JP5134482B2 - 脈動防止具付きペットボトル - Google Patents

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Description

本発明は、脈動防止具付きペットボトルに関し、ペットボトル内の内部液体を注ぐ際に生じる不規則な脈動を防止し、液体の流水を整え、流量を安定化する脈動防止具を注ぎ口に備えたペットボトルに関する。
近年は、合成樹脂(ポリエステル)の一種であるポリエチレンテレフタレート(Poly-Ethylene
Terephthalate)を材料として作られている容器であるペットボトル(PET bottle)が、ビンに代わって、ミネラルウォータ等の飲料用の液体や消毒剤・洗剤等の液体を入れる容器として多用されるようになってきている。
しかし、大容量(例、2リットル)のペットボトルを開栓して、ペットボトルから内部の液体を注ぎ出そうとする際に、ペットボトルの注ぎ口より流れ出る液体が、不規則にドボッドボッと脈打つように脈動して、コップ等の容器に正常に注ぎ込むことができず、容器の外にこぼしてしまうことが多い。
かくのごとき脈動は、ペットボトルの注ぎ口で液体と空気との入れ替えが安定せず、液体と空気との流路に乱れが発生することに起因している。かかる事態を防止するためには、注意してできるだけゆっくりと注ぐか、あるいは、コップ等の容器をペットボトルの注ぎ口まで持ち上げて注ぎ込むなどの工夫が必要であり、時間や手間が掛かり、煩わしさを伴う作業となっていた。
このため、ペットボトルの内部液体の吐出時における脈動防止策としていくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1の特開2002−302122号公報「ペットボトル用注ぎ水の脈動防止具」においては、図に示すように、ペットボトル1′の注ぎ口2の注ぎ口内壁2aとペットボトル傾斜面部4の傾斜面部内壁4aとペットボトル本体3の本体内壁3aとに沿って、注ぎ水脈動防止具として、1または2つ(図には1つの場合を示している)の屈曲管状空気路50に空気を通すことができる主体を配備することによって、内部液体20を注ぎ口2から注ぐ場合、ペットボトル本体3を把持して、屈曲管状空気路50を配備したペットボトル本体3の側面側が上に向く方向に、ペットボトル1′を傾動させて、空気の流入と水流の流出とのぶつかり合いを生じさせないようにし、安定した水流を確保しようとする試みが提案されている。
あるいは、特許文献2の特開2007−302337号公報「偏口ペットボトル」においては、図に示すように、ペットボトルの注ぎ口2を、ペットボトル本体3の断面の中央の位置ではなく、いずれかの内壁側に偏芯させて配置することにより、内部液体を注ぎ口2から注ぐ場合、ペットボトル本体3を把持して、偏芯させた注ぎ口2の方向側に傾けて、空気の流入路と内部液体の流出路とがぶつかり合わないようにしようとする試みが提案されている。
特開2002−302122号公報(第2−3頁) 特開2007−302337号公報(第2頁)
以上のように、従来の通常のペットボトルの場合は、ペットボトルから液体を注ぐ際の脈動の発生を防ごうとすると、できるだけ少量づつゆっくり注いだり、注ぎ込もうとするコップ等の容器を持ち上げたりするなど、時間や手間が掛かり、煩わしい作業になるという問題がある。
また、前記特許文献1や前記特許文献2のような脈動防止対策は、ペットボトルの内部の液体を注ぐ際に、脈動の発生を確実に防止しようとすると、ペットボトルを傾ける方向が特定されてしまい、収納場所からペットボトルを把持して取り出した後、ペットボトルを脈動防止可能な特定の方向に傾動させようとするために、ペットボトルを持ち直すことが必要になるという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、内部液体を吐出させるための液体流路とは別個に空気流入用の空気流路を、ペットボトルの注ぎ口に配備し、ペットボトルの内部液体を吐出させる際に、前記空気流路を介して、外部からの空気をペットボトル内の内部の空気領域にスムーズに送り込んで、脈動の発生を確実に防止することを可能にするとともに、ペットボトルを任意の方向に傾動させて内部液体を吐出させる場合であっても、脈動を起こさずに内部液体を正常に注ぎ出させることを可能とする脈動防止具付きペットボトルを提供することを、その目的としている。
