JP5126601B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、加圧室に吸入した燃料をプランジャの往復移動により加圧する高圧ポンプに関する。
従来、加圧室に吸入した燃料をプランジャの往復移動により加圧し吐出する高圧ポンプが公知である。例えば、特許文献1に開示されている高圧ポンプの場合、加圧室に接続する燃料通路の途中に、加圧室へ供給する燃料の流量を調整する弁部材が設けられている。弁部材は、電磁駆動部によって駆動される。電磁駆動部は、ニードルを経由して弁部材を弁座に着座または弁座から離座する方向へ往復移動させる。弁部材の弁座から離座する方向への移動量は、ストッパによって規制される。ストッパは、弁部材に対する加圧室側において、燃料通路を形成する部材の内壁に固定されている。
ところで、特許文献1の高圧ポンプにおいて、燃料通路は、その途中に配置された部材がニードルの軸方向に孔状または溝状に形成する通路を含む、互いに連通可能な複数の通路から構成されている。具体的には、弁部材の外縁に、自身の軸へ向けて切欠いた断面形状の通路が周方向に複数配置されている。また、ストッパにおいても、ストッパの軸に対し周方向に、複数の通路が配置されている。
このように、燃料通路に設けられた弁構造において、弁部材およびストッパの径を大きく設定して周方向に複数の通路を設けることは、開弁時の燃料の流通を円滑にし、かつ、弁部材の弁座への着座およびストッパへの当接に対応した強度を確保するうえでは有効である。しかしながら、弁部材もストッパも周方向に複数の通路を有している場合、弁部材に形成された通路を通過した後にストッパに形成された通路を通過する燃料の流れは、弁部材に形成された通路とストッパに形成された通路との位置関係に依存して決まってしまう。
例えば、ニードルの軸方向から弁部材の通路とストッパの通路との周方向の位置関係を投影視したとき、弁部材およびストッパに各通路として形成された孔または切欠きの位置が互いに対応する重なり部分の大きい配置であるか、当該各通路が互いに対応して重なる位置から周方向にずれた配置であるかによって、燃料通路内を流通する燃料の流量や流速が異なってくる。特に、弁部材の通路とストッパの通路とが同数ずつ形成されていると、両通路の周方向の位置を重ね合わせるように位置決めした場合には燃料の流量および流速が最大となるものの、両通路の周方向の位置がずれている場合は燃料通路全体としての通路形状が複雑になるため、相対的に流れの抵抗が大きくなり、燃料が流れにくくなる。
このような高圧ポンプを大量生産する場合には、個々の製品を組付ける際に回転方向の位置決めを行わない限り、複数の通路が配置される位置関係に応じて燃料通路の形状が異なるため、燃料の流れやすさが変動してしまう。したがって、組付け状態を問わず燃料の流れを安定させることは困難であり、製品毎に吐出量のばらつきが生じるおそれがある。また、組付け工程で個別に回転方向の位置決めを行うようにすると、製造工程の煩雑化やコストの増大を招いてしまう。
特表2002−521616号公報
そこで、本発明の目的は、製品毎の吐出量のばらつきが少ない高圧ポンプを提供することにある。
請求項1記載の発明は、往復移動可能なプランジャ、プランジャによって燃料が加圧される加圧室と当該加圧室に燃料を導く燃料通路とを有するハウジング、燃料通路に設けられて加圧室側壁面に弁座を有する弁ボディ、弁座に着座または弁座から離座することにより燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材、弁部材の加圧室側に弁ボディと同軸に設けられて弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパ、ストッパと弁部材との間に設けられて弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材、一方の端部が弁部材の反加圧室側端部に当接可能であって弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードル、ニードルを弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材、および、ニードルを弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部を備えている。
この高圧ポンプの燃料通路は、弁ボディの弁座の反加圧室側において弁ボディの軸に対し周方向に等間隔で複数形成される第1通路、弁部材が前記弁座から離座したとき弁部材と弁座との間に環状に形成される第2通路、および、ストッパにおいてストッパの軸に対し周方向に等間隔で複数形成される第3通路を含んで構成されている。そして、弁ボディに形成される第1通路の数をm、ストッパに形成される第3通路の数をnとすると、第1通路および第3通路の数が、「mが奇数かつnが偶数であり、mとnとが互いに素の関係」、または「mが偶数かつnが奇数であり、mとnとが互いに素の関係」であることを特徴としている。
このように、別々の部材にそれぞれ形成された第1通路と第3通路とが互いに異なる数で設けられていれば、両通路をニードルの軸方向で投影視したときの周方向の位置がすべて重なるように組付けられた状態とはならなくなる。さらに、両通路の数が偶数と奇数とに異なるため、例えば第1通路の数が奇数、かつ、第3通路の数が偶数である場合、たとえ周方向の一箇所で両通路のうちの一つずつが互いに重なるような配置で組み付けられたとしても、第1通路と周方向の位置が重なった第3通路と対向する位置にある第3通路は、ニードルの軸方向で投影視したときに第1通路と重なる面積が最も小さくなる。このため、弁ボディとストッパとの周方向の位置関係が異なる製品間で比較しても、第1通路と第3通路をニードルの軸方向で投影視したときに、全体として双方の通路断面形状が重なる面積の総和には、大きな差異が生じにくくなる。なお、第1通路の数が偶数、かつ、第3通路の数が奇数である場合にも、互いに対向する第1通路の第3通路との位置関係について、上記と同様のことがいえる。したがって、通路を有する複数の部材で構成される弁構造を組付けたとき、周方向の相対的な位置関係に応じて燃料の流れに変動が生じることを防ぐことができる。よって、製品毎の吐出量のばらつきを抑制することが可能となる。
