JP5126505B2 - 可変ピッチブレードの制御 - Google Patents

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Description

本発明は、可変ピッチブレードの制御に関し、特に、ターボ機械圧縮機における可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置に関する。
航空機のターボ機械は従来、圧縮機、燃焼室およびタービンを備える。タービンの役割は、圧縮機を回転すると同時に、燃焼室を出る熱気から圧力エネルギの一部を引き出し、それを機械的エネルギに変換することである。
軸流圧縮機は、回転部分、ロータ、固定部分、ステータ、シュラウド、ケーシングからなり、ステータおよびケーシングは、互いに固定して取り付けられる。ロータは、可動ブレードが円周方向のアレイに取り付けられる複数のディスクの組立体からなるドラムを備える。ステータは、円周方向のアレイでケーシングまたはリングに取り付けられる複数のブレードからなる。ステータブレードと呼ばれるステータの固定ブレードの各アレイは、同期リングを形成する。可動ブレードのアレイおよび固定ブレードのアレイは、圧縮機段を形成する。
圧縮機において、速度に左右されるターボ機械の効率およびサージマージンを最適化するために、ステータブレードの1つまたは複数のアレイは、可変ピッチを有してもよく、すなわちこれらのブレードの迎え角は、飛行状態に応じて変化する。
可変ピッチブレードのピボットを制御するための既知の装置は、ターボ機械のケーシングの周囲に制御リングと、複数のレバーまたはリンクロッドと、を備えることがよくある。各レバーは、一方では、その回転軸がターボ機械の旋回軸に対して半径方向に向けられるブレードに固定して取り付けられるピボットに強固に装着される第1の端部と、他方では制御リングに連結される第2の端部と、を備える。ブレードの角度位置の同期調整は、ターボ機械の軸を中心にして制御リングを回転することによって得られる。そのようなシステムが、参考文献のUS5024580の図1に示されている。
ブレードのピボットは、ケーシングに通常形成され、ターボ機械の軸に対して半径方向に向けられる孔に配置される。ピッチを変化させるために、制御リング、レバーおよびピボットの移動は、これらの部品の接触領域を損傷にさらし、この損傷はターボ機械の振動によってさらに悪化される。部品の機械的強度、その結果として耐用年数に悪影響を及ぼすピーニングの圧力のために、最も著しい摩耗は、ピボットと孔との間で認められる。さらに、ブレードのピッチにおける精度の部分損失または全損失は、ターボ機械の正確な動作、および特にその効率に悪影響を及ぼす。
ピボットと孔との間の摩耗を削減するために、これらの部品の間に、軸受およびドライ潤滑の役割を果たす1つまたは複数の円筒ブシュを挿入することが既知の慣例である。円筒ブシュの例は、参考文献のEP1500791の種々の図面に示されている。これらの円筒ブシュに関して用いられる材料は一般に、2つの族、すなわち有機系および無機系に由来する。温度条件が可能である場合、すなわち約300度未満である場合には、有機材料が通常用いられる。このほかに、無機材料が好ましい。
これらの円筒ブシュの効率を改善するためには、材料またはコーティングの観点から種々の解決策が提案されており、特に参考文献のEP1584827、US20050232757およびUS20060029494に記載されている。しかし、これらの解決策は全て、耐久性が限られている。したがって、これらの円筒ブシュを定期的に交換することが必要であり、これには、ターボ機械を取り外す困難な作業を伴う。航空機の分野では、ターボ機械を取り外すことなく、40000時間を超える飛行時間という方針が、航空会社によって必要とされる。そのような耐用年数は、技術的に実現が困難であり、複雑で費用のかかる構成を必要とする。
また、1つの自在軸受を用いて、ブレードピボットを案内することは、参考文献のGB825547、FR1325261およびUS3471126から知られている慣例である。しかし、1つのブレードピボットの使用は、耐用年数および機械的摩耗の削減を十分に最適化しない。
米国特許第5024580号明細書 欧州特許第1500791号明細書 欧州特許第1584827号明細書 米国特許第20050232757号明細書 米国特許第20060029494号明細書 英国特許第825547号明細書 仏国特許第1325261号明細書 米国特許第3471126号明細書
本発明の目的は、向上した耐用年数を有する可変ピッチブレードのピボットを制御し、接触領域に加えられる負荷の削減を可能にするための装置を提供することである。
