JP5127995B1 - カテキンのアルキル誘導体水溶液およびその調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】茶カテキンのアルキル誘導体の高濃度水溶液およびその調製方法を提供すること。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物を、0.005mg/mLより高い濃度で含有する水溶液とする
Figure 0005127995
(式中、Rは、メチル基またはエチル基である)。
【選択図】なし

Description

本発明は、カテキンのアルキル誘導体の高濃度水溶液およびその調製方法に関する。
ポリフェノールは、天然に豊富に存在し、様々な生理活性を有することが知られている化合物である。ポリフェノールの中でも、カテキンは、血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、体脂肪蓄積抑制作用、血糖上昇抑制作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗ガン作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、虫歯予防作用、抗アレルギー作用、及び、消臭作用など、優れた生理活性を有していることから医薬、飲食品、化粧品などに投与、添加する方法が研究されている。さらには、インク中の気泡発生防止機能やアルデヒド類の吸着機能を有することからインクや塗料への利用も研究されている。(特許文献1乃至3を参照)。
カテキンまたはカテキン誘導体を効率的に投与・摂取するためには、高濃度の水溶液を調製することが一つの有効な方法となる。例えば、高濃度のカテキンまたはカテキン誘導体の水溶液を調製するべく、水溶性が非常に低いEGCg((−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート)に、水溶性が高い糖を付加し配糖体化することによって化合物全体の水溶性を向上させる方法や(特許文献4を参照)、多様な種類の茶葉の中から、Ching−Cheng茶を熱水抽出することによって、カテキンのアルキル誘導体である4”Me−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート)の0.4±0.1mg/100mL水溶液を調製する方法(非特許文献1を参照)が報告されている。
特開 平11− 1409 特開2008−111051 特開2005−290081 特開 平 7− 10897
J. Agric. Food Chem. 2005, 53, 7035-7042.
本発明は、カテキンのアルキル誘導体の高濃度水溶液およびその調製方法を提供することを目的とする。
本発明に係る水溶液は、下記一般式(I)で表される化合物を、0.005mg/mLより高い濃度で含有する
Figure 0005127995
(式中、Rは、メチル基またはエチル基である)。
化合物が、4”Me−EGCg、4”Me−GCg、4”Et−EGCg及び/又は4”Et−GCgであることが好ましい。
化合物が4”Me−EGCg及び4”Me−GCgであって、4”Me−EGCg及び4”Me−GCgの総濃度が0.005mg/mLより高いことが好ましい。または、化合物が4”Et−EGCg及び4”Et−GCgであって、4”Et−EGCg及び4”Et−GCgの総濃度が0.005mg/mLより高いことが好ましい。
濃度または総濃度が、0.06mg/mL以上であることが好ましい。
本発明に係る水溶液を調製する方法は、下記一般式(I)で表される化合物を、0.005mg/mLより高い濃度で含有するように水に溶解させる工程を含む
Figure 0005127995
(式中、Rは、メチル基またはエチル基である)。
本発明によって、カテキンのアルキル誘導体の高濃度水溶液およびその調製方法を提供することが可能になった。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、および、そのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
一般的に、有機化合物は、水酸基などの親水性の官能基を多く含有するほど水溶性が向上する傾向があることから、例えば、水溶性が低い有機化合物に水溶性が高い糖を付加し配糖体化することによって、化合物全体の水溶性が向上することが知られており、逆に、有機化合物が含有する水酸基をアルキル化してアルコキシ基に変換した化合物は、元の化合物に比べて急激に水溶性が低下する傾向があることが知られている。有機化合物の水溶性にこのような傾向があることは、市販の化学構造解析ソフトウェア、例えば、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software、の計算結果にも強く反映されている。
しかし、このような法則が知られる中、本発明者等は、下記構造式(II)で表される化合物の4”位の水酸基を特異的にアルキル化することによってアルコキシ基に変換した化合物が、4”位が水酸基である構造式(II)で表される化合物や、他の位置の水酸基をアルコキシ基に変換した化合物よりも、著しく高い水溶性を有することを見出し、本発明の完成に至った。
Figure 0005127995
即ち、本発明に係る水溶液は、下記一般式(I)で表される、カテキンのアルキル誘導体を0.005mg/mLより高い濃度で含有する水溶液である
Figure 0005127995
(式中、Rは、メチル基またはエチル基である)。
なお、一般式(I)及び構造式(II)で表される化合物において、2位および3位の立体化学は、それぞれ独立に、Rであっても良く、Sであっても良い。
一般式(I)で表される化合物は、上記の一般的な法則に従えば、4”位の水酸基がアルコキシ基に変換されることによって化合物全体の脂溶性が向上していると予測されるにも関わらず、構造式(II)で表される4”位が水酸基である化合物、例えば、EGCg((−)−エピガロカテキン−3−O−ガレート)やGCg((−)−ガロカテキン−3−O−ガレート)に比べて、非常に高い水溶性を有する。例えば、一般式(I)で表される化合物は、室温で、0.005mg/mLより高い濃度の水溶液とすることができ、さらには、0.06mg/mL以上、23mg/g以上、45mg/g以上、120mg/g以上、320mg/g以上、490mg/g以上、そして、600mg/g以上の濃度の水溶液とすることができる。