また、mとnとが「互いに素」の関係を満たしている。例えば、仮にmおよびnのうちいずれか一方を他方の倍数として第1通路および第3通路を形成すると、両通路をニードルの軸方向で投影視したとき、第1通路および第3通路の一方が全て他方と対応して重なるような組付け状態となる場合がある。この場合、たとえ全体として双方の通路部分が重なる面積の総和の製品毎のばらつきが小さく抑えられたとしても、燃料通路の形状が製品毎に異なるため、燃料の流れやすさに変動が生じるおそれがある。これに対し、第1通路の数と第3通路の数とを互いに素とすることにより、両通路の周方向における位置が複数箇所で完全に対応するという組付け状態が発生することを防ぎ、製品毎に燃料の流れの差異をより小さく抑えることが可能となる。したがって、弁構造の組付け状態における、複数の部材同士での周方向の相対的な位置関係を問わず、個々の製品間で燃料の流れやすさが近似され、吐出量のばらつきが小さくなる。
請求項記載の発明では、第1通路の数をm、第3通路の数をnとしたとき、mとnとの差が「1」となっている。このため、弁ボディとストッパとが、相対的にいかなる周方向の位置関係を有するように組み付けられていても、第1通路と第3通路との間における通路形状の重なり具合は、より製品毎に変動しにくくなる。さらに、第1通路と第3通路をニードルの軸方向で投影視したときの断面形状の重なり部分の面積が大きくなる箇所を確実に作り出すことができ、当該箇所で燃料を円滑に流通させることができる。また、この位置に対し周方向において対向する位置では、両通路の断面形状が重なる部分の面積が小さくなり、製品毎の燃料通路の形状がほぼ一様となる。したがって、弁構造の組付け状態を問わず燃料の流れが安定し、製品毎の吐出量のばらつきが少なくなる。
請求項記載の発明では、第1通路および第3通路の少なくとも一方の断面の形状が長円となっている。また、請求項記載の発明では、第1通路および第3通路の少なくとも一方の断面の形状が長方形となっている。さらにまた、請求項記載の発明では、第1通路および第3通路の少なくとも一方の断面の形状が、弁ボディおよびストッパの少なくとも一方の外縁を自身の軸へ向けて切欠いた形状となっている。
このように、本発明によると第1通路および第3通路の数が互いに異なるので、少なくとも一方の通路断面形状を適宜変更し、上記同様の効果を得ることに加えてさらに燃料が流れやすくなるように燃料通路を構成することも可能である。また、少なくとも一方の通路を孔状とすることに代えて、弁ボディまたはストッパの外縁を切り欠いて形成すれば、より簡易な製造工程で上記同様の効果が得られ、燃料通路の形成および弁構造の組付けにかかる工数を低減することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1(a)および(b)、図2および図3に示す。なお、図1(a)および(b)は、後述する本実施形態の要部を示す図である。図2に示す高圧ポンプ10は、例えばディーゼルエンジンやガソリンエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプである。
図2に示すように、高圧ポンプ10は、ハウジング本体11、カバー12、弁ボディ30、弁部材40、ストッパ50、スプリング21、ニードル60、スプリング22および電磁駆動部70などを備えている。
ハウジング本体11およびカバー12は、特許請求の範囲の「ハウジング」を構成している。ハウジング本体11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどで形成されている。ハウジング本体11は、円筒状のシリンダ14を形成している。ハウジング本体11のシリンダ14には、プランジャ13が軸方向へ往復移動可能に支持されている。
ハウジング本体11は、導入通路111、吸入通路112、加圧室113および吐出通路114などを形成している。ハウジング本体11は、筒部15を有している。筒部15は、内部に導入通路111と吸入通路112とを連通する通路151を形成している。筒部15は、シリンダ14の中心軸と概ね垂直に形成されており、内径が途中で変化している。ハウジング本体11は、筒部15において内径が変化する部分に段差面152を形成している。筒部15に形成されている通路151には、弁ボディ30が設けられている。
ハウジング本体11とカバー12との間には、燃料室16が形成されている。ハウジング本体11には、燃料室16に連通する図示しない燃料入口が形成されている。燃料室16には、当該燃料入口を通じて、図示しない低圧燃料ポンプによって燃料タンクから燃料が供給される。導入通路111は、燃料室16と筒部15の内周側に形成されている通路151とを連通している。吸入通路112は、一方の端部が加圧室113に連通している。吸入通路112の他方の端部は、段差面152の内周側に開口している。導入通路111と吸入通路112とは、図3に示すように弁ボディ30の内周側を経由して接続している。加圧室113は、図2に示すように吸入通路112とは反対側において吐出通路114と連通している。ここで、導入通路111、通路151および吸入通路112は、特許請求の範囲の「燃料通路」を構成している。本実施形態では、当該「燃料通路」を燃料通路100で示している。
