JP5125026B2 - 研削材、研削材の製造方法及び研削材製造装置 - Google Patents

研削材、研削材の製造方法及び研削材製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、研削材、研削材の製造方法及び研削材製造装置に関する。更に詳しくは、スラグ粒を用いた研削材、研削材を製造する製造方法及び研削材を製造する製造装置に関する。
製鋼スラグは、各種金属材料の精錬時などに原料の10〜30質量%も生成される場合がある。このため製鋼スラグを有効活用する方法が従来より種々検討されている。なかでも、製鋼スラグを細粒化して利用することが考えられており、増量材や研削材等として用いられる。スラグ粒を用いた研削材としては下記特許文献1が知られている。また、スラグ粒を製造する方法及びその装置については、下記特許文献2が知られている。
このうち特許文献1には、スピネル及びフォルステライトが析出された研削材と、この研削材を空気により吹き飛ばして製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、風砕したスラグを、水を冷媒として用いた冷却器内で旋回させながら冷却した後、回収容器で回収する方法及びその設備が開示されている。
特開平11−58243号公報 特開2004−238233号公報
一般に非晶質のものと結晶質のものとを比較すると、機械的強度(硬度及び圧壊強度など)は結晶質のものの方が高い。このため、従来、製鋼スラグ等を用いて製造される研削材においても、結晶相を析出させることにより研削材としての機械的強度が得られるものと考えられている。上記特許文献1に開示された研削材は、スピネル及びフォルステライトの両結晶相を析出させたものであり、結晶を有することにより優れた強度が得られた研削材である。特許文献1には非晶化については言及も示唆もなされていない。また、このための製造方法及び製造装置についても言及も示唆もされていない。
上記特許文献2には、機械的強度が高いスラグ粒を得る方法及びそのため装置的な工夫はなされておらず、また、言及も示唆もない。このため、風砕を行った直後から水冷され、冷却器内においても旋回させながら長時間にわたって水冷され、更には、回収容器内にも水冷設備を備えてもよい構成となっている。しかし、このように水と長時間にわたって接触され、更には、スラグ粒の広い温度範囲にわたって水と接触されると、スラグ粒は過度な冷却により脆くなり十分な機械的強度を備えることができないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、機械的強度に優れた研削材、研削材の製造方法及び研削材製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、スラグの細粒化についての検討を行う過程で、急激な冷却を行うとスラグ粒が非晶質化され、結晶化されたスラグ粒に比べて機械的強度が劣ると当初考えた。しかし、実際にはある一貫した工程(手段)を備え、特に水冷後の水切りを早く且つ確実に行うことで、十分に急速な冷却を行ったとしても、結晶化されたスラグ粒と変わらない機械的強度を有するが非晶質であるスラグ粒が得られることが分かった。更に、このようなスラグ粒を高効率且つコンパクトな装置で連続的に製造できることを知見した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明は以下のとおりである。
(1)非晶質であり、平均粒径が5mm以下であり、
且つ、FeをFeO換算で5質量%以下、SiをSiO換算で25〜45質量%、AlをAl換算で5〜25質量%、CaをCaO換算で20〜35質量%、及びMgをMgO換算で5〜20質量%含有するスラグ粒からなることを特徴とする研削材。
(2)製鋼スラグを用いた請求項1に記載の研削材の製造方法であって、
該溶融された製鋼スラグを風砕して風砕スラグを形成する風砕工程と、
風砕された該風砕スラグを下方へ落下させつつ、水を吹き付けて、該風砕スラグを冷却する冷却工程と、
該風砕スラグを搬送しながら上記冷却に用いられた水を該風砕スラグから脱水する脱水搬送工程と、を備えることを特徴とする研削材の製造方法。
(3)上記冷却工程は、風砕スラグを3m以上にわたって落下させながら、放水により該風砕スラグを冷却する工程である上記(2)に記載の研削材の製造方法。
)製鋼スラグから上記(1)に記載の研削材を製造する研削材製造装置であって、
溶融された製鋼スラグを風砕して風砕スラグを形成する風砕手段と、
該風砕スラグを下方へ落下させつつ、水を吹き付けて、該風砕スラグを冷却する冷却手段と、
該風砕スラグを搬送しながら上記冷却に用いられた水を該風砕スラグから脱水する脱水搬送手段と、を備えることを特徴とする研削材製造装置。
)上記風砕手段は、中心部に向かって気体を放出できるように放射状に配置された複数のノズルを有するリングノズルを有する上記()に記載の研削材製造装置。
)上記冷却手段は、上記風砕スラグが3m以上にわたって落下される内部空間を有するチャンバーと、
該チャンバー内を落下する該風砕スラグに向かって放水する放水手段と、を備える上記()又は()に記載の研削材製造装置。
