JP5126199B2 - 信管 - Google Patents

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Description

本発明は、信管の構造に関し、特に、安全対策に係るものである。
従来より、炸薬を有する飛翔体には、炸薬の起爆手段として信管が設けられている(例えば、下記特許文献1参照)。一般に、信管は、高感度の起爆薬と、該起爆薬よりも低感度で主爆薬である炸薬よりも高感度の伝爆薬とを有している。このような信管が設けられた飛翔体では、弾着時の衝撃や時限的に作動する発火装置によって起爆薬が起爆し、該起爆薬の爆発によって起爆薬よりも低感度の伝爆薬が起爆し、該伝爆薬の爆轟によって伝爆薬よりも低感度の炸薬が起爆される。
ところで、上述のような炸薬を有する飛翔体では、炸薬が爆轟を生じずに不発弾となって意図しない取り扱いで爆轟を生じてしまう虞があった。そのため、炸薬を有する飛翔体では、自爆機構や電気雷管の放電機構等の安全機構により不発弾を不能化することで不発弾の危険性を低減していた。
特開昭63−217200号公報
しかしながら、不発時に自爆機構が作動しない場合や、電気雷管を発火させるコンデンサーの放電が行われても、起爆薬及び伝爆薬が残存するため、何らかの衝撃によって起爆薬が起爆され、その爆発が伝爆薬によって炸薬に伝達されて炸薬を起爆してしまう虞があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、不発弾となった場合に意図しない爆轟が生じる危険性の低い信管を提供することにある。
第1の発明は、炸薬(6)を有する飛翔体(4)に設けられ、高感度の一次爆薬(31)と、上記一次爆薬(31)と上記炸薬(6)との間に設けられ、上記一次爆薬(31)よりも低感度で且つ上記炸薬(6)よりも高感度な二次爆薬(32)とを有する火薬系列(12)を備えて上記炸薬(6)を起爆する信管であって、上記炸薬(6)の不発時に上記二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化させる不活性化手段(40)を備えている。
第1の発明では、信管が設けられた飛翔体(4)の炸薬(6)の不発時には、不活性化手段(40)によって二次爆薬(32)の少なくとも一部が不活性化される。これにより、敏感な一次爆薬(31)と鈍感な炸薬(6)との間に設けられた二次爆薬(32)の少なくとも一部が反応速度の遅い物質又は発火性の無い物質に変化する。その結果、不発時に何らかの衝撃によって一次爆薬(31)に爆発が生じても、二次爆薬(32)の不活性化された部分によって、一次爆薬(31)の爆発を炸薬(6)へ伝達できなくなる。つまり、炸薬(6)が起爆されなくなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記不活性化手段(40)は、上記二次爆薬(32)と化学反応を生じて該二次爆薬(32)の少なくとも一部を上記炸薬(6)の不発時に不活性化する不活性化溶液を上記二次爆薬(32)に供給する液供給機構を備えている。
第2の発明では、液供給機構が二次爆薬(32)を不活性化させるための不活性化溶液を二次爆薬(32)に供給することによって、二次爆薬(32)と不活性化溶液とが化学反応を生じ、炸薬(6)の不発時に二次爆薬(32)の少なくとも一部が不活性化される。
第3の発明は、第2の発明において、上記不活性化手段(40)は、上記飛翔体(4)の発射に連動して作動するように構成されている。
第3の発明では、飛翔体(4)の発射に連動して不活性化手段(40)が作動する。つまり、不活性化手段(40)は、飛翔体(4)の保管時には作動せず、飛翔体(4)の発射と共に二次爆薬(32)への不活性化溶液の供給を開始して炸薬(6)の不発時に二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化させる。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、上記液供給機構は、上記不活性化溶液が貯留された液貯留部(41)と、該液貯留部(41)の不活性化溶液を毛管現象によって上記二次爆薬(32)に供給する供給路(42)とを備えている。
第4の発明では、液貯留部(41)に貯留された不活性化溶液が毛管現象によって供給路(42)を介して二次爆薬(32)に供給され、二次爆薬(32)と不活性化溶液とがゆっくりと化学反応を生じて二次爆薬(32)が少量ずつ不活性化されていく。
第5の発明は、第2乃至第4のいずれか1つの発明において、上記二次爆薬(32)の収容部(13b)には、上記化学反応によって内圧が所定圧力を越えないように調節する内圧調節機構(45)が設けられている。
