JP5128750B2 - Biodegradable resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有する樹脂組成物及びこれを成形してなる生分解性成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄物埋め立て地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なうなどの問題が指摘されていた。近年、環境問題の意識が高まるにつれ、このようなプラスチック製品に対しても、自然環境中に廃棄された際に経時的に分解・崩壊し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさない環境適性が求められるようになり、生分解性プラスチックの研究開発が盛んに行われている。
【0003】
生分解性プラスチックは、土壌中や水中で加水分解或いは生分解して徐々に崩壊・分解が進行し、最終的には微生物の作用により無害な分解物となるため、コンポスト(堆肥化)処理により容易に廃棄物処理することができる。
現在、実用化されている生分解性プラスチックとしては、乳酸系樹脂、脂肪族ポリエステル、変性PVA、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、およびこれらのブレンド体等があり、それぞれの固有の特徴に応じた用途開発が行われている。中でも、脂肪族ポリエステルは、幅広い特性と汎用樹脂に近い加工特性をもっているため広い利用用途が考えられ、中でも特に「乳酸系樹脂」は、トウモロコシや砂糖キビなどの植物から得られる乳酸を原料とする天然物由来の樹脂であり、しかも透明性、剛性、耐熱性等に優れているため、例えばフィルム包装材や射出成形分野などにおいて、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートなどの代替材料として注目されている。
【0004】
しかし、このような乳酸系樹脂も、家電製品、自動車部品などの射出成形品に用いられるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等と比べると、耐衝撃性及び耐熱性に劣り、そのままではABS等の代替材料として利用することはできなかった。
【0005】
そこで従来、乳酸系樹脂の耐衝撃性を改良する手段として、特許文献1(特開平11−116784)等において、ポリ乳酸に脂肪酸エステルを添加、結晶化を行うことにより耐衝撃性を改良する方法が開示されている。
しかし、この方法では脂肪酸エステルが核剤として働き耐衝撃性を向上させる一方、可塑剤としても働くため、著しい耐熱性の低下を生じる。また、室温の弾性率が低下するため、硬さを要する用途には使用できないという課題を抱えていた。
【0006】
また、乳酸系樹脂の耐熱性を改良する方法として、特許文献2(特開平10−87976)等には、ポリ乳酸以外の融点が100〜250℃の脂肪族ポリエステルと結晶性SiO2を配合することで結晶化を促進し、耐熱性を改良する手法が開示されている。
しかし、この方法によると、耐熱性は改良されるものの耐衝撃性は改良され難く、成形品の輸送時や使用時等に破損を生じる恐れがあり、実用上充分であるとは言い難かった。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−116784号公報
【特許文献2】
特開平10−87976号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、乳酸系樹脂が本来有している生分解性を損なうことなく、乳酸系樹脂の耐衝撃性及び耐熱性をともに改良してなる新たな生分解性樹脂組成物及び生分解性成形体を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、乳酸系樹脂、結晶融解熱量(ΔHm)が異なる二種類以上の脂肪族ポリエステル、及び無機フィラーを含有する新たな生分解性樹脂組成物を提案する。
【0010】
即ち、本発明の生分解性樹脂組成物は、下記(1)〜(4)を含有する生分解性樹脂組成物である。
(1)乳酸系樹脂
(2)ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、かつ、結晶融解熱量(ΔHm)が50J/g以上である脂肪族ポリエステル(乳酸系樹脂除く)(以下「脂肪族ポリエステルA」とも言う。)
(3)Tgが0℃以下であり、かつ、ΔHmが30J/g以下である脂肪族ポリエステル(乳酸系樹脂及びポリカプロラクトン除く)(以下「脂肪族ポリエステルB」とも言う。)
(4)平均粒径が1〜5μmである無機フィラー
【0011】
上記生分解性樹脂組成物において、それぞれの配合割合は、(1)〜(4)の合計量に占める(1)の割合が45〜60質量%であり、(1)〜(4)の合計量に占める(2)の割合が15〜30質量%であり、かつ、(1)〜(4)の合計量に占める(3)及び(4)の割合が、(2)≧(3)≧(4)の関係を満たすのが好ましい。
【0012】
本発明の生分解性樹脂組成物は、通常の方法により成形して耐衝撃性及び耐熱性が共に優れた生分解性成形体を製造することができる。
即ち、脂肪族ポリエステルA(Tg0℃以下、ΔHm50J/g以上)を乳酸系樹脂に配合することにより、乳酸系樹脂の耐熱性を向上させ、成形時及び製品使用時等における熱変形を防止することができ、また、脂肪族ポリエステルB(Tg0℃以下、ΔHm30J/g以下)を乳酸系樹脂に配合することにより、乳酸系樹脂の耐衝撃性を向上させ、製品の輸送時及び使用時等における応力変形、破損を防止することができる。さらに、平均粒径が1〜5μmの無機フィラーを配合することにより、成形時における変形、結晶化時(即ち加熱時)における収縮や反り、使用時における経時的な寸法変化を抑制することができる。
【0013】
ところで、脂肪族ポリエステルは、成形体として比較的長期にわたり保管或いは使用していると、空気中の水蒸気や内部又は外部からの水分により加水分解を起こし、例えば機械物性の低下を招くなどの問題を抱えている。特に60℃、60%RH以上の高温多湿の雰囲気においては、加水分解が著しく、数時間から数週間で加水分解を起して使用できなくなることがある。
そこで、成形体の耐加水分解性を高めるべく、上記の生分解性樹脂組成物にカルボジイミドを配合するのが好ましく、その際、カルボジイミド化合物の配合量は、上記(1)〜(4)の合計量100質量部に対して0.5〜10質量部とするのが好ましく、特に0.5〜5質量部とするのが好ましい。
【0014】
また、本発明の生分解性樹脂組成物を成形して得られる生分解性成形体(特に射出成形体)は、更に60〜130℃の範囲で結晶化させることにより、耐熱性をより一層高めることができる。
【0015】
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に含める意を包含するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
本発明の生分解性樹脂組成物は、乳酸系樹脂と、結晶融解熱量(ΔHm)が異なる二種類以上の脂肪族ポリエステル(乳酸系樹脂除く)と、無機フィラーとを含有する樹脂組成物である。
【0018】
(乳酸系樹脂)
本発明に用いられる乳酸系樹脂(「PLA」とも言う。)は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、或いは、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)、或いはこれらの二種類以上の混合体であればよく、乳酸系樹脂のDL構成比は、L体:D体=100:0〜90:10、若しくはL体:D体=0:100〜10:90が好ましい。中でもL体:D体=99.5:0.5〜94:6、若しくはL体:D体=0.5:99.5〜6:94であるのがより好ましい。前記の好ましい範囲内であれば、部品の耐熱性が特に得られ易く、広範囲の用途に用いることができる。
【0019】
また、本発明に用いられる乳酸系樹脂は、上記いずれかの乳酸と、他のヒドロキシカルボン酸単位との共重合体であっても、また、脂肪族ジオールや脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
乳酸系樹脂に共重合される上記の「他のヒドロキシ−カルボン酸単位」としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類などを挙げることができる。
乳酸系樹脂に共重合される上記「脂肪族ジオール」としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。
また、乳酸系樹脂に共重合される上記「脂肪族ジカルボン酸」としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などを挙げることができる。
【0020】
さらに、耐熱性を向上させるなどの必要に応じ、少量共重合成分としてテレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを用いて共重合させてもよい。
また、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを共重合させることもできる。
【0021】
乳酸系樹脂の重合法としては、縮重合法、開環重合法、その他の公知の重合法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸或いはD−乳酸或いはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持った乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを必要に応じて重合調整剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用して乳酸系樹脂を得ることができる。この際、ラクチドには、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、或いはL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成及び結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。
【0022】
本発明に用いられる乳酸系樹脂の重量平均分子量の好ましい範囲は、5万から40万、より好ましくは10万から25万である。5万以上の分子量であれば好適な実用物性を発揮する。また、40万以下であれば溶融粘度が高過ぎることがなく良好な成形加工性を発揮する。
なお、乳酸系樹脂の代表的なものとしては、島津製作所製ラクティシリーズ、三井化学製レイシアシリーズ、カーギル・ダウ製Nature Worksシリーズなどが挙げられる。
【0023】
(脂肪族ポリエステル)
本発明で用いる脂肪族ポリエステル、即ち結晶融解熱量(ΔHm)が異なる二種類以上の脂肪族ポリエステル(乳酸系樹脂除く)は、下記に説明する脂肪族ポリエステル等の中から選択して用いることができる。但し、下記の例に限定されるものではない。
また、本発明で用いる脂肪族ポリエステルは、重量平均分子量1万〜50万、好ましくは5万〜30万、さらに好ましくは10万〜30万のポリマーとしての脂肪族ポリエステルであり、可塑剤として使用される低分子量の脂肪族ポリエステルとは区別される。両者の違いは、配合する乳酸系樹脂のガラス転移温度(Tg)の低下の有無に現れる。
【0024】
本発明で用いる脂肪族ポリエステルとしては、乳酸系樹脂を除く生分解性脂肪族ポリエステル、例えば、乳酸系樹脂を除くポリヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生合成される脂肪族ポリエステル、その他の芳香族脂肪族脂肪族ポリエステルなどを挙げることができる。
【0025】
上記の「ポリヒドロキシカルボン酸」としては、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体や共重合体を挙げることができる。
【0026】
上記の「脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる脂肪族ポリエステル」としては、次に説明する脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸の中からそれぞれ1種類或いは2種類以上選んで縮合するか、或いは必要に応じてイソシアネート化合物等でジャンプアップして所望のポリマー(高分子)として得ることができる重合体を挙げることができる。
この際の「脂肪族ジオール」としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を代表的に挙げることができ、上記の「脂肪族ジカルボン酸」としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸等を代表的に挙げることができる。
【0027】
