JP5127633B2 - コンテンツ再生装置および方法 - Google Patents

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Description

この発明は、三次元映像データを光ディスクやHDDなどの記録媒体或いは記録装置に記録して、その記録したデータを再生することが可能なコンテンツ再生装置において、
映像データのサイズを削減するために、映像データの間引きを行って記録されているコンテンツを再生する際に、
間引いたデータを補間することで、高精細な三次元映像を表示することを可能とするコンテンツ再生装置および再生方法に関するものである。
近年、映像表示方法として、左右の目の視差を利用して作成した右目用の映像と左目用の映像を、それぞれ対応する目に個別に入射させるように構成して立体的な表示を行う三次元映像表示が実用化されている。この方式を用いた立体映像表示は一部の映画館にて先行的に立体映像表示が行われていることから、今後更なる普及が予想される。三次元映像表示を行うためには、右目用の映像と左目用の映像が必要となるため、二次元映像のコンテンツに比べて映像のデータ量が2倍となる。データ量を削減するために、水平方向の1画素ごとにデータを間引くことによって、データ量を削減する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−271042号公報(第3頁、第2図)
上記の特許文献1に参照される方式においては、画素を間引くことによって画像のデータ量を半減させているが、そのまま再生を行うと、情報の欠落によって必然的に解像度がオリジナルの画像に比べて落ちることになる。この課題に対して、上記特許文献1に参照される方式においては、画像の再生時に間引かれた右目用の映像データおよび左目用の映像データに対してそれぞれ独立して予測演算処理を行うことによって、データを補間する方法が示されている。
しかし、このような方法では、シーンの切り替わりが激しい映像など、フレーム間の相関が低い映像においては、データを補間することによる画像品質改善の効果が十分に得られないことがあった。また、静止画のような独立した画像においても同様に画像品質の効果が十分に得られないことがあった。
本発明のコンテンツ再生装置は、
符号化圧縮された右目用の映像と左目用の映像を復号化して、表示装置に対して出力するコンテンツ再生装置であって、
画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像を復号化する映像復号化手段と、
復号化された右目用の映像及び左目用の映像の各々の一部をなす各領域の画像データに類似する、前記各領域と同じサイズの領域を、前記復号化された右目用の映像及び左目用の映像の他方から検出する類似領域検出手段と、
前記類似する領域から画素データを抽出して各々の目用の映像補間データを生成する映像補間データ生成手段と、
前記復号化された前記各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間するフレーム合成手段とを備える
ことを特徴とする。
本発明では、画素を間引いた各々の目用の映像を複数の領域に分割して、各領域に類似する領域の画素データを利用して映像データを補間するように構成したため、画素を間引くことでデータ量を削減した三次元映像コンテンツを表示する際に、シーンの切り替わり部分や静止画においても良好な表示品質を得ることができるという効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のコンテンツ再生装置の一例を示すブロック構成図である。図示のコンテンツ再生装置1は、蓄積された三次元映像コンテンツを再生し、映像信号用のインターフェースを経由して三次元映像表示装置に送信する機能を有する装置であり、主な構成要素としてCPU2、ROM3、RAM4、コンテンツ記憶装置5、デコード回路(映像復号化手段)6、分離回路7、R映像補間回路8a、L映像補間回路8b、多重化回路(マルチプレクサ)9、及び出力I/F(出力インターフェース手段)10を備える。
コンテンツ再生装置1は、蓄積された三次元映像コンテンツを再生するための装置である。ROM3はコンテンツ再生装置1を制御するためのプログラムを格納する不揮発メモリなどから構成される記憶装置であり、不図示のOS、各H/Wを制御するためのデバイスドライバ等の機能を実現する各アプリケーションが含まれる。
CPU2はROM3からプログラムを読み出して実行することでコンテンツ再生装置1全体を制御するプロセッサである。RAM4はランダムに読み書き可能なメモリから構成され、CPU2が処理を実行する際のワーク領域や、コンテンツデータを処理するために一時的に格納するためのバッファ領域に使用される。
コンテンツ記憶装置5は、三次元映像のデータを蓄積しておくための不揮発性の記憶装置であり、例えばHDDのような装置に内蔵のメディアの他に、DVDやブルーレイディスクなどの光ディスクメディアにデータを蓄積するものであっても良い。コンテンツ記憶装置5に記憶されている三次元映像のデータは、データ量削減のために、MPEG−2やH.264形式などの映像符号化圧縮方式に従って圧縮された状態で蓄積されているものとする。
デコード回路6は、上記で示したような所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮された状態でコンテンツ記憶装置5に蓄積されている三次元映像のデータを、伸張して復号化する。デコード回路6により復号化された三次元映像のデータD1は画素ごとのデータで構成される。
分離回路7は、デコード回路6で復号化された三次元映像のデータを、右目用の映像(以降R映像と称する)D2Rおよび左目用の映像(以降L映像と称する)D2Lに分離する。ここで分離されたR映像データD2RとL映像データD2LはともにR映像補間回路8aおよびL映像補間回路8bに入力される。
R映像補間回路8aは入力されたR映像データD2RとL映像データD2Lを基にR映像を補間する回路であり、補間後のR映像D3Rを出力する。
L映像補間回路8bは同様に入力されたR映像データD2RとL映像データD2Lを基にL映像を補間する回路であり、補間後のL映像D3Lを出力する。
多重化回路9は補間後のR映像データD3RとL映像データD3Lを三次元映像表示装置11に伝送するために多重化する。
出力I/F10は多重化したR映像データおよびL映像データ(D4)を三次元映像表示装置11に伝送する。この出力I/F10は例えばデジタル方式の映像・音声入出力インターフェース規格であるHDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格のものが使われる。
三次元映像表示装置11は入力されたR映像データとL映像データを画面に映し、R映像データを視聴者の右目のみに、L映像データを視聴者の左目のみに入射することによって、視聴者に対して三次元映像を提示するモニター装置である。このための仕組みとして、例えばR映像とL映像をそれぞれ直交した偏光成分を持った画像として画面に表示し、偏光素子を使用した眼鏡で左右の目に分離して入力する方式や、R映像とL映像を1フレームごとに切り替えて画面に表示し、シャッター付きの眼鏡のシャッターを表示映像に同期して左右切り替えることによって左右の目に分離して入力する方式などがある。
以下、本発明の実施の形態1における動作を説明する。