前述の課題を解決するため、本発明による脈動防止具付きペットボトルは、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)注ぎ口から吐出される内部の液体が脈動するのを防ぐ脈動防止具を有し、
前記脈動防止具は、複数本の真直ぐな細径管を円環状に配列し、全ての該細径管の外側を前記注ぎ口の内側に接触させ、隣り合う該細径管の外側を互いに接触させて形成してあり、
前記細径管の口径は前記注ぎ口の口径の1/10〜3/20であり
複数本の前記細径管の軸は、前記注ぎ口の軸に平行であり、
各前記細径管の長さ、前記注ぎ口の頂端面から底端面までの長さと略等しく、
各前記細径管の頂端面、前記注ぎ口の頂端面と同一平面上に位置するように配設される
ことを特徴とする脈動防止具付きペットボトル。
(2)各前記細径管の底端面の形状を、当該脈動防止具付きペットボトルの中心軸側に位置する部位を最低部とし、当該脈動防止具付きペットボトルの外周側に位置する部位を最高部とした傾斜形状とする上記(1)に記載の脈動防止具付きペットボトル。
(3)複数本の真直ぐな細径管を円環状に配列し、隣り合う該細径管における少なくとも頂端部の外側を互いに接触させて形成してあり、液体容器の注ぎ口に嵌挿され、該注ぎ口から吐出される内部の液体が脈動するのを防ぐ脈動防止具であって、
前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたとき、全ての該細径管の外側における少なくとも頂端部は、前記注ぎ口の頂端部の内側に接触し、
複数本の前記細径管の軸は、前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたとき、前記注ぎ口の軸に平行であるか、または該注ぎ口の底端部側において該注ぎ口の軸側に寄るように僅かに傾斜し、
前記細径管の口径は前記注ぎ口の口径の1/10〜3/20であり
各前記細径管の長さは、前記注ぎ口の頂端面から底端面までの長さと略等しい
ことを特徴とする脈動防止具。
(4)前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたとき、該注ぎ口頂端面側に張り出すように延在る突起部が前記細径管に設けてある上記(3)に記載の脈動防止具。
(5)前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたときにおける前記細径管の頂端部の外側と該注ぎ口との密着性が向上するように、前記円環状をなす複数本の該細径管の頂端部における外側の径が前記注ぎ口の径より僅かに大きくしてある上記(3)または(4)のいずれか一方に記載の脈動防止具。
本発明の脈動防止具付きペットボトルによれば、脈動防止具としてペットボトルの注ぎ口の内壁の全周に亘って多数の細径管を互いに連接させて、円環状に配設する構造としているので、以下のような効果を得ることができる。
第1の効果は、ペットボトルの内部液体の流出路(液体流路)とは別個の空気流入路(空気流路)となる小さな口径の細径管を多数備えることにより、外部からの空気がペットボトル内の内部液体の液面よりも上側に存在する細径管を介してペットボトル内の内部空気の領域に直接連通させた状態で、スムーズに送り込まれてくるので、あるいは、内部液体の液面よりも低い位置の細径管についても、外部からの空気が細径管から内部液体を介して流入してくる際に、極めて細かな気泡の状態で内部液体内を通過して内部空気の領域に到達してくるので、内部液体が吐出される際の脈動の発生を確実に防止することが可能であるという点にある。
第2の効果は、内部液体を注ぐ場合に、ペットボトル本体を任意の方向に傾動させても、脈動を起こさずに内部液体を吐出させることが可能であるという点にある。
以下、本発明による脈動防止具付きペットボトルの好適な実施例について添付図を参照して説明する。
図1は、本発明に係る脈動防止具付きペットボトルの構造の一例を示す斜視図であり、脈動防止具付きペットボトル1内に内部液体20を充填した状態で、脈動防止具付きペットボトル1の注ぎ口2の注ぎ口ネジ部2eに螺合されていたキャップ(図示していない)を開栓した状態を示している。