プランジャ13は、ハウジング本体11のシリンダ14に軸方向へ往復移動可能に支持されている。加圧室113は、プランジャ13の往復移動方向の一端側に形成されている。プランジャ13の他端側に設けられたヘッド17は、スプリング座18と結合している。スプリング座18とハウジング本体11との間には、スプリング19が設けられている。スプリング座18は、スプリング19の付勢力により、図示しないカムの方向へ付勢されている。プランジャ13は、図示しないタペットを介してカムと接することにより、往復駆動される。
スプリング19は、一方の端部がハウジング本体11に接し、他方の端部がスプリング座18に接している。スプリング19は、軸方向へ伸びる力を有している。これにより、スプリング19は、スプリング座18を経由して図示しないタペットをカム側へ付勢する。プランジャ13のヘッド17側の外周面と、プランジャ13を収容するシリンダ14を形成しているハウジング本体11の内周面との間は、オイルシール23により液密にシールされている。オイルシール23は、エンジン内から加圧室113へのオイルの浸入を防止するとともに、加圧室113からエンジンへの燃料の流出を防止する。
燃料出口91を形成する吐出弁部90は、ハウジング本体11の吐出通路114側に設けられている。吐出弁部90は、加圧室113において加圧された燃料の排出を断続する。吐出弁部90は、逆止弁92、規制部材93およびスプリング94を有している。逆止弁92は、底部921、および底部921から反加圧室113側へ筒状に延びる筒部922からなる有底筒状に形成され、吐出通路114において往復移動可能に設けられている。規制部材93は、筒状に形成され、吐出通路114を形成するハウジング本体11に固定されている。スプリング94は、一方の端部が規制部材93に接し、他方の端部が逆止弁92の筒部922に接している。逆止弁92は、スプリング94の付勢力により、ハウジング本体11が形成する弁座95側へ付勢されている。逆止弁92は、底部921側の端部が弁座95に着座することにより吐出通路114を閉鎖し、弁座95から離座することにより吐出通路114を開放する。逆止弁92は、弁座95とは反対側へ移動したとき、筒部922の反底部921側端部が規制部材93と接することにより移動が規制される。
加圧室113の燃料の圧力が上昇すると、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力は増大する。そして、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力がスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料、すなわち図示しないデリバリパイプ内の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室113内の燃料は、吐出通路114、すなわち逆止弁92の筒部922に形成された通孔923、および筒部922の内側を経由して燃料出口91から高圧ポンプ10の外部へ吐出される。
一方、加圧室113の燃料の圧力が低下すると、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力は減少する。そして、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力がスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、逆止弁92は弁座95に着座する。これにより、図示しないデリバリパイプ内の燃料は、吐出通路114を経由して加圧室113へ流入することが防止される。
弁ボディ30は、図3に示すようにハウジング本体11に固定されている。弁ボディ30は、例えば圧入、および係止部材20などによりハウジング本体11の通路151の内側に固定されている。すなわち、弁ボディ30は、燃料通路100を構成する通路151の途中に設けられている。弁ボディ30は、底部31、および底部31から加圧室113側へ筒状に延びる筒部32からなる有底筒状に形成されている。
弁ボディ30は、底部31の加圧室113側に、反加圧室113側へ凹む凹部33を有している。底部31の加圧室113側の壁面には、凹部33の外縁に弁座34が形成されている。すなわち、弁ボディ30は、加圧室113側壁面に弁座34を有している。弁座34は、弁ボディ30の軸に対し所定の角度をなすテーパ状に形成されている。
弁ボディ30は、底部31の中央部に第1ガイド部35を有している。第1ガイド部35は、底部31の中央部から反凹部33側へ筒状に突出するように形成されている。弁ボディ30は、第1ガイド部35の凹部33を形成する壁面と反凹部33側の壁面とを接続する第1挿通孔351を有している。また、底部31の第1挿通孔351の外周側には、凹部33を形成する壁面と反凹部33側の壁面とを接続する第1通路120が形成されている。第1通路120は、弁ボディ30の軸に対し周方向に等間隔で複数形成されている。
弁部材40は、略円柱状の軸部41、および軸部41の加圧室113側端部に接続する略円盤状の傘部42とからなる。弁部材40は、傘部42の外縁から反軸部41側へ筒状に突出する突出部43を有している。弁部材40は、軸部41が第1ガイド部35の第1挿通孔351に挿通され、弁ボディ30の内側において軸部41の軸方向へ往復移動可能に設けられている。傘部42の弁座34側の壁面は、弁座34の形状に対応し、軸部41の軸に対し所定の角度をなすテーパ状に形成されている。弁部材40は、往復移動することにより傘部42が弁座34に着座または弁座34から離座して燃料通路100を流通する燃料の流れを断続する。また、弁部材40は、傘部42が弁座34から離座しているとき、弁座34との間に環状の第2通路130を形成する。
第1ガイド部35の第1挿通孔351の径は、弁部材40の軸部41の径とほぼ同一、または軸部41の径よりもわずかに大きく形成されている。これにより、弁部材40は、軸部41の外壁が、第1挿通孔351を形成する第1ガイド部35の壁面に摺動しながら、弁ボディ30の内側で往復移動する。そのため、弁部材40は、往復移動するとき、第1ガイド部35によって、その往復移動が案内される。
