JP5135218B2 - 非晶質、超微結晶質、及び微結晶質金属スラブまたは他形状金属の鋳造のための低温・急速凝固・連続鋳造法及び装置 - Google Patents
非晶質、超微結晶質、及び微結晶質金属スラブまたは他形状金属の鋳造のための低温・急速凝固・連続鋳造法及び装置 Download PDFInfo
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Description
1. 冷却源が十分強力でない。一般的に冷却源としての作用媒体は空気あるいは水であり、また作用温度は大気温である。
2. 連続鋳造及び方向凝固を用いる方法の場合、溶融金属の温度を液体から固体へ相変化する部分においてのみ急速に降下させることが可能である。凝固後は低速冷却が用いられる。そのため、金属の温度は凝固後もなお高い。鋳造中に金属寸法が増大する場合、熱伝達に対する熱抵抗が増加するため熱消失が困難となる。
ここで、Lは「低温」を意味し、「L」は「低温」の頭文字である。
Rは急速凝固を意味し、「R」は「急速凝固」の頭文字である。
Cは連続鋳造を意味し、「C」は「連続鋳造」の頭文字である。
ここで、
t1は溶融金属の初期凝固温度℃を表し、
t2は最終冷却温度℃、t2=−190℃を表す。
△τ=△t/Vk s (1)
式中、△t=t1−t2
1) 冷却速度Vkの決定
非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属スラブの製造から冷却速度Vkを決めることに関しては上記参照。
2) 急速凝固と冷却間の時間間隔の算定
前記参照。
△τ=△t/Vk s (1)
断面aと断面c間の熱伝導は1次元安定状態熱伝導であるため、断面aと断面b間の熱伝導は下記式から算出される。
Q1=λcpA(△t/△m) w (2)
式中、
λcpは平均熱伝導率(W/m.℃[付表1])、
Aは熱伝導方向に対して垂直な断面積(m2)、
△tは断面aと断面c間の温度差(△t=t1−t2)、及び
△mは断面aと断面c間の距離(m)を表す。
△Q1=Q1△τ KJ
式(1)の△τを上記式へ置き換えると、
△Q1=Q1(△t/Vk) KJ (3)
が導かれる。
△Q2=A△mρcp(Ccp△t+L) KJ (4)
から算出される。
式中、
Aは熱伝導方向に対して垂直な断面積(m2)
A=B×E
Bは金属スラブの幅(m)
Eは金属スラブの厚さ(m)
△mは時間間隔△τ中に連続鋳造される厚さEの金属の長さ、すなわち断面aと断面c間の距離(m)、
ρcpは金属の平均密度(g/cm3[付表1])、
Ccpは平均比熱(KJ/Kg℃[付表1])、
△tは断面aと断面c間の温度差、△t=t1−t2(℃)
Lは金属潜熱(KJ/Kg)を表す。
非晶質金属については、Vk≧107℃/S, L=0
△Q2=BE△mρcpCcp△t KJ (5)から算出され、
超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属構造については、
△Q2=BE△mρcp(Ccp△t+L) KJ (6)から算出される。
λcpA(△t/△m)△τ=A△mρcp(Ccp△t+L)
△m=√(λ cp△ t △τ/p cp(C cp△ t +L)) mm ( 7 )
非晶質金属の場合、L=0
△m=√(λ cp △τ / ρ cp C cp) mm ( 8 )
△m=√(α cp △ τ)
式中、αcpは金属の平均熱伝導率を表す。
αcp=λcp/ρcpCcp m2/s
超微結晶質、微結晶質、あるいは微粒子金属構造については、△τ=△t/Vkを式(7)へ置き換える。
△m=√(λ cp/ ρcp (Ccp△t+L)Vk)・△t mm (9)
非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属構造については、下記式より連続鋳造速度uを得ることができる。
u=△m/△τ (m/s) (10)
非晶質、超微結晶質、微結晶質、あるいは微粒子金属構造から成るスラブを製造するためには、要求される金属構造に対応する時間間隔△τ内において、噴射された△V量の液体窒素のガス化によって、厚さE及び長さ△mの溶融金属の内部熱エネルギー△Q2のすべてが吸収できなければならない。時間間隔△τ中に噴射された液体窒素量△Vは下記式から算定することができる。
△V=(△Q2/r)V‘ dm3 (11)
式中、
△Vは時間間隔△τ中に噴射された液体窒素量(dm3)、
rは液体窒素の潜熱、すなわち、圧力1.877バール、温度−190℃の条件下で吸収された液体窒素1Kgがガス化するときに発する熱エネルギー(KJ/Kg)、
V‘は液体窒素の比体積、すなわち、圧力1.877バール、温度−190℃の条件下における液体窒素1Kgの体積(dm3/Kg[付表2])、及び
△Q2は、時間間隔△τにおける厚さE、長さ△mの溶融金属中の内部エネルギー(KJ)、すなわち断面aから断面cへ伝導される熱量△Q1を表す。
非晶質金属については、△Q2は式(5)から算定可能である。
超微結晶質、微結晶質、あるいは微粒子金属については、△Q2は式(6)から算定可能である。r及びV‘の値は付表2から見出し得る。r及びV’を用いて式(11)から△Vを算出することができる。△Vが決まれば、噴射された液体窒素量Vを下記式によって算定可能である。