上記の「環状ラクトン類を開環縮合した脂肪族ポリエステル」としては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が代表的に挙げることができ、これらから1種類又はそれ以上を選択して重合することにより得ることができる。
【0028】
上記の「合成系脂肪族ポリエステル」としては、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピオンオキサイド等との共重合体等を挙げることができる。
【0029】
上記の「菌体内で生合成される脂肪族ポリエステル」としては、アルカリゲネスユートロファスを始めとする菌体内でアセチルコエンチームA(アセチルCoA)により生合成される脂肪族ポリエステルなどを挙げることができる。この脂肪族ポリエステルは、主にポリ−β−ヒドロキシ酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックとしての実用特性向上のために、吉草酸ユニット(HV)を共重合し、ポリ(3HB−CO−3HV)の共重合体にすることが工業的に有利である。一般的には、HV共重合比は0〜40%である。さらに長鎖のヒドロキシアルカノエートを共重合してもよい。
【0030】
上記の「芳香族脂肪族ポリエステル」としては、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分及び脂肪族ジオール成分からなる生分解性を有する芳香族脂肪族ポリエステルを挙げることができる。
この際、「芳香族ジカルボン酸成分」としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができ、「脂肪族ジカルボン酸成分」としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等を挙げることができ、「脂肪族ジオール成分」としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。なお、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分或いは脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上組合わせて用いることもできる。
本発明において、最も好適に用いられる芳香族脂肪族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、脂肪族ジカルボン酸成分がアジピン酸であり、脂肪族ジオール成分が1,4−ブタンジオールである芳香族脂肪族ポリエステルである。
なお、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステルは生分解性を有することが知られているが、芳香族脂肪族ポリエステルにおいて生分解性を発現させるためには芳香環の合間に脂肪族鎖が存在することが必要である。そのため、芳香族ジカルボン酸成分の組成割合は50モル%以下に抑えることが好ましい。
【0031】
更に、結晶融解熱量(ΔHm)が異なる二種類以上の脂肪族ポリエステルのうち、少なくとも一方は、(Tg)が0℃以下で、かつΔHmが50J/g以上の脂肪族ポリエステル(「脂肪族ポリエステルA」)であり、少なくとも他の一方は、(Tg)が0℃以下で、かつΔHmが30J/g以下である脂肪族ポリエステル(「脂肪族ポリエステルB」)である必要がある。
脂肪族ポリエステルAを配合することにより、成型時に非晶状態である乳酸系樹脂の弾性率を上げ、成形体の離型性、寸法安定性及び耐熱性を向上させることができ、製品成形時及び使用時等における熱変形を防止することができる。又、脂肪族ポリエステルBを配合することにより、乳酸系樹脂の特徴である硬くて脆い性質を改良し、耐衝撃性に優れた成形体を得ることができ、製品輸送時及び使用時等における応力変形、破損を防止することができる。
【0032】
脂肪族ポリエステルA(Tg0℃以下、ΔHmが50J/g以上)の具体例としては、例えばポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製ビオノーレ1001、1003、1010など)などを挙げることができる。
脂肪族ポリエステルB(Tg0℃以下、ΔHmが30J/g以下)の具体例としては、例えばポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体(昭和高分子社製ビオノーレ3001、3003、3010など)、ポリカプロラクトン(ダイセル化学社製セルグリーンP−H7)、ポリブチレンアジペート/テレフタレート共重合体(BASF社製Ecoflex)、テトラメチレンアジペート/テレフタレート共重合体(EasmanChemicals製EastarBio)などを挙げることができる。
ただし、いずれの脂肪族ポリエステルA,Bも、上記例示に限定されるものではない。
【0033】
(無機フィラー)
本発明に用いられる無機フィラーの具体例としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、ベントナイト、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、黒鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、ホウ酸亜鉛、含水ホウ酸カルシウム、アルミナ、マグネシア、ウォラストナイト、ゾノトライト、セピオライト、ウィスカー、ガラス繊維、ガラスフレーク、金属粉末、ビーズ、シリカバルーン、シラスバルーン、有機系バルーンなどを挙げることができる。
上記無機フィラーの表面を、チタン酸、脂肪酸、シランカップリング剤などで処理することにより樹脂との接着性を向上させ、無機フィラーの配合効果を向上させることができる。
なお、2種類以上のフィラーを組合わせて混合して用いることもできる。
【0034】
本発明に用いる無機フィラーの平均粒径は、1〜5μmであることが必要であり、特に2〜4μmであることが好ましい。平均粒径が1μm以上であれば、フィラーが凝集することがなく衝撃強度を低下させることがない。その一方、平均粒径が5μm以下であれば、無機フィラーが破壊の開始点となって成形体の強度を低下させるようなことがなく、実用上好ましい。なお、本発明において、無機フィラーの平均粒径は、レーザー回折法により測定した値を示す。
【0035】
(配合割合)
本発明において、(1)乳酸系樹脂と、(2)Tg0℃以下、ΔHm50J/g以上の脂肪族ポリエステルAと、(3)Tg0℃以下、ΔHm30J/g以下の脂肪族ポリエステルBと、(4)無機フィラーとの配合割合は、次の割合とするのが好ましい。
即ち、乳酸系樹脂は、上記(1)〜(4)の成分の合計量に占める割合が45〜60質量%、特に50〜60質量%であるのが好ましい。45〜60質量%の範囲内であれば、寸法安定性と耐熱性の点で特に優れたものとなる。
脂肪族ポリエステルAは、上記(1)〜(4)の成分の合計量に占めるその割合が15〜30質量%、特に20〜25質量%であるのがより好ましい。15〜30質量%の範囲内であれば、成形体の離型性、寸法安定性、及び耐熱性の改良効果を充分に得ることができる。
脂肪族ポリエステルB及び無機フィラーの配合割合については、(2)≧(3)≧(4)の関係を満たすようにするのが好ましい。即ち、脂肪族ポリエステルB及び無機フィラーのいずれも、脂肪族ポリエステルAと同量か或いはそれよりも少なく、かつ無機フィラー以上に脂肪族ポリエステルBを配合するのが好ましい。無機フィラーよりも耐衝撃性を改良する脂肪族ポリエステルBをより多く配合することにより、他の場合((2)≧(4)≧(3)、(4)≧(2)≧(3)、(4)≧(3)≧(2))の場合に比べて、耐衝撃性改良効果をより一層高めることができる。なお、(3)≧(2)≧(4)或いは(3)≧(4)≧(2)となる場合は、耐衝撃性の著しい改良効果は見られるものの、成形体の軟質化を生じ、成型時における成形体の変形、結晶化時における変形、使用時における変形などを生じる可能性があるから、耐熱性と耐衝撃性を兼ね備えた樹脂組成物を提供するためには、(2)、(3)及び(4)の配合量が(2)≧(3)≧(4)の関係であることが好ましい。
より具体的には、合計100となるように(1):(2):(3):(4)=50〜60:残り:5〜15:5〜15の範囲内で(2)≧(3)≧(4)となるように設計するのが好ましい。
【0036】
(カルボジイミド化合物)
本発明の生分解性樹脂組成物においては、耐加水分解性を高めるためにカルボジイミド化合物を配合するのが好ましく、その際、カルボジイミド化合物の配合量は、上記(1)〜(4)の成分の合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部、特に0.5〜5質量部とするのが好ましい。0.5質量部以上であれば耐加水分解性改良効果を充分に発現する。また、10質量部以下であれば、カルボジイミド化合物のブリードアウトによる成形体の外観不良や、可塑化による機械物性の低下が起こることがなく、生分解性やコンポスト分解性が損なわれることもない。
【0037】
本発明で用いるカルボジイミド化合物は、下記一般式の基本構造を有するものがあげられる。
なお、下記一般式において、nは1以上の整数を示し、Rはその他の有機系結合単位を示す。これらのカルボジイミド化合物は、Rの部分が、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかでもよい。また、通常nは1〜50の間で適宜決められる。
【0038】
【化1】
【0039】
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及びこれらの単量体があげられる。該カルボジイミド化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0040】
(その他の配合成分)
本発明の効果を損なわない範囲で、その他、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、核剤、可塑剤等の添加剤を処方することができる。
【0041】
(生分解性樹脂組成物)
本発明の生分解性樹脂組成物は、射出成形法,射出圧縮成形法,押出成形法,ブロー成形法,プレス成形法,発泡成形法など、現在公知の任意の成形方法により成形することができ、生分解性、耐熱性及び耐衝撃性を備えた成形体、特に生分解性射出成形体を好適に製造することができる。
また、カルボジイミド化合物を配合することによって耐加水分解性を高めることができ、例えば家電製品、自動車部品、その他一般成形品として、従来の汎用樹脂からなる製品とともに利用することが可能となる。
また、得られた成形体を熱処理して結晶化(後結晶化)させることにより、生分解性成形体の耐熱性をより一層高めることができる。
【0042】
(製造方法)
次に、本発明の生分解性樹脂組成物の製造方法、並びに当該樹脂組成物から成形体、特に射出成形体を製造する方法について説明する。
なお、ここでは主に射出成形する場合について述べるが、その他の成形方法については公知の成形方法を採用すればよい。
【0043】
乳酸系樹脂、脂肪族ポリエステルA、脂肪族ポリエステルB及び無機フィラー、更に必要に応じてカルボジイミド化合物及びその他添加剤は、例えば射出成形機に各原料を投入して混合及び射出成形を行うことができる。具体的には、射出成型機を用いて原料を直接混合して射出成形する方法、或いは、ドライブレンドした原料を二軸押出機等を用いてストランド形状に押出すなどしてペレットを作製した後、再度射出成形機を用いて射出成形体を作製する方法などを採用することができる。いずれの方法においても、原料の分解による分子量の低下を考慮する必要があり、均一に混合するためには後者を選択することが好ましい。後者の具体例としては、例えば乳酸系樹脂、芳香族脂肪族ポリエステル及び無機フィラーを充分に乾燥して水分を除去した後、二軸押出機を用いて溶融混合し、ストランド形状に押出してペレットを作製するなどすればよい。その際、乳酸系樹脂の融点が、L−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって変化することや、芳香族脂肪族ポリエステルの混合の割合によって混合樹脂の融点が変化すること等を考慮して、溶融押出温度を適宜選択することが好ましい。実際には100〜250℃の温度範囲が通常選択される。このように作製したペレットは十分に乾燥して水分を除去した後射出成形を行えばよい。
【0044】
射出成形の方法は、特に限定するものではない。代表的な例として、熱可塑性樹脂用の一般射出成形法、ガスアシスト成形法、射出圧縮成形法等を挙げることができる。その他目的に合わせて、上記の方法以外でインモールド成形法、ガスプレス成形法、2色成形法、サンドイッチ成形法、PUSH−PULL、SCORIM等を採用することもできる。
この際、射出成形装置は、一般射出成形機、ガスアシスト成形機及び射出圧縮成形機等と、これらに用いられる成形用金型及び付帯機器、金型温度制御装置及び原料乾燥装置等とから構成されるのが一般的である。