)上記脱水搬送手段は、少なくとも一部が、上記風砕スラグが通過されない間隔で並べられたウェッジワイヤを備えるウェッジワイヤスクリーンからなる上記()乃至()のうちのいずれかに記載の研削材製造装置。
)発生された振動を上記ウェッジワイヤスクリーンへ伝達する振動発生手段を備え、
該ウェッジワイヤスクリーンは、振動により上記脱水を行いながら上記風砕スラグの搬送を行う上記()に記載の研削材製造装置。
本発明の研削材によれば、優れた機械的強度、特に硬度及び圧壊強度を有するために、研削処理時の衝撃により研削材が粉砕されることが大幅に抑制される。このため、繰り返し使用でき、リサイクル性に優れる。
本発明の研削材の製造方法によれば、機械的強度に優れた研削材を製造できる。特に連続的に製造でき、更には、小さなスペースで製造することができる。
風砕スラグを下方へ落下させながら、放水により冷却する冷却工程を有する場合は、平面方向に大きなスペースを使用する必要がなく、小さなスペースで機械的強度に優れたスラグ粒を安定して製造できる。
本発明の研削材製造装置によれば、機械的強度に優れた研削材を製造できる。特に連続的に製造でき、更には、小さなスペースに装置を収めることができる。
風砕手段が、リングノズルを有する場合は、より効率よく、安定した形状の研削材を製造できる。また、より球形状に近く機械的強度に優れた研削材を安定して得ることができる。
冷却手段が、風砕スラグが落下される内部空間を有するチャンバーと、チャンバー内を下方へ落下する風砕スラグに向かって放水する放水手段と、を備える場合は、適度な冷却を小さなスペースにおいても行うことができる。このため、高効率に機械的強度に優れる研削材を製造できる。
脱水搬送手段の少なくとも一部がウェッジワイヤスクリーンからなる場合は、連続的に研削材を製造できる。また、効率よく脱水と除熱が行われつつ、過冷却が防止されることにより機械的強度に優れた研削材を安定して製造できる。
振動発生手段を備える場合は、更に効率よく脱水と除熱が行われ、上記優れた特性を有する研削材をより安定して製造できる。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]研削材
本発明の研削材は、非晶質であり、平均粒径が5mm以下であり、且つ、FeをFeO換算で5質量%以下、SiをSiO換算で25〜45質量%、AlをAl換算で5〜25質量%、CaをCaO換算で20〜35質量%、及びMgをMgO換算で5〜20質量%含有するスラグ粒からなることを特徴とする。
上記「非晶質」とは、表面部及び内部の両方においてX線回折測定により結晶ピークが認められないことを意味する。即ち、X線回折測定により得られるチャートには非晶質に特有のハロー図形が認められる。
上記「平均粒径」は、5mm以下である。平均粒径が5mmを超える場合は、通常、研削材として用いられない。この平均粒径は、0.05〜4.0mmが好ましく、0.1〜3.0mmがより好ましく、0.2〜2.0mmが特に好ましい。
上記Feは、FeO換算で5質量%以下(好ましくは0.1〜2質量%)である。5質量%を超えると得られるスラグ粒の硬度が低下する傾向にあり好ましくない。上記Siは、SiO換算で25〜45質量%(好ましくは28〜40質量%)である。25質量%未満又は45質量%を超えると溶融スラグ(風砕スラグ)の粘度が増して風砕時に繊維状となる傾向にあり好ましくない。上記Alは、Al換算で5〜25質量%(好ましくは8〜15質量%)である。5質量%未満又は25質量%を超えると得られるスラグ粒の硬度が低下し、また、スラグの融点が過度に高くなる傾向にあり好ましくない。Caは、CaO換算で20〜35質量%(好ましくは30〜32質量%)である。20質量%未満又は35質量%を超えると溶融スラグ(風砕スラグ)の粘度が増して風砕時に繊維状となり易く、また、スラグの融点が過度に高くなる傾向にあり好ましくない。Mgは、MgO換算で5〜20質量%(好ましくは10〜13質量%)である。5質量%未満又は20質量%を超えるとスラグの融点が過度に高くなる傾向にあり好ましくない。この研削材は、特に上記Ca(通常、CaOが含有される)が比較的多く含有されるものである。このため高強度及び高硬度の研削材とすることができるものと考えられる。
本発明の研削材を構成するスラグ粒のビッカース硬度は650Hv以上(特に680〜900Hv、更には700〜850Hv)とすることができる。
更に、研削材を構成する1粒のスラグ粒の圧壊強度は20kg以上(特に30〜70kg、更には45〜60kg)とすることができる。
[2]研削材の製造方法
本発明の研削材の製造方法は、溶融された製鋼スラグ(以下、単に「溶融スラグ」ともいう)を用いた研削材の製造方法であって、該溶融された製鋼スラグを風砕して風砕スラグを形成する風砕工程と、風砕された該風砕スラグを下方へ落下させつつ、水を吹き付けて、該風砕スラグを冷却する冷却工程と、該風砕スラグを搬送しながら上記冷却に用いられた水を該風砕スラグから脱水する脱水搬送工程と、を備えることを特徴とする。
