JP5128050B2 - フレキシブルフラットケーブルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてプリンタ,CD,DVD等の電気・電子・通信等の各種分野の機器内での固定配線や可動部配線材として幅広く利用される薄肉で柔軟性を有するフレキシブルフラットケーブルの製造方法に関する。
近年、各種分野の機器におけるデジタル化及び高周波化に伴い、機器から放射されるノイズ及びそれによる機器の誤動作等が問題になっている。そこで、このような機器に搭載されるフレキシブルフラットケーブル(FFC)やフレキシブルプリント配線回路基板(FPC)等において、使用時に信号に混在するノイズを除去するための周知な手法としては、例えばフラットケーブルを閉磁路を成すL字型分割フェライトコア体を組み合わせて被覆する構造のもの(特許文献1参照)、基板上にノイズ除去のためのインピーダンス素子やローパスフィルタを搭載する構造のもの(特許文献2参照)、フラットケーブルの電気絶縁性基体の表面を金属層から成る電磁波シールド材で覆う構造のもの(特許文献3参照)等が挙げられる。
特開2000−173828号公報(要約、図1) 特開昭56−107480号公報(第2頁、第1図) 特開2003−229695号公報(要約、図1)
上述した特許文献1のフラットケーブルに係るノイズ除去対策の場合、フェライトコア体の外形寸法が大きいものであるため、昨今の機器の小型化に伴う設置スペースの制約に対処することが困難であるという難点があり、特許文献2に係るノイズ除去のために用いられるインピーダンス素子やローパスフィルタのような集中定数型の部品では、GHz帯にまで及ぶ高周波ノイズを効果的に除去することが困難であるという基本性能上の難点があり、特許文献3に係る電磁波シールド材として用いられる金属層では、電気抵抗率が低いために電気信号及び伝導ノイズの反射が生じ、その反射により2次的な干渉が発生して高周波ノイズを充分に抑制し切れないという基本性能上の難点がある。
即ち、従来のフレキシブルフラットケーブルの場合には、限られた少ない占有スペースで高電気抵抗率のノイズ抑制機能により高周波ノイズを有効に抑制することができないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、少ない占有スペースで高電気抵抗率のノイズ抑制機能により高周波ノイズを有効に抑制できるフレキシブルフラットケーブル及びそれを容易に作製し得るフレキシブルフラットケーブルの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、同一平面内で配列した所定数の導体を電気絶縁性被覆材により平板状に被覆し、少なくとも前記電気絶縁性被覆材の外側に位置される金属箔で構成されたフレキシブルな基体上に少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を接触させる反応液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を前記基体上に接触させる酸化液接触工程と、前記反応液及び前記酸化液のうちの膜生成に寄与しない残分を前記基体上から除去することにより前記フェライト膜を成膜する残分除去工程とを有し、前記フェライト膜を、前記基体の表面に成膜した上で、前記電気絶縁性被覆材の外側における片方の面又は両方の面の何れかに粘着層を介して配置された構造とすることを特徴とするフレキシブルフラットケーブルの製造方法が得られる。
本発明のフレキシブルフラットケーブルの場合、同一平面内で配列した所定数の導体を平板状に被覆するための電気絶縁性被覆材における少なくとも外側及び内側の一方における片方の面側又は両方の面側の何れか一つに位置される基体上に高電気抵抗率の分布定数型の部品として働くフェライト膜を一体的に結合されるように設けた構造としているので、少ない占有スペースで高電気抵抗率のノイズ抑制機能により高周波帯域まで良好にノイズを抑制でき、しかも小型化・軽量化を具現できるようになる。又、本発明のフレキシブルフラットケーブルの製造方法は、周知のフェライトメッキ法により作製されるフェライト膜をケーブル材の基体上に設けるものであるため、高電気抵抗率の高周波ノイズ抑制機能を持つ小型化・軽量化されたフレキシブルフラットケーブルを容易に作製できるようになる。
最初に、本発明のフレキシブルフラットケーブル及びその製造方法の開発に至技術的概要を簡単に説明する。
本発明者等は、種々検討の結果、同一平面内で配列した所定数の導体を電気絶縁性被覆材により平板状に被覆して成るフレキシブルフラットケーブルにおいて、フェライトメッキ法により作製されるフェライト膜を少なくとも電気絶縁性被覆材の外側及び内側の一方における片方の面側又は両方の面側の何れか一つに位置される基体上に一体的に結合されるように設ける構造とすれば、少ない占有スペースで高電気抵抗率のノイズ抑制機能により高周波帯域まで良好にノイズを抑制でき、しかも小型化・軽量化を具現できることを見い出した。
