[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置としてのカラー複写機100について説明する。
図1は、カラー複写機100の概略構成図である。
カラー複写機100は、原稿Qから画像を読み取って画像データを取得し、この画像データに基づいてカラー画像を形成する装置である。本実施の形態は、本発明に係る画像形成装置をカラー複写機100に適用した場合の例であるが、カラープリンタやファクシミリ装置、これらの複合機等に適用することとしてもよい。
図1に示すように、カラー複写機100は、複写機本体101を有している。複写機本体101の上部には、ADF(自動原稿給紙装置)20及び画像入力部30が配設されている。ADF20は、ADFモード時に、一又は複数の原稿Qを画像入力部30に自動給紙する。
ADF20は、原稿載置部21、ローラ22a、ローラ22b、ローラ23、搬送ローラ24、反転部25及び排紙皿26を備える。原稿載置部21には、一又は複数の原稿Qが載置される。ADFモードが選択された場合には、原稿載置部21の下流側に設けられたローラ22a、ローラ22bにより原稿Qが搬送され、ローラ23によってU字状に回転するように搬送される。そして、画像入力部30により原稿Qが読み取られ、搬送ローラ24により読み取り後の原稿Qが排紙皿26へ排紙される。両面原稿の場合には、反転部25により原稿Qが反転され、両面の画像が読み取られる。
画像入力部30は、原稿Qに形成されたカラー画像を読み取り、赤(R)色,緑(G)色,青(B)色成分の画像データを出力する。画像入力部30には、例えば、カラー用のスリットスキャン型のスキャナが使用される。画像入力部30は、第1のプラテンガラス31、第2のプラテンガラス(ADFガラス)32、光源33、ミラー34,35,36、結像光学部37、イメージセンサ38及び図示しない光学駆動部を備える。
光源33は、原稿Qに光を照射する。原稿Qにおいて反射された光は、ミラー34,35,36及び結像光学部37を介してイメージセンサ38に入射する。
イメージセンサ38は、複数の受光素子が配列されて構成されるR色,G色,B色光検知用の3つの読み取りセンサが、副走査方向に所定の距離を隔てて配置された3ラインカラーCCD撮像装置であって、光が照射される原稿Qの副走査方向の異なる位置で画素を分割してR色,G色,B色の光情報を同時に読み取る。
イメージセンサ38は、プラテンモード時には、第1のプラテンガラス31上に載置された原稿Qの画像を読み取り、ADFモード時には、原稿Qが第2のプラテンガラス32上を通過する際に原稿Qの画像を読み取る。
画像入力部30には、制御部60を介して画像処理部70が接続されている。
画像処理部70は、画像入力部30により得られた画像データからLED書込み用の書込みデータを生成する。画像処理部70により生成されたY,M,C,K色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkは、画像形成部10を構成する書込みユニット3Y,3M,3C,3Kへ転送される。
複写機本体101は、タンデム型のカラー画像形成装置である。複写機本体101は、画像形成部10を備える。画像形成部10は、画像データDy,Dm,Dc,Dkに基づいてカラー画像を形成する。
画像形成部10は、各色の画像形成ユニット8Y,8M,8C,8K、中間転写ベルト5、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段、トナー像を加熱・加圧により定着させるための定着装置9を備える。各色の画像形成ユニット8Y,8M,8C,8Kは、中間転写ベルト5上にトナー像を転写させる色順に副走査方向に沿って配置されている。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット8Yは、Y色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Y、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電部2Y、書込みユニット3Y、現像部4Y及び感光体クリーニング部7Yを有する。
マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット8Mは、M色のトナー像を形成する感光体ドラム1M、M色用の帯電部2M、書込みユニット3M、現像部4M及び感光体クリーニング部7Mを有する。
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット8Cは、C色のトナー像を形成する感光体ドラム1C、C色用の帯電部2C、書込みユニット3C、現像部4C及び感光体クリーニング部7Cを有する。
ブラック(K)色の画像を形成する画像形成ユニット8Kは、K色のトナー像を形成する感光体ドラム1K、K色用の帯電部2K、書込みユニット3K、現像部4K及び感光体クリーニング部7Kを有する。