以下の説明で、フレーム上の各画素は、その位置に応じて、P(v,h)で表される。vは縦方向(垂直方向)位置を表し、hは横方向(水平方向)位置を表す。元の、間引く前の映像データにおいては、フレーム上の画素は、図2に示すように、マトリクス状に配列されており、そのような映像データにおいては、フレームの左上隅においてv=0、h=0であり、vの値は下方向に1画素毎に1ずつ増加し、hの値は右方向に1画素毎に1ずつ増加する。
間引いた後の映像データは、各水平ラインの画素が1画素おきに、かつ各垂直ラインの画素が1画素おきに間引かれて、図3(a)及び(b)に示すように、市松模様状(チェックパターン状)の配置となっている。
図3(a)及び(b)において白い部分が間引き後に残された画素を示す。この例では、R映像データとL映像データの間引く画素の位置が、互いにずれている。図示の例では、間引き後のR映像データは、画素P(0,1)、P(0,3)、…、P(1,0)、P(1,2)、P(1,4)、…のデータから成り、一方、間引き後のL映像データは、画素P(0,0)、P(0,2)、P(0,4)、…、P(1,1)、P(1,3)、…のデータから成る。
間引き後のR映像データ及びL映像データの画素を横方向(水平方向)に詰め、図4で示すように、R映像の画素を右半分の領域ARに、L映像データの画素を左半分の領域ALに配置して、1枚のフレームとし、さらにこのデータを所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮し、この圧縮データを音声データと多重化することで得られるストリームデータがコンテンツ記憶装置5に蓄積されているものとする。
再生に当たり、CPU2はコンテンツ記憶装置5に格納されているストリームデータを読み出し、ストリームデータから映像データを分離した上で、デコード回路6に対して映像データを入力する。
デコード回路6は入力された映像データに対して所定の映像符号化圧縮方式に従って伸張処理を行い、伸張後の映像データD1を分離回路7に入力する。映像データD1は、図4で示した形式のフレームの連続したデータである。
分離回路7は入力された映像データD1の各フレームをR映像、L映像に分離してそれぞれR映像データD2RおよびL映像データD2Lとして出力する。
R映像データD2RおよびL映像データD2Lはそれぞれ元の(分離前の)映像データD1に対して横方向の画素数が半分になっている。この半分のものも、以下の説明では、「データフレーム」と呼ぶことがある。
R映像データD2RおよびL映像データD2Lは両方ともR映像補間回路8aに入力される。同様に、L映像補間回路8bにも両方の映像データD2R、D2Lが入力される。
R映像補間回路8aは入力されたR映像データD2RおよびL映像データD2Lを用いてR映像の補間処理を行い、同様に、L映像補間回路8bは入力されたL映像データD2LおよびR映像データD2Rを用いてL映像の補間処理を行うが、以降で図5を用いてR映像補間回路8aの動作の説明を行う。
R映像補間回路8aは図5に示す通り、類似領域検出部20と、画像補間データ生成回路21と、フレーム合成回路22とを備える。同じフレームから分離されたR映像データD2RとL映像データD2Lが両方とも類似領域検出部20に入力される。
類似領域検出部20では、各フレームのR映像データを互いに同一のサイズの領域(ブロック)に分割し、R映像データの各領域を順次参照領域として選択し、該参照領域に対して、同じフレームから分離されたL映像データの中から、上記参照領域に類似する、参照領域と同一サイズの領域を検出する。本願では、この「類似する領域」を単に「類似領域」ということもあり、「相当領域」と呼ぶこともある。例えば、フレーム内の垂直方向位置が同じ領域の中から、類似度が最も高い領域を、相当領域として検出する。そして、検出された相当領域の、上記参照領域に対する相対位置を、RL差ベクトルとして算出する。なお、ここで、「相対位置」は、図4のように、R映像とL映像が左右に分けられた状態では、R映像部分AR内における参照領域の位置と、L映像部分AL内における相当領域の位置の差で表されるものである。
「上記の同一のサイズの領域」とは、例えば、縦及び横ともに16画素の正方形の領域であり、例えば、図6に示すように、フレーム内の、R映像部分内の位置に応じて、BR(m,n)で表される。ここで、mは縦方向の位置を表し、nは横方向の位置を表す。左上隅の領域は、m=1、n=1であり、mは下方向に領域毎(16画素毎)に1ずつ増加し、nは右方向に領域毎(16画素毎)に1ずつ増加する。図示の例では、各フレームが縦方向M個、横方向N個の領域に分割されている。各領域の左上隅の画素がP(v,h)で表されるものである場合に、当該領域を符号BR[v,h]で表すこともある。
相当領域の検出に当たっては、例えば、L映像データのフレーム上の同じサイズの領域(縦、横ともに16画素の領域)のうちで、類似度が最も高い領域を相当領域として検出する。このためには、上記L映像データのフレーム上の、同じサイズの領域を比較領域として順次選択し、各比較領域と参照領域との類似度を求め、順次選択した比較領域のうちで、類似度が最も高い領域を相当領域として検出する。
比較領域としては、例えば、図7(a)及び(b)に示すように、参照領域BRと縦方向位置が同じものに限定し、横方向位置を1画素ずつずらしながら、順次選択する。この結果、RL差ベクトルは、画素単位で検出される。図7(a)及び(b)では、参照領域が、図6のBR(2,3)である(従って、その左上隅の画素が、P(32,48)であり、符号BR[32,43]で表されるものである)場合を想定しており、比較領域として、左上隅の画素がP(32,0)である領域BL[32,0]、左上隅の画素がP(32,1)である領域BL[32,1]から左上隅の画素がP(32,(Hmf−15))である右端の領域BL[32,(Hmf−15)]まで、横方向に1画素(1列)ずつずらしながら、順に選択する。ここでHmfは、右端の画素の横方向位置を表す値である。
なお、比較領域を、参照領域と縦方向位置が同じものに限定するのは、R映像とL映像は水平方向の視差に基づいて作成されていることを考慮したためである。
そして、このようにして、順次選択した比較領域の中で、参照領域に対する類似度の最も高かった比較領域を相当領域として選択する。そして、その領域の、L映像データフレーム上の位置(L映像部分内の位置)の、参照領域のR映像データフレーム上の位置(R映像部分内の位置)に対する差(相対位置)をRL差ベクトルとする。
例えば図7(a)及び(b)においてR映像の参照領域BR[32,48]に対して、L映像の領域BL[32,43]が最も類似度が高かった場合のRL差ベクトルはV(43−50,32−32)=V(0,−7)となる。
ここで、R映像の参照領域とL映像の比較領域の類似度を求める方法として、例えば比較領域内の各画素と、参照領域内の対応する画素の差(比較領域及び参照領域の、領域内での位置が互いに同じ画素同士の差)の絶対値の総和(差分絶対値和)を用いる。差分絶対値和は以下の式(1)で表される。
Figure 0005127633
ここでDsは差分絶対値和、yはフレーム内の各画素の縦方向位置、xはフレーム内の各画素の横方向位置、νはフレーム内の位置に対する(横方向の)オフセット(参照領域に対する比較領域の相対的位置)、S(v,h)は、R映像のフレーム内の各位置(v,h)における画素値、S(v,h+ν)は、L映像のフレーム内の、対応する位置(v,h+ν)における画素値、Bは16画素×16画素の参照領域を示す。上記の式(1)中の、{S(v,h+ν)−S(v,h)}が、参照フレーム内の各画素の値S(v,h)と、比較フレーム内の、対応する位置の画素S(v,h+ν)の差を表す。