成形条件は、射出シリンダー内での樹脂の熱分解を避けるため、溶融樹脂温度を170℃〜210℃の範囲で成形するのが好ましい。
【0045】
非晶状態の射出成形体を製造する場合は、成形サイクル(型閉〜射出〜保圧〜冷却〜型開〜取出)における冷却時間を短くする点から金型温度をできるだけ低温とするのが好ましい。一般的には15℃〜55℃に設定し、チラーを用いることも望ましい。しかし、後結晶化時の成形体の収縮及び反り、変形を抑える点などを考慮すると、この範囲の高温側、即ち35〜55℃に設定することが有利である。
【0046】
また、無機フィラーを用いると、その充填量が多くなるにしたがい成形品表面にフローマークが発生することがある。その場合には、射出速度を未充填系より低速とすることで対処する。L100mm×W100mm×t2mmのプレート金型を備えたスクリュー径25mmの射出成形機で射出成形したところ、タルク15質量%を含むポリ乳酸系樹脂では、射出速度30mm/sec以下とするとフローマークの無い成形体が得られた。ところで、未充填樹脂の場合は50mm/secでもフローマークは発生しなかった。
【0047】
また、ヒケが発生がしやすい場合には、保持圧力及び保持時間を充分に取ることが好ましい。保持圧力は30MPa〜100MPaの範囲に設定するのが好ましく、保持時間は成形体の形状や肉厚によって1sec〜15secの範囲で適宜設定すればよい。例えば肉厚2mmのプレート体を成形する場合であれば3sec前後に設定すればよい。
【0048】
金型内で結晶化させるためには、加熱した金型内に溶融樹脂を充填した後、一定時間金型内で保持するのが好ましい。この際、金型温度としては60℃〜130℃、好ましくは70℃〜90℃である。60℃以上であれば結晶化を短時間で行うことができサイクルをより短くすることができる。その一方、130℃以下であればリリース時の変形をより確実に抑えることができる。
【0049】
また、得られた成形体の耐熱性をさらに向上させるために、成形体を更に熱処理して結晶化(後結晶)させることが有効である。その際の熱処理温度は、60〜130℃の範囲が好ましく、70〜90℃の範囲がより好ましい。熱処理温度が60℃以上であれば、成形工程において結晶化を充分に進行させることでき、130℃以下であれば、成形体の冷却時における変形や収縮をより確実に抑えることができる。加熱時間は、組成や熱処理温度によって適宜決めるのが好ましく、一般的には70℃の場合は15分〜5時間熱処理を行い、また、130℃の場合は10秒〜30分熱処理を行うのが好ましい。
結晶化の方法としては、事前に温度が上げられた金型に射出成形し、金型内で結晶化させる方法、成形後に金型の温度を上げて金型内で結晶化させる方法、或いは成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで結晶化させる方法等を挙げることができる。この際、成形体を固定しなくてもよいが、成形体の変形を防止するために、金型、樹脂型などで固定する方がより好ましい。また、生産性を考慮に入れて、梱包した状態で熱処理を行うこともできる。
【0050】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に制限を受けるものではない。
ここでは先ず、実施例及び比較例の物性値の測定方法、算出方法、並びに評価方法について説明する。
【0051】
(1)結晶融解熱量(ΔHm)
成形体を5mmφの10mg程度の鱗片状に削り出し、パーキンエルマー製DSC−7を用いて、JIS−K7121に基づいて昇温測定を行い、得られたサーモグラムより結晶融解熱量(ΔHm)を読み取った。
【0052】
(2)耐衝撃性
JISK−7110に基づいて2号A試験片(ノッチ付き、L64mm×W12.7mm×t4mm)を作製し、東洋精機製作所製JISL−Dを用いて23℃におけるアイゾット衝撃強度の測定を行った。アイゾット衝撃強度は、20kJ/m2を実用基準として評価した。
【0053】
(3)耐熱性
JISK−7191に基づいて試験片(L120mm×W11mm×t3mm)の作製を行い、東洋精機製S−3Mを用いて荷重たわみ温度の測定を行った。測定は、エッジワイズ方向、試験片に加える曲げ応力1.80MPaの条件で行った。荷重たわみ温度は、55℃以上を実用基準として評価した。
【0054】
(4)寸法安定性
東芝機械製射出成形機IS50Eを用いて、図1に示す電卓型非晶成形体を製造した。この時の成形条件は、シリンダー温度195℃、金型温度25℃、射出圧力110MPa、射出時間1.5sec、保圧力80MPa、保持時間3.0sec、背圧10MPa、スクリュー回転数110rpmであった。
成形後、測定室内(温度23℃湿度50%RH)で成形体を状態調整し、図に示すX寸法とY寸法を測定し、その後、指定された加熱条件(温度及び時間)でアニール処理を実施した。ただし、アニール処理には恒温恒湿オーブンを用い、成形体に負荷のかからない状態で静置して行った。
アニール処理後、直ちに成形体を取り出し測定室内で状態調整を行った。24時間状態調整を行った後、再度XとYの寸法を測定し、アニール処理による収縮率を算出した。
測定には三次元測定機を用いた。
評価は、XとYの収縮率が共に1.0%未満であるものを記号「○」、XまたはYの収縮率のいずれかが1.0%以上のものを記号「△」、XとYの収縮率が共に1.0%以上であるものを記号「×」で示した。
【0055】
(5)肪族ポリエステル系生分解性樹脂の重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、溶媒クロロホルム、溶液濃度0.2wt/vol%、溶液注入量200μl、溶媒流速1.0ml/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で、乳酸系樹脂の重量平均分子量を算出した。用いた標準ポリスチレンの重量平均分子量は、2000000、430000、110000、35000、10000、4000、600である。
【0056】
(6)耐加水分解性
85℃、80%RHの条件で湿熱試験を行い、100時間経過後の分子量保持率を以下の式により算出した。分子量保持率は、70%以上を実用基準として評価した。
【0057】
分子量保持率(%)
=(湿熱試験後の重量平均分子量/湿熱試験前の重量平均分子量)×100
【0058】
【実施例1】
乳酸系樹脂として、カーギル・ダウ社製NatureWorks4031D(L−乳酸/D−乳酸=98.5/1.5、重量平均分子量20万)を用い、
脂肪族ポリエステルA(Tgが0℃以下。ΔHm50J/g以上)として、昭和高分子社製ビオノーレ1003(ポリブチレンサクシネート、ΔHm:58.0J/g、Tg:−30℃)を用い、
脂肪族ポリエステルB(Tg0℃以下、ΔHmが30J/g以下)として、BASF社製ECOFLEX(テレフタル酸24モル%、アジピン酸26モル%、1,4−ブタンジオール50モル%、ΔHm:21.0J/g、Tg:−30℃)を用い、
無機フィラーとして、日本タルク社製SG−95(タルク、平均粒径:2.5μm)を用い、
上記のNatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を、質量比50:25:15:10の割合でドライブレンドした後、三菱重工製40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて180℃でコンパウンドし、得られた樹脂組成物をペレット形状にした。
【0059】
得られたペレットを、東芝機械製射出成形機 IS50E(スクリュー径25mm)を用いて射出成形し、L200mm×W30mm×t3mm、4mmの板材を製造した。主な成形条件は以下の通りである。
1)温度条件:シリンダー温度(195℃)、金型温度(20℃)
2)射出条件:射出圧力(115MPa)、保持圧力(55MPa)
3)計量条件:スクリュー回転数(65rpm)、背圧(15MPa)
【0060】
次に、得られた射出成形体を、ベーキング試験装置(大栄科学精器製作所製DKS−5S)内に静置し、70℃で3.5時間熱処理を行った。そして、耐衝撃性、耐熱性及び寸法安定性等の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
【実施例2】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を、質量比55:25:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0062】
【実施例3】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を、質量比60:25:10:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【実施例4】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を、質量比55:15:15:15の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
【実施例5】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を、質量比55:30:10:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
【実施例6】
無機フィラーとして、日本タルク社製ミクロエースL−1(タルク、平均粒径:4.9μm)を用い、NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、ミクロエースL−1を、質量比55:25:10:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
【実施例7】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を、質量比40:25:20:15の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
【実施例8】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、及び、SG−95を質量比70:20:5:5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【比較例1】
NatureWorks4031D及びビオノーレ1003を、質量比80:20の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
【0070】
【比較例2】
NatureWorks4031D及びECOFLEXを、質量比80:20の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
【0071】
【比較例3】
NatureWorks4031D及びSG−95を、質量比80:20の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
【0072】
【比較例4】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003及びECOFLEXを、質量比55:25:20の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
【0073】
【比較例5】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003及びSG−95を、質量比55:25:20の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【実施例9】
カルボジイミド化合物として、ラインケミー社製スタバクゾールP(ポリカルボジイミド化合物)を用い、NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、SG−95及びスタバクゾールPを、質量比55:25:10:10:1.0の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表3に示す。
【0076】
【実施例10】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、SG−95及びスタバクゾールPを、質量比55:25:10:10:1.5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表3に示す。
【0077】
【実施例11】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、SG−95及びスタバクゾールPを、質量比55:25:10:10:2.0の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表3に示す。
【0078】
【実施例12】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、SG−95及びスタバクゾールPを、質量比55:25:10:10:3.0の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表3に示す。