書込みユニット3Y,3M,3C,3Kには、複数のLED素子をライン状に配列したLEDアレイヘッド光学系が使用される。現像部4Y,4M,4C,4Kでは、使用するトナー極性と同極性(本実施の形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像により現像が行われる。
感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成された各色のトナー像は、使用するトナーと反対極性(本実施の形態においては正極性)の1次転写バイアスが印加される1次転写ローラ6Y,6M,6C,6Kにより、回転する中間転写ベルト5上に逐次転写され、各色が重ねられたカラー画像(カラートナー像)が形成される(1次転写)。
画像形成部10の下方には、給紙部40を構成する給紙カセット40A,40B,40Cが設けられている。給紙カセット40A,40B,40Cに収容された用紙Pは、給紙カセット40A,40B,40Cに設けられた送り出しローラ41及び給紙ローラ42Aにより給紙され、搬送ローラ42B,42C,42D、レジストローラ43等を経て、2次転写ローラ6Aまで搬送される。そして、2次転写ローラ6Aにより、カラー画像が中間転写ベルト5から用紙Pの一方の面(表面)上に一括して転写される(2次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置9により定着処理され、排紙ローラ44に挟持されて機外の排紙トレイ45上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの周面上に残ったトナーは、感光体クリーニング部7Y,7M,7C,7Kによりクリーニングされ、次の画像形成サイクルに入る。また、2次転写ローラ6Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト5は、中間転写ベルトクリーニング部7Aにより残留トナーが除去される。
用紙Pの両面に画像が形成される両面モードの場合には、用紙Pの一方の面(表面)に画像が形成され、定着装置9から用紙Pが排出された後、用紙Pは分岐手段46により原稿排紙路から分岐される。そして、用紙Pは下方の循環通紙路47Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路47Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部47Cを通過して再給紙される。反転搬送された用紙Pは、レジストローラ43を経て、再度2次転写ローラ6Aにより、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。
図2は、書込みユニット3Y及びその周辺回路の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、書込みユニット3Yは、感光体ドラム1Yに対向した位置に設けられる。書込みユニット3Yは、IC実装基板14Yを有している。IC実装基板14Yには、半導体集積回路(IC)化されたレジスタアレイ11Y、ラッチ回路12Y及びプリントヘッド13Yが実装され、図示しないプリント配線等により結線されて構成される。プリントヘッド13Yには、1200dpiの解像度で約15000個のLED素子がライン状に配列されている。プリントヘッド13Yは、1ライン分の画像データDyに基づいて、各LED素子により、各々の強度で1ライン分のY色ライン形成用のビーム群を同時に発する。
Y色ライン形成用のビーム群は、感光体ドラム1Yの1ラインを同時に露光し、ライン状の静電潜像を形成する。感光体ドラム1Yに形成されたライン状の静電潜像は、図1に示した現像部4Yにより、Y色トナーによって現像される。現像されたY色のトナー像は中間転写ベルト5に転写される。
図3は、プリントヘッド13Yの構成を示す模式図である。図3に示すように、プリントヘッド13Yは、複数のLEDチップ15Y,15Y,15Y,・・・が主走査方向に配列されて構成されている。ここでは、プリントヘッド13Yが40個のLEDチップ15Yを備える場合を例にする。すなわち、LEDチップ15Yのつなぎ目は、39箇所存在する。各LEDチップ15Yは、それぞれ、複数のLED素子16Y,16Y,16Y,・・・が主走査方向に配列されて構成されている。
図3に示すように、同一のLEDチップ15Y内の隣り合うLED素子16Y間の距離d1と、LEDチップ15Yのつなぎ目部分のLED素子16Y間の距離d2とは異なるため、出荷時等に距離d2を測定し、LEDチップ15Yのつなぎ目部分のLED素子16Yの光量補正を行っている。
以上、図2、図3を参照して、書込みユニット3Y、プリントヘッド13Yについて説明したが、書込みユニット3M,3C,3K、プリントヘッド13M,13C,13Kは、書込みユニット3Y、プリントヘッド13Yと同様の構成であるため、対応する各部には同列の符号を用い、図示及び説明を省略する。