オフセットνの値は、参照領域に対する比較領域の相対位置を表すので、すべての比較領域に対応するすべてのνの値の中で、差分絶対値和Dsが最小となるオフセットνがRL差ベクトルである。ここで計算に使用する画素値は例えば輝度信号、青色色差信号、赤色色差信号であり、これらを単独もしくは組み合わせて用いて良い。また、RGB信号の各コンポーネントデータを単独もしくは組み合わせて用いても良い。組み合わせる場合には、例えば、各信号についての差分絶対値和を、全ての信号について加算し、加算結果が最小になるものを選択する。
類似領域検出部20は、R映像D2Rの1枚のフレームを16画素×16画素の領域に分割して、全ての分割領域を参照領域とした上でそれぞれの領域に対するRL差ベクトルを算出する。算出されたRL差ベクトルは、類似領域検出部20内のメモリ20aに記憶される。
図8は、図6に示すM×N個の領域のそれぞれについて、RL差ベクトルV(m,n)(但し、m=1〜M、n=1〜N)が求められ、記憶されることを示している。
類似領域検出部20は全ての参照領域に対するRL差ベクトルを算出した後、このRL差ベクトルを画像補間データ生成回路21に対して出力する。
画像補間データ生成回路21は入力されたRL差ベクトルV(m,n)と、当該のRL差ベクトルを算出する際に用いたものと同じ時間のL映像データD2Lを入力として、
16画素×16画素の各領域BR(m,n)について求められたRL差ベクトルV(m,n)を元に、L映像データから当該RL差ベクトルV(m,n)が指し示す位置の(当該参照領域に対してRL差ベクトルV(m,n)で表される相対位置にある)16画素×16画素の領域の画素データを取り出して、当該RL差ベクトルV(m,n)が求められた参照領域BR(m,n)と同じサイズの領域に並べることで、R映像補間データD2Riを生成し、フレーム合成回路22に対して出力する。
これに併せてフレーム合成回路22には、前述のRL差ベクトルを算出する際に用いたものと同じ時間のR映像データD2Rが入力される。
フレーム合成回路22は入力されたR映像データD2RとR映像補間データD2Riを縦方向及び横方向において1画素おきに並べる(交互に配置する)ことによってフレームを合成する。この並べ方を図9(a)〜(c)に示す。この図では簡略化のために参照領域及び比較領域が4画素×4画素のサイズのものであるとしている。即ち、図9(a)に示される、4画素×4画素のサイズのR映像データD2R(=R11〜R44)と、図9(b)に示される、同じく4画素×4画素のサイズのR映像補間データD2Ri(=Ri11〜Ri44)を合成して、図9(c)に示される8画素×4画素の補間後R映像データD3Rを生成する様子を示している。合成に際しては、各領域内の上から数えて奇数番目の行では、R映像補間データ(Ri11、Ri12、…)が、対応するR映像データ(R11、R12、…)の右に位置するように、偶数番目の行では、R映像補間データ(Ri21、Ri22、…)が、対応するR映像データ(R21、R22、…)の左に位置するように配置される。ここで、「対応する」とは、図9(a)、(b)に示すR映像データD2Rの配列及び映像補間データD2Riの配列において、同じ位置にあることを意味する。この結果、R映像データD2RとR映像補間データD2Riの各画素は市松模様状に(縦方向及び横方向に1画素おきに)配置されて、結果的に水平方向の解像度が2倍となった(間引き前と解像度が同じになった)補間後R映像データD3Rが得られる。補間後R映像データD3Rのうち、R映像データ(R11、R12、…)に相当するもの(R映像データから得られたもの)は、間引き後に残された画素と同じ位置の画素(図3(a)の白色部分の画素)のデータであり、R映像補間データ(Ri11、Ri12、…)に相当するもの(R映像補間データから得られたもの)は、間引かれた画素と同じ位置の画素(図3(a)のハッチングを施した位置の画素)のデータである。
上記の合成処理は1フレーム全体に対して行われるため、この合成処理を行った後の補間後R映像データ(合成後R映像データ)は水平解像度が2倍になったフレームとして出力される。
以上、図5をもとにしてR映像補間回路8aの動作について説明したが、図1に示すL映像補間回路8bは、R映像補間回路8aと対称の構成を採り、R映像補間回路8aと同様の動作を行うことで補間後L映像データD3Lを出力する。この場合、図5〜図9(c)における説明の「右」、「左」を逆に読み替え、符号の「R」、「L」を逆に読み替えれば、同じ説明がそのまま当てはまる。
L映像補間回路8b内のフレーム合成回路22の動作を図10(a)〜(c)に示す。
L映像補間回路8bの合成回路22も、入力されたL映像データD2LとL映像補間データD2Liを縦方向及び横方向において1画素おきに並べる(交互に配置する)ことによってフレームを合成する。図10(a)〜(c)では、図9(a)〜(c)と同様に、簡略化のために4画素×4画素のサイズのL映像データD2L(=L11〜L44)と、同じく4画素×4画素のサイズのL映像補間データD2Li(=Li11〜Li44)を合成して、8画素×4画素の補間後L映像データD3Lを生成する。合成に際しては、各領域内の上から数えて奇数番目の行では、L映像補間データ(Li11、Li12、…)が、対応するL映像データ(L11、L12、…)の左に位置するように、偶数番目の行では、L映像補間データ(Li21、Li22、…)が、対応するL映像データ(L21、L22、…)の右に位置するように配置される。この結果、L映像データD2LとL映像補間データD2Liの各画素は市松模様状に(縦方向及び横方向に1画素おきに)配置されて、結果的に水平方向の解像度が2倍となった(間引き前と解像度が同じになった)補間後L映像データD3Lが得られる。補間後L映像データD3Lのうち、L映像データ(L11、L12、…)に相当するものは、間引き後に残された画素と同じ位置の画素(図3(b)のデータであり、L映像補間データ(Li11、Li12、…)に相当するものは、間引かれた画素と同じ位置の画素(図3(b))のデータである。
R映像補間回路8aから出力された映像データD3RとL映像補間回路8bから出力された映像データD3Lは共に多重化回路9に入力される。多重化回路9では、入力された映像データD3Rと映像データD3Lを時間軸方向に1フレームずつ交互に並べることで1つの映像ストリームとして多重化する。この様子を図11に示す。この例では、連続する1枚の偶数フレームと1枚の奇数フレームの組合せ(例えばフレームF0とフレームF1)が1枚の三次元映像を構成する右目用画像と左目用の画像の組となる。この場合、元の画像のフレームレートが30fpsだった場合は、右目用画像と左目用の画像のフレームを多重化して送信することになるため、送信のフレームレートは2倍の60fpsとなる。
多重化回路9から出力された多重化後の映像データD4は出力I/F10を経由して映像データD5として三次元映像表示装置11に送信される。
三次元映像表示装置11は受信した映像データD5をもとにR映像データとL映像データを画面に映し、R映像データを視聴者の右目のみに、L映像データを視聴者の左目のみに入射するように表示する。このための方式としては、前述した通り偏光素子を使用した眼鏡で左右の目に分離して入力する方式や、R映像とL映像を1フレームごとに切り替えて画面に表示し、シャッター付きの眼鏡のシャッターを表示映像に同期して左右切り替えることによって左右の目に分離して入力する方式がある。以上のように構成することで、画素を間引くことでデータ量を削減した三次元映像コンテンツを表示する際に良好な表示品質を得ることが可能となる。なお、本実施の形態では、間引き後のR映像の画素を右半分にL映像の画素を左半分に配置して1枚のフレームとしたデータについて説明しているが、間引き後のR映像の画素を左半分にL映像の画素を右半分に配置しても良い。また、図12に示すように間引き後のR映像データ及びL映像データの画素を縦方向(垂直方向)に詰め、R映像の画素を上半分の領域ATに、L映像の画素を下半分の領域ABに配置しても良い。逆に、間引き後のL映像の画素を上半分の領域ATに、R映像の画素を下半分の領域ABに配置しても良い。
