JP5124260B2 - 化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジストが知られている。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
前記オニウム塩系酸発生剤のアニオン部としては、現在、パーフルオロアルキルスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンが主に用いられており、その対イオン(カチオン部)としては、トリフェニルスルホニウムイオン等の有機カチオンが用いられている(たとえば特許文献1参照)。
しかし、このようなオニウム塩系酸発生剤は、その構造上、アルカリ現像液に対する親和性が低く、また、レジスト膜内での分布が均一になりにくく、解像性等のリソグラフィー特性に悪影響を与えるおそれがある。また、上記アニオン部のパーフルオロアルキル鎖は、露光後の酸の拡散を抑制するためには長い方が好ましいと考えられるが、炭素数6〜10のパーフルオロアルキル鎖は難分解性である。そのため、生体蓄積性を考慮した取り扱いの安全のために、炭素数4以下のパーフルオロアルキルスルホン酸イオン、たとえばノナフルオロブタンスルホン酸イオン等が用いられている。
最近、前記パーフルオロアルキルスルホン酸イオンまたはアルキルスルホン酸イオンのアルキル鎖に、置換基として、−O−C(=O)−を含む置換基が結合したアニオン部(以下、置換スルホン酸イオンという。)を有する酸発生剤が提案されている(たとえば特許文献2〜3参照)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、レジスト組成物用の酸発生剤として有用な化合物を合成する際の中間体として有用な化合物を製造できる新規な製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記一般式(1−1)で表される化合物(1−1)と、下記一般式(1−2)で表される化合物(1−2)とを反応させて下記一般式(1−3)で表される化合物(1−3)を得る工程を有することを特徴とする化合物の製造方法である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
本発明の製造方法は、前記化合物(1−1)と、前記化合物(1−2)とを反応させて化合物(1−3)を得る工程を必須の工程として有する。
本工程では、化合物(1−2)の−C(=O)−OMが、化合物(1−1)由来のヒドロキシアルキル基(−R1−OH)でエステル化されて化合物(1−3)が生成する。
直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基またはn−プロピレン基が好ましく、特にエチレン基が好ましい。
該脂肪族基は、飽和脂肪族基であってもよく、不飽和脂肪族基であってもよい。また、脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
脂肪族基は、炭素原子および水素原子のみからなる脂肪族炭化水素基であってもよく、該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換された基であってもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換された基であってもよい。
前記ヘテロ原子としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−等が挙げられる。脂肪族基が環式基を含む場合、これらの置換基を当該環式基の環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR96、−OC(=O)R97、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
R96およびR97はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R96およびR97におけるアルキル基が直鎖状または分岐鎖状の場合、その炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、後述する直鎖状または分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
R96およびR97におけるアルキル基が環状である場合、該環は単環であってもよく、多環であってもよい。その炭素数は3〜15であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、5〜10がさらに好ましい。具体的には、後述する環状の1価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10がさらに最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10がさらに最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
芳香族基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。
これらの芳香族基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
なお、化合物(1−1)におけるR2が芳香族基であると、つまりR2に隣接する酸素原子が、脂肪族基を介さずに直接芳香環に結合していると、化合物(1−1)と化合物(1−2)との反応は進行せず、化合物(1−3)は得られない。
Y1のアルキレン基としては、前記R1で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
Y1として、具体的には、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
また、化合物(1−2)としては、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
たとえば、化合物(1−20)の合成方法としては、たとえば下記一般式(0−1)で表される化合物(0−1)をアルカリの存在下で加熱し、中和する工程(以下、塩形成工程という。)を行う方法が挙げられる。
また、化合物(1−21)の好ましい合成方法としては、たとえば前記化合物(1−20)を、化合物(1−21)よりも酸強度の高い酸の存在下で加熱する工程(以下、カルボン酸化工程という。)を行う方法が挙げられる。
化合物(0−1)としては市販のものを使用できる。
溶媒としては、化合物(0−1)を溶解するものであればよく、たとえば水、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アルカリとしては、式(1−20)中のMに対応するアルカリが用いられ、該アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
アルカリの使用量は、化合物(0−1)1モルに対し、1〜5モルが好ましく、2〜4モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜120℃程度が好ましく、50〜100℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