本発明の別の目的は、ピボットと孔との間の漏れを削減することである。これらの漏れは、ターボ機械の総効率を低減し、圧縮機の外側に位置している調整手段に損傷を及ぼす可能性さえある。
したがって、本発明は、特に、制御レバーと、下端部および上端部を備え、上記上端部が制御レバーに連結されているピボットと、を備える可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置に関する。本発明によれば、この装置は、2つの自在軸受を備え、第1の自在軸受がピボットの下端部に配置され、第2の自在軸受がピボットの上端部に配置されている。
本発明はまた、回転軸(Y)を有するケーシングを備え、上記回転軸(Y)に対して垂直方向に向けられたラジアル軸(X)に沿って構成される少なくとも1つの孔を備えるステータに関する。本発明によれば、このステータはまた、
少なくとも1つのブレード‐ピボット制御装置と、
ケーシングの内側に配置されたラジアル軸(X)に沿って向けられる少なくとも1つのブレードと、を備え、上記ブレードは上記ピボットの下端部を介してピボットに固定して取り付けられており、
自在軸受が孔の内側に配置されている。
本発明はまた、そのようなステータを備える圧縮機および上記圧縮機を備えるターボ機械に関する。
好都合なことに、本発明によって提案された装置は、接触領域に加えられる負荷を実質的に削減可能である。次に、摩耗に耐えることができるより広範囲な材料を用いることを考えることも可能となる。
本発明の他の利点および特徴は、非限定例として提供される添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読めば、明白となるであろう。
図1は、ターボ機械ケーシングの回転軸(Y)に対して半径方向に向けられる軸(X)に沿ってブレード1のピッチを制御するための装置を示す。ピボット3は、ブレード1の延長部に位置し、同一の軸(X)に沿って向けられる。ブレード1およびピボット3は、プレート11によって分離され、ケーシング5の外装(facing)51に配置され、そばに位置している空気力学的流れの一部を再構成してもよい。
下端部31および上端部32を備えるピボット3は、下端部41および上端部42を備え通常ケーシング5に構成される孔4の中に配置される。したがって、孔4は、その端部41および42のそれぞれに、外装44、すなわち、各自在軸受7を受け入れるように設計された円筒ハウジングを備えてもよい。孔4における自在軸受7の取り付けは、焼嵌め、溶接、ろう接または任意の他の等価な方法によって実行されてもよい。好ましくは、自在軸受7は、ブレード1の装着前に取り付けられる。
ターボ機械の分野において、回転部品との関連で、それぞれ「外」および「内」の代わりに、「上」および「下」を用いることが一般的である。
制御レバー2の第1の端部21にピボット3を確実に連結するために、ピボット3は、その第2の端部32に、ナット34およびワッシャ35と相互作用するように設計されたネジ棒33を備える。制御レバー2の第2の端部22は、制御リング(図示せず)に連結される。第2のワッシャ6もまた、制御レバー2と孔4の第2の上端部42との間に配置されてもよい。ピボット3と制御レバー2との間の他の連結手段は、結局のところ、本発明の原理を妥協することなく考えられることができる。軸(X)に沿ったピボット3の回転は、ブレード1のピッチを変更することを可能にする。
本発明によれば、装置は、2つの自在軸受7を備え、第1の自在軸受7は、ピボット3の下端部31に配置され、第2の自在軸受7は、ピボット3の上端部32に配置される。
自在軸受7は、図2にさらに詳細に示されている。自在軸受7は、円筒内面71iおよび外球面71eを備える内レース71と、内球面72iおよび円筒外面72eを備える外レース72と、を備える。レース71および72は、球状接触面71eおよび72iのおかげで、自在連結部を形成し、これは球状連結部とも呼ばれ、すなわち、3つの異なる軸に沿って3つの回転移動を可能にする連結部である。ピボット3は、自在軸受7を横切り、内レース71の円筒内面71iと接触状態にある。自在軸受7は、軸(X)に沿った回転においてピボット3を案内する。自在軸受7は、例えばポリイミドなどの有機材料で構成されてもよく、または金属またはセラミック材料から構成されてもよい。
本質的ではないが、自在軸受7の内レース71およびピボット3は、互いに対する回転を防止されてもよい。この回転阻止は、種々の方法で獲得されてもよい。図1の線II−IIに沿って構成される断面は、いくつかの実施例3A、3B、3C、3Dおよび3Eによって、自在軸受7とピボットとの間の連結部を示す。