また、R映像補間データを生成するために、R映像の参照領域に対する相当領域をL映像から検出しているが、R映像から最も類似度の高い領域を相当領域として検出しても良い。
同様にL映像補間データを生成するために、L映像の参照領域に対する相当領域をR映像から検出しているが、L映像から最も類似度の高い領域を相当領域として検出しても良い。
また、R映像補間データを生成するために、R映像の参照領域に対する相当領域を同じ時間のフレームから検出しているが、異なる時間のフレームから相当領域を検出しても良い。また、相当領域の例として差分絶対値和が一番少ない領域検出しているが、差分絶対値和が2番目に少ない領域、3番目に少ない領域など、一番少ない領域以外の領域を相当領域として用いても良い。
実施の形態2.
実施の形態1のコンテンツ再生装置は、間引き後のR映像の画素とL映像データの画素を1枚のフレームとして圧縮したデータが、コンテンツ記憶装置5に記憶されている場合に適したものであるが、次に、間引き後のR映像を1枚のフレームとし、間引き後のL映像も同様に1枚のフレームとして左右の映像を別々のデータとして所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮し、記憶している場合に適したコンテンツ再生装置について説明する。
図13はこの発明の実施の形態2のコンテンツ再生装置の一例を示すブロック構成図である。実施の形態1に関し、図1を参照して説明した構成との違いは、図1のデコード回路6の代わりに、R映像をデコードするためのR映像デコード回路6aとL映像をデコードするためのL映像デコード回路6bをそれぞれ独立して備えている点である。また、デコード回路6a、6bが独立しているためにデコード回路の後段に分離回路(図1の分離回路7)を持たない。
以下、図13を参照して本発明の実施の形態2における動作を説明する。
R映像データおよびL映像データはそれぞれ実施の形態1と同様に図3(a)及び(b)に示すように、市松模様状に間引かれているものとする。
間引き後のR映像を1枚のフレームとし、間引き後のL映像も同様に1枚のフレームとして、即ち左右の映像を別々のデータとして所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮し、音声データと多重化することで得られるストリームデータがコンテンツ記憶装置5に蓄積されているものとする。
再生に当たり、CPU2はコンテンツ記憶装置5に格納されているストリームデータを読み出し、ストリームデータからR映像データD1RとL映像データD1Lをそれぞれ分離した上で、R映像データD1RをR映像デコード回路6aに、L映像データD1LをL映像デコード回路6bに、それぞれ入力する。
R映像デコード回路6aは入力された映像データに対して所定の映像符号化圧縮方式に従って伸張処理を行い、伸張後のR映像データD2RをR映像補間回路8aとL映像補間回路8bの両方に入力する。
同様に、L映像デコード回路6bは入力された映像データに対して所定の映像符号化圧縮方式に従って伸張処理を行い、伸張後のL映像データD2LをR映像補間回路8aとL映像補間回路8bの両方に入力する。
以降は、実施の形態1の例で説明した処理と同様の処理を行なうことで、実施の形態1と同様に、画素を間引くことでデータ量を削減した三次元映像コンテンツを表示する際に良好な表示品質を実現することが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1および2では、図3(a)及び(b)に示すとおり、縦方向及び横方向において、1画素おきに市松模様状にデータが間引かれている場合の例を説明したが、図14(a)及び(b)に示す通り、1縦ライン(1列)ごとにデータが間引かれる場合も考えられる。
図14(a)及び(b)において白い部分が間引き後に残された画素を示す。図示の例では、R映像データとL映像データの間引く画素(ライン)の横方向位置が、1画素(1列)ずれている。
本実施の形態3のコンテンツ再生装置としては、図1に示すもの或いは図13に示すもののどちらでも用いうるが、以下の図1に示すものを用いる場合について説明する。
ここで間引き後のR映像データ及びL映像データの画素を横方向(水平方向)に詰め、R映像の画素を右半分に、L映像の画素を左半分に配置して、図4で示す通り1枚のフレームとし、さらにこのデータを所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮し、この圧縮データを音声データと多重化することで得られるストリームデータがコンテンツ記憶装置5に蓄積されているものとする。
再生に当たり、CPU2がコンテンツ記憶装置5に格納されているストリームデータを読み出してから、R映像補間回路8aにR映像データD2RとL映像データD2Lが入力されるまでは、実施の形態1で説明したのと同様の処理が行なわれる。
また、図5で示したR映像補間回路8aの動作において、画像補間データ生成回路21がR映像補間データD2Riを生成しフレーム合成回路22に対して出力するまでの処理においても、実施の形態1で説明したしたのと同様の処理が行なわれる。
この後、フレーム合成回路22は入力されたR映像データD2RとR映像補間データD3Rを横方向において、1縦ライン(1列)おきに並べる(交互に配置する)ことによってフレームを合成する。この並べ方を図15(a)〜(c)に示す。この図では簡略化のために、図15(a)に示される、4画素×4画素のサイズのR映像データD2R(=R11〜R44)と、図15(b)に示される、同じく4画素×4画素のサイズのR映像補間データD2Ri(=Ri11〜Ri44)を合成して、図15(c)に示される8画素×4画素の補間後R映像データD3Rを生成する様子を示している。合成に際しては、R映像補間データ(Ri11、Ri12、…)が、対応するR映像データ(R11、R12、…)の右に位置するように配置される。この結果、R映像データD2RとR映像補間データD2Riの各画素は1列おきに配置されて、結果的に水平方向の解像度が2倍となった(間引き前と解像度が同じになった)補間後R映像データD3Rが得られる。補間後R映像データD3Rのうち、R映像データ(R11、R12、…)に相当するものは、間引き後に残された画素と同じ位置の画素(図14(a)の白色部分の画素)のデータであり、R映像補間データ(Ri11、Ri12、…)に相当するものは、間引かれた画素と同じ位置の画素(図14(a)のハッチングを施した位置の画素)のデータである。
L映像補間回路8bは、R映像補間回路8aと対称の構成を採り、R映像補間回路8aと同様の動作を行うことで補間後L映像データD3Lを出力する。この場合、実施の形態1の説明と同様に、図5〜図8、図14(a)、(b)、図15(a)〜(c)における説明の「右」、「左」を逆に読み替え、符号の「R」、「L」を逆に読み替えれば、同じ説明がそのまま当てはまる。
実施の形態3におけるL映像補間回路8b内のフレーム合成回路22の動作を図16(a)〜(c)に示す。
