以下に本発明の実施の形態を説明する。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図6を用いて、本発明を適用した、表示装置101について説明する。
表示装置101は、コントローラ121、表示部122、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125、および、スキャンドライバ126を含んで構成されている。
コントローラ121は、表示部122に表示させる画像に対応する画像データの入力を受け、画像データを水平ライン単位で分割し、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125にそれぞれ供給する。また、コントローラ121は、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125、および、スキャンドライバ126を制御する。
具体的には、コントローラ121は、1フレームのうちの3N+1(Nは整数であり、0≦N≦[(スキャン行数−1)/3])行目に対応する画像データ信号を、#1データドライバ123に供給し、3N+2行目に対応する画像データ信号を、#2データドライバ124に供給し、3N+3行目に対応する画像データ信号を、#3データドライバ125に供給する。また、コントローラ121は、スキャン開始パルスをスキャンクロックの3倍のパルス幅として、スキャンドライバ126に供給する。スキャンクロックのパルス幅(ON/OFF1周期)は、[1フレームの表示時間/スキャン行数]と等しい。
表示部122は、#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125からの図中垂直方向のデータ配線と、スキャンドライバ126からの図中水平方向のスキャン配線とによって、縦横の格子状に配線が張り巡らされている。そして、データ配線とスキャン配線との交差部分に、複数の発光素子21を有している。表示部122は、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125、および、スキャンドライバ126により駆動される発光素子21の発光により画像を表示する。
表示装置101において、表示部122に備えられている発光素子21は、LEDにより構成されているものとする。LEDを発光素子21として用いた場合、液晶表示素子を用いた場合と比較して、消費電力を低減することが可能となる。
例えば、表示部122がモノクロ表示の場合、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125のそれぞれからのデータ配線数は、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数分である。したがって、表示部122には、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数分の3倍のデータ配線が列状(図6中垂直方向)に設けられている。
また、表示部122がフルカラー表示の場合、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125のそれぞれからのデータ配線数は、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数の3倍となる。すなわち、表示部122には、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数分の3倍の更に3倍のデータ配線が列状(図6中垂直方向)に設けられている。
また、表示部12がモノクロ表示の場合であってもフルカラー表示であっても、水平ライン数分のスキャン配線が行状(図6中水平方向)に設けられ、スキャンドライバ126の出力が接続されている。
そして、表示部122には、モノクロ表示の場合においては画素数分の、フルカラー表示の場合においては、画素数の3倍の発光素子21が設けられ、それぞれの発光素子21は、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125のうちのいずれかの出力が接続された電極と、スキャンドライバ126の出力が接続された電極とを有している。
例えば、表示部122のそれぞれの発光素子21を、行をn、列をmとして区別し、発光素子21−n−mと表現する。具体的には、図6において、表示部122の図中最も上の行に備えられた発光素子21を発光素子21−1−1,発光素子21−1−2,・・・とし、次の行に備えられた発光素子21を発光素子21−2−1,発光素子21−2−2,・・・とし、更に次の行に備えられた発光素子21を発光素子21−3−1,発光素子21−3−2,・・・として表現する。そして、表示部122において、n=1,4,7,10・・・の発光素子21が#1データドライバ123と接続され、n=2,5,8,11・・・の発光素子21が#2データドライバ124と接続され、n=3,6,9,12・・・の発光素子21が#3データドライバ125と接続される。
#1データドライバ123は、図2を用いて説明した従来のデータドライバ13と基本的に同様の構成を有しており、コントローラ121から、1フレームのうちの3N+1行目に対応する画像データ信号の供給を受け、PWM制御により、画像データに対応する電流値を、所定のタイミングで、n=1,4,7,10・・・の発光素子21に供給する。
#2データドライバ124は、図2を用いて説明した従来のデータドライバ13と基本的に同様の構成を有しており、コントローラ121から、1フレームのうちの3N+2行目に対応する画像データ信号の供給を受け、PWM制御により、画像データに対応する電流値を、所定のタイミングで、n=2,5,8,11・・・の発光素子21に供給する。
#3データドライバ125は、図2を用いて説明した従来のデータドライバ13と基本的に同様の構成を有しており、コントローラ121から、1フレームのうちの3N+3行目に対応する画像データ信号の供給を受け、PWM制御により、画像データに対応する電流値を、所定のタイミングで、n=3,6,9,12・・・の発光素子21に供給する。
スキャンドライバ126は、従来のスキャンドライバ14と同様に、水平ライン数と同数のシフトレジスタ61−1乃至シフトレジスタ61−cとスイッチングトランジスタ62−1乃至スイッチングトランジスタ62−cとを含んで構成されている。スキャンドライバ126は、コントローラ121から各フレームの先頭においてスキャン開始パルスの供給を受け、発光素子21のスキャン電極に、3行ずつ、所定のタイミングで所定の電荷を印加する。
すなわち、表示装置101においては、表示部122の発光素子21を、同時に3行発光させる。スキャンドライバ126は、一度に3行分の発光素子21を発光駆動するが、基本的には、各行の発光開始タイミングは、[1フレームの表示時間/スキャン行数]=時間Tずつずれ、各行の1回の発光継続時間は、[(1フレームの表示時間/スキャン行数)×3]=時間3Tとなる。
コントローラ121からスキャンドライバ126には、スキャンクロックの3倍のパルス幅のスキャン開始パルスが供給される。スキャンドライバ126において、シフトレジスタ61−1にスキャン開始パルスのON信号が供給されて、スイッチングトランジスタ62−1がONになり、1行目の発光素子21が、そのときの#1データドライバ123からの出力に基づいて発光する。
そして、1行目の発光開始から時間T経過後、シフトレジスタ61−1は、スキャンクロックに基づいて、シフトレジスタ61−2にスキャン開始パルスに対応するON信号を供給する。このとき、シフトレジスタ61−1に供給されるスキャン開始パルスはまだHi(ON)であるので、スイッチングトランジスタ62−1はONのままである。そして、ON信号をシフトされたシフトレジスタ61−2はスイッチングトランジスタ62−2をONにする。したがって、1行目の発光素子21は、そのときの#1データドライバ123からの出力に基づいて発光し、2行目の発光素子21は、そのときの#2データドライバ124からの出力に基づいて発光する。
そして、2ライン目の発光開始から時間T経過後、シフトレジスタ61−1はシフトレジスタ61−2にスキャン開始パルスに対応するON信号を供給し、シフトレジスタ61−2はシフトレジスタ61−3にスキャン開始パルスに対応するON信号を供給する。このとき、シフトレジスタ61−1およびシフトレジスタ61−2に供給されるスキャン開始パルスはまだHi(ON)であるので、スイッチングトランジスタ62−1およびスイッチングトランジスタ62−2はONのままである。そして、ON信号をシフトされたシフトレジスタ61−3はスイッチングトランジスタ62−3をONにする。したがって、そのときの#1データドライバ123からの出力に基づいて1行目の発光素子21が発光し、#2データドライバ124からの出力に基づいて2行目の発光素子21が発光するとともに、そのときの#3データドライバ125からの出力に基づいて3行目の発光素子21が発光する。
そして、図7に示されるように、シフトレジスタ61−1乃至61−3の3つがONになっている状態、換言すれば、1行目乃至3行目が発光している状態になってから時間T経過後、シフトレジスタ61−1はシフトレジスタ61−2にスキャン開始パルスに対応するON信号を供給し、シフトレジスタ61−2はシフトレジスタ61−3にスキャン開始パルスに対応するON信号を供給し、更に、シフトレジスタ61−3は、シフトレジスタ61−4にスキャン開始パルスに対応するON信号を供給する。そして、ON信号をシフトされたシフトレジスタ61−4はスイッチングトランジスタ62−4をONにする。このとき、シフトレジスタ61−2およびシフトレジスタ61−3に供給されるスキャン開始パルスはまだHi(ON)であるので、スイッチングトランジスタ62−2およびスイッチングトランジスタ62−3はONのままであるが、シフトレジスタ61−1に供給されるスキャン開始パルスがLow(OFF)に変化するので、スイッチングトランジスタ62−1はOFFになる。