上記「風砕工程」は、溶融スラグを風砕して風砕スラグを形成する工程である。風砕は、気体を用いて粉砕することを表し、通常、ノズルから放出された気体前に溶融スラグを供給して行う。この際に用いるノズルの形状及び数等は特に限定されない。即ち、例えば、中心部に向かって気体が放出されるように放射状に配置された複数のノズルを有するリングノズル、中心部に向かって気体が放出されるように対向して配置された複数のノズルを有する平行ノズル等が挙げられる。これらのなかでは、上記リングノズルが好ましい。リングノズルは放射状に全周にわたってノズルを均等な配置で備えることができ、溶融スラグをより均一に細粒化でき、均質で優れた機械的強度を有するスラグ粒子を得る目的において効果的である。
このリングノズルに設けられるノズル(気体放出口)の数は特に限定されないが、通常、20〜100本であり、20〜70本が好ましく、30〜60本がより好ましい。この範囲ではより安定した風砕を行うことができる。
また、各ノズルの中心部に対する角度α(図2参照)も特に限定されないが、溶融スラグの落下方向(通常、地面に対して垂直方向)に対して、通常、5〜45度の角度であり、15〜35度が好ましく、20〜30度がより好ましい。この範囲であれば、溶融スラグを風砕し易い。また、風砕されたスラグ粒子の上方へのハネ上がりを防止でき、更に、まだ高温状態にあるスラグ粒子同士がくっつくことを抑制し易い。
更に、ノズルからの気体放出圧力は特に限定されないが、通常、1本のノズルあたり3〜25kgf/cmであり、5〜23kgf/cmが好ましく、7〜20kgf/cmがより好ましい。この範囲では特に小径のスラグ粒を形成し易く、また、風砕スラグがチャンバー内壁等に衝突されて得られるスラグ粒の形状が崩れることを抑制できる。
また、上記気体の放出量は特に限定されないが、落下される風砕スラグの量及び粒子径等によって適宜とすることが好ましいが、例えば、溶融スラグ量が60分あたりに2000〜4000kg(更には2500〜3000kg)であれば気体放出量は60分あたりに600〜6000キロリットル(より好ましくは800〜4000キロリットル、更に好ましくは1250〜3500キロリットル)とすることが好ましい。また、風砕に用いる上記気体の種類は特に限定されず、各種の気体を用いることができるが、装置を簡便な構造とするために空気を用いることが好ましい。
また、用いる溶融スラグの温度は特に限定されないが、本発明で用いるスラグは、通常、1150〜1600℃(より好ましくは1200〜1550℃、更に好ましくは1300〜1500℃)であることが好ましい。更に、用いる製鋼スラグはどのようなスラグであってもよい。例えば、各種炉で金属の溶解を行った際に得られるスラグが含まれる。上記炉はどのような炉であってもよく、電気炉及び溶解炉等が含まれる。更に、上記金属はどのような金属であってもよく、スクラップ金属及び鉱石等が含まれる。即ち、例えば、スクラップ金属の溶解時に生じるスクラップ熔解スラグ、ステンレス鋼精錬スラグ、合金鋼精錬スラグ、特殊鋼精錬スラグ、及び一般鋼精錬スラグ等が挙げられる。これらのなかでも得られるスラグ粒を研削材として用いる場合はステンレス鋼精錬スラグ及びスクラップ溶解スラグが好ましい。なかでもステンレス鋼精錬スラグから得られるスラグ粒は特に優れた硬度と優れた圧壊強度とを併せ有しているからである。
上記「冷却工程」は、風砕された風砕スラグを下方に落下させつつ、水を吹き付けて、風砕スラグを冷却する工程である。この冷却工程を行うことで風砕スラグを適度に冷却できる。即ち、通常、この冷却工程によれば、風砕スラグの外表面部は冷却されても、芯部までは冷却されない状態で、風砕スラグを脱水搬送工程へ送ることができる。即ち、通常、本発明で用いるスラグの熱伝導率は0.3〜2W/(m・K)程度である。従って、過度な冷却によって風砕スラグが崩壊されることなく、また、過度に長い放冷工程を要したり、再熱処理工程を要したりといった製造方法の複雑化や装置の大型化などを招かない。
一般に冷却工程で行う冷却方法としては、水冷及び空冷等が考えられる。本発明の方法では水冷を用いる。研削材であるスラグ粒の製造においては、空冷(自然放熱、気体吹き付け等)のみでは冷却効率が十分に得られず、除熱のために多大な空間(特に大きな面積や長い冷却距離)を要することとなる。しかし、本発明の方法では、小さなスペースで十分な冷却効果を得ることができる。
また、水冷を行う場合には、本発明における冷却方法以外にも、省スペース化できる方法としてチャンバー内に貯水された水に風砕スラグを落下させる方法も考えられる。しかし、この方法では、過度に急速な冷却がなされるために風砕スラグが崩壊してしまう(変形及び割れを生じ易い)。これに対して、本発明の方法では、適度な冷却を行うことができ、風砕スラグを崩壊させることがない。更に、水中を通過せず、また、垂直下方へ気体中を落下されるために風砕スラグの形状をより球形状に近い形に形成し易い。従って、高い機械的強度を発揮できる形状を保持し易い。
更に、水に風砕スラグを落下させる方法では、チャンバー内に水を貯留するためにチャンバー下端を閉じる必要があり、スラグ粒の製造はバッチ式で行うこととなる。これに対して、本発明の方法では、チャンバーを開放した状態で使用でき、連続的に研削材であるスラグ粒を製造でき、高い製造効率を発揮できる。特に連続稼働されている製鋼施設等においては、粉末化する前のスラグを保管するコストを削減できる等のメリットがある。