【0079】
【実施例13】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、SG−95及びスタバクゾールPを、質量比55:25:10:10:4.5の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表3に示す。
【0080】
【実施例14】
NatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX、SG−95及びスタバクゾールPを、質量比55:25:10:10:5.0の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法で射出成形品の作製、評価を行った。結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
表1から明らかなように、実施例1〜6の射出成形体は、アイゾット衝撃強度が20kJ/m2以上であり、荷重たわみ温度が55℃以上であり、しかも寸法安定性に優れていることが分かった。
また、表3から明らかなように、カルボジイミド化合物を添加した実施例9〜14の射出成形体は、高い分子量保持率を有することが分った。中でも、カルボジイミド化合物をNatureWorks4031D、ビオノーレ1003、ECOFLEX及びSG−95の合計100質量部に対して1.5〜4.5、中でも特に2.0〜3.0配合する場合が好ましいことが分った。
なお、実施例1〜14の射出成形体は、いずれも生分解性であるので、環境保護の観点からも優れたものである。
【0083】
他方、比較例1の射出成形体は、荷重たわみ温度は55℃以上であり、耐熱性には優れているものの、耐衝撃性及び寸法安定性に劣っていた。
比較例2の射出成形体は、荷重たわみ温度は55℃以上であり、耐熱性には優れているものの、寸法安定性に劣っていた。
これに対し、比較例3及び比較例5の射出成形体は、寸法安定性には優れているものの、いずれもアイゾット衝撃強度が20kJ/m2未満であり耐衝撃性に劣っていた。
また、比較例4の射出成形体は、荷重たわみ温度が55℃未満であり、耐熱性及び寸法安定性に劣っていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、各実施例品及び比較例品について、その寸法安定性を調べるために製作した電卓型非晶成形体の平面図であり、(b)はその正面図である。
【符合の説明】
1〜6 穴あき部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a biodegradable resin composition and a biodegradable molded article formed by molding the resin composition.
[0002]
[Prior art]
Ordinary plastics are stable in the natural environment for a long time and have a low bulk specific gravity. Therefore, problems such as promoting the shortening of waste landfills and damaging the natural landscape and the living environment of wild animals and plants are pointed out. It had been. In recent years, as the awareness of environmental issues has increased, such plastic products also have environmental suitability that will decompose and disintegrate over time when discarded in the natural environment, and will ultimately not adversely affect the natural environment. Research and development of biodegradable plastics has been actively conducted.
[0003]
Biodegradable plastics are hydrolyzed or biodegraded in soil and water, and gradually decay and decompose, eventually becoming harmless degradation products due to the action of microorganisms. Waste can be easily treated.
Currently available biodegradable plastics include lactic acid resins, aliphatic polyesters, modified PVA, cellulose ester compounds, modified starches, and blends thereof, depending on the specific characteristics of each. Application development is underway. In particular, aliphatic polyesters have a wide range of properties and processing characteristics similar to those of general-purpose resins, so they can be used in a wide range of applications. Especially, lactic acid-based resins are made from lactic acid obtained from plants such as corn and sugar millet. Since it is a resin derived from a natural product and is excellent in transparency, rigidity, heat resistance and the like, it has been attracting attention as an alternative material such as polystyrene and polyethylene terephthalate in the field of film packaging materials and injection molding.
[0004]
However, such lactic acid-based resins are also inferior in impact resistance and heat resistance compared to ABS (acrylonitrile butadiene styrene) used for injection molded products such as home appliances and automobile parts. It could not be used as an alternative material.
[0005]
Therefore, conventionally, as a means for improving the impact resistance of a lactic acid resin, in Patent Document 1 (Japanese Patent Laid-Open No. 11-116784), a method for improving impact resistance by adding a fatty acid ester to polylactic acid and performing crystallization. Is disclosed.
However, in this method, the fatty acid ester acts as a nucleating agent to improve impact resistance, but also acts as a plasticizer, resulting in a significant decrease in heat resistance. Moreover, since the elasticity modulus at room temperature falls, it had the subject that it cannot be used for the use which requires hardness.
[0006]
In addition, as a method for improving the heat resistance of lactic acid-based resins, Patent Document 2 (Japanese Patent Laid-Open No. 10-87976) discloses aliphatic polyesters having a melting point other than polylactic acid of 100 to 250 ° C. and crystalline SiO. 2 A technique for promoting crystallization and improving heat resistance is disclosed by blending.
However, according to this method, although the heat resistance is improved, the impact resistance is hardly improved, and there is a risk that the molded product may be damaged during transportation or use, and it is difficult to say that it is practically sufficient.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-11-116784
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-87976
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the present invention provides a new biodegradable resin composition and biodegradability obtained by improving both impact resistance and heat resistance of a lactic acid resin without impairing the biodegradability inherent to the lactic acid resin. It is intended to provide a molded body.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention proposes a new biodegradable resin composition containing a lactic acid resin, two or more types of aliphatic polyesters having different crystal heats of fusion (ΔHm), and an inorganic filler.
[0010]
That is, the biodegradable resin composition of the present invention includes: (1)-(4) Is a biodegradable resin composition containing
(1) Lactic acid resin
(2) Aliphatic polyesters (excluding lactic acid resins) having a glass transition temperature (Tg) of 0 ° C. or lower and a heat of crystal fusion (ΔHm) of 50 J / g or higher (hereinafter also referred to as “aliphatic polyester A”).