図4は、カラー複写機100の制御系の構成を示すブロック図である。図4に示すように、カラー複写機100は、制御部60、操作部51、表示部52、記憶部53、画像入力部30、画像処理部70、画像形成部10及び給紙部40等から構成され、各部はバスにより接続されている。
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63を有している。CPU61は、ROM62に格納されている各種処理プログラムを読み出して、当該プログラムとの協働によりカラー複写機100の各部の処理動作を統括的に制御する。ROM62には、カラー複写機100全体を制御するための各種処理プログラムが格納されている。RAM63は、CPU61により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
操作部51は、ユーザによる操作を受け付ける機能部であり、数字ボタンやスタートボタン、リセットボタン等の各種ボタンを有し、押下されたボタンの押下信号をCPU61に出力する。また、操作部51は、表示部52と一体的に形成されたタッチパネルを備えており、ユーザの指先やタッチペン等により当接されたタッチパネル上の位置を検出して、位置信号をCPU61に出力する。例えば、操作部51は、後述する第1の光量ムラ調整処理(図7参照)において補正値を入力する際に用いられる。
表示部52は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU61から入力される表示信号の指示に従って、各種操作画面や処理結果等を表示する。
記憶部53は、不揮発性メモリやハードディスク等の記憶装置であり、各種データを記憶する。
画像入力部30は、原稿Qから読み取って得られたアナログの画像読取信号をA/D変換処理し、画像データを生成する。
画像処理部70は、画像入力部30により生成された画像データや記憶部53に記憶されている画像データに基づいて、LED書込み用の書込みデータを生成し、ライン毎に、画像形成部10の書込みユニット3Y,3M,3C,3Kに画像データDy,Dm,Dc,Dkを供給する。画像処理部70は、CPU61とROM62に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理により実現されることとしてもよいし、DSP(Digital Signal Processor)を使用することとしてもよい。
画像形成部10は、書込みユニット3Y,3M,3C,3K、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K等を備え、用紙上にカラー画像を形成する。書込みユニット3Y,3M,3C,3Kは、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに画像を書き込む。例えば、Y色用の書込みユニット3Yは、ライン毎のY色用の画像データDyに基づいて、感光体ドラム1YにY色のトナー像を形成するように動作する。
給紙部40は、CPU61の制御に基づいて、給紙カセット40A,40B,40Cのいずれかを選択し、給紙カセット40A,40B,40Cから繰り出した用紙Pを画像形成部10に搬送する。
CPU61は、各プリントヘッド13Y,13M,13C,13Kの光量を補正する際に、まず、画像形成部10を制御して、補正前の状態で調整チャートを出力させる。調整チャートは、補正対象色のプリントヘッド(プリントヘッド13Y,13M,13C,13Kのいずれか一つ)に含まれる複数のLED素子の光量ムラを検出するためのテスト画像、及び、補正対象色のプリントヘッドに含まれる複数のLED素子のうち予め定められた補正対象候補のLED素子の位置を示すマーカ線画像が同一の用紙上に副走査方向に並べて形成されたものである。マーカ線画像は、補正対象候補のLED素子の光量を他のLED素子の光量とは異ならせて形成した画像である。第1の実施の形態では、補正対象候補のLED素子として、LEDチップのつなぎ目部分のLED素子が予め定められており、これらのLED素子の位置情報は、記憶部53に記憶されている。
CPU61は、操作部51から補正値が入力された後、画像形成部10を制御して、補正後の状態で再度調整チャートを出力させる。CPU61は、操作部51から入力された補正値に基づいて補正対象候補のLED素子の光量を補正してテスト画像を形成するように画像形成部10を制御するとともに、操作部51から入力された補正値と基準の補正値(出荷時の補正値)との差に応じてマーカ線画像の線幅を変更するように画像形成部10を制御する。具体的には、CPU61は、入力された補正値と基準の補正値との差に応じて、マーカ線画像の形成に用いるLED素子の光量又は個数を変更することにより、マーカ線画像の線幅を変更する。
次に、ブラック(K)のプリントヘッド13Kに含まれるLEDチップ15Kのつなぎ目部分のLED素子16Kの光量を調整する場合を例にして、カラー複写機100の動作について説明する。