軸部41は、軸方向の途中に、外周壁から径内方向へ向けて凹む小径部411を有している。これにより、軸部41と第1ガイド部35との接触面積は、軸部41が小径部411を有しない場合に比べて小さくなる。そのため、弁部材40が往復移動するとき、軸部41と第1ガイド部35との摺動による抵抗を低減することができる。それとともに、小径部411は、軸部41の摺動部を潤滑する役割も合わせ持つ。
小径部411と第1挿通孔351を形成する第1ガイド部35の内周壁との間には、略環状の燃料溜まり412が形成されている。第1ガイド部35の凹部33側の燃料、および第1ガイド部35の反凹部33側の燃料は、軸部41の外周壁と第1挿通孔351を形成する第1ガイド部35の内周壁との間を通じて、燃料溜まり412に流入し保持される。そのため、弁部材40が往復移動するとき、燃料溜まり412内の燃料は第1ガイド部35の内周壁に付着する。これにより、軸部41と第1ガイド部35との摺動による抵抗をより低減することができる。
ストッパ50は、弁部材40の加圧室113側に設けられている。ストッパ50は、筒部51、筒部51の反弁部材40側の端部を塞ぐ底部52、および底部52の径外側に形成される環状の拡張部53からなる。ストッパ50は、弁ボディ30の筒部32の内周壁に拡張部53の外周壁が溶接されて弁ボディ30に固定されている。
ストッパ50と弁部材40との間に、第1付勢部材としてのスプリング21が設けられている。スプリング21は、ストッパ50の筒部51の内側において、一方の端部が底部52に接し、他方の端部が弁部材40の傘部42に接している。スプリング21は、軸方向に伸びる力を有し、弁部材40を、反ストッパ50側すなわち閉弁方向へ付勢している。
ストッパ50の筒部51の弁部材40側端部と弁部材40の突出部43のストッパ50側端部とは当接可能である。ストッパ50は、弁部材40がストッパ50に当接したとき、弁部材40と筒部51の内壁と底部52とに囲まれた容積室54を形成する。また、このとき、ストッパ50は、弁部材40の、加圧室113側すなわち開弁方向への移動を規制する。
弁部材40の突出部43がストッパ50の筒部51に当接しているとき、ストッパ50は、突出部43の加圧室113側の開口を塞いでいる。これにより、このとき、加圧室113側から弁部材40側へ向かう燃料は、弁部材40への衝突が緩和される。
ストッパ50の拡張部53には、拡張部53の加圧室113側の壁面と反加圧室113側の壁面とを接続する第3通路140が形成されている。第3通路140は、ストッパ50の軸に対し周方向に等間隔で複数形成されている。
第2通路130と第3通路140との間には、弁ボディ30の筒部32の内周壁とストッパ50の筒部51の外周壁とに囲まれた略環状の中間通路131が形成されている。
ストッパ50の筒部51には、容積室54と中間通路131とを連通する管路55が形成されている。
上述した第1通路120、第2通路130、第3通路140および中間通路131は、それぞれハウジング本体11に形成された通路151に含まれている。すなわち、燃料通路100は、第1通路120、第2通路130、第3通路140および中間通路131を含んでいる。これにより、燃料が燃料室16側から加圧室113側へ向かうとき、燃料は、第1通路120、第2通路130、中間通路131および第3通路140を、この順で流通する。一方、燃料が加圧室113側から燃料室16側へ向かうとき、燃料は、第3通路140、中間通路131、第2通路130および第1通路120を、この順で流通する。
次に、弁ボディ30に設けられた複数の第1通路120、およびストッパ50に設けられた複数の第3通路140の、相互の位置関係を説明する。図1(a)および(b)では、弁ボディ30に第1通路120を構成している各通路を第1通路121〜125とし、ストッパ50に第3通路140を構成している各通路を第3通路141〜146として、第1通路121〜125および第3通路141〜146の周方向の相対的な位置関係を模式的に説明する。図1(a)と図1(b)との違いは弁部材30とストッパ50との組み付け方における、各通路孔同士の、周方向の相対的な位置関係である。つまり、図1(a)および(b)には、ニードル60の軸方向を基準とした図3のA−A線断面における第1通路120の配置に対し、B−B線断面における第3通路140の配置を投影したときの、各通路の断面の相対的な位置を、概念的に示している。なお、図1(a)および(b)では、本実施形態で燃料が流通する通路部分に関し構成上の特徴およびその効果をより明確に説明するために、各通路の断面形状を模式的に示している。本実施形態によると、特許請求の範囲に記載の「第1通路」は、弁ボディ30に概ね円孔の形状で5つ、周方向に等間隔で形成されており、図1(a)および(b)では破線で示された第1通路121〜125が対応する。また、特許請求の範囲に記載の「第3通路」は、ストッパ50に概ね円孔の形状で6つ、周方向に等間隔で形成されており、図1(a)および(b)では実線で示された第3通路141〜146が対応する。
図2に示すように、電磁駆動部70は、コイル71、固定コア72、可動コア73、フランジ75などを有している。コイル71は、樹脂製のスプール78に巻かれており、通電することにより磁界を発生する。固定コア72は、磁性材料から形成されている。固定コア72は、コイル71の内周側に収容されている。可動コア73は、磁性材料から形成されている。可動コア73は、固定コア72と対向して配置されている。可動コア73は、非磁性材料から形成されている筒部材79およびフランジ75の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。筒部材79は、固定コア72とフランジ75との間の磁気的な短絡を防止する。
