JP5134772B2 - 間葉系幹細胞の遊離または増殖、および創傷治癒または創傷治癒促進のためのサブスタンスpの使用 - Google Patents

間葉系幹細胞の遊離または増殖、および創傷治癒または創傷治癒促進のためのサブスタンスpの使用 Download PDF

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Description

本発明は、骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC:mesenchymal stem cells)を遊離または増殖させるか、これら遊離または増殖を促進する薬剤を製造するためのサブスタンスP(Substance P)の使用、および創傷治癒または創傷治癒促進のための薬剤を製造するため
のサブスタンスPの使用に関するものである。
サブスタンスPは、肉芽組織の他に感覚ニューロン、マクロファージ、好酸球、内皮細胞、および上皮細胞や角膜実質細胞のような角膜細胞で発現するものであり、11個のアミノ酸からなるニューロペプチドである。このサブスタンスPが、造血調節における神経−免疫コミュニケーションに関与していることが、幾つか報告されている。サブスタンスP神経繊維が骨髄支質に分布しており、サブスタンスPは骨髄支質細胞の表面受容体であるNK−1を介し信号を伝達して骨髄支質細胞を刺激することによって、骨髄支質細胞が供給者として造血促進に有効な幹細胞因子とインターロイキン−1を生産するようにする。しかし、従来、MSCの遊離と骨髄支質におけるMSCの再増殖(repopulation)に対するサブスタンスPの役割は報告されていない。
創傷自体は、隣接細胞、血液由来細胞および感覚ニューロンから分泌される成長因子、サイトカイン、神経ホルモンおよび細胞外基質からなる独特かつ特異な微小環境(microenvironment)を創出する。かかる創傷微小環境の因子のいくつかは、十分に長い期間持続して末梢血液に広がった後、骨髄の幹細胞に影響を及ぼし、骨髄細胞の末梢血液への遊離、骨髄細胞の創傷部位への供給、および骨髄細胞の創傷治癒への関与を誘発する。
骨髄幹細胞と培養された間葉系幹細胞(以下、「MSC」という場合がある)を用いた最近の細胞移植実験の結果、これらが肺、胃腸管および梗塞された心筋の組織修復に関与することが示された。しかし、創傷のない正常的な生理状態において、MSCは脂肪組織や翼状片(pterygium)のような骨髄以外の組織では検出されるが、末梢血液ではほとん
ど検出されなかった。従って、組織修復や病理学的進展中に、骨髄から他の末梢組織へMSCを移動させるシステムが存在する可能性があると考えられる。
角膜は透明、無血管および大量の神経支配組織からなり、角膜損傷や疾患時にその本来の状態が破壊され得る。角膜が損傷すると、輪部幹細胞により提供される可能性が高い角膜上皮細胞の側面移動、炎症性細胞の浸潤、および創傷基質での血管新生が刺激されるが、それらの全てはユニークな角膜創傷微小環境により刺激されている可能性がある。従来の報告によると、角膜脱神経が創傷治癒過程の実質的な遅延を誘発し、非糖尿患者より糖尿患者において低い水準のサブスタンスPが、再上皮化と治癒の遅延の原因であることが提案された。角膜表面は三叉神経節ニューロンにより非常に多くの神経を有し、内因性サブスタンスPが角膜上皮細胞と角膜実質細胞で発現するので、サブスタンスPの創傷微小環境での関与と角膜修復での関与が予想される。
本発明者らは、角膜にアルカリ損傷を負わせたマウスにおいて、サブスタンスPが、眼球と末梢血液での発現水準が増加する最初のニューロペプチドであることを見出した。また、角膜に熱傷を負わせないマウスにサブスタンスPを静脈注射した場合にも、多くのCD29+間葉系幹細胞が末梢血液に移動した。さらに、インビトロの3−Dコラーゲンゲ
ルでサブスタンスPが基質分解酵素を誘導し、これらの阻害剤を阻害してヒト間葉系幹細胞の移動を促進していることを明らかにした。その上、サブスタンスPが間葉系幹細胞の増殖、β−カテニンの核への移動、およびこれらの標的遺伝子であるVEGFとフィブロネクチンの発現を促進することを確認し、サブスタンスPが間葉系幹細胞の移動後において骨髄での間葉系幹細胞の再増殖に関与することを明らかにした。さらに、本発明者らはアルカリ損傷ウサギの耳静脈に注入したDi 1標識間葉系幹細胞が成功裏に創傷層へ提
供され、角膜透明度と視力回復を改善して角膜創傷治癒を促進するという事実を明らかにした。また、サブスタンスPをアルカリ損傷ウサギに静脈注射することによって、創傷治癒回復が実際に促進されることを明らかにした。