図5は、カラー複写機100において実行される第1の調整チャート出力処理を示すフローチャートである。第1の調整チャート出力処理は、CPU61とROM62に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、CPU61により、表示部52に調整チャート出力画面が表示される(ステップS1)。
次に、ユーザの操作部51からの操作により、スタートボタンが押下されると(ステップS2;YES)、CPU61により、記憶部53からマーカ線画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Kに対して、マーカ線画像形成用データが設定される(ステップS3)。具体的には、CPU61により、LEDチップ15Kのつなぎ目部分のLED素子16K(つなぎ目を境界としてLEDチップ15Kの端部から両側に4個ずつ、計8個のLED素子16K)について、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分についてはLED素子16Kの駆動電流が基準値の80%に設定され、その他のつなぎ目部分についてはLED素子16Kの駆動電流が基準値の120%に設定される。つなぎ目部分以外のLED素子16Kについては駆動電流が基準値の100%に設定される。
次に、CPU61により、ステップS3において設定された値に基づいて、プリントヘッド13Kの各LED素子16Kが駆動され、マーカ線画像が形成される(ステップS4)。すなわち、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分の位置を示すマーカ線画像は白線(周囲より濃度が薄い線)で示され、その他のつなぎ目部分の位置を示すマーカ線画像は黒線(周囲より濃度が濃い線)で示される。
次に、CPU61により、記憶部53からテスト画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Kに対して、テスト画像形成用データが設定される(ステップS5)。テスト画像形成用データは、一様の濃度で画像を出力するためのデータである。
次に、CPU61により、ステップS5において設定された値に基づいて、プリントヘッド13Kの各LED素子16Kが駆動され、テスト画像が形成される(ステップS6)。
以上で、第1の調整チャート出力処理が終了する。
図6に、第1の調整チャート出力処理によって出力された調整チャート80の例を示す。調整チャート80は、マーカ領域81とテスト画像82とを含む。
マーカ領域81は、LEDチップ15Kの1番目〜39番目のつなぎ目部分のLED素子16K(つなぎ目を境界としてLEDチップ15Kの端部から両側に4個ずつ、計8個のLED素子16K)について、他の部分のLED素子16Kとは光量を変えて出力したものである。具体的には、39箇所あるつなぎ目のうち、1番目〜9番目、11番目〜19番目、21番目〜29番目、31番目〜39番目のつなぎ目部分のLED素子16Kの光量を意図的に大きくして、マーカ線画像J1〜J9,J11〜J19,J21〜J29,J31〜J39を形成する(基準値の120%)。また、39箇所あるつなぎ目のうち、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分のLED素子16Kの光量を意図的に小さくして、マーカ線画像J10,J20,J30を形成する(基準値の80%)。
LEDチップ15Kのつなぎ目部分のLED素子16Kの光量を他の部分のLED素子16Kの光量と異ならせることにより、LEDチップ15Kのつなぎ目部分の位置を目視で確認することが可能となる。また、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分の濃度(白線)を他のつなぎ目部分の濃度(黒線)と変えることにより、つなぎ目の数が多い場合であっても、補正が必要なつなぎ目部分の位置を認識しやすくなる。
テスト画像82は、現状の補正値で各LED素子16Kを補正して一様な濃度の画像を出力したものである。図6に示す調整チャート80の例では、LEDチップ15Kの2番目のつなぎ目部分のマーカ線画像J2の位置に黒スジL1が発生し、6番目のつなぎ目部分のマーカ線画像J6の位置に白スジL2が発生し、13番目のつなぎ目部分のマーカ線画像J13の位置に黒スジL3が発生し、36番目のつなぎ目部分のマーカ線画像J36の位置に白スジL4が発生している。黒スジL1,L3が発生している箇所は、他の部分と比べてLED素子16Kの光量が強く、白スジL2,L4が発生している箇所は、他の部分と比べてLED素子16Kの光量が弱いことを示している。
図7は、カラー複写機100において実行される第1の光量ムラ調整処理を示すフローチャートである。第1の光量ムラ調整処理は、CPU61とROM62に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、CPU61により、表示部52に補正値入力画面90(図8参照)が表示される(ステップS11)。