上記冷却工程を行う際の落下距離は、特に限定されないが、通常、3m以上(好ましくは4〜10m、更に好ましくは4.5〜8m、特に好ましくは5〜7m、通常40m以下)である。落下距離がこの範囲であれば、冷却不足を防止しつつ、小さなスペースで冷却を行うことができる。従って、装置をコンパクトに保ちつつ、優れた機械的強度を有する研削材であるスラグ粒を高効率に製造できる。
また、水の吹き付け量は特に限定されないが、通常、風砕されたスラグ粒1kgに対して、水0.8リットル以上(好ましくは0.3〜1.2リットル、更に好ましくは0.5〜1.0リットル)を用いることが好ましい。
また、水の吹き付け方向は特に限定されず、落下される風砕スラグに対して垂直方向に側方から吹き付けてもよく、落下される風砕スラグに対して水平に上方から下方へ吹き付けてもよく、落下される風砕スラグに対して水平に下方から上方へ吹き付けてもよい。これらのなかでは側方から及び下方から上方へ吹き付けることが好ましい。対向流とすることで、優れた冷却効果が得られ、また、風砕スラグがチャンバー内に滞留される時間を長くすることができるからである。
上記「脱水搬送工程」は、冷却工程を経た風砕スラグを搬送しつつ、冷却工程で付着された水を風砕スラグから除去する工程である。この脱水搬送工程により、風砕スラグから水が除去(完全な除去であってもなくてもよい)され、更に熱が放散される。この脱水搬送工程では、上記冷却工程から送られた風砕スラグは、通常、まだ水を気化させるのに十分な熱を有しているため、脱水される水の一部は気化により除去されることとなる。このため、脱水搬送工程では風砕スラグの熱の一部は水の気化熱によっても除去されているものと考えられる。即ち、前記冷却工程からこの脱水搬送工程へ送られる風砕スラグの温度は特に限定されないが、通常、800℃以上(好ましくは800〜1200℃)であることが好ましいものと考えられる。
また、この脱水搬送工程を経た後に回収されるスラグ粒の温度は70℃以上(より好ましくは80〜800℃、更に好ましくは85〜500℃、特に好ましくは90〜200℃、とりわけ100〜150℃)であることが好ましい。この範囲では、得られるスラグ粒を非晶質に保持でき、特に優れた機械的強度を有するスラグ粒を得ることができる。この脱水搬送工程における搬送時間、即ち、放熱時間は特に限定されないが、通常、0.5〜10分(好ましくは0.5〜3分、より好ましくは1〜2分)である。この範囲では、特に優れた機械的強度を有するスラグ粒を得ることができる。
本発明の研削材の製造方法では、上記の風砕工程、冷却工程、及び脱水搬送工程以外にも他の工程を備えることができる。他の工程としては、摩砕工程及び分別工程等が挙げられる。
上記摩砕工程(整粒工程)は、脱水搬送工程を経て得られた風砕スラグ同士を擦り合わせる工程である。この摩砕工程を行うことにより、十分に冷却される前に複数の風砕スラグ同士が連結されてなる等した異形風砕スラグをより球形状に近い形へ成形することができる。即ち、異形風砕スラグの連結部から粒子状に分割されて正常な粒形に成形することができる。例えば、針状、ウィスカー状及びなみだ形の風砕スラグを摩砕することで、完成品のスラグ粒の形状をより球形状に近づけることができる。
上記分別工程は、脱水搬送工程の後、摩砕工程を備える場合には摩砕工程の後、に設けることができる工程であり、得られたスラグ粒から目的とする形状及び/又は粒径のスラグ粒を分別する工程である。この工程では、通常、篩を用いて分別される。
[3]研削材製造装置
本発明の研削材製造装置は、溶融された製鋼スラグを風砕して風砕スラグを形成する風砕手段と、該風砕スラグを落下させつつ、水を吹き付けて、該風砕スラグを冷却する冷却手段と、該風砕スラグを搬送しながら上記冷却に用いられた水を該風砕スラグから脱水する脱水搬送手段と、を備えることを特徴とする。
上記「風砕手段」は、溶融スラグを風砕して風砕スラグを形成する手段である。この風砕はノズルから放出された気体を用いて行うものである。風砕に用いるノズルの形状及び数等は特に限定されない。即ち、例えば、中心部に向かって気体が放出されるように放射状に配置された複数のノズルを有するリングノズル、中心部に向かって気体を放出されるように対向して配置された複数のノズルを有する平行ノズル等が挙げられる。これらのなかでは、上記リングノズルが好ましい。このリングノズルについては、前記研削材の製造方法におけるリングノズルをそのまま適用できる。更に、このリングノズルの配設場所は特に限定されないが、省スペースのために後述するチャンバーの上端に配置されることが好ましい。
上記「冷却手段」は、風砕スラグを落下させつつ、水を吹き付けて、風砕スラグを冷却する手段である。従って、通常、上記風砕スラグを落下させるチャンバーと、風砕スラグに水を吹き付ける放水手段とを備える。チャンバーを備えることにより、風砕スラグを周囲の環境に影響されることなく落下させることができる。更に、放水手段による冷却効果も向上される。
