでの説明と比較して、基地局モードに適しているか否かの検出の条件が異なる。ここでは、AC電源との接続を検出したときが、基地局モードに適している場合とする。前述のごとく、基地局モードに設定された無線装置10での処理量は、端末モードに設定された無線装置10での処理量よりも一般的に大きい。そのため、基地局モードに設定された無線装置10では、端末モードに設定された無線装置10よりも、消費電力が大きい。そのため、バッテリ駆動よりもAC電源駆動の方が、基地局モードに適しているといえる。
図16は、本発明の実施例に係る無線装置10のさらに別の構成を示す。図16の無線装置10は、図10の無線装置10と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。無線装置10は、AC電源124に接続されている。
AC電源124は、無線装置10へ電源を供給する。検出部110は、AC電源124との接続、つまりAC電源124によって電源が供給されていることを検出する。当該検出には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。決定部112は、検出部110において接続が検出された場合に、STA処理部52の選択からAP処理部50の選択への切替を決定する。以降の処理はこれまでの説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図17は、無線装置10における設定手順を示すフローチャートである。STA処理部52は、STAモードを実行する(S290)。AC電源124に接続していることを検出部110が検出した場合(S292のY)、AP処理部50があれば(S294のY)、決定部112はSTA処理部52からAP処理部50への切替を決定する。一方、AC電源124に接続していることを検出部110が検出しない場合(S292のN)、およびAP処理部50がなければ(S294のN)、ステップ292へ戻る。通知部114は、APモードに設定された無線装置10へ切替を通知する(S296)。受付部116が許可を受けつければ(S298のY)、切替部118は、STAモードからAPモードへの切替処理を実行する(S300)。一方、受付部116が許可を受けつけなければ(S298のN)、ステップ300は、スキップされる。
本実施例によれば、端末モードから基地局モードへの切替を決定した場合に、基地局装置に設定された他の無線装置からの許可を受けつければ、切替を実行するので、基地局モードあるいは端末モードを適切に設定できる。また、許可を受けつけてから切り替えるので、切替をスムーズに実行できる。また、切替がスムーズに実行されるので、通信システムの安定性を維持できる。複数の他の無線装置へ同報すべきパケット信号の生成を検出したときに、端末モードから基地局モードへの切替を決定するので、パケット信号を効率的に送信できる。また、パケット信号が効率的に送信されるので、基地局モードに適していることを正確に検出できる。
また、新たに通信システムへ接続したときに、端末モードから基地局モードへの切替を決定するので、それまでの処理量が少ない無線装置を基地局モードに決定できる。また、それまでの処理量が少ない無線装置が基地局モードに決定されるので、基地局モードに適していることを正確に検出できる。また、有線ネットワークへの接続を検出したときに、端末モードから基地局モードへの切替を決定するので、通信システム内におけるパケット信号の転送回数を低減できる。また、通信システム内におけるパケット信号の転送回数が低減されるので、基地局モードに適していることを正確に検出できる。また、AC電源への接続を検出したときに、端末モードから基地局モードへの切替を決定するので、バッテリの残量に関係なく基地局モードを実行できる。また、バッテリの残量に関係なく基地局モードが実行されるので、基地局モードに適していることを正確に検出できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
図1(a)−(b)は、本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図2(a)−(b)は、本発明の実施例に係る通信システムの別の構成を示す図である。 本発明の実施例に係る無線装置の構成を示す図である。 図3の無線装置における設定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る通信システムにおける設定手順を示すシーケンス図である。 本発明の実施例に係る通信システムにおける別の設定手順を示すシーケンス図である。 図5または図6における決定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る無線装置の別の構成を示す図である。 図8の無線装置における設定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る無線装置のさらに別の構成を示す図である。 図10の無線装置における設定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る無線装置のさらに別の構成を示す図である。 図12の無線装置における設定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る無線装置のさらに別の構成を示す図である。 図14の無線装置における設定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る無線装置のさらに別の構成を示す図である。 図16の無線装置における設定手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 無線装置、 20 アンテナ、 22 通信実行部、 24 バッテリ、 26 無線部、 28 変復調部、 30 データ処理部、 32 制御部、 34 操作部、 36 IF部、 38 記憶部、 40 検出部、 42 固定モード受付部、 44 切替モード受付部、 46 切替部、 48 維持部、 50 AP処理部、 52 STA処理部、 60 選択部、 62 切替部、 100 通信システム、 110 検出部、 112 決定部、 114 通知部、 116 受付部、 118 切替部、 120 接続部、 122 有線通信部、 124 AC電源。

Claims (5)

  1. 複数の他の無線装置を多重接続する基地局モードと、基地局モードに設定された他の無線装置に接続される端末モードとのいずれかを選択して、通信を実行する通信部と、
    前記通信部における基地局モードと端末モードとに関する動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記通信部を端末モードに設定している場合に、端末モードから基地局モードへの切替を決定する決定部と、
    前記通信部を介して、基地局モードに設定された他の無線装置へ、前記決定部において決定した切替を通知する通知部と、
    前記通知部において切替を通知した後、基地局モードに設定された他の無線装置から切替が許可された場合に、前記通信部を基地局モードへ切り替える切替部とを備えることを特徴とする無線装置。
  2. 複数の他の無線装置へ同報すべき信号の生成を検出する検出部をさらに備え、
    前記決定部は、前記検出部において前記信号の生成が検出された場合に、端末モードから基地局モードへの切替を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記通信部を介して、基地局モードに設定された他の無線装置との間において、接続のための処理を実行する接続部をさらに備え、
    前記決定部は、前記接続部において接続のための処理がなされた場合に、端末モードから基地局モードへの切替を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  4. 有線ネットワークへの接続を検出する検出部と、
    前記決定部は、前記検出部において接続が検出された場合に、端末モードから基地局モードへの切替を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  5. AC電源との接続を検出する検出部と、
    前記決定部は、前記検出部において接続が検出された場合に、端末モードから基地局モードへの切替を決定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
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