(3) Aliphatic polyesters having a Tg of 0 ° C. or less and a ΔHm of 30 J / g or less (lactic acid resin) And polycaprolactone Excluded) (hereinafter also referred to as “aliphatic polyester B”)
(4) Inorganic filler having an average particle size of 1 to 5 μm
[0011]
In the biodegradable resin composition, each blending ratio is: (1)-(4) Of the total amount of (1) Is a ratio of 45-60 mass%, (1)-(4) Of the total amount of (2) Is 15-30% by mass, and (1)-(4) Of the total amount of (3) and (4) Of (2) ≧ (3) ≧ (4) It is preferable to satisfy this relationship.
[0012]
The biodegradable resin composition of the present invention can be molded by a conventional method to produce a biodegradable molded article excellent in both impact resistance and heat resistance.
That is, by adding aliphatic polyester A (Tg 0 ° C. or lower, ΔHm50 J / g or higher) to the lactic acid resin, the heat resistance of the lactic acid resin is improved, and thermal deformation during molding and product use is prevented. In addition, by blending aliphatic polyester B (Tg 0 ° C. or less, ΔHm30 J / g or less) with lactic acid resin, the impact resistance of lactic acid resin is improved, and stress during transportation and use of the product, etc. Deformation and breakage can be prevented. Furthermore, by blending an inorganic filler having an average particle size of 1 to 5 μm, deformation during molding, shrinkage and warpage during crystallization (that is, heating), and dimensional changes over time during use can be suppressed. .
[0013]
By the way, when the aliphatic polyester is stored or used as a molded article for a relatively long period of time, it causes hydrolysis due to water vapor in the air or moisture from the inside or outside, which causes problems such as deterioration of mechanical properties. I have it. In particular, in an atmosphere of high temperature and high humidity of 60 ° C. and 60% RH or more, the hydrolysis is remarkable, and the hydrolysis may occur in several hours to several weeks and may not be used.
Therefore, in order to increase the hydrolysis resistance of the molded article, it is preferable to add carbodiimide to the biodegradable resin composition. At that time, the compounding amount of the carbodiimide compound is (1)-(4) It is preferable to set it as 0.5-10 mass parts with respect to 100 mass parts of total amount of, especially 0.5-5 mass parts.
[0014]
In addition, the biodegradable molded product (particularly injection molded product) obtained by molding the biodegradable resin composition of the present invention is further crystallized in the range of 60 to 130 ° C., thereby further improving the heat resistance. be able to.
[0015]
Note that the upper and lower limits of the numerical range in the present invention are equivalent to the present invention as long as they have the same effects as those in the numerical range even if they are slightly outside the numerical range specified by the present invention. The intention to include in the range is included.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
[0017]
The biodegradable resin composition of the present invention is a resin composition containing a lactic acid resin, two or more types of aliphatic polyesters (excluding lactic acid resin) having different crystal melting heat (ΔHm), and an inorganic filler. .
[0018]
(Lactic acid resin)
The lactic acid-based resin (also referred to as “PLA”) used in the present invention is poly (L-lactic acid) whose structural unit is L-lactic acid, poly (D-lactic acid) whose structural unit is D-lactic acid, or The structural unit may be poly (DL-lactic acid) whose structural units are L-lactic acid and D-lactic acid, or a mixture of two or more of these. The DL component ratio of the lactic acid-based resin is L-form: D-form = 100: 0-90: 10 or L-form: D-form = 0: 100-10: 90 is preferable. Among these, L-form: D-form = 99.5: 0.5 to 94: 6 or L-form: D-form = 0.5: 99.5 to 6:94 is more preferable. If it is in the said preferable range, the heat resistance of components will be especially easy to be obtained, and it can be used for a wide range of uses.
[0019]
The lactic acid resin used in the present invention may be a copolymer of any of the above lactic acids and other hydroxycarboxylic acid units, or a copolymer of an aliphatic diol or an aliphatic dicarboxylic acid. It may be.
The above-mentioned “other hydroxy-carboxylic acid units” copolymerized with the lactic acid resin include optical isomers of lactic acid (D-lactic acid for L-lactic acid and L-lactic acid for D-lactic acid). Glycolic acid, 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 2-hydroxyn-butyric acid, 2-hydroxy-3,3-dimethylbutyric acid, 2-hydroxy-3-methylbutyric acid, 2-methyllactic acid, 2-hydroxycaproic acid, etc. And lactones such as caprolactone, butyrolactone, and valerolactone.
Examples of the “aliphatic diol” copolymerized with the lactic acid resin include ethylene glycol, 1,4-butanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol and the like.
Examples of the “aliphatic dicarboxylic acid” copolymerized with the lactic acid-based resin include succinic acid, adipic acid, suberic acid, sebacic acid, and dodecanedioic acid.
[0020]
Furthermore, if necessary, such as to improve heat resistance, copolymerization using a non-aliphatic diol such as a non-aliphatic dicarboxylic acid such as terephthalic acid and / or an ethylene oxide adduct of bisphenol A as a small amount of a copolymer component. You may let them.
A small amount of a chain extender such as a diisocyanate compound, an epoxy compound, or an acid anhydride can be copolymerized for the purpose of increasing the molecular weight.
[0021]
As a polymerization method for the lactic acid-based resin, a condensation polymerization method, a ring-opening polymerization method, and other known polymerization methods can be employed. For example, in the condensation polymerization method, L-lactic acid, D-lactic acid, or a mixture thereof can be directly dehydrated and condensation polymerized to obtain a lactic acid resin having an arbitrary composition. In the ring-opening polymerization method, a lactic acid-based resin can be obtained using a selected catalyst while using lactide, which is a cyclic dimer of lactic acid, with a polymerization regulator as necessary. In this case, lactide includes L-lactide, which is a dimer of L-lactic acid, D-lactide, which is a dimer of D-lactic acid, or DL-lactide composed of L-lactic acid and D-lactic acid. By mixing and polymerizing as necessary, a lactic acid-based resin having an arbitrary composition and crystallinity can be obtained.
[0022]
The preferred range of the weight average molecular weight of the lactic acid resin used in the present invention is 50,000 to 400,000, more preferably 100,000 to 250,000. If the molecular weight is 50,000 or more, suitable practical physical properties are exhibited. Moreover, if it is 400,000 or less, melt viscosity will not be too high and favorable moldability will be exhibited.
Typical examples of lactic acid resins include the Lacty series from Shimadzu Corporation, the Lacia series from Mitsui Chemicals, and the Nature Works series from Cargill Dow.
[0023]
(Aliphatic polyester)
The aliphatic polyester used in the present invention, that is, two or more types of aliphatic polyesters (excluding lactic acid-based resins) having different crystal melting calories (ΔHm) can be selected from the aliphatic polyesters described below. . However, it is not limited to the following example.
The aliphatic polyester used in the present invention is an aliphatic polyester as a polymer having a weight average molecular weight of 10,000 to 500,000, preferably 50,000 to 300,000, more preferably 100,000 to 300,000, and is used as a plasticizer. A distinction is made from low molecular weight aliphatic polyesters. The difference between the two appears in the presence or absence of a decrease in the glass transition temperature (Tg) of the lactic acid resin to be blended.
[0024]
The aliphatic polyester used in the present invention is a biodegradable aliphatic polyester excluding a lactic acid resin, for example, a polyhydroxycarboxylic acid excluding a lactic acid resin, a fat obtained by condensing an aliphatic diol and an aliphatic dicarboxylic acid. Examples include aliphatic polyesters, aliphatic polyesters obtained by ring-opening polymerization of cyclic lactones, synthetic aliphatic polyesters, aliphatic polyesters biosynthesized in cells, and other aromatic aliphatic aliphatic polyesters. .
[0025]
Examples of the “polyhydroxycarboxylic acid” include 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 2-hydroxy-n-butyric acid, 2-hydroxy-3,3-dimethylbutyric acid, 2-hydroxy-3-methylbutyric acid, 2 -Homopolymers and copolymers of hydroxycarboxylic acids such as methyl lactic acid and 2-hydroxycaproic acid.
[0026]
As the “aliphatic polyester obtained by condensing an aliphatic diol and an aliphatic dicarboxylic acid”, one or two or more kinds of aliphatic diols and aliphatic dicarboxylic acids described below are selected and condensed. Or a polymer that can be obtained as a desired polymer (polymer) by jumping up with an isocyanate compound or the like, if necessary.
Examples of the “aliphatic diol” in this case include ethylene glycol, 1,4-butanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol and the like, and examples of the “aliphatic dicarboxylic acid” include succinic acid. Typical examples include acids, adipic acid, suberic acid, sebacic acid and dodecanedioic acid.
[0027]
Typical examples of the “aliphatic polyester obtained by ring-opening condensation of cyclic lactones” include cyclic monomers such as ε-caprolactone, δ-valerolactone, β-methyl-δ-valerolactone, and the like. It can obtain by superposing | polymerizing by selecting 1 type or more from.
[0028]
Examples of the “synthetic aliphatic polyester” include cyclic acid anhydrides and oxiranes, such as copolymers of succinic anhydride with ethylene oxide, propion oxide, and the like.