そこで、本発明の第1の目的は、骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)を遊離または増殖
するか、上記遊離または増殖を促進する薬剤を製造するためのサブスタンスPの使用を提供することにある。
本発明の第2の目的は、創傷治癒または創傷治癒促進のための薬剤を製造するためのサブスタンスPの使用を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記有効成分としてサブスタンスPを含有するものであり、骨髄由来の間葉系幹細胞を遊離または増殖するか、かかる遊離または増殖を促進させる薬剤を提供することにある。
本発明の第4の目的は、有効成分としてサブスタンスPを含有する創傷治癒または創傷治癒促進剤を提供することにある。
本発明の第5の目的は、サブスタンスP処理により遊離または増殖した骨髄由来の間葉系幹細胞を有効成分として含有する創傷治癒または創傷治癒促進剤を提供することにある。
本発明の第6の目的は、サブスタンスP処理して骨髄から間葉系幹細胞を遊離させるステップを含む間葉系幹細胞の分離方法を提供することにある。
本発明の第7の目的は、サブスタンスPの存在下に間葉系幹細胞を増殖させるステップを含む間葉系幹細胞の増殖方法を提供することにある。
本発明の第8の目的は、治療有効量のサブスタンスPを投与することを含む創傷治癒または創傷治癒促進方法を提供することにある。
本発明の第9の目的は、サブスタンスP処理により骨髄から遊離または増殖治療有効量の間葉系幹細胞を投与することを含む創傷治癒または創傷治癒促進方法を提供することにある。
第一に、本発明は骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)を遊離または増殖させるか、或いは当該遊離または増殖を促進する薬剤を製造するためのサブスタンスPの使用に関するものである。本発明の具体例として、当該薬剤は間葉系幹細胞を含むことができる。他の具体例として、当該薬剤は細胞治療剤であってもよい。
第二に、本発明は、角膜や皮膚の創傷治癒または創傷治癒促進のための薬剤を製造するためのサブスタンスPの使用に関するものである。本発明の具体例として、当該薬剤は間葉系幹細胞を含むことができる。他の具体例として、当該薬剤は、例えば角膜または皮膚
細胞に対する細胞治療剤であってもよい。
第三に、本発明は有効成分としてサブスタンスPを含有するものであり、骨髄由来の間葉系幹細胞を遊離または増殖するか、当該遊離または増殖を促進させる薬剤に関するものである。
第四に、本発明は有効成分としてサブスタンスPを含有するものであり、例えば角膜または皮膚における創傷の創傷治癒または創傷治癒促進剤に関するものである。なお、本発明において「創傷治癒または創傷治癒促進剤」とは、創傷治癒効果と創傷治癒促進効果を有する薬剤をいい、単に「創傷治癒剤」といい変えてもよいものとする。
第五に、本発明は有効成分として間葉系幹細胞を含有するものであり、当該間葉系幹細胞がサブスタンスP処理により骨髄から遊離または増殖されたものである創傷治癒または創傷治癒促進剤に関するものである。
第六に、本発明はサブスタンスP処理により骨髄から間葉系幹細胞を遊離させるステップを含む間葉系幹細胞の分離方法に関するものである。
第七に、サブスタンスPの存在下に間葉系幹細胞を増殖させるステップを含む間葉系幹細胞の増殖方法に関するものである。
第八に、本発明は治療有効量のサブスタンスPを投与することを含む創傷治癒または創傷治癒促進方法に関するものである。なお、本発明において「創傷治癒または創傷治癒促進方法」とは、創傷治癒するためと創傷治癒を促進するための方法をいい、単に「創傷治癒方法」といい変えてもよいものとする。
第九に、本発明は治療有効量の間葉系幹細胞を投与することを含み、当該間葉系幹細胞はサブスタンスP処理により骨髄から遊離または増殖させたものである創傷治癒または創傷治癒促進方法に関するものである。
本発明によって、角膜損傷モデルにおいて、サブスタンスPは角膜のアルカリ損傷の初期に分泌され、血液を通じて骨髄に移動し、骨髄に存在する間葉系幹細胞を刺激し、骨髄で再増殖するように誘導することが明らかにされた。従って、サブスタンスPは、間葉系幹細胞の遊離または増殖、或いは遊離または増殖促進剤、創傷治癒または創傷治癒促進剤、或いは細胞治療剤として使用できる。
また、間葉系幹細胞は創傷治癒に直接関与することが明らかにされた。従って、間葉系幹細胞は、創傷治癒または創傷治癒促進剤、或いは細胞治療剤として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、角膜が透明性と無血管性を示すことから、創傷治癒過程中に幹細胞の全身的な関与を調べるに当たり別の創傷モデルに比べて長所のあるアルカリ損傷角膜動物モデルを用いた。