V=(△V/△τ)・60 dm3/分 (12)
式中、Vは噴射された液体窒素量を表す。
金属スラブの上面あるいは底面上の噴射液体窒素層の厚さは下記式により算定可能である。
h=△V/2BK△τ mm (13)
式中、hは噴射液体窒素層の厚さ(mm)、
Kは液体窒素の噴射速度(m/s)、
Bは前記上面及び下面の幅と2つの側面の変換厚(mm)の和を表し、
△Vと△τは前記と同様である。
△Q2及びr等のパラメータが決まったら、Vgは下記式より算定可能である。
Vg=(△Q2/r)V“(60/△τ) dm3/分 (14)
式中、
Vgは、圧力1.877パール、温度−190℃の条件下で噴射された液体窒素の容積Vのガス化によって生ずる窒素ガス容積(dm3/分)、
v“は、圧力1.877パール、温度−190℃の条件下で液体窒素1kGがガス化することによって生ずる窒素ガスの容積(dm3/kG[付表2])、
△Q2及び△τは前記と同様である。
算定されたVgを用いて強力排気装置のスループットを設計することが可能である。
図2に示すように、急速凝固及び冷却工程において、熱量△Q1は金属スラブの中心からその表面へ伝導され、次いでスラブ表面へ噴射された液体窒素のガス化によってその表面から取り去られなければならない。しかしながら、熱量をスラブの中心からその表面へ素早く伝導できるかが問題となる。それが可能であれば、スラブ表面へ液体窒素を噴射することによって熱量を完全に取り去ることが可能である。スラブ中心からその表面への熱伝導速度が制限要因となっていることは明らかである。
△t=QRλ
式中、
Qは等温面を通しての熱伝導量(W)を表し、その数値は断面a−cの熱伝導量に依存する。
△tは等温面間における熱伝導の温度差(℃)を表す。
Rλは等温面における熱伝導に対する熱抵抗(℃/W)を表す。
Q≠0であり、Rλは0でなければならないのでRλ=0である。
液体窒素は無色、透明、かつ流れ易い液体であり、流体としての一般的性質を備えている。液体窒素噴射装置において、その圧力p及び流速Vを一般的方法を用いて制御することが可能である。液体窒素がその境界状態に近づくと、その物理的性質、特に比熱Cp及び熱伝導率λに異常な変化が起こる。しかしながら、急速凝固及び冷却工程においては、噴射液体窒素はその境界部分において作用しない。従って、境界状態においてその物理的性質の異常な変化を考慮する必要はない。液体窒素の標準沸点(tboil)は、圧力p=1.013バール[付表2]において−195.81℃である。
h=△V/2BK△τ mm (13)
式中の符号の意味は前記と同様である。
p:液体窒素の噴射圧、p=1.887バール
t:液体窒素の温度、t=−190℃
Kmax:液体窒素の最大噴射速度、Kmax=30m/s
h:噴射された液体窒素層の厚さ、h=2〜3mmまたは1〜2mm
pb:作業室の室内圧、pb=1バール
tb:作業室の温度、tb=−190℃
図2に示すようにLRC連続鋳造システムによる鋳造が開始されると、噴射された液体窒素は断面cにおいて金属スラブと接触するようになる。鋳造初期段階においては、金属スラブの温度及び噴射された液体温度の温度はいずれも−190℃である。それゆえ、時間間隔△τの開始時点では液体窒素と金属スラブ間には熱交換は起こらない。しかしながら、時間間隔△τにおいて極めて短期間後に熱量の少量△Q1/2が接触部分においてスラブ表面へ伝達される。スラブ表面の温度は直ぐに急速に上昇するため、液体窒素とスラブ表面間に温度差が生ずる。液体窒素はスラブ表面との熱交換を開始し、その熱をガス化を通して取り除くのでスラブ表面の温度は直ぐに−190℃へと降下する。さらに極めて短い時間間隔中に、前記接触部分へ噴射された液体窒素のガス化によって生じた窒素ガスのすべては強力排気装置によって作業室(8)から取り除かれる。前記時間間隔△τのうちの極めて短期間に続く別の極めて短期間において、金属スラブは左方へ極めて短い距離だけ移動する。次いで液体窒素がスラブ表面の新たな部分上へ新たに噴射される。液体窒素とスラブ間の熱交換は上記工程において反復される。時間間隔△τ後、噴射された液体窒素によって最終的に熱量△Q1/2が取り除かれる。金属スラブには上面と底面があることから、噴射された液体窒素によって最終的には熱量△Q1のすべてが取り除かれる。急速凝固及び冷却は予定通り進行し、最終的に非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属構造が生成される。
ここでの目的は幅Bが1mの金属スラブの製造である。
噴射された液体窒素の厚さhは2mmに決められ、一定に保たれる。壁に近接した極めて高い温度勾配と噴射された液体窒素の減圧によって起こる等相ガス化の両作用の下で、厚さhが2mmの噴射液体窒素層のすべてが熱を吸収しガス化することによって非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属スラブを製造することが可能である。厚さhが2mmより厚ければ、要求された金属構造をもつスラブの鋳造ができなくなる可能性がある。hが2mmに一定に保たれれば、液体窒素エゼクタ(5)の噴射ノズルを変える必要がなく、取り付けられたサイズのまま使用可能である。