[0029]
Examples of the “aliphatic polyester biosynthesized in the fungus body” include an aliphatic polyester biosynthesized by acetylcoenteam A (acetyl CoA) in the fungus body such as Alkaline genus eutrophus. This aliphatic polyester is mainly poly-β-hydroxybutyric acid (poly-3HB). In order to improve practical properties as a plastic, valeric acid unit (HV) is copolymerized to produce poly (3HB-CO-3HV). It is industrially advantageous to use a copolymer of Generally, the HV copolymerization ratio is 0 to 40%. Further, a long-chain hydroxyalkanoate may be copolymerized.
[0030]
Examples of the “aromatic aliphatic polyester” include biodegradable aromatic aliphatic polyesters composed of an aromatic dicarboxylic acid component, an aliphatic dicarboxylic acid component, and an aliphatic diol component.
In this case, examples of the “aromatic dicarboxylic acid component” include isophthalic acid, terephthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid. Examples of the “aliphatic dicarboxylic acid component” include succinic acid, Adipic acid, suberic acid, sebacic acid, dodecanedioic acid and the like can be mentioned, and examples of the “aliphatic diol component” include ethylene glycol, 1,4-butanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol and the like. be able to. Two or more aromatic dicarboxylic acid components, aliphatic dicarboxylic acid components, or aliphatic diol components can be used in combination.
In the present invention, the aromatic aliphatic polyester most preferably used is that the aromatic dicarboxylic acid component is terephthalic acid, the aliphatic dicarboxylic acid component is adipic acid, and the aliphatic diol component is 1,4-butanediol. A certain aromatic aliphatic polyester.
It is known that an aliphatic polyester composed of an aliphatic dicarboxylic acid and an aliphatic diol has biodegradability. However, in order to develop biodegradability in an aromatic aliphatic polyester, an aliphatic polyester is used between aromatic rings. There must be a family chain. Therefore, the composition ratio of the aromatic dicarboxylic acid component is preferably suppressed to 50 mol% or less.
[0031]
Further, at least one of the two or more types of aliphatic polyesters having different heats of crystal melting (ΔHm) is an aliphatic polyester (“aliphatic polyester A” having a (Tg) of 0 ° C. or less and a ΔHm of 50 J / g or more. And at least the other one must be an aliphatic polyester (“aliphatic polyester B”) having a (Tg) of 0 ° C. or lower and a ΔHm of 30 J / g or lower.
By blending the aliphatic polyester A, it is possible to increase the elastic modulus of the lactic acid-based resin that is in an amorphous state at the time of molding, and to improve the releasability, dimensional stability, and heat resistance of the molded body. Thermal deformation during use can be prevented. In addition, by blending aliphatic polyester B, it is possible to improve the hard and brittle properties that are characteristic of lactic acid-based resins, and to obtain molded articles with excellent impact resistance, and stress during product transportation and use, etc. Deformation and breakage can be prevented.
[0032]
Specific examples of the aliphatic polyester A (Tg 0 ° C. or less, ΔHm is 50 J / g or more) include, for example, polybutylene succinate (Bionore 1001, 1003, 1010, etc. manufactured by Showa Polymer Co., Ltd.).
Specific examples of the aliphatic polyester B (Tg of 0 ° C. or less, ΔHm of 30 J / g or less) include, for example, polybutylene succinate / adipate copolymers (such as Bionoles 3001, 3003, and 3010 manufactured by Showa Polymer Co., Ltd.), polycaprolactone ( Examples thereof include Cell Green P-H7 manufactured by Daicel Chemical Industries, polybutylene adipate / terephthalate copolymer (Ecoflex manufactured by BASF), and tetramethylene adipate / terephthalate copolymer (Eastman Bio manufactured by Eastman Chemicals).
However, any of the aliphatic polyesters A and B is not limited to the above examples.
[0033]
(Inorganic filler)
Specific examples of the inorganic filler used in the present invention include talc, kaolin, calcium carbonate, bentonite, mica, sericite, glass flake, graphite, magnesium hydroxide, aluminum hydroxide, antimony trioxide, barium sulfate, and zinc borate. Hydrous calcium borate, alumina, magnesia, wollastonite, zonolite, sepiolite, whisker, glass fiber, glass flake, metal powder, beads, silica balloon, shirasu balloon, organic balloon, and the like.
By treating the surface of the inorganic filler with titanic acid, a fatty acid, a silane coupling agent, etc., the adhesion with the resin can be improved, and the blending effect of the inorganic filler can be improved.
Two or more kinds of fillers can be combined and used in combination.
[0034]
The average particle size of the inorganic filler used in the present invention is required to be 1 to 5 μm, and particularly preferably 2 to 4 μm. If the average particle diameter is 1 μm or more, the filler will not aggregate and the impact strength will not be reduced. On the other hand, when the average particle diameter is 5 μm or less, the inorganic filler does not decrease the strength of the molded body as a starting point of destruction, which is preferable in practice. In addition, in this invention, the average particle diameter of an inorganic filler shows the value measured by the laser diffraction method.
[0035]
(Mixing ratio)
In the present invention, (1) Lactic acid resin, (2 ) Aliphatic polyester A having a Tg of 0 ° C. or lower and a ΔHm of 50 J / g or higher; (3) An aliphatic polyester B having a Tg of 0 ° C. or lower and a ΔHm of 30 J / g or lower; (4 ) The blending ratio with the inorganic filler is preferably the following ratio.
That is, the lactic acid resin is (1)-(4) It is preferable that the ratio which occupies for the total amount of these components is 45-60 mass%, especially 50-60 mass%. If it is in the range of 45 to 60% by mass, it is particularly excellent in terms of dimensional stability and heat resistance.
Aliphatic polyester A is the above (1)-(4) It is more preferable that the ratio to the total amount of these components is 15 to 30% by mass, particularly 20 to 25% by mass. If it is in the range of 15-30 mass%, the mold release property of a molded object, the dimensional stability, and the improvement effect of heat resistance can fully be acquired.
For the blending ratio of aliphatic polyester B and inorganic filler, (2) ≧ (3) ≧ (4) It is preferable to satisfy this relationship. That is, both the aliphatic polyester B and the inorganic filler are preferably equal to or less than the aliphatic polyester A, and the aliphatic polyester B is preferably blended more than the inorganic filler. By blending more aliphatic polyester B that improves impact resistance than inorganic filler, in other cases ((2) ≧ (4) ≧ (3), (4) ≧ (2) ≧ (3), (4) ≧ (3) ≧ (2)) Compared to the case, the impact resistance improving effect can be further enhanced. ( 3) ≧ (2) ≧ (4) or (3) ≧ (4) ≧ (2) In this case, the impact resistance is significantly improved, but the molded body is softened, which may cause deformation of the molded body during molding, deformation during crystallization, and deformation during use. In order to provide a resin composition having both heat resistance and impact resistance, (2), (3) and (4) The amount of (2) ≧ (3) ≧ (4) It is preferable that
More specifically, the total is 100 (1) :( 2) :( 3) :( 4) = 50 to 60: remaining: within a range of 5 to 15: 5 to 15 (2) ≧ (3) ≧ (4) It is preferable to design so that
[0036]
(Carbodiimide compound)
In the biodegradable resin composition of the present invention, it is preferable to blend a carbodiimide compound in order to increase hydrolysis resistance, and in this case, the blending amount of the carbodiimide compound is as described above. (1)-(4) It is preferable to set it as 0.5-10 mass parts with respect to 100 mass parts of total amounts of these components, especially 0.5-5 mass parts. If it is 0.5 parts by mass or more, the hydrolysis resistance improving effect is sufficiently exhibited. Moreover, if it is 10 mass parts or less, the external appearance defect of the molded object by the bleed-out of a carbodiimide compound and the mechanical physical property fall by plasticization will not occur, and biodegradability and compost decomposability will not be impaired.
[0037]
Examples of the carbodiimide compound used in the present invention include those having a basic structure represented by the following general formula.
In the following general formula, n represents an integer of 1 or more, and R represents another organic bond unit. In these carbodiimide compounds, the R portion may be aliphatic, alicyclic, or aromatic. Usually, n is appropriately determined between 1 and 50.
[0038]
[Chemical 1]
[0039]
Specifically, for example, bis (dipropylphenyl) carbodiimide, poly (4,4′-diphenylmethanecarbodiimide), poly (p-phenylenecarbodiimide), poly (m-phenylenecarbodiimide), poly (tolylcarbodiimide), poly ( Examples thereof include diisopropylphenylenecarbodiimide), poly (methyl-diisopropylphenylenecarbodiimide), poly (triisopropylphenylenecarbodiimide), and the like. The carbodiimide compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0040]
(Other ingredients)
In addition, additives such as a heat stabilizer, an antioxidant, a UV absorber, a light stabilizer, a pigment, a colorant, a lubricant, a nucleating agent, and a plasticizer can be formulated as long as the effects of the present invention are not impaired. .