図1に示す脈動防止具付きペットボトル1は、通常のペットボトルと同様に、合成樹脂(ポリエステル)の一種であるポリエチレンテレフタレートを材料として、一定の容積(例えば2リットル)の円筒状や四角柱状のボトル形状に成形された容器であり、注ぎ口2とペットボトル本体3とを有し、注ぎ口2の注ぎ口底端面2dとペットボトル本体3の本体頂端面3cとの間には、ペットボトルの本体の一部としてあらかじめ定めた傾斜角度で斜めに傾斜したペットボトル傾斜面部4が形成されている。
また、注ぎ口2、ペットボトル本体3、ペットボトル傾斜面部4のそれぞれは、概ね等しい肉厚で成形されており、それぞれ、注ぎ口内壁2aおよび注ぎ口外壁2b、本体内壁3aおよび本体外壁3b、傾斜面部内壁4aおよび傾斜面部外壁4bを形成している。また、注ぎ口外壁2bには、前述したように、注ぎ口2を閉栓するためのキャップと螺合させる注ぎ口ネジ部2eが形成されている。
図1には、内部液体20が、注ぎ口2から注入されて、脈動防止具付きペットボトル1内にあらかじめ定めた量だけ充填されている状態を示しており、脈動防止具付きペットボトル1内の内部液体20の液面20aから上側の空隙部には、内部空気30が入り込んでいる状態になっている。
また、内部液体の吐出時における脈動を防止するための脈動防止具10Gとして、狭い空気流路の形成用としてあらかじめ定めた小口径の細径管10を複数本互いに連接させて円環状の形状の部材が備えられている。ここで、各細径管10が形成する円環の外周側の口径を注ぎ口内壁2aの内径と略等しくして、多数の細径管10それぞれが注ぎ口内壁2aに密着した状態で、注ぎ口内壁2aの全面を円周方向に覆うように配設されている。また、各細径管10の口径は、注ぎ口2の内径に比して十分に小さい大きさであって、外部からの空気が大きな塊となって細径管10内に突入することがないように、十分に小さな口径であるとともに、細径管10内に内部液体の表面張力による膜が形成されない程度の大きさを有する口径でもある。内部液体の種類にも依存するが、例えば、清涼飲料水用のペットボトルのような場合であれば、各細径管10の口径は2〜3mm程度が望ましい。かかる清涼飲料水用のペットボトルとして、例えば、脈動防止具付きペットボトル1の注ぎ口2の内径が2リットル容量の通常のペットボトルと同程度の20mm程度であった場合には、脈動防止具10Gを形成する細径管10の本数は、20〜30個程度であり、注ぎ口内壁2aの全面を覆うように、各細径管10が互いに連接した状態で約20mmの口径を有する円環として配設されることになる。
また、各細径管10は、注ぎ口内壁2a縦方向についても、略全面を覆うように、注ぎ口2の注ぎ口内壁2aに沿って配設されており、各細径管10の長さは、注ぎ口頂端面2cから注ぎ口底端面2dまでの長さに略等しいかまたは注ぎ口頂端面2cから注ぎ口底端面2dまでの長さよりも若干長く、かつ、各細径管10の頂端面10aは、脈動防止具付きペットボトル1の注ぎ口頂端面2cと同一平面上に並ぶように配設される。
次に、図1に示す脈動防止具付きペットボトル1の構造について、図2の要部断面図および平面図を用いて、さらに詳細に説明する。図2は、図1に示す脈動防止具付きペットボトル1の構造を説明するための構造図であり、図2(A)は、図1に示す脈動防止具付きペットボトル1の側断面を示す断面図であり、図2(B)は、図1に示す脈動防止具付きペットボトル1の上側から眺めた際の平面図である。なお、図2には、脈動防止具付きペットボトル1のペットボトル本体3が、角を落とした四角柱状のボトル形状である場合を示している。
図2(A)の断面図に示すように、脈動防止具10Gを形成する多数の細径管10それぞれは、注ぎ口2の長さLと略等しい長さを有する(または、注ぎ口2の長さLよりも若干長い長さとしても良いが、ここでは、略等しい長さとする)とともに、それぞれの頂端面10aと底端面10bとは、注ぎ口頂端面2cと注ぎ口底端面2dとにそれぞれ概ね同じ面に揃うような位置に配設され、細径管10それぞれの頂端面10aは、注ぎ口2の注ぎ口頂端面2cと同一の平面を形成している。また、図2(B)の平面図に示すように、脈動防止具10Gを形成する細径管10それぞれの口径dは、注ぎ口2の内径Dに比し、充分に小さく、注ぎ口2の中央部には、液体流路12として、内部液体20を注ぎ口2から吐出させようとする際に、内部液体20をスムーズに外部に吐出させることが可能な開口面積を有する大きな空隙が確保されている。