フランジ75は、磁性材料から形成されている。図3に示すように、フランジ75は、ハウジング本体11の筒部15に取り付けられている。これにより、フランジ75は、電磁駆動部70をハウジング本体11に保持するとともに、筒部15の端部を塞いでいる。フランジ75は、中央部に、筒状に形成された第2ガイド部76を有している。第2ガイド部76は、フランジ75の弁ボディ30側と反弁ボディ30側とを連通する第2挿通孔761を有している。
ニードル60は、略円柱状に形成され、フランジ75の第2ガイド部76に形成された第2挿通孔761に挿通されている。ニードル60は、第2挿通孔761の内側において軸方向へ往復移動可能に設けられている。第2挿通孔761の径は、ニードル60の径とほぼ同一、またはニードル60の径よりもわずかに大きく形成されている。これにより、ニードル60は、外壁が、第2挿通孔761を形成する第2ガイド部76の壁面に摺動しながら往復移動する。そのため、ニードル60は、往復移動するとき、第2ガイド部76によって、その往復移動が案内される。
ニードル60は、外周壁の一部が面取りされることにより形成される略平面状の壁面61を有している。このように、ニードル60の外周壁の一部を面取りすることにより、ニードル60と第2ガイド部76との接触面積は小さくなる。これにより、ニードル60と第2ガイド部76との摺動による抵抗を低減することができる。
ニードル60の壁面61と第2挿通孔761を形成する第2ガイド部76の内周壁との間には、隙間62が形成されている。そのため、フランジ75の弁ボディ30側の燃料は、隙間62を経由してフランジ75の反弁ボディ30側へ流通可能である。これにより、フランジ75の弁ボディ30側と反弁ボディ30側との圧力はほぼ同一となる。また、隙間62は、可動コア73の周囲に溜まったエアのエア抜き通路としても機能する。
ニードル60は、一方の端部が可動コア73に圧入または溶接されることで可動コア73と一体に組み付けられている。また、ニードル60は、他方の端部に形成された端面63が、弁部材40の軸部41の反傘部42側端部に形成された端面45と当接可能である。なお、ニードル60は、弁部材40の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能である。
固定コア72と可動コア73との間に、第2付勢部材としてのスプリング22が設けられている。スプリング22は、可動コア73を弁部材40側へ付勢している。スプリング22が可動コア73を付勢する力は、スプリング21が弁部材40を付勢する力よりも大きい。すなわち、スプリング22は、可動コア73およびニードル60をスプリング21の付勢力に抗して弁部材40側、すなわち弁部材40の開弁方向へ付勢している。これにより、コイル71に通電していないとき、固定コア72と可動コア73とは互いに離れている。そのため、コイル71に通電していないとき、可動コア73と一体のニードル60はスプリング22の付勢力により弁部材40側へ移動するとともに、弁部材40は弁ボディ30の弁座34から離座している。電磁駆動部70のコイル71、固定コア72、可動コア73、フランジ75、スプール78および筒部材79は、特許請求の範囲の「コイル部」を構成している。
次に、上記構成の高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、コイル71への通電は停止されている。そのため、弁部材40は、電磁駆動部70のスプリング22から力を受けている可動コア73と一体のニードル60により加圧室113側へ付勢されている。その結果、弁部材40は、弁ボディ30の弁座34から離座している。また、プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、加圧室113の圧力は低下する。そのため、弁部材40が凹部33側の燃料から受ける力は、加圧室113側の燃料から受ける力よりも大きくなる。これにより、弁部材40には弁座34から離座する方向へ力が加わり、弁部材40は弁座34から離座する。弁部材40は、突出部43がストッパ50の筒部51に当接するまで移動する。弁部材40が弁座34から離座、すなわち開弁することにより、燃料室16は、導入通路111、通路151および吸入通路112を経由して加圧室113に連通する。したがって、燃料室16の燃料は、第1通路120、第2通路130、中間通路131および第3通路140をこの順で経由して加圧室113に吸入される。また、このとき、弁部材40は、ストッパ50と当接することにより、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50で塞がれている。
(2)調量行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室113から弁部材40側すなわち燃料室16側へ排出される燃料の流れにより、弁部材40には加圧室113側の燃料から弁座34に着座する方向へ力が加わる。しかし、コイル71に通電していないとき、ニードル60は、スプリング22の付勢力により弁部材40側へ付勢されている。そのため、弁部材40は、ニードル60によって弁座34側への移動が規制される。また、弁部材40は、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50によって塞がれている。これにより、加圧室113から燃料室16側へ排出される燃料の流れが、弁部材40に直接衝突することはない。そのため、燃料の流れにより弁部材40に加わる閉弁方向への力が緩和される。その結果、コイル71への通電が停止されている間、弁部材40は弁座34から離間した状態を維持する。これにより、プランジャ13の上昇によって加圧室113から排出される燃料は、燃料室16から加圧室113へ吸入される場合と逆に、第3燃料通路123、中間通路131、第2通路130および第1通路120をこの順で経由して燃料室16へ戻される。
