JP5125691B2 - ポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

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本発明はポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルの製造方法に関する。
ポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルは、原料となる多価アルコールの水酸基数やエステル化率、アルキレンオキシドの付加モル数、さらには脂肪酸の炭素数を制御して製造することができる。したがって、この化合物は、様々な配合系において最適なHLB値を調整できるので、工業的に汎用されている非イオン性界面活性剤の一種である。特に、医薬部外品や化粧品原料においては、医薬部外品原料規格2006にテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットやトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの記載があるように、乳化可溶化剤、洗浄剤などとして汎用されている。
ポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルの一般的な合成方法としては、ポリオキシアルキレンポリオールに対して、脂肪酸を用いた脱水反応、または脂肪酸低級アルコールエステルを用いたエステル交換反応が挙げられる。エステル交換反応では低級アルコールの回収の問題があるので、脂肪酸を用いた脱水反応の方が溶剤回収の観点から望ましい。
脱水反応としては、200℃以上の高温で無触媒にて反応させる方法もあるが、高温反応では、例えばソルビトールのような糖アルコールの劣化を促進してしまう懸念があり、医薬部外品や化粧品原料として使用する場合、臭気発生などの品質上の問題が生じる。そこで、反応温度をできるだけ抑制した上で、酸触媒を用いて反応を進行させる方法が臭気抑制の面で優れている。
酸触媒を用いた場合、エステル反応終了後、アルカリによる中和処理又は吸着剤処理などによって、酸触媒を除去する工程が必要である。この工程においては、反応系に残存する中和塩又は吸着剤がろ紙の目詰まりを引き起こし、ろ過性を悪化させることによって生産性が低下してしまい、さらには生成物の透明度にも問題を生じさせることがあった。また、エステル化物の分子量によってもろ過性は左右され、特に分子量が大きく凝固点や粘度が高い物質においては、生産性がより低下するといった問題があった。
アルコールと酸との脱水反応によるエステル反応終了後の処理方法としては、これまで様々な提案がなされている。例えば、多価アルコールと脂肪酸とのエステル化物を高品質かつ効率よく製造する方法として、特定の平均細孔と表面積を有するゼオライト又は活性白土をエステル化粗生成物と接触する方法が提案されている(例えば特許文献1)。この方法では、遊離多価アルコール含量や酸価が低く、外観が良好なエステル化物が得られるが、ゼオライト又は活性白土処理では、ろ過性の改善に劣り、臭気抑制の面においても課題があった。
その他に、各種吸着剤を用いて残存塩や未反応分を低減させる提案もなされている。例えば、アルコールと酸とを反応させて得られたエステル化物を、分子中に固体酸と固体塩基とを含む化合物(例えば、シリカ・マグネシア系化合物)および酸化マグネシムと接触させる方法も提案されている(例えば特許文献2)。この方法では、金属イオンの含有量が低く、加水分解によるアルコールや酸の生成が少なく、色相が良好なエステル化物が得られるが、エステル化後に、シリカ・マグネシア系化合物にて処理する方法では、ろ過性の改善に効果的ではなく、臭気抑制の面においても課題があった。
すなわち、ポリオキシアルキレンポリオールおよび脂肪酸のエステル反応後の製造において、残存塩や吸着剤によるろ紙の目詰まりを低減することにより、生産性を向上させ、なおかつ、生成物の透明性および臭気抑制の面で良好なエステル化物の製造方法の開発はこれまでになされていかなかった。
特開平5−140037号公報 特開平10−36319号公報
本発明の目的は、ろ過性を向上させることで生産性を高めるとともに、生成物の透明性を向上させ、さらに臭気抑制の面でも良好なポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エスエルの製造方法を提供することである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸とを酸触媒下でエステル反応させて、下記式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルを製造する方法において、エステル反応終了後に、特定の粒度分布を有する酸化マグネシウムで処理し、その後、特定の合成吸着剤で処理することによって、ろ過性が向上し、生成物の透明性が良好で、さらに臭気発生も抑えられることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸とを酸触媒下でエステル反応させて、下記式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルを製造する方法において、エステル反応終了後、下記(A)、(B)および(C)の各工程を順次行なうことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルの製造方法である。
Z−[ O−(AO)n −R]a ・・・(I)
(式中、Zは水酸基を2個以上有する化合物から水酸基をa個除いた残基であり、aは2〜12であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、好ましくはオキシエチレン基であり、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜50であり、a個のRはそれぞれが同一あるいは異なってもよい炭素数6〜24の脂肪酸残基又は水素原子である。)
(A)反応系に対して、粒度500μm以下が95質量%以上かつ粒度75μm以下が10質量%以下の粒度分布を持つ酸化マグネシウムを混合させ、加熱処理する工程;