本発明者らは、角膜にアルカリ損傷を負わせたウサギの角膜と末梢血液でc−kit+細胞が出現していることを確認した後、RT−PCR分析とELISAを利用して、角膜アルカリ損傷を負わせたマウスの創傷微小環境と末梢血液におけるサイトカインと他の因
子の発現プロファイルを調べた。その結果、サブスタンスPが、角膜にアルカリ損傷を負わせた後のマウスにおいて、眼球と末梢血液で発現水準が増加する最初のニューロペプチドであることを確認した。この際、サブスタンスPは角膜で先ず増加した後、次いで末梢血液で増加する。このことは、サブスタンスPが炎症性細胞やマクロファージ細胞の全身的浸潤によるものではなく、感覚ニューロン、上皮細胞、角膜実質細胞および内皮細胞のような角膜に常駐する細胞によって分泌されていることを示す。血液におけるサブスタンスP濃度の増加は、サブスタンスPの全身拡散によるものと考えられる。また、好中球でのサブスタンスP免疫反応性の欠乏、炎症期(創傷後5日まで)より早い段階でのサブスタンスPの誘導と終結、および創傷治癒後期(創傷後7−10日)での上皮細胞と線維芽細胞性細胞における微弱なサブスタンスP染色は、サブスタンスPが感覚ニューロンの損傷刺激により供給されるという仮説を裏付ける。
続いて、創傷微小環境で発現される他の因子とは別に、サブスタンスPの全身的影響を決定するために、サブスタンスPを創傷のないマウスに静脈注射し、CD29+MSCの末梢血液への移動を調べた。その結果、サブスタンスPを静脈注射した場合、注射しないマウスに比べて約15倍多いCD29+MSCが末梢血液に移動していることを確認した。この時、創傷のないマウスではMSCが移動すべき創傷部位が存在しないことから、MSCが血液に移動したものと考えられる。
また、骨髄内表面からのMSC移動におけるサブスタンスPの作用機序を決定するために、インビトロの細胞遊走アッセイを使用して、MSCの遊離、基質分解酵素のダイナミクス、細胞増殖およびβ−カテニンの局在に関するサブスタンスPの効果を調べた。その結果、インビトロの3−DコラーゲンゲルでサブスタンスPが基質分解酵素を誘導し、これらの阻害剤を阻害して、ヒトMSCの遊離を促進することを明らかにした。このことは、MSC遊離におけるサブスタンスPの役割をさらに裏付ける。また、発明者らは、サブスタンスPが細胞増殖とβ−カテニンの核への移動を促進することによって、MSCの遊離後、MSCの骨髄再増殖を促進することを確認した。
さらに本発明者らは、静脈注射されたMSCが損傷された組織に達して角膜修復に関与するか否かを、角膜透明度および視力回復スコアに基づいて調べた。その結果、アルカリ損傷を負わせたウサギの耳静脈に注入されたDi 1標識MSCが創傷層へ成功裏に供給
され、角膜透明度と視力回復を改善することによって、角膜創傷治癒を促進することを確認した。
最後に、本発明者らは、サブスタンスPの静脈投与が損傷された角膜の修復を直接促進するのか否かを、顕微鏡検査、H&E染色および免疫組織化学的染色に基づいて調べた。その結果、アルカリ損傷を負わせた後、サブスタンスPを静脈投与した群で角膜創傷治癒が対照群(サブスタンスP非投与群)よりも速かに行われていることを確認した。
結論として、角膜アルカリ損傷時、サブスタンスPが損傷角膜と血液で先ず上昇し、MSCの末梢血液への遊離を促進し、さらに角膜創傷治癒と骨髄でのMSC再増殖を促進していることが見出された。従って、サブスタンスPが、MSCの骨髄から創傷部位への移動と供給に関与する創傷信号伝達の開始剤として役割を果たすものと結論付けた。また、MSCは創傷部位に移動し、創傷治癒に関与することが明らかにされた。
上記結果を考慮すれば、MSCは創傷治癒または創傷治癒促進剤、或いは細胞治療剤として使用できる。また、サブスタンスPは創傷治癒または創傷治癒促進剤、或いは細胞治療剤、MSCの遊離剤や増殖剤、または当該遊離や増殖の促進剤、または細胞治療剤として使用できる。
本発明において、サブスタンスPの有効投与量は0.1〜100μg/kgとすることができ、MSCの有効投与量は3×104〜3×107細胞/kg、特に1×105〜1×
107細胞/kgとすることができる。しかし、これらの投与量は患者の体重、年齢、性
別、創傷の程度に応じて適宜増減することができる。
本発明に係る薬剤は非経口または局所投与により人体に適用できるが、静脈注射、皮下注射、内皮注射、筋肉注射などの注射、特に静脈注射により投与することが好ましい。かかる目的のために、有効成分を通常の方法に従って薬剤学的に許容しうる担体に懸濁させるか溶解することができるが、好適には水溶性担体を使用する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳述するが、これらによって本発明の範囲が何ら制限されるものではない。