調量行程の途中にコイル71へ通電すると、コイル71に発生した磁界により、固定コア72、フランジ75および可動コア73に磁気回路が形成される。これにより、互いに離間している固定コア72と可動コア73との間には磁気吸引力が発生する。固定コア72と可動コア73との間に発生する磁気吸引力がスプリング22の付勢力よりも大きくなると、可動コア73は固定コア72側へ移動する。そのため、可動コア73と一体のニードル60も、固定コア72側へ移動する。ニードル60が固定コア72側へ移動すると、弁部材40とニードル60とは離間し、弁部材40はニードル60から力を受けない。その結果、弁部材40は、スプリング21の付勢力、および、加圧室113から燃料室16側へ排出される燃料の流れにより弁部材40に加わる閉弁方向の力によって弁座34側へ移動する。
弁部材40が弁座34側へ移動し、弁部材40が弁座34に着座、すなわち閉弁することにより、第2通路130が閉鎖され、燃料通路100を流通する燃料の流れが遮断される。これにより、加圧室113から燃料室16へ燃料を排出する調量行程は終了する。プランジャ13が上昇するとき、第2通路130、すなわち加圧室113と燃料室16との間を閉鎖することにより、加圧室113から燃料室16へ戻される燃料の量が調整される。その結果、加圧室113で加圧される燃料の量が決定される。
(3)加圧行程
加圧室113と燃料室16との間が閉鎖された状態でプランジャ13がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室113の燃料の圧力は上昇する。加圧室113の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部90のスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料から逆止弁92が受ける力とに抗して、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、吐出弁部90が開弁し、加圧室113で加圧された燃料は吐出通路114を通り高圧ポンプ10から吐出される。高圧ポンプ10から吐出された燃料は、図示しないデリバリパイプに供給されて蓄圧され、インジェクタに供給される。
プランジャ13が上死点まで移動すると、コイル71への通電が停止され、弁部材40は再び弁座34から離座する。このとき、プランジャ13は再び図2の下方へ移動し、加圧室113の燃料の圧力は低下する。これにより、加圧室113には燃料室16から燃料が吸入される。
なお、弁部材40が閉弁し、加圧室113の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル71への通電は停止してもよい。加圧室113の燃料の圧力が上昇すると、弁部材40が弁座34から離座する方向へ受ける力よりも、加圧室113側の燃料によって弁座34へ着座する方向へ受ける力が大きくなる。そのため、コイル71への通電を停止しても、弁部材40は加圧室113側の燃料から受ける力によって弁座34への着座状態を維持する。このように、所定の時期にコイル71への通電を停止することにより、電磁駆動部70の消費電力を低減することができる。
上記の(1)から(3)の行程を繰り返すことにより、高圧ポンプ10は吸入した燃料を加圧して吐出する。燃料の吐出量は、電磁駆動部70のコイル71への通電タイミングを制御することにより調節される。
以上説明したように、第1実施形態では、第1通路120の数をm、第3通路140の数をnとすると、「mが奇数かつnが偶数」、「mとnとが互いに素」、かつ、「mとnとの差が1」の関係を全て満たすように、「m=5」かつ「n=6」として各通路が形成されている。
このような通路における燃料の流れに関しては、以下のことが言える。上記(1)の吸入行程において、図1(a)および(b)の第1通路121〜125を通過した燃料は、図3の凹部33、第2通路130、および中間通路131の内部を、それぞれの通路形状に沿ってニードル60の軸方向に流通する。凹部33、第2通路130、および中間通路131は互いに連通し、通路断面形状の外周および内周の径が軸方向に大きさを変化させる略環状の通路を構成している。この通路の内部を流通する燃料は、第1通路121〜125から中間通路131にかけて、径の大きさの変化に沿って径方向の移動を規制されながらも、周方向への移動を伴うことなく軸方向加圧室113側へ向かってまっすぐ流れる。そして、図1(a)および(b)の第1通路121〜125の断面形状と第3通路141〜146の断面形状とが重なっている箇所およびその周辺では、第3通路141〜146を形成しているストッパ50の壁面に燃料が軸方向で衝突する。また、当該第3通路141〜146の断面形状が図1(a)および(b)において第1通路121〜125に重なる箇所では、燃料がそのまま軸方向に加圧室113側へ向かうように、第3通路141〜146内へ流入する。
ここで、燃料がストッパ50の壁面に衝突するような箇所では、衝突した燃料の流れが近傍の第3通路141〜146のいずれかへ向かうように変化し、流れの変化に伴い流速や流量が相対的に小さくなる。また、上述したように、両通路の相対的な位置が重なっている箇所では、燃料が軸方向へまっすぐ流れるため、流速や流量が低下しにくい。このように、個々の通路間では、第1通路121〜125と第3通路141〜146との重なりの形態に応じて、燃料の流れが変化する。したがって、燃料通路100全体を通して燃料室16から加圧室113へ供給される燃料の流量は、図1(a)および(b)などにおける第1通路121〜125と第3通路141〜146の重なり部分の面積の総和が第1通路121〜125の面積の総和に対して占める割合に対応する、ということができる。