第5の発明では、二次爆薬(32)の収容部(13b)では、不発時に二次爆薬(32)と不活性化溶液とが化学反応を生じることによって内圧が上昇しても、内圧調節機構(45)によって内圧が所定圧力以下となるように調節される。
本発明によれば、信管に不活性化手段(40)を設けたことにより、このような信管を備えた飛翔体(4)が不発弾となった場合に、二次爆薬(32)の少なくとも一部を反応速度の遅い物質又は発火性の無い物質にする(不活性化する)ことができる。これにより、一次爆薬(31)に爆発が生じても、二次爆薬(32)の少なくとも一部は不活性化されて発火せず又は反応してもその速度が遅いため、一次爆薬(31)の爆発が炸薬(6)へ伝達されるのを防止することができる。つまり、炸薬(6)の起爆を防止することができる。
ここで、炸薬は、非常に鈍感な爆薬であり、衝撃発火を判定するスーザンテスト(炸薬が充填された飛翔体を剛体に衝突させて反応を調査)において、殆どの炸薬は100m/s以上の速度で衝突させなければ発火しないことが判明している。
従って、上記信管によれば、該信管を有する飛翔体(4)が不発弾となった場合に、二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化することにより、事後的に炸薬(6)が意図しない取り扱いで爆轟を生じる危険性を大幅に低減することができ、不発弾の安全性を向上させることができる。
また、第2の発明によれば、不活性化溶液を二次爆薬(32)に供給する液供給機構を設けたことにより、不活性化溶液によって容易に二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化する(反応速度の遅い物質又は発火性の無い物質にする)ことができる。
また、第3の発明によれば、時限装置等を設けることなく不活性化手段(40)を容易に作動させて炸薬(6)の不発時に二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化させることができる。
また、第4の発明によれば、毛管現象を利用することにより、複雑に制御することなく二次爆薬(32)への不活性化溶液の供給量を容易に抑制することができる。なお、二次爆薬(32)と不活性化溶液との化学反応が急激に生じると、その反応熱が十分に放熱されないために炸薬(6)が起爆してしまう虞が生じる。しかしながら、第4の発明によれば、不活性化溶液を毛管現象によって徐々に二次爆薬(32)に供給することとしたため、二次爆薬(32)と不活性化溶液とを少量ずつ反応させることができる。従って、二次爆薬(32)と不活性化溶液との反応熱によって炸薬(6)が起爆されることを防止しつつ二次爆薬(32)を好適に不活性化することができる。
また、第5の発明によれば、二次爆薬(32)と不活性化溶液との化学反応によって二次爆薬(32)の収容部(13b)の内圧が不要に上昇するのを防止することができる。なお、二次爆薬(32)の収容部(13b)の内圧が上昇すると、二次爆薬(32)と不活性化溶液との化学反応の反応速度が増大して二次爆薬(32)又は炸薬(6)が起爆されてしまう虞があるが、上述の内圧調節機構(45)によって内圧の上昇を抑制することでこのような危険性を排除することができる。
図1は、実施形態1に係る榴弾の断面図である。 図2は、実施形態1に係る信管の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について図を用いて説明する。図1は本発明に係る信管(10)が設けられた榴弾(1)の断面図である。
榴弾(1)は、発射薬(2)が充填された薬莢(3)と、発射薬(2)の燃焼圧によって発射される弾体(4)とを備えている。上記薬莢(3)は、開口を有する有底筒状体によって構成されている。一方、弾体(4)は、本発明に係る飛翔体を構成し、その後部が薬莢(3)の開口に嵌め込まれるように設けられている。
上記弾体(4)は、銅等によって形成された弾殻(5)を備えている。弾殻(5)は、前側が開口した有底円筒形状に形成され、内部には炸薬(6)が充填されている。また、弾体(4)は、本発明に係る信管(10)を備えている。信管(10)は、一部が弾殻(5)の内部の炸薬(6)内に挿入されて、弾殻(5)の開口を閉塞するように設けられている。
図2に示すように、信管(10)は、ハウジング(11)と、該ハウジング(11)内に設けられて炸薬(6)を起爆するための火薬系列(12)とを備えている。火薬系列(12)は、ハウジング(11)内に設けられた火薬収容部(13)に収容されている。
上記火薬系列(12)は、高感度の一次爆薬(31)と、該一次爆薬(31)と炸薬(6)との間に設けられて一次爆薬(31)よりも低感度で且つ炸薬(6)よりも高感度な爆薬からなる二次爆薬(32)とによって構成されている。一次爆薬(31)は、火薬収容部(13)の一次側収容部(13a)に収容される一方、二次爆薬(32)は、火薬収容部(13)の二次側収容部(13b)に収容されている。