(B)水が存在する反応系に対して、酸化マグネシウム成分を50〜90質量%、酸化アルミニウム成分を10〜50質量%含み、乾燥減量が1.5質量%以下である合成吸着剤を混合させ、加熱処理する工程;
(C)反応系をろ過処理する工程。
本発明によれば、ろ過性を向上させることで生産性を高めるとともに、生成物の透明性を向上させ、さらに臭気発生を抑えることができるので、ポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エスエルを製造する方法として大変有用である。
本発明においては、まず、ポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸とを酸触媒下でエステル反応させて、下記式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステル(以下、エステル化物ともいう。)を製造する。
Z−[ O−(AO)n −R]a ・・・(I)
式(I)中、Zは水酸基を2個以上(a個以上)有する化合物から水酸基をa個除いた残基である。残基(Z)の炭素数は2以上であることが好ましく、より好ましくは2〜12であり、さらに好ましくは3〜6である。残基(Z)は炭化水素のみからなる残基に限定されず、ヘテロ原子を含む残基、例えばエーテル結合を有する残基であっても良い。aは置換基(O−(AO)n −R)の数で、2〜12であり、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、界面活性能の面からは、炭素数2のオキシエチレン基が好ましい。nは、a個の置換基(O−(AO)n −R)1個あたりのオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜50であり、好ましくは3〜30である。平均付加モル数(n)が50を超えると、エステル化物の粘性が高くなり、ろ過性が向上しないことがあるので好ましくない。
a個のRはそれぞれが同一あるいは異なってもよい炭素数6〜24の脂肪酸残基又は水素原子である。脂肪酸残基は脂肪酸由来のアシル基を示す。1分子中のエステルの数、すなわち脂肪酸残基の数は、2〜12の範囲内の任意の数値であり、最終製品の要求性能等によって適宜選択される。脂肪酸残基の炭素数は6〜24、好ましくは8〜22、より好ましくは12〜18である。炭素数が6より小さいと、臭気発生が悪化することがあるので好ましくない。また、炭素数が24より大きいと、エステル化物の粘性が高くなり、ろ過性が向上しないことがあるので好ましくない。脂肪酸残基の元となる脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸、直鎖脂肪酸、環状脂肪酸が挙げられ、これらの脂肪酸はヒドロキシ基等のヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。
次に、式(I)で示される化合物を製造するために用いられるポリオキシアルキレンポリオールおよび脂肪酸について説明する。ポリオキシアルキレンポリオールは、2個以上、好ましくは2〜12個の水酸基を有する。これら水酸基の一部又は全部は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を介して残基(Z)と結合している。
残基(Z)の元となる、水酸基を2個以上有する化合物(Z−[ OH]m、mは2以上)としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、ガラクチトールなどの多価アルコール;ジグリセリン、トリグリセリンなどのポリグリセリン;グルコース、メチルグルコシド、ショ糖、トレハロースなどの糖類が挙げられる。好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールであり、より好ましくは、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトールである。
オキシアルキレン基を介して残基(Z)と結合する水酸基の数(a)は2〜12であり、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。オキシアルキレン基を介して残基(Z)と結合する水酸基1個あたりのオキシアルキレン基の平均付加モル数(n)は1〜50であり、好ましくは3〜30である。
式(I)で示される化合物を製造するために用いられる脂肪酸は、置換基を有することがある、飽和又は不飽和の脂肪酸であり、炭素数が6〜24、好ましくは8〜22、より好ましくは12〜18である。脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、イソカプロン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、リグノセリン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカトリエン酸、エイコセン酸、エイコサジエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸残基が挙げられ、天然原料由来の混合脂肪酸であるヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等でもよい。これらの1種または2種以上を用いても良い。好ましくは、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸、ヘキサデカン酸、パルミチン酸、オクタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、より好ましくは、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸である。
ポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸とをエステル反応させる際に用いる酸触媒としては、無機酸又は有機酸が挙げられ、例えば、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、酢酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸などのスルホン酸が挙げられ、好ましくは硫酸、燐酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸であり、より好ましくは、メタンスルホン酸およびトルエンスルホン酸である。これらの酸触媒から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。酸触媒の使用量は、特に限定はしないが、原料となるポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸の全量に対して、0.01〜5質量%、言い換えればポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸の全量100質量部に対して、0.01〜5質量部である。
反応温度は、特に限定はしないが、臭気発生を抑えるためには、80〜160℃が好ましく、より好ましくは100〜140℃である。また、反応性を向上させるために、窒素など不活性ガスを吹き込みながら減圧状態にて反応させることが好ましい。圧力は、特に限定はしないが、−0.088MPa以上の減圧(100mmHg以下)とすることが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸の仕込み量や反応時間は、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基数、反応生成物であるエステル化物のエステル化率等を考慮して、適宜設定することができる。
〔工程(A)〕
エステル反応が終了した後に、エステル化物を含む反応系に対して工程(A)を行なう。工程(A)は、ろ過性を向上させるための必須工程であり、反応系に対して、酸化マグネシウムを混合させ、加熱処理する工程である。
混合させる酸化マグネシウムは、粒度500μm以下が95質量%以上、好ましくは98質量%以上、かつ粒度75μm以下が10質量%以下、好ましくは8質量%以下の粒度分布を持つ。
このような粒度分布を持つ酸化マグネシウムとしては、市販のものでは、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製)が挙げられる。上記粒度分布の条件を満たさないもの、例えば、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製;粒度75μm以下が99.7質量%以上)では、ろ過速度の向上がみられず、好ましくない。
酸化マグネシウムの使用量は、特に限定はしないが、反応生成物であるエステル化物に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。使用量が0.01質量%より少ないと、酸触媒を吸着する能力が低下し、また臭気発生を抑える効果が劣ることがあるので、好ましくない。また、使用量が10質量%よりも多いと、ろ過性を悪化させてしまうことがあり、好ましくない。
工程(A)では、酸化マグネシウムによる酸触媒の吸着を促進するために、加熱処理が行なわれる。加熱処理の温度は、特に限定はしないが、60〜130℃であり、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜110℃である。温度が60℃より低いと、酸触媒を吸着する能力が低下し、ろ過後の臭気発生を抑える効果が劣る場合があり好ましくない。温度が130℃より高いと、マグネシウムの溶出を促進してしまう可能性があり好ましくない。
加熱処理時間は、特には限定しないが、通常は、0.5〜2時間程度である。加熱処理に際しては、不活性ガスを吹き込みながら常圧で処理する方法や、加圧もしくは減圧条件下で処理する方法を採用することができる。
〔工程(B)〕
上記の工程(A)が終了した後に、反応系に対して工程(B)を行なう。工程(B)は、酸味臭や脂肪酸臭等の臭気の発生を抑えるための必須工程であり、水が存在する反応系に対して、合成吸着剤を混合させ、加熱処理する工程である。
反応系に存在させる水量は、反応生成物であるエステル化物に対して、1〜50質量%、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは1〜10質量%である。水量が1質量%より少ないと、臭気抑制に効果的ではない可能性があり、50質量%よりも多いと、生産効率が低下するばかりか、本処理中にエステル化物の加水分解が生じる可能性があり好ましくない。
工程(B)で用いる合成吸着剤は、酸化マグネシウム成分が50〜90質量%、好ましくは60〜80質量%、酸化アルミニウム成分が10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%からなる複合金属酸化物を含む合成吸着剤である。この複合金属酸化物は、焼成活性化されていることが好ましい。焼成活性化に際しては、温度200〜1000℃で2〜6時間処理することが一般的である。この焼成活性化された複合金属酸化物を含む合成吸着剤は、脱水剤としても使用できるものである。この焼成活性化された合成吸着剤は、乾燥減量が1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。なお、乾燥減量は、110℃における2時間経過後の合成吸着剤の質量減少率で表され、合成吸着剤の分子中に含まれる水分量を示す。このような焼成活性化された合成吸着剤の市販品としては、例えば、協和化学工業(株)製のキョーワード2000が挙げられる。
合成吸着剤の使用量は、特に限定はしないが、反応生成物であるエステル化物に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。使用量が0.01質量%より少ないと、臭気発生の抑制に効果的ではないので好ましくない。また、使用量が10質量%を超えると、ろ過性が悪化する可能性があるので好ましくない。
工程(B)では、臭気を効果的に低減させるために、加熱処理が行なわれる。加熱処理の温度は、特に限定はしないが、60〜100℃であり、好ましくは70〜100℃、より好ましくは80〜100℃である。温度が60℃より低いと、臭気を効果的に低減させるには不十分である。
処理時間は、特には限定しないが、通常は、0.5〜3時間程度である。加熱処理に際しては、不活性ガスを吹き込みながら常圧で処理する方法や、加圧もしくは減圧条件下で処理する方法を採用することができる。
