JP5124656B2 - エンジン出力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、負荷の変動に応じてエンジンの出力を制御するための装置に関する。
例えば、建設機械のエンジン出力を制御する装置において、時々刻々と変化する油圧モータ、エアコン、油圧ポンプ等の各種の負荷機械の合計負荷を演算し、作業に必要な主要出力に合計負荷を加えてエンジンのグロス出力を設定するといった技術が知られている(例えば、特許文献1)。
このような制御装置によれば、ファンやエアコン等の補助機械の稼働負荷が変動しても、作業に必要な主要出力を確保することができる。
特開2005−98216号公報
しかし、上記のような従来のエンジン出力制御装置によれば、合計負荷が大きいときには、エンジンのグロス出力も大きい値に設定されるので、作業に必要なパワーは確保できるものの、燃費が悪化するという問題がある。
また、燃費低減のため、グロス出力に制限を加えることも考えられるが、作業に必要な主要出力を確保するため、ラジエータファンなどの出力可変の補助機械に向けられる出力が削られてしまい、例えばオーバーヒートが発生してしまう。
従って、本発明の目的は、エンジンの出力パワーを制御するエンジン出力制御装置において、作業に必要なエンジン出力パワーを確保するとともに、エンジンの燃費の悪化を防止することにある。
本発明の一つの実施態様に従えば、少なくとも一つの主要機械と1以上の補助機械とを同時に駆動するエンジンを制御するための装置において、前記補助機械で消費される損失パワーの値を演算し、前記主要機械に分配される前記エンジンの主要出力パワーのための目標値を前記損失パワーに加算することで、前記主要機械と前記補助機械に供給されるべきパワーの合計である合計負荷パワーを演算する合計負荷値演算部と、前記合計負荷パワーの値に応じて、前記エンジンそれ自体が出力するのグロス出力パワーの値を制御するグロス出力値制御部と、前記グロス出力値制御部による前記グロス出力パワーの値の制御に従って、前記エンジンの駆動を制御するエンジン駆動制御部とを備え、前記グロス出力値制御部は、前記合計負荷パワーの値が所定の小パワー領域と大パワー領域のいずれにあるかを判断し、前記合計負荷パワーの値が所前記小パワー領域にあるときには、前記エンジンのグロス出力パワーの値が前記合計負荷パワーの値より小さくならないよう前記エンジンのグロス出力パワーの値を制御し、前記合計負荷パワーの値が前記大パワー領域にあるときには、前記グロス出力パワーの値が前記合計負荷パワーの値より小さくなるよう前記グロス出力パワーの値を制御する、ものが提供される。
上記構成によれば、上記合計負荷パワーの値が所定の小パワー領域であるときに、グロス出力パワー値(つまり、補助機械で消費される損失パワーの値と、主要機械へ分配されるエンジンの主要出力パワーのための目標値との和)が合計負荷パワーの値より小さくならないように制御されるため、補助機械で消費される損失パワーの値が変動したとしても、主要機械に提供される主要出力パワーの値を上記目標値に保つことができる。上記目標値が予め適切に設定されていれば、主要機械は所望される性能を発揮することができる。これに加えて、上記合計負荷パワーの値が大パワー領域であるときには、グロス出力パワーの値が上記合計負荷パワーの値より小さくなるように制御されるため、グロス出力パワーが過大な値となることはなく、燃費の悪化を防止することができる。
本発明の好適な実施形態では、上記合計負荷パワーの値が大パワー領域であるときに、補助機械の動作に格別の制限は加えられない。その結果、補助機械は十分にその性能を発揮でき、補助機械の性能不足に起因する問題、例えばエンジンのオーバーヒートなど、の発生が防止できる。
本発明の好適な実施形態では、前記グロス出力値制御部は、グロス出力パワーの値の可変範囲内に設定された閾値を有し、前記閾値より大きい前記合計負荷パワーの値の領域に前記大パワー領域を有し、前記閾値より小さい前記合計負荷パワーの値の領域に前記小パワー領域を有する。従って、上記合計負荷パワーの値が上記閾値を超えているときに、エンジンのグロス出力パワーの値が上記合計負荷パワーの値より小さくなるように抑制される。上記閾値を適切に設定することで、グロス出力パワーの上記抑制に起因する主要出力パワーの低下の問題を、実際上は無視できる程度に低減することができる。
本発明に係る好適な実施形態では、前記グロス出力値制御部は、前記合計負荷パワーの値が前記大パワー領域にあるときには、前記グロス出力パワーの値を前記閾値になるように制御する。従って、エンジンの燃費の所望値に応じて前記閾値を適切に設定しておけば、補助機械による損失パワーが大きくなっても、グロス出力パワーが上記閾値より大きくなって燃費が所望値より悪化するという問題が、防止される。
本発明に係る好適な実施形態では、前記グロス出力値制御部は、前記合計負荷パワーの値が前記小パワー領域にあるときには、前記グロス出力パワーの値を前記合計負荷パワーの値になるように制御する。従って、前記合計負荷パワーの値が小さくて燃費が悪くないときには、主要機械と補助機械に十分なパワーが分配されて、主要機械と補助機械が所望される性能を発揮することができる。
本発明に係る好適な実施形態では、前記合計負荷値演算部は、前記主要出力パワーのための目標値を、前記エンジンの回転速度に応じて変化させる。上記目標値がエンジンの回転速度に応じて適切に変化することにより、主要機械へ供給される主要出力の値をエンジンの回転速度に応じて適切に制御することができる。