ここでのフェライトメッキ法とは、例えば特許第1475891号で開示されているように、固体表面に金属イオンとして少なくとも第1鉄イオンを含む水溶液を接触させ、固体表面にFe2+又はこれと他の水酸化金属イオンを吸着させ、続いて吸着したFe2+を酸化させることによりFe3+を得ておき、これが水溶旅中の水酸化金属イオンとの間でフェライト結晶化反応を起こすことによって固体表面にフェライト膜を形成することを示すものである。
このフェライトメッキ法で得られたフェライト膜の磁気損失成分μ″(透磁率μにおける実数部μ′に対応する虚数部)の周波数特性は、数GHzに至るまで高い値を維持し、且つ電気抵抗率が金属系の材料と比べて著しく高いため、10μm以下の厚さでも不要な高周波ノイズを効果的に抑制することが可能である。ここでのフェライトメッキ法は、フェライト膜を形成しようとする基体が上述した水溶液に対して耐性があれば何でも良く、更に水溶液を介した反応であることにより温度が比較的低温(常温〜水溶液の沸点以下)でスピネル型フェライト膜を形成できるという特徴があるため、他のフェライト膜作成技術に比べて固体の限定範囲が小さい。このことは、フェライト膜を形成する基体が有機化合物シート等々の耐熱温度が比較的低い物質でも良いことを示している。
ここで得られるフェライト膜は、フレキシブルフラットケーブルにおける少なくとも電気絶縁性被覆材の外側及び内側の一方における片方の面又は両方の面の何れか一つに直接成膜することにより、粘着材等が不要となるため、フェライト膜が薄型であるというを特徴を最大限に発揮することができる。又、フェライト膜は、例えば金属箔や高誘電率材等のフレキシブルな基体の表面に成膜された上で少なくとも電気絶縁性被覆材の外側及び内側の一方における片方の面又は両方の面の何れかに粘着層を介して配置された構造、電気絶縁性被覆材の外側における片方の面又は両方の面の何れかに粘着層を介して配置された構造、或いは電気絶縁性被覆材の内側における片方の面又は両方の面の何れかに内包された構造の何れか一つとすることにより、放射ノイズ抑制効果が一層高いフレキシブルフラットケーブルを作製することができる。
このようなフェライト膜を有するフレキシブルフラットケーブルの製造方法としては、フェライト膜をフェライトメッキ法により基体(少なくとも電気絶縁性被覆材の外側及び内側の一方における片方の面側又は両方の面側の何れか一つに位置される)上に成膜する工程を含むものとして、基体上に少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を接触させる反応液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体上に接触させる酸化液接触工程と、反応液及び酸化液のうちの膜生成に寄与しない残分を基体上から除去することによりフェライト膜を成膜する残分除去工程とを有するものとすれば良い。
何れにしても、このようなフェライト膜を有するフレキシブルフラットケーブルが高周波帯域まで良好なノイズ抑制効果を持つ原因は、磁気損失成分μ″の周波数特性が数GHzに至るまで高い値を維持し、且つ電気抵抗率が金属系の材料と比べて著しく高いためと考えられるが、このような要因はその製造方法として上述した反応液接触工程,酸化液接触工程,及び残分除去工程を実行することにより、一層緻密で均一な膜が得られるためであると考えられる。
又、フェライト膜をフレキシブルな基体の表面に成膜した上で粘着層を介在させる構造とすることにより、放射ノイズ抑制効果が一層高いフレキシブルフラットケーブルが得られる原因は、粘着層が有するノイズ吸収効果とフェライト膜が有するノイズ吸収効果とを併せ持つため、フレキシブルな基体が金属箔であればその金属箔が有するシールド効果とフェライト膜のノイズ吸収効果とを併せ持つため、フレキシブルな基体が高誘電率材であればその高誘電率な基体が有するノイズ吸収効果とフェライト膜が有するノイズ吸収効果とを併せ持つためと考えられる。
以下は、幾つかの実施例を挙げ、本発明のフレキシブルフラットケーブルについて、その製造過程を含めて具体的に説明する。
但し、以下の各実施例では、図1に示すようなフェライト成膜用メッキ装置を用いて各実施例に係るフレキシブルフラットケーブルを作製するものとする。このメッキ装置は、基体4上にフェライト膜を成膜形成するためのもので、メッキに必要な液はタンク5,6に貯蔵されており、基体4上にはタンク6に一端側が接続された配管の他端側に接続されたノズル1、メッキに必要な反応液,酸化液を除去するためのガスを導入するための配管の一端側のガス導入口7とは反対側の他端側に接続されたノズル2、並びにタンク5に一端側が接続された配管の他端側に接続されたノズル3が配置されている。尚、上述したフェライトメッキ工程における反応液,酸化液の除去を効率良く行うために必要な液は幾つかに分けて準備する方が好ましい。
