JP5126601B2 - 高圧ポンプ - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1(a)および(b)、図2および図3に示す。なお、図1(a)および(b)は、後述する本実施形態の要部を示す図である。図2に示す高圧ポンプ10は、例えばディーゼルエンジンやガソリンエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプである。
ハウジング本体11およびカバー12は、特許請求の範囲の「ハウジング」を構成している。ハウジング本体11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどで形成されている。ハウジング本体11は、円筒状のシリンダ14を形成している。ハウジング本体11のシリンダ14には、プランジャ13が軸方向へ往復移動可能に支持されている。
ストッパ50の拡張部53には、拡張部53の加圧室113側の壁面と反加圧室113側の壁面とを接続する第3通路140が形成されている。第3通路140は、ストッパ50の軸に対し周方向に等間隔で複数形成されている。
ストッパ50の筒部51には、容積室54と中間通路131とを連通する管路55が形成されている。
(1)吸入行程
プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、コイル71への通電は停止されている。そのため、弁部材40は、電磁駆動部70のスプリング22から力を受けている可動コア73と一体のニードル60により加圧室113側へ付勢されている。その結果、弁部材40は、弁ボディ30の弁座34から離座している。また、プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、加圧室113の圧力は低下する。そのため、弁部材40が凹部33側の燃料から受ける力は、加圧室113側の燃料から受ける力よりも大きくなる。これにより、弁部材40には弁座34から離座する方向へ力が加わり、弁部材40は弁座34から離座する。弁部材40は、突出部43がストッパ50の筒部51に当接するまで移動する。弁部材40が弁座34から離座、すなわち開弁することにより、燃料室16は、導入通路111、通路151および吸入通路112を経由して加圧室113に連通する。したがって、燃料室16の燃料は、第1通路120、第2通路130、中間通路131および第3通路140をこの順で経由して加圧室113に吸入される。また、このとき、弁部材40は、ストッパ50と当接することにより、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50で塞がれている。
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室113から弁部材40側すなわち燃料室16側へ排出される燃料の流れにより、弁部材40には加圧室113側の燃料から弁座34に着座する方向へ力が加わる。しかし、コイル71に通電していないとき、ニードル60は、スプリング22の付勢力により弁部材40側へ付勢されている。そのため、弁部材40は、ニードル60によって弁座34側への移動が規制される。また、弁部材40は、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50によって塞がれている。これにより、加圧室113から燃料室16側へ排出される燃料の流れが、弁部材40に直接衝突することはない。そのため、燃料の流れにより弁部材40に加わる閉弁方向への力が緩和される。その結果、コイル71への通電が停止されている間、弁部材40は弁座34から離間した状態を維持する。これにより、プランジャ13の上昇によって加圧室113から排出される燃料は、燃料室16から加圧室113へ吸入される場合と逆に、第3燃料通路123、中間通路131、第2通路130および第1通路120をこの順で経由して燃料室16へ戻される。
加圧室113と燃料室16との間が閉鎖された状態でプランジャ13がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室113の燃料の圧力は上昇する。加圧室113の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部90のスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料から逆止弁92が受ける力とに抗して、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、吐出弁部90が開弁し、加圧室113で加圧された燃料は吐出通路114を通り高圧ポンプ10から吐出される。高圧ポンプ10から吐出された燃料は、図示しないデリバリパイプに供給されて蓄圧され、インジェクタに供給される。
なお、弁部材40が閉弁し、加圧室113の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル71への通電は停止してもよい。加圧室113の燃料の圧力が上昇すると、弁部材40が弁座34から離座する方向へ受ける力よりも、加圧室113側の燃料によって弁座34へ着座する方向へ受ける力が大きくなる。そのため、コイル71への通電を停止しても、弁部材40は加圧室113側の燃料から受ける力によって弁座34への着座状態を維持する。このように、所定の時期にコイル71への通電を停止することにより、電磁駆動部70の消費電力を低減することができる。