そして、それ以降、時間T=[1フレームの表示時間/スキャン行数]経過ごとに、次のラインのシフトレジスタ61が対応するスイッチングトランジスタ62をONし、発光しているうちの最上段のシフトレジスタ61が対応するスイッチングトランジスタ62をOFFする動作が繰り返される。
すなわち、各スイッチングトランジスタ62のON時間、換言すれば、各ラインの発光素子21の発光時間は、3Tとなる。また、各スイッチングトランジスタ62がONとなるタイミング、換言すれば、各ラインの発光素子21の発光開始時刻は、それぞれ、Tずつずれる。
このようにシフトレジスタ61のON/OFFを行った場合の各ラインの発光タイミングを図8に示す。
図8に示されるように、スキャン開始パルスが発生された後、スキャンクロックにより制御されるタイミングに基づいて、時刻t1に1ライン目の発光が開始され、このとき、#1データドライバ123から、1ライン目の各画素に対応する画像データ信号が出力される。そして、時刻t2に2ライン目の発光が開始され、このとき、#2データドライバ124から、2ライン目の各画素に対応する画像データ信号が出力される。そして、時刻t3に3ライン目の発光が開始され、このとき、#3データドライバ125から、3ライン目の各画素に対応する画像データ信号の出力が開始される。そして、時刻t4に4ライン目の発光が開始されるとともに、1ライン目の発光が終了し、#1データドライバ123から、4ライン目の各画素に対応する画像データ信号が出力される。
そして、図示しない時刻t5に5ライン目の発光が開始されるとともに、2ライン目の発光が終了し、#2データドライバ124から、5ライン目の各画素に対応する画像データ信号の出力が開始され、それ以降、同様に、各行の発光開始から時間T経過後、次の行の発光が開始され、各行の発光開始から時間3T後に、その行の発光が終了し、次の行の発光が開始されるように、シフトレジスタ61−3乃至シフトレジスタ61−cに、スキャン開始パルスに対応するON信号がシフトされる。
このように、表示装置101においては、連続するラインが常に3行ずつ発光し、各行の発光開始タイミングは、[1フレームの表示時間/スキャン行数]ずつずれるようになされるので、1フレームを表示するための応答時間は図3を用いて説明した従来における場合と同様であるが、各行の1回の発光継続時間は、図3を用いて説明した従来における場合の[1フレームの表示時間/スキャン行数]を時間Tとしたとき、その3倍の3Tとなる。したがって、1行の発光時間がTである場合と比較して、発光時間が長くなった分、各画素の輝度が高くなる。
図9を用いて、コントローラ121から#1データドライバ123、#2データドライバ124、または、#3データドライバ125へのデータ伝送と、各ラインの発光タイミングについて説明する。
コントローラ121から#1データドライバ123へ3N+1(Nは整数であり、0≦N≦[(スキャン行数−1)/3])ライン目の画像データ信号が供給される。上述したように、各ラインの発光開始時刻のずれがT=[1フレームの表示時間/スキャン行数]であり、各ラインの発光時間が3Tであるので、1行のデータ伝送にかかる時間は3T以内であればよい。そして、3N+1ライン目の画像データ信号の伝送開始時刻から時間T経過後に、次の行である3N+2行目のデータがコントローラ121から#2データドライバ124に供給され、さらに時間T経過後に、次の行である3N+3行目のデータがコントローラ121から#3データドライバ125に供給される。
そして、3N+1ライン目の画像データ信号の伝送開始時刻から時間3T経過後の時刻t(3N+1)において、3N+1ライン目が発光されるとともに、3(N+1)+1ライン目の画像データ信号の#1データドライバ123への供給が開始される。そして、3N+2ライン目の画像データ信号の伝送開始時刻から時間3T経過後、すなわち、時刻t3N+1から時間T経過後の時刻t3N+2において、3N+2ライン目が発光されるとともに、3(N+1)+2ライン目の画像データ信号の#2データドライバ124への供給が開始される。時刻t3N+2においては、3N+1ライン目はまだ発光中である。
そして、3N+3ライン目の画像データ信号の伝送開始時刻から時間3T経過後、すなわち、時刻t3N+2から時間T経過後の時刻t3N+3において、3N+3ライン目が発光されるとともに、3(N+1)+3ライン目の画像データ信号の#3データドライバ125への供給が開始される。時刻t3N+3においては、3N+1ライン目および3N+2ライン目はまだ発光中である。そして、3(N+1)+1ライン目の画像データ信号の伝送開始時刻から時間3T経過後、すなわち、時刻t3N+3から時間T経過後の時刻t3(N+1)+1において、3(N+1)+1ライン目が発光されるとともに、3(N+2)+1ライン目の画像データ信号の#1データドライバ123への供給が開始される。時刻t(3N+2)において3N+1ライン目の発光は終了されるが、3N+2ライン目および3N+3ライン目はまだ発光中である。
そして、以下同様にして、各ラインの発光開始時刻が時間Tずつずれ、各ラインの発光時間が3Tとなるように、各ラインが発光され、各ラインの発光開始とともに、発光が開始されたラインより3ライン後のラインに対応する画像データ信号の伝送が開始される。
すなわち、データ信号は、いずれのラインにおいても、従来における場合の1/3の伝送速度でコントローラ121から#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125のいずれかに供給される。そして、コントローラ121からそれぞれのラインのデータ信号が送信される場合の送信開始タイミングのずれは、従来における場合と同様に、時間Tである。これに対して、#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125のそれぞれは、時間3Tごとに1ラインのデータ信号の受信を開始する。
そして、それぞれのラインの発光期間は、従来における場合の3倍の時間3Tである。そして、連続するラインの発光開始時刻のずれは、それぞれのラインの発光期間である時間3Tの1/3である時間Tである。すなわち、連続するラインの発光時間のずれは、従来における場合と同一であるので、1フレームを表示させるための応答時間は、従来における場合と等しい。
以上説明したように、図6に示される表示装置101においては、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125の3つのデータドライバを有しているので、同時に3行の発光素子21を発光させることができる。
また、表示装置101においては、表示部122の各ラインの発光開始タイミングが従来と同様にTずつずれる、すなわち、1フレームの表示のための応答時間が従来と同様である場合、各ラインの発光時間は3倍の長さの3Tとなる。したがって、従来における場合と比較して、輝度が高くなる。したがって、単純マトリクス方式を適用した表示装置101の発光素子としてLEDを用いても、駆動電流値を上げることなく、必要な輝度を得ることが可能となる。また、LEDの駆動電流値を上げなくても良いため、LEDの寿命が長くなる。
また、表示装置101において、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125の3つのデータドライバが、それぞれ、1行分の画像データ信号しかラッチすることができない場合であっても、1行のデータ伝送にかかる時間は3T以内であればよい。したがって、従来における場合と比較して、1ラインに対応する画像信号のデータ伝送速度を下げることができる。
さらに、このような構成を有することにより、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125において実行されるPWM制御の1PWM周期が3倍となる。すなわち、PWMのスイッチング周波数が低くなるため、スイッチング素子の寿命が延び、消費電力が低減され、更に、スイッチングを起因とした電磁妨害(EMI:Electro Magnetic Interference)が発生しにくくなる。また、発光素子21として用いられているLEDのスイッチング回数も減るので、PWM周期が短い場合と比較して、LEDの寿命が長くなる。
また、表示装置101においては、データドライバの数は、例えば、2つであっても4つ以上であっても良く、表示装置101においては、データドライバが備えられている数と同じ行数の発光素子21を同時に発光させることができる。
例えば、同時に発光させる行数をMとした場合、データドライバは並列にM個備えられる。そして、モノクロ表示の表示部には、垂直方向に、水平方向に並べられた画素数のM倍のデータ配線が配置される。また、カラー表示の表示部には、垂直方向に、水平方向に並べられた画素数の3倍の更にM倍のデータ配線が配置される。なお、スキャンドライバからの水平方向のスキャン配線は、1フレームを構成する水平ラインと同数であり、不変である。そして、コントローラからスキャンドライバに供給されるスキャン開始パルスは、スキャンクロックのM倍のパルス幅とされる。これにより、1行の発光素子が時間M×Tの間連続して発光し、連続するラインの発光開始時刻は時間Tずつずれるので、一度にM行のラインが同時に発光される。
次に、図10のフローチャートを参照して、コントローラ121、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125、および、スキャンドライバ126のそれぞれが1フレームの画像を表示部122に表示するにあたって実行する処理とそれぞれの関係について説明する。
ステップS1において、コントローラ121は、表示部122に表示させる画像データの取得を開始し、取得した画像データをラインごとに分割する処理を開始する。
ステップS2において、コントローラ121は、1行目のデータ信号の#1データドライバ123への供給を開始する。
ステップS3において、#1データドライバ123は、ステップS2におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された1行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS4において、コントローラ121は、2行目のデータ信号の#2データドライバ124への供給を開始する。
ステップS5において、#2データドライバ124は、ステップS4におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された2行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS6において、コントローラ121は、3行目のデータ信号の#3データドライバ125への供給を開始する。
ステップS7において、#3データドライバ125は、ステップS6におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された3行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS8において、コントローラ121は、スキャンドライバ126に、スキャン開始パルスを供給する。
ステップS9において、スキャンドライバ126は、コントローラ121が発生したスキャン開始パルスを取得する。
1行目のデータ信号の供給の終了後、ステップS10において、コントローラ121は、4行目のデータ信号の#1データドライバ123への供給を開始する。
ステップS11において、#1データドライバ123は、ステップS3においてラッチ処理が実行された1行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理を行うとともに、ステップS10におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された4行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS12において、スキャンドライバ126は、#1データドライバ123により1行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理が行われるのと同時に、1行目のラインの発光を開始するために、スイッチングトランジスタ62−1をONする。したがって、表示部122に、画像の1行目が表示される。
2行目のデータ信号の供給の終了後、ステップS13において、コントローラ121は、5行目のデータ信号の#2データドライバ124への供給を開始する。
ステップS14において、#2データドライバ124は、ステップS5においてラッチ処理が実行された2行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理を行うとともに、ステップS13におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された5行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS15において、スキャンドライバ126は、#2データドライバ124により2行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理が行われるのと同時に、2行目のラインの発光を開始するために、スイッチングトランジスタ62−2をONする。したがって、表示部122に、画像の1行目および2行目が表示される。
3行目のデータ信号の供給の終了後、ステップS16において、コントローラ121は、6行目のデータ信号の#3データドライバ125への供給を開始する。
ステップS17において、#3データドライバ125は、ステップS7においてラッチ処理が実行された3行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理を行うとともに、ステップS16におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された6行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS18において、スキャンドライバ126は、#3データドライバ125により3行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理が行われるのと同時に、3行目のラインの発光を開始するために、スイッチングトランジスタ62−3をONする。したがって、表示部122に、画像の1行目乃至3行目が表示される。
そして、これ以降、Nを正の整数とし、N=2,3,4・・・として、以下のステップS19乃至ステップS27の処理が、1フレームの表示が終了されるまで繰り返し実行される。なお、N=0の場合の処理は、ここでは、ステップS2乃至ステップS7の処理に対応し、N=1の場合の処理は、ここでは、ステップS10乃至ステップS18の処理に対応する。
すなわち、ステップS19において、コントローラ121は、3N+1行目のデータ信号の#1データドライバ123への供給を開始する。
ステップS20において、#1データドライバ123は、直前にラッチ処理が実行された3(N−1)+1行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理を行うとともに、ステップS19におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された3N+1行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS21において、スキャンドライバ126は、#1データドライバ123により3(N−1)+1行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理が行われるのと同時に、3(N−2)+1行目のラインの発光を終了し、3(N−1)+1行目のラインの発光を開始する。したがって、表示部122に、画像の3(N−1)+1行目が表示される。このとき、3(N−2)+2行目および3(N−2)+3行目も表示されている。
ステップS22において、コントローラ121は、3N+2行目のデータ信号の#2データドライバ124への供給を開始する。
ステップS23において、#2データドライバ124は、直前にラッチ処理が実行された3(N−1)+2行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理を行うとともに、ステップS22におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された3N+2行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS24において、スキャンドライバ126は、#2データドライバ124により3(N−1)+2行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理が行われるのと同時に、3(N−2)+2行目のラインの発光を終了し、3(N−1)+2行目のラインの発光を開始する。したがって、表示部122に、画像の3(N−1)+2行目が表示される。このとき、3(N−2)+3行目および3(N−1)+1行目も表示されている。
ステップS25において、コントローラ121は、3N+3行目のデータ信号の#3データドライバ125への供給を開始する。
ステップS26において、#3データドライバ125は、直前にラッチ処理が実行された3(N−1)+3行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理を行うとともに、ステップS25におけるコントローラ121の処理と並行して、コントローラ121から供給開始された3N+3行目のデータ信号のラッチ処理を開始する。
ステップS27において、スキャンドライバ126は、#3データドライバ125により3(N−1)+3行目の各画素信号に対応する電圧の印可処理が行われるのと同時に、3(N−2)+3行目のラインの発光を終了し、3(N−1)+3行目のラインの発光を開始する。したがって、表示部122に、画像の3(N−1)+3行目が表示される。このとき、3(N−1)+1行目および3(N−1)+2行目も表示されている。
そして、1フレームの表示が終了するまで、ステップS19乃至ステップS27の処理が繰り返され、上述した処理が、画像の表示処理が終了するまで繰り返される。
このような処理により、発光開始のタイミングをずらしつつ、連続する3ラインが発光され、それぞれの発光時間が従来における場合よりも長くなるので、発光素子21として用いられるLEDの駆動電流値を上げることなく表示部122の輝度が高くなる。また、それぞれの発光素子の輝度を調整するためのPWM制御における1PWM周期が長くなるので、発光素子21として用いられるLEDの寿命が長くなり、電磁妨害が発生しにくくなる。
次に、図11のフローチャートを参照して、コントローラ121の処理について説明する。
ステップS51において、コントローラ121は、画像データの取得と、画像データを1ラインごとに分割する処理を開始する。
ステップS52において、コントローラ121は、処理中のデータが1フレームのうちのいずれのラインであるかを示す値Nを初期化して、N=0とする。
ステップS53において、コントローラ121は、3N+1行目のデータ信号の#1データドライバ123への供給を開始する。
ステップS54において、コントローラ121は、ステップS53におけるデータ信号の#1データドライバ123への供給の開始から、所定の第1のカウント値である[1フレームの表示時間/スキャン行数]=時間Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS54において、第1のカウント値がカウントされていないと判断された場合、第1のカウント値がカウントされたと判断されるまで、ステップS54の処理が繰り返される。
ステップS54において、第1のカウント値がカウントされたと判断された場合、ステップS55において、コントローラ121は、3N+2行目のデータ信号の#2データドライバ124への供給を開始する。
ステップS56において、コントローラ121は、ステップS55におけるデータ信号の#2データドライバ124への供給の開始から、所定の第1のカウント値である時間Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS56において、第1のカウント値がカウントされていないと判断された場合、第1のカウント値がカウントされたと判断されるまで、ステップS56の処理が繰り返される。
ステップS56において、第1のカウント値がカウントされたと判断された場合、ステップS57において、コントローラ121は、3N+3行目のデータ信号の#3データドライバ125への供給を開始する。
ステップS58において、コントローラ121は、ステップS57におけるデータ信号の#3データドライバ125への供給の開始から、所定の第1のカウント値である時間Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS58において、第1のカウント値がカウントされていないと判断された場合、第1のカウント値がカウントされたと判断されるまで、ステップS58の処理が繰り返される。
ステップS58において、第1のカウント値がカウントされたと判断された場合、ステップS59において、コントローラ121は、処理中のデータに対応するラインを示す値Nをインクリメントする。
ステップS60において、コントローラ121は、ラインを示す値NがN=1であるか否かを判断する。
ステップS60において、N=1であると判断された場合、ステップS61において、コントローラ121は、スキャンドライバ126に、スキャンクロックの3倍のパルス幅のスキャン開始パルスを供給する。
ステップS60において、N=1ではないと判断された場合、または、ステップS61の処理の終了後、ステップS62において、コントローラ121は、1フレーム分の表示が終了したか否かを判断する。ステップS62において、1フレーム分の表示が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS53に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS62において、1フレーム分の表示が終了したと判断された場合、ステップS63において、コントローラ121は、画像表示処理が終了されるか否かを判断する。ステップS63において、画像表示処理が終了されないと判断された場合、処理は、ステップS52に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS63において、画像表示処理が終了されたと判断された場合、処理は終了される。
このような処理により、複数のデータドライバ(#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125)に、時間3T以内に1ラインずつのデータが供給される。すなわち、それぞれのデータ転送速度は、従来における場合の1/3でよい。また、スキャンドライバ126に、スキャンクロックの3倍のパルス幅のスキャン開始パルスが供給される。
次に、図12のフローチャートを参照して、スキャンドライバ126の処理について説明する。
ステップS91において、スキャンドライバ126は、コントローラ121からスキャンクロックの3倍のパルス幅のスキャン開始パルスを取得する。このスキャン開始パルスは、図11を用いて説明したコントローラ121の処理のステップS61においてコントローラ121がスキャンドライバ126に供給したものである。
ステップS92において、スキャンドライバ126は、処理中のデータが1フレームのうちのいずれのラインであるかを示す値Nを初期化してN=0とする。
ステップS93において、スキャンドライバ126は、3(N−1)+1行目のライン、または、前のフレームにおいて#1データドライバ123による最後のラインのデータを表示している3×α+1行目のラインの発光を終了し、3N+1行目のラインの発光を開始する。ここで、αの値は、1フレームを構成するラインの数によって異なる。
なお、N=0の場合、3(N−1)+1行目のラインは存在しないので、表示中のフレームが1フレーム目であるときは、スキャンドライバ126は、いずれのラインの発光も終了しないが、表示中のフレームが2フレーム目以降であるとき、スキャンドライバ126は、前のフレームの3×α+1行目のラインの発光を終了する。そして、N≧1の場合、3(N−1)+1行目のラインは存在するので、スキャンドライバ126は、そのフレームの3(N−1)+1行目のラインの発光を終了させる。
ステップS94において、スキャンドライバ126は、ステップS93において3N+1行目のラインの発光を開始してから、所定の第1のカウント値である[1フレームの表示時間/スキャン行数]=時間Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS94において所定の第1のカウント値がカウントされていないと判断された場合、所定の第1のカウント値がカウントされたと判断されるまで、ステップS94の処理が繰り返される。
ステップS94において所定の第1のカウント値がカウントされたと判断された場合、ステップS95において、スキャンドライバ126は、3(N−1)+2行目のライン、または、前のフレームにおいて#2データドライバ124による最後のラインのデータを表示している3×α+2行目のラインの発光を終了し、3N+2行目のラインの発光を開始する。なお、N=0の場合、3(N−1)+2行目のラインは存在しないので、表示中のフレームが1フレーム目であるときは、スキャンドライバ126は、いずれのラインの発光も終了しないが、表示中のフレームが2フレーム目以降であるとき、スキャンドライバ126は、前のフレームの3×α+2行目のラインの発光を終了する。そして、N≧1の場合、3(N−1)+2行目のラインは存在するので、スキャンドライバ126は、そのフレームの3(N−1)+2行目のラインの発光を終了させる。
ステップS96において、スキャンドライバ126は、ステップS95において3N+2行目のラインの発光を開始してから、所定の第1のカウント値である時間Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS96において所定の第1のカウント値がカウントされていないと判断された場合、所定の第1のカウント値がカウントされたと判断されるまで、ステップS96の処理が繰り返される。
ステップS96において所定の第1のカウント値がカウントされたと判断された場合、ステップS97において、スキャンドライバ126は、3(N−1)+3行目のライン、または、前のフレームにおいて#3データドライバ125による最後のラインのデータを表示している3×α+3行目のラインの発光を終了し、3N+3行目のラインの発光を開始する。なお、N=0の場合、3(N−1)+3行目のラインは存在しないので、表示中のフレームが1フレーム目であるときは、スキャンドライバ126は、いずれのラインの発光も終了しないが、表示中のフレームが2フレーム目以降であるとき、スキャンドライバ126は、前のフレームの3×α+3行目のラインの発光を終了する。そして、N≧1の場合、3(N−1)+3行目のラインは存在するので、スキャンドライバ126は、そのフレームの3(N−1)+3行目のラインの発光を終了させる。
ステップS98において、スキャンドライバ126は、ステップS97において3N+3行目のラインの発光を開始してから、所定の第1のカウント値である時間Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS98において所定の第1のカウント値がカウントされていないと判断された場合、所定の第1のカウント値がカウントされたと判断されるまで、ステップS98の処理が繰り返される。
ステップS98において所定の第1のカウント値がカウントされたと判断された場合、ステップS99において、スキャンドライバ126は、処理中のデータに対応するラインを示す値Nをインクリメントする。
ステップS100において、スキャンドライバ126は、1フレーム分の表示が終了したか否かを判断する。ステップS100において、1フレーム分の表示が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS93に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS100において、1フレーム分の表示が終了したと判断された場合、ステップS101において、スキャンドライバ126は、画像表示処理が終了されるか否かを判断する。ステップS101において、画像表示処理が終了されないと判断された場合、処理は、ステップS92に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS101において、画像表示処理が終了されると判断された場合、処理は終了される。
このような処理により、発光開始のタイミングを時間Tずつずらしつつ、連続する3ラインが発光される。そして、それぞれのラインの発光時間が従来における場合よりも3倍長くなるので、単純マトリクス方式を適用した表示装置101の発光素子としてLEDを用いても、駆動電流値を上げることなく、必要な輝度を得ることが可能となる。また、LEDの駆動電流値を上げなくても良いため、LEDの寿命が長くなる。また、発光素子21として用いられているLEDのスイッチング回数も減るので、PWM周期が短い場合と比較して、電磁妨害の発生を抑制することができ、更に、LEDの寿命が長くなる。
次に、図13のフローチャートを参照して、#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125の処理について説明する。なお、ここでは、代表して、#1データドライバ123が実行する処理について説明するが、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125の処理も基本的に同様であり、異なる部分については、適宜説明する。
ステップS131において、#1データドライバ123は、水平1ライン分の各画素のデータ信号の取得を開始するとともに、水平1ライン分のデータのラッチ処理を開始する。ここで取得される各画素のデータ信号は、図11を用いて説明したコントローラ121の処理のうち、ステップS53の処理において供給された、3N+1行目の画像に対応するデータ信号である。
なお、処理を実行するのが#2データドライバ124であるとき、ステップS131に対応する処理において取得される各画素のデータ信号は、図11を用いて説明したコントローラ121の処理のうち、ステップS55の処理において供給された、3N+2行目の画像に対応するデータ信号である。また、処理を実行するのが#3データドライバ125であるとき、ステップS131に対応する処理において取得される各画素のデータ信号は、図11を用いて説明したコントローラ121の処理のうち、ステップS57の処理において供給された、3N+3行目の画像に対応するデータ信号である。
ステップS132において、#1データドライバ123は、既に水平1ライン分の各画素のデータ信号のラッチが終了したか否かを判断する。
ステップS132において、水平1ライン分の各画素のデータ信号のラッチが終了していないと判断された場合、ステップS133において、#1データドライバ123は、コントローラ121からのデータの取得と、取得されたデータのラッチ処理を継続する。ステップS133の処理の終了後、処理は、ステップS132に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS132において、水平1ライン分の各画素のデータ信号のラッチが終了したと判断された場合、ステップS134において、#1データドライバ123は、水平1ライン分のデータ信号の取得の開始から、データの印可処理のタイミングを決める所定の第2のカウント値である[1フレームの表示時間/スキャン行数]×3=時間3Tがカウントされたか否かを判断する。ステップS134において、時間3Tがカウントされていないと判断された場合、時間3Tがカウントされたと判断されるまで、ステップS134の処理が繰り返される。
ステップS134において、時間3Tがカウントされたと判断された場合、ステップS135において、#1データドライバ123は、ラッチされた各画素信号に対応する電圧の印可処理を開始する。具体的には、#1データドライバ123のコンパレータ43は、ラッチ42から供給されたデータ信号に基づいて、所定期間内(PWM周期)のうちドライバ44がONになる時間を制御することにより、対応する発光素子21の発光期間を制御する。
ステップS136において、#1データドライバ123は、画像処理が終了されるか否かを判断する。ステップS136において、画像処理が終了されると判断された場合、処理は終了される。
ステップS136において、画像処理が終了されないと判断された場合、ステップS137において、#1データドライバ123は、ステップS135において開始された電圧印可処理と並行して、次の水平1ライン分の各画素のデータ信号の取得を開始するとともに、次の水平1ライン分のデータのラッチ処理を開始する。そして、処理は、ステップS132に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
このような処理により、それぞれの発光素子21の輝度を調整するためのPWM制御における1PWM周期が従来における時間Tから時間3Tに長くなるので、ドライバのスイッチング周波数が下がる。したがって、#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125の消費電力が下がり、発光素子の寿命が長くなり、電磁妨害が発生しにくくなる。
以上説明したように、本発明を適用した表示装置101は、#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125の3つのデータドライバを有しているので、発光素子21は、同時に3行発光させることができる。
また、データドライバの数は、3つ以外の数であって良いことは言うまでもない。
例えば、同時に発光させる行数をMとした場合、データドライバは並列にM個備えられる。そして、モノクロ表示の表示部には、垂直方向に、水平方向に並べられた画素数のM倍のデータ配線が配置される。また、カラー表示の表示部には、垂直方向に、水平方向に並べられた画素数の3倍の更にM倍のデータ配線が配置される。なお、スキャンドライバからの水平方向のスキャン配線は、1フレームを構成する水平ラインと同数であり、不変である。そして、コントローラからスキャンドライバに供給されるスキャン開始パルスは、スキャンクロックのM倍のパルス幅とされる。これにより、1行の発光素子が時間M×Tの間連続して発光し、連続するラインの発光開始時刻は時間Tずつずれるので、一度にM行のラインが同時に発光される。
また、本発明を適用した場合、表示部122の各ラインの発光開始タイミングは、従来と同様に[1フレームの表示時間/スキャン行数]ずつずれるので、1フレームの表示のための応答時間が従来と同様である。しかしながら、各ラインの発光時間は3倍の長さの3Tとなる。したがって、従来における場合と比較して、単純マトリクス方式の安価で製造可能な構造のまま、輝度が高くなる。
また、M個のデータドライバが、それぞれ、1行分の画像データ信号しかラッチすることができない場合であっても、一度にM行を発光させるためには、1行のデータ伝送にかかる時間は3T以内であればよい。したがって、従来における場合と比較して、1ラインに対応する画像信号のデータ伝送速度を下げることができる。
さらに、このような構成を有することにより、M個のデータドライバにおいて実行されるPWM制御の1PWM周期はM倍となる。すなわち、PWMのスイッチング周波数が低くなるため、スイッチング素子の寿命が延び、消費電力が低減され、更に、スイッチングを起因とした不要輻射による電磁妨害(EMI:Electro Magnetic Interference)が発生しにくくなる。これにより、電磁妨害の対策にかかる工数や部品点数を削減することができる。また、発光素子21として用いられているLEDのスイッチング回数も減るので、PWM周期が短い場合と比較して、LEDの寿命が長くなる。
また、発光するラインは、連続してM行であり、1行ずつ発光開始時刻が1行の発光時間の1/Mずつずれるように制御される。したがって、画面内の乖離した複数のラインが一度に発光するようになされている場合と比較して、画面のちらつきや動画ブレを抑制することが可能となる。
なお、以上の説明では、表示装置101の表示部122に設けられている発光素子21がLEDを用いているものとして説明したが、発光素子21として、液晶などの他の素子を用いた場合であっても、同様の構成をとることにより、表示の応答速度を変えることなく輝度を高くすることができ、また、PWM周期が短い場合と比較して、電磁妨害の発生を抑制することができる。
また、以上の説明では、同時駆動するラインの本数分のデータドライバを並列で備えるものとして説明したが、複数のデータドライバを用いた場合と同様の駆動処理を行う1つのデータドライバに全てのデータ配線を接続するようにしてもよいことは言うまでもない。
また、以上の説明においては、発光素子21として用いられるLEDの輝度を、PWM制御を用いて駆動制御していたが、LEDの輝度は、PWMのみならず、例えば、電流制御により制御するものとしても良い。LEDの輝度が電流制御により制御される場合であっても、上述したように、複数ラインを同時駆動することにより、同一の輝度を出すために単位時間に供給する電流値を抑えることができ、LEDの寿命を延ばすことが可能となる。
ところで、表示装置101がカラー表示を行うことができるようになされている場合、上述したように、1画素にはR,G,Bの3つのLEDが備えられる。その場合、1画素に対して必要となるデータ配線数が3倍となる。
上述した表示装置101のように、3つの水平ラインの発光素子21を同時に発光させる場合、カラー表示が行われて1画素にR,G,Bの3つのLED(RGBのサブピクセルにそれぞれ対応するLED)が備えられているとき、その表示部122には、垂直方向に、水平方向に並べられた画素数の3倍の更に3倍の配線が配置される。また、例えば、同時に発光される水平ラインの数がMであるとき、その表示部122には、垂直方向に、水平方向に並べられた画素数の3倍の更にM倍の配線が配置される。
例えば、40インチ型のFHD(Full High Definition)パネルにRGB3色のLEDを1画素として1920×1080=2070000組配置した単純マトリクス駆動の表示装置で、必要な輝度を得るために、同時に6ラインを発光させる必要がある場合について、図14を参照して説明する。図14においては、Gに対応するデータ配線を点線で、Rに対応するデータ配線を実線で、Bに対応するデータ配線を一点差線で表している。
図14に示すように、1フレームのうちの最も左に配置された1列の画素を構成する発光素子21−1−1、21−2−1、・・・21−(c−1)−1、21−c−1を駆動するために6つのデータドライバからの出力を供給する垂直方向の配線は、GのLEDのためのG1乃至G6、RのLEDのためのR1乃至R6、および、BのLEDのためのB1乃至B6の、合計18本設けられる。例えば、40インチ型のFHDパネルでは、画素ピッチ間距離が、460μm程度であり、100μm角のサイズのRGBのLEDを縦方向に密接配列して、1画素の画素サイズを幅100μ高さ300μとした場合、同一平面上にデータ配線を配線できる横方向のスペースは、360μm以下となる。そこに、1画素に必要な18本分のデータ配線を配線する場合、ピッチ20μm以下の配線が必要となり、その配線を40インチの横画面サイズ、885mmに対して±数μm以下の精度で行う必要がある。
更に、発光素子21としてLCDを用いる場合、視野角特性(画面を見る角度により、輝度や色度が変化する特性)を改善するため、各サブピクセルを2つに分割した画素構造をとる場合がある。その場合、データ配線数は更に増加してしまう。
そこで、1画素を構成する発光素子をRGBの3色のセットとする代わりに、ある1画素をGRの2色とし、その画素に対して水平方向に隣接する画素をGBの2色とする。換言すれば、各画素を、Gと、RBのうちのいずれか一方とでペアとして1画素とする構成とする。
1画素を構成する発光素子の構成をGと、RBのうちのいずれか一方とでペアとすることにより、たとえば6ライン同時駆動の場合でも、データ線を1画素に対して12本とすればよく、RGBの3色で1画素を構成して1画素に対して18本のデータ線を必要とする場合と比較して、1画素に対してデータ配線を6本削減することができる。それによって、データ配線の配線ピッチをRGBの3色で1画素を構成する場合の1.5倍(例えば、40インチ型のFHDパネルにおける場合、20μに対して30μ)程度にすることが可能となる。
これによって、配線パターンの形成の精度が緩和されるだけでなく、外部との接続部分のピッチも大きくすることが可能となり、比較的構造の簡単で安価なLEDディスプレイパネルを提供することが可能となる。
各画素を、GとRBのうちのいずれか一方とのペアとする構成の表示装置について、図15乃至図17を用いて説明する。
まず、図15を参照して、6ラインを同時に発光させ、GとRBのうちのいずれか一方とのペアとする場合の発光素子の配列の第1の例について説明する。図15においても、Gに対応するデータ配線を点線で、Rに対応するデータ配線を実線で、Bに対応するデータ配線を一点差線で表している。
この例においては、表示部を構成する発光素子の奇数列と偶数列において、いずれか一方の列の発光素子がGとRのペアで1画素とされ、他方の列の発光素子がGとBのペアで1画素とされている。したがって、発光素子がGとRのペアで1画素とされている最も左の列のデータ信号用の配線であるデータ配線は、GのLEDのためのG1乃至G6およびRのLEDのためのR1乃至R6の、合計12本設けられ、発光素子がGとBのペアで1画素とされている左から2番目の列のデータ配線は、GのLEDのためのG7乃至G12、および、BのLEDのためのB1乃至B6の、合計12本設けられる。
すなわち、Gに関しては、6本のデータ配線が連続して並んでそれぞれの画素と画素の間に配置され、同時駆動される6ラインのうちの1ライン目となる画素にデータ配線G1,G7,G13・・・が接続され、2ライン目となる画素にデータ配線G2,G8,G14・・・が接続され、以下、同様にして、同時駆動される6ライン目となる画素にデータ配線G6,G12,G18・・・が接続される。
また、RとBに関しては、水平方向の1画素おきに配置されているので、1画素目と2画素目の間はR用の6本のデータ配線、2画素目と3画素目の間はB用の6本のデータ配線が配置され、それぞれGの場合と同様に、同時駆動される6ラインのうちの1ライン目となる画素にデータ配線R1,R7,R13・・・またはデータ配線B1,B7,B13・・・が接続され、2ライン目となる画素にデータ配線R2,R8,R14・・・またはデータ配線B2,B8,B14・・・が接続され、以下、同様にして、同時駆動される6ライン目となる画素にデータ配線R6,R12,R18・・・またはデータ配線B6,B12,B18・・・が接続される。
すなわち、各画素の間には、Gのデータ配線が6本並んで配置されるとともに、RまたはGのデータ配線が6本並んで配置された12本のデータ配線が配置される。
次に、図16を参照して、6ラインを同時に発光させ、GとRBのうちのいずれか一方とのペアとする場合の発光素子の配列の第2の例について説明する。図16においても、Gに対応するデータ配線を点線で、Rに対応するデータ配線を実線で、Bに対応するデータ配線を一点差線で表している。
この例においては、表示部を構成する発光素子において、GとRのペアで1画素とされている発光素子の上下左右に隣接する画素が、GとBのペアで1画素とされている発光素子とされ、GとRのペアで1画素とされている発光素子の斜め方向に隣接する画素が、同様にGとRのペアで1画素とされている発光素子とされている。したがって、それぞれの列のデータ配線は、GのLEDのための6本、RのLEDのための3本、および、BのLEDのための3本の、合計12本設けられる。
すなわち、Gに関しては、第1の例における場合と同様に、6本のデータ配線が連続して並んでそれぞれの画素と画素の間に配置され、同時駆動される6ラインのうちの1ライン目となる画素にデータ配線G1,G7,G13・・・が接続され、2ライン目となる画素にデータ配線G2,G8,G14・・・が接続され、以下、同様にして、同時駆動される6ライン目となる画素にデータ配線G6,G12,G18・・・が接続される。
また、RとBに関しては、水平方向の1画素おきに配置されているとともに、垂直方向においても1画素おきとなるように配置されているので、Rに対するデータ配線とBに対するデータ配線が1本おきに配置され、同時駆動される6ラインのうちの1ライン目となる画素にデータ配線RB1,RB7,RB13・・・が接続され、2ライン目となる画素にデータ配線RB2,RB8,RB14・・・が接続され、以下、同様にして、同時駆動される6ライン目となる画素にデータ配線RB6,RB12,RB18が接続される。また、各ラインの画素に接続されるデータ配線RB1,RB2,RB3・・・は、Rに対するデータ配線とBに対するデータ配線が交互に備えられるものである。
すなわち、各画素の間には、Gのデータ配線が6本並んで配置されるとともに、RおよびGのデータ配線が交互に6本並んで配置された12本のデータ配線が配置される。
このようにして、FHD対応の表示パネルを構成する為に、水平1920画素、垂直1080画素の発光素子(ここではLEDであるが、それ以外の素子でも同様)を並べた場合の画素と画素の間のデータ配線は、G用の6本と、RBいずれかの6本の配線となる。すなわち、表示部全体では、水平方向の画素数1920×12=23040本のデータ配線が必要となる。
これを外部接続のために基板周辺部に引き出す場合、40インチの横方向有効画面885mm一杯に均等に配線および端子(配線の端部に設けられる電極パットなど)をレイアウトすると、約38μmピッチとなり、異方性導電膜(以下ACFと称する)を用いた接続が可能なピッチとなる。また、水平方向に1ライン毎に配線されるスキャン配線は、従来における場合と同様であり、水平1ライン全ての画素(色毎)の発光素子21のデータ配線とは異なる側の端子が接続される。
このような構成を有することにより、水平6ラインを同時に独立にさせつつカラー表示を行うためのデータ配線数を削減することが可能となる。
しかしながら、図15および図16を用いて説明したように、1画素を2色の発光素子で構成した場合、図14を用いて説明したように1画素を3色の発光素子で構成した場合と比較して、解像度が低下してしまうことが懸念される。
具体的には、FHD対応の表示装置を構成する為に、水平1920画素、垂直1080画素の発光素子21(ここではLEDであるが、それ以外の素子でも同様)を並べた場合、Gに対応する発光素子21はFHDの全画素の1920×1080が配列されるが、RとBに対応する発光素子は、それぞれ、Gの画素数の半分の960×1080となる。それによってRおよびBの実効的な解像度は、図15を用いて説明した第1の例の場合、水平方向で半分となり、また、図16を用いて説明した第2の例の場合は水平、垂直方向でそれぞれ1/2の平方根すなわち、約0.7倍となってしまう。
