JP5124810B2 - エンドセリン−1産生抑制剤 - Google Patents

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本発明は、シミ、ソバカスなどの疾患の治療または予防に利用できる表皮角化細胞エンドセリン-1産生抑制剤、ビッグエンドセリン-1産生抑制剤、及び美白化粧料に関する。本発明はまた高血圧症や心臓病の改善、予防に利用できる血管内皮細胞エンドセリン-1産生抑制剤及び機能性食品に関する。
エンドセリン-1は血管内皮細胞の産生する強力な血管収縮ペプチドで21残基のアミノ酸からなる。エンドセリン-1は血管内皮細胞に存在するエンドセリン変換酵素の働きでビッグエンドセリンから生成する。エンドセリン-1は標的細胞のエンドセリン受容体を介してホスホリパーゼCの活性化、カルシウムチャンネルの開口など多様な細胞内シグナル伝達系を活性化する。その結果、ホルモン・神経伝達物質分泌調節、細胞増殖・分化作用などさまざまな作用が奏される。一般的に、エンドセリン-1の濃度上昇は高血圧症や心疾患などの原因となる。
エンドセリン-1はまた、血管以外の種々の組織細胞で産生され、様々な生理的役割を担っている。例えば、紫外線が肌にあたると、表皮角化細胞(ケラチノサイトとも言う)でエンドセリン-1が産生され(非特許文献1参照)、産生されたエンドセリン-1は、表皮メラニン細胞(メラノサイトとも言う)を刺激して、シミ、ソバカスの原因となるメラニンを盛んに合成させる。したがって、表皮角化細胞のエンドセリン-1の合成を抑制することができればシミ、ソバカスを治療または予防することができる。
かかる市場の要求に応えるべく、エンドセリン-1産生抑制剤が研究されてきた。従来エンドセリン-1産生抑制剤として検討されたものは化学合成品が中心であるが、安全性を考慮すれば天然物で同様の効果を有するものが望まれる。これまでに天然物として、赤ワイン抽出物に含まれるポリフェノール(ピセアタンノール、デルフィニジンなど)(非特許文献2参照)、大豆イソフラボン(ゲニステイン)(非特許文献3参照)、ルテオリンおよびクダモノトケイソウ抽出物(特許文献1、非特許文献4参照)が血管内皮細胞エンドセリン-1の産生抑制剤として検討されてはいるものの、これらについて表皮角化細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果は報告されていない。一方、エンドセリン変換酵素の働きを阻害する植物抽出物が記載された特許文献として、セイヨウサンザシ、ワレモコウ、チョウジ、エイジツ、アセンヤク、ボダイジュ、甘草、ソウハクヒ、ローズマリー、アッサムチャ、シラカバ、トルメンチラ、タイム、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、ニンジン、キナノキ、センブリ、ツボクサ、カワラヨモギ、ジオウ、スイカズラ及びセイヨウハッカからなる群より選ばれる1種以上の植物の抽出物を有効成分とするエンドセリン変換酵素阻害剤(特許文献2)があり、この場合の実施例に記載されたエンドセリン変換酵素はヒト培養血管内皮細胞由来のものである。このうち、ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の根の抽出物については、紫外線照射で刺激したヒト表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生を抑制する一方で、ビッグエンドセリン-1の濃度が増加することが報告されている(非特許文献5参照)。
一方、カミツレの花から抽出して得られるカミツレエキスにはエンドセリン-1の働きを抑える作用があり(非特許文献6参照)、結果としてメラニンの産生を抑制することから新しいタイプの美白化粧品として実用化されている。また、エンドセリン拮抗薬が請求項に記載された公開特許公報として特許文献3−6が例示される。
なお、従来から市場にある美白化粧品は、表皮メラニン細胞でメラニンの合成に働くチロシナーゼの活性を阻害するなどの働きを持ち、また、ユズ、ウンシュウミカン、タチバナなど柑橘類の果実や果皮の抽出物の美白効果についての報告(特許文献7−8、非特許文献7)が多数存在するが、この場合もチロシナーゼ活性阻害、チロシナーゼ生合成阻害などが例示される。
ハヤトウリエキスについては、主として保湿効果を理由に化粧品素材として使われているが、エンドセリンや美白効果については報告されていない。また、餅柚抽出物、花ユズ抽出物が表皮角化細胞のエンドセリン-1産生を抑制することは報告されていない。
このように美白効果のある物質は種々知られているが、紫外線照射時の表皮角化細胞のエンドセリン-1産生を抑制する植物抽出液はワレモコウの根の抽出物のほかは実施例として報告されておらず、また、ワレモコウの根の抽出物のエンドセリン-1産生抑制効果はエンドセリン変換酵素の活性を阻害することによるものであり前駆体のビッグエンドセリン-1が蓄積してしまう。そこで、ビッグエンドセリン-1の濃度増加を伴うことのないエンドセリン-1産生抑制剤は常に求められている。