計算の詳細について以下に示す。
非晶質、超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属構造のいずれが要求されるかによってそれぞれ異なる冷却速度Vkが算定される。
2) 急速凝固及び冷却の時間間隔△τの算定
△τは下記式(1)から求められる。
△τ=△t/Vk (s) (1)
3)時間間隔△τにおける鋳造スラブ長△mの算定
非晶質金属構造に関し、△mは下記式(8)から求められる。
△m=√(λcp△τ/ρcpCcp) mm (8)
超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属構造に関し、△mは下記式(9)から求められる。
△m=√(λcp/ρcp(Ccp△t+L)Vk)・△t mm (9)
4)連続鋳造速度uの算定
uは下記式(10)から求められる。
u=△m/△τ m/s (10)
パラメータVk、△τ、△m、及びuは、金属の熱物理的特性及び非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属構造の相違にのみ依存する。これらパラメータは金属スラブの厚さとは無関係である。金属の種類及び組成と、所望される金属構造が決まれば、パラメータVk、△τ、△m、及びuの数値も決まる。金属スラブの厚さを変えてもこれらパラメータの数値に影響はない。
5)△Vmaxの算定
液体窒素の最大噴射速度Kmaxが30m/sである場合、噴射液体窒素層の厚さhは2mm、また金属スラブの幅Bは1mに一定に保たれ、時間間隔△τ中に液体窒素エゼクタ(5)によって噴射される液体窒素容積が△Vmaxである。この噴射液体窒素量は時間間隔△τにおいて噴射される液体窒素の最大量である。△Vmaxは式(13)から算出可能であり、式(13)の△Vを△Vmaxへ置き換えて式(15)を得、この式(15)から求めることが可能である。
△Vmax=2BKmax・△τ・h dm3 (15)
6)△Q2maxの算定
△Q2maxは完全なガス化が行われる間に液体窒素の最大噴射量△Vmaxによって吸収される熱量である。式(11)の△V及び△Qを△Vmaxと△Q2maxにそれぞれ置き換えて式(16)を得、この式(16)から△Q2maxを算出することが可能である。
△Q2max=△Vmaxr/V‘ KJ (16)
7)非晶質、超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属スラブの最大厚Emaxの算定
Q2maxは完全なガス化が行われる期間における液体窒素の最大噴射容積△Vmaxであると同時に、長さ△mの非晶質、超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属スラブの溶融金属中に含まれる内部熱エネルギーである。従って、最大厚Emaxは下記式から算出可能である。
非晶質金属スラブに関し、式(5)の△Q2及びEを△Q2maxとEmaxにそれぞれ置き換えて式(17)を得、この式(17)からEmaxの数値を算出することが可能である。
Emax=△Q2max/B△mρcpCcp△t mm (17)
超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属スラブに関し、式(6)の△Q2及びEmaxを△Q2maxとEにそれぞれ置き換えて式(18)を得、この式(18)からEmaxを算出することが可能である。
Emax=△Q2max/B△mρcp(Ccp△t+L) mm (18)
8)Vmaxの算定
式(12)のV及び△Vを△Q2maxとEmaxにそれぞれ置き換えて式(19)を得、この式(19)からVmaxの数値を算出することができる。
Vmax=△Vmax/△τ・60 dm3 (19)
式(15)を上記式へ置き換えれば、
Vmax=120BKmaxh dm3/分 (19)‘
となり、この場合B、Emax及びhが一定であればEmaxも一定である。
9)Vgmaxの算定
式(14)のVg及び△Q2をVgmaxと△Q2maxにそれぞれ置き換えて式(20)を得、この式(20)からVgmaxの数値を算出することができる。
Vgmax=(△Q2max/r)V“(60/△τ) dm3/分 (20)
△Q2maxの計算式を上記式へ置き換えれば、
Vgmax=120BKmaxh/V‘・V“ dm3/分 (20)’
V‘及びV“は液体窒素の熱物理的特性のパラメータである。これらのパラメータは温度tに伴って変化する。液体窒素の温度tが−190℃であると、V’及びV”も決まる。B、Kmax及びhが一定であれば、Vmaxも一定である。
前述したようにパラメータVk、△τ、△m、及びuは金属スラブの厚さとは無関係である。これらの数値は最大厚がEmaxである非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属スラブの鋳造における数値と同一である。しかしながら、熱量に依存するパラメータ△V、△Q2、V、Vgは長さ△mのスラブの厚さ、溶融金属量及び内部熱エネルギーと共にEmaxからEへ減少する。これら数値の計算式は下記の通りである。
