JP5133161B2 - 大豆油を含有するマヨネーズ様調味料 - Google Patents

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Description

本発明は、大豆油を含有するマヨネーズ様調味料において、保存中にも作りたての風味が維持され、特に酸化による風味の劣化が顕著に抑制されたマヨネーズ様調味料に関する。
従来より、脂質の含有量が高い食品は、脂質が酸化することによって保存中に風味が劣化することが知られている。また、上記のような食品のなかでも、植物油を多く含む食品は、特に光が当たることにより起こる酸化(光化学的酸化)によって、不快臭を発生させることが知られており、中でも大豆油を含む食品はそれが顕著に現れる。したがって、植物油の含有量が高く、透明容器に充填されるマヨネーズやドレッシングのような酸性調味料においては、特に前記課題を解決する必要性が高かった。
上記のような、酸化による風味の劣化が抑制された酸性調味料として、本出願人は、酸素吸収性樹脂層および酸素バリヤ性樹脂層を有する可撓性多層樹脂製容器に充填された水中油型乳化状食品を開発し、すでに特許出願している(特許文献1)。さらに、前記水中油型乳化状食品の脂質中のクロロフィル量を200ppb以下とすることにより、さらに酸化が抑制された品位の良好な水中油型乳化状食品が得られることについても明らかにした。また、特許文献2のように、植物性油脂中のクロロフィル含量を0.1ppm以下とし、紫外線吸収剤が添加された包装容器に収容された食用油脂製品についてもすでに知られている。
しかしながら、前記のような特殊な容器(特定の可撓性多層樹脂製容器や、紫外線吸収剤が添加された包装容器)は、汎用的な容器ではないため、一般的な食品に広く応用できる技術がさらに求められていた。また、前記のような特殊な容器を使用しない場合には、食品に含まれる脂質中のクロロフィル類の含有量を200ppb以下、あるいは0.1ppm(100ppb)以下としても、風味劣化の抑制効果は、十分なものであるとは言い難かった。
また、脂質の含有量が高い食品は、光化学的酸化とは別に、暗所で長時間保存することでもラジカル連鎖反応(自動酸化)により風味劣化を引き起こすことも知られている。自動酸化も植物油を多く含む食品で顕著に見られる劣化反応であるが、光化学的酸化の場合とは異なり、クロロフィル類の含有量が多いほど抑制され、クロロフィル類の含有量が少ないほど促進されることがわかっている(非特許文献1)。つまり、マヨネーズやドレッシングのような脂質の含有量が高い食品で、特にその脂質の一部が大豆油であり、かつ賞味期間の長い食品においては、光化学的酸化に加えて自動酸化による風味劣化も考慮する必要がある。酸化の抑制方法として、海外ではエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有させることが多く行われているが、日本では食品衛生法により缶詰又は瓶詰食品以外での使用は認められていない。したがって、前記のような食品において、長期保存中にも良好な品位を保つためには、そのクロロフィル類の含有量を厳密にコントロールすることが求められるが、光化学的酸化反応および自動酸化反応の両方を効果的に抑制するというクロロフィルの含有量については、これまで報告されていない。
一方、脂質中のクロロフィル類の含有量を測定する方法としては、「基準油脂分析試験法 暫5−2000 クロロフィル類(高速液体クロマトグラフ法)」(「植物油脂中のクロロフィル類の高速液体クロマトグラフィーによる定量法の確立と合同実験結果」、日本油化学会誌 第47巻、第11号(1998)参照)や、「基準油脂分析試験法 参2.9−1996 クロロフィル」(吸光度法)等が知られているが、これらの分析方法のクロロフィル類の検出限界は10ppb程度である。したがって、前記のように、光化学的酸化反応および自動酸化反応の両方が効果的に抑制され、長期保存中にも風味が劣化し難い脂質を得るために、クロロフィル類の含量が厳密にコントロールされた脂質を調製しようとしても、従来の脂質に比べてクロロフィル類が低減された脂質のクロロフィル含量を定量するにふさわしい分析方法が存在しなかった。
特開2006−69673号公報 特開平7−322819号公報 AntioxidantEffects of Chlorophyll and Pheophytin on the Autoxidation of Oils in the Dark.1.Comparisonof the inhibitory Effects JAOCS, Vol.62, No.9 (September 1985)