この出願に関係する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2005-75766号公報 特開2000-302633号公報 特開2000-212032号公報 特開2001-31558号公報 特開2002-265348号公報 特開2002-29929号公報 特開2000-169358号公報 特開2005-132793号公報 FEBSレターズ(FEBS letters),(オランダ),1995年,371巻,p. 188-190 ネイチャー(Nature),(英国),2001年,414巻,p. 863-864 アテロスクレロシス(Atherosclerosis),(アイルランド),2002年,163巻,p. 339-347 バイオサイエンス バイオテクノロジー アンド バイオケミストリー(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry),(日本),2005年,69巻,p. 1613-1615 バイオロジカル アンド ファーマシュティカル ブルティン(Biological & Pharmaceutical Bulletin),(日本),2001年,24巻,p. 688-692 ピグメント セル リサーチ(Pigment Cell Research),(デンマーク),1997年,10巻,p. 218-228 フレグランスジャーナル(Fragrance Journal),(日本),2003年,臨時増刊,18号,p. 103-112
本発明の課題は、植物抽出液からなり、安価、安全でかつ有効性の高いエンドセリン-1産生抑制剤ならびにビッグエンドセリン-1産生抑制剤を提供することである。
本発明者らは、各種の植物抽出液を材料に、表皮角化細胞あるいは血管内皮細胞のエンドセリン-1産生を効果的に抑制する物質を鋭意探索した結果、ハヤトウリ抽出物がエンドセリン-1産生とビッグエンドセリン-1産生を同時に抑制すること、並びに、餅柚抽出物及び花ユズ抽出物がそれぞれエンドセリン-1産生を効果的に抑制することを見出した。また、これら抽出物が安全で、美白化粧料の有効成分としても有効であることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1) ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を含有するエンドセリン-1産生抑制剤。
(2) ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を含有する美白化粧料。
(3) ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を含有する、表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる状態、症状または疾患を改善、予防または治療するための医薬。
(4) ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を含有する、表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる状態、症状または疾患を改善または予防することができる旨の表示が付された食品。
(5) ハヤトウリ果実抽出物を含有する、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療するための医薬。
(6) ハヤトウリ果実抽出物を含有する、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる状態、症状または疾患を改善または予防することができる旨の表示が付された食品。
(7) ハヤトウリ果実抽出物を含有する、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善または予防するための飼料。
(8) ハヤトウリ果実抽出物を含有するビッグエンドセリン-1産生抑制剤。
(9) ハヤトウリ果実抽出物を含有する(1)のエンドセリン-1産生抑制剤。
(10) 餅柚果実抽出物を含有する(1)のエンドセリン-1産生抑制剤。
(11) 花ユズ果実抽出物を含有する(1)のエンドセリン-1産生抑制剤。
(12) ハヤトウリ果実抽出物を含有する(2)の美白化粧料。
(13) 餅柚果実抽出物を含有する(2)の美白化粧料。
(14) 花ユズ果実抽出物を含有する(2)の美白化粧料。
(15) ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を含有する美白剤。
(16) ハヤトウリ果実抽出物を含有する(15)の美白剤。
(17) 餅柚果実抽出物を含有する(15)の美白剤。
(18) 花ユズ果実抽出物を含有する(15)の美白剤。
本発明で使用されるハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、花ユズ果実抽出物はいずれも食用の植物由来であり、安全性に優れている。ハヤトウリ果実抽出物は高いエンドセリン-1産生抑制作用及びビッグエンドセリン-1産生抑制作用を有する。また、餅柚果実抽出物、花ユズ果実抽出物は高いエンドセリン-1産生抑制作用を有する。したがって、本発明によれば、より有用なエンドセリン-1産生抑制剤あるいはビッグエンドセリン-1産生抑制剤、美白化粧料、及び機能性食品が提供できる。
以下、上記発明について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
本発明は、ハヤトウリ果実抽出物を含有するエンドセリン-1産生抑制剤、ビッグエンドセリン-1産生抑制剤、美白化粧料、医薬、及び機能性食品に関する。本発明はまた、餅柚果実抽出物あるいは花ユズ果実抽出物を含有するエンドセリン-1産生抑制剤、美白化粧料、医薬、及び機能性食品に関する。