本発明に係る好適な実施形態では、前記合計負荷値演算部は、或る補助機械の2以上の状態値をそれぞれ検出する複数のセンサから、前記2以上の状態値を示す信号を入力し、前記入力された信号により示される前記2以上の状態値にそれぞれ基づいて、前記或る補助機械で消費されるパワーの2以上の候補値を決定し、前記決定された2以上の候補値のうちの最大値を、前記或る補助機械で消費されるパワーの値として選択する。このように、その補助機械に関する異なる種類の状態値からそれぞれ推定されるその補助機械の消費パワーの異なる値の中から、最大の消費パワー値が選択されて、上述した合計負荷パワー値の演算で用いられる。そのため、制御演算において、補助機械による損失パワー(消費パワー)の値を実際より過少に推定するおそれが減る。それにより、エンジンのグロス出力パワーの制御がより適切になる。
ダンプトラックの全体構成の概略を示すブロック図である。 本実施形態に係るグロス出力パワーの制御手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係るグロス出力制御が行われた場合における、エンジンのグロス出力パワーと主要出力パワーと損失パワーとの関係を示す図である。 損失パワーの計算方法を説明する説明図である。 損失パワーの内訳の一例を示す図である。 ラジエータファンの目標回転速度を決定するために用いられる制御マップを示す図である。 補助機械で消費される損失パワーが変化したとき、エンジンのグロス出力パワー及び主要出力パワーがどのように変化するかを、エンジン回転速度との関係で示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を、建設機械の一種であるダンプトラックに適用した場合を例に挙げて説明する。但し、本実施形態は、ダンプトラック以外の他の種類の建設機械又は作業機械にも適用することができる。
図1は、ダンプトラック1の一例の全体構成の概略を示すブロック図である。
ダンプトラック1は、例えば、エンジン12と、ダンプトラック1を走行させるための走行装置14と、各種の油圧ポンプ151〜155と、エアコンディショナ156と、エンジン12の出力(出力パワー)を走行装置14及び油圧ポンプ151〜155に分配する出力分配器(PTO:Power Take Off)13とを備えている。走行装置14、油圧ポンプ151〜155及びエアコンディショナ156は、エンジン12の出力によって駆動される。
本明細書の説明では、「主要機械」、「補助機械」、「グロス出力パワー」、「損失パワー」及び「主要出力パワー」という用語が、以下の意味で使われる。本実施形態において、エンジン出力によって駆動される各種の装置、例えば上述した装置14、151〜155、156のうち、走行装置14はダンプトラック1の主要機能「走行」を提供する機械である。この主要機能を提供する装置(本実施形態における走行装置14)は、「主要機械」と呼ばれる(建設/作業機械の種類が異なれば、その建設/作業機械のどのサブ機械が主要機械と呼ばれるかが異なり得る。)。他方、主要機械以外のエンジン出力によって駆動される装置、即ち、本実施形態では油圧ポンプ151〜155(これらの油圧ポンプによって駆動される装置(ラジエータファン157やアフタクーラファン158等)が含まれてもよい)及びエアコンディショナ156は、ダンプトラック1の主要機能以外の補助機能を提供する機械である。この補助機能を提供する装置(本実施形態では装置151〜155、156)は、「補助機械」15と呼ばれる(エンジンが搭載された建設/作業機械の種類が異なれば、その建設/作業機械のどのサブ機械が補助機械と呼ばれるかが異なり得る。)。
また、エンジン12それ自体の出力パワーは「グロス出力パワー」と呼ばれる。また、エンジン12から補助機械15(本実施形態では油圧ポンプ151〜155及びエアコンディショナ156)に分配されてそれらの補助機械15で消費されるパワーは、主要機械14側から見るとエンジン出力パワーの損失に相当し、ゆえに、それら補助機械15によって消費されるパワーは「損失パワー」と呼ばれる。エンジン12のグロス出力パワーから損失パワーを差し引いたパワー、即ち、主要機械(本実施形態では走行装置14)に分配される出力パワーは「主要出力パワー」と呼ばれる。
走行装置14は、例えば、トルクコンバータ(T/C)141と、トランスミッション(T/M)142と、アクスル143と、ホイール144とを備えている。エンジン12から走行装置14に分配されたパワーは、トルクコンバータ141、トランスミッション142及びアクスル143を介して、ホイール144に供給される。
各種の油圧ポンプ151〜155としては、例えば、ラジエータファンポンプ151、アフタクーラファンポンプ152、トランスミッションポンプ153、ステアリングポンプ154、及びブレーキクーリングポンプ155がある。ラジエータファンポンプ151及びアフタクーラファンポンプ152は、この実施形態では例えば可変容量型の油圧ポンプである。一方、トランスミッションポンプ153、ステアリングポンプ154及びブレーキクーリングポンプ155は、この実施形態では例えば固定容量型の油圧ポンプである。
トランスミッションポンプ153は、トルクコンバータ141及びトランスミッション142に作動油を供給するための油圧ポンプである。ステアリングポンプ154は、ステアリング機構(図示せず)及び荷台のためのホイスト機構(図示せず)に作動油を供給するための油圧ポンプである。ブレーキクーリングポンプ155は、ブレーキ16(リターダブレーキ)にブレーキ冷却油を供給するための油圧ポンプである。