そこで、本発明の目的は、従来大豆油を含有するマヨネーズ様調味料にみられた酸化による風味の劣化が顕著に抑制されたマヨネーズ様調味料を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、大豆油を含有する酸性調味料に使用される植物油中のクロロフィル類の含量を、従来の食品に使用されていた範囲よりも低減し、さらに特定の分析方法により得られた値が特定の範囲の植物油を使用することにより、意外にも、酸化が抑制され、長期の保存中にも風味が良好な酸性調味料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)大豆油を含有する酸性調味料であって、前記酸性調味料中に含まれるクロロフィル類を以下の(a)〜(d)の手順を経て測定した値が、フェオフィチンa換算で10〜550ppbである、酸性調味料、
(a)酸性調味料から脂質を分離する。
(b)中心波長460nm、半値幅40nmのバンドパスフィルタを励起部に有し、かつ、665nm以上の光を透過する短波長カットフィルタを検出部に有するフィルタ式蛍光光度計にて、前記脂質を測定する。
(c)前記フィルタ式蛍光光度計にて、(b)記載の条件にて0ppbおよび700ppbのフェオフィチンa標準液(アセトン溶液)を測定し、フェオフィチンaの検量線を作成する。
(d)(b)の測定値から、(c)より求めた検量線より、脂質中のフェオフィチンa含有量として算出する。
(2)前記酸性調味料が水中油型乳化状調味料である、(1)の酸性調味料、
(3)前記酸性調味料がマヨネーズ様調味料である、(1)又は(2)の酸性調味料、
(4)前記酸性調味料中の脂質含量が10〜90%である、(1)乃至(3)の酸性調味料、
(5)前記酸性調味料中の脂肪酸組成がステアリン酸2〜5%、リノール酸20〜55%、リノレン酸2〜10%である、請求項1乃至4記載の酸性調味料。
(6)植物油中のクロロフィル類を以下の(a)〜(c)の手順を経て測定することによる、植物油の品質管理方法、
(a)中心波長460nm、半値幅40nmのフィルタを励起部に有し、かつ、665nm以上の光を透過する短波長カットフィルタを検出部に有するフィルタ式蛍光光度計にて植物油を測定する。
(b)前記フィルタ式蛍光光度計にて、(a)記載の条件にて0ppbおよび700ppbのフェオフィチンa標準液(アセトン溶液)を測定し、フェオフィチンaの検量線を作成する。
(c)(a)の測定値から、(b)より求めた検量線より、脂質中のフェオフィチンa含有量として算出する。
である。
上記酸性調味料によれば、クロロフィル類の含有量が従来の植物油よりも低減され、さらに一定の範囲内とした大豆油を使用することにより、長期保存中にも風味の変化が少ない酸性調味料を提供することができる。
例えば、上記手段によれば、長期保存中にも風味の変化が少ない酸性調味料が得られることから、食品の品位向上技術の提供、ならびに、酸性調味料の新たな需要の拡大が期待される。
以下、本発明の一実施形態に係る酸性調味料、ならびに植物油の品質管理方法について説明する。なお、本実施形態において、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明の酸性調味料は、大豆油を含有する。大豆油などの植物油中にはクロロフィル類が含まれており、本発明においては、このクロロフィル類の含量を従来の植物油に対して低減し、さらに特定の範囲の値とすることを特徴とする。
本発明の酸性調味料は、pH3.0〜6.0に調整された調味料であり、例えば、野菜、パスタ類、肉、魚等に用いられる「マヨネーズ様調味料」、「ドレッシング」あるいは「たれ」と一般的に称される調味料をいう。その性状は、例えば、液状、ペースト状、セパレートタイプあるいは乳化タイプ等、特に限定されるものではない。
前記の酸性調味料の中でも、水中油型乳化状調味料は、油の表面積が大きい状態であるため、酸化が起こりやすく、風味の劣化が進行しやすい。したがって、本発明のようにクロロフィル類を従来の油よりも低減し、さらに一定の範囲とすることによって、水中油型乳化状調味料の保存中の風味の劣化を特に効果的に抑制することができる。