ハヤトウリ(Sechium edule)はウリ科ハヤトウリ属の多年草で、1910年代に南米より鹿児島県に伝わったことからハヤトウリの名で知られるが、センナリ(千成り)あるいはチャーテともいう。ハヤトウリの園芸品種は2種類あり、ひとつはクリーム色(白色)の果実を付けるもの、もうひとつはそれよりやや大型の淡い緑色の果実を付けるものである。餅柚(もちゆ、Citrus inflata)は四国及び九州地方に古くからあるユズ系の橙色の柑橘で、高知県で比較的多く見られる。花ユズ(Citrus hanayu)はユズに近縁の食酢用柑橘で、ハナユともよばれ、ユズに比べると低木性で、観賞用にも用いられている。
本発明に使用するハヤトウリ、餅柚、あるいは花ユズの品種と産地は、特に限定されるものではない。ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、あるいは花ユズ果実抽出物は果実、果皮、果肉、または種子のうちのいずれの抽出物が含まれていてもよいが、果皮抽出物の割合が高いほど好ましい。
本発明に使用できるハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、あるいは花ユズ果実抽出物は例えばハヤトウリ、餅柚あるいは花ユズの果実全体をミキサー等で細かく破砕した後、抽出溶媒中で攪拌し、遠心分離または濾過により不溶物を除去し、上清または濾液を減圧下で乾燥することにより粉末として得ることができる。抽出溶媒は任意の溶媒であってよく、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、その他の有機溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
ハヤトウリ果実抽出物は表皮角化細胞、なかでも紫外線で刺激された表皮角化細胞、に作用してエンドセリン-1産生及びビッグエンドセリン-1産生を抑制する効果を奏する。従って、ハヤトウリ果実抽出物を表皮角化細胞に有効に作用させることにより、表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制またはビッグエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療することができる。このような状態、症状または疾患としては、皮膚の黒色化、シミ、ソバカス等が挙げられるがこれらには限定されない。ハヤトウリ果実抽出物は紫外線による刺激前、中、後いずれの段階で表皮角化細胞に投与されてもよい。
ハヤトウリ果実抽出物はまた、血管内皮細胞に作用してエンドセリン-1産生を抑制する効果を奏する。従って、ハヤトウリ果実抽出物を血管内皮細胞に有効に作用させることにより、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療することができる。このような状態、症状または疾患としては、高血圧症、心臓病等が挙げられるがこれらには限定されない。
餅柚果実抽出物は表皮角化細胞、なかでも紫外線で刺激された表皮角化細胞、に作用してエンドセリン-1産生を抑制する効果を奏する。従って、餅柚果実抽出物を表皮角化細胞に有効に作用させることにより、表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療することができる。このような状態、症状または疾患としては、皮膚の黒色化、シミ、ソバカス等が挙げられるがこれらには限定されない。餅柚果実抽出物は紫外線による刺激前、中、後いずれの段階で表皮角化細胞に投与されてもよい。
花ユズ果実抽出物は表皮角化細胞、なかでも紫外線で刺激された表皮角化細胞、に作用してエンドセリン-1産生を抑制する効果を奏する。従って、花ユズ果実抽出物を表皮角化細胞に有効に作用させることにより、表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療することができる。このような状態、症状または疾患としては、皮膚の黒色化、シミ、ソバカス等が挙げられるがこれらには限定されない。花ユズ果実抽出物は紫外線による刺激前、中、後いずれの段階で表皮角化細胞に投与されてもよい。
以下の説明においてハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される1種の抽出物、或いは2種または3種の抽出物の混合物を「本発明の抽出物」と称する。
本発明の抽出物は、化粧料、医薬又は食品の有効成分として以下の形態で使用することができる。
本発明の抽出物は、美白化粧料の有効成分として使用することができる。美白化粧料としては、本発明の抽出物それ自体を直接適用してもよく、また、溶液状、可溶化状、乳化状、粉末状、ペースト状、ムース状、ジェル状にして、化粧水、乳液、クリーム、パック、軟膏等として、例えば皮膚外用剤の形態で、皮膚に適用することができる。
また、本発明の抽出物を美白化粧料の有効成分として使用する場合には必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、精製水、アルコール類、水溶性高分子、油剤、界面活性剤、ゲル化剤、保湿剤、ビタミン類、抗菌剤、香料、塩類、PH調整剤等を加えることができる。
本発明の抽出物を含有する美白化粧料は、その包装に皮膚の美白作用を奏する旨の表示が付されたものであってよい。
