JP2013528208A - サブスタンスpを用いた骨形成剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】患者に苦痛を与えることなく、簡単かつ便利に骨髄の間葉系幹細胞を分離し作製する骨形成剤及び製造方法を提供する。
【解決手段】サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有することを特徴とする骨形成剤及びその製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有することを特徴とする骨形成剤及びその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、サブスタンスP(Substance-P)の投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells)を有効成分として含有する骨形成剤、及びその製造方法に関するものである。
サブスタンスPは、感覚ニューロン、マクロファージ、好酸球、内皮細胞、上皮細胞及び角膜細胞(例えば、角膜実質細胞と肉芽組織(granulation tissue))で発現される11個のアミノ酸からなるニューロペプチドである。サブスタンスPが造血調節に対する神経−免疫コミュニケーションに関与していることがいくつか報告されている。サブスタンスP神経繊維は骨髄基質に分布しており、サブスタンスPは骨髄基質細胞の表面受容体NK−1を通して骨髄基質細胞を刺激して、骨髄基質細胞が供給者として造血促進に有効な幹細胞因子及びインターロイキン−1を生産する。
骨髄の間葉系幹細胞は骨、軟骨への分化が可能な細胞であり、骨形成を必要とする疾患研究に利用されている。従来の方法によると、間葉系幹細胞は患者の骨髄から直接分離されており、過程が複雑であった。また、そのような方法は頻繁に遂行することができなく、患者の痛みを伴う処置である。創傷のない正常な生理状態で、間葉系幹細胞は脂肪組織と翼状片(pterygium)のような骨髄以外の組織では検出されるが、末梢血液からはほとんど検出されない。
本発明者らの先行出願である韓国特許第10−2006−0037176号公報(特許文献1)は、サブスタンスPが骨髄から間葉系幹細胞を動員または増殖することができることを明らかにし、サブスタンスP及び/又はサブスタンスP処理により骨髄から動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有する創傷治癒剤を開示している。
しかし、今まで、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を分離し、これを骨形成剤として使用する用途については報告されたことがない。
そこで、本発明者らは、既存の患者の骨髄から間葉系幹細胞を直接分離する方法に代えて、患者に苦痛を与えることなく、簡単に且つ便利に骨髄の間葉系幹細胞を分離する方法について鋭意研究を行ってきた。その結果、サブスタンスPを投与する場合、骨髄の間葉系幹細胞が血中に動員され、動員された間葉系幹細胞を血液から容易に分離し、前記分離した間葉系幹細胞を骨形成剤の有効成分として使用する場合、骨形成または骨再生に優れた効果を示すことを見出し、本発明の完成に至った。
従って、本発明の第1の目的は、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有する骨形成剤を提供することである。
本発明の第2の目的は、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を分離するステップを含む骨形成剤の製造方法を提供することである。
本発明に係るサブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有する骨形成剤及びその製造方法は、既存の患者の骨髄から間葉系幹細胞を直接分離する方法と違って、患者に苦痛を与えることなく、簡単に且つ便利に骨髄の間葉系幹細胞を分離することができる。また、既存の骨髄から直接分離した間葉系幹細胞と同等の骨形成能を示すので、血液から分離した細胞によっても骨形成または骨再生が可能であることを初めて明らかにした。
本発明の第1の態様は、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有する骨形成剤に関するものである。
本発明の第2の態様は、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を分離するステップを含む骨形成剤の製造方法に関するものである。