ラジエータファンポンプ151は、ラジエータ17の冷却を行うラジエータファン157に作動油を供給するための油圧ポンプである。ラジエータ17は、エンジン12のための冷却水を冷却するための装置である。冷却水は、エンジン12を冷却することに加えて、ブレーキ冷却油と、トルクコンバータ141及びトランスミッション142の作動油(以下、「T/C作動油」という)と、ステアリング機構及びホイスト機構の作動油(以下、「ステアリング作動油」という)の冷却をも行う。冷却水によるブレーキ冷却油等の冷却は、例えば、オイルクーラ(図示せず)を介して行われる。
アフタクーラファンポンプ152は、アフタクーラ18を冷却するためのアフタクーラファン158に作動油を供給するための油圧ポンプである。アフタクーラ18は、ターボチャージャ19からエンジン12へ吸入される圧縮空気の温度を低下させて、エンジン12のシリンダ室内の酸素の充填効率を高めるための装置である。
ブレーキ16は、ブレーキペダル161の操作に応じてフットブレーキとして作動し、また、リターダレバー162の操作量に応じてリターダブレーキとしても作動する。
ダンプトラック1には、例えば、エンジンコントローラ(以下、「エンジンCTL」と表記する)21と、トランスミッションコントローラ(以下、「トランスミッションCTL」と表記する)22との二つの制御装置が備えられている。エンジンCTL21は、主にエンジン12の制御を行い、トランスミッションCTL22は、主にトランスミッション142の制御を行う。本実施形態において、トランスミッションCTL22は、トランスミッション142の制御を行うことに加えて、エンジン12のグロス出力パワーの制御ための主要な情報処理をも行う。しかし、これは単なる例示にすぎず、グロス出力パワーの制御のための主要情報処理をエンジンCTL21が行うようにしてもいし、或いは、その情報処理用の追加のコントローラが更に設けられてもよい。両コントローラ21,22は、例えば、プロセッサ及びメモリを備えた電子回路として構成される。
エンジンCTL21のプロセッサは、エンジンCTL21のメモリに記憶されている所定のプログラムを実行することにより、エンジン駆動制御部211として機能する。エンジン駆動制御部211は、エンジン12の駆動を制御するためのものである。本実施形態では、エンジン駆動制御部211は、例えば、エンジン12に備えられる燃料噴射装置に対して燃料噴射量を指示する信号を送信することによりエンジン12への燃料噴射量を制御する。その結果として、エンジン12の出力トルクと回転速度が調整される(つまり、エンジン12のグロス出力パワーが調整される)。エンジン駆動制御部211は、後述するエンジン12のグロス出力パワー値の制御の結果としてグロス出力制御手段223から出力される指示に基づいて、エンジン12への燃料噴射量を調整する。
トランスミッションCTL22のプロセッサは、トランスミッションCTL22のメモリに記憶されている所定のプログラムを実行することにより、速度段制御部221、合計負荷値演算部222及びグロス出力値制御部223として機能する。トランスミッション142の制御は、速度段制御部221によって行われる。具体的には、速度段制御部221は、トランスミッション142に対して速度段を指示する信号を送信することにより、トランスミッション142における速度段の切り替えを制御する。本発明の原理に従うエンジン12のグロス出力パワーの制御(以下、「グロス出力制御」という)は、トランスミッションCTL22の合計負荷値演算部222及びグロス出力値制御部223、並びに前述したエンジンCTL21のエンジン駆動制御部211によって行われる。グロス出力制御の詳細については、後述する。
ダンプトラック1には、エンジン12により駆動される上述の種々の負荷機械(特に補助機械15)の種々の状態値を実時間でセンスするための種々のセンサ31〜36が設けられている。それらのセンサ31〜36で検出された種々の状態値は、トランスミッションCTL22によりグロス出力制御のために使用される。具体的には、例えば、冷却水の水温(以下、「冷却水温」)を検出する冷却水温センサ31と、T/C作動油の油温(以下、「T/C作動油温」)を検出するT/C作動油温センサ32と、ブレーキ冷却油の油温(以下、「ブレーキ冷却油温」)を検出するブレーキ冷却油温センサ33と、ステアリング作動油の油温(以下、「ステアリング作動油温」)を検出するステアリング作動油温センサ34と、圧縮空気の温度を検出する圧縮空気温センサ35と、リターダレバー162の操作量を検出するリターダレバー操作量センサ36とが、設けられている。それらのセンサ31〜36により検出された各種状態値は、矢印(1)〜(6)にそれぞれ示されるように、電気信号としてトランスミッションCTL22に入力される。
また、トランスミッションCTL22には、矢印(7)に示されるように、エンジンCTL21によって計測されているエンジン12の回転速度(単位時間当たりの回転数)の値がエンジンCTL21から電気信号として入力され、また、矢印(8)に示されるように、エアコンディショナ156のON/OFFを示す状態値がエアコンディショナ156から電気信号として入力される。これらの入力信号も、グロス出力制御に使用される。
トランスミッションCTL22の合計負荷値演算部222及びグロス出力値制御部223並びにエンジンCTL21のエンジン駆動制御部211は、電気信号((1)〜(8))として入力された各種状態値に基づいて、グロス出力の制御を行う。以下、本実施形態に係るグロス出力制御について具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係るグロス出力制御のための情報処理を示すフローチャートである。この情報処理は、実質的に常時継続して行われているような態様で(例えば、0.01秒周期のような短い周期で繰り返して)実行される。