L映像補間回路8bの合成回路22も、入力されたL映像データD2LとL映像補間データD2Liを横方向において1縦ライン(1列)おきに並べる(交互に配置する)ことによってフレームを合成する。図16(a)〜(c)では、図15(a)〜(c)と同様に、簡略化のために、図16(a)に示される、4画素×4画素のサイズのL映像データD2L(=L11〜L44)と、図16(b)に示される、同じく4画素×4画素のサイズのL映像補間データD2Li(=Li11〜Li44)を合成して、図16(c)に示される、8画素×4画素の補間後L映像データD3Lを生成する。合成に際しては、L映像補間データ(Li11、Li12、…)が、対応するL映像データ(L11、L12、…)の左に位置するように配置される。この結果、L映像データD2LとL映像補間データD2Liの各画素は1列おきに配置されて、結果的に水平方向の解像度が2倍となった(間引き前と解像度が同じになった)補間後L映像データD3Lが得られる。補間後L映像データD3Lのうち、L映像データ(L11、L12、…)に相当するものは、間引き後に残された画素と同じ位置の画素(図14(b)の白色部分の画素)のデータであり、L映像補間データ(Li11、Li12、…)に相当するものは、間引かれた画素と同じ位置の画素(図14(b)ハッチングを施した位置の画素)のデータである。
R映像補間回路8aが補間後R映像データD3Rを出力し、L映像補間回路8bが補間後L映像データD3Lを出力する処理以降の処理は実施の形態1で説明したのと同様である。
実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、画素を間引くことでデータ量を削減した三次元映像コンテンツを表示する際に良好な表示品質を得ることが可能となる。
本実施の形態で説明した方法は、実施の形態2で説明したように間引き後のR映像を1枚のフレームとし、間引き後のL映像も同様に1枚のフレームとして左右の映像を別々のデータとして所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮されている場合にも適用することができる。
実施の形態4.
実施の形態3では、図14(a)及び(b)に示すとおり、縦方向に1ラインごとにデータが間引かれる場合を説明したが、図17(a)及び(b)に示す通り、1横ライン(1行)ごとにデータが間引かれる場合も考えられる。
図17(a)及び(b)において白い部分が間引き後に残された画素を示す。図示の例では、R映像データとL映像データの間引く画素(ライン)の縦方向位置が、1画素(1行)ずつずれている。
本実施の形態3のコンテンツ再生装置としては、図1に示すもの或いは図13に示すもののどちらでも用いうるが、以下の図1に示すものを用いる場合について説明する。
ここで間引き後のR映像データ及びL映像データの画素を縦方向(垂直方向)に詰め、R映像の画素を上半分にL映像の画素を下半分に配置して、図12で示す通り1枚のフレームとし、さらにこのデータを所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮し、この圧縮データを音声データと多重化することで得られるストリームデータがコンテンツ記憶装置5に蓄積されているものとする。
再生に当たり、CPU2がコンテンツ記憶装置5に格納されているストリームデータを読み出してから、R映像補間回路8aにR映像データD2RとL映像データD2Lが入力されるまでは、実施の形態1で説明したのと同様の処理が行なわれる。
また、図5で示したR映像補間回路8aの動作において、画像補間データ生成回路21がR映像補間データD2Riを生成しフレーム合成回路22に対して出力するまでの処理においても、実施の形態1で説明したのと同様の処理が行なわれる。
この後、フレーム合成回路22は入力されたR映像データD2RとR映像補間データD3Rを縦方向において、1横ライン(1行)おきに並べる(交互に配置する)ことによってフレームを合成する。この並べ方の様子を図18(a)〜(c)に示す。この図では簡略化のために、図18(a)に示される、4画素×4画素のサイズのR映像データD2R(=R11〜R44)と、図18(b)に示される、同じく4画素×4画素のサイズのR映像補間データD2Ri(=Ri11〜Ri44)を合成して、図18(c)に示される、8画素×4画素の補間後R映像データD3Rを生成する様子を示している。合成に際しては、R映像補間データ(Ri11、Ri12、…)が、対応するR映像データ(R11、R12、…)の下に位置するように配置される。この結果、R映像データD2RとR映像補間データD2Riの各画素は1行おきに配置されて、結果的に垂直方向の解像度が2倍となった(間引き前と解像度が同じになった)補間後R映像データD3Rが得られる。補間後R映像データD3Rのうち、R映像データ(R11、R12、…)に相当するものは、間引き後に残された画素と同じ位置の画素(図17(a)の白色部分の画素)のデータであり、R映像補間データ(Ri11、Ri12、…)に相当するものは、間引かれた画素と同じ位置の画素(図17(a)のハッチングを施した位置の画素)のデータである。
L映像補間回路8bは、R映像補間回路8aと対称の構成を採り、R映像補間回路8aと同様の動作を行うことで補間後L映像データD3Lを出力する。この場合、実施の形態1の説明と同様に、図5〜図8、図17、図18(a)〜(c)における説明の「右」、「左」を逆に読み替え、符号の「R」、「L」を逆に読み替えれば、同じ説明がそのまま当てはまる。
実施の形態4におけるL映像補間回路8b内のフレーム合成回路22の動作を図19(a)〜(c)に示す。
L映像補間回路8bの合成回路22も、入力されたL映像データD2LとL映像補間データD2Liを縦方向において1横ライン(1行)おきに並べる(交互に配置する)ことによってフレームを合成する。図19(a)〜(c)では、図18(a)〜(c)と同様に、簡略化のために、図19(a)に示される、4画素×4画素のサイズのL映像データD2L(=L11〜L44)と、図19(b)に示される、同じく4画素×4画素のサイズのL映像補間データD2Li(=Li11〜Li44)を合成して、図19(c)に示される、8画素×4画素の補間後L映像データD3Lを生成する。合成に際しては、L映像補間データ(Li11、Li12、…)が、対応するL映像データ(L11、L12、…)の上に位置するように配置される。この結果、L映像データD2LとL映像補間データD2Liの各画素は1行おきに配置されて、結果的に垂直方向向の解像度が2倍となった(間引き前と解像度が同じになった)補間後L映像データD3Lが得られる。補間後L映像データD3Lのうち、L映像データ(L11、L12、…)に相当するものは、間引き後に残された画素と同じ位置の画素(図17(b)の白色部分の画素)のデータであり、L映像補間データ(Li11、Li12、…)に相当するものは、間引かれた画素と同じ位置の画素(図17(b)ハッチングを施した位置の画素)のデータである。
R映像補間回路8aが補間後R映像データD3Rを出力し、L映像補間回路8bが補間後L映像データD3Lを出力する処理以降の処理は実施の形態1で説明したのと同様である。
実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、画素を間引くことでデータ量を削減した三次元映像コンテンツを表示する際に良好な表示品質を得ることが可能となる。
本実施の形態で説明した方法は、実施の形態2で説明したように間引き後のR映像を1枚のフレームとし、間引き後のL映像も同様に1枚のフレームとして左右の映像を別々のデータとして所定の映像符号化圧縮方式に従って圧縮されている場合にも適用することができる。
なお、本実施の形態では、ここで間引き後のR映像の画素を上半分にL映像の画素を下半分に配置して1枚のフレームとしたデータについて説明しているが、間引き後のL映像の画素を上半分にR映像の画素を下半分に配置しても良い。