本発明者らは、以前の研究(韓国特許第10−2006−0037176号公報)で、実験動物に創傷(例えば、角膜熱傷)を負わせずにサブスタンスPを静脈注射した場合にも、多くのCD29+間葉系幹細胞が末梢血液へ動員されていることを見出した。また、本発明者らは、間葉系幹細胞の骨髄からの放出メカニズムを明らかにするもの、即ち、試験管内3−Dコラーゲンゲル内でサブスタンスPが基質分解酵素を誘導してこれらの阻害剤を阻害することによって骨髄から間葉系幹細胞の放出を促進することを明らかにした。
具体的には、本発明者らは創傷微小環境で見つけられた他の因子らとは別にサブスタンスPの全身的影響を調べるために、サブスタンスPを創傷のないマウスに静脈注射し、CD29+間葉系幹細胞の末梢血液への動員を調べた。その結果、サブスタンスPを静脈注射したマウスでは、注射しないマウスに比べて約15倍多くのCD29+間葉系幹細胞が末梢血液へ動員されたことが確認された。その結果から、本発明者らはサブスタンスPが創傷治癒過程の初期に発現されて、間葉系幹細胞を骨髄から血中に動員させ、最終的に角膜創傷部位に供給して、角膜修復を促進する役割を担うと結論づけた。
以降の研究を通して、本発明者らはサブスタンスP投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を血液から分離し、ヌードマウスの背中の皮下に移植した。その結果、本発明者らはコラーゲンからなる骨基質が実際に生成されたことを確認した。即ち、本発明は、血液から分離した間葉系幹細胞によって骨形成または骨再生が可能であることを初めて明らかにした。
本発明において、骨髄から間葉系幹細胞を血中に動員させるためのサブスタンスPの投与は、静脈注射、皮下注射、内皮注射、又は筋肉注射などの注射が好ましく、特に静脈注射により投与されるのが最も好ましい。
本発明において、骨髄から間葉系幹細胞を血中に動員させるのに有効なサブスタンスPの投与量は、0.1〜1000μg/kg、好ましくは、0.1〜100μg/kgである。しかし、本発明はこれらの投与量に制限されるものではない。
また、本発明において、サブスタンスPの投与後、骨髄の間葉系幹細胞が血中に動員される時期は、投与後2日目〜4日目であり、好ましくは、投与後3日目である。それ故に、この時血液を採取し、間葉系幹細胞を分離することが好ましい。
本発明の骨形成剤は、有効成分としてサブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を含有し、更に、代用骨(骨格)を含有していてもよい。一具体例で、間葉系幹細胞は代用骨に接着またはロードされた状態で使用することができる。本発明で使用できる代用骨は市販のものであってもよい。特に、セラミック系材料が好ましい。セラミック系材料の例は、リン酸三カルシウムヒドロキシアパタイト((hydroxyapatite tricalcium phosphate)HA−TCP)である。
具体的には、本発明者らは、サブスタンスPをウサギの静脈に5nmole/kgで、2回注射(1回/日)し、3日目に血液を採取した。パーコール勾配遠心分離を利用して血液中の赤血球を除去した後、分離された単核球細胞を約2週間培養した。培養時間が長くなるにつれて、間葉系幹細胞の数は増えたが、最初に共存していた白血球は全て除去された。2週間後、間葉系幹細胞だけが残った。これら細胞をトリプシン/EDTAで処理して分離した後、細胞数を数えた。
2×106個の間葉系幹細胞をHA−TCP40mgが入っているチューブに入れて混合した後、1時間、37℃で培養した。1時間培養の間、均一に混合されるように10分に一回ずつチューブを穏やかにたたくか揺すり、細胞がHA−TCPの表面に付着するようにした。
動物モデルとしてはヌードマウスを用い、マウスの背中の皮下に間葉系幹細胞が付着されたHA−TCPを移植した。移植物の分離時期(即ち、骨形成有無観察時期)は、移植後8週以上とし、好ましくは10週以上である。マウスの背中から移植物を分離し、4%パラホルムアルデヒドに入れ、3日間固定した。固定後、カルシウム除去のために0.25M EDTAに3週間いれ、EDTAは1週間に3回ずつ交換した。カルシウム除去後、組織をパラフィンブロックのように作製し、4μmの厚さになるように縦方向に切断した。十分に乾燥した後、ヘマトキシリン/エオシン(H/E)染色を行い組織学的形態を確認した。
その結果を図1及び図2に示す。具体的には、図1は、分離した移植物の骨形成を観察した写真であり(ピンク色:コラーゲン(骨基質)、A:脂肪組織、H:骨髄組織、濃紫色:繊維組織)である。図2は、図1の高解像度写真である。ピンク色のコラーゲンの大規模な形成から、骨形成が大幅に起こっていることが分かった。
次いで、生成された骨が実際にウサギ起源細胞によるものであるかを確認した。骨基質が移植された細胞により形成されたものであれば、骨の基質はウサギ抗体と反応するはずである。その他の脂肪組織、骨髄組織、繊維組織等は反応しないはずである。これを確認するために、分離した移植物に、ウサギのコラーゲンと反応する抗体を処理して染色した。その結果を図3に示す。図3で示されるように、骨基質だけがこの抗体により染色され、周辺組織は染色されなかったことを確認することができた。