1) 比例係数Xの算出
X=Emax/E (21)
式中、
Emaxは非晶質、超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属スラブの最大厚(mm)、
Eは非晶質、超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属スラブの厚さ(mm)、及び
Xは比例係数を表す。
2) △Q2、△V、V及びVgの算定
長さ△mの溶融金属中の内部熱エネルギーは金属スラブの厚さに直接比例するため、下記式が成り立つ。
X=△Q2max/△Q2=△Vmax/△V=Vmax/V
=Vgmax/Vg (22)
3) 液体窒素の噴射速度Kの算定
液体窒素層の厚さが2mmに一定に保たれるならば、噴射される液体窒素量がVmaxからVへ減少すると液体窒素の噴射速度はKmaxからKへと降下する。このようなKmaxとKとの関係から式(23)が成り立つ。
X=Kmax/K (23)
上記式は、比例係数式(21)、(22)及び(23)を用いることによって、厚さEの非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属スラブの製造パラメータをEmaxに関するパラメータを用いて算出できることを示している。
これら式に従って、種々金属種及び非晶質、超微結晶質、微結晶質あるいは微粒子金属スラブの厚さに関する製造パラメータが算出可能である。計算結果を試験製造及び設計、さらにLRC法連続鋳造システムの製造に利用して所望のスラブを製造することが可能である。
前記計算式を用いて製造パラメータの決定方法、及びLRC法及びその連続鋳造システムを通して非晶質、超微結晶質、微結晶質及び微粒子金属スラブを鋳造するための製造構成方法を説明するため、幅Bが1mの0.23Cスチールスラブ及び幅Bが1mのアルミニウムスラブをそれぞれ鉄金属及び非鉄金属の例として用いて前記式をどのように適用して製造パラメータ及び製造構成方法を決めるかについて説明する。
0.23Cスチールスラブの重要パラメータ及び熱パラメータは下記の通りである。
B:スチールスラブの幅、B=1m
E:スチールスラブの厚さ、E=Xm
L:潜熱、L=310KJ/Kg
λcp:平均熱伝導率、λcp=36.5×10−3KJ/m・℃s[付表2]
ρcp:平均密度、ρcp=7.86×103Kg/m3[付表1]
Ccp:平均比熱、Ccp=0.822KJ/Kg℃[付表1]
t1:初期凝固温度、t1=1550℃
t2:終了凝固冷却温度、t2=−190℃
液体窒素の熱パラメータは下記表に示す通りである[付表2]。
tは液体窒素の温度(℃)、すなわち、t=−190℃を表し、
pは液体窒素のt=−190℃における圧力(バール)、すなわちp=1.877バールを表し、
V‘は液体窒素1Kgのt=−190℃及びp=1.877バールにおける容積(dm3/Kg)を表し、
V“は窒素ガス1Kgのt=−190℃及びp=1.877バールにおける容積(dm3/Kg)を表し、及び
rはt=−190℃及びp=1.877バールにおける潜熱、すなわち液体窒素1Kgがt=−190℃及びp=1.877バールにおいてガス化される時に吸収される熱量(KJ/Kg)を表す。
1.1) LRC法及び該方法による連続鋳造システムを用いた厚さEmaxの0.23C非晶質スチールスラブの鋳造及び製造パラメータの算定
(1)0. 23C非晶質スラブの凝固冷却工程全体における冷却速度Vkの算定
Vkは107℃/sとする。
(2)△τの算定
Vk、t1、t2に関するデータを式(1)へ置き換えることにより、
△τ=(t1−t2)/Vk=1550−(−190)/107
=1.74×10−4S
(3)△mの算定
非晶質スチールスラブに関し、△mは下記式(8)から求められる。
△m=√((λcp/ρcpCcp)△τ)
=√((36.5×10―3/7.86×103×0.822)×1.74×10−4)
=0.03135mm
(4)uの算出
uは式(10)から算出される。
u=△m/△τ=0.03135/1.74×10−4=10.81m/分
(5)△Vmaxの算定
Vmaxは式(15)から算出される。
Kmax=30m/sとすると、
△Vmax=2BKmax△τh
=2×1×103×30×103×1.74×10−4×2
=0.02088dm3
(6)△Q2maxの算定
△Q2maxは式(16)から算出される。
△Q2max=△Vmaxr/V‘
=0.02088×190.7/1.281=3.1084KJ
(7)Emaxの算出
Emaxは式(17)から算出される。
Emax=△Q2max/B△mρcpCcp△t
=3.1084/100×0.003135×7.8×10−3×0.822×1740=8.9mm
(8)Vmaxの算出
Vmaxは式(19)‘から算出される。
Vmax=120BKmaxh
=120×1×103×30×103×2=7200dm3/分
(9)Vgmaxの算出
Vgmaxは式(20)‘から算出される。
Vgmax=(120BKmaxh/V‘)×V“
=(120×1×103×30×103×2/1.281)×122.3
=687400.5dm3/分