図1に示すメッキ装置では、メッキに必要な液をタンク5,6の二つに分けた場合を示す。このフェライト成膜用メッキ装置の場合、タンク5,6に貯蔵された溶液がノズル1,3を介して基体4上に供給され、ガス導入口7から供給されたガスがノズル2を介して基体4上に供給される。この際、例えばノズル1を介して基体4上に溶液が供給された後、ノズル2を介してガスが基体4上に供給されることでノズル1を介して供給された溶液が除去され、更にノズル3を介して基体4上に溶液が供給された後、ノズル2を介してガスが基体4上に供給されることでノズル3を介して供給された溶液が除去されるような手順の工程を繰り返す。
実施例1では、先ず純水1リットルに対してそれぞれFeCl・4HOを3.3g、NiCl・6HOを1.25g、ZnClを0.025g溶解した反応液を作製すると共に、純水1リットルに対してそれぞれNaNOを0.3g、CHCOONHを5g溶解した酸化液を作製した。
次に、これらの溶液を用いて、図1に示したようなメッキ装置を用いてケーブル材に対してフェライト膜を成膜する。実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルは、複数の導体を同一平面内で配列した導体列をその両面より厚さ約10μmの接着剤層(粘着層)を有する厚さ約30μmのポリイミド製被覆材(電気絶縁性被覆材)により平板状に被覆し、厚さ約0.1mで30mm角として作製した本体部の片方の表面に対し、プラズマ処理によってOH基を形成した後、反応液,酸化液の流量を30ミリリットル/分に調整し、フェライト膜を形成するポリイミド製被覆材(電気絶縁性被覆材)の温度をヒータ用いて90℃に調節すると共に、メッキ装置には窒素ガスを1.5リットル/分で供給して非酸化性雰囲気を得るようにし、更に、反応液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して反応液を除去し、酸化液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して酸化液を除去することを1サイクルとして、10000サイクル繰り返すことで厚さ約3μmのフェライト膜(その厚さはサイクル数に応じて任意に変化させることが可能である)を成膜形成することにより得られたものである。
図2は、本発明の実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルの基本構造を示した側面断面図である。即ち、実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルは、複数の導体11を同一平面内で配列した導体列の両面をそれぞれ粘着層10を有する電気絶縁性被覆材9で平板状に被覆し、電気絶縁性被覆材9の片方の面(上面)にフェライト膜8を直接的に成膜形成した構造のものである。
この実施例1に係る試料について、耐屈曲性調べるために屈曲半径1.5mm、ストローク30mm、往復速度2ストローク/秒で100万回の往復運動を行って試験したところ、フェライト膜8とフレキシブルフラットケーブル本体部(電気絶縁性被覆材9)との間の密着性は強固なままだった。
又、実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルにおけるノイズ抑制効果を調べるため、その基本構造部分として、上述した試料を作製する際に用いた厚さ約10μmの接着剤層(粘着層10)を有する厚さ約30μmのポリイミド製被覆材(電気絶縁性被覆材9)の接着剤層(粘着層10)を有しない面に対し、反応液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して反応液を除去し、酸化液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して酸化液を除去することを1サイクルとして、10000サイクル繰り返すことにより厚さ約3μmのフェライト膜8を成膜した。
図3は、実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。この評価系構造の場合、線路長70mm,特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップライン12上に上述した厚さ10μmの粘着層10を有する電気絶縁性被覆材9を介してフェライト膜8を設置した構造となっている。ここでのマイクロストリップライン12の両端は、ネットワークアナライザに接続することにより、反射レベルS11と透過レベルS21との測定に供されるものであるが、この状態は実施例1で作製したフレキシブルフラットケーブル内の導体11に高周波電流が流れた場合の伝導ノイズの抑制効果を擬似的に再現していると考えることができるものである。
図4は、この評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数(MHz)に対する反射レベルS11(dB)の特性を測定した結果を示したものである。図4からは、反射レベルS11のパラメータは10GHzに至るまでの周波数範囲でほぼ−10dB以下であり、十分低い値となっていることが判る。