このチャンバーの形状は特に限定されないが、通常、縦長形状である。縦長形状であることにより、落下距離を確保しつつ、省スペース化できる。この落下距離は、前述のように、通常、3m以上(好ましくは4〜10m、更に好ましくは4.5〜8m、特に好ましくは5〜7m、通常40m以下)である。従って、チャンバー内の空間も、通常、縦方向にこの距離を有する。横方向の形状(風砕スラグの落下方向の断面形状)は特に限定されず、円形であってもよく、矩形であってもよく、その他の形状であってもよいが、円形であることが好ましい。風砕スラグの回収効率に優れるためである。例えば、円形である場合(円形でない場合には内部の最大長)、その主部における内直径は1〜10m(より好ましくは2〜8m、更に好ましくは3〜6m)であることが好ましい。また、チャンバーの下端は脱水搬送手段へ向けて先窄まり形状部を有することが好ましい。更に、前述のようにチャンバーの下端は、脱水搬送手段に対して開放された状態であることが好ましい。これにより連続式でスラグ粒の製造を行うことができ、また、得られるスラグ粒の機械的強度を高く保つことができる。
上記放水手段は、風砕スラグに対して放水することができればよく、その形態及び大きさ等は特に限定されないが、この放水手段による放水は、上記風砕手段(例えば、リングノズルを用いる場合にはリングノズルの先端)から1〜10m(より好ましくは1.5〜7m、更に好ましくは2〜5m)である範囲で行われることが好ましい。一方、この放水は、脱水搬送手段までの距離が1〜10m(より好ましくは1.2〜5m、更に好ましくは1.3〜3m)である範囲で行われることが好ましい。過度に風砕手段に近接して設けられると風砕スラグ表面が凝固される前に水冷される過度な急冷となるため好ましくなく、また、過度に脱水搬送手段に近接して設けられると放水による冷却効果が十分に得られ難いからである。更に、放水を行う際の放水角度は特に限定されないが、風砕スラグの落下方向に対して20〜180度(より好ましくは60〜180度、更に好ましくは90〜180度)の角度範囲で放水されるように配設されていることが好ましい。
上記「脱水搬送手段」は、風砕スラグを搬送しながら冷却に用いられた水を風砕スラグから脱水する手段である。この脱水搬送手段は、脱水機能と搬送機能との両方を併せ有するため、スラグ粒を連続的に製造することができる。即ち、風砕された風砕スラグを落下させつつ水を吹き付けて冷却した後、キャビティー内に風砕スラグを濡れたままの状態で滞留させることがなく、引き続いて脱水が行われ、更には搬送される。このため、風砕スラグを過度に急激に冷却することがなく、優れた機械的強度を有するスラグ粒が得られることとなる。更にこのようなスラグ粒を安定的に効率よく連続的に製造できる。
また、上記脱水搬送手段における脱水機能及び搬送機能は、脱水搬送手段の全体にわたって備えられていてもよく(即ち、例えば、全体がウェッジワイヤスクリーンからなる場合)、一部のみが両機能を備え、他部は搬送機能のみを備えるものであってもよい(即ち、例えば、前部はウェッジワイヤスクリーンからなり、後部はスチールコンベア等の耐熱コンベアからなる場合)。後者のように、後部に搬送機能のみを備えた脱水搬送手段であっても、放熱されながら風砕スラグがこの段階で有している熱により水が蒸散され得るからである。通常、この脱水搬送手段において、風砕スラグがこの段階で有している熱により水を蒸散させることができない程度(例えば70℃未満)にまで既に冷却されている場合に比べて、この段階で水を蒸散させることができる程度(例えば80℃以上、好ましくは100℃以上)の温度を保持している場合は、より高い機械的強度を有するスラグ粒が得られる傾向にある。
この脱水搬送手段においては、冷却手段から移行された直後の風砕スラグでは800℃以上の温度が保持されていることが好ましい。更に、この脱水搬送手段では130〜600℃/分(より好ましくは150〜400℃/分、更に好ましくは180〜300℃/分、特に好ましくは180〜250℃/分)の速度で冷却(通常、放冷)されることが好ましい。この範囲では、十分な脱水及び冷却を行いつつ、より短い搬送距離とすることができ、製品品質と省スペース化とを特に効果的に両立させることができる。
また、前記のように脱水搬送手段が、後半部分に脱水機能を備えず、搬送機能を備える搬送部位を備える場合、この搬送部位は平面方向へ風砕スラグを搬送するものであってもよいが、上下方向へ搬送するものとすることができる。即ち、例えば、バケットコンベア等が挙げられる。これにより更に省スペース化を達することができる。
上記脱水搬送手段の形態は特に限定されないが、脱水搬送手段は、脱水搬送手段の少なくとも一部として、風砕スラグが通過されない間隔で並べられたウェッジワイヤを備えるウェッジワイヤスクリーンを備えることが好ましい。更に、一部のみにウェッジワイヤスクリーンを備える場合、ウェッジワイヤスクリーンは脱水搬送手段における先端側(冷却手段により近い側)に設けられることが好ましい。ウェッジワイヤスクリーンは、簡便な設備で脱水及び搬送を行うことができるからである。