実施の形態5.
本実施の形態は、類似領域検出部20で、各参照領域について、類似する比較領域がないと判断されたときに、代わりの補間方向(参照領域のデータを用いた補間方法以外の方法)で補間を行なうものである。
本実施の形態5のコンテンツ再生装置としては、図1に示すもの或いは図13に示すもののどちらでも用いうるが、以下の図1に示すものを用いる場合について説明する。また、R映像補間回路8aとしては、図20に示すものが用いられる。図20に示されるR映像補間回路8aは、図5に示されるものと概して同じであるが、以下の点で異なる。実施の形態5のコンテンツ再生装置のL映像補間回路8bも、図20に示されるR映像補間回路8aと同様に構成されている。
類似領域検出部20は、複数の比較領域(例えば、参照領域と同じ縦方向位置のすべての、同じサイズの領域)について算出した類似度のうちの最大のものが、所定の閾値よりも小さいときは、類似する領域がないと判断する。そして、そのことを示すデータ(フラグ)を出力する。
この場合、類似領域検出部20が各参照領域に類似する領域がないと判断したときは、補間データ生成回路21が、当該参照領域内の各画素の補間データの代わりに、補間データが無効であることを示すデータを生成することとしても良い。
また、この場合、フレーム合成回路22は、各画素について補間データが無効であることを示すデータを受けたときは、画像補間データ生成回路から供給される補間データの代わりに、各画素(補間後に当該画素が配置される位置)の周辺の画素のデータから算出した補間データを用いて補間を行なう。例えば、各画素の周辺の画素として、当該画素(補間後に当該画素が配置される位置)の上、下、左、右に隣接する画素の画素値の平均値を、補間データとして算出する。
類似度の指標として、式(1)で示した差分絶対値和Dsを用いる場合には、差分絶対値和Dsに対する閾値Dstを設定しておき、差分絶対値和Dsが閾値Dst以下である比較領域が見つからなかった場合には、類似する領域がないとの判断を行なうこととする。
以下、詳細に説明する。
類似度の比較及びRL差ベクトルを算出する際の参照領域および比較領域のサイズは、実際には、実施の形態1〜4と同様に、16画素×16画素程度であるが、以下の説明においては、説明を簡略化するために4画素×4画素とする。
類似領域検出部20は、実施の形態1に関して図7(a)及び(b)を参照して説明したように、参照領域に対して、同じ縦方向位置の比較領域を順次選択して、同じ縦方向位置のすべての比較領域について差分絶対値Dsを求め、さらにその最小値Dsminを求める。
類似領域検出部20はさらに、求められた最小値Dsminを閾値Dstと比較する。そして、比較の結果に応じて、差分絶対値Dsが最小となった比較領域のRL差ベクトルを出力するか、求めたRL差ベクトルが無効であることを示すデータ(フラグ)を出力する。
即ち、Dsmin≦Dstの場合は、その領域(差分絶対値和Dsが最小であった領域)のL映像データフレーム上の位置の、R映像データフレーム上の参照領域に対する相対位置(横方向の差)を、RL差ベクトルとして出力する。
Dsmin>Dstの場合は、参照領域に対して、類似度が十分に高い比較領域が存在せず、従って、有効なRL差ベクトルが存在しないと判定して、フラグ等の設定することで当該の参照領域に対するRL差ベクトルが無効であることを表す。
図21(a)には、上から2行目で左から2列目の領域について、RL差ベクトルV(2,2)の代わりに、符号VDI(2,2)で表されるデータ(フラグ)が生成されており、これにより、RL差ベクトルV(2,2)が無効であることが示されている。
画像補間データ生成回路21は、入力されたRL差ベクトルV(2,2)又はRL差ベクトルが無効であることを示すデータVDI(2,2)と、当該のRL差ベクトルを算出する際に用いたものと同じ時間のL映像データD2Lを入力として、4画素×4画素の各領域BR(m,n)について求められているRL差ベクトルV(m,n)を元に、L映像データからRL差ベクトルV(m,n)が指し示す位置の(当該参照領域に対してRL差ベクトルV(m,n)で表される相対位置にある)4画素×4画素の領域の画素データを取り出して、RL差ベクトルV(m,n)が求められた領域BR(m,n)と同じサイズの領域に並べることで、R映像補間データD2Ri(図21(c))を生成する。
画像補間データ生成回路21はさらに、RL差ベクトルが無効の領域(RL差ベクトルV(m,n)の代わりにVDI(m,n)が生成された領域)に含まれる各画素に対してはフラグ等の設定することでR映像補間データD2Ri(図21(c))の当該の領域のデータが無効であることを示す。
図21(c)では上から2行目で左から2列目の領域(画素数では、左から5〜8番目と上から5〜8番目の4画素×4画素の領域)のR映像補間データRipq(p=5〜8、q=5〜8)が無効であることをRDIpqと表記して示している。
フレーム合成回路22は、入力されたR映像データD2R(図21(b))とR映像補間データD2Ri(図21(c))を横方向及び縦方向に1画素おきに並べることによってフレームを合成する際に、R映像補間データD2Riに無効なデータが存在する場合、補間後の画素配置において、当該画素の上、下、左、右に隣接する画素の値の平均を算出し、その結果を当該画素の画素値とする。フレーム合成回路22は、このような平均補間データを生成するための平均演算回路23を内蔵している。
このようにして平均演算回路23で生成された補間データが、画像補間データ生成回路21からのデータの代わりに用いられた画素が、図22では符号Xpqで表されている。平均演算回路23において、画素値の平均を求める式を以下に示す。
Figure 0005127633
式(2)において、R(p−1)q、R(p+1)q、Rpq、Rp(q+1)が、それぞれ、補間後の画素配置における、補間対象画素Xpqの上、下、左、右に隣接する画素のデータで表す。
式(2)の計算に使用する画素値は、例えば輝度信号、青色色差信号、赤色式差信号であり、これらを単独もしくは組み合わせて用いて良い。また、RGB信号の各コンポーネントデータを単独もしくは組み合わせて用いても良い。
実施の形態5においても、L映像補間回路8bは、R映像補間回路8aと対称の構成を採り、R映像補間回路8aと同様の動作を行うことで補間後L映像データD3Lを出力する。この場合、実施の形態1の説明と同様に、図6〜図8、図20、図21(a)〜(c)、図22における説明の「右」、「左」を逆に読み替え、符号の「R」、「L」を逆に読み替えれば、同じ説明がそのまま当てはまる。
以上のように構成することで、画素を間引くことでデータ量を削減した三次元映像コンテンツを表示する際に良好な表示品質を得ることが可能となる。なお、本実施の形態では、フラグ等の設定することで当該の参照領域に対するRL差ベクトルが無効であることを表すこととしているが、独立したファイルやデーターベースの形式で当該の参照領域に対するRL差ベクトルが無効であることを表すこととしても良い。
また、RL差ベクトルが無効である領域に含まれる各画素に対してフラグ等の設定することでR映像補間データの当該の領域のデータが無効であることを表すこととしているが、独立したファイルやデーターベースの形式で当該の領域のデータが無効であることを表しても良い。