以上を前提として、第1実施形態の「第1通路120の数を5、第3通路140の数を6とした」という点の効果を、図7(a)および(b)に示す比較例を用いて説明する。図7(a)および(b)は、第1実施形態の第1通路120に対応する第1通路190と、第1実施形態と同一構成である第3通路140とを、図1(a)および(b)と同様にニードル60の軸方向に重ね合わせるようにして通路断面の相対的な位置関係を表す図である。この参考例によると、第1通路190は、弁ボディ30に概ね円孔の形状で6つ、周方向に等間隔で形成されており、図7(a)および(b)では破線で示された第1通路191〜196が対応する。この参考例は、仮に一般的に考えられる従来の「燃料通路」の設計として、第1通路190の数と第3通路140の数とを同数ずつにした場合の燃料の流れを、比較対象として説明するためのものである。
図7(a)および(b)に示すとおり、第1通路190の数と第3通路140の数とが同数である場合、図7(a)においては、例えば、第1通路191の周方向の位置に対し第3通路141の周方向の位置が完全に対応し、第1通路192の周方向の位置に対し第3通路142の周方向の位置が完全に対応し、…、という具合に、全ての第1通路190が全ての第3通路140と相対的な位置を対応させた状態となっている。一方、図7(a)における弁ボディ30およびストッパ50と全く同一の部材間の組付けによって弁構造を構成しても、その周方向の相対的な位置関係がずれると、図7(b)に示されているように、第1通路121〜125と第3通路141〜146の重なり部分の面積は、第1通路121〜125の面積に対してごくわずかとなる。具体的には、図7(a)に示す状態における「第1通路191〜196と第3通路141〜146の重なり部分の面積の総和が第1通路191〜196の面積の総和に対して占める割合」を100%とみなした場合、図7(b)に示す状態における当該重なり部分の面積の総和が第1通路191〜196の面積の総和に対して占める割合は、例えば、30%程度になる。このように、比較例の場合、ストッパ50と弁ボディ30とを組付ける際に周方向の位置決めを正確に行わなければ、組付け状態に応じて通路間の重なりの形態が図7(a)と図7(b)とで大きく異なり、加圧室に供給される燃料の流量、及び吐出量も、製品毎に大きくばらついてしまう。
これに対して、本実施形態では、図1(a)においては第1通路125と第3通路146との周方向における位置がほぼ完全に対応している。第3通路146と周方向に対向する位置にある第1通路143は、第1通路122と第1通路123との中間位置に対応し、ここでは通路間の重なり部分の面積が小さくなっている。これにより、「第1通路121〜125と第3通路141〜146の重なり部分の面積の総和が第1通路121〜125の面積の総和に対して占める割合」は、例えば、70〜80%になっている。一方、図1(b)においては、第1通路124と第3通路145との周方向における位置がほぼ完全に対応している。第3通路145と周方向に対向する位置にある第1通路142は、第1通路121と第1通路122との中間位置に対応し、ここでは通路間の重なり部分の面積が小さくなっている。これにより、「第1通路121〜125と第3通路141〜146の重なり部分の面積の総和が第1通路121〜125の面積の総和に対して占める割合」は、図1(b)においても、図1(a)の場合と大きな差異がなく、70〜80%になっている。このように、本実施形態の場合、ストッパ50と弁ボディ30とを組付ける際に周方向の位置決めを正確に行わなくても、組付け状態を問わず通路間の重なりの形態がほぼ均等となり、製品毎に燃料の流れやすさが変動しにくい。したがって、各々が通路を有するストッパ50と弁ボディ30とを含む弁構造の組付け状態を問わず、燃料の流れが安定し、製品毎の吐出量のばらつきを抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態による高圧ポンプの、図1(a)に対応する概念図である。第2実施形態では、弁ボディに形成される第1通路の形状が第1実施形態の場合と異なる。具体的には、第1実施形態の第1通路121〜125に対応する本実施形態の第1通路161〜165は、断面の形状が長円となっている。第1通路161〜165の数が第3通路141〜146の数と異なり、第1通路の数をm、第3通路の数をnとすると、「mが奇数かつnが偶数」、「mとnとが互いに素」、かつ、「mとnとの差が1」の関係を全て満たすように、「m=5」かつ「n=6」として各通路が形成されているため、上記同様の効果が得られる。また、本実施形態のように、数が少ない方の通路断面形状を変更し、両通路の断面形状がより大きく重なるようにしてもよく、これにより、全体としてさらに燃料が流れやすくなり、かつ、吐出量が安定するような高圧ポンプを提供することができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第実施形態による高圧ポンプの、図1(a)に対応する概念図である。第実施形態では、弁ボディに形成される第1通路の形状が第1実施形態の場合と異なる。具体的には、第1実施形態の第1通路121〜125に対応する本実施形態の第1通路171〜175は、断面の形状が長方形となっている。このように、通路断面の形状を略円や長円に限らず長方形に変更した場合にも、上記実施形態と同様の効果が奏される。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第実施形態による高圧ポンプの、図1(a)に対応する概念図である。第実施形態では、弁ボディに形成される第1通路の形状および数、ならびに第3通路の数が第1実施形態と同一であるが、ストッパに形成される第3通路の通路形態が第1実施形態の場合と異なる。具体的には、第1実施形態の第3通路141〜146に対応する本実施形態の第3通路181〜186は、断面の形状がストッパ50の外縁を自身の軸へ向けて切欠いた形状に形成されている。