[0041]
(Biodegradable resin composition)
The biodegradable resin composition of the present invention can be molded by any currently known molding method such as injection molding, injection compression molding, extrusion molding, blow molding, press molding, foam molding, and the like. In addition, a molded article having biodegradability, heat resistance and impact resistance, particularly a biodegradable injection molded article can be suitably produced.
Further, by adding a carbodiimide compound, hydrolysis resistance can be enhanced, and for example, it can be used together with products made of conventional general-purpose resins as home appliances, automobile parts, and other general molded products.
Moreover, the heat resistance of a biodegradable molded object can be further improved by heat-processing the obtained molded object and crystallizing (post-crystallization).
[0042]
(Production method)
Next, a method for producing the biodegradable resin composition of the present invention and a method for producing a molded product, particularly an injection molded product, from the resin composition will be described.
Here, the case of injection molding will be mainly described, but a known molding method may be adopted for other molding methods.
[0043]
Lactic acid-based resin, aliphatic polyester A, aliphatic polyester B and inorganic filler, and, if necessary, carbodiimide compound and other additives can be mixed and injection molded by, for example, putting each raw material into an injection molding machine. . Specifically, after a raw material is directly mixed using an injection molding machine and injection molded, or a dry blended raw material is extruded into a strand shape using a twin screw extruder or the like to produce pellets A method of producing an injection molded body using an injection molding machine again can be employed. In any method, it is necessary to consider a decrease in molecular weight due to decomposition of the raw material, and the latter is preferably selected for uniform mixing. As a specific example of the latter, for example, lactic acid resin, aromatic aliphatic polyester and inorganic filler are sufficiently dried to remove moisture, then melt mixed using a twin screw extruder, extruded into a strand shape, and pellets are obtained. What is necessary is just to produce. At that time, considering that the melting point of the lactic acid resin changes depending on the composition ratio of the L-lactic acid structure and the D-lactic acid structure, or that the melting point of the mixed resin changes depending on the mixing ratio of the aromatic aliphatic polyester. Thus, it is preferable to appropriately select the melt extrusion temperature. In practice, a temperature range of 100 to 250 ° C. is usually selected. The pellets thus produced may be sufficiently dried to remove moisture and then injection molded.
[0044]
The method of injection molding is not particularly limited. Typical examples include general injection molding methods for thermoplastic resins, gas assist molding methods, injection compression molding methods, and the like. In addition to the above methods, an in-mold molding method, a gas press molding method, a two-color molding method, a sandwich molding method, PUSH-PULL, SCORIM, or the like can also be employed according to other purposes.
In this case, the injection molding apparatus is composed of a general injection molding machine, a gas assist molding machine, an injection compression molding machine, etc., and a molding die and ancillary equipment used therefor, a mold temperature control device, a raw material drying device, and the like. It is common to be done.
The molding conditions are preferably such that the molten resin temperature is in the range of 170 ° C. to 210 ° C. in order to avoid thermal decomposition of the resin in the injection cylinder.
[0045]
When manufacturing an injection molded body in an amorphous state, it is preferable to make the mold temperature as low as possible from the viewpoint of shortening the cooling time in the molding cycle (mold closing-injection-holding pressure-cooling-mold opening-removing). . In general, it is desirable to set the temperature to 15 ° C. to 55 ° C. and use a chiller. However, considering the point of suppressing shrinkage and warping of the molded body during post-crystallization, deformation, etc., it is advantageous to set it to the high temperature side in this range, that is, 35 to 55 ° C.
[0046]
Further, when an inorganic filler is used, a flow mark may be generated on the surface of the molded product as the filling amount increases. In that case, the injection speed is set to be lower than that of the unfilled system. When injection molding was performed with an injection molding machine having a screw diameter of 25 mm equipped with a plate mold of L100 mm × W100 mm × t2 mm, a polylactic acid resin containing 15% by mass of talc was molded without a flow mark when the injection speed was 30 mm / sec or less. The body was obtained. By the way, in the case of unfilled resin, no flow mark was generated even at 50 mm / sec.
[0047]
Further, when sink marks are likely to occur, it is preferable to take sufficient holding pressure and holding time. The holding pressure is preferably set in the range of 30 MPa to 100 MPa, and the holding time may be appropriately set in the range of 1 sec to 15 sec depending on the shape and thickness of the molded body. For example, if a plate body with a thickness of 2 mm is to be molded, it may be set to around 3 seconds.
[0048]
In order to crystallize in the mold, it is preferable to hold the molten resin in the heated mold and then hold it in the mold for a certain time. At this time, the mold temperature is 60 ° C to 130 ° C, preferably 70 ° C to 90 ° C. If it is 60 degreeC or more, crystallization can be performed in a short time and a cycle can be shortened more. On the other hand, if it is 130 degrees C or less, the deformation | transformation at the time of release can be suppressed more reliably.
[0049]
Further, in order to further improve the heat resistance of the obtained molded body, it is effective to further heat-treat the molded body for crystallization (post-crystallization). In this case, the heat treatment temperature is preferably in the range of 60 to 130 ° C, more preferably in the range of 70 to 90 ° C. If the heat treatment temperature is 60 ° C. or higher, crystallization can be sufficiently advanced in the molding step, and if it is 130 ° C. or lower, deformation and shrinkage during cooling of the molded body can be more reliably suppressed. The heating time is preferably appropriately determined depending on the composition and the heat treatment temperature. Generally, the heat treatment is performed at 70 ° C. for 15 minutes to 5 hours, and at 130 ° C., the heat treatment is performed for 10 seconds to 30 minutes. preferable.
As a method of crystallization, a method of injection molding into a mold whose temperature has been raised in advance and crystallization in the mold, a method of raising the temperature of the mold after molding and crystallization in the mold, or molding Examples thereof include a method in which the body is taken out of the mold in an amorphous state and then crystallized with hot air, steam, hot water, far-infrared heater, IH heater or the like. At this time, it is not necessary to fix the molded body, but it is more preferable to fix the molded body with a mold, a resin mold or the like in order to prevent deformation of the molded body. Further, in consideration of productivity, heat treatment can be performed in a packed state.
[0050]
【Example】
Examples are shown below, but the present invention is not limited to the examples.
Here, first, measurement methods, calculation methods, and evaluation methods of physical property values of Examples and Comparative Examples will be described.
[0051]
(1) Heat of crystal melting (ΔHm)
The molded body is cut into a scale of about 10 mg with a diameter of 5 mm, and a temperature rise is measured based on JIS-K7121 using DSC-7 manufactured by PerkinElmer, and the heat of crystal melting (ΔHm) is read from the obtained thermogram. It was.
[0052]
(2) Impact resistance
A No. 2 A test piece (notched, L64 mm × W12.7 mm × t4 mm) was prepared based on JISK-7110, and Izod impact strength at 23 ° C. was measured using JISL-D manufactured by Toyo Seiki Seisakusho. Izod impact strength is 20 kJ / m 2 Was evaluated as a practical standard.
[0053]
(3) Heat resistance
A test piece (L120 mm × W11 mm × t3 mm) was prepared based on JISK-7191, and the deflection temperature under load was measured using S-3M manufactured by Toyo Seiki. The measurement was performed in the edgewise direction and the bending stress applied to the test piece of 1.80 MPa. The deflection temperature under load was evaluated based on a practical standard of 55 ° C. or higher.
[0054]
(4) Dimensional stability
A calculator-type amorphous molded body shown in FIG. 1 was manufactured using an injection molding machine IS50E manufactured by Toshiba Machine. The molding conditions at this time were: cylinder temperature 195 ° C., mold temperature 25 ° C., injection pressure 110 MPa, injection time 1.5 sec, holding pressure 80 MPa, holding time 3.0 sec, back pressure 10 MPa, screw rotation speed 110 rpm.
After molding, condition the molded body in the measurement chamber (temperature 23 ° C, humidity 50% RH), measure the X and Y dimensions shown in the figure, and then perform annealing treatment under the specified heating conditions (temperature and time). Carried out. However, a constant temperature and humidity oven was used for the annealing treatment, and the molded body was left standing in a state where no load was applied.
Immediately after the annealing treatment, the molded body was taken out and the state was adjusted in the measurement chamber. After adjusting the state for 24 hours, the dimensions of X and Y were measured again, and the shrinkage rate due to the annealing treatment was calculated.
A three-dimensional measuring machine was used for the measurement.
In the evaluation, the symbol “◯” indicates that both the shrinkage rates of X and Y are less than 1.0%, the symbol “Δ” indicates that either X or Y shrinkage rate is 1.0% or more, The case where the shrinkage ratio of Y is 1.0% or more is indicated by the symbol “x”.
[0055]
(5) Weight average molecular weight of aliphatic polyester-based biodegradable resin
Using gel permeation chromatography, measurement is performed at a solvent chloroform, a solution concentration of 0.2 wt / vol%, a solution injection amount of 200 μl, a solvent flow rate of 1.0 ml / min, and a solvent temperature of 40 ° C. The weight average molecular weight of was calculated. The weight average molecular weights of the standard polystyrene used are 20000, 430000, 110000, 35000, 10000, 4000, 600.
