JP5123093B2 - 検査支援システム、製品の製造システムおよび製品の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、この部品の検査において合格した部品同士を組み付けた場合であっても完成品である製品の検査において不合格となる場合がある。
図1は、本実施の形態に係る製品の検査支援システムの概略構成を例示するためのブロック図である。
図1に示すように、検査支援システム1には、構成要素検査情報格納手段2、品質保証検査情報格納手段3、参考情報格納手段4、検査評価手段5が設けられている。また、検査評価手段5には、構成要素検査情報格納手段2、品質保証検査情報格納手段3、参考情報格納手段4が電気的に接続され、それぞれに格納されている情報(データ)を検査評価手段5に提供できるようになっている。また、検査評価手段5は、提供された情報(データ)に基づいて出荷先で不良が発生する可能性を評価し、これを検査支援情報として外部の機器に提供できるようになっている。なお、出荷先で不良が発生する可能性の評価については後述する。
環境検査に関する情報(データ)としては、例えば、温度、湿度、気圧などを変化させて行う検査に関する情報(データ)を例示することができる。また、長期間にわたる信頼性検査に関する情報(データ)としては、例えば、基本性能の検査を長期間にわたり行う検査に関する情報(データ)を例示することができる。
参考情報格納手段4は、組立てられた製品の検査に関連する参考情報を格納する。例えば、熟練した作業者の知見や過去における同機種または類似機種の検査に関する情報をデータとして格納する。また、格納されている情報(データ)を検査評価手段5に提供できるようになっている。
なお、参考情報格納手段4は必ずしも必要ではない。ただし、参考情報格納手段4を設けるようにすれば、例えば、熟練した作業者の経験則のようなものも考慮することができるので、より多面的な評価を行うことができる。
検査支援システム1は、構成要素検査情報格納手段2に格納されている構成要素に関する検査情報に基づいて不良発生の予測を行う。この際、不良発生の予測の評価指標とするために所定の評価ポイントを用いて数値化を行う。
また、品質保証検査情報格納手段3に格納されている品質保証検査において不合格となった製品の品質保証検査に関する検査情報に基づいて代替的に不良発生の実績を求める。この際、不良発生の実績の評価指標とするために所定の評価ポイントを用いて数値化を行う。
そして、不良発生の予測と代替的な不良発生の実績とに基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価する。また、不良が発生する可能が高いとされた製品の情報を検査支援情報として出力する。なお、前述したように、参考情報格納手段4に格納されている参考情報をも加えて出荷先で不良が発生する可能性を評価することもできる。
まず、不良発生の予測に関して例示をする。
図2は、不良発生の予測を例示するためのフローチャートである。
また、図3、図4は、構成要素の各ロットの等級分けと評価ポイントの付与を例示するための模式図である。
まず、構成要素検査情報格納手段2に格納されている構成要素の検査情報から、該当製品に使用される構成要素の各ロット毎の検査情報を取得する(ステップS1)。
すなわち、製品の各構成要素に関する検査情報をロット毎に所定の等級に等級分けする。例えば、図3(a)に示すように、一の構成要素において検査の規定値近傍の範囲にあるロットの等級を「A」、「A」より外れた範囲にあるロットの等級を「B」、「B」より外れた範囲にあるロットの等級を「C」、「C」より外れた範囲にあるロットを「NG」(不合格)とすることができる。
また、図3(a)は、分布がほぼ正規分布を呈する場合であるがこれに限定されるわけではない。例えば、図4(a)に示すような場合においても、検査の規定値近傍の範囲にあるロットの等級を「A」、「A」より外れた範囲にあるロットの等級を「B」、「B」より外れた範囲にあるロットの等級を「C」、「C」より外れた範囲にあるロットを「NG」(不合格)とすることができる。
すなわち、分布の形態にかかわらず等級分けを行うことができ、等級分けの各範囲も、検査の内容、構成要素の品種、経験値などに基づいて適宜決定することができる。また、等級分けの級数は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
次に、等級分けされた等級に応じて所定の評価ポイントを付与し、これらを情報(データ)として格納する(ステップS3)。
例えば、図3(b)、図4(b)に示すように、等級「A」に対しては評価ポイント「1」、等級「B」に対しては評価ポイント「3」、等級「C」に対しては評価ポイント「5」を付与するようにすることができる。なお、「NG」(不合格)の構成要素は製品の製造に使用されることがないので評価ポイントを付与しないようにすることができる。また、評価ポイントも例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
すなわち、各構成要素間におけるロットの組合せ毎に、前述の付与された評価ポイントの積を求めることで評価ポイントを算出し、構成要素検査情報に基づく不良予測情報として格納する。
