JP5134868B2 - オレフィン系樹脂フィルム - Google Patents
オレフィン系樹脂フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5134868B2 JP5134868B2 JP2007158730A JP2007158730A JP5134868B2 JP 5134868 B2 JP5134868 B2 JP 5134868B2 JP 2007158730 A JP2007158730 A JP 2007158730A JP 2007158730 A JP2007158730 A JP 2007158730A JP 5134868 B2 JP5134868 B2 JP 5134868B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- copolymer
- resin
- ethylene
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
ポリ塩化ビニルは、その優れた耐候性、耐薬品性、着色性、加工性等の観点から、ポリ塩化ビニルフィルム(PVCフィルム)など種々の分野で使用されている樹脂である。また、PVCフィルムは可塑剤の添加により柔軟な性質を有していることから、各種の保護フィルムとしても使用されてきている。
例えば、ポリオレフィンは一般的に固いものであり、柔軟性を付与すると耐熱性が劣るものとなり、その一方で、耐熱性を付与すると柔軟性がなくなるという使用しづらい性質を有している。
また、自動車分野でも同じであり、脱塩化ビニル化の一方で、PVCと同様の加工性、並びに耐熱性が、塩化ビニル系以外の熱可塑性フィルムに求められている。
このように、高耐熱性であって、且つ軟質な熱可塑性を有する非塩化ビニルフィルムが求められている。
またポリオレフィンを使用したタイプの樹脂フィルムも提案されており、例えば、高耐熱性樹脂との多層フィルム(特許文献1)や、ポリプロピレン単層フィルム(特許文献2、3)などがあるが、多層フィルムにあっては、層間の密着性に課題を残しており、単層フィルムにあっては、柔軟性が充分ではなく、その軟質性に今だ課題を残している。
さらに、ポリプロピレン(PP)にポリエチレンをブレンドすることで、PPの軟質化を行うことや、特殊プラストマーなどの添加を行う方法も考えられるが、フィルム自体の透明性を失ったり、耐熱性を極端に劣化させたりすることが多い。
したがって、本発明により提供されるオレフィン系樹脂フィルムは、自動車関連や半導体製造工程においての使用が可能となることから、その利用性は多大なものである。
本発明において使用するエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体又はエチレン系共重合体、或いはエチレン単独重合体とエチレン系共重合体の併用物等が挙げられる。
また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)にあっては、メチルメタクリレートの濃度が5〜38%程度のものが好ましく、10〜20%程度のものが更に好ましい。
更に、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)にあっては、メタクリル酸の濃度が4〜15%程度のものが好ましく、9%前後のものが更に好ましい。
含有比率がこの範囲内にあれば、フィルムの剛性、引き裂き強度、加工性が安定する。
環状オレフィン系コポリマーの添加量が25重量部未満であると、得られる樹脂フィルムに耐熱性を付与することが難しく、また添加量が70重量部を超える場合には、樹脂フィルムの柔軟性が満足するものとならず、好ましいものではない。
かかる耐熱性としては、加熱収縮率として、100℃で10分間加熱した時の収縮率が3%以下であり、120℃×10g荷重×10分間での定荷重伸び試験において、伸び率が50%以下である。また柔軟性として、曲げ弾性率が250MPa以下、より好ましくは200MPa以下である。
フィルムの厚さが薄すぎると、フィルム物性が低下して破れやすくなる傾向になり、厚すぎると柔軟性が低下して使用し難いものとなる傾向になる。
特に、加熱製膜したフィルムを、急冷することによりフィルムの透明性がより良好なものとなることが確認された。
下記表1に記載の処方(重量部)により、二軸押出機を使用して製膜して、厚み150μmのフィルムを得た。
実験例21〜28においては、製膜後のフィルムに照射量100KGyの電子照射を行った。
得られたフィルムについて製膜時の製膜性の評価を実施し、またフィルム加熱収縮率、曲げ弾性率、定荷重伸び試験によるフィルムの評価を行い、併せてその結果を表中に示した。
MFR 1.2;融点190℃;曲げ弾性率 240MPa
*2:エチレン系共重合体:三井デュポンポリケミカル社製 エバフテックス
MFR 2;融点 90℃;曲げ弾性率 72MPa
*3:エチレン系共重合体:住友化学社製 アクリフトWD201
MFR 2;融点 100℃;曲げ弾性率 78MPa
*4:エチレン系共重合体:三井デュポンポリケミカル社製 ニュクレル
MFR 3;融点 98℃;曲げ弾性率 155MPa
*5:環状オレフィンコポリマー:ポリプラスチックス社製 TOPAS6013
ガラス転移温度 140℃
*6:環状オレフィンコポリマー:ポリプラスチックス社製 TOPAS8007
ガラス転移温度 80℃
フィルムを15cm×15cmの正方形に切り出し、MD及びTDの各々の方向に10cmの標線を引き、サンプル表面の滑り性を上げるためにニッカリ粉をまぶす。その後100℃に加熱されたオーブン中にサンプルを入れ、10分間加熱し、標線間距離を測定して収縮率を求めた。
○:MD方向及びTD方向共に3%以下である。
×:MD方向及びTD方向共、或いはそのいずれかが3%を超える。
JIS K 7106に準ずる測定を行い、曲げ弾性率を評価した。
◎:200MPa以下。
○:201〜250MPa。
×:250MPaを超える。
厚み150μm×幅15mm×標線間長さ100mmの短冊状サンプルを120℃のオーブン中で10g荷重を加えたときの10分後の伸び率を基準に評価した。
○:伸び率が50%以下である。
×:伸び率が50%を超える。
シリンダー温度を200〜230℃、ダイス温度230℃で押出機にて製膜を行い、そのときの製膜性を評価した。
製膜性は、ダイスから押し出されてきた樹脂組成物の外観(フローマークの発生、厚みムラ)及びネックイン状況(幅の減少)について評価した。評価は以下のとおりである。
○:外観及びネックイン状況とも問題なし。
×:外観がフローマーク発生、厚みムラがあり、及び/又はネックイン状況でダイス幅より大幅に狭くなった。
したがって、本発明により提供されるオレフィン系樹脂フィルムは、自動車関連や半導体製造工程においての使用が可能となることから、その利用性は多大なものである。
Claims (3)
- 曲げ弾性率が200MPa以下であるエチレン系共重合体樹脂からなる樹脂組成物100重量部に対して、ガラス転移温度が100℃以上である環状オレフィンコポリマーを25〜70重量部添加し、100℃×10分間加熱した時の加熱収縮率が3%以下であり、曲げ弾性率が250MPa以下であることを特徴とするオレフィン系樹脂フィルム。
- 環状オレフィンコポリマーが、ノルボルネン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂フィルム。
- オレフィン系樹脂フィルムの厚さが0.05〜0.5mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン系樹脂フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007158730A JP5134868B2 (ja) | 2007-06-15 | 2007-06-15 | オレフィン系樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007158730A JP5134868B2 (ja) | 2007-06-15 | 2007-06-15 | オレフィン系樹脂フィルム |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008308609A JP2008308609A (ja) | 2008-12-25 |
JP2008308609A5 JP2008308609A5 (ja) | 2010-07-29 |
JP5134868B2 true JP5134868B2 (ja) | 2013-01-30 |
Family
ID=40236496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007158730A Active JP5134868B2 (ja) | 2007-06-15 | 2007-06-15 | オレフィン系樹脂フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5134868B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5155500B2 (ja) * | 2011-04-21 | 2013-03-06 | 株式会社ダイセル | 環状オレフィン系樹脂の架橋体及びその製造方法 |
WO2019040574A1 (en) * | 2017-08-23 | 2019-02-28 | Dow Global Technologies Llc | COMPOSITIONS CONTAINING ETHYLENE POLYMER AND CYCLOOLEFIN INTERPOLYMER, AND FILMS FORMED THEREFROM |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06316653A (ja) * | 1993-03-12 | 1994-11-15 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
US6743523B1 (en) * | 2000-03-16 | 2004-06-01 | Baxter International Inc. | Multiple layer film of a new non-PVC material |
US6696524B2 (en) * | 2001-02-20 | 2004-02-24 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Low Tg ethylene-based polymer, cycloolefin polymer blends |
US6670423B2 (en) * | 2001-02-20 | 2003-12-30 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Polar ethylene-based polymer, cycloolefin polymer blends |
-
2007
- 2007-06-15 JP JP2007158730A patent/JP5134868B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008308609A (ja) | 2008-12-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4786657B2 (ja) | 4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む積層体およびこれからなる離型フィルム | |
US8257824B2 (en) | Fluoropolymer containing laminates | |
JP2015501238A (ja) | 制御された剥離可能なシールフィルムのためのフィルム組成物 | |
JP2013087152A (ja) | 樹脂組成物及び積層体ならびに電池用容器 | |
WO2021149328A1 (ja) | ダイシングテープ用基材フィルム | |
TWI569968B (zh) | A foamed laminate for electrical or electronic equipment | |
JP5134868B2 (ja) | オレフィン系樹脂フィルム | |
JP6928730B2 (ja) | ダイシングテープ用基材フィルム | |
JP2014065809A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、成形物品およびノンハロゲン難燃性絶縁電線 | |
JP2006181831A (ja) | 二軸延伸エチレン重合体多層フィルム | |
JP2005307059A (ja) | ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルム | |
EP0848048A2 (en) | Pressure-sensitive adhesive tape | |
JP4485636B2 (ja) | 電線用被覆材料及び該被覆材料を用いた電線 | |
JP2004168860A (ja) | 組成物、該組成物からなる床材用シート、および床材 | |
JP5047994B2 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
JP6842840B2 (ja) | ストレッチフード包装用フィルム | |
JP5718565B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4729285B2 (ja) | エチレン系樹脂被覆金属線及びその製造方法 | |
JP2020530037A (ja) | 積層体に使用するためのポリマーブレンド、積層体、および物品 | |
JPWO2006068275A1 (ja) | オレフィン系重合体延伸フィルム | |
JP4813397B2 (ja) | 導電性シート及び電子部品包装用成形品 | |
KR20240032706A (ko) | 열융착성 적층 필름 | |
JP2006175696A (ja) | 複合フィルム及び粘着テープ | |
CN117203055A (zh) | 热熔接性层叠薄膜 | |
JPH073437A (ja) | 金属蒸着用フィルムおよび積層フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100610 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100610 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120119 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121017 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121112 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5134868 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |