JP5129668B2 - 渦流ブロワ - Google Patents

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Description

本発明は羽根車の回転により連続的に空気に運動エネルギーを与えて空気を圧送する渦流ブロワに関する。
渦流ブロワつまり渦流送風機は、円弧状の静止流路が形成されたケーシングと、この静止流路に対応させて円周方向に所定の間隔毎に複数の羽根つまりブレードが設けられた羽根車とを有しており、羽根車はケーシングに回転自在に装着される。ケーシングには静止流路の一端部に連通する吸込流路と、静止流路の他端部に連通する吐出流路とが設けられている。羽根車を回転させると、吸込流路から流入した空気は羽根車のブレード相互間を内周から外周に向かって増速されて静止流路に流入し、静止流路内を円周方向に案内されて減速、昇圧される過程と、再度ブレード相互間に流入する過程とが繰り返され、流入空気は羽根車により繰り返し運動エネルギーが与えられて加圧される。加圧された空気は、吐出流路を介して外部に吐出されることになる。ケーシングには静止流路の両端部間を仕切る隔壁がブレードに対向するように設けられており、この隔壁により吸込流路と吐出流路との羽根車側の開口部が仕切られ、吸込流路と吐出流路とが直接連通しないようになっている。
このような構造の渦流ブロワは、単位羽根車外径当たりの仕事を表す圧力係数が遠心式ブロワに比して高く小型軽量化できることから、一般産業機械における比較的小容量の空気動力源として広く使用されている。渦流ブロワの使用形態としては、吐出流路から吐出される正圧空気を利用する場合と、吸込流路に発生する負圧を利用する場合とがある。例えば、工作機械の切粉を取り除くために渦流ブロワが使用されるときには正圧空気が利用され、ワークを吸着搬送するために渦流ブロワが使用されるときには吸込流路に発生する負圧空気が利用される。
このような渦流ブロワとしては、特許文献1に記載されるように、静止流路に対向する環状溝が設けられたシュラウドを有し、シュラウドに設けられた複数のブレードにより環状溝を円周方向に所定の間隔毎に区画するようにしたタイプがある。さらに、渦流ブロワには、特許文献2に記載されるように、ケーシングに羽根車を介して装着されるケーシングカバーの内面にも静止流路を形成するようにしたタイプがある。ブレードの形態としては、ブレードが羽根車の径方向に真っ直ぐに伸びたストレート型、およびブレードの内面を回転方向に湾曲させるとともにブレードの先端面を径方向に沿って屈曲させてブレードを三次元形状に湾曲させた湾曲型等がある。
特許第2680136号公報 特開平4−228899号公報
渦流ブロワにおいては、駆動時の騒音発生を抑制することが重要な解決課題となっている。渦流ブロワの騒音には、流れの乱れによる比較的周波数の低い流動音と、羽根車のブレードと隔壁の干渉による圧力変動に起因した風切り音とがある。風切り音は、ブレード枚数に回転数を乗じた周波数およびその整数倍の高次元の周波数の騒音で構成される周波数特性を持っており、上記流動音に比して騒音レベルが大きいので、渦流ブロワの騒音を低減するには、風切り音を低減する必要がある。風切り音の発生メカニズムは、ブレードと隔壁の圧力干渉により圧力変動が発生し、それにより音が発生していると従来から考えられていた。
そこで、風切り音を低減するために、これまでは、吸音材を用いた摩擦式吸音器を吸込流路と吐出流路とに設けるようにし、特定周波数の風切り音を低減するのに有効な種々の共鳴型吸音器が渦流ブロワについて提案されている。特許文献2に記載された渦流ブロワにおいては、吸込流路と吐出流路の羽根車側の開口部内面や隔壁に吸音材を配置することにより風切り音を低減するようにしている。
特許文献1に記載される渦流ブロワにおいては、吸込流路と吐出流路の開口部に対向するガイドを隔壁に設けることにより騒音を低減するようにしており、吸込流路側のガイドをその先端が羽根車の外周部からブレードと干渉するように傾斜させ、吐出流路側のガイドをその先端が羽根車の内周部からブレードと干渉するように傾斜させている。これにより、吸込流路から静止流路内に入る空気の流れと、静止流路内から吐出流路に向かう空気の流れをスムーズにして騒音発生を低減するようにしている。このように、従来では、隔壁に設けられたガイドの先端面を傾斜させてブレードと隔壁との干渉により発生する圧力変動の時間を長くして圧力を徐々に変化させるようにしたり、発生した周波数の高い騒音に対して吸音材や共鳴型吸音器により音を減衰させることにより、渦流ブロワの低騒音化、静音化の対策が施されているが、渦流ブロワの騒音を低減するには限度があった。特に、風切り音の卓越周波数が下がらないという問題点があった。
この理由を探求するために、渦流ブロワの円弧状の静止流路内に単一周波数の純音を流し、吸込流路側と吐出流路側との間に静止流路に沿ってマイクを移動させて集音する実験を行った。その結果、特定の周波数においては振幅の上下が揃い腹と節とが明確に分かる波形が検出された。その周波数と相違した周波数の純音を静止流路内に流すと、波形の振幅の上下が揃わず、波形の腹と節とが判別できない状態となった。この結果、特定の周波数の音が静止流路と音響的に共鳴していると考えられる。
ケーシングには吸込流路から静止流路の一端部に流れ込む空気をスムーズに誘導するために湾曲した吸込側誘導面が形成され、静止流路の他端部から吐出流路に吐出する空気をスムーズに誘導するために湾曲した吐出側誘導面が形成されており、それぞれの誘導面は円弧状の静止流路の端面を形成している。したがって、静止流路は両端面が設けられた気柱ないし管路と等価な共鳴周波数を持っていると考えられる。管路の共鳴周波数は、音の進行波と管路の端面からの反射波が位相的に一致して重なったときに、波形が進行せずにその場に止まって振動しているように見える状態の波形のことであり、定在波と呼ばれる。定在波は同位相の波の重ね合わせなので、音圧を示す振幅は元の波形よりも増幅される。このように、管路で発生した音が管路の共鳴周波数である定在波と一致したときに音が増幅されると考えられる。吸込流路と吐出流路はそれぞれ反射面となる誘導面に対向してケーシングに設けられているので、増幅された音はそのまま外部に放射させることになる。
定在波の周波数は、流路が真っ直ぐな直管のように端面に対して平面波が垂直に入射する場合には、音場を一次元として考えられるので、管路の端面が閉塞されている場合の定在波の周波数つまり共鳴周波数は、以下の式により求められる。つまり、定在波の周波数fは、音速をCとし、直管の長さをLとすると、f=(2m−1)C/(4L)となる。ただし、mは整数である。
渦流ブロワの静止流路は湾曲した円弧状の流路となって管路形状をしており、静止流路の両端面を形成する湾曲面で音の反射が起こり、直管と同様に定在波が存在していると考えられる。風切り音の卓越周波数が静止流路の共鳴周波数と一致しないように渦流ブロワを設計するには、羽根車径により決まる静止流路の長さと、卓越音の周波数を決定させる羽根車の回転数と、羽根車のブレード枚数が変数となる。したがって、羽根車が常に一定の回転数で駆動されるのであれば、風切り音の周波数を管路の共鳴周波数からずらすことが可能となる。
しかしながら、渦流ブロワは最適運転するために回転数を変化するように制御されるので風切り音の周波数は一定ではない。しかも、渦流ブロワの作動原理が流体の剪断力を利用して昇圧させていることから作動流体の摩擦熱の増加によって流体の温度は上昇することになり、温度上昇により音速が増加すると波長が長くなり、静止流路の共鳴周波数が変化することになる。このため、吸音器や消音材によって渦流ブロワが使用される全ての運転状態における卓越音を低減することは困難である。
本発明は上述した騒音発生のメカニズムの解明に基づき、風切り音による静止流路の共鳴現象の発生を防止することによって、渦流ブロワの騒音を低減することが可能であることが判明してなされたものである。
本発明の目的は、騒音を軽減することができる渦流ブロワを提供することにある。
本発明の渦流ブロワは、円弧状の静止流路が設けられたケーシングと、前記静止流路に対応させて円周方向に所定の間隔毎に複数のブレードが設けられ電動機により駆動される羽根車とを有する渦流ブロワであって、前記ケーシングに前記静止流路の一端部に連通して設けられ、外部から前記静止流路に空気を案内する吸込流路と、前記ケーシングに前記静止流路の他端部に連通して設けられ、前記静止流路から加圧空気を外部に案内する吐出流路と、前記静止流路の一方の端面を形成し前記吸込流路から前記静止流路へ空気を誘導する吸込側誘導面と、前記静止流路の他方の端面を形成し前記静止流路から前記吐出流路へ空気を誘導する吐出側誘導面との少なくともいずれか一方に設けられる乱反射部とを有し、前記乱反射部は流路の中心に向けて突出するとともに空気の流れ方向に伸びる突起であり、流路に生じうる定在波を抑制する形状であることを特徴とする。
本発明の渦流ブロワは、前記吸込側誘導面と前記吐出側誘導面の両方に前記乱反射部を設けることを特徴とする。本発明の渦流ブロワは、前記突起の高さは前記突起の長手方向の中央部から両端部に向けて徐々に低いことを特徴とする。本発明の渦流ブロワは、前記突起の側面を凹面状に湾曲させることを特徴とする。
本発明によれば、静止流路の端面を形成する誘導面に乱反射部を設けたので、ブレードと隔壁の干渉による圧力変動に起因し静止流路の端面に進行する風切り音は乱反射部に当たって乱反射し、風切り音とは位相が相違した状態となって静止流路に反射することになる。これにより、静止流路の共鳴周波数と一致した周波数の風切り音が発生しても、静止流路における共鳴現象の発生が防止されて卓越音の発生が防止され、渦流ブロワの騒音を低減することができる。
乱反射部は吐出側誘導面と吸込側誘導面のいずれか一方に設けることによって風切り音に起因した騒音を低減することができるが、両方の誘導面に乱反射部を設けることによって騒音の低減効果をより高めることができる。加圧される空気は静止流路と羽根車内を見かけ上では螺旋状に流れ、流路の中心部の流速は低いので、流路の中心に向けて突出するとともに空気の流れ方向に伸びる突起により乱反射部を形成することにより、乱反射部による流路内の圧力損失を小さくしつつ騒音の発生を低減することができる。突起の高さをその突起の長手方向の中央部から両端部に向けて徐々に低くしたり、突起の側面を凹面状に湾曲させたりすることにより、流路内の圧力損失を小さくしつつ騒音の発生を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である渦流ブロワを示す一部切欠き斜視図であり、図2は図1に示された渦流ブロワの一部を示す縦断面図であり、図3は図2における3−3線断面図であり、図4(A)は羽根車の内面を示す正面図であり、図4(B)は羽根車の変形例を示す正面図であり、図5(A)は図4(A)における5A−5A線断面図であり、図5(B)は図4(B)における5B−5B線断面図であり、図5(C)はブレードの変形例を示す断面図である。
この渦流ブロワは、図1に示されるように、台座10に取り付けられる電動機11を有し、電動機11にはケーシング12が組み付けられるようになっている。電動機11は誘導電動機が使用されており、インバータにより回転数が制御される。図1および図2に示されるように、ケーシング12は電動機11の回転軸13が回転自在に装着されるディスク部12aと、ディスク部12aの外側に一体に設けられた湾曲部12bと、湾曲部12bの外側に一体に設けられた円筒部12cとを有している。回転軸13には羽根車14が取り付けられており、羽根車14は電動機11により回転駆動される。羽根車14は回転軸13に固定されるディスク部15aと湾曲部12bに対向する湾曲部15bとが設けられたシュラウド15を有し、湾曲部15bの内面には環状溝16が形成されている。この環状溝16はシュラウド15の湾曲部15b内に円周方向に所定の間隔毎に設けられる複数の羽根つまりブレード17により区画されており、ブレード17相互間は遠心溝18となっている。ケーシング12の円筒部12cにはケーシングカバー19が取り付けられ、羽根車14はケーシングカバー19により覆われている。
ケーシング12の湾曲部12bの内面には、図1〜図3に示されるように、円弧状の静止流路20が形成されている。この静止流路20の一端部に連通させて吸込流路21がケーシング12に設けられ、静止流路20の他端部に連通させて吐出流路22がケーシング12に設けられている。図3に示されるように、吸込流路21は静止流路20の一端部に連通する連通開口部21aを有し、吐出流路22は静止流路20の他端部に連通する連通開口部22aを有し、それぞれの連通開口部21a,22aの間には、吸込流路21と吐出流路22とを仕切る隔壁23が設けられている。
吸込流路21は回転軸13にほぼ平行となって電動機11に沿って伸びており、図1に示されるように、吸込流路21の先端部には図示しない吸込配管を接続するための吸込口21bが設けられ、吸込配管を介して吸込流路21には外部から空気が供給される。吐出流路22は吸込流路21とほぼ平行となって電動機11に沿って伸びており、先端部には図示しない吐出配管を接続するための吐出口が設けられている。図1に示されるように、吸込流路21には消音器24が組み込まれており、吐出流路22にも図示しない消音器が組み込まれている。
ブレード17は、図4(A)および図5(A)に示されるように羽根車14の回転方向前方側が凹面17aとなるように湾曲した湾曲型となっており、ブレード17の先端面は図4(A)に示されるように径方向中央部17bから径方向両端部に向けて回転方向前方側に迫り出すように屈曲している。羽根車14を電動機11により回転駆動すると、吸込流路21により案内されて静止流路20から羽根車14内に流入した空気は、羽根車14のブレード17相互間の遠心溝18を内周から外周に向かって増速されて静止流路20に流入し、静止流路20内を円周方向に案内されて減速、昇圧される過程と、再度遠心溝18内に流入する過程とが繰り返される。このようにして渦流ブロワ内において空気は螺旋状に流れながら、繰り返して運動エネルギーが羽根車14により与えられて加圧される。加圧された空気は、吐出流路22を介して外部に案内される。図2および図3においては、羽根車14内における空気の流れが実線で示され、静止流路20内における空気の流れが破線で示されている。図4(A)および図5(A)に示されるようにブレード17が湾曲型の場合には、羽根車14は回転方向性を持っており、ブレード17の凹面側が回転方向前方を向くように回転駆動される。
図4(B)および図5(B)は、ストレート型のブレード17が設けられた羽根車14を示しており、それぞれのブレード17は径方向に真っ直ぐに伸びている。このタイプのブレード17が設けられた羽根車14は、回転方向に対称形状となってブレード17が設けられているので、電動機11を逆転させると、吸込流路21が吐出流路となり、吐出流路22が吸込流路となる。図5(C)はストレート型のブレード17の変形例であり、ブレード17の回転方向背面側には傾斜面17cが設けられている。このように、図1および図2に示される渦流ブロワの羽根車14としては、上述したいずれのタイプを適用することができる。
図6は図3における6−6線拡大断面図であり、図7(A)は図6における7A−7A線断面図であり、図7(B)は図6における7B−7B線断面図であり、図7(C)は図6における7C−7C線断面図である。
図6および図7に示されるように、吸込流路21と吐出流路22は静止流路20に対してほぼ直角方向となっている。したがって、吸込流路21から静止流路20にはほぼ直角方向となって空気が流入することになり、吸込流路21から静止流路20に流入する空気の姿勢をスムーズに誘導するために、ケーシング12には球内面形状に湾曲した吸込側誘導面25が設けられている。同様に、静止流路20から吐出流路22に吐出する空気の姿勢をスムーズに誘導するためにケーシング12には球内面形状に湾曲した吐出側誘導面26が設けられている。
吐出側誘導面26にはブレード17と隔壁23の圧力干渉による圧力変動により発生する風切り音の進行波を乱反射させる乱反射部30aが設けられている。この乱反射部30aは吐出側誘導面26の中心部に向けて突出する突起31により形成されており、この突起31は吐出側誘導面26の静止流路20側の端部から連通開口部22aを介して吐出流路22の内部にまで空気の流れ方向に沿って伸びている。突起31の峰となっている頂点部つまり先端部32は、図7(A)に示されるように、静止流路20の中心部に対応する部分つまり先端部の長手方向中央部が吐出側誘導面26から最も高くなっている。突起31は、図7(B),(C)に示されるように、突起31の高さは長手方向中央部から両端部側に向かうに従って徐々に低くなっている。
渦流ブロワにおける空気の流れは、図3に示されるように、静止流路20と羽根車14内を見かけ上では螺旋状に進んで行くので、突起31を吐出側誘導面26の中心部に向けて突出させても空気の流れに対して抵抗とはならず、圧力損失を小さくすることができる。さらに、突起31の両側面33は凹面状に湾曲して形成されており、空気抵抗の増加を抑制することができる。
図6に示されるように、吸込側誘導面25にも乱反射部30bが設けられており、この乱反射部30bは乱反射部30aと同様の形状の突起31により形成されている。
このように、乱反射部30a,30bとしての突起31は空気の流れ方向に沿って高さが徐々に変化するとともに両側面33が凹面状に湾曲ないし傾斜した面となっているので、風切り音の進行波は突起31の各部位によって乱反射して反射条件が変化することになり、進行波と反射波との位相がずらされて静止流路20内における共鳴現象の発生が防止される。渦流ブロワは吐出風量を変化させるために、電動機11の回転数がインバータ制御される。このため、静止流路20の共鳴周波数と一致した風切り音が発生する回転数で羽根車14が回転駆動されることが避けられないが、乱反射部を設けることによって静止流路20における共鳴現象の発生が防止される。これにより、羽根車14がいかなる回転数で駆動されても、渦流ブロワの騒音を低減させることができる。騒音の発生は、吸込側誘導面25と吐出側誘導面26の一方に乱反射部を設けることにより抑制することができるが、両方に設ける方がより抑制効果を高めることができる。なお、図6においては、符号Sの実線矢印が風切り音の進行波を示し、符号Rの破線矢印が反射波を示す。
図8は乱反射部30a,30bの変形例を示す断面図であり、図7(A)に示した部分と同一の部分の断面形状を示す。乱反射部30a,30bを形成する突起31は、その先端部32に凹部34が形成され、凹部34は空気の流れ方向に伸びるとともに、凹部34の深さは突起31の長手方向両端部に向かうに従って浅くなっている。先端部32に凹部34を形成することにより、進行波を乱反射させることによる反射条件をより複雑かつ多様化させることができる。突起31の両側面33を凹面状に湾曲させることなく、平坦な傾斜面とすることによっても乱反射効果を得ることができるが、凹面形状とすることによって流路内の圧力損失を小さくしつつ騒音の発生を低減することができる。
図9は比較例である渦流ブロワについての集音実験の様子を示す模式図であり、図9にはケーシング12の内面が示されている。図9に示すケーシング12の隔壁23裏側には静止流路20の端面を形成する吸込側誘導面と吐出側誘導面が球内面形状となっているが、それぞれの誘導面には乱反射部は設けられていない。このような渦流ブロワの静止流路20にスピーカーから単一周波数の純音を流した状態のもとで、吸込口側と吐出口側との間において太線で示すようにマイクを静止流路20に沿って移動させて集音した。
図10は図9で示した比較例についての集音実験の結果を示す波形線図である。図10に示すように、比較例としての渦流ブロワにおいては、特定の周波数の純音を流すと、振幅の上下が揃い腹と節とが明確に分かる波形が検出された。このように、マイクからの流された音が静止流路20の共鳴周波数の定在波と一致すると、騒音が増幅されて外部に放射されることになる。これに対し、静止流路20の端面を形成する吸込側と吐出側の誘導面25,26に乱反射部30a,30bを設けると、同じ周波数の音をマイクから流してもこのような共鳴現象の発生が見られず、卓越周波数は発生しなかった。
図11は本発明の渦流ブロワと図9に示したケーシングを有する比較例としての渦流ブロワとについて測定した性能曲線を示す特性図である。それぞれ渦流ブロワの周囲に騒音測定器を配置して種々の周波数の騒音について測定したところ、図11に示されるように、比較例よりも本発明の渦流ブロワは、乱反射部によって騒音が低減されることが確認された。
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、特許文献2に記載のように、ブレードの軸方向両側に静止流路を形成するようにした渦流ブロワについても本発明を適用することができる。また、図6において二点鎖線で示すように、それぞれの連通開口部21a,22aの前方を覆うガイド23aを隔壁23に設けるようにしても良く、ガイド23aの先端面を特許文献1記載のように傾斜させても良い。
本発明の一実施の形態である渦流ブロワを示す一部切欠き斜視図である。 図1に示された渦流ブロワの一部を示す縦断面図である。 図2における3−3線断面図である。 (A)は羽根車の内面を示す正面図であり、(B)は羽根車の変形例を示す正面図である。 (A)は図4(A)における5A−5A線断面図であり、(B)は図4(B)における5B−5B線断面図であり、(C)はブレードの変形例を示す断面図である。 図3における6−6線拡大断面図である。 (A)は図6における7A−7A線断面図であり、(B)は図6における7B−7B線断面図であり、(C)は図6における7C−7C線断面図である。 乱反射部の変形例を示す断面図である。 比較例である渦流ブロワについての集音実験の様子を示す模式図である。 図9で示した比較例についての集音実験の結果を示す波形線図である。 本発明の渦流ブロワと比較例の渦流ブロワとについて測定した性能曲線を示す特性図である。
符号の説明
11 電動機
12 ケーシング
13 回転軸
14 羽根車
15 シュラウド
16 環状溝
17 ブレード
20 静止流路
21 吸込流路
22 吐出流路
23 隔壁
25 吸込側誘導面
26 吐出側誘導面
30a,30b 乱反射部
31 突起
32 突出端
33 側面
34 凹部

Claims (4)

  1. 円弧状の静止流路が設けられたケーシングと、前記静止流路に対応させて円周方向に所定の間隔毎に複数のブレードが設けられ電動機により駆動される羽根車とを有する渦流ブロワであって、
    前記ケーシングに前記静止流路の一端部に連通して設けられ、外部から前記静止流路に空気を案内する吸込流路と、
    前記ケーシングに前記静止流路の他端部に連通して設けられ、前記静止流路から加圧空気を外部に案内する吐出流路と、
    前記静止流路の一方の端面を形成し前記吸込流路から前記静止流路へ空気を誘導する吸込側誘導面と、前記静止流路の他方の端面を形成し前記静止流路から前記吐出流路へ空気を誘導する吐出側誘導面との少なくともいずれか一方に設けられる乱反射部とを有し、
    前記乱反射部は流路の中心に向けて突出するとともに空気の流れ方向に伸びる突起であり、流路に生じうる定在波を抑制する形状であることを特徴とする渦流ブロワ。
  2. 請求項1記載の渦流ブロワにおいて、前記吸込側誘導面と前記吐出側誘導面の両方に前記乱反射部を設けることを特徴とする渦流ブロワ。
  3. 請求項1または2記載の渦流ブロワにおいて、前記突起の高さは前記突起の長手方向の中央部から両端部に向けて徐々に低いことを特徴とする渦流ブロワ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の渦流ブロワにおいて、前記突起の側面を凹面状に湾曲させることを特徴とする渦流ブロワ。
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