実施例1:角膜のアルカリ損傷後における末梢血液内c−kit陽性幹細胞の増加、およびそれらの創傷層への供給の確認
体重2〜3kgのニュージーランドホワイトラビットを、Samtako BioKoreaから購入した。全ての動物実験は、原子力医学院と中央大学校倫理委員会の承認を得て、眼科および視力研究における動物使用のためのARVO陳述書に従って行なった。アルカリ損傷させるために、1N NaOHを染み込ませた6mmピースワットマン過紙とウサギの目を30秒間接触させた。アルカリ損傷から1、3、5、7、10および14日後に、眼球と全血を摘出した。末梢血液の塗抹標本と角膜の断片を抗c−kit抗体(Santa Cruz Biotechnology;Cat # sc-1493,1:100)で染色し、その結果を図1に表した。
無傷の角膜には血管がないので、角膜の深刻な損傷を修復するためには、血管を通じた炎症性細胞と他の幹細胞の供給が必要であると考えられる。図1に示されるように、ラビット角膜をアルカリ損傷させたとき、末梢血液におけるc−kit陽性細胞の数が正常対照群に比べて増加した。このことは、アルカリ損傷後から5日目の角膜創傷層からも探知された。この結果から、骨髄由来幹細胞が角膜修復に積極的に関与していることを確認することができた。
実施例2:角膜アルカリ損傷により誘導された創傷信号伝達開始剤としてのサブスタンスPの役割の確認
体重30〜40gのBalb/cマウスをJackson Lab(West Grove,PA)から購入した。アルカリ損傷させるために、1N NaOHを染み込ませた3mmピースのワットマン濾紙とマウスの目を10秒間接触させた。アルカリ損傷から1、3、5、7、10および14日後に、眼球と全血を摘出した。
組織が損傷するとユニークな微小環境が形成され、損傷組織を修復するために、炎症のような全身的反応と骨髄からの幹細胞移動を誘発する。RT−PCRを使用して、アルカリ損傷した角膜の創傷微小環境において、これらの機能を有する因子の候補を分析した。具体的には、トリゾール(Invitrogen)によりアルカリ損傷を負った眼球からRNAを分離した。合計で1μgのRNAを、逆転写−ポリメラーゼキット(Takara)を利用して逆転写(RT)した後、下記マウス遺伝子−特異的プライマーを利用してPCRを遂行した。
VEGF(予想サイズ:407)、(センス)5’GTACCTCCACCATGCCAAGT3’、(アンチセンス)5’AATGCTTTCTCCGCTCTGAA3’、
TNF−α(予想サイズ:438)、(センス)5’GAACTGGCAGAAGAG
GCACT3’、(アンチセンス)5’GTGGGTGAGGAGCACGTAGT3’、
IL−1(予想サイズ:432)、(センス)5’GCTGCTTCCAAACCTTTGAC3’、(アンチセンス)5’AGGCCACAGGTATTTTGTCG3’、
サブスタンスP(予想サイズ:309)、(センス)5’TCGATGCCAACGATGATCTA3’、(アンチセンス)5’AGTTCTGCATTGCGCTTCTT3’
結果を図2aに示す。図2aの通り、角膜創傷後、眼球でサブスタンスP、IL−1、TNF−αおよびVEGFが誘導されることが明らかになった。
さらに、これらの因子の全身的プロファイルをモニターし、骨髄からの幹細胞移動におけるこれら因子の役割を評価するために、末梢血液につきELISA(R&D system)を行なった。その結果を図2bに示す。図2bの通り、無創傷状態と比較して、血清中のサブスタンスPの濃度は、1日に約3.2倍、3日に4.4倍、5日に1.3倍増加した。しかし、前炎症性サイトカインリンTNF-αとIL−1誘導は、アルカリ損傷後5日と3
日目にそれぞれ検出され、VEGFはさらに遅い7日目から誘導された。
組織学的試験のために、角膜創傷層をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色し、サブスタンスP抗体(Santa Cruz Biotechnology:Cat # sc-9758,1:200)で免疫組織化学染色した。即ち、マウス眼球を4%パラホルムアルデヒドで48時間固定した。パラフィン包埋標本を4μm断片に縦方向に切断し、ポリDリジン−コーディングされたスライドに移した。次いで、組織学的試験のためにH&E染色を行なった。サブスタンスPの免疫組織化学的染色のために、0.5%H22で5分間インキュベートすることにより内因性ペルオキシダーゼ活性をブロックした。その後、組織を0.3%トリトンX−100で5分間透過化し、一次抗体と共に培養した後、残りの過程を製造者(ABC kit,Vector)の説明書に従って行ない、細胞をファーストレッドで対比染色した。