このウェッジワイヤスクリーンに用いるウェッジワイヤの形態は特に限定されないが、目的とするスラグ粒の平均粒径が5mm以下である場合には、0.1〜4.0mm(好ましくは0.1〜1.0mm、更に好ましくは0.2〜0.5mm)のスクリーン間隔であるウェッジワイヤを用いることが好ましい。後工程で摩砕工程(整粒工程)を行わなくともより球形状に近いスラグ粒を得やすいからである。
上記ウェッジワイヤスクリーンを用いる場合、このウェッジワイヤスクリーンは脱水を振動により行うことができるものであることが好ましい。また、この振動により同時に風砕スラグを搬送できるものであることが好ましい。従って、脱水搬送手段は、振動発生手段を備え、発生された振動を上記ウェッジスクリーンへ伝達できるものであることが好ましい。
本発明の研削材製造装置は、風砕手段、冷却手段及び脱水搬送手段以外にも他の手段を備えることができる。他の手段としては、風砕手段に対して溶融スラグを適量ずつ送るための溶融スラグ貯留手段が挙げられる。この溶融スラグ貯留手段は、更に、貯留された溶融スラグが放冷されることを防止するためにバーナー及び/又はヒータ等の加熱手段を備えることができる。この溶融スラグ貯留手段としては、通常、タンディッシュが用いられる。タンディッシュの容量及び形状等は特に限定されないが、下方に溶融スラグを流下させることができる開口部を備えることが好ましい。更に、この開口部は、円形であり、且つ内直径が10〜50mm(より好ましくは12〜30mm、更に好ましくは14〜24)であることが好ましい。また、このタンディッシュの深さは50〜200cm(より好ましくは70〜150cm、更に好ましくは80〜120cm)であることが好ましい。更に、このタンディッシュからの溶融スラグの流出速度は、5〜40リットル/分(より好ましくは10〜30リットル/分、更に好ましくは15〜20リットル/分)とすることが好ましい。
また、他の手段としては、冷却手段において上記チャンバーを備え、更に、その下端が前述のように脱水搬送手段へ向けて先窄まり形状となっている場合(即ち、先窄まり形状部を有する場合)には、この先窄まり形状部に水冷されたスラグ粒子が滞留されることを防止するために、冷却手段が備える前記放水手段以外にも、先窄まり形状部の内壁面に沿って水を流下させることができる滞留防止放水手段を備えることができる。滞留防止放水手段の形態等は限定されないが、チャンバーの先窄まり形状部の上方(直上であってもよい)に、例えば、リング状に放水管を配置して滞留防止放水手段とすることができる。
更に、他の手段としては、脱水搬送手段で搬送される風砕スラグを更に冷却するために放水を行う搬送時放水手段を備えることができる。搬送時放水手段の形態等は限定されないが、例えば、脱水搬送手段(例えば、ウェッジワイヤースクリーン)に平行して放水管を配置することができる。
また、その他の手段としては、熱交換手段を備えることができる。熱交換手段は溶融スラグが風砕スラグとなる過程において研削材製造装置内で放出される熱を回収する手段である。熱回収手段の形態等は限定されないが、公知の各種熱回収器を研削材製造装置の各所(例えば、チャンバー部位、タンディッシュ部位等)に設けることにより熱回収手段とすることができる。熱回収手段を備えることにより排熱を効率的に利用でき、また冷却効率を向上させることもできる。
更に、その他の手段として、前記製造方法における摩砕工程を行うための摩砕手段を備えることができる。摩砕手段として、アイリッヒミキサー及びモルタルミキサー等の器機を利用することができる。更に、この摩砕手段の後に、前記製造方法を行うための分別手段を備えることができる。分別手段としては、振動篩及びモノレイヤー等の篩器機を利用することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[1]研削材製造装置
図1に示す研削材製造装置であって、図2に示す風砕手段近傍構造を有する研削材製造装置を用いて、研削材であるスラグ粒の製造を行った。
図1に示す研削材製造装置100は、風砕手段110と、冷却手段120と、脱水搬送手段130と、回収容器140と、を備える。更に、風砕手段110の前手段として溶融スラグ貯留手段(タンディッシュ)150を備える。また、この研削材製造装置は、そのほぼ全体が地下ピット内に配設されている(地下配設により作動音の外部漏出を抑制できる)。
上記溶融スラグ貯留手段150は、いわゆるタンディッシュである。このタンディッシュ150は、200cm×100cm×深さ100cmの直方体形状であり、底部には直径約18cmの開口部151が設けられ、溶融スラグを風砕手段へ供給できるようになっている。更に、タンディッシュ150内に貯留された溶融スラグの温度を調節できるバーナー152を備えている。また、塊状異物の流入を防止するために図示されない堰及びダンパーも備えている。
上記風砕手段(リングノズル)110は、45本のノズル111が中心部方向に向けて放射状に配列されたリングノズル(全形直径30cm)からなる。各ノズルの角度α(図2参照)は各々26〜27度に設定されている。