また、細径管10のそれぞれは、前述のように、口径dが充分に小さく、狭い空気流路11として形成されており、外部からの空気を小さな塊の状態で内部に流入させることができる。つまり、内部液体20を注ぎ口2から吐出させるために、脈動防止具付きペットボトル1を把持して、いずれかの方向に傾動させた場合、傾いた状態の注ぎ口2の上側に位置したいずれか1ないし複数本の細径管10は、脈動防止具付きペットボトル1内の内部液体20の液面20aよりも上側に位置することとなり、空気流路11としての1ないし複数本の当該細径管10を介して、脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30と外部の空気とを直接連通させた状態にすることが可能となり、吐出させる内部液体20の流れとぶつかり合うことなく、内部液体20が外部に吐出されていく量に応じて、外部の空気が脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30の領域にスムーズに流入することを可能としている。
また、脈動防止具10Gを形成する細径管10を、注ぎ口2の注ぎ口内壁2aの全周を覆うように多数配設しているので、内部液体20を注ぎ口2の液体流路12から注ぎ出そうとして、ペットボトル本体3の本体外壁3bを把持して、脈動防止具付きペットボトル1を傾動させる際に、如何なる方向に脈動防止具付きペットボトル1を傾動させた場合であっても、注ぎ口2の内部液体20の流路となる液体流路12よりも上側の位置には、いずれか1ないし複数本の細径管10が、内部空気30の領域と外部の空気とが直接連通する空気流路11として存在する可能性が高く、液体流路12から外部に吐出された内部液体20の量に相当する量だけ、吐出される液体の流れとぶつかり合うことなく、当該空気流路11としての1ないし複数本の細径管10を介して、外部の空気が脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30の領域にスムーズに流入することになる。
なお、図2(A)の拡大図の破線に示すように、細径管10の底端面10bの形状を、注ぎ口頂端面2cと略平行な平面となる形状としないで、傾斜面を有する底端面10bとして形成するようにしても良い。ここで、底端面10bの傾斜面は、図2(A)の拡大図の破線で示すように、注ぎ口2の中心軸側の部位つまり当該脈動防止具付きペットボトル1の中心軸側に位置する部位を最低部にし、注ぎ口内壁2a側の部位つまり当該脈動防止具付きペットボトルの外周側に位置する部位を最高部とした傾斜形状とするものである。かかる傾斜形状とすれば、内部液体20を注ぎ口2から外部へ吐出させるために、脈動防止具付きペットボトル1を傾動させた場合、注ぎ口2の液体流路12よりも上側に位置した細径管10の底端面10bの開口した面積が大きくなるので、上側に位置した該細径管10を介して、外部の空気と脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30の領域とを、より連通し易くすることができ、よりスムーズに外部からの空気を流入させることができる。
次に、図1に示す脈動防止具付きペットボトル1の内部液体20を吐出させる様子を、図3を用いて、さらに説明する。図3は、図1に示す脈動防止具付きペットボトル1の内部液体20を吐出させる際の様子を示す説明図であり、各細径管10により形成された円環の内周側に存在する液体流路12から殆どが吐出する内部液体20の流れを、実線の矢印で示し、内部液体20が吐出する液面よりも上側に位置する細径管10を介して脈動防止具付きペットボトル1の内部の内部空気30の領域に流入してくる外部の空気の流れを破線の矢印で示している。
図3(A)は、内部液体20の量が多い状態で、内部液体20を注ぎ口2から吐出させようとする場合のペットボトル本体3の傾動状態を模式的に示したものであり、いずれか任意の方向に、ペットボトル本体3を僅かに傾動させるだけで、注ぎ口内壁2aに沿って配設された各細径管10による円環よりも内周側に位置する液体流路12から内部液体20の殆どが吐出される状態になる。一方、内部液体20の液面20aよりも上側にある細径管10は、ペットボトル傾斜面部4付近に存在する内部空気30の領域と連通した空気流路11として機能して、吐出された内部液体20の量だけ、空気流路11を介して外部の空気を脈動防止具付きペットボトル1の内部に流入させる。したがって、吐出される内部液体20の流れとぶつかり合うことなく、外部からの空気をスムーズに取り込むことができ、吐出してくる液体の脈動を防止することができる。