以上説明したように、第1実施形態では、第1通路120の数をm、第3通路140の数をnとすると、「mが奇数かつnが偶数」、「mとnとが互いに素」、かつ、「mとnとの差が1」の関係を全て満たすように、「m=5」かつ「n=6」として各通路が形成されている。
図4は、本発明の第2実施形態による高圧ポンプの、図1(a)に対応する概念図である。第2実施形態では、弁ボディに形成される第1通路の形状が第1実施形態の場合と異なる。具体的には、第1実施形態の第1通路121〜125に対応する本実施形態の第1通路161〜165は、断面の形状が長円となっている。第1通路161〜165の数が第3通路141〜146の数と異なり、第1通路の数をm、第3通路の数をnとすると、「mが奇数かつnが偶数」、「mとnとが互いに素」、かつ、「mとnとの差が1」の関係を全て満たすように、「m=5」かつ「n=6」として各通路が形成されているため、上記同様の効果が得られる。また、本実施形態のように、数が少ない方の通路断面形状を変更し、両通路の断面形状がより大きく重なるようにしてもよく、これにより、全体としてさらに燃料が流れやすくなり、かつ、吐出量が安定するような高圧ポンプを提供することができる。
図5は、本発明の第3実施形態による高圧ポンプの、図1(a)に対応する概念図である。第3実施形態では、弁ボディに形成される第1通路の形状が第1実施形態の場合と異なる。具体的には、第1実施形態の第1通路121〜125に対応する本実施形態の第1通路171〜175は、断面の形状が長方形となっている。このように、通路断面の形状を略円や長円に限らず長方形に変更した場合にも、上記実施形態と同様の効果が奏される。
図6は、本発明の第4実施形態による高圧ポンプの、図1(a)に対応する概念図である。第4実施形態では、弁ボディに形成される第1通路の形状および数、ならびに第3通路の数が第1実施形態と同一であるが、ストッパに形成される第3通路の通路形態が第1実施形態の場合と異なる。具体的には、第1実施形態の第3通路141〜146に対応する本実施形態の第3通路181〜186は、断面の形状がストッパ50の外縁を自身の軸へ向けて切欠いた形状に形成されている。このように、第3通路を孔状とすることに代えて、ストッパ50の外縁を切り欠いて第3通路181〜186を形成すれば、より簡易な製造工程で上記同様の効果が得られ、第3通路の形成および弁構造の組付けにかかる工数を低減することができる。
本発明の他の実施形態では、第1通路および第3通路は、第1通路の数をm、第3通路の数をnとすると、「mとnとの差が1」の関係を満たさなくとも、「mが奇数かつnが偶数であり、mとnとが互いに素の関係、または、mが偶数かつnが奇数であり、mとnとが互いに素の関係」の関係さえ満たしていればよい。すなわち、例えば、第1通路の数が6で第3通路の数が5であるというように通路の数の大小の関係が上記各実施形態と逆であっても良い。また、例えば、第1通路の数が5で第3通路の数が10である場合も、第1通路および第3通路の数が同数である場合に比べて燃料の流れやすさのばらつきをある程度抑制することが可能であるため、上記効果が奏されるように構成することは、ある程度可能である。
Claims (5)
- 往復移動可能なプランジャと、
前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を有する弁ボディと、
前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
一方の端部が前記弁部材の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記弁ボディの軸に対し周方向に等間隔で複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に等間隔で複数形成される第3通路を含み、
前記弁ボディに形成される前記第1通路の数をm、前記ストッパに形成される前記第3通路の数をnとすると、
前記第1通路および前記第3通路は、「mが奇数かつnが偶数であり、mとnとが互いに素の関係」、または「mが偶数かつnが奇数であり、mとnとが互いに素の関係」となるように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。 - 前記第1通路および前記第3通路は、mとnとの差が「1」となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
- 前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、断面の形状が長円となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
- 前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、断面の形状が長方形となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
- 前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、断面の形状が前記弁ボディおよび前記ストッパの少なくとも一方の外縁を自身の軸へ向けて切欠いた形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
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