JP5124168B2 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、トラックやバス、建設車両のような大型車両に用いられる重荷重用ラジアルタイヤに関するものであり、特に、非舗装路面に散在する石や岩などの突起物を乗り越すような場所で継続して使用したとしても高いベルト耐久性を有する重荷重用ラジアルタイヤに関するものである。
一般に、建設車両等に用いられる重荷重用ラジアルタイヤは、石や岩などが散在する非舗装路面で使用されることが多く、高い耐久性が要求されていた。
これに関しては、従来の重荷重用ラジアルタイヤは、タイヤ赤道面に対するコード角度が小さい複数層の低角度ベルト層を順次積層し、これらの低角度ベルト層のタイヤ径方向外側に、タイヤ赤道面に対するコード角度が大きい少なくとも1層の高角度ベルト層を配設し、この高角度ベルト層のタイヤ径方向外側に、更に保護ベルト層を配設したベルト構造を有するのが一般的であった。
すなわち、低角度ベルト層がタイヤに作用する周方向の張力を負担することで、走行時のトレッドの径成長を抑制し、クラウン形状が変化するのを防ぐとともに、高角度ベルト層がベルトの面内剛性を保持することで、運動性能を確保することができ、更に、保護ベルト層によって、耐カット貫通特性および耐トレッド摩耗性等を向上させることができる。
例えば、特許文献1には、タイヤ赤道面に対するコード角度が15°以下で、その幅がトレッド接地幅の50%以下の低角度ベルト層と、該低角度ベルト層の径方向外側に配設されたタイヤ赤道面に対するコード角度が10°〜40°の相対的に広幅の高角度ベルト層と、前記高角度ベルト層の径方向外側に配設された、金属コードを被覆ゴム中に埋設した保護ベルト層とを有する重荷重用ラジアルタイヤにおいて、ベルトを形成する金属コード層のコード配列方向と角度およびコード層の幅を適切に組み合わせることにより、ベルト耐久性(耐ベルト端セパレーション特性)を向上させる発明が開示されている。
特開平11−170809号公報
また、特許文献2には、タイヤ赤道面に対するコード角度が15°以下で、その幅がトレッド幅の0.25〜0.50倍の2層の小傾斜ベルト層と、該小傾斜ベルト層の径方向外側に配設された大傾斜ベルト層と、大傾斜ベルト層の径方向外側に配設された保護ベルト層とを有する重荷重用ラジアルタイヤにおいて、2層の小傾斜ベルト層の幅の比を1.1〜1.3とすることによりベルト耐久性(ベルト幅端でのセパレーション)を向上させる発明が開示されている。
特開2002−362109号公報
しかし、特許文献1および2の重荷重用ラジアルタイヤは、高空気圧および高荷重条件下で使用され、特に、路面に散在する突起物を乗り越すような場合、タイヤ径方向最内側にある最内低角度ベルト層に最も大きい引張力が作用し、これによって、最内低角度ベルト層コードが破断するおそれがあった。
図1は、2層の低角度ベルト層101a、101bおよび1層の高角度ベルト層102を有する従来のベルト構造を持つ重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の幅方向断面図である。尚、図1中の弧状の2点鎖線は、タイヤ幅方向から見た引張―圧縮の中立軸110を表す。ここで、「引張―圧縮の中立軸」とは、トレッド構成部材において、圧縮力を受ける領域と引張力を受ける領域との境界を表したものであり、中立軸よりもタイヤ径方向外側の領域は圧縮入力を受け、中立軸よりもタイヤ径方向内側の領域は引張入力を受ける。この引張―圧縮の中立軸は、有限要素法(FEM)を用いて、トレッド構成部材の歪を算出し、引張歪と圧縮歪の境界点を連続的に結ぶことにより得られたものである。
図2は、2層の低角度ベルト層201a、201bおよび1層の高角度ベルト層202を有する従来の重荷重用ラジアルタイヤの接地時の周方向断面図である。尚、図2中の弧状の2点鎖線は、タイヤ周方向からみた引張―圧縮の中立軸210を表す。
図1および図2に示すとおり、タイヤトレッド部は接地状態で、タイヤの接地面の幅方向中心部である圧縮領域CRでは圧縮変形、接地面の幅方向外側部である引張領域TRでは引張変形が生じている。特に、低角度ベルト層は、前述したとおり、周方向の張力を負担しているため、主に周方向曲げ変形による引張力を受け、引張―圧縮の中立軸110、210から最も離れた最内低角度ベルト層101a、201aが最大の引張力を受けることとなる。
更に、図3に、タイヤが石や岩などの突起物305を乗り越す際の、2層の低角度ベルト層301a、301bおよび1層の高角度ベルト層302を有する従来の重荷重用ラジアルタイヤの周方向断面図を示す。尚、図3中の弧状の2点鎖線は周方向からみた引張―圧縮の中立軸310を表す。この場合の引張―圧縮中立軸も、前記同様、突起物乗り越し時のFEM解析によりトレッド構成部材の引張歪と圧縮歪の境界点を連続的に結ぶことにより得られる。前記中立軸は図3に示すとおり、突起物305を乗り越す際には、通常のタイヤ接地時よりも更に局所的な引っ張り変形が生じ、最内低角度ベルト層で引張強度を超える引張力を受けた場合には、最内低角度ベルト層が破断してしまうおそれがある。