図3(B)は、内部液体20の量がペットボトル本体3の容量の半分程度になっている状態で、内部液体20を注ぎ口2から吐出させようとする場合のペットボトル本体3の傾動状態を模式的に示したものであり、いずれか任意の方向に、ペットボトル本体3を略水平になるまで傾動させることにより、注ぎ口内壁2aに沿って配設された各細径管10による円環よりも内周側に位置する液体流路12から内部液体20が殆ど吐出される状態になる。かかる傾動状態であっても、内部液体20の液面20aよりも上側にある細径管10は、傾いたペットボトル本体3の上側に存在する内部空気30の領域と連通した空気流路11として機能して、吐出された内部液体20の量だけ、空気流路11を介して外部の空気を脈動防止具付きペットボトル1の内部に流入させる。したがって、吐出される内部液体20の流れとぶつかり合うことなく、外部からの空気をスムーズに取り込むことができ、吐出してくる液体の脈動を防止することができる。
図3(C)は、内部液体20の量が殆どなくなった状態で、内部液体20を注ぎ口2から吐出させようとする場合のペットボトル本体3の傾動状態を模式的に示したものであり、いずれか任意の方向に、ペットボトル本体3を深く傾動させることにより、注ぎ口内壁2aに沿って配設された各細径管10による円環よりも内周側に位置する液体流路12から内部液体20が殆ど吐出される状態になる。かかる傾動状態であっても、内部液体20の液面20aよりも上側にある細径管10は、傾いたペットボトル本体3の上側に存在する内部空気30の領域と連通した空気流路11として機能して、吐出された内部液体20の量だけ、空気流路11を介して外部の空気を脈動防止具付きペットボトル1の内部に流入させる。したがって、吐出される内部液体20の流れとぶつかり合うことなく、外部からの空気をスムーズに取り込むことができ、吐出してくる液体の脈動を防止することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施例においては、注ぎ口2の注ぎ口内壁2aの全周に亘って多数の細径管10を、脈動防止具10Gとして配設しているので、内部液体20の流出路(液体流路12)とは別個の空気流入路(空気流路11)となる細径管10を介して、脈動防止具付きペットボトル1内の内部液体20の液面20aよりも上側に存在する脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30の領域に直接連通させた状態で外部の空気がスムーズに送り込まれ、内部液体20が吐出される際の脈動の発生を確実に防止することが可能であるとともに、内部液体20を注ぐ場合に、ペットボトル本体3を任意の方向に傾動させても、脈動を起こさずに内部液体20を注ぐことが可能であるという効果を奏することができる。
なお、内部液体20を急いで吐出させるために、ペットボトル本体3を、いずれか任意の方向に傾動させる操作を急激に行った場合、全ての細径管10が、脈動防止具付きペットボトル1内の内部液体20の液面20aよりも低い位置になり、脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30の領域に直接連通した細径管10が存在しない状態が発生することもあり得る。
しかしながら、かかる状態が発生した場合であっても、前述したように、細径管10の口径は、注ぎ口2の中央部に形成されている液体流路12の口径に比し十分に小さいものであり、内部液体20の殆どは、液体流路12を介して吐出されることになり、各細径管10を介して吐出されることは殆どない。一方、外部の空気が細径管10に連続的に流入してきても、細径管10の口径は小さいので、流入してくる空気の塊は小さな大きさのものであり、細径管10から内部液体20内に流れ出る空気は、連続的な小さな気泡になって、脈動防止具付きペットボトル1内の内部空気30の領域まで、内部液体20内を上昇していくことになる。したがって、小さな気泡が、内部液体20の流れの中を移動していき、内部空気30の領域に到達した段階で気泡が小さく弾けて内部空気30となるので、内部液体20の液面20aを大きく脈動させることはなく、内部液体20と内部空気30との入れ替えを安定的に行わせることができ、内部液体20をスムーズに吐出させることができる。