[0056]
(6) Hydrolysis resistance
A wet heat test was performed under the conditions of 85 ° C. and 80% RH, and the molecular weight retention after 100 hours was calculated by the following formula. The molecular weight retention was evaluated based on a practical standard of 70% or more.
[0057]
Molecular weight retention (%)
= (Weight average molecular weight after wet heat test / weight average molecular weight before wet heat test) × 100
[0058]
[Example 1]
As lactic acid resin, NatureWorks 4031D (L-lactic acid / D-lactic acid = 98.5 / 1.5, weight average molecular weight 200,000) manufactured by Cargill Dow,
Aliphatic polyester A (Tg is 0 ° C. or less. ΔHm50 J / g that's all ), Bionole 1003 (polybutylene succinate, ΔHm: 58.0 J / g, Tg: −30 ° C.) manufactured by Showa Polymer Co., Ltd.
As aliphatic polyester B (Tg 0 ° C. or less, ΔHm 30 J / g or less), ECOFLEX manufactured by BASF (terephthalic acid 24 mol%, adipic acid 26 mol%, 1,4-butanediol 50 mol%, ΔHm: 21.0 J / G, Tg: −30 ° C.)
SG-95 (talc, average particle size: 2.5 μm) manufactured by Nippon Talc Co., Ltd. was used as the inorganic filler.
The above-mentioned NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 50: 25: 15: 10, and then used at 180 ° C. using a 40 mmφ small-sized co-directional twin screw extruder manufactured by Mitsubishi Heavy Industries. Compounding was performed, and the resulting resin composition was formed into a pellet shape.
[0059]
The obtained pellets were injection molded using an injection molding machine IS50E (screw diameter 25 mm) manufactured by Toshiba Machine, and a plate material of L200 mm × W30 mm × t3 mm, 4 mm was produced. The main molding conditions are as follows.
1) Temperature conditions: cylinder temperature (195 ° C), mold temperature (20 ° C)
2) Injection conditions: injection pressure (115 MPa), holding pressure (55 MPa)
3) Measuring conditions: screw rotation speed (65 rpm), back pressure (15 MPa)
[0060]
Next, the obtained injection-molded body was left still in a baking test apparatus (DKS-5S manufactured by Daiei Kagaku Seiki Seisakusho) and heat-treated at 70 ° C. for 3.5 hours. And measurement and evaluation, such as impact resistance, heat resistance, and dimensional stability, were performed. The results are shown in Table 1.
[0061]
[Example 2]
After NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 55: 25: 10: 10, injection molded articles were produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0062]
[Example 3]
After Nature Blends 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 60: 25: 10: 5, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0063]
[Example 4]
After NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 55: 15: 15: 15, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0064]
[Example 5]
After NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 55: 30: 10: 5, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0065]
[Example 6]
As an inorganic filler, Japanese talc Co., Ltd. Microace L-1 (talc, average particle size: 4.9 μm) was used, and NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and Microace L-1 were mixed at a mass ratio of 55:25:10. : After dry blending at a ratio of 10, injection molded products were produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0066]
[Example 7]
After NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 40: 25: 20: 15, injection molded products were produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0067]
[Example 8]
After dry blending NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, and SG-95 at a mass ratio of 70: 20: 5: 5, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0068]
[Table 1]
[0069]
[Comparative Example 1]
After Nature Blends 4031D and Bionore 1003 were dry blended at a mass ratio of 80:20, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0070]
[Comparative Example 2]
After NatureWorks 4031D and ECOFLEX were dry blended at a mass ratio of 80:20, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0071]
[Comparative Example 3]
After Nature Blends 4031D and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 80:20, injection molded articles were produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0072]
[Comparative Example 4]
After NatureWorks 4031D, Bionore 1003 and ECOFLEX were dry blended at a mass ratio of 55:25:20, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0073]
[Comparative Example 5]
After NatureWorks 4031D, Bionore 1003 and SG-95 were dry blended at a mass ratio of 55:25:20, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0074]
[Table 2]
[0075]
[Example 9]
As a carbodiimide compound, Starbaxol P (polycarbodiimide compound) manufactured by Rhein Chemie is used, and NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, SG-95, and Stavaxol P are dry blended at a mass ratio of 55: 25: 10: 10: 1.0. After that, an injection molded product was produced and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 3.
[0076]
[Example 10]
After dry blending NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, SG-95 and stavaxol P at a mass ratio of 55: 25: 10: 10: 1.5, an injection-molded article was produced in the same manner as in Example 1. Evaluation was performed. The results are shown in Table 3.
[0077]
Example 11
After Nature Blends 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, SG-95 and Stavaxol P were dry blended at a mass ratio of 55: 25: 10: 10: 2.0, an injection molded product was produced in the same manner as in Example 1. Evaluation was performed. The results are shown in Table 3.
[0078]
Example 12
After dry blending NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, SG-95 and stavaxol P at a mass ratio of 55: 25: 10: 10: 3.0, production of an injection-molded product in the same manner as in Example 1, Evaluation was performed. The results are shown in Table 3.
[0079]
Example 13
After dry blending NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, SG-95 and stavaxol P at a mass ratio of 55: 25: 10: 10: 4.5, production of an injection molded product in the same manner as in Example 1, Evaluation was performed. The results are shown in Table 3.
[0080]
Example 14
After dry blending NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX, SG-95 and Stavaxol P at a mass ratio of 55: 25: 10: 10: 5.0, an injection molded product was produced in the same manner as in Example 1. Evaluation was performed. The results are shown in Table 3.
[0081]
[Table 3]
[0082]
As is apparent from Table 1, the injection molded articles of Examples 1 to 6 have an Izod impact strength of 20 kJ / m. 2 As described above, it was found that the deflection temperature under load was 55 ° C. or higher, and that the dimensional stability was excellent.
Further, as is apparent from Table 3, it was found that the injection molded articles of Examples 9 to 14 to which the carbodiimide compound was added had a high molecular weight retention. Among them, it was found that the carbodiimide compound is preferably blended in an amount of 1.5 to 4.5, particularly 2.0 to 3.0, especially with respect to 100 parts by mass of NatureWorks 4031D, Bionore 1003, ECOFLEX and SG-95. .
In addition, since all the injection-molded bodies of Examples 1 to 14 are biodegradable, they are excellent from the viewpoint of environmental protection.
[0083]
On the other hand, the injection molded body of Comparative Example 1 had a deflection temperature under load of 55 ° C. or higher, and was excellent in heat resistance, but was inferior in impact resistance and dimensional stability.
The injection-molded body of Comparative Example 2 had a deflection temperature under load of 55 ° C. or higher, and was excellent in heat resistance but was inferior in dimensional stability.
In contrast, the injection molded articles of Comparative Example 3 and Comparative Example 5 are excellent in dimensional stability, but both have an Izod impact strength of 20 kJ / m. 2 The impact resistance was poor.
Moreover, the injection molded body of Comparative Example 4 had a deflection temperature under load of less than 55 ° C., and was inferior in heat resistance and dimensional stability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a plan view of a calculator-type amorphous molded body manufactured for examining the dimensional stability of each of the examples and comparative examples, and FIG. 1B is a front view thereof. .
[Explanation of sign]
1-6 holes
Claims (5)
(1)〜(4)の合計量に占める(1)の割合が45〜60質量%であり、(1)〜(4)の合計量に占める(2)の割合が15〜30質量%であり、かつ、(1)〜(4)の合計量に占める(3)及び(4)の割合が、(2)≧(3)≧(4)の関係を満たすことを特徴とする生分解性樹脂組成物。
(1) 乳酸系樹脂
(2) ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、かつ、結晶融解熱量(ΔHm)が50J/g以上である脂肪族ポリエステル(乳酸系樹脂除く)
(3) Tgが0℃以下であり、かつ、ΔHmが30J/g以下である脂肪族ポリエステル(乳酸系樹脂及びポリカプロラクトンを除く)
(4) 平均粒径が1〜5μmである無機フィラーA biodegradable resin composition containing the following components (1) to (4) ,
The ratio of (1) to the total amount of (1) to (4) is 45 to 60% by mass, and the ratio of (2) to the total amount of (1) to (4) is 15 to 30% by mass. And the ratio of (3) and (4) to the total amount of (1) to (4) satisfies the relationship (2) ≧ (3) ≧ (4) Resin composition.
(1) Lactic acid resin
(2) Aliphatic polyesters (excluding lactic acid resins ) having a glass transition temperature (Tg) of 0 ° C. or lower and a crystal melting heat (ΔHm) of 50 J / g or higher.
(3) Aliphatic polyesters (excluding lactic acid-based resins and polycaprolactone ) having Tg of 0 ° C. or lower and ΔHm of 30 J / g or lower
(4) Inorganic filler having an average particle size of 1 to 5 μm
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