前記問題を解決するための従来技術としては、(i)低角度ベルト層のコード単体を太径等にして引張強度を上げること、または(ii)低角度ベルト層のコード単体の引張強度は変えずに、隣のコードとの間隔を小さくとり(コード打ち込み数の増加)、コード1本あたりが受ける引張力を低減させることが考えられていた。
しかし、前記(i)および(ii)の方法では、いずれも最内低角度ベルト層の引張剛性が他のベルト層に比べて増加するため、負担する引張力も増加し、結果として、低角度ベルト層の破断を充分に防止する手段にはなり得なかった。
本発明の目的は、補強ベルト内に追加ベルト層を適切に配設することによって、タイヤが突起物等を乗り越す場合であっても、タイヤ径方向最内側にある最内低角度ベルト層に作用する引張力を低減させ、最内低角度ベルト層のコードが破断するのを有効に防止することができる重荷重用ラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)一対のビードコアと、該ビードコア間でトロイド状に延びる少なくとも1プライのカーカスと、該カーカスのクラウン部の径方向外側に配設された補強ベルトと、該補強ベルトの径方向外側に配設されたトレッドとを具え、前記補強ベルトは、タイヤ赤道面に対して3〜10°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層である少なくとも2層の低角度ベルト層を、タイヤ赤道面を挟んで交差するように順次積層して形成した低角度交差ベルトと、該低角度交差ベルトの径方向外側に配設され、タイヤ赤道面に対して15〜40°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層である少なくとも1層の高角度ベルト層とを有し、前記低角度ベルト層の幅が、トレッド幅の0.2〜0.6倍であり、前記高角度ベルト層の幅が、トレッド幅の0.6〜0.9倍で且つ低角度交差ベルトの幅よりも広い重荷重用ラジアルタイヤにおいて、前記低角度交差ベルトを構成する低角度ベルト層のうち、最も径方向内側に位置する低角度ベルト層である最内低角度ベルト層より径方向外側で且つ前記高角度ベルト層より径方向内側に位置する、引張―圧縮の中立軸より径方向内側の引張領域に、タイヤ赤道面と平行なタイヤ周方向を含む平面に対して3〜10°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層であり、最内低角度ベルト層幅の0.25〜0.4倍の幅を有する対をなす追加ベルト層を、それぞれタイヤ赤道面の両側に分離して配設し、前記追加ベルト層は、最内低角度ベルト層の幅端位置よりも、タイヤ幅方向内側にあることを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
(2)前記対をなす追加ベルト層は、同じ幅を持ち、且つタイヤ赤道面に対して対称に配設したことを特徴とする上記(1)に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
(3)前記低角度交差ベルトを構成する最内低角度ベルト層と該最内低角度ベルト層上に積層された外側低角度ベルト層との対応するベルト端間のタイヤ幅方向距離は、トレッド幅の0.015〜0.04倍の範囲にあることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
(4)前記最内低角度ベルト層の幅端位置と、該幅端位置に対応する追加ベルト層のタイヤ幅方向外端位置との間のタイヤ幅方向距離は、前記最内低角度ベルト層の幅の0.025〜0.075倍の範囲にあることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
)前記追加ベルト層のコードは、最内低角度ベルト層のコードと同じ向きに配列してなる上記(1)〜()のいずれか1に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
本発明によれば、補強ベルト内に追加ベルト層を適切に配設することによって、タイヤが突起物等を乗り越す場合であっても、タイヤ径方向最内側にある最内低角度ベルト層に作用する引張力を低減させ、最内低角度ベルト層のコードが破断するのを有効に防止することができる重荷重用ラジアルタイヤの提供が可能になる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図4は、本発明による重荷重用ラジアルタイヤの幅方向断面図である。この重荷重用ラジアルタイヤ1は、一対のビードコア(図示せず)と、該ビードコア間でトロイド状に延びる少なくとも1プライのカーカス(図示せず)と、該カーカスのクラウン部の径方向外側に配設された補強ベルト2と、該補強ベルト2の径方向外側に配設されたトレッド3とを具える。図4中、タイヤ幅中央の1点鎖線はタイヤ赤道面Cを表し、弧状の2点鎖線は引張―圧縮の中立軸10を表す。