本発明の抽出物(乾燥重量)の美白化粧料(全重量)中の含有量は、0.003重量%〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
本発明の抽出物を美白化粧料の有効成分として用いる場合、本発明の抽出物の投与量は、特に限定されるものではなく、例えば、皮膚に直接塗布して用いる場合には本発明の抽出物を0.1重量%〜10重量%含有する化粧品を1日あたり1〜4回塗布することにより投与される量であり得る。
本発明の抽出物また、美白効果のある医薬の有効成分として使用することもできる。美白効果のある医薬は、表皮角化細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制(または、本発明の抽出物がハヤトウリ果実抽出物である場合は表皮角化細胞におけるビッグエンドセリン-1産生の抑制)により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療するために使用できる。このような状態、症状または疾患としては、皮膚の黒色化、シミ、ソバカス等が挙げられるがこれらには限定されない。投与の対象となる動物としてはヒト、ペット、家畜等の哺乳類が挙げられ、なかでもヒトが好ましい。
本発明の抽出物を美白効果のある医薬の有効成分として使用する場合は、本発明の抽出物を公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化することができる。投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、軟膏剤、貼付剤、坐剤、吸入剤、注射剤、点滴剤等の非経口剤として、または錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤として使用される。経皮吸収剤は、例えば外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、精製水、アルコール類、水溶性高分子、油剤、界面活性剤、ゲル化剤、保湿剤、ビタミン類、抗菌剤、香料、塩類、PH調整剤等を加えることができる。経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造される。本発明の抽出物(乾燥重量)の添加量は、添加対象物の種類、投与経路、剤形等の諸条件によって異なるが、例えば、医薬製剤(全重量)中に1.0重量%〜80重量%含有させる。本発明の抽出物(乾燥重量)の投与量は、特に限定されるものではなく、例えば、皮膚の黒色化、シミ、ソバカス等の程度、患者の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができる。例えば、経皮吸収投与の場合には1日あたり1〜4回塗布することが好ましく、経口投与の場合には1日当たり10mg/kg〜90mg/kg投与することが好ましい。
本発明の抽出物また、美白効果のある機能性食品、特定保健用食品等の各種食品製品の有効成分として使用することもできる。このような食品は、皮膚の美白作用を奏する旨の表示がその包装に付されたものであってよい。
このような食品は、清涼飲料、乳酸飲料、スープ、ジャム、菓子類等の各種形態をとることができる。
本発明の抽出物(乾燥重量)の美白効果のある食品中の添加量は食品の形態により異なるが、例えば、1.0重量%〜90重量%含有させる。また、この場合、他の機能性食品、特定保健用食品等の各種食品製品の有効成分、例えば血圧降下作用が確認されているペプチドなどを同時に添加することができる。本発明の抽出物(乾燥重量)の投与量は、特に限定されるものではなく、年齢、性別、体重、食品の形態などに応じて適宜決定することができ1日当たり10mg/kg〜90mg/kgであることが好ましい。
ハヤトウリ果実抽出物は、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善、予防または治療するための医薬の有効成分として使用することができる。このような状態、症状または疾患としては、高血圧症、心臓病等が挙げられるがこれらには限定されない。投与の対象となる動物としてはヒト、ペット、家畜等の哺乳類が挙げられ、なかでもヒトが好ましい。この用途の医薬としては、ハヤトウリ果実抽出物をそのままで、または通常用いられる固体坦体、液体坦体、乳化分散剤等により錠剤、粉剤、乳剤、カプセル剤等の形に製剤化して使用することが出来る。上記坦体としては、水、ゼラチン、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース、植物油等が挙げられる。この用途の医薬の投与経路としては、例えば経口投与が例示できる。ハヤトウリ果実抽出物(乾燥重量)の、この用途の医薬(全重量)中の含有量は、その投与経路、剤形によって適宜変更しうるが、例えば、製剤全重量に対して1.0重量%〜80重量%含有させる。ハヤトウリ果実抽出物の投与量は、特に限定されるものではなく、例えば、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができる。例えば、軽症の心臓病患者、高血圧患者への経口投与の場合には、1日当たり10mg/kg〜90mg/kgであることが好ましい。