工程(A)では、固体塩基である酸化マグネシウムを使用することによって、効果的に酸触媒および未反応の脂肪酸を吸着する。一方、工程(B)では、特定の合成吸着剤を使用することによって、臭気発生源の物質を吸着するので、臭気発生を抑えるという観点では、工程(A)の前に、工程(B)の処理を行うことも想定できる。しかし、後述の比較例2に示すように、工程(A)の前に、工程(B)の処理を行うと、求めるろ過性や生成物の透明性が得られない。なお、比較例2で用いた吸着剤をシリカ・マグネシア系化合物、ゼオライト、活性白土等の他の吸着剤に変更した場合も、比較例2と同様に、求めるろ過性や生成物の透明性が得られない。したがって、本発明においては、工程(A)の後に、工程(B)を行うことが必須要件である。
〔工程(C)〕
工程(C)は、反応系をろ過処理する工程であり、工程(A)および工程(B)で使用した酸化マグネシウムおよび合成吸着剤を回収する工程である。ろ過処理は、加圧もしくは減圧ろ過のいずれでも構わない。ろ過温度は、特に限定はしないが、通常は60〜100℃である。また、必要に応じてろ過助剤を用いることで、ろ過性を向上させることができる。ろ過助剤としては、特に限定はしないが、珪藻土を用いることが好ましい。
工程(C)の処理に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、脱色処理、脱水脱溶剤処理、吸着剤処理、水蒸気脱臭処理、イオン交換樹脂や活性炭などでの精製処理を行うことができる。
本発明によって得られるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルは、生成物の透明性が良好であり、臭気発生が抑えられているので、医薬部外品や化粧品の原料として好適に使用することができ、例えばクレンジング料や乳化化粧料への配合が好適である。
以下、実施例1〜3および比較例1〜7を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例および比較例におけるろ過条件、測定・評価条件は以下の通りである。
〔ろ過条件〕
ろ過器:アドバンテック東洋(株)製、ジャケット・撹拌台座付タンクホルダー、KST−142−JA
ろ過温度:80℃の温水を循環させた。
ろ過圧力:0.2MPa(ゲージ圧)の窒素で加圧した。
ろ紙:東洋濾紙(株)製、定量濾紙:No.5C
ろ過助剤:オプライト鉱業(株)製、15gのオプライトW−3050をろ紙上に敷いた。
〔水酸基価〕
ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は、JIS K1557−1:2007(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)に準じて測定した。
〔粒度分布測定〕
工程(A)で使用する酸化マグネシウムの粒度分布は、ロータップ型ふるい振盪機を用い、500μmおよび75μmの網目のふるいを用いて測定した。100gの試料をふるいにかけ、ふるい通過分がA(g)であるとき、ふるい残分=100−A(質量%)として算出した。
〔臭気評価方法〕
工程(C)でろ過して得られたろ液について、10名のパネラーを用いて官能評価を行い、下記の基準で評価した。
○○:酸味臭および脂肪酸臭を感じない人8名以上。
○:酸味臭および脂肪酸臭を感じない人6〜7名。
×:酸味臭および脂肪酸臭を感じない人3〜5名。
××:酸味臭および脂肪酸臭を感じない人2名以下。
〔透明度〕
工程(C)でろ過して得られたろ液を100℃で2時間窒素バブリングした後の100℃における性状を目視して判断し、下記の基準で評価した。
○:透明で析出物がない。
×:わずかな析出物が生じている。
〔実施例1:ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの製造〕
水酸基価が225mgKOH/gであるポリオキシエチレン(30モル)ソルビトール684g、オレイン酸(日油(株)製、エキストラオレイン)516gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製、粒度500μm以下が99.9質量%、粒度75μm以下が1.7質量%)を6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水60g(エステル化物に対して約5質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートを1112g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は44mgKOH/gであった。
〔比較例1:ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの製造〕
水酸基価が225mgKOH/gであるポリオキシエチレン(30モル)ソルビトール684g、オレイン酸(日油(株)製、エキストラオレイン)516gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製、粒度75μm以下が99.9質量%以上の酸化マグネシウム)を6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水60g(エステル化物に対して約5質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートを1105g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は44mgKOH/gであった。
〔比較例2:ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの製造〕
水酸基価が225mgKOH/gであるポリオキシエチレン(30モル)ソルビトール684g、オレイン酸(日油(株)製、エキストラオレイン)516gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、水60g(エステル化物に対して約5質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