図8に、補正値入力画面90の例を示す。補正値入力画面90は、補正対象選択ボタン91、補正値表示領域92、プラスボタン93、マイナスボタン94、「印刷モードへ」ボタン95等を含む。補正対象選択ボタン91は、補正対象となるつなぎ目部分(1番目〜39番目)を選択するためのボタンであり、「1」〜「39」が選択可能となっている。補正値表示領域92は、隣の補正対象選択ボタン91に対応するつなぎ目部分のLED素子16Kに対して設定された補正値が表示される領域である。プラスボタン93は、補正対象選択ボタン91により選択中のつなぎ目部分の濃度を濃くする(すなわち、光量を強くする)ためのボタンであり、マイナスボタン94は、補正対象選択ボタン91により選択中のつなぎ目部分の濃度を薄くする(すなわち、光量を弱くする)ためのボタンである。「印刷モードへ」ボタン95は、調整チャート出力画面へ遷移させるためのボタンである。
次に、補正値入力画面90において、ユーザの操作部51からの操作により、補正値が入力される(ステップS12)。図6に示した調整チャート80をユーザが目視により評価して光量を補正する場合には、例えば、LEDチップ15Kの2番目のつなぎ目部分に対して補正値「−2」が入力され、6番目のつなぎ目部分に対して補正値「+2」が入力され、13番目のつなぎ目部分に対して補正値「−4」が入力され、36番目のつなぎ目部分に対して補正値「+7」が入力される。
次に、CPU61により、補正値入力画面90において、「印刷モードへ」ボタン95が押下されたか否かが判断される(ステップS13)。「印刷モードへ」ボタン95が押下されない場合には(ステップS13;NO)、ステップS12に戻る。
ステップS13において、「印刷モードへ」ボタン95が押下された場合には(ステップS13;YES)、表示部52に調整チャート出力画面が表示される(ステップS14)。
次に、ユーザの操作部51からの操作により、スタートボタンが押下されると(ステップS15;YES)、CPU61により、記憶部53からマーカ線画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Kに対して、マーカ線画像形成用データが設定される(ステップS16)。具体的には、CPU61により、LEDチップ15Kのつなぎ目部分のLED素子16K(つなぎ目を境界としてLEDチップ15Kの端部から両側に4個ずつ、計8個のLED素子16K)について、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分についてはLED素子16Kの駆動電流が基準値の80%に設定され、その他のつなぎ目についてはLED素子16Kの駆動電流が基準値の120%に設定される。つなぎ目部分以外のLED素子16Kについては駆動電流が基準値の100%に設定される。
次に、CPU61により、ステップS12において入力された補正値と基準の補正値との差があるつなぎ目部分については(ステップS17;YES)、マーカ線画像形成用データの設定値が補正される(ステップS18)。具体的には、CPU61により、入力された補正値と基準の補正値(0)との差の絶対値をαとして、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分の場合には、LED素子16Kの駆動電流が基準値の80%から(α×10%)を引いた値に設定される。補正後の値が下限値(0%)未満の場合には、マーカ線画像の形成に用いるLED素子16Kの個数を増加させる(例えば、つなぎ目の両側4個ずつから8個ずつに変更する等)。また、CPU61により、その他のつなぎ目部分については、LED素子16Kの駆動電流が基準値の120%に(α×10%)を加えた値に設定される。補正後の値が上限値(200%)より大きくなる場合には、マーカ線画像の形成に用いるLED素子16Kの個数を増加させる。
ステップS12において入力された補正値と基準の補正値との差がないつなぎ目部分については(ステップS17;NO)、そのままステップS19へ移行する。
次に、CPU61により、ステップS16において設定された値又はステップS18において補正された値に基づいて、プリントヘッド13Kの各LED素子16Kが駆動され、マーカ線画像が形成される(ステップS19)。
次に、CPU61により、記憶部53からテスト画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Kに対して、テスト画像形成用データが設定される(ステップS20)。
次に、CPU61により、ステップS12において入力された補正値が設定され(ステップS21)、補正された値に基づいて、プリントヘッド13Kの各LED素子16Kが駆動され、補正後のテスト画像が形成される(ステップS22)。
以上で、第1の光量ムラ調整処理が終了する。