ハヤトウリ果実抽出物はまた、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善または予防するための機能性食品、特定保健用食品などの有効成分として使用することができる。このような状態、症状または疾患としては、高血圧症、心臓病等が挙げられるがこれらには限定されない。このような食品は、高血圧症、心臓病等の、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる被検体の状態、症状または疾患を改善または予防することができる旨の表示がその包装に付されたものであってよい。このような食品は、清涼飲料、乳酸飲料、スープ、ジャム、菓子類等の各種形態をとることができる。ハヤトウリ果実抽出物(乾燥重量)の食品(全重量)中の含有量は、例えば1.0重量%〜90重量%である。
ハヤトウリ果実抽出物はまた、ペットや家畜において血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる状態、症状または疾患を改善または予防するための飼料(ペットフードを含む)の有効成分として使用することができる。このような状態、症状または疾患としては、高血圧症、心臓病等が挙げられるがこれらには限定されない。このような飼料は、ペットや家畜において高血圧症、心臓病等の、血管内皮細胞におけるエンドセリン-1産生の抑制により改善されうる状態、症状または疾患を改善または予防することができる旨の表示がその包装に付されたものであってよい。このような飼料中でのハヤトウリ果実抽出物の含有量は、ペットや家畜により通常の量が摂食されたときに、所定の効果を奏するのに有効な量のハヤトウリ果実抽出物がペットや家畜に摂取される量であれば特に限定されない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
試験例1(ハヤトウリ果実抽出物を含有するエンドセリン-1産生抑制剤の製造法)
ハヤトウリ(白色)の果実4個656gを真空ポンプ減圧下で凍結乾燥し67gの乾燥物を得た。この真空凍結乾燥果実10gに、30%メタノール1000mlを加え、ホモジナイザーを用いて5000rpmで15分間攪拌した。次いで、ろ過により不溶物を除去した溶液を回収した。これを真空ポンプ減圧下で凍結乾燥することにより、淡黄色の粉末6.4g(収率64%果実乾燥重量)を得た。また、ハヤトウリ(緑色)の果実4個710gを真空ポンプ減圧下で凍結乾燥し44gの乾燥物を得た。この真空凍結乾燥果実10gについて同様の手順で30%メタノール抽出を行い、黄緑色の粉末6.6g(収率66%果実乾燥重量)を得た。
ハヤトウリ(緑色)の果実から剥きとった果皮46g、果肉101gについて包丁で細かく破砕した後、5倍量の30%メタノール250mlと500mlをそれぞれ加え、ホモジナイザーを用いて5000rpmで15分間攪拌した。次いで、ろ過により不溶物を除去した溶液を回収した。これを遠心エバポレーターで濃縮乾燥することにより、それぞれ黄緑色の粉末2.7g(収率5.8%果実湿重量)、淡黄色の粉末4.4g(収率4.4%果実湿重量)を得た。また、ハヤトウリ(緑色)の果実から剥きとった果皮100g、果肉102gについて、包丁で細かく破砕した後、5倍量の蒸留水500mlを加え、ホモジナイザーを用いて5000rpmで15分間攪拌した。次いで、ろ過により不溶物を除去した溶液を回収した。これを真空ポンプ減圧下で凍結乾燥することにより、それぞれ緑色の粉末3.2g(収率3.2%果実湿重量)、黄緑色の粉末3.7g(収率3.6%果実湿重量)を得た。
試験例2(餅柚果実抽出物あるいは花ユズ果実抽出物を含有するエンドセリン-1産生抑制剤の製造法)
黄色く熟した餅柚の果皮6.2gをはさみで細かく裁断した後、99.5%エタノール20mlを加え、マグネチックスターラーを用いて3時間の間よく攪拌した。次いで、ろ紙により不溶物を除去した溶液を回収した。これを遠心式エバポレーターで濃縮し、さらに真空ポンプによる減圧下で乾燥することにより、黄色の粉末110mgを得た。
また、花ユズの果皮12gをはさみで細かく裁断した後、100%メタノール50mlを加え、マグネチックスターラーを用いて3時間の間よく攪拌した。次いで、ろ紙により不溶物を除去した溶液を回収した。これを遠心式エバポレーターで濃縮し、さらに真空ポンプによる減圧下で乾燥することにより、緑色の粉末610mgを得た。
試験例3(ハヤトウリ果実抽出物が紫外線照射で刺激したヒト表皮角化細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果)
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(クラボウ株式会社から購入)を増殖用無血清液体培地HuMedia-KG2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤としてインスリン、hEGF、ハイドロコーチゾン、ウシ脳下垂体抽出液を含む)にて、24穴(1穴2cm2)のプレートを用いて、5% CO2存在下、37℃で培養を開始し(培養開始時の細胞数は1穴あたり2.8x104個)、1日後に培地の交換を行い、さらに2日間培養を行った。次にプレートの各穴の培地を捨て、1mlのPBS(-)溶液で2回洗浄し、1ml のPBS(-)溶液を添加した。フナコシ株式会社より購入した紫外線照射機(EL Lamp UVM-16、波長302nm)を用いて、このプレートに紫外線を5mJ/cm2あるいは7.5mJ/cm2照射した。