まず、合計負荷値演算部222は、電気信号(図1の(1)〜(8))として入力された各種状態値に基づいて、損失パワー(補助機械15によって消費されるパワー)の値を計算する(S1)。本実施形態では、油圧ポンプ151〜155及びエアコンディショナ156、のそれぞれの消費パワーの値の合計が、損失パワーの値となる。損失パワー値の計算方法については、後に図4を参照して説明する。
次に、合計負荷値演算部222は、エンジン12のグロス出力パワーの暫定的な値(以下、「暫定出力値」という)を決定する(S2)。具体的には、例えば、合計負荷値演算部222は、種々の負荷機械にそれぞれ分配されるべきエンジン出力パワーの値を合計した値(以下、「合計負荷値」という)を計算し、計算された合計負荷値を、上記の暫定出力値として決定する。上記の合計負荷値は、主要機械14及び補助機械15のそれぞれに分配されるべきパワーの値を合計したものである。このうち、補助機械15に分配されるべきパワーの値としては、上記ステップS1で計算された損失パワー(補助機械15で現在消費されているパワー)の値が使用される。一方、主要機械(本実施形態では走行装置)14に分配されるべきパワーの値としては、予め定められた主要出力パワーの目標値(以下、「目標主要出力値」という)が使用される。
ここで、目標主要出力値は、以下の要求を満たすように設定されている。その要求とは、主要機械に分配される主要出力パワーの値(以下、「主要出力値」という)が目標主要出力値に等しければ主要機械がその機能を十分に発揮し得る(例えば、走行装置14が十分な走行性能を発揮し得る)ということである。要するに目標主要出力値は、主要出力パワーに所望される値である。目標主要出力値は、エンジン12の回転速度の関数として設定されており、エンジン回転速度に応じて変化する(図7参照)。目標主要出力値は、例えば、トランスミッションCTL22のメモリに記憶されている。
従って、合計負荷値演算部222は、ステップS1で計算された損失パワーの値と、メモリに記憶されている、現在のエンジン回転速度に対応した目標主要出力値とを合計することにより、合計負荷の値、即ち、暫定出力値を決定する。
なお、変形例として、上記の目標主要出力値は、主要機械(主要機械は、ダンプトラックである本実施形態では走行装置14であるが、パワーショベルやホイールローダなどの別の種類の建設機械械では、主要機械はブームやバケット等を動かす作業装置と走行装置の両方であってよい)の異なる作動状態(例えば、掘削、ブーム上げ、バケット・ダンプなど現在行われている作業の種類)に応じて可変的に設定されてもよい。
その後、グロス出力値制御部223は、ステップS2で決定された暫定出力値が、予め設定された調整出力上限値以下か否かを判定する(S3)。ここで、調整出力上限値は、エンジン12の出力可能なグロス出力パワーの可変範囲内で、以下の要求を満たすように設定されている。その要求とは、エンジン12のグロス出力値が調整出力上限値以下であれば、エンジン12の燃費は好ましい所定の値以下になる、ということである。調整出力上限値は、例えば、トランスミッションCTL22のメモリに記憶されている。
暫定出力値が調整出力上限値以下である場合は(S3:YES)、グロス出力値制御部223は、暫定出力値を、調整後のグロス出力値(以下、「調整出力値」という)として設定する(S4)。
一方、暫定出力値が調整出力上限値よりも大きい場合は(S3:NO)、グロス出力値制御部223は、調整出力上限値を、調整出力値として設定する(S5)。ステップS4とS5により、調整出力値は、調整出力上限値を超えることはなく、調整出力上限値以下の範囲内で合計負荷値に応じて可変的に設定されることになる。
その後、エンジン12から出力される実際のグロス出力値がステップS4又はS5で設定された調整出力値となるように、エンジン12への燃料噴射量が制御される(S6)。具体的には、グロス出力値制御部223は、エンジン12の実際のグロス出力値を、設定された調整出力値になるよう制御することを指示する信号を、エンジン駆動制御部211に送信する。その指示信号を受信したエンジン駆動制御部211は、燃料噴射装置を制御して、エンジン12への燃料噴射量を調整し、その結果として、エンジン12の実際のグロス出力値が、設定された調整出力値になるように調整される。
以上が、グロス出力制御の全体のフローである。このフローチャートからわかるように、本実施形態におけるグロス出力パワーの制御では、種々の補助機械15で消費されている損失パワーの値と、予め設定された目標主要出力値との合計値である上記合計負荷値(=上記暫定出力値)が、予め設定された調整出力上限値以下であるときには(以下、このような合計負荷値の領域を「小パワー領域」という)、エンジン12のグロス出力パワーの値は、その合計負荷値に等しくなるように制御される。
その結果、種々の補助機械15による損失パワーの値が変動したとしても、主要機械(例えば、走行装置14)に分配される主要出力値が予め定めた目標主要出力値に保たれる。故に、主要機械はそれが本来持つ予め定められた性能(例えば、走行装置14の走行性能)を発揮することができる。
一方、合計負荷値(損失パワーの値と目標主要出力値との合計値)が調整出力上限値よりも大きいときには(以下、このような合計負荷値の領域を「大パワー領域」という)、エンジン12のグロス出力パワーの値は、調整出力上限値に一致させられる。その結果、種々の補助機械15による損失パワーの値が非常に大きくなっても、エンジン12のグロス出力値は調整出力上限値を超える過大な値にはならない。これにより、エンジン12の燃費の悪化が防止される。