図5は、同様に係る評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数(MHz)に対する透過レベルS21(dB)の特性を測定した結果を示したものである。図5からは、透過レベルS21のパラメータは10GHzで約−5dBであり、優れたノイズ抑制効果を示していることが判る。
因みに、図3に示す実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルの要部は、あくまでも一例であり、これに限定されない。例えば、図6は、係る評価系構造に代用可能な別の形態のフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。この評価系構造の場合、電気絶縁性被覆材9に対してフェライト膜8を成膜した面を図3に示す場合とは逆に粘着層10側に配置した構造(即ち、フェライト膜8を電気絶縁性被覆材9の内側に配置した構造)であるが、この構造の場合には透過レベルS21のパラメータは10GHzで更に約−7dBとなり、ノイズ抑制効果を一層高められることが判った。
実施例2では、先ず純水1リットルに対してそれぞれFeCl・4HOを3.3g、NiCl・6HOを1.25g、ZnClを0.025g溶解して反応液を作製すると共に、純水1リットルに対してそれぞれNaNOを0.3g、CHCOONHを5g溶解して酸化液を作製した。
次に、これらの溶液を用いて、図1に示したようなメッキ装置を用いてケーブル材に対してフェライト膜を成膜する。実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルは、実施例1の場合と同様に厚さ約0.1mm、30mm角として作製された本体部の片方の表面に対し、厚さ25ミクロン、30mm角のアルミニウム箔(金属箔)の表面にプラズマ処理によってOH基を形成した後、反応液,酸化液の流量を30ミリリットル/分に調整し、フェライト膜を形成するアルミニウム箔(金属箔)の温度をヒータ用いて90℃に調節すると共に、メッキ装置には窒素ガスを1.5リットル/分で供給して非酸化性雰囲気を得るようにし、更に反応液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して反応液を除去し、酸化液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して酸化液を除去することを1サイクルとして、12000サイクル繰り返すことで厚さ約3μmのフェライト膜(その厚さはサイクル数に応じて任意に変化させることが可能である)を成膜形成することにより得られたシート状部材、即ち、表面にフェライト膜が形成されたアルミニウム箔(金属箔)のフェライト膜側を厚さ10ミクロンの両面テープ(粘着層)を介して貼り付けて得られたものである。
図7は、本発明の実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルの基本構造を示した側面断面図である。即ち、実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルは、複数の導体11を同一平面内で配列した導体列の両面をそれぞれ粘着層10を有する電気絶縁性被覆材9で平板状に被覆し、電気絶縁性被覆材9の片方の面(上面)に対し、表面にフェライト膜8を成膜形成した金属箔13をフェライト膜8側で粘着層10を介して貼り付けた構造のものである。
この実施例2に係る試料について、耐屈曲性調べるために屈曲半径1.5mm、ストローク30mm、往復速度2ストローク/秒で100万回の往復運動を行って試験したところ、フェライト膜8と金属箔(アルミニウム箔)13との間の密着性、フェライト膜8と粘着層(両面テープ)10との間の密着性、並びに粘着層(両面テープ)10とフレキシブルフラットケーブル本体(電気絶縁性被覆材9)との間の密着性は何れも強固なままだった。
又、実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルにおけるノイズ抑制効果を調べるため、その基本構造部分として、上述した試料を作製する際に用いた厚さ約10μmの接着剤層(粘着層10)を有する厚さ約30μmのポリイミド製被覆材(電気絶縁性被覆材9)の接着剤層(粘着層10)を有しない面に対し、上述した表面にフェライト膜8を形成したアルミニウム箔(金属箔13)をフェライト膜8側で厚さ10μmの両面テープ(粘着層10)を介して接着した。
図8は、実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。この評価系構造の場合、表面にフェライト膜8が形成された金属箔13を線路長70mm,特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップライン12上に厚さ10μmの粘着層10を両面に有する電気絶縁性被覆材9を介して設置した構造となっている。ここでのマイクロストリップライン12の両端についても、ネットワークアナライザに接続することにより、反射レベルS11と透過レベルS21との測定に供されるものであるが、この状態は実施例2で作製したフレキシブルフラットケーブル内の導体11に高周波電流が流れた場合の伝導ノイズの抑制効果を擬似的に再現していると考えることができるものである。