上記一次爆薬(31)は、わずかな衝撃や摩擦または点火などによって容易に爆発を生起する敏感な爆薬(起爆薬)が充填された雷管(21)と、該雷管(21)内で生起される起爆薬の爆発を二次爆薬(32)に伝える導爆薬(22)とによって構成されている。
一方、二次爆薬(32)は、導爆薬(22)の爆轟によって起爆されて炸薬(6)を起爆する伝爆薬(23,24)によって構成されている。なお、伝爆薬(23)と伝爆薬(24)とは、異種類の爆薬(例えば、伝爆薬(24)の方が感度の低い爆薬)であってもよいが、本実施形態では、伝爆薬(23,24)は、同種類の爆薬によって構成され、ヘキサヒドロ‐1,3,5‐トリニトロ‐1,3,5‐トリアジン(RDX)を主成分とするComp−A1によって構成されている。
−遮断機構−
また、上記火薬系列(12)の一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間には、両爆薬(31,32)の間を遮断する遮断機構(33)が設けられている。本実施形態では、遮断機構(33)は、金属板によって構成され、榴弾(1)の保管時には一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間に進入して両爆薬(31,32)の間を遮断する一方、榴弾(1)の発射に連動して両爆薬(31,32)の間から移動して両爆薬(31,32)の間の遮断状態を解除するように構成されている。
より具体的には、遮断機構(33)を構成する金属板は、保管時は、一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間にあって、榴弾(1)の発射前に万一何らかの衝撃によって一次爆薬(31)に爆発が生じてしまっても、該爆発によって二次爆薬(32)が起爆されないように両爆薬(31,32)の間を遮断している。そして、遮断機構(33)を構成する金属板は、榴弾(1)の発射時に一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間から移動して両爆薬(31,32)の遮断状態を解除する。これにより、一次爆薬(31)の爆発によって二次爆薬(32)が起爆されて火薬系列(12)が正常に作動(伝爆)することとなる。
−不活性化機構−
上記信管(10)は、炸薬(6)の不発時に、上記二次爆薬(32)を化学変化させて不活性化させる不活性化機構(40)を備えている。不活性化機構(40)は、二次爆薬(32)と化学反応を生じて該二次爆薬(32)を不活性化する不活性化溶液を二次爆薬(32)に徐々に供給する液供給機構を備えている。該液供給機構は、不活性化溶液が貯留された液貯留槽(41)と、該液貯留槽(41)と二次爆薬(32)が収容された二次側収容部(13b)とを接続する供給路(42)とを備えている。本実施形態では、不活性化溶液として水酸化ナトリウム(NaOH)が液貯留槽(41)に貯留されている。また、供給路(42)は、耐アルカリ性の微細な繊維によって構成され、液貯留槽(41)の不活性化溶液(水酸化ナトリウム)が毛管現象によって数時間程度かけて二次爆薬(32)に供給されるように構成されている。
なお、図示を省略しているが、液貯留槽(41)には、供給路(42)との間に遮断機構が設けられ、不活性化溶液を二次爆薬(32)に供給開始するタイミングが調整可能に構成されている。本実施形態では、榴弾(1)の発射時の衝撃で遮断機構が解除されて毛管現象による不活性化溶液の供給が開始されるように構成されている。
また、二次爆薬(32)が収容された二次側収容部(13b)には、該二次側収容部(13b)内の圧力が所定圧力を超えないように調節する内圧調節機構(45)が設けられている。本実施形態では、内圧調節機構(45)は、二次側収容部(13b)と外部とを連通する連通路と、該連通路に設けられて二次側収容部(13b)内の圧力が所定圧力を超えると開いて二次側収容部(13b)内の気体を外部へ排出する弁(図示省略)とによって構成されている。なお、図示を省略しているが、外部へ排出する二次側収容部(13b)内の気体の一部は、液貯留槽(41)へ導かれ、液貯留槽(41)内の圧力が二次側収容部(13b)内の圧力と平衡して不活性化溶液又は反応生成物が液貯留槽(41)に逆流しないように構成されている。
−動作−
榴弾(1)の発射薬(2)の燃焼圧によって弾体(4)が砲身から発射される。このとき、信管(10)の遮断機構(33)を構成する金属板が移動して一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との遮断状態が解除される。