図9に、補正後の調整チャート80の例を示す。補正値が正しく設定されていれば、テスト画像82内の副走査方向のスジはなくなる。補正値が入力されたつなぎ目部分のマーカ線画像J2,J6,J13,J36については、入力された補正値と基準の補正値との差に応じて、マーカ線画像の形成に用いるLED素子16Kの光量や個数が変更されている。すなわち、マーカ線画像J2,J6,J13,J36の線幅が変更されることにより、補正の位置及び補正の程度が示される。
補正後の調整チャート80においても、黒スジ又は白スジが発生している場合には、第1の光量ムラ調整処理が繰り返される。
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、入力された補正値と基準の補正値との差に応じてマーカ線画像の線幅を変更するので、プリントヘッド13Y,13M,13C,13Kの光量補正時に、目視にて補正の位置及び補正の程度が認識可能となる。
また、マーカ線画像J1〜J39ののうち、10番目、20番目、30番目のつなぎ目部分のマーカ線画像J10,J20,J30は光量を小さくして白線で示し、他のつなぎ目部分のマーカ線画像J1〜J9,J11〜J19,J21〜J29,J31〜J39は光量を大きくして黒線で示す等、予め補正対象候補のLED素子16Kとして定められている所定の箇所で光量を変えて出力することにより、補正すべき位置の判断が容易になる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態におけるカラー複写機の構成は、第1の実施の形態に示したカラー複写機100と同様であるので、図1〜図4を援用し、図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第1の実施の形態は、LEDチップ15Y,15M,15C,15K間のつなぎ目部分のLED素子16Y,16M,16C,16Kを補正する場合の例であったが、第2の実施の形態は、LED素子16Y,16M,16C,16K個々の光量のバラツキを補正する場合の例である。光量の補正が必要なLED素子16Y,16M,16C,16Kは、出荷時の治具を使用した検査により予め検出されており、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色について、補正対象候補のLED素子16Y,16M,16C,16Kの情報が記憶部53に記憶されている。
CPU61は、各プリントヘッド13Y,13M,13C,13Kの光量を補正する際に、まず、画像形成部10を制御して、補正前の状態で調整チャートを出力させる。調整チャートは、補正対象色のプリントヘッド(プリントヘッド13Y,13M,13C,13Kのいずれか一つ)に含まれる複数のLED素子の光量ムラを検出するためのテスト画像、及び、補正対象色のプリントヘッドに含まれる複数のLED素子のうち予め定められた補正対象候補のLED素子の位置を示すマーカ線画像が同一の用紙上に副走査方向に並べて形成されたものである。マーカ線画像は、プリントヘッド群(プリントヘッド13Y,13M,13C,13K)のうち補正対象色のプリントヘッド以外のプリントヘッドに含まれる、補正対象候補のLED素子の位置に対応するLED素子により形成されたものである。例えば、ブラックのプリントヘッド13Kの光量を補正する場合には、シアンやマゼンタでマーカ線画像を形成する。
CPU61は、操作部51から補正値が入力された後、画像形成部10を制御して、補正後の状態で再度調整チャートを出力させる。CPU61は、操作部51から入力された補正値に基づいて補正対象候補のLED素子の光量を補正してテスト画像を形成するように画像形成部10を制御するとともに、操作部51から入力された補正値と基準の補正値(出荷時の補正値)との差に応じてマーカ線画像の色及び線幅を変更するように画像形成部10を制御する。具体的には、CPU61は、入力された補正値と基準の補正値との差に応じて、マーカ線画像の形成に用いるLED素子の光量又は個数を変更することにより、マーカ線画像の線幅を変更する。
次に、ブラック(K)のプリントヘッド13Kに含まれるLED素子16Kの光量を調整する場合を例にして、カラー複写機100の動作について説明する。
図10は、カラー複写機100において実行される第2の調整チャート出力処理を示すフローチャートである。第2の調整チャート出力処理は、CPU61とROM62に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、ユーザの操作部51からの操作により、補正対象色(ブラック)が選択される(ステップS31)。
次に、CPU61により、表示部52に調整チャート出力画面が表示される(ステップS32)。