図9は、この評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数(MHz)に対する反射レベルS11(dB)の特性を測定した結果を示したものである。図9からは、反射レベルS11のパラメータは10GHzに至るまでの周波数範囲でほぼ−10dB以下であり、十分低い値となっていることが判る。
図10は、同様に係る評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数(MHz)に対する透過レベルS21(dB)の特性を測定した結果を示したものである。図10からは、透過レベルS21のパラメータは10GHzで約−13dBで実施例1の場合よりも良い結果となり、非常に優れたノイズ抑制効果を示していることが判る。
実施例3では、先ず純水1リットルに対してそれぞれFeCl・4HOを3.3g、NiCl・6HOを1.25g、ZnClを0.025g溶解した反応液を作製すると共に、純水1リットルに対してそれぞれNaNOを0.3g、CHCOONHを5g溶解した酸化液を作製した。
次に、これらの溶液を用いて、図1に示したようなメッキ装置を用いてケーブル材に対してフェライト膜を成膜する。実施例3に係るフレキシブルフラットケーブルは、実施例1の場合と同様に厚さ約0.1mm、30mm角として作製された本体部の片方の表面に対し、厚さ25ミクロン、30mm角の比誘電率9の高分子樹脂シート(高誘電率シート)の表面にプラズマ処理によってOH基を形成した後、反応液,酸化液の流量を30ミリリットル/分に調整し、フェライト膜を形成する高分子樹脂シート(高誘電率シート)の温度をヒータ用いて90℃に調節すると共に、メッキ装置には窒素ガスを1.5リットル/分で供給して非酸化性雰囲気を得るようにし、更に反応液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して反応液を除去し、酸化液を0.5秒供給した後に不活性ガスを供給して酸化液を除去することを1サイクルとして、10000サイクル繰り返すことで厚さ約3μmのフェライト膜(その厚さはサイクル数に応じて任意に変化させることが可能である)を成膜形成することにより得られたシート状部材、即ち、高表面にフェライト膜を形成した分子樹脂シート(高誘電率シート)のフェライト膜側を厚さ10ミクロンの両面テープ(粘着層)を介して貼り付けて得られたものである。
図11は、本発明の実施例3に係るフレキシブルフラットケーブルの基本構造を示した側面断面図である。即ち、実施例3に係るフレキシブルフラットケーブルは、複数の導体11を同一平面内で配列した導体列の両面をそれぞれ粘着層10を有する電気絶縁性被覆材9で平板状に被覆し、電気絶縁性被覆材9の片方の面(上面)に対し、表面にフェライト膜8を成膜形成した高誘電率シート14をフェライト膜8側で粘着層10を介して貼り付けた構造のものである。
この実施例3に係る試料について、耐屈曲性調べるために屈曲半径1.5mm、ストローク30mm、往復速度2ストローク/秒で100万回の往復運動を行って試験したところ、フェライト膜8と高誘電率シート(高分子樹脂シート)14との間の密着性、フェライト膜8と粘着層(両面テープ)10との間の密着性、並びに粘着層(両面テープ)10とフレキシブルフラットケーブル本体(電気絶縁性被覆材9)との間の密着性は何れも強固なままだった。
又、実施例3に係るフレキシブルフラットケーブルにおけるノイズ抑制効果を調べるため、その基本構造部分として、上述した試料を作製する際に用いた厚さ約10μmの接着剤層(粘着層10)を有する厚さ約30μmのポリイミド製被覆材(電気絶縁性被覆材9)の接着剤層(粘着層10)を有しない面に対し、上述した表面にフェライト膜8を形成した高誘電率シート(高分子樹脂シート14)をフェライト膜8側で厚さ10μmの両面テープ(粘着層10)を介して接着した。
図12は、実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。この評価系構造の場合、表面にフェライト膜8が形成された高誘電率シート14を線路長70mm,特性インピーダンス50Ωのマイクロストリップライン12上に厚さ10μmの粘着層10を両面に有する電気絶縁性被覆材9を介して設置した構造となっている。ここでのマイクロストリップライン12の両端についても、ネットワークアナライザに接続することにより、反射レベルS11と透過レベルS21との測定に供されるものであるが、この状態は実施例3で作製したフレキシブルフラットケーブル内の導体11に高周波電流が流れた場合の伝導ノイズの抑制効果を擬似的に再現していると考えることができるものである。
図13は、この評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数(MHz)に対する反射レベルS11(dB)の特性を測定した結果を示したものである。図13からは、反射レベルS11のパラメータは10GHzに至るまでの周波数範囲でほぼ−10dB以下であり、十分低い値となっていることが判る。