また、以上に説明した実施例においては、脈動防止具付きペットボトル1として、脈動防止具10Gを形成する多数の細径管10がペットボトルと一体成形されている場合を示したが、場合によっては、円環状に形成した多数の細径管10からなる脈動防止具を、脈動防止具単体10Gとして、ペットボトルと分離して、独立に成形しておき、ペットボトルの内部液体を吐出させようとする際に、必要に応じて、当該ペットボトルの注ぎ口に脈動防止具単体10Gを嵌着するようにしても良い。
かくのごとく、脈動防止具単体10G1として多数の細径管10からなる円環状の部材をペットボトルと別構造物として、ペットボトルの注ぎ口に嵌着自在な構造とする場合、例えば、図のような複数の突起部10cを、脈動防止具単体10G1を形成する多数の細径管10のうち、適当な間隔ごとの複数本の細径管10について、当該細径管10それぞれの注ぎ口頂端面2cの外周側に向かって延在させるように付設するようにしても良い。ここに、図は、本発明に係る脈動防止具を単体としてペットボトルと分離して用意する場合の脈動防止具単体の構造の一例を示す構造図であり、図(A)は、上側から眺めた平面図であり、図(B)は側断面図であり、いずれも、ペットボトルに脈動防止具単体10G1を嵌着した状態を示している。
(A)の平面図に示すように、脈動防止具単体10G1を形成する複数本の細径管10のうち、適当な間隔ごとに配置されている細径管10の注ぎ口頂端面2cから外周方向に向かって延在させた突起部10cが形成されており、脈動防止具単体10G1をペットボトルの注ぎ口に嵌着した際に、突起部10cがペットボトルの注ぎ口2の注ぎ口頂端面2cに係止された状態になるまで嵌挿することによって、脈動防止具単体10G1をペットボトルの注ぎ口2の正しい位置に嵌着させることができる。
また、図(B)の側断面図に示すように、脈動防止具単体10G1を形成する複数本の細径管10それぞれの長手方向の形状は、図2の場合とは異なり、各細径管10の底端面10bによって形成される円環の口径DBが、各細径管10の頂端面10aが形成する円環の口径D(ペットボトルの注ぎ口2の注ぎ口頂端面2cおよび注ぎ口底端面2dの内径に等しい)よりも、幅gだけ小さくなるように、各細径管10の底端面10bを、前記円環の内周側に若干傾斜させた形状としている。
つまり、脈動防止具単体10Gをペットボトルの注ぎ口2に嵌着しようとする場合、ペットボトルの注ぎ口2の注ぎ口頂端面2cの口径よりも幅gだけ小さい口径とした脈動防止具単体10Gの底端面は、注ぎ口2から容易に嵌挿させることができる。また、正しい取り付け位置まで嵌着されて、複数の突起部10cが注ぎ口頂端面2cにそれぞれ係止された状態に達した際には、口径が注ぎ口頂端面2cの口径Dと略等しい脈動防止具単体10Gの頂端面が注ぎ口頂端面2cに押し付けられた状態で面接して、両者の間に空隙がない密着した状態になり、注ぎ口2の中央部に位置する液体流路から内部液体の殆どを吐出させることができる。ここで、脈動防止具単体10Gの頂端面の口径つまり各細径管10の頂端面10aによって形成される円環の口径を、注ぎ口頂端面2cの内径Dよりも若干大きくするようにしても良く、かかる場合には、脈動防止具単体10Gを正しく嵌着した際に、脈動防止具単体10Gの頂端面と注ぎ口頂端面2cとの密着性をさらに向上させることができる。
さらに、図(B)の側断面図に示すように、ペットボトルの注ぎ口2に嵌着された状態では、脈動防止具単体10G1の突起部10cは、注ぎ口頂端面2cの上方に突出した状態になっており、ペットボトルの注ぎ口2から脈動防止具単体10G1を取り外す際に、突出している突起部10cを摘んで引き出すようにすれば、ペットボトルの注ぎ口2から脈動防止具単体10G1を容易に取り外すことができる。
かくのごとく、ペットボトルと別構造物として、ペットボトルの注ぎ口に嵌着自在な構造の脈動防止具単体10Gを用意することにより、例えば、コンビニ等の飲料販売現場で、おまけ商品として、ペットボトルに付けてサービスするといった利用も可能になる。