紫外線の照射量はフナコシ株式会社より購入したUVX RadiometerによりUV-Bの領域である310 nmの強度を測定した。直ちにPBS(-)溶液を除去し、380μlの増殖用無血清液体培地HuMedia-KB2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤不含)に20μl の試料溶液を加えた溶液400μlを各穴に添加した。上記の20μlの試料溶液はハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物あるいはハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物を蒸留水に溶解し0.5mg/ml〜2mg/mlの濃度としたものである。また、対照として20μlの蒸留水を380μlの増殖用無血清液体培地HuMedia-KB2に加えたものを用いた。この24穴プレートを5%CO2存在下、37℃で24時間静置した。その後、上清300μlを回収して、遠心により混入した細胞を除去した。上清中のエンドセリン-1量は、エンドセリン-1 ELISAキット(GEヘルスケアバイオサイエンス社より購入)を用いた酵素免疫測定法により測定した。上清中のエンドセリン-1濃度を表1〜表4に示す。結果はn=3の平均値(平均値±標準偏差、紫外線照射した対照区と試料添加区との間に有意差が認められた場合は*P<0.05、**p<0.01、***p<0.001)で示した。また、紫外線照射なしの対照区はn=6で行った。ハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物およびハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物に紫外線照射で刺激したヒト表皮角化細胞のエンドセリン-1産生抑制効果が認められた。
次に、表1、表2の濃度範囲のハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物あるいはハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物添加24時間における細胞増殖に対する影響をロッシュ社のMTT (3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイキットにより測定した。その結果、この濃度範囲のハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物は細胞増殖に対して影響のないことが確認できた。一方、ハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物については、僅かに増殖抑制傾向が認められ、対照を100%として比較した増殖率が0.1mg/ml添加区では86%であった。
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試験例4(ハヤトウリ果実抽出物が紫外線照射で刺激したヒト表皮角化細胞のビッグエンドセリン-1産生を抑制する効果)
試験例3と同様に、正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(クラボウ株式会社から購入)を増殖用無血清液体培地HuMedia-KG2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤としてインスリン、hEGF、ハイドロコーチゾン、ウシ脳下垂体抽出液を含む)にて、24穴(1穴2cm2)のプレートを用いて、5% CO2存在下、37℃で培養を開始し(培養開始時の細胞数は1穴あたり2.8x104個)、1日後に培地の交換を行い、さらに2日間培養を行った。次にプレートの各穴の培地を捨て、1mlのPBS(-)溶液で2回洗浄し、1ml のPBS(-)溶液を添加した。紫外線照射機(EL Lamp UVM-16、波長302nm)を用いて、このプレートに紫外線を5mJ/cm2あるいは7.5mJ/cm2照射した。直ちにPBS(-)溶液を除去し、380μlの増殖用無血清液体培地HuMedia-KB2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤不含)に20μl の試料溶液を加えた溶液400μlを各穴に添加した。上記の20μlの試料溶液はハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物を蒸留水に溶解し0.5mg/ml〜2mg/mlの濃度としたものである。また、対照として20μlの蒸留水を380μlの増殖用無血清液体培地HuMedia-KB2に加えたものを用いた。この24穴プレートを5%CO2存在下、37℃で24時間静置した。その後、上清350μlを回収して、遠心により混入した細胞を除去した。上清中のビッグエンドセリン-1量は、ヒト ビッグエンドセリン-1 測定キット(株式会社免疫生物研究所より購入)を用いた酵素免疫測定法により測定した。また、比較のために上清中のエンドセリン-1量も同時に測定した。この場合のエンドセリン-1量も試験例3と同じ方法でエンドセリン-1 ELISAキットを用いて行った。上清中のビッグエンドセリン-1濃度ならびにエンドセリン-1濃度を表5(紫外線5mJ/cm2の実験)、表6(紫外線7.5mJ/cm2の実験)に示す。結果はn=3の平均値(平均値±標準偏差、紫外線照射した対照区と試料添加区との間に有意差が認められた場合は*P<0.05、**p<0.01、***p<0.001)で示した。また、紫外線照射なしの対照区はn=6で行った。ハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物に紫外線照射で刺激したヒト表皮角化細胞のビッグエンドセリン-1産生抑制効果が認められた。