また、前記の酸性調味料の中でも、マヨネーズ様調味料は、配合される原料の種類が限られることから風味がシンプルであり、さらに、油の含量が多いことから、風味の劣化が起こると、食した際にその劣化した風味を強く感じる傾向がある。したがって、本発明のようにクロロフィル類を従来の油よりも低減し、さらに一定の範囲とすることによって、マヨネーズ様調味料の保存中の風味の劣化を特に効果的に抑制することができる。
前記のような酸性調味料は、脂質の含量が多いと風味の劣化が起こりやすくなるため、特に脂質含量が10%以上の酸性調味料において、本発明のようにクロロフィル類の含量を従来の油よりも低減し、さらに一定の範囲とすることによって、酸性調味料の保存中の風味の劣化を特に効果的に抑制することができる。なお、酸性調味料中の脂質含量は通常90%以下である。
本発明の酸性調味料に含有される脂質中のクロロフィル類の含量は、以下のように測定することができる。
(a)酸性調味料から脂質を分離する。
(b)中心波長460nm、半値幅40nmのバンドパスフィルタを励起部に有し、かつ、665nm以上の光を透過する短波長カットフィルタを検出部に有するフィルタ式蛍光光度計にて、前記脂質を測定する。
(c)前記フィルタ式蛍光光度計にて、(b)記載の条件にて0ppbおよび700ppbのフェオフィチンa標準液(アセトン溶液)を測定し、フェオフィチンaの検量線を作成する。
(d)(b)の測定値から、(c)より求めた検量線より、脂質中のフェオフィチンa含有量として算出する。
前記方法により酸性調味料に含まれるクロロフィル類を測定することによって、従来知られた「基準油脂分析試験法 暫5−2000 クロロフィル類(高速液体クロマトグラフ法)」(「植物油脂中のクロロフィル類の高速液体クロマトグラフィーによる定量法の確立と合同実験結果」、日本油化学会誌 第47巻、第11号(1998)参照)や、「基準油脂分析試験法 参2.9−1996 クロロフィル」(吸光度法)等の方法による測定値と比較して、測定値が高くなるという特徴がある。
一般に、クロロフィル類とは、クロロフィルa、クロロフィルb、フェオフィチンa、フェオフィチンb、ピロフェオフィチンa、ピロフェオフィチンbなどの混合物をいう。植物油の原料である油糧種子中に含まれるクロロフィル類は、クロロフィルa、クロロフィルbが主体であり、その他のクロロフィル類はほとんど含まれていない。しかし、前記油糧種子からの植物油の抽出あるいは精製の工程を経ることにより化学構造が変化し、フェオフィチンaを主体にした種々のクロロフィル類が混在した系に変わる。本発明においてクロロフィル類とは、中心波長460nm、半値幅40nmのバンドパスフィルタを励起部に有し、かつ、665nm以上の光を透過する短波長カットフィルタを検出部に有するフィルタ式蛍光光度計で検出された成分全てのことをいい、一般的なクロロフィル類以外に色素等の夾雑物も含んでいると推察される。
前記した、従来知られた高速液体クロマトグラフ法においても、蛍光検出器を使用しているが、本発明のフィルタ式蛍光検出器によるクロロフィル類の測定法と異なり、励起波長(420nm)および検出波長(660nm)が、それぞれ一点に固定されている。一方、本発明のフィルタ式蛍光検出器によるクロロフィル類の測定法は、励起波長を中心波長460nm(半値幅40nm)、検出波長を665nm以上というように設定し、光に幅を持たせているため、精製植物油中に特に多く含まれるフェオフィチンaのみならず、微量に混在し酸化に影響を与える他のクロロフィル類など、波長の範囲に入る物質全てを幅広く測定している。従って、従来の高速クロマトグラフ法や吸光度法による測定値と比較して、前記フィルタ式蛍光検出器によるクロロフィル類の測定法により得られた植物油中のクロロフィル含量の数値は大きくなる傾向があり、例えば、従来の高速液体クロマトグラフ法にて測定されたクロロフィル類の値が200ppbである大豆油は、前記した本発明による測定法による分析では、3,500ppb程度となる。従来の高速液体クロマトグラフ法は、クロロフィル類の分離を行うことで個々の成分の定量もできるが、操作が煩雑である。本発明による測定法は、各成分の定量はできないが、非常に簡便に極微量なクロロフィル類を測定することが可能である。
前記の酸性調味料からの脂質の分離方法は、脂質が全量分離できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、溶媒による抽出分離や、冷凍による分離等が挙げられる。