更に、同じ抗体をマウスの正常皮膚組織に処理して染色した。その結果を図4に示す。図4で示されるように、マウスの正常皮膚組織にはコラーゲンが存在するにもかかわらず(右側写真)、ウサギのコラーゲンと反応する抗体を処理しても当該マウスのコラーゲンとは反応しないことが証明された(左側写真)(青色:コラーゲン、赤色:細胞質)。
このような結果から、図3の染色に用いた抗体は、ウサギにだけ特異的に反応する抗体であることが分かった。更に、分離された移植物の骨基質は移植した細胞から生成されたことが再度確認された。
その上、本発明者らは、本発明に係るサブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞が、既存の骨髄から直接分離した間葉系幹細胞と同等の骨形成能を示すのかを確認するために、ウサギの骨髄から直接間葉系幹細胞を分離し、前記と同様の実験を行った。
具体的には、骨髄洗浄及び吸引によりウサギの脛骨から間葉系幹細胞を分離し、間葉系幹細胞培養培地(MSCGM)で培養した。前記と同じ方式で、HA−TCPと当該間葉系幹細胞を混合し、ヌードマウスの背中の皮下に移植した。移植後10週後に移植物を分離し、H/E染色を行い組織学的形態を確認した。その結果を図5に示す(ピンク色:コラーゲン(骨基質)、薄紫色:残留HA−TCP)。
図1と図5の比較により、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞が、既存の骨髄から直接分離した間葉系幹細胞と同等の骨形成能を示すことが分かった。
以上のことから、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞は、骨形成剤の有効成分として使用することができる。本発明の骨形成剤において、間葉系幹細胞の有効用量は、代用骨40mg当たり2×105〜2×107細胞であり、好ましくは1×106〜3×106細胞、最も好ましくは2×106細胞である。しかし、これらの用量は患者の骨疾患のサイズ及び程度に応じて、また、体重、年齢、性別などに応じて増減できる。
本発明に係る骨形成剤は各種骨折、骨壊死疾患または骨再生に利用することができる。一具体例では、本発明の骨形成剤を修復しようとする骨疾患と同じ程度に、患者の皮下に移植することができる。移植後、8週、好ましくは10週後に移植物を分離し、患者の修復しようとする骨疾患部位に挿入することによって骨疾患を效果的に治療するできる。
このように、本発明に係るサブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有する骨形成剤及びその製造方法は、既存の患者の骨髄から間葉系幹細胞を直接分離する方法と違って、患者に苦痛を与えることなく、簡単に且つ便利に骨髄の間葉系幹細胞を分離することができる。更に、本発明に係る骨形成剤は既存の骨髄から直接分離した間葉系幹細胞と同じ程度の骨形成能を示し、血液から分離した細胞によっても骨形成または骨再生が可能であること初めて明らかにした。
以下、本発明を下記実施例に基づいてより具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明に対する理解を助けるためだけの例であり、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1:サブスタンスP投与後、血液から間葉系幹細胞の分離及び培養
サブスタンスP(Calbiochem)を1月齢ウサギの静脈に、5nmole/kgで2回注射(1回/日)し、3日目に血液を採取した。パーコール勾配遠心分離を利用して血液内の赤血球を除去し、分離した単核球細胞を2週間培養した。培養時間が長くなるにつれて、間葉系幹細胞の数は増えたが、最初に共存していた白血球は全て除去された。2週後、間葉系幹細胞だけが残った。これら細胞をトリプシン/EDTAで処理して分離した後、各細胞数を数えた。
サブスタンスP(Calbiochem)を1月齢ウサギの静脈に、5nmole/kgで2回注射(1回/日)し、3日目に血液を採取した。パーコール勾配遠心分離を利用して血液内の赤血球を除去し、分離した単核球細胞を2週間培養した。培養時間が長くなるにつれて、間葉系幹細胞の数は増えたが、最初に共存していた白血球は全て除去された。2週後、間葉系幹細胞だけが残った。これら細胞をトリプシン/EDTAで処理して分離した後、各細胞数を数えた。
2×106個の間葉系幹細胞をHA−TCP40mgが入っているチューブに入れて混合した後、1時間、37℃で培養した。1時間培養の間、均一に混合されるように10分に一回ずつチューブを穏やかにたたくか揺すり、細胞がHA−TCPの表面に付着するようにした。
実施例2:骨形成能の確認