このとき、中和は、酸添加後の反応液のpH(25℃)が6〜8となるように実施することが好ましい。また、中和時の反応液の温度は、20〜30℃であることが好ましく、23〜27℃であることがより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(1−20)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
「化合物(1−21)よりも酸強度の高い酸(以下、単に強酸ということがある。)」とは、化合物(1−21)における−COOHよりも、pKa(25℃)の値が小さい酸を意味する。かかる強酸を用いることにより、化合物(1−20)中の−COO−M+が−COOHとなり、化合物(1−21)が得られる。
強酸としては、公知の酸のなかから、前記化合物(1−21)における−COOHのpKaよりもpKaが小さい酸を適宜選択して用いればよい。化合物(1−21)における−COOHのpKaは、公知の滴定法により求めることができる。
強酸として、具体的には、アリールスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。アリールスルホン酸としては、たとえばp−トルエンスルホン酸が挙げられる。アルキルスルホン酸としては、たとえばメタンスルホン酸やトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。強酸としては、有機溶剤への溶解性や精製のし易さから、特にp−トルエンスルホン酸が好ましい。
溶媒としては、化合物(1−20)を溶解するものであればよく、たとえばアセトニトリル、メチルエチルケトン等が挙げられる。
強酸の使用量は、化合物(1−20)1モルに対し、0.5〜3モルが好ましく、1〜2モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜150℃程度が好ましく、50〜120℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(1−21)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒としては、たとえばトルエン、ベンゼン、1,2−ジクロロメタン、1,3−ジクロロプロパン等が挙げられる。
加熱温度(反応温度)としては、20〜140℃程度が好ましく、60〜130℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、1〜72時間が好ましく、6〜48時間がより好ましい。
上記反応は、酸性触媒の存在下で行ってもよい。酸性触媒としては、特に限定されず、たとえば、アリールスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。アリールスルホン酸としては、たとえばp−トルエンスルホン酸が挙げられる。アルキルスルホン酸としては、たとえばメタンスルホン酸やトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。酸性触媒としては、有機溶剤への溶解性や精製のし易さから、特にp−トルエンスルホン酸が好ましい。
酸性触媒の使用量は、出発物質が化合物(1−20)である場合、該化合物(1−20)1モルに対し、1〜3モルが好ましく、1.0〜1.5モルがより好ましい。
酸性触媒の使用量は、出発物質が化合物(1−21)である場合、該化合物(1−21)1モルに対し、0.1〜2モルが好ましく、0.1〜1モルがより好ましい。
得られた化合物(1−3)の構造は、1H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
上記のような末端の−OMが修飾されたアニオン部は、公知の塩交換反応により適当なカチオン部、たとえばスルホニウムイオン、ヨードニウムイオン等の有機カチオンと組み合わせることにより、露光により酸(スルホン酸)を発生するものとなる。かかる化合物は、レジスト組成物用の酸発生剤として有用である。
以下の各例において、化学式(II)で表される化合物を「化合物(II)」と記載し、他の化学式で表される化合物についてもそれぞれ同様に記載する。
化合物(II)4.34g(純度:94.1%)、2−ベンジルオキシエタノール3.14g、トルエン43.4gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.47gを添加し、105℃で20時間還流した。反応液を濾過し、濾物にヘキサン20gを添加し、撹拌した。再度濾過し、濾物を乾燥することにより化合物(III)を1.41g(収率:43.1%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=4.74−4.83(t,1H,OH)、4.18−4.22(t,2H,Ha)、3.59−3.64(q,2H,Hb)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.6。
上記の結果から、化合物(III)が下記に示す構造を有することが確認できた。
化合物(II)2.48g(純度:94.1%)、シクロヘキシルオキシエタノール3.40g、トルエン24.8gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.28gを添加し、105℃で22時間還流した。反応液を濾過し、濾物にヘキサン20gを添加し、撹拌した。再度濾過し、濾物を乾燥することにより化合物(III)を3.15g(収率:49.1%)得た。
化合物(II’)73.0g(純度:85.1%)、2−ベンジルオキシエタノール43.37g、トルエン627.2gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物109.74gを添加し、105℃で18間還流した。反応液を濾過し、濾物にヘキサン345gを添加し、撹拌した。再度濾過し、濾物を乾燥することにより化合物(III)を28.5g(収率:41.3%)得た。
化合物(II)5.00g(純度:94.1%)、フェノキシエタノール6.35g、トルエン50.00gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.935gを添加し、110℃で15時間還流した。その後、濾過し、残渣にトルエン46.87gを添加し、室温にて15分間撹拌し、濾過を行う工程を2回繰り返して白色の粉末を得た。その白色の粉末を一晩減圧乾燥させた。翌日、白色の粉末にアセトニトリル46.87gを加え、室温にて15分間撹拌した後、濾過を行い、得られた濾液をTBME468.7gにゆっくり滴下し、析出した固体を濾過により回収・乾燥させることによって、白色粉体として化合物(VII)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=4.20(t,2H,Ha),4.54(t,2H,Hb),6.92−7.00(m,3H,Hc),7.22−7.34(m,2H,Hd)。
19F−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=−107.6(s,2F,Fa)(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした)。
上記の結果から、化合物(VII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