その結果を図2cに示す。H&E染色の結果、炎症性好中球は5日間保持され、遊走性上皮細胞が5日目に観察されており、線維芽細胞浸潤が7日目に明確に現れ、大部分のマクロファージ細胞は14日目に消失した。免疫反応性サブスタンスPは、1日後に創傷層で最も強く検出され、3日までに弱まった。サブスタンスPは5日目に線維芽細胞性細胞と遊走性上皮細胞でわずかに検出されたが、炎症性細胞では検出されておらず、初期炎症性細胞はサブスタンスPを分泌しないであろうことが示唆された。従って、角膜創傷自体が角膜に常駐する細胞により提供されるサブスタンスP豊富な微小環境を形成し、その後、血清でサブスタンスPの増加を誘発することが明らかにされた。
骨髄由来MSCが創傷部位に供給されるか否かを調べるために、MSCマーカー、抗CD−29(Santa Cruz Biotechnology;Cat # sc-6622,1:200)、抗c−kit(Santa Cruz Biotechnology;Cat # sc-1493,1:100)および抗α−SMアクチン抗体(Progen,Cat # 61001,1:200)を利用して、免疫組織化学染色を行なった。その結果を図2dに示す。図2dから明らかなように、CD−29、c−kitおよびα−SM−アクチン発現線維芽細胞性細胞は、5日までの初期炎症期では検出されなかった。これらは繊維増殖期に該当する7日から10日に創傷層で検出され、再形成期に該当する14日以後には大部分が消失した。この結果は、創傷治癒初期には線維芽細胞性細胞は存在せず、7日目に線維芽細胞性細胞が初めて現れたこととも一致する。但し、少数の線維芽細胞性細胞が正常な角膜基質に存在し(図2c)、この常駐線維芽細胞は7日前の炎症期には存在しないので、7日目の創傷層にあるCD−29、α−SM−アクチンおよびc−kit陽性細胞は血液から流入されたものと判断された。
実施例3:サブスタンスPの静脈注射による骨髄から末梢血液へのMSCの移動確認
幹細胞の血流への移動をサブスタンスPが担うのか、或いは創傷微小環境中の他の未確認因子が関与するかを決定するために、サブスタンスPにつき実験した。
創傷微小環境で他の因子の影響を区別するために、サブスタンスP(0.1nmol/体重g)(Calbiochem)を、角膜にアルカリ損傷を付していないBalb−cマウスの尾静脈に静脈注射し、1日後に全血を採取した。パーコール勾配遠心分離により赤血球を除去した後、リンパ球を除去するために吸着細胞を48時間培養した。次いで、リンパ球からMSCを区別するために、マクロファージ細胞では発現しない抗CD−29(β1インテグリン)抗体で免疫染色した。
その結果を図3aと図3bに示す。1日内に、サブスタンスPの静脈注射によって、CD−29陽性MSCの末梢血液への移動は、非注射マウスに比して約15倍促進した(図3b)。このことは、サブスタンスPが創傷治癒過程の初期に発現し、MSCを骨髄から全身血に移動させ、MSCを角膜創傷部位に供給して角膜修復を促進するという新たに見出された役割を果たしていることを示す。
実施例4:サブスタンスPによるMMP活性向上作用の確認
骨髓内の表面に強く付着しているMSCを移動させるサブスタンスPの作用機序を決定するために、先ず、サブスタンスPが3−Dコラーゲンゲル上で培養されたヒトMSCの移動を促進するかを調べた。即ち、12mmミリセルメンブラン(ミリポア:12μm孔サイズ)内にタイプIコラーゲンゲルマトリックスを製造者(Nitta gelatin,日本)の
説明書に従って調製し、タイプIVコラーゲン(Nitta)で一晩コーティングした。MS
C(Cambrex Bio Science)をコラーゲンゲル上にプレートし、外側のチャンバーをサブ
スタンスP含有MSCGM(Cambrex Bio Science)で充填した。コラーゲンゲルの除去
を、位相差顕微鏡(Olympus)を利用してモニターした。72時間後に、ミリセル挿入物
と外側の皿を固定し、ヘマトキシリンで染色した後、培養上清をゼラチンゲル内活性酵素測定法(gelatin zymography)のために貯蔵した。その結果を図4aに示す。図4aの通り、下部皿に適用されたサブスタンスPは、容量依存的にコラーゲンゲルの分解とMSC移動を促進した。