補強ベルト2は、低角度交差ベルト4と、該低角度交差ベルトの径方向外側に配設された少なくとも1層の高角度ベルト層、図4では1層の高角度ベルト層5とを有する。前記低角度交差ベルト4は、少なくとも2層の低角度ベルト層、図4では2層の低角度ベルト層6a、6bを、タイヤ赤道面Cを挟んで交差するように順次積層して形成する。
低角度ベルト層6a、6bは、タイヤ赤道面に対して3〜10°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層であり、それぞれの幅W6a、W6bはトレッド幅TWの0.2〜0.6倍である。タイヤ赤道面に対してスチールコードが3°未満だと、荷重時の低角度ベルト層間の歪が大きくなり、低角度ベルト層6bにベルト端セパレーションが発生しやすくなるからであり、タイヤ赤道面に対して10°を超えると、タイヤの径方向成長を抑制するタガ締め効果が低減する。また、ベルト幅W6a、W6bが、トレッド幅TWの0.2倍未満だと、タイヤの径方向成長の抑制効果が不十分となるおそれがあり、トレッド幅TWの0.6倍を超えると、荷重時には、低角度ベルト層の周方向引張入力に起因する各低角度ベルト層6a,6bのベルト端の歪が増加するおそれがある。
高角度ベルト層5は、タイヤ赤道面に対して15〜40°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆であり、その幅Wはトレッド幅TWの0.6〜0.9倍であり、且つ低角度交差ベルト4の幅Wよりも広い。尚、低角度交差ベルト4の幅Wは、低角度交差ベルトを構成する低角度ベルト層6a、6bの幅のうち、最大ベルト幅を意味する。従って、図4では、低角度交差ベルト4の幅Wは、最内低角度ベルト層6aの幅W6aとなる。高角度ベルト層5のスチールコードをタイヤ赤道面に対して15〜40°に規定しているのは、ベルト層全体の面内剛性を充分に確保するためである。また、ベルト幅Wがトレッド幅TWの0.6倍未満だと、トレッド接地面からのカット入力等から低角度ベルト層を保護するのに充分ではなく、トレッド幅TWの0.9倍を超えると荷重時の周方向引張入力に起因するベルト端の歪が増加するおそれがある。
そして、本発明の構成上の主な特徴は、前記低角度交差ベルト4を構成する低角度ベルト層6a、6bのうち、最も径方向内側に位置する低角度ベルト層である最内低角度ベルト層6aより径方向外側で且つ高角度ベルト層5より径方向内側に位置する、引張―圧縮の中立軸10より径方向内側の引張領域TRに、タイヤ赤道面Cと平行なタイヤ周方向を含む平面に対して3〜10°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆であり、最内低角度ベルト層6aの幅W6aの0.25〜0.4倍の幅を有する対をなす追加ベルト層7a、7bを、それぞれタイヤ赤道面Cの両側に分離して配設することにある。
前記追加ベルト層7a、7bは、同じ幅を持ち、タイヤ赤道面Cに対して(線)対称に配設することが好ましい。追加ベルト層7a、7bを分離配置ではなく、1層のシートとして連続的に配設すると、タイヤ幅方向中心部に追加ベルト層が存在することとなり、タイヤ幅方向中心部での曲げ剛性が大幅に増加し、端部にかけて周方向曲げ剛性が減少する傾向がある。そこで、追加ベルト層7a、7bをタイヤ赤道面Cの両側に、好ましくは、タイヤ赤道面に対して(線)対称に配設することで、タイヤ中心部から端部にかけて均一な曲げ剛性分布を得ることができ、局所的な周方向曲げ変形を防止することができる。
図5は、追加ベルト層7a、7bを配設しない場合に、低角度ベルト層6a、6bに加わる引張力を観念的に表した図である。低角度ベルト6a、6b上の矢印の長さは、各層が受ける引張力の大きさを表している。同様に、図6は、追加ベルト層7a、7bを最内低角度ベルト層6aより径方向外側で且つ高角度ベルト層5より径方向内側で、引張−圧縮中立軸10より径方向内側の引張領域TRに配設した場合に、低角度ベルト層6a、6bに加わる引張力を観念的に表した図である。図5および図6の対比から、追加ベルト層7a、7bを適切に配設することにより、最内低角度ベルト層6aの引張力の一部を追加ベルト層7a、7bが負担し、最内低角度ベルト層6aの引張力負担が減るのがわかる。