化合物(III)1.00gおよびアセトニトリル3.00gに対し、1−アダマンタンカルボニルクロライド0.82gおよびトリエチルアミン0.397gを氷冷下滴下した。滴下終了後、室温で20時間攪拌し、濾過した。ろ液を濃縮乾固し、ジクロロメタン30gに溶解させ水洗を3回行った。有機層を濃縮乾燥することにより化合物(IV)を0.82g(収率:41%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=8.81(s,1H,Hc)、4.37−4.44(t,2H,Hd)、4.17−4.26(t,2H,He)、3.03−3.15(q,6H,Hb)、1.61−1.98(m,15H,Adamantane)、1.10−1.24(t,9H,Ha)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.6。
上記の結果から、化合物(IV)が下記に示す構造を有することが確認できた。
化合物(V)0.384gをジクロロメタン3.84gと水3.84gに溶解させ、化合物(IV)0.40gを添加した。1時間攪拌後、分液処理にて有機層を回収し、水3.84gで水洗浄を3回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(VI)を0.44g(収率81.5%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.57−7.87(m,14H,Phenyl)、4.40−4.42(t,2H,Hb)、4.15−4.22(t,2H,Ha)、2.43(s,3H,Hc)、1.60−1.93(m,15H,Adamantane)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.7。
上記の結果から、化合物(VI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
表1に示す各成分を混合、溶解してポジ型のレジスト組成物を調製した。
なお、表1中、(B)−1の9.14質量部と(B’)−1の8.0質量部とは等モル量である。
(A)−1:下記化学式(A)−1(式中、l/m/n=45/35/20(モル比))で表されるMw=7000、Mw/Mn=1.8の共重合体。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物(前記化合物(VI))。
(B’)−1:下記化学式(B’)−1で表される化合物。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME=6/4(質量比)。
[レジストパターン形成]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記レジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
次に、前記レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、110℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅120nm、ピッチ240nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、L/Sパターンという。)が形成された。
上記ライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2)を求めた。また、解像性として上記Eopにおける限界解像度を求めた。これらの結果を表2に示す。
また、上記で形成したライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡(商品名:S−9220、日立製作所社製)により観察した。その結果、参考例3のレジストパターン形状は、比較参考例1に比べて、ライン側壁の垂直性が高く、基板界面との裾引きが抑制されているなど、矩形性が高かった。
前記Eopで形成されたライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧800V、商品名:S−9220、日立製作所社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表2に示す。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のL/Sパターンが得られたことを意味する。
露光量をそれぞれ変えた以外は上記と同じ手順でライン幅120nm、ピッチ240nmをターゲット寸法とするL/Sパターンを形成した。
このとき、L/Sパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅120nm)の±5%(114nm、126nm)で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表2に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
[式中、E1は、ライン幅114nmのL/Sパターンが形成された際の露光量(mJ/cm2)を示し、E2は、ライン幅126nmのL/Sパターンを形成された際の露光量(mJ/cm2)を示す。]
上記Eopにおいて、ライン幅130nm、ピッチ260nmのL/Sパターンをターゲットとするマスクパターンと、ライン幅120nm、ピッチ260nmのL/Sパターンをターゲットとするマスクパターンとを用いてL/Sパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。
MEF=|CD130−CD120|/|MD130−MD120|
上記式中、CD130、CD120は、それぞれ、ライン幅130nm、120nmをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたL/Sパターンの実際のライン幅(nm)である。MD130、MD120は、それぞれ、当該マスクパターンがターゲットとするライン幅(nm)であり、MD130=130、MD120=120である。このMEFの値が1に近いほど、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成されたことを示す。
その結果、参考例3が2.0、比較参考例1が2.0であり、同等であった。
上記Eopにおいて、マスクパターンのL/S比(ライン幅とスペース幅との比)を1:1に固定し、マスクサイズ(ライン幅)を110〜150nmの範囲で10nmずつ変化させてそれぞれL/Sパターンを形成し、形成されたL/Sパターンのサイズ(ライン幅)を測定した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、参考例3では、120nmのEopにて、サイズが120nmから離れていても、比較参考例1よりもマスクサイズに忠実なサイズのL/Sパターンが形成されており、参考例3のレジスト組成物が、比較参考例1のレジスト組成物よりもマスク再現性に優れていることが確認された。
上記結果から、本発明の製造方法により製造された化合物を中間体として合成された化合物が、酸発生剤として有用な化合物の中間体として有用であることが確認された。
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