引き続き、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製、粒度500μm以下が99.9質量%、粒度75μm以下が1.7質量%)を6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートを1085g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は44mgKOH/gであった。
〔比較例3:ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの製造〕
水酸基価が225mgKOH/gであるポリオキシエチレン(30モル)ソルビトール684g、オレイン酸(日油(株)製、エキストラオレイン)516gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、水60g(エステル化物に対して約5質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートを1154g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は44mgKOH/gであった。
〔比較例4:ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの製造〕
水酸基価が225mgKOH/gであるポリオキシエチレン(30モル)ソルビトール684g、オレイン酸(日油(株)製、エキストラオレイン)516gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製、粒度500μm以下が99.9質量%、粒度75μm以下が1.7質量%)を6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートを1150g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は44mgKOH/gであった。
〔比較例5:ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの製造〕
水酸基価が225mgKOH/gであるポリオキシエチレン(30モル)ソルビトール684g、オレイン酸(日油(株)製、エキストラオレイン)516gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製;粒度500μm以下が99.9質量%、粒度75μm以下が1.7質量%)を6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水60g(エステル化物に対して約5質量%に相当)およびキョーワード1000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム35質量%、酸化アルミニウム20質量%、乾燥減量3.7質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートを1132g得た〔工程(C)〕。水酸基価は44mgKOH/gであった。
実施例1および比較例1〜5でそれぞれ得られたポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートの評価結果を表1に示す。なお、表1中、POE(30)はポリオキシエチレン(30モル)を表す。
Figure 0005125691
〔ポリオキシエチレン(30モル)ソルビトールテトラオレートでの比較〕
比較例1では、工程(A)において、粒度75μm以下が99.9質量%以上の酸化マグネシウムを使用している。そのため、臭気抑制および透明度は良好であるが、ろ過性は、実施例1や他の比較例よりも劣っていた。
比較例2では、工程(A)を実施する前に、工程(B)を実施している。そのため、工程(A)の酸化マグネシウム処理による効果が得られず、透明度およびろ過性において実施例1よりも劣っていた。
比較例3では、工程(A)の酸化マグネシウム処理を実施していない。そのため、透明度およびろ過性において実施例1よりも劣っていた。
比較例4では、工程(B)の吸着剤処理を実施していない。そのため、実施例1に比べて、臭気が著しく悪化した。
比較例5では、工程(B)において、本発明で規定する要件を満たさない合成吸着剤を使用している。そのため、臭気抑制のみならず透明度も実施例1よりも劣っていた。
〔実施例2:ポリオキシエチレン(60モル)グリセリンモノイソステアレートの製造〕
水酸基価が62mgKOH/gであるポリオキシエチレン(60モル)グリセリン1087g、イソステアリン酸(コグニス・ジャパン(株)製、EMERSOL874)113gに対して、パラトルエンスルホン酸6g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095M Paの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製、粒度500μm以下が99.9質量%、粒度75μm以下が1.7質量%)を8g(エステル化物に対して約0.7質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水120g(エステル化物に対して約10質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(60モル)グリセリンモノイソステアレートを1094g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は37.6mgKOH/gであった。
〔比較例6:ポリオキシエチレン(60モル)グリセリンモノイソステアレートの製造〕