なお、本明細書における「水溶液」の溶媒は、実質的に水のみであって、例えばメタノールやエタノールなどの他の有機溶媒は含まない。また、「水溶液」は、例えば塩などの他の溶質を含んでいても良く、塩を含む場合には、その濃度は、1mol/L以下であることが好ましく、0.1mol/L以下であることがより好ましく、0.01mol/L以下であることがさらに好ましく、0.001mol/L以下であることが特に好ましい。
化合物が、このように高い水溶性を発揮するためには、アルコキシ基の位置は、4”位であることが好ましい。例えば3”位など、構造式(II)で表される化合物の他の水酸基をアルコキシ基に変換した化合物では、上記の一般的な法則に従って、元の化合物に比べて、脂溶性が向上し、水溶性は著しく低下する。
一般式(I)中、Rは、メチル基であってもエチル基であっても良いが、より高い水溶性を有することから、メチル基であることが好ましい。
一般式(I)で表されるカテキンのアルキル誘導体が、下記構造式(III)で表されるように、4”Me−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート)、4”Me−GCg((−)−ガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート)、4”Et−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−O−(4−O−エチル)ガレート)及び/又は4”Et−GCg((−)−ガロカテキン−3−O−(4−O−エチル)ガレート)であっても良く、これらの化合物の中でもより高い水溶性を有することから、4”Me−EGCg及び/又は4”Me−GCgであることがさらに好ましく、4”Me−EGCgであることが特に好ましい。
Figure 0005127995
また、EGCgとGCgとは、緩やかながらも平衡関係にあることから、本発明に係る水溶液は、4”Me−EGCgと4”Me−GCgとの混合物の水溶液であっても良く、4”Et−EGCgと4”Et−GCgとの混合物の水溶液であっても良い。これらの場合には、4”Me−EGCgと4”Me−GCgとの総濃度、又は、4”Et−EGCgと4”Et−GCgとの総濃度が、室温で、0.005mg/mLより高い濃度の水溶液とすることができ、さらには、0.06mg/mL以上、23mg/g以上、45mg/g以上、120mg/g以上、320mg/g以上、490mg/g以上、そして、600mg/g以上の濃度の水溶液とすることができる。
本発明に係る水溶液の調製方法は、上記一般式(I)で表される化合物を、0.005mg/mLより高い濃度で含有するように水に溶解させる工程を含む。一般式(I)で表される化合物を水に溶解させる方法は、特に限定されず、公知の方法を使用することができ、例えば、一般式(I)で表される化合物と水との混合物をマグネティックスターラーを用いて攪拌したり、又は、一般式(I)で表される化合物と水との混合物に超音波を照射したりすることによって、化合物を水に溶解させて水溶液を調製することができる。
本発明に係る水溶液の使用方法は特に限定されず、水溶液のまま使用しても良く、水溶液と混和する有機溶媒を加えてから使用しても良い。本発明に係る水溶液は、4”Me−EGCg、4”Me−GCg、4”Et−EGCg及び4”Et−GCgなどの一般式(I)で表されるカテキンのアルキル誘導体を、非常に高い濃度で含有することから、これらの化合物を含有する水溶液を非常に効率的に保存でき、また、これらの化合物が有する、血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、体脂肪蓄積抑制作用、血糖上昇抑制作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗ガン作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、虫歯予防作用、抗アレルギー作用、及び、消臭作用などの活性を発現させるために、例えば、ヒト、医薬、飲食品、化粧品そして、塗料及びインキなどの化成品に、非常に効率的に投与、摂取、または混合することが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[実施例1]溶質の調製
(1)3”Me−EGCg及び4”Me−EGCgの調製、並びに、EGCgの精製
テアビゴTM(EGCg≧94%、137.5mg、0.3mmol)をDMF(1.0mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)とヨウ化メチル(144.8μL、2.4mmol、8.0当量)とを加え、大気雰囲気下、100℃で5分間撹拌した。
その後、ODS−HPLC[カラム:Mightysil RP−18GP 20x250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製、展開溶媒:アセトニトリル:水:酢酸(2:18:1)、流速:5.0mL/min、検出波長210nm]により分離・精製を行い、保持時間27.7分に未反応のEGCg64.9mg(回収率47.2%)を得、保持時間44.9分に4”Me−EGCg67.0mg(収率47.3%)を得、保持時間49.0分に3”Me−EGCg7.7mg(収率1.8%)を得た。
得られた3”Me−EGCgは、H−NMRおよび13C−NMRの測定よって、目的物であると同定した。得られた4”Me−EGCgは、旋光度、H−NMRおよび13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。得られたEGCgは、上記HPLCを用いて、標品(和光純薬工業株式会社製、生化学用、EGCg≧90%)と保持時間を比較することにより目的物であると同定した。
<<3”Me-EGCg>>