図3A、図3Bおよび図3Cにおいて示される第1の実施例によれば、回転阻止は、ピボット3がその外面に少なくとも1つの平坦部36を備え、内レース71の内側形状が合致する形状であるという事実によって獲得される。
図3Bおよび図3Eにおいて示される第2の実施例によれば、回転阻止は、ピボット3がほぞ形状37を有するという事実と、内レース71の内面がほぞ穴形状37を有するという事実とによって獲得される。
図3Dにおいて示される第3の実施例によれば、回転阻止は、ピボット3および自在軸受7の内レース71の内面が、合致する四角形の断面を有するという事実とによって獲得される。
ピボット3と自在軸受7の内レース71の内面71iとの間の振動を制限するために、減衰または接着手段73が、これらの2つの部品の間に挿入されてもよく、例えば、RTV(室温加硫)型のシリコーンエラストマなどのプラスチック、すなわち、低温重合されることができるシリコーンから構成されるフィルムである。この手段はまた、ピボット3における摩耗を防止することも可能である。
上記で説明された本発明に適用されることができる変形例は、自在軸受7およびケーシング5に対して正確にピボット3を位置決めするために、増大する直径の断面39を有する端部をピボット3に備えることにある。この変形例は、図4に示されている。
装置の動作がプレート11とケーシング外装51との間またはプレート11と自在軸受7の外レース72との間との間の接触によって動きを妨げないように、十分なクリアランスが、ブレード1のプレート11と自在軸受7との間に維持されなければならない。
1つの回転移動を可能にするピボット連結部を、3つの回転移動を可能にする自在連結部に置き換えることは、接触領域に加えられる負荷を低減することを可能にすることを、計算は示している。これらの計算は、接触時にポアソン比0.3およびヤング率200000Mpaを有する2つの同一材料を考慮して行った。
内側シリンダ/外側シリンダの接触に対応するピボットを中心として配置される円筒ブシュの場合には、以下の値が選択された。内部シリンダ直径が15.72mmであり、外部シリンダ直径が15.612mmであり、クリアランスが0.108である。ブレードの傾斜、すなわち与えられる空気力学的な力の作用下で、その軸(X)に対するブレードの傾きと部品との位置合わせに基づいて、1から4mmにある長さにわたって、接触が行われる。極端な条件、例えば、そのような装置を取り付けた航空機の離陸時において、円筒ブシュの位置合わせに基づき、接触圧力は84Mpaから167Mpaまで変化するということが計算によって分かった。
わずかに改変した孔において、円筒ブシュを、その内径が7.94mmであり、その外径が14.27mmである内レースと、その外径が19.05mmである外レースで、2つのレースの間のクリアランスが0.018mmである自在軸受に置き換えることは、同一の動作条件において、接触圧力が40Mpaであることが計算によって分かった。したがって、本発明のおかげで、試験下で観察された最小の好ましい条件の大きさの少なくとも半分、場合によっては4分の1である接触圧力が獲得される。
本発明による自在軸受7を用いた可変ピッチブレードを制御するための装置において、漏れは、円筒ブシュを用いた可変ピッチブレードを制御するための装置より小さい。これは、自在軸受7の内レース71と外レース72との間のクリアランスがきわめて小さいという事実によって説明される。したがって、本発明はまた、ピボットと孔との間の漏れを削減することを可能にする。その結果、ターボ機械の効率が向上される。
本発明の別の目的はまた、
回転軸(Y)を備え、上記軸(Y)に対して垂直に向けられたラジアル軸(X)に沿って構成される少なくとも1つの孔4を備えるケーシング5と、
可変ピッチブレードのピボットを制御するための少なくとも1つの装置と、
ケーシング5の内側に配置され、ラジアル軸(X)に沿って向けられた少なくとも1つのブレード1と、を備え、上記ブレード1は上記ピボット3の下端部32を介してピボット3に固定して取り付けられており、
自在軸受7が孔4の内側に配置されているステータに関する。
本発明はまた、そのようなステータを備える圧縮機91および図5に示されるようにそのような圧縮機91を備えるターボ機械9に関する。