本実施形態では、大パワー領域であっても、補助機械15の駆動に対して制限はかけられない。それにより、補助機械15は、所望の稼働を維持する。その結果、補助機械15の性能低下により引き起こされ得る問題、例えばオーバーヒートなどが防止できる。
図3は、本実施形態に係るグロス出力制御が行われた場合における、エンジン12のグロス出力値及び主要出力値(縦軸)と損失パワーの値(横軸)との関係を示す図である。図3の実線が、損失パワーの値に応じてグロス出力値がどのように制御されるかを示している。また、図3の一点鎖線が、損失パワーの値に応じて主要出力値がどのように変化するかを示している。また、図3の点線は、損失パワーの値に応じて合計負荷値(損失パワー値と目標主要出力値との合計値)がどのように変化するかを示している。尚、図3では、エンジン12の回転速度は、一定に保たれているものとする(エンジン12の回転速度が変化すると、後に説明される図7に示すように、目標主要出力値が変化する)。
小パワー領域(合計負荷値が調整出力上限値よりも小さい領域)においては、グロス出力値は、図3の実線に示されるように、合計負荷値と等しくなるように調整される。従って、グロス出力値は、損失パワーが増大すると同様に増大する。これにより、主要機械(例えば、走行装置14)に分配される主要出力値は、図3の一点鎖線に示されるように、損失パワーの値に関係なく、主要機械の性能を十分に発揮させ得る値、つまり目標主要出力値に保たれる。
損失パワーがさらに増大すると、合計負荷値が同様にさらに増大し、ついには、調整出力上限値よりも大きくなる(即ち、大パワー領域に入る)。大パワー領域においては、グロス出力値は、損失パワーの値の増減に関係なしに、一定の値(調整出力上限値)に保たれる。つまり、グロス出力値は、図中の点線で示された合計負荷値よりも小さい値に抑制される。これにより、エンジン12の燃費の悪化が防止される。このとき、補助機械15の稼働には制限が加えられないので、補助機械15は、十分なパワーを供給されて所望の稼働を維持できる。一方、一点鎖線で示されるように主要出力値は、損失パワーが大きくなるにつれて小さくなる。このように、本実施形態では、燃費の悪化を防止することの代償として、主要装置(例えば走行装置14)へ分配される主要出力値が、幾分低下する。しかしながら、調整出力上限値及び目標主要出力値を適切な値に設定することにより、主要出力値が低下したとしても、主要装置(例えば走行装置14)は、実際上は問題のない性能(例えば走行性能)を発揮することができる。また、補助機械15は、所望の稼働を維持するため、その性能低下により生じ得るオーバーヒートなどの問題を防止できる。
図4は、損失パワーの計算方法を説明する説明図である。
本実施形態における損失パワー(種々の補助機械15によって消費されるパワー)は、ラジエータファンポンプ151の消費パワーと、アフタクーラファンポンプ152の消費パワーと、トランスミッションポンプ153の消費パワーと、ステアリングポンプ154の消費パワーと、ブレーキクーリングポンプ155の消費パワーと、エアコンディショナ156の消費パワーとを合計したものである。ちなみに、これらの消費パワーの内訳は、例えば、図5に示されるとおりである。尚、図5の例は、エンジン回転数が2000[rpm]の場合のものであり、この例では、エアコンディショナ156の消費パワーは比較的に小さいのでその図示が省略されている。
上述したように、本実施形態では、トランスミッションポンプ153、ステアリングポンプ154及びブレーキクーリングポンプ155は、固定容量型の油圧ポンプである。固定容量型の油圧ポンプの消費パワーの値は、主としてエンジン12の回転速度によって決まる。従って、合計負荷値演算部222は、電気信号(図1の(7))として入力されたエンジン12の回転速度に基づいて、トランスミッションポンプ153の消費パワー、ステアリングポンプ154の消費パワーの値及びブレーキクーリングポンプ155の消費パワーの値を、計算することができる。
一方、ラジエータファンポンプ151及びアフタクーラファンポンプ152は、上述したように、可変容量型の油圧ポンプである。従って、ラジエータファンポンプ151及びアフタクーラファンポンプ152の消費パワーの値は、主として、それぞれの油圧ポンプ151,152が駆動するファンの回転速度(すなわち、ラジエータファン157及びアフタクーラファン158の回転速度)と、エンジン12の回転速度とに基づいて決まる。エンジン12の回転速度が参照されるのは、エンジン12の回転速度に応じて変わるエンジン12からポンプ151,152へのパワーの伝達効率(エンジン12の回転速度に応じて変わる)が考慮されるためである。
ここで、ファン157,158については、各ファンの冷却対象物(冷却対象物が複数ある場合はその全部或いは一部)の現在の状態値(例えば温度値)に基づいて、各ファンの回転速度の目標値(以下、「目標回転速度」)が決定され、各ファンの回転速度がその目標回転速度となるように制御される。従って、合計負荷値演算部222は、ファン157,158の冷却対象物の現在の状態値(例えば温度値)に基づいて、ファン157,158の目標回転速度を計算し、それら計算された目標回転速度と、電気信号(図1の(7))として入力されたエンジン12の回転速度とに基づいて、ラジエータファンポンプ151及びアフタクーラファンポンプ152の消費パワーを計算する。