培養上清について、ゼラチンゲル内活性酵素測定法(gelatin zymography)を行なった。具体的には、培養上清にメルカプトエタノールを含まない標本緩衝溶液を加え、8%SDS−PAGEで電気泳動した。SDSを除去するために、ゲルを2.5%トリトンX−100で復元した後、展開緩衝液(50mMトリス−HCl、pH7.2 100mM NaCl、20mM CaCl2)と共に37℃で一晩培養し、ゲルをクマシーブルーで
染色した。その結果を図4bに示す。図4bの通り、MSCの移動中、MMP−9とMMP−2活性が強力に誘導された。
MMP(matrix metalloproteinase)の生合成とその阻害剤に対するサブスタンスPの影響を、35S−メチオニンで標識されたMSCの培養培地と細胞溶解物の免疫沈澱により調べた。即ち、MSCをサブスタンスPで処理し、50μCi/mLの35S−メチオニン(Amersham)で16時間標識した。細胞溶解物を溶解緩衝液(1% NP40、10mMトリス−HCl、pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、2mM PMSF)により調製した。分泌されたMMP−1、MMP−2、MMP−9、TIMP−1およびTIMP−2の免疫沈澱のために、培養上清を一定に回転させながら、それらに特異的な抗体(抗MMP−1(Chemicon;Cat # MAB3307,1:100)、抗MMP−2(Chemicon;Cat # MAB13405,1:200)、抗MMP−9(Calbiochem;Cat # 444236,1:100)、抗
TIMP−1(Calbiochem;Cat # IM32L,1:250)および抗TIMP−2(Calbiochem;Cat # IM11L,1:250))で2時間培養し、抗体をタンパク質−Gセファロース−4B(Biorad)により収集した。ペレットを免疫沈澱緩衝液(150mM NaOH、50mMトリ
ス−HCl、pH7.4、0.2%SDSおよび0.5%Naデオキシコールレート)で3回、高塩緩衝液(10mMトリス−HCl、pH7.4、0.5M NaCl)で1回、低塩緩衝液(10m Mトリス−HCl、pH7.4)で1回洗浄した。SDS−PAGE後、ゲルを2Mサリチル酸ナトリウムに浸漬し、乾燥した後、X線フィルムに2週間(昼間)露光した。MMP−9の免疫沈澱のために、細胞溶解物をMMP−9抗体と共に培養し、残りの過程は上記同様に行なった。その結果を図4cに示す。
MMP−1、MMP−2およびMMP−9の生合成が、サブスタンスPによって容量依存的に促進された。その反面、それらの阻害剤であるTIMP−1とTIMP−2の生合成は、サブスタンスPによって抑制された。
結果として、サブスタンスPは、3−Dコラーゲンゲル中でのヒトMSCの移動、MMPの誘導およびこれらの阻害剤であるTIMPの抑制を促進した。
実施例5:サブスタンスPによるMSC再増殖の促進の確認
サブスタンスPが骨髄からMSCを移動させる能力しか有していないのであれば、移動後、骨髄支質でMSCプールが空になる可能性がある。サブスタンスPの効果を、その細胞増殖能と自己再生能の側面について再び調べた。
サブスタンスP処理から3日目、トリファンブルー(triphan blue)で染色された生存細胞を計数した。その結果を図5aに示す。サブスタンスPは、対照群に比べて生存細胞数をそれぞれ1nMで1.7倍、10nMで2.1倍、100nMで2.2倍増加させた。
サブスタンスPがヒトMSCの自己再生能力に影響を及ぼすかを決定するために、wnt信号伝達経路の下流作用因子であるβ−カテニンにつき実験した。即ち、MSC(Cambrex Bio Science)を1×104/ウェルの密度で接種し、MSCGM(Cambrex Bio Science)と共に培養した。細胞の付着後に各濃度のサブスタンスPで処理し、16時間およ
び48時間、37℃で培養した。MSCを4%パラホルムアルデヒドで固定し、0.3%トリトンX−100で透過化した。リン酸緩衝溶液に希釈した20%正常塩素血清で1時間、非特異的抗原を遮断した後、カバーガラスをβ−カテニンに対する抗体(BD Biosciences;Cat # 610153,1:100)とFITC−コンジュゲート二次抗体(Vector)で90分
間培養した。次いで、細胞をDAPIで対比染色し、共焦点顕微鏡(Leica)を利用して
観察した。その結果を図5bに示す。
サブスタンスP処理から16時間後、β−カテニンが主にヒトMSCの細胞質で観察されたが、100nMで処理すると極少数のMSCでβ−カテニンの核局在が観察された。しかし、サブスタンスP処理から48時間後、β−カテニンの核への移動がさらに優勢となり、特に100nMサブスタンスPでは、全てのMSCがβ−カテニンの核移動を示した。