そして、雷管(21)は着弾時の衝撃エネルギや発火信号によって起爆され、その爆発によって導爆薬(22)が起爆される。導爆薬(22)の爆轟は、伝爆薬(23,24)に順に伝わり、該伝爆薬(23,24)の爆轟によって炸薬(6)が起爆される。そして、炸薬(6)の爆轟による衝撃波によって弾殻(5)が破裂し、弾殻(5)の破片が飛散することによって目標物が破壊される。
一方、榴弾(1)の発射時には、その発射時の衝撃によって不活性化機構(40)の液貯留槽(41)に設けられた遮断機構が解除される。そして、液貯留槽(41)から不活性化溶液が供給路(42)を介して毛管現象によって二次爆薬(32)に供給される。これにより、二次爆薬(32)としての伝爆薬(23,24)と不活性化溶液とが化学反応を生じ、二次爆薬(32)が不活性化される。具体的には、伝爆薬(23,34)を構成するComp−A1に水酸化ナトリウム(NaOH)を反応させて加水分解することにより、Comp−A1の主成分であるRDXのニトラミン(N−NO2)が分解されて反応速度の遅い又は発火性の無い反応生成物を生成する。
なお、不活性化溶液は、液貯留槽(41)から毛管現象によって二次爆薬(32)に供給され、数時間程度かけて供給が完了する。そのため、二次爆薬(32)と不活性化溶液とは少量ずつ化学反応を生じ、その化学反応による反応熱はその都度放熱されて二次側収容部(13b)内に籠もらない。よって、二次爆薬(32)又は炸薬(6)が、二次爆薬(32)と不活性化溶液との反応熱によって起爆されることはない。
また、二次爆薬(32)が収容された二次側収容部(13b)には、内圧調節機構(45)が設けられているため、二次側収容部(13b)内の圧力が所定圧力を超えると二次側収容部(13b)と外部とを連通する連通路の弁が開いて二次側収容部(13b)内の気体が外部へ排出される。また、外部へ排出する気体の一部は、液貯留槽(41)へ導かれる。これにより、液貯留槽(41)内の圧力が二次側収容部(13b)内の圧力と平衡して不活性化溶液又は反応生成物の液貯留槽(41)への逆流が防止される。
−実施形態1の効果−
本信管(10)によれば、該信管(10)が設けられた榴弾(1)の弾体(4)の炸薬(6)の不発時には、不活性化機構(40)によって、敏感な一次爆薬(31)と鈍感な炸薬(6)との間に設けられた二次爆薬(32)を反応速度の遅い物質又は発火性の無い物質にする(不活性化する)ことができる。よって、何らかの衝撃によって一次爆薬(31)に爆発が生じても、二次爆薬(32)は不活性化されて発火せず又は反応してもその速度が遅いため、一次爆薬(31)の爆発が炸薬(6)へ伝達されるのを防止することができる。つまり、炸薬(6)の起爆を防止することができる。また、二次爆薬(32)が起爆の起点となることを防止することができる。
ここで、炸薬は、非常に鈍感な爆薬であり、衝撃発火を判定するスーザンテスト(炸薬が充填された飛翔体を剛体に衝突させて反応を調査)において、殆どの炸薬は100m/s以上の速度で衝突させなければ発火しないことが判明している。
従って、上記信管(10)によれば、該信管(10)を有する榴弾(1)の弾体(4)が不発弾となった場合に、二次爆薬(32)を不活性化することにより、事後的に炸薬(6)が意図しない取り扱いで爆轟を生じる危険性を大幅に低減することができ、不発弾の安全性を向上させることができる。
また、本信管(10)によれば、不活性化溶液を二次爆薬(32)に徐々に供給する液供給機構を設けたことにより、不活性化溶液によって容易に二次爆薬(32)を不活性化する(反応速度の遅い物質又は発火性の無い物質にする)ことができる。
また、本信管(10)によれば、榴弾(1)の弾体(4)が発射されると、これに連動して不活性化機構(40)が作動するように構成されている。具体的には、榴弾(1)の弾体(4)の発射に連動して二次爆薬(32)への不活性化溶液の供給が開始するように構成されている。これにより、時限装置等を設けることなく、不活性化機構(40)を容易に作動させることができる。なお、不活性化機構(40)による不活性化溶液の二次爆薬(32)への供給は徐々に行われるため、二次爆薬(32)の不活性化はゆっくりと進行する。そのため、不活性化機構(40)を弾体(4)の発射に連動して作動するように構成しても、弾体(4)の正常な爆轟現象を確保することができる一方、正常な爆轟現象を生起せずに不発弾となった場合に二次爆薬(32)を不活性化して不発弾の安全性を向上させることができる。
また、本信管(10)によれば、液貯留槽(41)と供給路(42)といった容易な構成により、二次爆薬(32)に不活性化溶液を供給して化学反応を生起して容易に二次爆薬(32)を不活性化することができる。また、毛管現象を利用することにより、複雑に制御することなく二次爆薬(32)への不活性化溶液の供給量を容易に抑制することができる。なお、二次爆薬(32)と不活性化溶液との化学反応が急激に生じると、その反応熱が十分に放熱されないために炸薬(6)が起爆してしまう虞が生じる。しかしながら、本信管(10)では、不活性化溶液を毛管現象によって徐々に二次爆薬(32)に供給することとしたため、二次爆薬(32)と不活性化溶液とを少量ずつ反応させることができる。従って、二次爆薬(32)と不活性化溶液との反応熱によって炸薬(6)が起爆されることを防止しつつ、二次爆薬(32)を好適に不活性化することができる。