Figure 0005124810
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試験例5(ハヤトウリ果実抽出物が大動脈内皮細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果)
ブタ大動脈内皮細胞(継代数2、25cm2培養フラスコ入り、大日本住友製薬(セルシステムズ社)より購入)をCS-C培地(D-MEM培地とハムF12培地を1:1に等比混合した培地に、10%ウシ胎児血清、15mM HEPES、Acidic FGF、ヘパリンを添加した培地、セルシステムズ社より購入)に分散させ、コラーゲンをコーティングした24穴(1穴2cm2)のプレート1枚に添加して、5% CO2存在下、37℃で4日間の培養を行った。次にプレートの各穴の培地を捨て、1mlのKrebs-Ringer bicarbonate (KRB)緩衝液(129mM NaCl, 5mM NaHCO3, 4.8mM KCl, 1.2mM KH2PO4, 1.0mM CaCl2, 1.2mM MgSO4, 2.8mM glucose, 0.1% bovine serum albumin, 10mM HEPES, pH 7.4)にて各穴を2回洗浄した。その後、360μl のKRB緩衝液に40μlの試料を加えた溶液400μlを各穴に添加した。上記の40μlの試料溶液はハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物、ハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物、ハヤトウリ(緑色)果皮30%MeOH抽出物、ハヤトウリ(緑色)果皮蒸留水抽出物、あるいはハヤトウリ(緑色)果肉蒸留水抽出物についてそれぞれを蒸留水に溶解し0.25mg/ml〜4mg/mlの濃度としたものである。また、対照として360μl のKRB緩衝液に40μlの蒸留水を加えたものを用いた。これを5%CO2存在下、37℃で0〜8時間静置した。なお、試料添加時における細胞数は1穴あたりおよそ4.0 x 105個である。その後、上清300μlを回収して、遠心により混入した細胞を除去した。上清中のエンドセリン-1量は、試験例3と同様にエンドセリン-1 ELISAキットを用いた酵素免疫測定法により測定した。3時間静置での上清中のエンドセリン-1濃度を表7〜表10に示す。また、図1はハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物およびハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物について、試料添加後の各時点における上清中のエンドセリン-1濃度を示す。結果はn=4の平均値(平均値±標準偏差、対照区と試料添加区との間に有意差が認められた場合は*P<0.05、**p<0.01、***p<0.001)で示した。ハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物、ハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物、ハヤトウリ(緑色)果皮の30%メタノール抽出物、ハヤトウリ(緑色)果皮及び果肉の蒸留水抽出物にブタ大動脈内皮細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果が認められた。
次に、表7の濃度範囲のハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物添加48時間における細胞増殖に対する影響をロッシュ社のMTTアッセイキットにより測定した。その結果、この濃度範囲のハヤトウリ(白色)果実の30%メタノール抽出物は細胞増殖に対して影響のないことが確認できた。同様に、表8の濃度範囲のハヤトウリ(緑色)果実の30%メタノール抽出物、表9の濃度範囲のハヤトウリ緑果皮30%MeOH抽出物、表10の濃度範囲のハヤトウリ(緑色)果皮及び果肉の蒸留水抽出物も細胞増殖に対して影響のないことが確認できた。
Figure 0005124810
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試験例6(紫外線照射前に添加した餅柚果実抽出物がヒト表皮角化細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果)