しかしながら、例えばテレビジョン信号など、表示装置に表示される画像信号は、実際には、信号の送出側、すなわち、映像の製作側で既に間引かれている。
実際の映像信号を作るに当たり、テレビジョン信号などの表示される画像信号の送出側では、放送フォーマットに応じた画素を輝度成分のY信号と色差信号Cb、Crに変換して、そのデータを元に、MPEGなどによる圧縮を行ったのち、テレビジョン信号の受信側(すなわち、表示装置または表示装置にテレビジョン信号を供給するための受信装置など)へ信号を送出している。その際、Y、Cb、Crの信号をそれぞれデジタルサンプリングする処理が行われるが、高忠実度を必要とする送出側のサンプリングフォーマットにおいても、Y信号は画素毎、Cb、Crは2画素の平均でサンプリングされている。また、MPEG圧縮や、HDの送出信号においては、色差信号の垂直方向解像度もさらに落としており、この状態で実使用上問題ないとされている。
送出側で実用上一番サンプリングレートが高くなる、4:2:2フォーマットの場合を例に説明をする。撮像(送出)側での最大解像度、1920H×1080Vに対して、コンポーネント信号のサンプリングは画素ごとに行われる。すなわち、1画素目の撮像信号のR1、G1、B1から、送出信号のY1、Cb1、Cr1が生成され、2画素目の撮像信号のR2、G2、B2から、送出信号のY2、Cb2、Cr2が生成され、以下、同様に、1画素のRGBから、対応するY,Cb,Crが生成される。
このようにして生成されたY,Cb,Crにより構成される画像信号を取得し、これを表示する表示装置において、まず、図14を用いて説明したように、1画素にRGBが揃っている場合において、取得した画像信号のY,Cb,Crを、各LEDに対応するRGBに復調する場合について説明する。
ある画素のRGB信号をra,ga,baとし、その画素に対応する取得された画像信号をYa,Cba,Craとし、その画素に水平方向で隣接する画素のRGB信号をrb,gb,bbとし、その画素に対応する取得された画像信号をYb,Cbb,Crbとした場合、次の式(1)乃至式(6)に基づいて、RGB信号が復調される。この時点では、RGB信号からYCrCb信号への変換は可逆的であり完全な復調が可能である。
ga=Ya−0344Cba−0.714Cra・・・(1)
ra=Ya+1.402Cra・・・(2)
ba=Ya+1.772Cba・・・(3)
gb=Yb−0344Cbb−0.714Crb・・・(4)
rb=Yb+1.402Crb・・・(5)
bb=Yb+1.772Cbb・・・(6)
しかしながら、4:2:2フォーマットの場合、前述のように色差信号Cb、Crは水平方向に隣接した2画素で1つのデータをサンプリングするので、CbaおよびCraは、次の式(7)および式(8)のようになる。
Cba=Cbb=0.564×(Ba+Bb−Ya−Yb)/2・・・(7)
Cra=Crb=0.713×(Ra+Rb−Ya−Yb)/2・・・(8)
また、YaおよびYbはそれぞれ、次の式(9)のようになる。
Ya=Yb=0.299R+0.587G+0.144B・・・(9)
ここで、Cba=Cbb=Cb、Cra=Crb=Crとすると、これら2つの画素は、次の式(10)乃至式(15)となる。すなわち、共通のCb、Cr信号から復調されることになる。
ga=Ya−0344Cb−0.714Cr・・・(10)
ra=Ya+1.402Cr・・・(11)
ba=Ya+1.772Cb・・・(12)
gb=Yb−0344Cb−0.714Cr・・・(13)
rb=Yb+1.402Cr・・・(14)
bb=Yb+1.772Cb・・・(15)
Crの信号には、(Ra+Rb)の2画素分の信号レベルが70%の重み付けで変調され、同じく(Ga+Gb)の2画素分の信号レベルが約60%の重み付けで変調されている。Cbの信号には、(Ba+Bb)の2画素分の信号レベルが約85%の重み付けで変調され、同じく(Ga+Gb)の2画素分の信号レベルが約60%の重み付けで変調されている。したがってGの1画素目の信号と、2画素目の信号がそれぞれ別のY信号(Ya,Yb)から復調されるとしても、Gの1画素目は、Cr、Cbを2画素平均化サンプリングした時点で、元の1画素分の信号レベルだけでなく、2画素分の信号がある重み付けで影響を及ぼすことになる。
例えば、gaをYaから復調する場合、Yaは平均化されていない信号だとしても、Cbに含まれるGの2画素平均の重み付けが、60%×0.344、すなわち、約20%、Crに含まれるGの2画素平均の重み付けが60%×0.71、すなわち、約40%影響し、BとRの1画素目と2画素目の輝度変化があった場合では、Bが35%、Rが50%もGの復調結果に影響することになる。
したがって、各画素ごとにRGBが3色配置された場合においても、4:2:2フォーマットのサンプリングによる信号伝送、復調を行う場合、送出前のRGBの信号を完全に復調することはできない。
次に、同様にしてY,Cb,Crにより構成される画像信号を取得し、これを表示する表示装置において、1画素が、図15または図16を用いて説明したように、GとRかBのいずれか一方とによって構成されている場合において、取得した画像信号のY,Cb,Crを、各LEDに対応するRG、または、GBに復調する場合について説明する。
Y,Cb,Crにより構成される画像信号で、図15または図16を用いて説明したように、GとRかBのいずれか一方とによって構成されている表示部を駆動する場合、例えば、水平方向に隣接する2画素のうち、1画素目にはGRのLEDが備えられ、2画素目にはGBのLEDが備えられているので、Gは1画素ごと処理すればよいが、RおよびBは、1画素で、2画素分を発光させる必要がある。
すなわち、1画素目のGとRは、次の式(16)および(17)にしたがって、2画素目のGとBは次の式(18)および式(19)にしたがって復調される。
ga=Ya−0344Cb−0.714Cr・・・(16)
ra=((Ya+Yb)/2+1.402Cr)×2・・・(17)
gb=Yb−0344Cb−0.714Cr・・・(18)
bb=((Ya+Yb)/2+1.772Cb)×2・・・(19)
しかしながら、上述したように、4:2:2フォーマットの場合、色差信号Cb、Crは水平方向に隣接した2画素で1つのデータをサンプリングするので、CbaおよびCraは、上述の式(7)および式(8)のようになる。
すなわち、式(17)および式(19)に式(7)および式(8)を代入すると、次の式(20)および式(21)が得られる。
ra=Ra+Rb・・・(20)
bb=Ba+Bb・・・(21)
すなわち、Gは画素毎に変調され、2画素毎のRBには2画素分の信号を加えれば、元の信号を再現することができる。
すなわち、1画素にRGBが揃っている場合と比較して、RおよびBが半分の画素数となる場合であっても、実際の画面表示においては、至近距離で見た場合にRBのピッチが荒くなり色分離を感じることはあるが、実使用上では、送出映像をほぼ再現することが可能である。
すなわち、Y信号は主にGの成分、CbはBとその補色黄色の成分、CrはRとその補色シアン成分の信号を代表しており、送出側の信号のサンプリングから考えて、表示側でRBの水平方向の画素数を半分にしても、画像が大きく劣化してしまうことはない。
次に、図17を参照して、1画素が、GとRかBのいずれか一方とによって構成されている発光素子を有する表示部を含んで構成される表示装置201の構成について説明する。
表示装置201は、コントローラ221、表示部222、#1データドライバ223、#2データドライバ224、#3データドライバ225、および、スキャンドライバ226を含んで構成されている。
コントローラ221は、表示部222に表示させる画像に対応する画像データの入力を受け、画像データを水平ライン単位で分割し、GとRかBのいずれか一方とのペアによって構成されている発光素子を用いて元の信号を再現するための、式(16)乃至式(21)を用いて説明した演算処理を実行する。そして、演算の結果得られた各ラインの画像信号を、#1データドライバ223、#2データドライバ224、#3データドライバ225にそれぞれ供給する。また、#1データドライバ223、#2データドライバ224、#3データドライバ225、および、スキャンドライバ226を制御する。
具体的には、コントローラ221は、1フレームのうちの3N+1(Nは整数であり、0≦N≦[(スキャン行数−1)/3])行目に対応する演算後の画像データ信号を、#1データドライバ223に供給し、3N+2行目に対応する演算後の画像データ信号を、#2データドライバ224に供給し、3N+3行目に対応する演算後の画像データ信号を、#3データドライバ225に供給する。また、コントローラ221は、スキャン開始パルスをスキャンクロックの6倍(同時駆動されるライン数倍)のパルス幅として、スキャンドライバ226に供給する。
表示部222は、#1データドライバ223、#2データドライバ224、および、#3データドライバ225からの図中垂直方向のデータ配線と、スキャンドライバ226からの図中水平方向のスキャン配線とによって、縦横の格子状に配線が張り巡らされている。データ配線は、図15または図16を用いて説明したように配線される。そして、データ配線とスキャン配線との交差部分に、1画素がGとRかBのいずれか一方とによって構成されている複数の発光素子を有している。表示部222は、#1データドライバ223、#2データドライバ224、#3データドライバ225、および、スキャンドライバ226により駆動される、1画素がGとRかBのいずれか一方とによって構成されている発光素子の発光により画像を表示する。