(1)E=5mmとする。E=5mmに対応するパラメータVk、△τ、△m、uの数値はE=8.9mmに対応する上記パラメータ数値と同一である。すなわち、Vk=107℃/s、△τ=1.74×10−4s、△m=0.03135mm、u=10.81m/分である。
(2)Xの算出
Xは式(21)から算出される。
X=Emax/E=8.9/5=1.78
(3)△Vの算出
△Vは式(22)から算出される。
△V=Vmax/V=0.02088/1.78=0.01173dm3
(4)△Q2の算出
△Q2は式(22)から算出される。
△Q2=△Q2max/X=3.1084/1.78=1.746KJ
(5)Vの算出
Vは式(22)から算出される。
V=Vmax/X=7200/1.78=4044.9dm3/分
(6)Vgの算出
Vgは式(22)から算出される。
Vg=Vgmax/X=687400.5/1.78
=386180.1dm3/分
(7)Kの算出
Kは式(23)から算出される。
K=Kmax/X=30/1.78=16.9m/s
0.23C超微結晶質スチールスラブの連続鋳造に関する検討において、最大厚Emaxあるいは他の厚さEをもつスラブ製造のための製造パラメータが種々冷却速度Vkにおいて調べられた。冷却速度としては、2×106℃/s、4×106℃/s、6×106℃/s、及び8×106℃/sをそれぞれ組み合せて用いた。
ここでKmax=30m/s、h=2mm、及びVk=2×106℃/sに一定に維持する。
(1)△τの算出
△τは式(1)から算出される。
△τ=t1−t2/Vk=1550−(−190)/2×106
=8.7×10−4s
(2)△mの算出
超微結晶質スチールスラブに関しては、凝固過程において潜熱が存在し、△mは式(9)から算出される。
△m=√(λcp/ρcp△t+L)Vk)・△t
=√[36.5×10-3/7.86×103(0.822×1740+310)×2×106]×1740=0.0636mm
(3)uの算出
uは式(10)から算出される。
u=△m/△τ=0.0636/8.7×10−4=4.39m/分
(4)△Vmaxの算出
△Vmaxは式(15)から算出される。
△Vmax=2BKmax△τh
=2×1×103×30×103×8.7×10−4×2=0.1044dm3
(5)△Q2maxの算出
△Q2maxは式(16)から算出される。
△Q2max=△Vmaxr/V‘
=0.1044×190.7/1.281=15.55KJ
(6)Emaxの算出
超微結晶質スチールスラブに関し、Emaxは式(18)から算出される。
Emax=△Q2max/B△mρcp(Ccp△t+L)
=15.55/100×0.00636×7.8
×10−3(0.822×1740+310)=18mm
(7)Vmaxの算出
Vmaxは式(19)‘から算出される。
Vmax=120BKmaxh
=120×1×103×30×103×2=7200dm3/分
(8)Vgmaxの算出
Vgmaxは式(20)‘から算出される。
Ngmax=(120BKmaxh/V‘)V“
=(120×1×103×30×103×2/1.281)×122.3
=687400.5dm3/分
(1)E=15mmとする。E=15mmに対応するパラメータVk、△τ、△m及びuの数値は、E=18mmに対応するそれらパラメータ数値と同一である。すなわち、Vk=2×106℃/s、△τ=8.7×10−4s、△m=0.0636mm、u=4.39m/分である。
(2)Xの算出
Xは式(21)から算出される。
X=Emax/E=18/15=1.2
(3)△Vの算出
△Vは式(22)から算出される。
△V=Vmax/X=0.1044/1.2=0.087dm3
(4)△Q2の算出
△Q2は式(22)から算出される。
△Q2=△Q2max/X=15.55/1.2=12.96KJ
(5)Vの算出
Vは式(22)から算出される。
V=Vmax/X=7200/1.2=6000dm3/分
(6)Vgの算出
Vgは式(22)から算出される。
Vg=Vgmax/X=687400.5/1.2
=572833.8dm3/分
(7)Kの算出
Kは式(23)から算出される。
K=Kmax/X=30/1.2=25m/s
微結晶質構造に用いる冷却速度Vkの範囲はVk≧104℃/s〜106℃/sである。凝固及び冷却において冷却速度Vk=106℃/sで連続鋳造されるスチールスラブを微結晶質スチールスラブAと呼ぶ。また、凝固及び冷却において冷却速度Vk=105℃/sで連続鋳造されるスチールスラブを微結晶質スチールスラブBと呼ぶ。最大厚Emaxあるいは他の厚さEをもつ微結晶質スチールスラブA及び微結晶質スチールスラブBを連続鋳造するために用いられるLRC法及び該方法による連続鋳造とステムの製造パラメータを算定する。計算プログラム及び計算式は超微結晶質スチールスラブに関するそれらと同様に適用される。関連製造パラメータは表3、表4、表5、表6、表7及び表8に示された通りである。なお、計算方法は前記と同様である。
微粒子構造に用いる冷却速度Vkの範囲はVk≦104℃/sである。関連製造パラメータは表3、表4、表5、表6、表7及び表8に示された通りである。なお、計算方法は前記と同様である。