試験例3と同様に、正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(クラボウ株式会社から購入)を増殖用無血清液体培地HuMedia-KG2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤としてインスリン、hEGF、ハイドロコーチゾン、ウシ脳下垂体抽出液を含む)にて、24穴(1穴2cm2)のプレートを用いて、5% CO2存在下、37℃で培養を開始し(培養開始時の細胞数は1穴あたり2.8x104個)、1日後に培地の交換を行い、さらに2日間培養を行った。次にプレートの各穴の培地を捨て、1mlのPBS(-)溶液で2回洗浄し、950μl のPBS(-)溶液に、50μlの試料溶液を加えた溶液1mlを添加した。上記の50μlの試料溶液は餅柚果実抽出物を10% DMSO溶液に溶解し2.5mg/ml〜10mg/mlの濃度としたものであり、対照として10% DMSO溶液を用いた(反応液中のDMSO濃度は0.5%になる)。紫外線照射機(EL Lamp UVM-16、波長302nm)を用いて、このプレートに紫外線を5mJ/cm2あるいは7.5mJ/cm2照射した。直ちに試料溶液を除去し、1mlのPBS(-)溶液で2回洗浄後、400μlの増殖用無血清液体培地HuMedia-KB2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤不含)を各穴に添加した。この24穴プレートを5%CO2存在下、37℃で24時間静置した。その後、上清300μlを回収して、遠心により混入した細胞を除去した。上清中のエンドセリン-1量は、試験例3と同様にエンドセリン-1 ELISAキットを用いた酵素免疫測定法により測定した。上清中のエンドセリン-1濃度を表11(紫外線照射量5mJ/cm2)及び表12(紫外線照射量7.5mJ/cm2)に示す。結果はn=3の平均値(平均値±標準偏差、紫外線照射した対照区と試料添加区との間に有意差が認められた場合は*P<0.05、**p<0.01、***p<0.001)で示した。また、紫外線照射なしの対照区はn=6で行った。餅柚果実抽出物にエンドセリン-1産生抑制効果が認められた。次に、本実験終了時に各穴についてMTTアッセイを行ったところ、試料を添加した各穴の細胞増殖は対照とした各穴の細胞増殖と違いはなく、ここに用いた試料は細胞増殖に対して影響のないことが確認できた。
Figure 0005124810
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試験例7(紫外線照射前に添加した花ユズ果実抽出物抽出物がヒト表皮角化細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果)
試験例3と同様に、正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(クラボウ株式会社から購入)を増殖用無血清液体培地HuMedia-KG2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤としてインスリン、hEGF、ハイドロコーチゾン、ウシ脳下垂体抽出液を含む)にて、24穴(1穴2cm2)のプレートを用いて、5% CO2存在下、37℃で培養を開始し(培養開始時の細胞数は1穴あたり2.8x104個)、1日後に培地の交換を行い、さらに2日間培養を行った。次にプレートの各穴の培地を捨て、1mlのPBS(-)溶液で2回洗浄し、950μl のPBS(-)溶液に、50μlの試料溶液を加えた溶液1mlを添加した。上記の50μlの試料溶液は花ユズ果実抽出物を10% DMSO溶液に溶解し2.5mg/ml〜10mg/mlの濃度としたものであり、対照として10% DMSO溶液を用いた(反応液中のDMSO濃度は0.5%になる)。紫外線照射機(EL Lamp UVM-16、波長302nm)を用いて、このプレートに紫外線を5mJ/cm2あるいは7.5mJ/cm2照射した。直ちに試料溶液を除去し、1mlのPBS(-)溶液で2回洗浄後、400μlの増殖用無血清液体培地HuMedia-KB2(クラボウ株式会社から購入、増殖添加剤不含)を各穴に添加した。この24穴プレートを5%CO2存在下、37℃で24時間静置した。その後、上清300μlを回収して、遠心により混入した細胞を除去した。上清中のエンドセリン-1量は、試験例3と同様にエンドセリン-1 ELISAキットを用いた酵素免疫測定法により測定した。上清中のエンドセリン-1濃度を表13(紫外線照射量5mJ/cm2)及び表14(紫外線照射量7.5mJ/cm2)に示す。結果はn=3の平均値(平均値±標準偏差、紫外線照射した対照区と試料添加区との間に有意差が認められた場合は*P<0.05、**p<0.01、***p<0.001)で示した。また、紫外線照射なしの対照区はn=6で行った。花ユズ果実抽出物にエンドセリン-1産生抑制効果が認められた。次に、本実験終了時に各穴についてMTTアッセイを行ったところ、試料を添加した各穴の細胞増殖は対照とした各穴の細胞増殖と違いはなく、ここに用いた試料は細胞増殖に対して影響のないことが確認できた。
Figure 0005124810
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ハヤトウリ(白色)果実抽出物及びハヤトウリ(緑色)果実抽出物がブタ大動脈内皮細胞のエンドセリン-1産生を抑制する効果を示す図である。

Claims (2)

  1. ハヤトウリ果実抽出物、餅柚果実抽出物、および花ユズ果実抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を含有するエンドセリン-1産生抑制剤。
  2. ハヤトウリ果実抽出物を含有するビッグエンドセリン-1産生抑制剤。
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