また、本信管(10)によれば、二次側収容部(13b)に、内圧調節機構(45)を設けたことにより、二次側収容部(13b)の内圧が不要に上昇するのを防止することができる。なお、二次側収容部(13b)の内圧が上昇すると、二次爆薬(32)と不活性化溶液との化学反応の反応速度が増大して二次爆薬(32)又は炸薬(6)が起爆されてしまう虞があるが、上述の内圧調節機構(45)によってこのような危険性を排除することができる。
また、本信管(10)によれば、保管時には、一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間を遮断する一方、榴弾(1)の弾体(4)の発射の衝撃によって一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との遮断状態を解除する遮断機構(33)を備えている。そのため、保管時に、万一何らかの衝撃によって一次爆薬(31)が起爆されても、その爆発が二次爆薬(32)及び炸薬(6)に伝達しないように一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間を遮断することができる。これにより、保管時の安全性を向上させることができる。一方、榴弾(1)の弾体(4)が発射されると、一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との遮断状態が解除されて火薬系列(12)が正常に作動(伝爆)して炸薬(6)が起爆されることとなる。
ところで、このように遮断機構(33)を有する信管(10)では、何らかの不具合によって遮断機構(33)が上手く作動せず、榴弾(1)の弾体(4)が発射されたにも拘わらず、一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との遮断状態が解除されない場合がある。このような場合に弾体(4)は不発弾となるが、本信管(10)は、このような不発時に、遮断機構(33)の炸薬(6)側の二次爆薬(32)を不活性化して炸薬(6)の爆轟を阻止する不活性化機構(40)を備えている。そのため、このように遮断機構(33)が上手く作動しなかった場合には、遮断機構(33)と不活性化された二次爆薬(32)とによって炸薬(6)への伝爆をより確実に阻止することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、本発明に係る二次爆薬(32)として、ヘキサヒドロ‐1,3,5‐トリニトロ‐1,3,5‐トリアジン(RDX)を主成分とするComp−A1を用いていたが、二次爆薬(32)は、これに限られず、同様にニトラミン(N−NO)を官能基として有するヘキサヒドロ‐1,3,5‐トリニトロ‐1,3,5‐トリアジン(RDX)を主成分とするComp−A2やComp−A3であってもよい。また、二次爆薬(32)は、ニトラミン(N−NO)を官能基として有するオクタヒドロ‐1,3,5,7‐テトラニトロ‐1,3,5,7‐テトラゾシン(HMX)を主成分とするPBXN−5であってもよい。これらの二次爆薬(32)に水酸化ナトリウム(NaOH)を反応させることにより、固体状の炭化物や、水、アセテート、ニトライト、ホルマート、ニトレート等の液体や、一酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、アンモニア等の気体が生成される。これらの反応生成物は、反応速度の遅い物質又は発火性の無い物質であり、二次爆薬(32)はこのような物質に化学変化することにより、不活性化されることとなる。
また、上記実施形態では、不活性化溶液として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いていたが、これに限られず、他の水酸化アルカリを用いてもよい。また、不活性化溶液としてアルカリ溶液だけでなく酸を用いることとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、信管(10)の不活性化機構(40)は、榴弾(1)の弾体(4)の発射時に液貯留槽(41)に設けられた遮断機構が解除されることにより、不活性化溶液の二次爆薬(32)への供給が開始されるように構成されていた。しかし、不活性化溶液の供給開始のタイミングはこれに限られず、不活性化機構(40)に時限装置等を設けて発射に連動して時限装置が作動して発射から所定時間経過後に不活性化溶液の供給が開始されるように構成してもよい。