タイヤトレッド部が周方向曲げ変形を受ける際に、接地面の幅方向外側部の引張領域TRに生じる引張力は、低角度ベルト層6a、6bでほぼ受け持ち、中立軸から離れた最内低角度ベルト層6aに作用する引張力が最大となる。最内低角度ベルト層6aよりもタイヤ径方向外側に追加ベルト層7a、7bを配設し、追加ベルト層7a、7bも引張力を受け持つことで、最内低角度ベルト層6aの張力負担率を低減し、最内低角度ベルト層6aに作用する引張力を低減することができる。但し、高角度ベルト層5よりも径方向外側へ配置してしまうと、接地面の幅方向中央部の圧縮領域CRへ配設することになり、前述の効果を得ることはできない。また、最内低角度ベルト層6aよりも径方向内側へ配置してしまうと、ベルト層7a,7b自身が引張力により破断するおそれがある。
前記低角度交差ベルト4を構成する最内低角度ベルト層6aとこの最内低角度ベルト層6a上に積層された外側低角度ベルト層6bの対応するベルト端間のタイヤ幅方向距離αは、トレッド幅TWの0.015〜0.04倍の範囲にあるのが好ましい。距離αがトレッド幅TWの0.015倍未満だと、低角度ベルト層6aのベルト端に生じた亀裂が低角度ベルト層6bのベルト端につながりやすくなるおそれがあり、トレッド幅の0.04倍を超えると、低角度ベルト層6a,6bの角度が異なることにより生じるベルト層の面内剛性の差が大きくなりすぎるおそれがあるからである。最内低角度ベルト層6aと外側低角度ベルト層6bの幅は、どちらが広くてもよいが、好ましくは、最内低角度ベルト6aが広幅であるのが、カーカスの径方向成長を充分に抑制できる点で好ましい。低角度交差ベルトを構成する低角度ベルト層は、図4では2層の場合を示したが、順次交差積層した3層以上の低角度ベルト層で低角度交差ベルトを構成してもよい。
前記最内低角度ベルト層6aの幅端位置8と、この幅端位置に対応する追加ベルト層7a、7bのタイヤ幅方向外端位置9との間のタイヤ幅端距離βは、前記最内低角度ベルト層6aの幅W6aの0.025〜0.075倍の範囲にあるのが好ましい。周方向曲げ剛性はタイヤ中央部が最も高く、タイヤ幅端部にかけて低減していくため、タイヤ幅端部に配設するのが好ましいからである。距離βがトレッド幅TWの0.025倍未満だと、最内低角度ベルト層6aの幅端位置8からの亀裂が繋がりやすくなるおそれがあり、トレッド幅TWの0.075倍を超えると、引張力が大きい最内低角度ベルト層6aの幅端位置8付近の張力を負担する効果が薄れるおそれがあるからである。
前記追加ベルト層7a、7bは、最内低角度ベルト層6aの幅端位置8よりも、タイヤ幅方向内側にあるのが好ましい。タイヤ幅方向内側にあることにより、追加ベルト層7a,7bのタイヤ幅方向外側端からの亀裂の発生を防止することができるという効果が得られる。
前記追加ベルト層7a、7bのコードは、最内低角度ベルト層6aのコードと同じ向きに配列するのが好ましい。なお、ここでいう「同じ向き」とは、最内低角度ベルト層6aの1本のコードと追加ベルト層7a、7bの1本のコードとの交点を通るタイヤ赤道面と平行なタイヤ周方向をy軸とし、y軸と前記交点で直交する線をx軸とする直交座標系を考えると、前記最内低角度ベルト層の1本のコード角度と、前記追加ベルト層の1本のコード角度が同一象限内にあることをいう。
次に、本発明に従う重荷重用ラジアルタイヤを試作し、性能を評価したので以下で説明する。実施例1〜4は、タイヤサイズが59/80R63であり、表1に示す諸元の補強ベルトを有し、補強ベルト以外の構造は、改変を要しないため、通常の大型ダンプトラック用タイヤと同様のものを用いた。参考のため、追加ベルト層を配設しないこと以外は実施例1のタイヤと同様な構造をもつタイヤも併せて試作した。
Figure 0005124168
(評価方法)
上記各供試タイヤについて、突起物(平板に取り付けたR=200mmの半球)乗り越し時の最内低角度ベルト層の破断強度を、有限要素法(FEM)により計算し、この計算値からベルト耐久性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2中の数値は、比較例を100とした指数比で示してあり、数値が大きいほどベルト耐久性が優れていることを示す。
Figure 0005124168
表2の結果から、本発明の実施例1〜4はいずれも、比較例よりもベルト耐久性が優れていることがわかる。
本発明によれば、補強ベルト内に追加ベルト層を適切に配設することによって、タイヤが突起物等を乗り越す場合であっても、タイヤ径方向最内側にある最内低角度ベルト層に作用する引張力を低減させ、最内低角度ベルト層のコードが破断するのを有効に防止することができる重荷重用ラジアルタイヤの提供が可能になる。