この発明の実施の形態1のコンテンツ再生装置の構成を示すブロック構成図である。 実施の形態1で用いられる、映像データの、間引く前の状態における、画素の配列を示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態1において、映像データの間引き方の一例を示す図である。 実施の形態1において、データを間引いた左目用の映像と右目用の映像を左右に合成して1フレームの画像に合成する方法の一例を示す図である。 実施の形態1のR映像補間回路の一構成例を示すブロック図である。 各フレーム内の領域の配列の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態1において、一つの参照領域と複数の比較領域とを示す図である。 図6に示すM×N個の領域のそれぞれについて求められたRL差ベクトルを示す図である。 (a)〜(c)は、実施の形態1において、R映像データとR映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、実施の形態1において、L映像データとL映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1において、R映像のフレームとL映像のフレームを組合せる方法の一例を示す図である。 実施の形態1において、データを間引いた左目用の映像と右目用の映像を上下に合成して1フレームの画像に合成する方法の他の例を示す図である。 この発明の実施の形態2のコンテンツ再生装置の構成を示すブロックである。 (a)及び(b)は、この発明の実施の形態3において、映像データの間引き方の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、実施の形態3において、R映像データとR映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、実施の形態3において、L映像データとL映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、この発明の実施の形態4において、映像データの間引き方の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、この発明の実施の形態4において、R映像データとR映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、この発明の実施の形態4において、L映像データとL映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 実施の形態5のR映像補間回路の一構成例を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、この発明の実施の形態5において、R映像データとR映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。 この発明の実施の形態5において、R映像データとR映像補間データを合成する方法の一例を示す図である。
符号の説明
1 コンテンツ再生装置、 2 CPU、 3 ROM、 4 コンテンツ記憶装置、 6 デコード回路、 6a R映像デコード回路、 6b L映像デコード回路、 7 分離回路、 8a R映像補間回路、 8b L映像補間回路、 9 多重化回路、 10 出力I/F、 11 三次元映像表示装置、 20 類似領域検出部、 21 画像補間データ生成回路、 22 フレーム合成回路。

Claims (24)

  1. 符号化圧縮された右目用の映像と左目用の映像を復号化して、表示装置に対して出力するコンテンツ再生装置であって、
    画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像を復号化する映像復号化手段と、
    復号化された右目用の映像及び左目用の映像の各々の一部をなす各領域の画像データに類似する、前記各領域と同じサイズの領域を、前記復号化された右目用の映像及び左目用の映像の他方から検出する類似領域検出手段と、
    前記類似する領域から画素データを抽出して各々の目用の映像補間データを生成する映像補間データ生成手段と、
    前記復号化された前記各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間するフレーム合成手段とを備える
    ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
  2. 前記類似領域検出手段は、前記類似する領域として、前記各領域の画像データに対する類似度が最大の領域を検出することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
  3. 前記画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像として、マトリクス状に配列された画素のうちの各水平ラインの画素を1画素おきに、かつ各垂直ラインの画素を1画素おきに間引いて、市松模様状に配列された画素から成る映像を、符号化圧縮した映像が用いられ、
    前記フレーム合成手段は、
    前記復号化された各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間する際に前記各々の目用の映像の画素と前記各々の目用の映像補間データの画素を縦方向に1画素おきに交互に、かつ横方向に1画素おきに交互に配置する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
  4. 前記画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像として、マトリクス状に配列された画素のうちの1垂直ラインおきに間引き、符号化圧縮した映像が用られ、
    前記フレーム合成手段は、前記復号化された各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間する際に前記各々の目用の映像の画素と前記各々の目用の映像補間データの画素を横方向に1垂直ラインずつ交互に配置する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
  5. 前記画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像として、マトリクス状に配列された画素のうちの1水平ラインおきに間引き、符号化圧縮した映像が用いられ、
    前記フレーム合成手段は、前記復号化された各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間する際に前記各々の目用の映像の画素と前記各々の目用の映像補間データの画素を縦方向に1水平ラインずつ交互に配置する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
  6. 前記類似領域検出手段は、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域を検出する際に、前記各々の目用の映像の上記各領域と縦方向の同じ位置にある複数の領域の各々との比較を行い、類似度が最大のものを前記類似する領域として選択することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
  7. 前記類似領域検出手段は、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域を検出する際に、前記各々の目用の映像の前記各領域と縦方向の同じ位置にあるすべての領域の各々との比較を行い、類似度が最大のものを前記類似する領域として選択することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ再生装置。