Tcf/β−カテニンの下流遺伝子であるフィブロネクチンとVEGFについて、ELISAとウェスタンブロット分析を行なった。それら結果を図5cと5dにそれぞれ示す。図5cと5dの通り、サブスタンスPがVEGFとフィブロネクチンを誘導した。このことは、サブスタンスPが既知の標準wnt信号伝達経路を通じて細胞増殖と自己再生を促進することによって、MSCの再増殖を担っていることの証拠となる。
結論として、サブスタンスPは、細胞増殖、β−カテニンの核移動、およびβ−カテニンの下流遺伝子であるVEGFとフィブロネクチンの誘導を刺激するものであり、これらは、サブスタンスPが骨髄のMSC再増殖で役割を果たしていることを示す。
実施例6:静脈注射されたMSCの角膜創傷層への供給と視力回復改善の確認
図3に示す通り、サブスタンスPの静脈注射は、マウスCD29+ MSCが末梢血液
へ移動することを刺激するのに充分であった。移動されたMSCが実際に角膜創傷治癒に関与するのか否かを調べるために、Di 1標識されたMSCを角膜アルカリ損傷から2
4時間後に非照射(non-irradiated)ウサギの耳静脈に注入し、MSCの骨髄へのホーミングを最小化することによって、創傷部位への供給を最大化した。
骨髄洗浄と吸引によって、1月齢のallogenicウサギの脛骨からMSCを分離し、MS
CGMと共に3継代まで培養した。付着した細胞を、c−kit、STRO−1およびα−平滑筋(SM)アクチンの発現によりMSCとして同定し、細胞注入実験に用いた。注入されたMSCを追跡するために、トリプシン処理細胞をDi 1溶液(CelltrackerTM CM-Di I(Cat # C-7000);Molecular Probes)と共に37℃で5分間および4℃で15分間培養した。ラベリングし更にPBSで3回洗浄した後、MSC(1×106細胞/mL
)を新鮮な無血清培地に再懸濁し、角膜アルカリ損傷から1日後、10匹のウサギの耳に注射した。
アルカリ損傷から2週および4週間後、無注入およびDi 1標識されたMSC注入群
の眼球を細隙灯で調べた。その結果を図6aに示す。MSC注入群が、無注入群よりも角膜視力回復に優れていることが確認された。
上皮治癒時間を、写真−スリット顕微鏡照射と写真−記録を用いた上皮欠陥の閉鎖によって決定した。角膜不透明度を、下記基準に基づいて等級化した:等級0−不透明でない、等級1−虹彩構造が若干不透明に見える、等級2−微細な虹彩構造が見えない、等級3−虹彩の存在だけが褐色として現れる、および等級4−全不透明。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、MSC注射ウサギは非注射群に比べて上皮治癒時間が2倍短縮され、より優れた角膜不透明度を示し、角膜血管新生が抑制された。
注入されたDi 1標識MSCが創傷層に局在するか否かを確認するために、FLAT
マウントを行なった。角膜でDi 1標識されたMSCを確認するために、1日、2週お
よび3カ月後に蛍光立体顕微鏡(Leica)によりFLATマウントを試験した。その結果
を図6bに示す。図6bの通り、Di 1標識されたMSCが基質(ストロマ)レベルと
同様に上皮レベルでも検出された。また、静脈注入から1日後という早い段階でも、創傷層でDi 1標識されたMSCが検出された。これらの存在は、Di 1強度は低くなっているものの、注入3カ月後まで検出された。
実施例7:静脈注射されたサブスタンスPによる角膜創傷治癒促進の確認
図3の通り、サブスタンスPの静脈注射はマウスCD MSCが末梢血液へ移動するこ
とを刺激するのに充分であり、図6の通り、MSCの静脈注入は損傷された角膜の視力回
復を改善した。そこで、サブスタンスPを静脈投与するのみで角膜損傷治癒が促進されるのか否かを試験した。サブスタンスPの静脈注射による損傷治癒効果を試験するために、ニュージーランドホワイトウサギにアルカリ損傷を負わせた後、サブスタンスPを6.5μg/kg容量で熱傷直後と2日後に2回静脈注射した。静脈注射から7日後、デジタルカメラで撮影して、角膜の回復程度を肉眼で評価した。その結果を図7aに示す。図7aの通り、サブスタンスPを投与したウサギでは、角膜の再生が非投与群よりも顕著に早まっていた。つまり、サブスタンスPの静脈投与によって、非投与対照ウサギに比して、角膜の不透明の解消と出血部位の消失により角膜の治癒が顕著に進行していた。