E=1mm〜8.9mmの0.23C非晶質スチールスラブの場合、噴射される液体窒素量は809dm3/分〜7200dm3/分の範囲内で調節可能でなければならず、また液体窒素の噴射速度は3.37m/s〜30m/sの範囲内で調節可能でなければならない。
E=1mm〜18mmの0.23C超微結晶質スチールスラブの場合、噴射される液体窒素量は400dm3/分〜7200dm3/分の範囲内で調節可能でなければならず、また液体窒素の噴射速度は1.7m/s〜30m/sの範囲内で調節可能でなければならない。
E=1mm〜25.5mmの0.23C微結晶質スチールスラブAの場合、噴射される液体窒素量は282.4dm3/分〜7200dm3/分の範囲内で調節可能でなければならず、また液体窒素の噴射速度は1.18m/s〜30m/sの範囲内で調節可能でなければならない。
E=1mm〜80.6mmの0.23C微結晶質スチールスラブBの場合、噴射される液体窒素量は89.3dm3/分〜7200dm3/分の範囲内で調節可能でなければならず、また液体窒素の噴射速度は0.37m/s〜30m/sの範囲内で調節可能でなければならない。
E=1mm〜255mmの0.23C微粒子スチールスラブの場合、噴射される液体窒素量は28.2dm3/分〜7200dm3/分の範囲内で調節可能でなければならず、また液体窒素の噴射速度は0.12m/s〜30m/sの範囲内で調節可能でなければならない。
アルミニウムスラブの重要パラメータ及び熱パラメータは下記のとおりである。
B:アルミニウムスラブの幅、B=1m
E:アルミニウムスラブの厚さ、E=Xm
L:潜熱、L=397.67KJ/Kg
λcp:平均熱伝導率、λcp=256.8×10−3KJ/m・℃s[付表1]
ρcp:平均密度、ρcp=2.591×103Kg/m3[付表1]
Ccp:平均比熱、Ccp=1.085KJ/Kg℃[付表1]
t1:初期凝固温度、t1=750℃
t2:凝固冷却終了温度、t2=−190℃
1) LRC法及び該方法による連続鋳造システムを用いた非晶質アルミニウムスラブの鋳造、及び製造パラメータの決定
1.1) LRC法及び該方法による連続鋳造システムを用いた最大厚Emaxの非晶質アルミニウムスラブの鋳造、及び製造パラメータの決定
(1) アルミニウムスラブの凝固冷却工程全体における冷却速度Vkの算定
Vkは107℃/sに設定する。
(2) △τの算出
△τは式(1)から算出される。
△τ=t1−t2/Vk=750−(−190)/107
=9.4×10−5s
(3) △mの算出
△mは式(8)から算出される。
△m=√(λcp/ρcpCcp)・△τ
=√(256.8×10―3/2.591×103×1.085)
×9.4×10−5=0.093mm
(4) uの算出
uは式(10)から算出される。
u=△m/△τ=0.093/9.4×10−5=59.15m/分
(5) △Vmaxの算出
△Vmaxは式(15)から算出される。
Kmax=30m/sに設定する。
△Vmax=2BKmax△τh
=2×1×103×30×103×9.4×10−5×2=0.01128dm3
(6) △Q2maxの算出
△Q2maxは式(16)から算出される。
△Q2max=△Vmaxr/V‘
=0.01128×190.7/1.281=1.679KJ
(7) Emaxの算出
Emaxは式(17)から算出される。
Emax=△Q2max/B△mρcpCcp△t
=1.679/100×0.0093×2.591×10−3
×1.085×940=6.8mm
(8) Vmaxの算出
Vmaxは式(19)‘から算出される。
Vmax=120BKmaxh
=120×1×103×30×103×2=7200dm3/分
(9) Vgmaxの算出
Vgmaxは式(20)‘から算出される。
Vgmax=(120BKmaxh/V‘)V“
=(120×1×103×30×103×2/1.281)×122.3
=687400.5dm3/分
(1)E=5mmとする。E=5mmに対応するVk、△τ、△m及びuの数値は、Emax=6.8mmに対応するそれらパラメータ数値と同一である。すなわち、Vk=107℃/s、△τ=9.4×10−5s、△m=0.093mm、u=59.15m/分である。
(2)Xの算出
Xは式(21)から算出される。
X=Emax/E=6.8/5=1.36
(3)△Vの算出
△Vは式(22)から算出される。
△V=△Vmax/X=0.0128/1.36=0.0083dm3
(4)△Q2の算出
△Q2は式(22)から算出される。
△Q2=△Q2max/X=1.679/1.36=1.24KJ
(5)Vの算出
Vは式(22)から算出される。
V=Vmax/X=7200/1.36=5294.1dm3/分
(6)Vgの算出
Vgは式(22)から算出される。
Vg=Vgmax/X=687400.5/1.36
=505441.5dm3/分
(7)Kの算出
Kは式(23)から算出される。
K=Kmax/X=30/1.36=22.1m/s
△m=√(αcp△τ) (8)
式中、αcpは金属の平均熱拡散係数であり、下記式から求められる。
αcp=λcp/ρcpCcp m2/s
△Q1=λcpA(△t/△m)・△τ
△Q2=BE△mρcpCcp△t
超微結晶質アルミニウムスラブに用いられる冷却速度の組み合わせは、2×106℃/s、4×106℃/s、6×106℃/s及び8×106℃/sの各組み合わせである。