以下、ラジエータファン157の目標回転速度の決定方法について説明する。上述したように、ラジエータファン157によって冷却されるラジエータ17は、冷却水を冷却するとともに、冷却水を介して、ブレーキ冷却油、T/C作動油及びステアリング作動油をも冷却する。即ち、ラジエータファン157は、ラジエータ17を直接的に冷却するとともに、冷却水、ブレーキ冷却油、T/C作動油及びステアリング作動油を間接的に冷却する。つまり、ラジエータファン157の冷却対象物は、ラジエータ17、冷却水、ブレーキ冷却油、T/C作動油及びステアリング作動油である。従って、合計負荷値演算部222は、例えば、電気信号(図1の(1)〜(4))として入力された、冷却水温、ブレーキ冷却油温、T/C作動油温及びステアリング作動油温の全部又は一部に基づいて、ラジエータファン157の目標回転速度を計算する。また、ブレーキ冷却油温は、リターダブレーキが作動することにより上昇する。従って、合計負荷値演算部222は、ブレーキ冷却油温の代わりに又はブレーキ冷却油温に加えて、電気信号(図1の(6))として入力されたリターダレバー操作量を参照して、目標回転速度を計算してもよい。また、ラジエータ17の近辺には、エアコンディショナ156のコンデンサが配置されており、このコンデンサは、ラジエータファン157によって冷却される。エアコンディショナ156のコンデンサは、エアコンディショナ156がONの場合に冷却される必要がある。従って、合計負荷値演算部222は、電気信号(図1の(8))として入力されたエアコンディショナのON/OFFを示す状態を参照して、目標回転速度を計算してもよい。以下、ラジエータファン157の目標回転速度を決定するための基礎として使用される状態値を、「基礎状態値」と呼ぶ。本実施形態では、冷却対象物である冷却水温、ブレーキ冷却油温、T/C作動油温及びステアリング作動油温のそれぞれと、リターダレバー操作量と、エアコンディショナの状態(ON/OFF)とが、基礎状態値である。ここで、図6を参照して、これらの基礎状態値に基づいて、ラジエータファン157の目標回転速度が、どのように決定されるかについて具体的に説明する。
図6は、ラジエータファン157の目標回転速度を決定するために用いられる制御マップを示す図である。
エンジン12は、ローアイドル回転速度NeLからハイアイドル回転速度NeHの範囲で回転する。上限回転速度Sは、ラジエータファン157自体の設計上(機械の強度の観点から)設定された回転速度の上限値である(上限回転速度S以上の回転速度ではラジエータファン157を回転させてはならない。)。太い実線で示された最大回転速度ラインLNmaxは、ラジエータファンポンプ151の容量を、そのポンプ151の制御用に予め設定された最大容量(これは通常、ポンプ151自体がもつ最大容量より小さい)に保持した場合における、ラジエータファン157の回転速度を示した制御用のデータであり、これはエンジン回転速度Neの関数として定義される。最大回転速度ラインLNmaxは、エンジン回転速度Neが所定の閾値Nethより高い範囲では、上記の上限回転速度Sに一致する。最大回転速度ラインLNmaxは、エンジン回転速度Neが上記閾値Nethより低い範囲では、上記の上限回転速度Sより低い値をもつ、エンジン回転速度Neの増加関数である。
もう一つの太い実線で示される最小回転速度ラインLNminは、ラジエータファンポンプ151の容量を、そのポンプ151の制御用に予め設定された最小容量(これは、ポンプ151自体がもつ最小容量と同じでよい)に保持した場合における、ラジエータファン157の回転速度を示した制御用のデータであり、これもエンジン回転速度Neの増加関数として定義される。最大回転速度ラインLNmaxと最小回転速度ラインLNminとの間で囲まれた領域(ハッチングされた領域)は、以下その補助機械(この例では、ラジエータファンポンプ151)の「動作領域」Rと呼ばれる。
ラジエータファン157の目標回転速度は、ラジエータファンポンプ151の動作領域R内で、上述した1以上の基礎状態値に応じて決定される。例えば、エンジン回転速度がNe1の場合は、最大回転速度ラインLNmax上の点であるA点から最小回転速度ラインLNmin上の点であるB点までの範囲内で、目標回転速度が決定される。同様に、エンジン回転速度がNe2の場合は、最大回転速度ラインLNmax上の点であるC点から最小回転速度ラインLNmin上の点であるD点までの範囲内で、目標回転速度が決定される。
図6の例では、説明の都合上、ラジエータファン157の目標回転速度を決定するための基礎状態値として、冷却水温と、ブレーキ冷却油温と、リターダレバー操作量との三つの状態値だけが示されているが、本実施形態では、図4に示されているように、他の状態値(T/C作動油温、ステアリング作動油温及びエアコンディショナの状態(ON/OFF))も使用され得る。
図6に示されるように、各基礎状態値の可変範囲の各値(例えば、最高温度から最低温度までの各値、或いは、最大操作量から最小操作量までの各値)に対して、動作領域R内の回転速度の最大値(上限観点速度S)から最小値(下限回転速度T)までの各値1対1で関連付けられている。各基礎状態値のより高い値に対して、回転速度のより高い値が関連付けられている。この各基礎状態値の各値と目標回転速度の各値との間の関連を用いて、現在の1以上の状態値とエンジン回転速度の値に基づいて、動作領域R内で、目標回転速度が決定される。