スキャンドライバ226は、スキャンクロックの6倍(同時駆動されるライン数倍)のパルス幅のスキャン開始パルスの供給をうけ、6ライン同時に発光し、連続する各ラインの発光開始タイミングが時間Tずつずれ、各ラインが連続して時間6T発光するように、表示部222に設けられている各発光素子21を走査駆動する。
#1データドライバ223は、図2を用いて説明した従来のデータドライバ13と基本的に同様の構成を有しており、コントローラ221から、1フレームのうちの3N+1行目に対応する、1画素がGとRかBのいずれか一方とによって構成されている演算済みの画像データ信号の供給を受け、PWM制御により、画像データに対応する電流値を、所定のタイミングで、n=1,4,7,10・・・の発光素子21に供給する。
#2データドライバ224は、図2を用いて説明した従来のデータドライバ13と基本的に同様の構成を有しており、コントローラ221から、1フレームのうちの3N+2行目に対応する、1画素がGとRかBのいずれか一方とによって構成されている演算済みの画像データ信号の供給を受け、PWM制御により、画像データに対応する電流値を、所定のタイミングで、n=2,5,8,11・・・の発光素子21に供給する。
#3データドライバ225は、図2を用いて説明した従来のデータドライバ13と基本的に同様の構成を有しており、コントローラ221から、1フレームのうちの3N+3行目に対応する、1画素がGとRかBのいずれか一方とによって構成されている演算済みの画像データ信号の供給を受け、PWM制御により、画像データに対応する電流値を、所定のタイミングで、n=3,6,9,12・・・の発光素子21に供給する。
なお、#1データドライバ223、#2データドライバ224、#3データドライバ225のそれぞれからのデータ配線数は、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数の2倍となる。すなわち、表示部222には、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数の2倍の更に6倍(同時駆動されるライン数倍)のデータ配線が列状(図6中垂直方向)に設けられている。すなわち、表示装置201においては、上述した表示装置101の#1データドライバ123、#2データドライバ124、#3データドライバ125のそれぞれからのデータ配線数が、1フレームにおいて水平方向に並べられた画素数の3倍であった場合と比較して、同時駆動されるライン数が同じであれば、データ配線数の総数が2/3となる。
また、スキャンドライバ226の出力とスキャン配線の配線については、上述した表示装置101における場合と基本的に同様であるので、その詳細な説明は省略する。
なお、データ信号の伝送や駆動のタイミングなども、同時駆動されるライン数は異なるが、基本的に、上述した表示装置101における場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
このように、図15または図16を用いて説明した発光素子の配置およびデータ配線を適用した表示装置201においては、カラー表示におけるデータ配線の数を削減することができる。
なお、図15を用いて説明した発光素子の配置およびデータ配線の場合の表示装置201でカラー画像を表示した場合、RとBの発光点が偏ることで、発光点が広がってしまう。しかしながら、水平方向解像度への影響は実用上問題ない。
具体的には、Y信号は、中間の1000TV本(2ピッチ位)前後でのレスポンスは劣化するが、画素1ピッチ毎に、高い周波数においても実効的な輝度の半値幅は0.7ピッチ程度であり、十分に解像する。
また、色信号に関しては、Cb、CrともB単色側、R単色側(プラス側)ではサンプリング解像度以上で、全く問題ない。補色側のマイナス側では、Cbでは実効的な解像度は最大1.5ピッチ程度、Crでは最大2.8ピッチと、Crのサンプリング解像度の2ピッチを上回る状態になる場合があるが、これは、4:2:2を直接表示する場合を想定した場合であって、実際の信号はそれより解像度が少ないこともあり、実用上問題ない。
このようにして、輝度や解像度への寄与が高いGの画素数は減らさず、RおよびBの画素を1/2に間引いて、1画素をGとRかBのいずれか一方とのペアとする構成とすることにより、単純マトリクス方式のカラー表示が可能な表示装置201において、画像解像度を大きく劣化させることなく、データ配線数を削減することができる。すなわち、テレビジョン信号の特性より、RおよびBの画素を1/2に間引くことによって大きな画像劣化が発生することはない。またデータ配線数を減らすことにより、表示部222を構成する基板上の外部接続端子のピッチ間隔を大きくすることができ、基板とドライバなどとの接続を容易に信頼性良く行えるとともに、小型のパネルによるFHDを実現することが可能となる。
なお、ここでは、発光素子にLEDを用いた場合について説明しているが、発光素子としてLEDとは異なる素子を用いた場合においても、同様にして、GとRBのうちのいずれか一方とをペアで1画素とする構成を適用することにより、垂直方向の(データドライバから供給される)配線数を減少することができる。
また、ここでは、複数の水平ラインを同時に発光させる場合を例として説明したが、例えば、図1を用いて説明した従来の単純マトリクス方式において、GとRBのうちのいずれか一方とをペアで1画素とする構成を適用した場合においても、同様にして、垂直方向の(データドライバから供給される)配線数を減少することができるのは言うまでもない。
すなわち、複数の水平ラインを同時に発光させる場合には、特に、垂直方向の(データドライバから供給される)配線数が同時発光ライン数を乗算した分だけ増加するため、図17を用いて説明した表示装置201においては、データ配線数を減少させつつ輝度を確保することができるという、非常に顕著な効果を奏することができる。これに対して、例えば、図1を用いて説明した従来の単純マトリクス方式において、GとRBのうちのいずれか一方とをペアで1画素とする構成を適用した場合には、上述した図17を用いて説明した表示装置201における場合と比較して、輝度を確保することはできなくなるが、データ配線数を減少させるという効果は同様に奏することができる。
更に、発光素子21としてLCDを用いる場合、視野角特性(画面を見る角度により、輝度や色度が変化する特性)を改善するため、各サブピクセルを2つに分割した画素構造をとる場合があるが、その場合においても、同様にして、GとRBのうちのいずれか一方とをペアで1画素とする構成を適用することにより、データ配線数を減少させるという効果を奏することができる。
また、上述したように、表示部122または表示部222は、一対の基板対もしくは単一の基板上に、複数のスキャン配線およびデータ配線が、LEDなどの発光素子21の部分で交差するように配列されている。例えば、表示部122または表示部222が一対の基板対で構成されている場合、基板対のうちの一方の基板にスキャン配線が配され、他方の基板にデータ配線が配される。この場合、それぞれの基板において、それぞれの配線がある程度の本数まとめられて、一方の基板上を有効画面の領域から基板の端部まで引き出されることで、もう一方の基板の電極配線との干渉を防ぎ、外部駆動回路と接続されるように構成されている。
このようにして、配線数を削減することができるので、配線数が削減されない場合と比較して、外部駆動回路(例えば、#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125)との接続における基板端部などに設けられる電極において、電極間距離を確保することが容易となる。
表示部122または表示部222を構成する基板対と、外部駆動回路であるそれぞれのドライバ(例えば、#1データドライバ123、#2データドライバ124、および、#3データドライバ125)とは、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)などのTAB(Tape Automated. Bonding)基板を介して接続される。フレキシブルプリント基板は、柔軟性があり大きく変形させることが可能なプリント基板であり、変形した場合にもその電気的特性を維持するものである。フレキシブルプリント基板には、TCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip On Film)がある。表示部122または表示部222を構成する基板に設けられる電極パとフレキシブルプリント基板などのTAB基板とは、一般的に、異方性導電膜(ACF)を間に介した熱圧着により接続される。しかしながら、ACFを用いるためには、電極間距離などにより、熱圧着条件が限定されてしまう。
すなわち、電極間の距離を確保することにより、従来の熱圧着方式を適用して、例えば、ACFを用いて、適正に外部駆動回路と接続することが可能となる。
更に、端子間距離を確保することにより、電極間リークを抑制することが可能となる。
なお、本明細書における各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
21 発光素子, 101 表示装置, 121 コントローラ, 122 表示部, 123 #1データドライバ, 124 #2データドライバ, 125 #3データドライバ, 126 スキャンドライバ, 201 表示装置, 221 コントローラ, 222 表示部, 223 #1データドライバ, 224 #2データドライバ, 225 #3データドライバ, 226 スキャンドライバ