次に、ユーザの操作部51からの操作により、スタートボタンが押下されると(ステップS33;YES)、CPU61により、記憶部53からマーカ線画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Cに対して、マーカ線画像形成用データが設定される(ステップS34)。具体的には、CPU61により、シアンのプリントヘッド13Cに含まれるLED素子16Cのうち、補正対象色(ブラック)のプリントヘッド13Kに含まれる補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16Cを発光させるように設定される。
次に、CPU61により、ステップS34おいて設定された値に基づいて、プリントヘッド13Cに含まれるLED素子16Cのうち、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16Cが駆動され、マーカ線画像が形成される(ステップS35)。
次に、CPU61により、記憶部53からテスト画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Kに対して、テスト画像形成用データが設定される(ステップS36)。
次に、CPU61により、ステップS36おいて設定された値に基づいて、プリントヘッド13Kの各LED素子16Kが駆動され、テスト画像が形成される(ステップS37)。
以上で、第2の調整チャート出力処理が終了する。
図11に、第2の調整チャート出力処理によって出力された調整チャート83の例を示す。調整チャート83は、マーカ領域84とテスト画像85とを含む。
マーカ領域84には、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16Cにより、マーカ線画像R1〜R4が形成されている。マーカ線画像R1〜R4は、ある程度の線幅を確保するため、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16Cを含む所定個数のLED素子16C(例えば、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16C、左側3個、右側4個を含む計8個のLED素子16C)により形成される。図11では、わかりやすくするために、シアンで描画された線を破線で示すこととするが、実際にマーカ線画像R1〜R4が破線で形成されるわけではない。なお、マーカ領域84のマーカ線画像R1〜R4を除く部分については、ブラックのLED素子16Kにより画像を形成してもよいし、白紙のままとしてもよい。
テスト画像85は、現状の補正値でブラックの各LED素子16Kを補正して一様な濃度の画像を出力したものである。図11に示す調整チャート83の例では、マーカ線画像R1の位置に黒スジL11が発生し、マーカ線画像R3の位置に白スジL12が発生し、マーカ線画像R4の位置に黒スジL13が発生しているが、マーカ線画像R2の位置には黒スジも白スジも発生していない。黒スジL11,L13が発生している箇所は、他の部分と比べてLED素子16Kの光量が強く、白スジL12が発生している箇所は、他の部分と比べてLED素子16Kの光量が弱いことを示している。
図12は、カラー複写機100において実行される第2の光量ムラ調整処理を示すフローチャートである。第2の光量ムラ調整処理は、CPU61とROM62に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、CPU61により、表示部52に補正値入力画面96(図13参照)が表示される(ステップS41)。
図13に、補正値入力画面96の例を示す。補正値入力画面96は、補正対象選択ボタン91、補正値表示領域92、プラスボタン93、マイナスボタン94、「印刷モードへ」ボタン95、色選択ボタン97等を含む。補正対象選択ボタン91は、補正対象位置を選択するためのボタンであり、「1」〜「4」が選択可能となっている。マーカ線画像R1〜R4(図11参照)が示す補正対象候補のLED素子の位置が、それぞれ、「1」〜「4」に対応する。補正値表示領域92は、隣の補正対象選択ボタン91に対応する補正対象候補のLED素子に対して設定された補正値が表示される領域である。プラスボタン93は、補正対象選択ボタン91により選択中の補正対象位置の濃度を濃くする(すなわち、光量を強くする)ためのボタンであり、マイナスボタン94は、補正対象選択ボタン91により選択中の補正対象位置の濃度を薄くする(すなわち、光量を弱くする)ためのボタンである。「印刷モードへ」ボタン95は、調整チャート出力画面へ遷移させるためのボタンである。色選択ボタン97は、補正対象とする色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を選択するためのボタンである。
次に、ユーザの操作部51からの操作により、色選択ボタン97の中から、補正対象色(ブラック)が選択される(ステップS42)。