例えば、現在のエンジン回転速度がNe1である場合を想定する。この場合、現在のエンジン回転速度Ne1に対応する動作領域R内の許容範囲A−B内で、目標回転速度が決定され得る。もし、ブレーキ冷却油温の現在値がWであれば、値Wに関連付けられた回転速度はEである。この値Eは上記許容範囲A−B内に存在し、そして、この値Eが、ブレーキ冷却油温から導かれる目標回転速度の一候補として選ばれる。他方、もし、ブレーキ冷却油温の現在値がXであれば、値Xに関連付けられた回転速度の値はFである。しかし、この値Fは上記許容範囲A−B外にある(値Fが値Aを超える)ため、値Fは目標回転速度の候補として選択できない。そこで、値Fに最も近い許容範囲A−B内の値Aが、ブレーキ冷却油温に基づく目標回転速度の一候補として選ばれる。
他の基礎状態値、例えば冷却水温及びリターダレバー操作量についても、上記と同様の方法で、目標回転速度の一候補が各状態値に基づいて決定される。例えば、現在のエンジン回転速度がNe1である場合において、もし、ブレーキ冷却油温の現在値がWで、冷却水温の現在値がYで、リターダレバー操作量の現在値がZであったとすると、値Wに関連付けられた回転速度値Eと、値Yに関連付けられた回転速度値Gと、値Zに関連付けられた回転速度値Hが、それぞれ、目標回転速度の候補として選択される。
このようにして、異なる基礎状態値から異なる回転速度値が目標回転速度の候補として選択される。次に、これら異なる目標回転速度の候補値に基づいて、目標回転速度が決定される。典型的には、異なる目標回転速度の候補値の中の最大値が、目標回転速度として選択される。このように最大の目標値を用いて補助機械(この例ではラジエータファンポンプ151)の作動を制御することで、補助機械の性能不足により生じ得る問題、例えばオーバーヒートがより効果的に防止できるという利点が得られる。
また、上記例では、補助機械の作動速度の目標値(例えば、ラジエータファン157の目標回転速度)を決定するために、その補助機械の機能が作用する対象物の状態値(例えば、ラジエータファン157による冷却機能が作用するブレーキ冷却油温や冷却水温)だけでなく、その対象物の状態値の将来の変化を引き起こす原因となる状態値(例えば、リターダブレーキの制動パワーを調整するためのリターダレバー操作量)も用いられる。そのような原因となる状態値を用いることで、不都合な状態を事前防止するように先回り的に補助機械の作動を制御できるという利点がある。
図4に戻る。次に、アフタクーラファン158の目標回転速度の決定方法について説明する。上述したように、アフタクーラファン158によって冷却されるアフタクーラ18は、圧縮空気を冷却する。即ち、アフタクーラファン158は、アフタクーラ158を直接的に冷却するとともに、圧縮空気を間接的に冷却する。つまり、アフタクーラファン158により冷却される対象物は、アフタクーラ18及び圧縮空気である。従って、合計負荷値演算部222は、例えば、電気信号(図1の(5))として入力された圧縮空気温に基づいて、アフタクーラファン158の目標回転速度を計算する。アフタクーラファン158の目標回転速度も、ラジエータファン157の場合と同様に、図6に示したような制御マップを用いて決定される。
エアコンディショナ156の消費パワーは、エアコンディショナの稼働状態(即ち、ONかOFFか)に基づいて決定される。従って、合計負荷値演算部222は、電気信号(図1の(8))として入力されたエアコンディショナのON/OFFを示す状態値に基づいて、エアコンディショナ156の消費パワーを計算することができる。
以上のようにして、種々の補助機械の作動状態の目標値が決定されると、それぞれの補助機械の実際の作動状態がそれぞれの目標値になるように、補助機械の運転が制御される。また、合計負荷値演算部222によって、それぞれの補助機械の作動状態の目標値に基づいて、それぞれの補助機械で消費されているパワーが計算される。そして、合計負荷値演算部222によって、計算されたそれら補助機械の消費パワーが合計されて、損失パワーが決定される。
図7は、ポンプ151〜155やエアコンディショナ156などの補助機械15で消費される損失パワーが変化したとき、エンジン12のグロス出力パワー及び主要出力パワーがどのように変化するかを、エンジン回転速度との関係で示した図である。
図7中、細い実線が、損失パワーが最小値であるとき(つまり、各種の補助機械15の消費パワーが最小であるとき)の、合計負荷値(つまり、損失パワーと目標主要出力値との和であり、これは図2に示された暫定出力値でもある)を示している。この場合、合計負荷値は前述した所定の調整出力上限値を超過しない。そのため、エンジン12のグロス出力値が、上記合計負荷値に一致する値に制御される。その結果、主要機械(例えば、走行装置14)へ分配されるエンジン12の主要出力パワーは、図7中で細い点線で示すように、合計負荷値から損失パワーの値を除去した値に制御され、それは、目標主要出力値に等しい。同様にして、損失パワーが小さくて合計負荷値が調整出力上限値以下である(小パワー領域にある)場合には、エンジン12の主要出力パワーは目標主要出力値に一致するように制御される。従って、主要機械(例えば、走行装置14)は十分な性能を発揮し得る。