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
なお、以上には本発明をペットボトルに適用する実施例を挙げて詳しく説明した。しかしながら、本発明はペットボトルだけでなく、容器本体に比べ小さい径の注ぎ口を備える液体容器、例えば日本酒用の一升瓶、ワイン用ボトル、ジュース、牛乳、酒等用の紙容器などにも適用できることは勿論である。
本発明に係る脈動防止具付きペットボトルの構造の一例を示す斜視図である。 図1に示す脈動防止具付きペットボトルの構造を説明するための構造図である。 図1に示す脈動防止具付きペットボトルの内部液体を吐出させる際の様子を示す説明図である。 本発明に係る脈動防止具を単体としてペットボトルと分離して用意する場合の脈動防止具単体の構造の一例を示す構造図である。 従来のペットボトル用注ぎ水脈動防止具の構造を示す断面図である。 従来のペットボトル用注ぎ口の偏芯構造を示す断面図である。
符号の説明
1 脈動防止具付きペットボトル
1′ ペットボトル
2 注ぎ口
2a 注ぎ口内壁
2b 注ぎ口外壁
2c 注ぎ口頂端面
2d 注ぎ口底端面
2e 注ぎ口ネジ部
3 ペットボトル本体
3a 本体内壁
3b 本体外壁
3c 本体頂端面
3d 本体底端面
4 ペットボトル傾斜面部
4a 傾斜面部内壁
4b 傾斜面部外壁
10 細径管
10a 頂端面
10b,10b1 底端面
10c 突起部
10G 脈動防止具
10G1 脈動防止具単体
11 空気流路
12 液体流路
20 内部液体
20a 液面
30 内部空気
50 屈曲管状空気路

Claims (5)

  1. 注ぎ口から吐出される内部の液体が脈動するのを防ぐ脈動防止具を有し、
    前記脈動防止具は、複数本の真直ぐな細径管を円環状に配列し、全ての該細径管の外側を前記注ぎ口の内側に接触させ、隣り合う該細径管の外側を互いに接触させて形成してあり、
    前記細径管の口径は前記注ぎ口の口径の1/10〜3/20であり
    複数本の前記細径管の軸は、前記注ぎ口の軸に平行であり、
    各前記細径管の長さ、前記注ぎ口の頂端面から底端面までの長さと略等しく、
    各前記細径管の頂端面、前記注ぎ口の頂端面と同一平面上に位置するように配設される
    ことを特徴とする脈動防止具付きペットボトル。
  2. 各前記細径管の底端面の形状を、当該脈動防止具付きペットボトルの中心軸側に位置する部位を最低部とし、当該脈動防止具付きペットボトルの外周側に位置する部位を最高部とした傾斜形状とすることを特徴とする請求項1に記載の脈動防止具付きペットボトル。
  3. 複数本の真直ぐな細径管を円環状に配列し、隣り合う該細径管における少なくとも頂端部の外側を互いに接触させて形成してあり、液体容器の注ぎ口に嵌挿され、該注ぎ口から吐出される内部の液体が脈動するのを防ぐ脈動防止具であって、
    前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたとき、全ての該細径管の外側における少なくとも頂端部は、前記注ぎ口の頂端部の内側に接触し、
    複数本の前記細径管の軸は、前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたとき、前記注ぎ口の軸に平行であるか、または該注ぎ口の底端部側において該注ぎ口の軸側に寄るように僅かに傾斜し、
    前記細径管の口径は前記注ぎ口の口径の1/10〜3/20であり
    各前記細径管の長さは、前記注ぎ口の頂端面から底端面までの長さと略等しい
    ことを特徴とする脈動防止具。
  4. 前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたとき、該注ぎ口頂端面側に張り出すように延在る突起部が前記細径管に設けてあることを特徴とする請求項3に記載の脈動防止具。
  5. 前記液体容器の注ぎ口に嵌挿されたときにおける前記細径管の頂端部の外側と該注ぎ口との密着性が向上するように、前記円環状をなす複数本の該細径管の頂端部における外側の径が前記注ぎ口の径より僅かに大きくしてあることを特徴とする請求項3または4のいずれか一方に記載の脈動防止具。
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