図14は、同様に係る評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数(MHz)に対する透過レベルS21(dB)の特性を測定した結果を示したものである。図14からは、透過レベルS21のパラメータは10GHzで約−7dBで実施例1の場合よりも良い結果となり、優れたノイズ抑制効果を示していることが判る。
尚、上述した各実施例に係るフレキシブルフラットケーブルでは、基本的にフェライト膜8が電気絶縁被覆材9の外側における片方の面側に配置される構造として説明したが、それに代えて両方の面側に配置される構造としたり、或いは図6に示されるように電気絶縁被覆材9の内側における片方の面側又は両方の面側に配置される構造としたり、更には電気絶縁被覆材9の内側における片方の面又は両方の面の何れかに内包される構造としても同等にノイズ抑制効果が得られるので、開示したものに限定されない。
本発明のフレキシブルフラットケーブル(FFC)及びその製造方法は、ICチップ等の半導体装置部品が搭載されていないものを対象とする以外、半導体装置部品が搭載されたフレキシブルプリント配線回路基板(FPC)を対象にしても同様の作用効果が得られる。
本発明の各実施例に係るフレキシブルフラットケーブルの製造に用いられるフェライト成膜用メッキ装置の概略構成を示したものである。 本発明の実施例1に係るフレキシブルフラットケーブルの基本構造を示した側面断面図である。 図2に示すフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。 図3に示す評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数に対する反射レベルの特性を測定した結果を示したものである。 図3に示す評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数に対する透過レベルの特性を測定した結果を示したものである。 図3に示す評価系構造に代用可能な別の形態のフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。 本発明の実施例2に係るフレキシブルフラットケーブルの基本構造を示した側面断面図である。 図7に示すフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。 図8に示す評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数に対する反射レベルの特性を測定した結果を示したものである。 図8に示す評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数に対する透過レベルの特性を測定した結果を示したものである。 本発明の実施例3に係るフレキシブルフラットケーブルの基本構造を示した側面断面図である。 図11に示すフレキシブルフラットケーブルの要部におけるノイズ抑制効果を評価するための評価系構造を示した側面断面図である。 図12に示す評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数に対する反射レベルの特性を測定した結果を示したものである。 図12に示す評価系構造におけるノイズ抑制効果として周波数に対する透過レベルの特性を測定した結果を示したものである。
符号の説明
1〜3 ノズル
4 基体
5,6 タンク
7 ガス導入口
8 フェライト膜
9 電気絶縁性被覆材
10 粘着層(両面テープ)
11 導体
12 マイクロストリップライン
13 金属箔
14 高誘電率シート

Claims (1)

  1. 同一平面内で配列した所定数の導体を電気絶縁性被覆材により平板状に被覆する工程と、
    金属箔で構成されたフレキシブルな基体上に少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を接触させる反応液接触工程と、
    少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を前記基体上に接触させる酸化液接触工程と、前記反応液及び前記酸化液のうちの膜生成に寄与しない残分を前記基体上から除去することにより前記フェライト膜を成膜する残分除去工程と
    前記基体の表面に成膜された前記フェライト膜を前記電気絶縁性被覆材片方の面又は両方の面の何れかに粘着層を介して貼り付ける工程と、
    を有することを特徴とするフレキシブルフラットケーブルの製造方法。
JP2005000421A 2005-01-05 2005-01-05 フレキシブルフラットケーブルの製造方法 Expired - Fee Related JP5128050B2 (ja)

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