  8. 前記類似領域検出手段は、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域がないと判断したときは、そのことを示すデータを生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
  9. 前記類似領域検出手段は、前記類似度の最大値が所定の閾値よりも小さいときは、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域がないと判断し、そのことを示すデータを生成することを特徴とする請求項6又は7に記載のコンテンツ再生装置。
  10. 前記類似領域検出手段が、前記各領域に類似する領域がないと判断したときは、前記映像補間データ生成手段は、前記当該領域内の各画素の補間データの代わりに、補間データが無効であることを示すデータを生成することを特徴とする請求項8又は9に記載のコンテンツ再生装置。
  11. 前記フレーム合成手段は、各画素について前記補間データが無効であることを示すデータを受けたときは、前記補間データの代わりに、当該画素の補間後に当該画素の周辺に位置することになる画素のデータから算出した補間データを用いて補間を行なう
    ことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ再生装置。
  12. 前記各画素の周辺の画素として、補間後に当該画素の上、下、左、右に隣接することになる画素の画素値の平均値を、補間データとして算出することを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ再生装置。
  13. 符号化圧縮された右目用の映像と左目用の映像を復号化して、表示装置に対して出力するコンテンツ再生方法であって、
    画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像を復号化する映像復号化ステップと、
    復号化された右目用の映像及び左目用の映像の各々の一部をなす各領域の画像データに類似する、前記各領域と同じサイズの領域を、前記復号化された右目用の映像及び左目用の映像の他方から検出する類似領域検出ステップと、
    前記類似する領域から画素データを抽出して各々の目用の映像補間データを生成する映像補間データ生成ステップと、
    前記復号化された前記各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間するフレーム合成ステップとを備える
    ことを特徴とするコンテンツ再生方法。
  14. 前記類似領域検出ステップは、前記類似する領域として、前記各領域の画像データに対する類似度が最大の領域を検出することを特徴とする請求項13に記載のコンテンツ再生方法。
  15. 前記画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像として、マトリクス状に配列された画素のうちの各水平ラインの画素を1画素おきに、かつ各垂直ラインの画素を1画素おきに間引いて、市松模様状に配列された画素から成る映像を、符号化圧縮した映像が用いられ、
    前記フレーム合成ステップは、前記復号化された各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間する際に前記各々の目用の映像の画素と前記各々の目用の映像補間データの画素を縦方向に1画素おきに交互に、かつ横方向に1画素おきに交互に配置する
    ことを特徴とする請求項13に記載のコンテンツ再生方法。
  16. 前記画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像として、マトリクス状に配列された画素のうちの1垂直ラインおきに間引き、符号化圧縮した映像が用られ、
    前記フレーム合成ステップは、前記復号化された各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間する際に前記各々の目用の映像の画素と前記各々の目用の映像補間データの画素を横方向に1垂直ラインずつ交互に配置する
    ことを特徴とする請求項13に記載のコンテンツ再生方法。
  17. 前記画素数が1/2に間引かれて符号化圧縮された右目用の映像および左目用の映像として、マトリクス状に配列された画素のうちの1水平ラインおきに間引き、符号化圧縮した映像が用いられ、
    前記フレーム合成ステップは、前記復号化された各々の目用の映像を前記各々の目用の映像補間データによって補間する際に前記各々の目用の映像の画素と前記各々の目用の映像補間データの画素を縦方向に1水平ラインずつ交互に配置する
    ことを特徴とする請求項13に記載のコンテンツ再生方法。
  18. 前記類似領域検出ステップは、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域を検出する際に、前記各々の目用の映像の上記各領域と縦方向の同じ位置にある複数の領域の各々との比較を行い、類似度が最大のものを前記類似する領域として選択することを特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載のコンテンツ再生方法。
  19. 前記類似領域検出ステップは、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域を検出する際に、前記各々の目用の映像の前記各領域と縦方向の同じ位置にあるすべての領域の各々との比較を行い、類似度が最大のものを前記類似する領域として選択することを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ再生方法。
  20. 前記類似領域検出ステップは、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域がないと判断したときは、そのことを示すデータを生成することを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載のコンテンツ再生方法。
  21. 前記類似領域検出ステップは、前記類似度の最大値が所定の閾値よりも小さいときは、前記復号化された各々の目用の映像の各領域の画像データに類似する領域がないと判断し、そのことを示すデータを生成することを特徴とする請求項18又は19に記載のコンテンツ再生方法。
  22. 前記類似領域検出ステップが、前記各領域に類似する領域がないと判断したときは、前記映像補間データ生成ステップは、前記当該領域内の各画素の補間データの代わりに、補間データが無効であることを示すデータを生成することを特徴とする請求項20又は21に記載のコンテンツ再生方法。
  23. 前記フレーム合成ステップは、各画素について前記補間データが無効であることを示すデータを受けたときは、前記補間データの代わりに、当該画素の補間後に当該画素の周辺に位置することになる画素のデータから算出した補間データを用いて補間を行なう
    ことを特徴とする請求項22に記載のコンテンツ再生方法。
  24. 前記各画素の周辺の画素として、補間後に当該画素の上、下、左、右に隣接することになる画素の画素値の平均値を、補間データとして算出することを特徴とする請求項23に記載のコンテンツ再生方法。
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