本発明による可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置を示す。 自在軸受を示す。 図1の線II−IIに沿って構成される断面を示し、自在軸受と一変形例によるピボットとの間の連結部を詳細に示す。 図1の線II−IIに沿って構成される断面を示し、自在軸受と一変形例によるピボットとの間の連結部を詳細に示す。 図1の線II−IIに沿って構成される断面を示し、自在軸受と一変形例によるピボットとの間の連結部を詳細に示す。 図1の線II−IIに沿って構成される断面を示し、自在軸受と一変形例によるピボットとの間の連結部を詳細に示す。 図1の線II−IIに沿って構成される断面を示し、自在軸受と一変形例によるピボットとの間の連結部を詳細に示す。 本発明による可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置の変形例の詳細を示す。 ターボ機械を示す。
符号の説明
1 ブレード
2 制御レバー
3 ピボット
4 孔
5 ケーシング
6、35 ワッシャ
7 自在軸受
9 ターボ機械
11 プレート
21、22 制御レバーの端部
31 ピボットの下端部
32 ピボットの上端部
33 ネジ棒
34 ナット
36 ピボットの外面における平坦部
37 ほぞ穴
39 ピボットの増大する直径の断面
41、42 孔の端部
44 孔の外装
51 ケーシングの外装
71、72 内レース
71e 外球面
71i 円筒内面
72e 円筒外球面
72i 内球面
73 防振または接着手段
91 圧縮機
X ラジアル軸
Y ターボ機械ケーシングの回転軸

Claims (13)

  1. 可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置であって、
    制御レバーと、
    下端部および上端部を備え、前記上端部が制御レバーに連結されているブレードピボットと、を備え、
    前記装置は、2つの自在軸受を備え、第1の自在軸受がピボットの下端部に配置され、第2の自在軸受がピボットの上端部に配置されている、可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  2. 少なくとも1つの自在軸受は、自在連結部を形成する内レースおよび外レースを備える、請求項1に記載の可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  3. 自在軸受の内レースおよびピボットが、互いに対する回転を防止される、請求項2に記載の可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  4. ピボットは、その外面に少なくとも1つの平坦部を備え、内レースの内面は、合致する形状を備える、請求項3に記載の可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  5. ピボットは、ほぞ形状を有し、内レースの内面は、ほぞ穴形状を有する、請求項3に記載の可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  6. ピボットおよび自在軸受の内レースは、合致する正方形状の断面を有する、請求項3に記載の可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  7. プラスチックフィルムが、ピボットと自在軸受の内レースの内面との間に挿入される、請求項3から6のいずれか一項に記載の可変ピッチブレードのピボットを制御するための装置。
  8. 回転軸を有するケーシングを備え、前記回転軸に対して垂直方向に向けられたラジアル軸に沿って構成される少なくとも1つの孔を備えるステータであって、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの制御装置と、
    ケーシングの内側に配置されたラジアル軸に沿って向けられる少なくとも1つのブレードと、を備え、前記ブレードはピボットの下端部を介して前記ピボットに固定して取り付けられており、
    自在軸受が孔の内側に配置されている、ステータ。
  9. 孔が、自在軸受を受け入れるように設計された少なくとも1つの外装を備える、請求項8に記載のステータ。
  10. 孔における自在軸受の取り付けが、焼嵌め、溶接またはろう接によって実行されてもよい、請求項8または9に記載のステータ。
  11. ピボットの下端部が、増大する直径を有する、請求項8から10のいずれか一項に記載のステータ。
  12. 請求項8から11のいずれか一項に記載のステータを備える、圧縮機。
  13. 請求項12に記載の圧縮機を備える、ターボ機械。
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