生後6週齢の雌性ヌードマウスを、温度22±2℃、相対湿度40〜60%の飼育条件で、同じ標準飼料と水分を供給し、1週間環境に適応させた後、実験に用いた。マウスの背中の皮下に実施例1で製造された間葉系幹細胞が付着されたHA−TCPを移植した。移植後10週目に、骨形成の有無を観察するために、マウスの背中に移植した移植物を分離した。分離した移植物を4%パラホルムアルデヒドに入れ、3日間固定した。固定後、カルシウム除去のために、0.25M EDTAに3週間入れ、EDTAは1週間に3回ずつ交換した。カルシウム除去後、組織をパラフィンブロックのように作製し、4μmの厚さになるように縦方向に切断した。十分に乾燥した後、ヘマトキシリン/エオシン(H/E)染色を行い組織学的形態を確認した。
生後6週齢の雌性ヌードマウスを、温度22±2℃、相対湿度40〜60%の飼育条件で、同じ標準飼料と水分を供給し、1週間環境に適応させた後、実験に用いた。マウスの背中の皮下に実施例1で製造された間葉系幹細胞が付着されたHA−TCPを移植した。移植後10週目に、骨形成の有無を観察するために、マウスの背中に移植した移植物を分離した。分離した移植物を4%パラホルムアルデヒドに入れ、3日間固定した。固定後、カルシウム除去のために、0.25M EDTAに3週間入れ、EDTAは1週間に3回ずつ交換した。カルシウム除去後、組織をパラフィンブロックのように作製し、4μmの厚さになるように縦方向に切断した。十分に乾燥した後、ヘマトキシリン/エオシン(H/E)染色を行い組織学的形態を確認した。
その結果を図1及び図2に示す。具体的には、図1は分離した移植物の骨形成可否を観察した写真である(ピンク:コラーゲン(骨基質)、A:脂肪組織、H:骨髄組織、濃紫色:繊維組織)。図2は図1の高解像度写真である。ピンク色のコラーゲンの大規模な形成から、骨形成が大幅に起こっていることが分かった。
次いで、生成された骨が実際にウサギ起源細胞によるものであるか否かを確認した。骨基質が移植された細胞により形成されたものであれば、骨の基質はウサギ抗体と反応するはずである。その他の脂肪組織、骨髄組織、繊維組織等は反応しないはずである。これを確認するために、分離した移植物に、ウサギのコラーゲンと反応する抗体を処理して染色した。その結果を図3に示す。図3で示されるように、骨基質だけがこの抗体により染色され、周辺組織はそうでないことを確認することができた。
更に、同じ抗体をマウスの正常皮膚組織に処理して染色した。その結果を図4に示す。図4で示されるように、マウスの正常皮膚組織にはコラーゲンが存在するにもかかわらず(右側写真)、ウサギのコラーゲンと反応する抗体を処理してもマウスのコラーゲンとは反応しないことが証明された(左側写真)(青色:コラーゲン、赤色:細胞質)。
このような結果から、図3の染色に用いた抗体は、ウサギにだけ特異的に反応する抗体であることが分かった。更に、分離された移植物の骨基質は移植した細胞から生成されたことを再度確認することができた。
実施例3:骨髄から直接分離した間葉系幹細胞の骨形成能の確認
1月齢ウサギの脛骨から骨髄洗浄及び吸引によりウサギの脛骨から間葉系幹細胞を分離し、間葉系幹細胞培養培地(MSCGM)で培養した。前記と同じ方法で、前記間葉系幹細胞とHA−TCPと混合し、ヌードマウスの背中の皮下に移植した。移植後10週後に移植物を分離し、H/E染色を行い組織学的形態を確認した。その結果を図5に示す(ピンク色:コラーゲン(骨基質)、薄紫色:残留HA−TCP)。
1月齢ウサギの脛骨から骨髄洗浄及び吸引によりウサギの脛骨から間葉系幹細胞を分離し、間葉系幹細胞培養培地(MSCGM)で培養した。前記と同じ方法で、前記間葉系幹細胞とHA−TCPと混合し、ヌードマウスの背中の皮下に移植した。移植後10週後に移植物を分離し、H/E染色を行い組織学的形態を確認した。その結果を図5に示す(ピンク色:コラーゲン(骨基質)、薄紫色:残留HA−TCP)。
図1と図5の比較により、サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞が、既存の骨髄から直接分離した間葉系幹細胞と同等の骨形成能を示していることが分かった。
Claims (6)
- サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を有効成分として含有することを特徴とする骨形成剤。
- 投与が静脈注射によるものである請求項1に記載の骨形成剤。
- 間葉系幹細胞がサブスタンスPの投与後3日目に採取した血液から分離されたものである請求項1に記載の骨形成剤。
- サブスタンスPの投与により骨髄から血中に動員された間葉系幹細胞を分離するステップを含むことを特徴とする骨形成剤の製造方法。
- 投与が静脈注射によるものである請求項4に記載の骨形成剤の製造方法。
- 間葉系幹細胞がサブスタンスPの投与後3日目に採取した血液から分離されたものである請求項4に記載の骨形成剤の製造方法。
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