従来の重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ幅方向断面図である。 図1に示すタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ周方向断面図である。 図2のタイヤが突起物を乗り越す際の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ周方向断面図である。 本発明に従う重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ幅方向断面図である。 追加ベルト層を配設しない場合の低角度ベルト層に加わる引張力を表した図である。 追加ベルト層を適切な位置に配設した場合の低角度ベルト層に加わる引張力を表した図である。 実施例1の重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ幅方向断面図である。 実施例2の重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ幅方向断面図である。 実施例3の重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ幅方向断面図である。 比較例1の重荷重用ラジアルタイヤの路面接地時の補強ベルトの状態を説明するためのタイヤ幅方向断面図である。
符号の説明
1:重荷重用ラジアルタイヤ
2:補強ベルト
3:トレッド
4:低角度交差ベルト
5:高角度ベルト層
6a:低角度ベルト層(最内低角度ベルト層)
6b:低角度ベルト層(外側低角度ベルト層)
7a,7b:追加ベルト層
10:引張―圧縮の中立軸
C:タイヤ赤道面
CR:圧縮領域
TR:引張領域
TW:トレッド幅
:低角度交差ベルトの幅
:高角度ベルト層の幅
6a:最内低角度ベルト層の幅
6b:外側低角度ベルト層の幅
α:最内低角度ベルト層と外側低角度ベルト層との対応するベルト端間のタイヤ幅方向距離
β:最内低角度ベルト層の幅端位置と、対応する追加ベルト層のタイヤ幅方向外端位置との間のタイヤ幅方向距離

Claims (5)

  1. 一対のビードコアと、該ビードコア間でトロイド状に延びる少なくとも1プライのカーカスと、該カーカスのクラウン部の径方向外側に配設された補強ベルトと、該補強ベルトの径方向外側に配設されたトレッドとを具え、前記補強ベルトは、
    タイヤ赤道面に対して3〜10°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層である少なくとも2層の低角度ベルト層を、タイヤ赤道面を挟んで交差するように順次積層して形成した低角度交差ベルトと、
    該低角度交差ベルトの径方向外側に配設され、タイヤ赤道面に対して15〜40°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層である少なくとも1層の高角度ベルト層とを有し、
    前記低角度ベルト層の幅が、トレッド幅の0.2〜0.6倍であり、前記高角度ベルト層の幅が、トレッド幅の0.6〜0.9倍で且つ低角度交差ベルトの幅よりも広い重荷重用ラジアルタイヤにおいて、
    前記低角度交差ベルトを構成する低角度ベルト層のうち、最も径方向内側に位置する低角度ベルト層である最内低角度ベルト層より径方向外側で且つ前記高角度ベルト層より径方向内側に位置する、引張―圧縮の中立軸より径方向内側の引張領域に、タイヤ赤道面と平行なタイヤ周方向を含む平面に対して3〜10°の角度で配列されたスチールコードのゴム被覆層であり、最内低角度ベルト層幅の0.25〜0.4倍の幅を有する対をなす追加ベルト層を、それぞれタイヤ赤道面の両側に分離して配設し
    前記追加ベルト層は、最内低角度ベルト層の幅端位置よりも、タイヤ幅方向内側にあることを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 前記対をなす追加ベルト層は、同じ幅を持ち、且つタイヤ赤道面に対して対称に配設したことを特徴とする請求項1に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 前記低角度交差ベルトを構成する最内低角度ベルト層と該最内低角度ベルト層上に積層された外側低角度ベルト層との対応するベルト端間のタイヤ幅方向距離は、トレッド幅の0.015〜0.04倍の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  4. 前記最内低角度ベルト層の幅端位置と、該幅端位置に対応する追加ベルト層のタイヤ幅方向外端位置との間のタイヤ幅方向距離は、前記最内低角度ベルト層の幅の0.025〜0.075倍の範囲にあることを特徴とする請求項1、2または3に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  5. 前記追加ベルト層のコードは、最内低角度ベルト層のコードと同じ向きに配列してなる請求項1〜のいずれか1項に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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