水酸基価が62mgKOH/gであるポリオキシエチレン(60モル)グリセリン1087g、イソステアリン酸(コグニス・ジャパン(株)製、EMERSOL874)113gに対して、パラトルエンスルホン酸6g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製、粒度75μm以下が99.9質量%以上の酸化マグネシウム)を8g(エステル化物に対して約0.7質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水120g(エステル化物に対して約10質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)6g(エステル化物に対して約0.5質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(60モル)グリセリンモノイソステアレートを1145g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は37.6mgKOH/gであった。
実施例2および比較例6でそれぞれ得られたポリオキシエチレン(60モル)グリセリンモノイソステアレートの評価結果を表2に示す。なお、表2中、POE(60)はポリオキシエチレン(60モル)を表す。
Figure 0005125691
〔ポリオキシエチレン(60モル)グリセリンモノイソステアレートでの比較〕
比較例6では、工程(A)において、粒度75μm以下が99.9質量%以上の酸化マグネシウムを使用している。そのため、臭気抑制および透明度は良好であるが、ろ過性は、実施例2よりも劣っていた。
〔実施例3:ポリオキシエチレン(14モル)ジイソステアレートの製造〕
水酸基価が182mgKOH/gであるポリオキシエチレン(14モル)624g、イソステアリン酸(コグニス・ジャパン(株)製、EMERSOL874)575gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、酸化マグネシウム(細粒状)(協和化学工業(株)製、粒度500μm以下が99.9質量%、粒度75μm以下が1.7質量%)を8g(エステル化物に対して約0.7質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水100g(エステル化物に対して約8質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)10g(エステル化物に対して約0.8質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(14モル)ジイソステアレートを1123g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は5.0mgKOH/gであった。
〔比較例7:ポリオキシエチレン(14モル)ジイソステアレートの製造〕
水酸基価が182mgKOH/gであるポリオキシエチレン(14モル)624g、イソステアリン酸(コグニス・ジャパン(株)製、EMERSOL874)575gに対して、パラトルエンスルホン酸12g、ホスフィン酸ナトリウム1.2gを添加し、140℃、−0.095M Paの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら10時間反応させた。
引き続き、キョーワマグ150(協和化学工業(株)製、粒度75μm以下が99.9質量%以上の酸化マグネシウム)を8g(エステル化物に対して約0.7質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、撹拌しながら1時間処理した〔工程(A)〕。
引き続き、水100g(エステル化物に対して約8質量%に相当)およびキョーワード2000(協和化学工業(株)製、酸化マグネシウム70質量%、酸化アルミニウム30質量%、乾燥減量0.8質量%)10g(エステル化物に対して約0.8質量%に相当)添加し、90℃、−0.095MPaの減圧(50mmHg)にて窒素気流下、脱水を2時間行った〔工程(B)〕。
その後、ろ過してポリオキシエチレン(14モル)ジイソステアレートを1056g得た〔工程(C)〕。その水酸基価は5.0mgKOH/gであった。
実施例3および比較例7でそれぞれ得られたポリオキシエチレン(14モル)ジイソステアレートの評価結果を表3に示す。なお、表3中、POE(14)はポリオキシエチレン(14モル)を表す。
Figure 0005125691
〔ポリオキシエチレン(14モル)ジイソステアレートでの比較〕
比較例7では、工程(A)において、粒度75μm以下が99.9質量%以上の酸化マグネシウムを使用している。そのため、臭気抑制および透明度は良好であるが、ろ過性は、実施例3よりも劣っていた。
このように、本発明の実施例1〜3では、臭気抑制および透明度は良好であり、なおかつろ過性が向上することが示された。これに対して、本発明の要件を満たさない比較例1〜7では、臭気抑制、透明度およびろ過性の全てが良好であるものはなかった。

Claims (2)

  1. ポリオキシアルキレンポリオールと脂肪酸とを酸触媒下でエステル反応させて、下記式(I)で示されるポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルを製造する方法において、エステル反応終了後、下記(A)、(B)および(C)の各工程を順次行なうことを特徴とするポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルの製造方法。
    Z−[ O−(AO)n −R]a ・・・(I)
    (式中、Zは水酸基を2個以上有する化合物から水酸基をa個除いた残基であり、aは2〜12であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜50であり、a個のRはそれぞれが同一あるいは異なってもよい炭素数6〜24の脂肪酸残基又は水素原子である。)
    (A)反応系に対して、粒度500μm以下が95質量%以上かつ粒度75μm以下が10質量%以下の粒度分布を持つ酸化マグネシウムを混合させ、加熱処理する工程;
    (B)水が存在する反応系に対して、酸化マグネシウム成分を50〜90質量%、酸化アルミニウム成分を10〜50質量%含み、乾燥減量が1.5質量%以下である合成吸着剤を混合させ、加熱処理する工程;
    (C)反応系をろ過処理する工程。
  2. 前記式(I)において、AOがオキシエチレン基であることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステルの製造方法。
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