1H-NMR (500 MHz, CD3OD): 2.87 (1H, dd, J = 17.3, 2.5), 2.99 (1H, dd, J = 17.3, 4.4), 3.80 (3H, s), 4.99 (1H, bs), 5.49(1H, m), 5.96 (1H, bd, J = 2.2), 5.97 (1H, bd, J = 2.2), 6.51 (2H, bs), 7.01 (1H, bd, J = 1.9), 7.06 (1H, bd, J = 1.9)
13C-NMR (125 MHz, CD3OD): 26.5, 56.6, 70.4, 78.5, 95.7, 96.5, 99.3, 106.2, 106.7, 111.9, 121.5, 130.9, 133.7, 140.5, 146.0, 146.7, 148.9, 157.1, 157.8, 157.9, 167.6
<<4”Me-EGCg>>
[α]D 20 -157.1°(c = 1.0, acetone)
1H-NMR (500 MHz, CD3OD): 2.84 (1H, dd, J = 17.4, 2.5), 2.98 (1H, dd, J = 17.4, 4.4), 3.81 (3H, s), 4.97 (1H, bs), 5.53(1H, m), 5.95 (2H, bs), 6.49 (2H, bs), 6.91 (2H, bs)
13C-NMR (125 MHz, CD3OD): 26.8, 60.7, 70.3, 78.5, 95.9, 96.5, 99.3, 106.8, 110.3, 126.6, 130.7, 133.8, 141.2, 146.7, 151.5, 157.2, 157.8, 157.9, 167.1
MS (ESI) m/z : 471.1 (M-)
(2)4”Me−GCgの調製
GCg(和光純薬工業株式会社製、56.4mg、0.12mmol)をDMF(0.41mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(40.4mg、0.49mmol、4.0当量)とヨウ化メチル(59.4μL、0.98mmol、8.0当量)とを加え、大気雰囲気下、100℃で5分間撹拌した。
その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間33.4分に未反応のGCg23.4mg(回収率:41.5%)を得、保持時間58.8分に4”Me−GCg24.8mg(収率:42.6%)を得た。
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:HO+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
Figure 0005127995
得られた4”Me−GCgは、H−NMRおよび13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
<<4”Me-GCg>>
1H-NMR (700 MHz, acetone-d6): 2.77 (1H, dd, J = 16.6, 5.3), 2.82 (1H, dd, J = 16.6, 4.8), 3.83 (3H, s), 5.13 (1H, d, J = 5.3), 5.40 (1H, m), 5.97 (1H, d, J = 2.2), 6.05 (1H, d, J = 2.2), 6.47 (2H, bs), 7.01 (2H, bs)
13C-NMR (175 MHz, acetone-d6): 23.6, 60.6, 70.6, 78.5, 95.4, 96.3, 98.9, 106.1, 109.8, 126.3, 130.7, 133.3, 140.5, 146.5, 151.1, 156.1, 157.2, 158.0 165.8
MS (ESI) m/z : 471.1 (M-)
(3)4”Et−EGCgの調製
テアビゴTM(EGCg≧94%、137.5mg、0.3mmol)をDMF(1.0mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)とヨウ化エチル(193.0μL、2.4mmol、8.0当量)を加え、100℃で5分間撹拌した。
その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間28.5分に未反応のEGCg66.8 mg(回収率:48.6%)を得、そして、保持時間49.2分に4”Et−EGCg60.2 mg(収率:41.3%)を得た。
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:HO+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
Figure 0005127995
得られた4”Et−EGCgは、H−NMRおよび13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
<<4”Et-EGCg>>
1H-NMR (500 MHz, CD3OD): 1.30 (3H, t, J = 7.0), 2.84 (1H, dd, J = 17.5, 2.5), 2.98 (1H, dd, J = 17.5, 5.0), 4.09 (2H, q, J = 7.0), 4.97 (1H, bs), 5.53(1H, m), 5.95 (2H, bs), 6.49 (2H, bs), 6.91 (2H, bs)
13C-NMR (125 MHz, CD3OD): 15.6, 26.8, 69.3, 70.3, 78.5, 95.9, 96.5, 99.3, 106.8, 110.2, 126.4, 130.7, 133.8, 139.8, 146.7, 151.7, 157.2, 157.8, 157.9, 167.2
MS (ESI) m/z : 485.1 (M-)
[実施例2]水溶性の比較
実施例1で調製または精製した、4”Me−EGCg、4”Me−GCg、4”Et−EGCg、3”Me−EGCg及びEGCgと、市販のEGC((−)−エピガロカテキン、和光純薬工業株式会社製)及びEC((−)−エピカテキン、EC≧90%、シグマアルドリッチ社製)とを用いて、各化合物の水溶性を比較した。具体的な方法は、下記の通りである。