上記冷却手段120は、チャンバー121、放水手段126及び滞留防止放水手段128を備える。このうちチャンバー121は、直径が400cm且つ長さ4.3mの円筒部分122と、この円筒部分122から延設された下端直径が150cm且つ長さ1.4mの先窄まり部123とを有する筒形状(風砕手段直後からの風砕スラグの落下距離は5.7m)である。放水手段126は、放水ノズル127を備える。この放水ノズル127は上記チャンバー121の円筒部分122の中程(チャンバー上端から2〜3.5m位置)から放水ノズルがチャンバー内に露出されるように配設されている。また、この放水ノズルは、チャンバー121の中心方向に向けて放射状に12本が配設されている。更に、滞留防止放水手段128は、放水ノズル129を備える。この放水ノズル129は上記チャンバー121の先窄まり部123の上端付近から放水ノズルがチャンバー内に露出され、内壁にそって水が流下されるように放水できるように配設されている。
上記脱水搬送手段130は、逆三角形状のウェッジワイヤ131が0.2mmの間隙を持って配列された長さ3mのウェッジワイヤスクリーン132と、縦方向へ長さ12.5mバケットコンベア134とからなる。このうちウェッジワイヤスクリーン132は、振動発生装置133と接続されて、振動(上下方向)幅6mm且つ60Hz程度で振動されるようになっている。また、このウェッジワイヤスクリーン132上では、上記振動により冷却手段を経て落下された風砕スラグ201が約12m/分の搬送速度で、脱水されながら搬送されるようになっている。一方、バケットコンベア134は、ウェッジワイヤスクリーン132から搬送されてきた風砕スラグ201を地下ピット内から地上に配置された回収容器140へ運び上げるコンベアであり、縦方向に9mの搬送長さを有する。
[2]スラグ粒の製造
(1)実施例1
上記[1]の研削材製造装置を用いて、ステンレス製鋼炉で得られた製鋼スラグをスラグ粒原料として用いてスラグ粒を以下のようにして製造した。
ステンレス製鋼炉で得られた熔解されたままの製鋼スラグ(溶融スラグ)200を上記[1]の研削材製造装置のタンディッシュ150内へ約3トン投入した。
溶融スラグ200は、タンディッシュ150の底部の開口部から流下されてチャンバー121内に供給され、その後、リングノズル110の中心部を通過した。リングノズル110からは16kgf/cmの気体放出圧力で空気を放出させた。これにより、リングノズル110内を通過する溶融スラグ200は風砕により粒子形状となってチャンバー121内を落下した。チャンバー121内では、放水手段126から40リットル/分且つ0.3〜0.4MPa程度の水放出圧力で水を放出させて風砕スラグ201の冷却を行った。
更に、チャンバー121の先窄まり部123の内壁に配設された滞留防止放水手段128から放水された水により洗い流されて先窄まり部123から排出されて脱水搬送手段130のウェッジワイヤスクリーン132上に落下された。この滞留防止放水手段128では30リットル/分且つ0.3〜0.4MPa程度の水放出圧力で水を放出させた。
ウェッジワイヤスクリーン132上では風砕スラグ201が落下されると共に脱水され、更に、振動により順次風砕スラグ201がバケットコンベア134へ向けて送られた。ウェッジワイヤスクリーン132上に落下された直後の風砕スラグ201は、黒赤色の状態が目視で観察され、1000℃前後の温度であることが観察された。長さ3mのウェッジワイヤスクリーン上での搬送時間は0.25分であった、更に、バケットコンベア134により8m/分の速度で搬送されて回収容器140に回収された。また、この回収容器に収容された直後の風砕スラグの温度は99.5℃であった。
その後、回収容器140から風砕スラグ201を回収し、別設された摩砕装置に投入し、2分間、アジテーター回転数800rpm、パンの回転数85rpmの条件で摩砕を行った。次いで、0.2mm目の篩器を通過させて得られたスラグ粒を回収した。
(2)実施例2
上記実施例1と同様にしてスラグ粒の製造を行った。その結果、回収容器140に収容された直後の風砕スラグの温度は99.6℃であった。その後、同様に摩砕工程及び分別工程を行ってスラグ粒を得た。
(3)スラグ粒の評価
実施例1及び2で、得られたスラグ粒について、ローロップ振とう篩機を用いて平均粒径の測定を行った。その結果、実施例1及び実施例2の両方のスラグ粒のとも平均粒径は0.9mmであった。
また、ビッカース硬度計(株式会社明石製作所製、形式「MVK」)を用いてビッカース硬度の測定を5個の任意に選択したスラグ粒に対して行った。その結果、実施例1のスラグ粒のビッカース硬度の平均値は750Hvであり、実施例2のスラグ粒のビッカース硬度の平均値は780Hvであった。
更に、圧壊強度測定計(東京衡機製造所製、形式「アムスラー型万能材料試験機 AU−30」)を用いて圧壊強度を5個の任意に選択したスラグ粒に対して行った。その結果、実施例1のスラグ粒の圧壊強度の平均値は47kg/個であり、実施例2のスラグ粒の圧壊強度の平均値の平均値は49kg/個であった。