前記の測定方法は、一般的なフィルタ式蛍光光度計を使用して行うことができる。フィルタ式蛍光光度計とは、光源、励起側フィルタ、試料室、蛍光側フィルタ、検出器および信号処理装置を備え、フィルタの種類によって励起・放射波長を決定することができる。前記の励起側フィルタおよび蛍光側フィルタの種類を変えることによって、励起光および検出光を調整できることができるが、前記測定方法(b)を満たす市販の測定器としては、ターナーデザイン社製の「アクアフルオ」がある。
本発明の酸性調味料に含有される脂質中のクロロフィル類の含量は、前記フィルタ式蛍光光度計を使用し、前記方法にて測定した値が、フェオフィチンa換算で10〜550ppbの範囲である。クロロフィル類の含量が上記範囲を超えると、酸性調味料の保存中に酸化による風味の劣化が起こり易く、好ましくない。また、クロロフィル類の含量が上記範囲未満であっても、同様である。一般的に、脂質中のクロロフィル類の含量が高いことにより、光化学的酸化が促進されると言われており、光が当たる環境下では、脂質中の光化学的酸化反応は自動酸化反応に優先して進行し、酸化反応の速度も、光化学的酸化のほうが速い。一方、暗所では、光化学的酸化反応は起こらず自動酸化反応のみが進行するが、クロロフィル類が存在することにより、自動酸化反応の進行を抑制することが知られている。したがって、前記の通り、本発明の酸性調味料は、クロロフィル類の含量が上記範囲にあることにより、光化学的酸化および自動酸化の両方が効果的に抑制された結果、保存中に風味の劣化を顕著に抑制することが可能となったと推察される。さらに、上記酸性調味料の風味を良好に保つためには、上記酸性調味料に含有される脂質中のクロロフィル含量を、50〜300ppbとすることが好ましく、100〜200ppbとすることがさらに好ましい。
本発明の酸性調味料には、大豆油の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の原料を含有することができる。例えば、食用油脂、食酢、卵黄、砂糖、食塩、清水、からし粉、香辛料、醤油、各種エキス、調味料、増粘剤、果汁、乳製品等を挙げることができる。
本発明の酸性調味料は、特に大豆油の含有量が高いほど、効果的に保存中の酸化が抑制されることによって、風味の劣化を顕著に抑制することができる。特に、脂質中に大豆油を30%以上含有する酸性調味料において効果的であり、このような酸性調味料中の脂肪酸組成は、ステアリン酸が2〜5%、リノール酸が20〜55%、リノレン酸が2〜10%である。
また、本発明の植物油の品質管理方法は、植物油中のクロロフィル類の含量を、以下の(a)〜(c)の手順を経て測定する方法である。
(a)中心波長460nm、半値幅40nmのフィルタを励起部に有し、かつ、665nm以上の光を透過する短波長カットフィルタを検出部に有するフィルタ式蛍光光度計にて植物油を測定する。
(b)前記フィルタ式蛍光光度計にて、(a)記載の条件にて0ppbおよび700ppbのフェオフィチンa標準液(アセトン溶液)を測定し、フェオフィチンaの検量線を作成する。
(c)(a)の測定値から、(b)より求めた検量線より、脂質中のフェオフィチンa含有量として算出する。
上記方法によって植物油中のクロロフィル類の含量の測定を感度、精度ともに良好に行うことができ、それによってクロロフィル類の値を管理することにより、植物油の良好な品位を良好かつ簡便に維持することが可能となる。なお、上記方法は、一般的に水質検査等の水系で使用されている方法であるが、植物油での使用の報告はこれまでなされていない。
次に、本発明を以下の実施例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例〕
表1の配合割合に準じ、食酢、清水、食塩、辛子粉、グルタミン酸ナトリウムをミキサーにて撹拌して均一とした後、生卵黄、生卵白を添加し、ミキサーにて撹拌して均一とし、その後クロロフィル類の含量が異なる油相原料を注加して粗乳化させた。得られた粗乳化物をコロイドミルで仕上げ乳化を行い、200gの軟質ポリボトルに充填した。油相原料のクロロフィル類の含量の調整は、活性白土(「ガレオンアースV2」、水沢化学工業(株)社製)を用いて行った。
Figure 0005133161
それぞれのマヨネーズについて、以下の手順にて脂質を分離し、クロロフィル類の測定を行った。
得られたマヨネーズをそれぞれ−40℃で1日間保存し、油相と水相が完全に分離していることを確認した後、油相部分をスポイトで一部回収し、クロロフィル類の測定用サンプルとした。