創傷治癒程度を組織学的水準で観察するために、眼球を摘出して固定した後、H&E染色とCD−29抗体を用いた免疫組織化学染色を行なった。H&E染色結果を図7bに示す。図7bの通り、サブスタンスPを投与したウサギの場合、上皮が充分に厚く被覆しており、血管系がよく組織され、密度の高いコラーゲン束が配列していた。このコラーゲン束は、上皮下におけるマクロファージと多形核球巨大細胞が以前として存在している以外は、非投与の側副側でも同様であった。それに対して、サブスタンスPを投与しない対照群では、同日において、上皮の被覆と大きな繊維芽細胞の活発な浸潤、および基質における未組織的コラーゲン繊維の遊離のみが観察され、これらはサブスタンスP投与群でも5日目に観察された。
CD−29免疫組織化学染色の結果を図7cに示す。図7cの通り、サブスタンスPを投与しない対照群では、まだ分化されない間葉系幹細胞(CD−29を発現する大きな細胞群)が観察されたが、サブスタンスP投与群では、正常角膜基質と同様に、コラーゲン繊維束中にスピンドル形態の小さなCD−29+細胞が認められた。従って、サブスタンスP投与群と非投与群の角膜を全期間で組織学的観察により比較することによって、サブスタンスP投与群での創傷回復が対照群よりも顕著に早く進行していることを確認することができた。これらの結果は、サブスタンスPの投与により角膜損傷の回復効果が得られることを意味するものである。
角膜にアルカリ損傷を負わせたウサギで、末梢血液と創傷層にc−kit+幹細胞が発現されることを示す写真である(→:創傷層におけるc−kit+細胞)。 角膜にアルカリ損傷を負わせたマウスから摘出した眼球のRT−PCR分析結果を示す写真である。 角膜にアルカリ損傷を負わせてから0、1、3、5、7、10、14日後に得たマウスの末梢血液のELISA分析結果を示すグラフである。 マウスの眼にアルカリ損傷を負わせた後における角膜創傷層のH&E染色およびサブスタンスPに対する抗体への免疫組織化学染色結果を示す写真である。 マウスの眼にアルカリ損傷を負わせた後における角膜創傷層のc−kit、CD−29およびα−SMアクチンに対する抗体への免疫組織化学染色結果を示す写真である。 サブスタンスPを静脈注射したマウスから分離した吸着細胞の抗CD29抗体による免疫組織化学染色結果を示す写真である。以下の図において、「SP」はサブスタンスPを示し、「No SP」はサブスタンスPを投与していない場合を示す。 サブスタンスPの静脈注射前後における血液内のCD−29+細胞数の平均値を示すグラフである。 サブスタンスP処理によりヒト間葉系幹細胞が移動して3−Dコラーゲンゲル上でコラーゲンを分解することを示す写真である。 サブスタンスP処理(0〜100nM)の後、3−Dコラーゲンゲル上のヒトMSC培養液から収集した培養上清のゼラチンゲル内活性酵素測定法の結果を示す写真である。 サブスタンスP処理(0〜100nM)の後、ヒトMSCから収集した培養上清における抗MMP−1、MMP−2、MMP−9、TIMP−1およびTIMP−2抗体による免疫沈澱の結果を示す写真である。 サブスタンスP処理後、ヒトMSCの生存数を示すグラフである(n=4、平均±標準偏差)。 サブスタンスP存在下に培養されたヒトMSCのβ−カテニン抗体を用いた免疫蛍光染色結果を示す写真である。 サブスタンスP処理されたヒトMSCの培養上清から収集したVEGFのELISA結果を示すグラフである。 サブスタンスP存在下にヒトMSCが培養上清由来の抗ヒトフィブロネクチンモノクローナル抗体でウェスタンブロット分析した結果を示す写真である。 角膜にアルカリ損傷を負わせてから14、30日後のウサギにおいて、Di 1標識されたウサギMSCを注入した場合と注入した場合の眼球を細隙灯で観察した結果を示す写真である。 蛍光立体顕微鏡下を用いてFLATマウントで観察した角膜におけるDi 1標識MSCの存在の写真である。 ウサギの角膜にアルカリ損傷を負わせた後、サブスタンスPを静脈投与した群と対照群の損傷回復程度を示す写真である。 角膜にアルカリ損傷を負わせた後、サブスタンスPを静脈投与した群と対照群の組織断面をH&E染色した結果を示す写真である。 角膜にアルカリ損傷を負わせた後、サブスタンスPを静脈投与した群と対照群の組織断面をCD−29抗体で免疫組織化学染色した結果を示す写真である。

Claims (3)

  1. 創傷治癒または創傷治癒促進のための薬剤を製造するための、有効成分としてサブスタンスPおよび間葉系幹細胞を含む組成物の使用であって、当該間葉系幹細胞がサブスタンスPの静脈注射により骨髄から遊離したか或いは増殖したものである使用。
  2. 上記薬剤が細胞治療剤である請求項1に記載の使用。
  3. 有効成分としてサブスタンスPと間葉系幹細胞を含み、当該間葉系幹細胞がサブスタンスPの静脈注射により骨髄から遊離したか或いは増殖したものである、創傷治癒または創傷治癒促進のための薬剤。
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