2.1)LRC法及び該方法による連続鋳造システムを用いて冷却速度Vk=2×106℃/sで超微結晶質アルミニウムスラブを鋳造する場合の最大厚Emaxの算定、及び製造パラメータの決定
Kmaxを30m/sとし、高さhを2mmに一定に保持する。
(1) △τの算出
△τは式(1)から算出される。
△τ=(t1−t2)/Vk
=750−(−190)/2×106=4.7×10−4s
(2) △mの算出
超微結晶質アルミニウムの場合、凝固過程において潜熱が放出される。△mは式(9)から算出される。
△m=√(λcp/ρcp(Ccp△t+L)Vk)・△t
=√(256.8×10−3/2.591×103(1.085×940+
397.67)×2×106)×940=0.176mm
(3)uの算出
uは式(10)から算出される。
u=△m/△τ=0.176/4.7×10−4=22.5m/分
(4) △Vmaxの算出
△Vmaxは式(15)から算出される。
△Vmax=2BKmax△τh
=2×1×103×30×103×4.7×10−4×2=0.0564dm3
(5) △Q2maxの算出
△Q2maxは式(16)から算出される。
△Q2max=△Vmaxr/V‘
=0.0564×190.7/1.281=8.4KJ
(6) Emaxの算出
超微結晶質アルミニウムスラブに関し、Emaxは式(18)から算出される。
Emax=△Q2max/B△mρcp(Ccp△t+L)
=8.4/100×0.0176×2.591×10−3×
(1.085×940+397.67)=13mm
(7)Vmaxの算出
Vmaxは式(19)‘から算出される。
Vmax=120BKmaxh
=120×1×103×30×103×2=7200dm3/分
(8) Vgmaxの算出
Vgmaxは式(20)‘から算出される。
Vgmax=(120BKmaxh/V‘)V“
=(120×1×103×30×103×2/1.281)×122.3
=687400.5dm3/分
鉄金属及び非鉄金属の熱物理的特性データは温度によって変動する。製造パメータを算定する場合、工程において熱物理的特性平均値が採用される。しかしながら、金属の熱物理的特性及び温度データに含まれる温度範囲は現状では常態温度だけである。0℃以下での熱物理的特性に関するデータはない。便宜上、低温における熱特製データとして0℃における熱特製データが採用されている。しかしながら、このようにして得られた熱特製平均値は実際の数値よりも高くなる傾向がある。そのため、熱物理的特性平均値を用いて得られた製造パラメータも実際の数値より高くなる。正当な製造パラメータは製造試験を通して決められるべきである。
溶融スチールの比熱値C1をこの温度範囲における比熱平均値とする。
CL=0.84KJ/Kg・℃[8]
1300℃〜750℃における比熱平均値Ccp1を算出する。
Ccp1=(0.686+0.661+0.644+0.644+0.644+
0.954+1.431)/7=0.8031KJ/Kg・℃
1550℃〜750℃における比熱平均値Ccp1を算出する。
Ccp1=(CL+Ccp1)/2
=(0.84+0.8031)/2=0.822KJ/Kg・℃
0.23Cスチールの比熱平均値Ccpを、Ccp=0.822KJ/Kg・℃とする。
Claims (9)
- (1)金属スラブあるいは他形状金属(7)を切断及び移動するようになっている装置が含まれ、かつ真空断熱技術を用いて室温(tb)が−190℃、室内圧(pb)が1バールにほぼ一定に保持されており、さらに−190℃で液体窒素を噴射するようになっているエゼクタ(5)が含まれる囲い部分であって、該囲い部分周囲と液体窒素間に熱交換が起こらない前記囲い部分(8)、
(2)耐火性かつ断熱性材料から成り、金属を溶融状態にするための電気加熱装置を備えた熱鋳造型(4)、
(3)液体窒素を噴射する噴射装置であって、この内部に配置されたエゼクタ(5)と、前記エゼクタ(5)へ連結され、かつ噴射される液体窒素を送りかつ供給するようになっている装置からなる噴射装置、
(4)金属スラブあるいは他形状金属を所定の鋳造速度で引き抜くための牽引装置(6)、
(5)排気システム、及び
(6)溶融金属(3)を送りかつ注ぐようになっている補助装置を含んで構成される連続鋳造システム。 - (1)ほぼ−190℃の一定温度(t)及びほぼ1バールの内圧(P)に保たれる囲い部分(8)を設け、噴射速度を変えられるエゼクタ(5)によって、液体窒素を1.877バールで1〜3mmの一定の厚さを持つ噴射層を形成することによって、所定の時間(△τ)、所定の冷却速度(V k )が達成されるようにし、
(2)前記の所定の時間(△τ)、所定の冷却速度(V k )を持つ液体窒素を、1または2以上のスラブ又は型板を形成するための熱鋳造型(4)の取出口に噴射し、ここで前記取出口の断面及び寸法は製造されるべきスラブ又は型板の断面と同じであり、
(3)前記の熱鋳造型(4)の取出口から、選定された時間内に連続鋳造速度で、細長の薄い金属を牽引装置(6)を用いて引き出す一方、