図7中、一点鎖線が、損失パワーが最大値であるとき(つまり、各種の補助機械15の消費パワーが最大であるとき)の、合計負荷値(つまり、損失パワーと目標主要出力値との和であり、これは図2に示された暫定出力値でもある)を示している。この場合、エンジン回転速度が或る値Vより高い範囲で、合計負荷値が前述した所定の調整出力上限値を超過する。そのため、エンジン回転速度がその値Vより高いときには、エンジン12のグロス出力値が、上記合計負荷値ではなく、より低い調整出力上限値に制限される。このように制限されたグロス出力値が、図7では、太い実線で示されている。その結果、主要機械(例えば、走行装置14)へ分配されるエンジン12の主要出力値は、図7中で太い点線で示すように、制限されたグロス出力値から最大の損失パワーの値を除去した値に制御され、それは、細い点線で示された目標主要出力値(小パワー領域の場合の主要出力値)より若干小さい。しかし、主要出力値が目標主要出力値より落ちる幅は、それほど大きくはないので、主要機械(例えば走行装置14)の性能低下は実際上無視できるほど小さい。同様にして、損失パワーが大きくて合計負荷値が調整出力上限値を超過する(大パワー領域にある)場合には、グロス出力値が調整出力上限値に制限される。これにより、燃費が所望の値より悪化することが防止される。
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
本実施形態では、走行装置14が主要機械とされたが、走行装置14以外の装置(例えば、ホイスト機構に作動油を供給するステアリングポンプ154等)が主要機械とされてもよい。また、損失パワーの計算に用いられる補助機械15として、その他の補助機械15が考慮されてもよいし、消費パワーの比較的小さい補助機械15(例えば、エアコンディショナ156)については、損失パワーの計算において考慮されないようにしてもよい。
本実施形態では、小パワー領域においては、グロス出力値が合計負荷の値に調整され、大パワー領域においては、グロス出力値が調整出力上限値に調整された。変形例として、例えば、小パワー領域においては、グロス出力値が合計負荷パワーの値以上の値に調整され、大パワー領域においては、グロス出力値が調整出力上限値以下の値に調整されてもよい。このように制御した場合でも、小パワー領域においては、主要出力パワーを主要機械の性能を発揮させるのに十分値(例えば目標主要出力値以上)に保つことができ、大パワー領域においては、燃費の悪化を防止することができる。
1…ダンプトラック、12…エンジン、13…PTO、14…走行装置、141…トルクコンバータ、142…トランスミッション、143…アクスル、144…ホイール、15…補助機械、151…ラジエータファンポンプ、157…ラジエータファン、152…アフタクーラファンポンプ、158…アフタクーラファン、153…トランスミッションポンプ、154…ステアリングポンプ、155…ブレーキクーリングポンプ、156…エアコン、16…ブレーキ、161…ブレーキペダル、162…リターダレバー、17…ラジエータ、18…アフタクーラ、19…ターボチャージャ、21…エンジンCTL、211…エンジン駆動制御部、22…トランスミッションCTL、222…合計負荷値演算部、223…グロス出力値制御部、31…冷却水温センサ、32…T/C作動油温センサ、33…ブレーキ冷却油温センサ、34…ステアリング作動油温センサ、35…圧縮空気温センサ、36…リターダレバー操作量センサ

Claims (3)

  1. 少なくとも一つの主要機械(14)と1以上の補助機械(15)を同時に駆動するエンジン(12)を制御するための装置(1)において、
    前記主要機械は、前記エンジンの出力で駆動される装置のうち、走行装置、または、走行装置および作業装置の両方であり、
    前記補助機械は、前記主要機械以外のエンジン出力によって駆動される出力可変の装置であり、
    前記補助機械(15)で消費される損失パワーの値を演算し、前記主要機械(14)に分配される前記エンジン(12)の主要出力パワーのための目標値を前記損失パワーの値に加算することで、前記主要機械(14)と前記補助機械(15)に供給されるべきパワーの合計である合計負荷パワーの値を演算する合計負荷値演算部(222)と、
    前記合計負荷パワーの値に応じて、前記エンジン(12)それ自体から出力されるグロス出力パワーの値を制御するグロス出力値制御部(223)と、
    前記グロス出力値制御部(223)による前記グロス出力パワーの値の制御に従って、前記エンジン(12)の駆動を制御するエンジン駆動制御部(211)と
    を備え、
    前記グロス出力値制御部(223)は、前記グロス出力パワーの値の可変範囲内に設定された閾値を有し、前記合計負荷パワーの値が前記閾値より小さいときには、前記グロス出力パワーの値を前記合計負荷パワーの値になるように制御し、前記合計負荷パワーの値が前記閾値より大きいときには、前記グロス出力パワーの値を前記閾値になるように制御する、
    エンジン出力制御装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記合計負荷値演算部(222)は、前記主要出力パワーのための前記目標値を、前記エンジン(12)の回転速度に応じて変化させる、エンジンジン出力制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、
    前記合計負荷値演算部(222)は、或る補助機械(15)の2以上の状態値をそれぞれ検出する複数のセンサ(31,32,33,34,35又は36)から、前記2以上の状態値を示す信号を入力し、前記入力された信号により示される前記2以上の状態値にそれぞれ基づいて、前記或る補助機械(15)で消費されるパワーの2以上の候補値を決定し、前記決定された2以上の候補値のうちの最大値を、前記或る補助機械(15)で消費される損失パワーの値として選択する、エンジンジン出力制御装置。
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