また、本発明に係る不活性化手段は、二次爆薬(32)を化学変化させて不活性化させるものに限られない。本発明に係る不活性化手段は、二次爆薬(32)を化学変化以外の手段によって不活性化させるものであってもよい。
また、上記実施形態では、雷管(21)の起爆薬と導爆薬(22)によって本発明に係る一次爆薬(31)が構成され、同種類の伝爆薬(23,24)によって本発明に係る二次爆薬(32)が構成されていた。しかし、一次爆薬(31)及び二次爆薬(32)の構成はこれに限られない。例えば、一次爆薬(31)は、雷管(21)の起爆薬のみによって構成されていてもよく、二次爆薬(32)が導爆薬と伝爆薬とによって構成されていてもよい。また、二次爆薬(32)が異種類の伝爆薬によって構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る不活性化手段としての不活性化機構(40)は、二次爆薬(32)の全てを不活性化することとしていたが、二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化するものであってもよい。例えば、上記実施形態においては、伝爆薬(23)のみを不活性化させてもよく、伝爆薬(24)のみを不活性化させてもよい。また、二次爆薬(32)が導爆薬と伝爆薬とによって構成されている場合には、導爆薬のみを不活性化させてもよく、伝爆薬のみを不活性化させてもよい。このように、二次爆薬(32)の一部のみを不活性化させても、一次爆薬(31)の爆発を伝達できなくなって炸薬(6)が起爆されなくなる。従って、このような信管であっても事後的に炸薬(6)が意図しない取り扱いで爆轟を生じる危険性を大幅に低減することができ、不発弾の安全性を向上させることができる。
さらに、上記実施形態では、遮断機構(33)が一次爆薬(31)と二次爆薬(32)との間に進退する金属板によって構成されていた。しかしながら、遮断機構(33)はこれに限られず、例えば、導爆薬(22)を収容する部分が可動(例えば、回転)して火薬系列(12)が遮断される状態と、連続して伝爆される状態とに切換可能に構成された機構であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る信管(10)は、炸薬(6)を有する榴弾(1)の弾体(4)に設けられていた。しかし、本発明に係る信管(10)の適用範囲はこれに限られず、ミサイルの弾頭や榴弾(1)以外の炸薬(6)を有する弾薬の弾体に設けられていてもよいことは勿論である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、信管について有用である。
4 弾体(飛翔体)
6 炸薬
10 信管
12 火薬系列
13b 二次側収容部(収容部)
21 雷管
31 一次爆薬
32 二次爆薬
33 遮断機構
40 不活性化機構(不活性化手段)
41 液貯留槽(液貯留部)
42 供給路
45 内圧調節機構

Claims (5)

  1. 炸薬(6)を有する飛翔体(4)に設けられ、高感度の一次爆薬(31)と、上記一次爆薬(31)と上記炸薬(6)との間に設けられ、上記一次爆薬(31)よりも低感度で且つ上記炸薬(6)よりも高感度な二次爆薬(32)とを有する火薬系列(12)を備えて上記炸薬(6)を起爆する信管であって、
    上記炸薬(6)の不発時に上記二次爆薬(32)の少なくとも一部を不活性化させる不活性化手段(40)を備えている
    ことを特徴とする信管。
  2. 請求項1において、
    上記不活性化手段(40)は、上記二次爆薬(32)と化学反応を生じて該二次爆薬(32)の少なくとも一部を上記炸薬(6)の不発時に不活性化する不活性化溶液を上記二次爆薬(32)に供給する液供給機構を備えている
    ことを特徴とする信管。
  3. 請求項2において、
    上記不活性化手段(40)は、上記飛翔体(4)の発射に連動して作動するように構成されている
    ことを特徴とする信管。
  4. 請求項2又は3において、
    上記液供給機構は、上記不活性化溶液が貯留された液貯留部(41)と、該液貯留部(41)の不活性化溶液を毛管現象によって上記二次爆薬(32)に供給する供給路(42)とを備えている
    ことを特徴とする信管。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記二次爆薬(32)の収容部(13b)には、上記化学反応によって内圧が所定圧力を越えないように調節する内圧調節機構(45)が設けられている
    ことを特徴とする信管。
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