また、実施例1のスラグ粒について、表部及び内部の両方のX線回折測定(CuKα線)を行った。表部の測定は粒子状のまま行い、内部の測定は圧壊したスラグ粒の内部のみを粉砕して粉末状体で測定を行った。その結果を図3(表部)及び図4(内部)に示した。図3及び図4においては、いずれも下段に示すチャートが実験例1のデータである。この結果、いずれ測定においても結晶相は認められなかった(尚、図3及び図4の●、▲、■などの印はこれらの結晶相が現れるべき位置を示すものであり、これらの結晶相が認められたことを示す印ではない)。
また、参考例として、日本重化学工業株式会社製の溶融スラグを原料とする研削材(品名「ウィンドリーム JF−2000」、粒度範囲0.2〜2.0mm、ビッカース硬度791〜813Hv)について同様に測定したX線回折測定した。その結果を、図3及び図4に多重チャートにして示した。いずれの図においても上段に示すチャートが参考例である。
更に、実施例1及び実施例2のスラグ粒について組成分析を行った。その結果、実施例1のスラグ粒は、FeをFeO換算で0.5質量%、SiをSiO換算で35質量%、AlをAl換算で12質量%、CaをCaO換算で28質量%、及びMgをMgO換算で12質量%含有していた。同様に、実施例2のスラグ粒は、FeをFeO換算で1.0質量%、SiをSiO換算で31質量%、AlをAl換算で11質量%、CaをCaO換算で26質量%、及びMgをMgO換算で11質量%含有していた。
これらの結果から、得られたスラグ粒は、非晶質であるにも関わらず、優れた機械的強度を有することが分かる。また、この結果から研削材として利用できる機械的強度を備えていることが分かる。また、本発明の製造方法によれば、優れた機械的強度を有するこれらのスラグ粒を安定して製造できることが分かる。同様に、本発明の製造装置によれば、優れた機械的強度を有するこれらのスラグ粒を安定して製造できることが分かる。
本発明の研削材製造装置の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の研削材製造装置における風砕手段の近傍を模式的に示す説明図である。 実施例にかかるスラグ粒の表部のX線回折測定結果を用いた説明図である。 実施例にかかるスラグ粒の内部のX線回折測定結果を用いた説明図である。
符号の説明
100;研削材製造装置、110;風砕手段(リングノズル)、111;ノズル、120;冷却手段、121;チャンバー、122;円筒部分、123;先窄まり部、126;放水手段、127;放水ノズル、128;滞留防止放水手段、129;放水ノズル、130;脱水搬送手段、131;ウェッジワイヤ、132;ウェッジワイヤスクリーン、133;振動発生装置、134;バケットコンベア、140;回収容器、150;溶融スラグ貯留手段(タンディッシュ)、151;溶融スラグ貯留手段の開口部、152;バーナー、200;溶融スラグ、201;スラグ粒(風砕スラグ、研削材)。

Claims (8)

  1. 非晶質であり、平均粒径が5mm以下であり、
    且つ、FeをFeO換算で5質量%以下、SiをSiO換算で25〜45質量%、AlをAl換算で5〜25質量%、CaをCaO換算で20〜35質量%、及びMgをMgO換算で5〜20質量%含有するスラグ粒からなることを特徴とする研削材。
  2. 製鋼スラグを用いた請求項1に記載の研削材の製造方法であって、
    該溶融された製鋼スラグを風砕して風砕スラグを形成する風砕工程と、
    風砕された該風砕スラグを下方へ落下させつつ、水を吹き付けて、該風砕スラグを冷却する冷却工程と、
    該風砕スラグを搬送しながら上記冷却に用いられた水を該風砕スラグから脱水する脱水搬送工程と、を備えることを特徴とする研削材の製造方法。
  3. 上記冷却工程は、風砕スラグを3m以上にわたって落下させながら、放水により該風砕スラグを冷却する工程である請求項2に記載の研削材の製造方法。
  4. 製鋼スラグから請求項1に記載の研削材を製造する研削材製造装置であって、
    溶融された製鋼スラグを風砕して風砕スラグを形成する風砕手段と、
    該風砕スラグを下方へ落下させつつ、水を吹き付けて、該風砕スラグを冷却する冷却手段と、
    該風砕スラグを搬送しながら上記冷却に用いられた水を該風砕スラグから脱水する脱水搬送手段と、を備えることを特徴とする研削材製造装置。
  5. 上記風砕手段は、中心部に向かって気体を放出できるように放射状に配置された複数のノズルを有するリングノズルを有する請求項に記載の研削材製造装置。
  6. 上記冷却手段は、上記風砕スラグが3m以上にわたって落下される内部空間を有するチャンバーと、
    該チャンバー内を落下する該風砕スラグに向かって放水する放水手段と、を備える請求項又はに記載の研削材製造装置。
  7. 上記脱水搬送手段は、少なくとも一部が、上記風砕スラグが通過されない間隔で並べられたウェッジワイヤを備えるウェッジワイヤスクリーンからなる請求項乃至のうちのいずれかに記載の研削材製造装置。
  8. 発生された振動を上記ウェッジワイヤスクリーンへ伝達する振動発生手段を備え、
    該ウェッジワイヤスクリーンは、振動により上記脱水を行いながら上記風砕スラグの搬送を行う請求項に記載の研削材製造装置。
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