(1)4”Me−EGCg含有水溶液
4”Me−EGCgの濃度が、4.7mg/g、23mg/g、45mg/g、120mg/g、320mg/g又は490mg/gとなるように、実施例1で調製した4”Me−EGCgに超純水を加えた。室温にて、この各混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿が生じていないこと、即ち、4”Me−EGCgが全て溶解していることを確認した。
また、濃度が最も高く490mg/gである4”Me−EGCg含有水溶液を、4℃の条件下、遮光した状態で静置保存しておいたが、24時間後でも沈殿は一切生じていなかった。
なお、4”Me−EGCgの水に対する溶解度を、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V8.19を用いて計算したところ、25℃でpH6.06の水に対する溶解度が0.25mg/mLであると算出された。しかし、4”Me−EGCgの溶解度の実測値は490mg/g以上であり、計算から予測された値よりも3桁違いの高い値を示した。
(2)4”Me−GCg含有水溶液
4”Me−GCgの濃度が490mg/gとなるように、実施例1で調製した4”Me−GCg58.0mgに超純水59.6μLを加えた。室温にて、この混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿が生じていないこと、即ち、4”Me−GCgが全て溶解していることを確認した。
(3)4”Et−EGCg含有水溶液
4”Et−EGCgの濃度が490mg/gとなるように、実施例1で調製した4”Et−EGCg53.5mgに超純水56.6μLを加えた。室温にて、この混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿が生じていないこと、即ち、4”Et−EGCgが全て溶解していることを確認した。
(4)3”Me−EGCg含有懸濁液
3”Me−EGCgの濃度が320mg/gとなるように、実施例1で調製した3”Me−EGCgに超純水を加えた。室温にて、この混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿の有無を確認したところ、多量の沈殿が生じていた。そこで、室温にて、3”Me−EGCgを超純水に対して微量ずつ加えていくことによって、最大どの程度溶解するのかを検討した結果、3.5mg/mLであった。
なお、3”Me−EGCgの水に対する溶解度を、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V11.02を用いて計算したところ、25℃でpH5.61の水に対する溶解度が0.17mg/mLであると算出され、実測値と誤差の範囲内であった。
(5)EGCg含有懸濁液
EGCgの濃度が310mg/gとなるように、実施例1で調製したEGCgに超純水を加えた。室温にて、この混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿の有無を確認したところ、多量の沈殿が生じていた。この結果は、特開平7−10897における、「このエピガロカテキンガレートは、一般に水に対する溶解度が非常に低い(高くても20mg/ml)」との記載とも合致している。
なお、EGCgの水に対する溶解度を、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V8.14を用いて計算したところ、25℃でpH4.93の水に対する溶解度が3.6mg/mLであると算出され、公知の値である20mg/mLと誤差の範囲内であった。
(6)EGC含有懸濁液
EGCの濃度が230mg/gとなるように、市販のEGCに超純水を加えた。室温にて、この混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿の有無を確認したところ、多量の沈殿が生じていた。
(7)EC含有懸濁液
ECの濃度が220mg/gとなるように、市販のECに超純水を加えた。室温にて、この混合物に超音波を照射し、遠心分離した後に、目視にて沈殿の有無を確認したところ、多量の沈殿が生じていた。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を、4.7mg/g以上の濃度で含有する水溶液
    Figure 0005127995
    (式中、Rは、メチル基またはエチル基である)。
  2. 前記化合物が、4”Me−EGCg、4”Me−GCg、4”Et−EGCg及び/又は4”Et−GCgであることを特徴とする、請求項1に記載の水溶液。
  3. 前記化合物が4”Me−EGCg及び4”Me−GCgであって、4”Me−EGCg及び4”Me−GCgの総濃度が4.7mg/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載の水溶液。
  4. 前記化合物が4”Et−EGCg及び4”Et−GCgであって、4”Et−EGCg及び4”Et−GCgの総濃度が4.7mg/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載の水溶液。
  5. 前記濃度または総濃度が23mg/g以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水溶液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水溶液を調製する方法であって、下記一般式(I)で表される化合物を、4.7mg/g以上の濃度で含有するように水に溶解させる工程を含む方法
    Figure 0005127995
    (式中、Rは、メチル基またはエチル基である)。
  7. 前記濃度が23mg/g以上であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
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