次に、補正値入力画面96において、ユーザの操作部51からの操作により、補正値が入力される(ステップS43)。図11に示した調整チャート83をユーザが目視により評価して光量を補正する場合には、例えば、マーカ線画像R1の位置については補正値「−2」が入力され、マーカ線画像R3の位置については補正値「+4」が入力され、マーカ線画像R4の位置については補正値「−1」が入力される。
次に、CPU61により、補正値入力画面96において、「印刷モードへ」ボタン95が押下されたか否かが判断される(ステップS44)。「印刷モードへ」ボタン95が押下されない場合には(ステップS44;NO)、ステップS43に戻る。
ステップS44において、「印刷モードへ」ボタン95が押下された場合には(ステップS44;YES)、表示部52に調整チャート出力画面が表示される(ステップS45)。
次に、ユーザの操作部51からの操作により、スタートボタンが押下されると(ステップS46;YES)、CPU61により、記憶部53からマーカ線画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Cに対して、マーカ線画像形成用データが設定される(ステップS47)。具体的には、CPU61により、シアンのプリントヘッド13Cに含まれるLED素子16Cのうち、補正対象色(ブラック)のプリントヘッド13Kに含まれる補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16Cを発光させるように設定される。
次に、CPU61により、ステップS43において入力された補正値と基準の補正値との差がある補正対象位置については(ステップS48;YES)、マーカ線画像形成用データの設定値が補正される(ステップS49)。具体的には、CPU61により、入力された補正値と基準の補正値との差がある補正対象位置については、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するシアンのLED素子16Cの光量が0に設定され、入力された補正値と基準の補正値(0)との差の絶対値をαとして、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するマゼンタのLED素子16Mの駆動電流が基準値の100%に(α×10%)を加えた値に設定される。補正後の値が上限値(180%)より大きくなる場合には、マーカ線画像の形成に用いるLED素子16Mの個数を増加させる(例えば、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16Mを含む8個から16個に変更する等)。
ステップS47において入力された補正値と基準の補正値との差がない補正対象位置については(ステップS48;NO)、そのままステップS50へ移行する。
次に、CPU61により、ステップS47において設定された値又はステップS49において補正された値に基づいて、プリントヘッド13M,13Cの、補正対象候補のLED素子16Kの位置に対応するLED素子16M,16Cが駆動され、マーカ線画像が形成される(ステップS50)。
次に、CPU61により、記憶部53からテスト画像形成用データが読み出され、書込みユニット3Kに対して、テスト画像形成用データが設定される(ステップS51)。
次に、CPU61により、ステップS43において入力された補正値が設定され(ステップS52)、補正された値に基づいて、プリントヘッド13Kの各LED素子16Kが駆動され、テスト画像が形成される(ステップS53)。
以上で、第2の光量ムラ調整処理が終了する。
図14に、補正後の調整チャート83の例を示す。補正値が正しく設定されていれば、テスト画像85内の副走査方向のスジはなくなる。補正値が入力された補正対象位置のマーカ線画像R1,R3,R4については、マゼンタで形成され、入力された補正値と基準の補正値との差に応じて、マーカ線画像の形成に用いるLED素子16Mの光量や個数が変更されている。すなわち、マーカ線画像R1,R3,R4の色がマゼンタに変更されることにより、補正の位置が示され、マーカ線画像R1,R3,R4の線幅により、補正の程度が示される。また、補正の必要がないマーカ線画像R2の位置については、色の変更は行われず、シアンのままである。図14では、わかりやすくするために、シアンで描画された線(マーカ線画像R2)を破線で示し、マゼンタで描画された線(マーカ線画像R1,R3,R4)を一点鎖線で示すこととするが、実際にマーカ線画像R1〜R4が破線や一点鎖線で形成されるわけではない。
補正後の調整チャート83においても、黒スジ又は白スジが発生している場合には、第2の光量ムラ調整処理が繰り返される。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、入力された補正値と基準の補正値との差に応じてマーカ線画像の色及び線幅を変更するので、プリントヘッド13Y,13M,13C,13Kの光量補正時に、目視にて補正の位置及び補正の程度が認識可能となる。
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。