このように、第3通路を孔状とすることに代えて、ストッパ50の外縁を切り欠いて第3通路181〜186を形成すれば、より簡易な製造工程で上記同様の効果が得られ、第3通路の形成および弁構造の組付けにかかる工数を低減することができる。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、第1通路および第3通路は、第1通路の数をm、第3通路の数をnとすると、「mとnとの差が1」の関係を満たさなくとも、「mが奇数かつnが偶数であり、mとnとが互いに素の関係、または、mが偶数かつnが奇数であり、mとnとが互いに素の関係」の関係さえ満たしていればよい。すなわち、例えば、第1通路の数が6で第3通路の数が5であるというように通路の数の大小の関係が上記各実施形態と逆であっても良い。また、例えば、第1通路の数が5で第3通路の数が10である場合も、第1通路および第3通路の数が同数である場合に比べて燃料の流れやすさのばらつきをある程度抑制することが可能であるため、上記効果が奏されるように構成することは、ある程度可能である。
また、本発明の他の実施形態では、第1通路および第3通路は、「mが奇数かつnが偶数であり、mとnとが互いに素の関係、または、mが偶数かつnが奇数であり、mとnとが互いに素の関係」の関係を満たしているのであれば、どのような形状で形成されていてもよい。また、第1通路および第3通路は、いずれか一方または両方ともが、第4実施形態のように弁ボディまたはストッパの外縁を自身の軸へ向けて切欠いた形状で形成されていることとしてもよい。
上述の複数の実施形態では、電磁駆動部のコイル部に通電していないとき弁部材は開弁しており、コイル部に通電したとき弁部材が閉弁する、所謂ノーマリーオープン(常開)型の弁構造を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、コイル部に通電したとき弁部材が開弁する、所謂ノーマリークローズ(常閉)型の弁構造としてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの要部を説明する概念図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの部分断面図。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの要部を説明する概念図。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの要部を説明する概念図。 本発明の第4実施形態による高圧ポンプの要部を説明する概念図。 第1実施形態に対応する比較例を説明する概念図。
符号の説明
10:高圧ポンプ、11:ハウジング本体(ハウジング)、12:カバー(ハウジング)、13:プランジャ、21:スプリング(第1付勢部材)、22:スプリング(第2付勢部材)、30:弁ボディ、34:弁座、40:弁部材、50:ストッパ、60:ニードル、70:電磁駆動部、71:コイル(コイル部)、72:固定コア(コイル部)、73:可動コア(コイル部)、75:フランジ(コイル部)、78:スプール(コイル部)、79:筒部材(コイル部)、100:燃料通路、113:加圧室、120:第1通路、121〜126:第1通路、130:第2通路、140:第3通路、141〜145:第3通路

Claims (5)

  1. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
    前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を有する弁ボディと、
    前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
    前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
    一方の端部が前記弁部材の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
    前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
    前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記弁ボディの軸に対し周方向に等間隔で複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に等間隔で複数形成される第3通路を含み、
    前記弁ボディに形成される前記第1通路の数をm、前記ストッパに形成される前記第3通路の数をnとすると、
    前記第1通路および前記第3通路は、「mが奇数かつnが偶数であり、mとnとが互いに素の関係」、または「mが偶数かつnが奇数であり、mとnとが互いに素の関係」となるように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記第1通路および前記第3通路は、mとnとの差が「1」となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、断面の形状が長円となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、断面の形状が長方形となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、断面の形状が前記弁ボディおよび前記ストッパの少なくとも一方の外縁を自身の軸へ向けて切欠いた形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
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