フェオフィチンa(和光純薬工業(株)製、生化学用)を使用して、700ppbのフェオフィチンa標準液(アセトン溶液)を調製し、アセトンおよび前記フェオフィチンa標準液を1.5mL容量のガラス製バイアル瓶(口内径×胴径×全長×肉厚(mm):φ4.5×φ11.7×32×0.9)にそれぞれ充填し、フィルタ式蛍光光度計アクアフルオを使用し、測定した。また、前記測定サンプルについても同様に測定を行った。0ppb(アセトン)および700ppbのフェオフィチンa標準液からフェオフィチンaの検量線を作成し、この検量線から、前記測定サンプル中のクロロフィル類の含量を、フェオフィチンaに換算して算出した。
実施例および比較例のそれぞれのマヨネーズ類に含まれるクロロフィル類は、フェオフィチンaに換算した結果、表2のようになった。
Figure 0005133161
脂肪酸組成は、クロロフィルの含量を調整する前の油相原料を使用して「基準油脂分析試験法 2.4.1.2−1996 メチルエステル化法(三フッ化ホウ素メタノール法)」に準じて調製したメチルエステルを水素炎イオン化検出器(FID)を備えた昇温ガスクロマトグラフを用い、「基準油脂分析試験法 2.4.2.2−1996 脂肪酸組成(FID昇温ガスロマトグラフ法)」に準じ、求めた。
これらマヨネーズの脂肪酸組成は、ステアリン酸2.3%、リノール酸31.1%、リノレン酸9.9%であった。
実施例1〜4、比較例1、2で得られた軟質ポリボトル入りマヨネーズを、それぞれ以下2種類の条件で保存した。
(1)800ルクス、25℃、3週間
(2)暗所、35℃、7週間
上記条件で保存した後、専門パネル7名により、それぞれのマヨネーズの口部から10%を取り、これらの風味について評価を行った。評価は、酸化臭を強く感じた(5点)、酸化臭をほとんど感じなかった(1点)とし、5段階で評価した(1点〜5点)。それぞれの平均点について、表3にまとめた。
Figure 0005133161
上記の結果より、保存条件(1)の明所での結果は、実施例1〜3および比較例1のマヨネーズが特に風味が優れ、保存条件(2)の暗所での保存後の結果は、実施例3、4および比較例2のマヨネーズが特に風味に優れていることがわかる。また、比較例1のマヨネーズは保存条件(2)での風味が劣化しており、比較例2のマヨネーズは保存条件(1)での風味が劣化していた。
実施例1〜4のマヨネーズは、保存条件(1)および(2)のいずれにおいても、保存後の風味の劣化が少ないが、特に実施例2、3のマヨネーズが、保存後の風味の劣化が少なく、良好な品位であると評価された。
以上より、実施例1〜4記載の本発明の酸性調味料(マヨネーズ)は、明所および暗所での保存後において、いずれも、風味の劣化が効果的に抑制されていることがわかる。
なお、詳細は記載しないが、表1のマヨネーズの配合において、油相原料として大豆油を使用せず、全量を菜種油(クロロフィル類の含量:本発明の植物油の品質管理方法にて分析した値が、フェオフィチンa換算で832ppbである)とした場合には、明所での保存(800ルクス、25℃、3週間)後にも風味の劣化はごくわずかであった。なお、この場合の脂肪酸組成は、ステアリン酸1.6%、リノール酸21.3%、リノレン酸11.2%であった。
以上より、本発明の酸性調味料は、本発明の植物油の品質管理方法にてクロロフィル類を特定の範囲とした植物油を使用し、さらに大豆油を含有する酸性調味料において、特に長期保存中の風味劣化を効果的に抑制できることがわかる。

Claims (1)

  1. 大豆油を含有するマヨネーズ様調味料であって、
    前記マヨネーズ様調味料中の脂質含量が10〜90%であり、
    前記マヨネーズ様調味料中の脂肪酸組成がステアリン酸2〜5%、リノール酸20〜55%、リノレン酸2〜10%であり、
    前記マヨネーズ様調味料中に含まれるクロロフィル類を以下の(a)〜(d)の手順を経て測定した値が、フェオフィチンa換算で13〜145ppbである、マヨネーズ様調味料。
    (a)マヨネーズ様調味料から脂質を分離する。
    (b)中心波長460nm、半値幅40nmのバンドパスフィルタを励起部に有し、かつ、665nm以上の光を透過する短波長カットフィルタを検出部に有するフィルタ式蛍光光度計にて、前記脂質を測定する。
    (c)前記フィルタ式蛍光光度計にて、(b)記載の条件にて、0ppbおよび700ppbのフェオフィチンa標準液(アセトン溶液)を測定し、フェオフィチンaの検量線を作成する。
    (d)(b)の測定値から、(c)より求めた検量線より、脂質中のフェオフィチンa含有量として算出する。
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