前記エゼクタ(5)で液体窒素を前記引き出されるスラブまたは他形状金属(7)の断面(c)に対して横切る方向の軌跡で噴射させ、その際の液体窒素の気化によって、噴射された液体窒素は迅速に引き出された細長い金属小断面から内部熱エネルギーを吸収し、当初の固化温度(t1)から−190℃(t2)への冷却を得る、低温での急速固化及び連続鋳造が可能な非晶質、超微結晶質、微結晶質、又は微粒子の金属スラブ、または他形状金属の鋳造方法。 - 前記冷却速度を変えることによって細長い小断面金属の冷却及び固化を適合化し、1または2以上の非晶質、超微結晶質、微結晶質、あるいは微粒子金属構造物を生成することが可能なことを特徴とする請求項2項記載の方法。
- 前記1または2以上の金属スラブあるいは他形状金属が鉄金属あるいは非鉄金属であることを特徴とする請求項2項または3項記載のいずれかに記載の方法。
- (1)急速固化のために用いる冷却速度(Vk)が金属構造に依存して以下に示す式に従って変化し、
非晶質金属構造の場合:VK ≧107℃/S
超微結晶質金属構造の場合:VK=106℃/S〜107℃/S
微結晶質金属構造の場合:VK=104℃/S〜106℃/S
微粒子金属構造の場合:VK ≦104℃/S
(2)急速冷却及び固化に用いられる時間が下記式から算出され、
△τ=△t/VK
ここで△tは金属スラブあるいは他形状金属の断面(a)と断面(c)との間の温度差を表す、
(3)金属スラブあるいは他形状金属の断面(a)と断面(c)との間の時間(△τ)内における長さ(△m)をもつ金属小片への熱伝導量(△Q 1 )が下記式から算出され、
△Q1=λCPA△τ△t/△m
ここでρ CP は金属の平均密度、
Aは熱伝導方向に対して垂直な断面でA=B×E
Bは金属スラブの幅
Eは金属スラブの厚さを表す、
(4)長さ△mの細長い溶融金属小片中に含まれる内部熱エネルギー(△Q2)が下記式から算出され、
非晶質金属の場合:△Q2=BE△mρCPCCP△t
超微結晶質、微結晶質、及び微粒子金属の場合:
△Q2=BE△mρCP(CCP△t+L)
ここでC CP は平均比熱を表す、
(5)前記時間(△τ)内に連続鋳造される金属の長さ(△m)が下記式から算出され、
非晶質金属の場合:△m=√(λCP△τ/ρCPCCP)
超微結晶質、微結晶質、及び微粒子金属の場合:
△m=√{λCP/ρCP(CCP△t+L)}・△t
ここでLは金属潜熱を表す
(6)連続鋳造速度(u)が下記式から算出され、
u=△m/△τ
(7)噴射液体窒素容量(V)及びガス化から生ずる窒素ガスの対応容量(Vg)がそれぞれ下記式から算出され、
V=60・V/△τ=60・△Q2V’/r△τ及び
Vg=60・△Q2V”/r△τ
ここでrは液体、窒素の潜熱
V’は液体窒素の比体積
V”は圧力1.877バール、温度−190℃の条件下で噴射された液体窒素の容積Vのガス化によって生ずる液体ガスの容積を示す、
(8)液体窒素噴射層の厚さと液体窒素噴射速度(K)との関係が下記式で表わされる、
h=△Q2V’/2BKr△τ
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。 - 請求項5項に与えられた式を用いてVK、△τ、△Q1、△Q2、△m及びuを決定する工程、
下記式、
△Vmax=2BKmax△τh
を用いて△Vmaxを決定する工程、
Kmax=30m/s、B=1m、h=2mmとする工程、
hを定数として保つ工程、
下記式、
△Q2max=△Vmaxr/V’
を用いて△Q2maxの数値を決定する工程、
ここで、△Q 2max は完全なガス化が行われる間に液体窒素の最大噴射量△V max によって吸収される熱量を表す、
下記式、
非晶質金属スラブの場合:
Emax=△Q2max/B△mρCPCCP△t
超微結晶質、微結晶質、及び微粒子金属の場合:
Emax=△Q2max/B△mρCP(CCP△t+L)
を用いてEmaxを決定する工程、及び
下記式、
Vmax=120BKmaxhdm3及び
Vgmax=120BKmaxhV”/V’dm3
ここで、hは噴射された液体窒素層の厚さを表す、
をそれぞれを用いてVmax及びVgmaxを決定する工程をさらに含むことを特徴とする、金属スラブあるいは他形状金属(7)の最大厚(Emax)及び他の厚さ(E)を決定するための請求項5項記載の方法。 - 下記式、
x=Emax/E
を用いて比例係数(x)を決定する工程をさらに含み、
他方Emaxに関する△m及びuはEに関するそれらと同一なままであり、
△Q2、△V、V、Vgは下記式、
x=△Q2max/△Q2=△Vmax/△V=Vmax/V=Vgmax/Vg
から決定されることを特徴とする、金属スラブあるいは他形状金属の別の厚さ(E)を決定するための請求項6項記載の方法。 - hが2mmに一定に保たれている時に、下記式、
x=Kmax/K
を用いてKを決定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項7項記載の方法。 - 非晶質スチールスラブの場合にEmax=8.9mm、
超微結晶質スチールスラブの場合にEmax=9mm〜18mm、及び
微結晶質スチールスラブの場合にEmax=25mm〜80mmであることを特徴とする請求項8項記載の方法。
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