一般的には、構成要素に関する検査において合格したものであっても規定値に近いものほど信頼性が高いと考えられる。例えば、等級「A」のものは最も信頼性が高く、等級「B」、「C」となるにつれ信頼性が低下してゆくと考えられる。そのため、構成要素を組み合わせた場合においても等級「A」同士を組み合わせたものは最も信頼性が高く、等級「C」同士を組み合わせたものは最も信頼性が低くなると考えられる。
次に、算出された評価ポイント(付与された評価ポイントの積または和)に基づいて不良発生の予測を行う(ステップS5)。
図5は、代替的な不良発生の実績を求める場合を例示するためのフローチャートである。
まず、品質保証検査で不合格となった製品を構成する各構成要素のロット番号に関する情報(データ)を取得し、これを格納、蓄積する(ステップS10)。
表2は、格納、蓄積された各構成要素のロット番号に関する情報(データ)を例示するための表である。
次に、蓄積された各構成要素のロット番号の組み合わせの数を算出する(ステップS11)。
すなわち、品質保証検査において不合格となった製品の品質保証検査に関する検査情報に基づいて、各構成要素間におけるロットの組合せを求めてその組合せの数を算出する。
次に、組み合わせの数に応じて評価ポイントを付与し、付与された評価ポイントに基づいて代替的な不良発生の実績を求める(ステップS12)。
表4は、表3における組み合わせの数に応じて評価ポイントを付与したものを例示するための表である。例えば、組み合わせの数が「0」の場合は評価ポイントを「0」、組み合わせの数が「1以上、4以下」の場合は評価ポイントを「1」、組み合わせの数が「5以上」の場合は評価ポイントを「5」とすることができる。
なお、以上は「構成要素1」と「構成要素2」とに着目した場合であるが、同様の処理(組み合わせの数の算出、評価ポイントの付与)がすべての構成要素の組み合わせに関して行われる。また、求められた代替的な不良発生の実績は不良実績評価情報として格納される。
ここで、品質保証検査の検査数が増加すると、各構成要素のロット番号の組み合わせの数もそれにつれて増加することになる。そのため、ロット番号の組み合わせの数をそのまま用いると適切な評価ができなくなる場合が生じ得る。本実施の形態においては、組み合わせの数に応じて評価ポイントを付与することで情報(データ)に普遍性を持たせるようにしている。
表5は、表1(不良予測情報)における評価ポイントと、表4(不良実績評価情報)における評価ポイントとの積を算出した場合を例示するための表である。例えば、表1における「A3とB3との組み合わせ」に関する評価ポイント「25」と、表4における「A3とB3との組み合わせ」に関する評価ポイント「5」との積が、表5における「A3とB3との組み合わせ」に関する値「125」となる。
この場合、評価ポイントが高いものほど出荷先で不良が発生する可能が高いと評価することができる。そのため、所定の閾値などを設けるなどして該当する製品を割り出し、その情報を検査支援情報として出力するようにすることもできる。
なお、評価ポイントの積に限定されるわけではなく、和としてもよい。ただし、積とした方が算出された値の差が大きくなるので相違を明確にすることができる。
一般的には、品質保証検査において検査されるものの数は少ない。そのため、出荷先における不良発生の可能性を不良実績評価情報のみを用いて評価するものとすれば、評価の精度が低くなるおそれがある。一方、構成要素の検査においては検査されるものの数が非常に多い。
そのため、不良発生の予測(不良予測情報)と代替的な不良発生の実績(不良実績評価情報)の双方を用い、互いの欠点を補い合わせることで評価の精度を向上させるようにしている。
表6は、参考情報を例示するための表である。
表6に例示をするものは、構成要素相互間における相性の経験値を評価ポイントを用いて表したものである。例えば、「構成要素1」と「構成要素2」との相性が悪い(不良を発生させやすい)ことが経験的に分かっているような場合には高い評価ポイント(「5」)を付与し、「構成要素1」と「構成要素3」との相性が良い(不良を発生させ難い)ことが経験的に分かっているような場合には、低い評価ポイント(「1」)を付与するようにすることができる。
なお、評価ポイントの積に限定されるわけではなく、和としてもよい。ただし、積とした方が算出された値の差が大きくなるので相違を明確にすることができる。
図6は、本実施の形態に係る製品の製造システムを例示するためのブロック図である。 なお、図中の実線の矢印はデータの流れを表し、破線の矢印は工程の流れを表している。
製品の製造システム100は、受入検査(入荷検査)手段101、構成要素搬入手段102、組立手段103、製品検査手段104、品質保証検査手段105、本実施の形態に係る検査支援システム1を備えている。また、出荷ステージ106を適宜備えるようにすることができる。
また、品質保証検査手段105により検査が行われた製品は廃棄されるようになっている。なお、品質保証検査の内容などによっては、出荷ステージ106に送るようにすることもできる。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、検査支援システム1、製品の製造システム100などが備える各要素の配置、数などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、評価ポイントの付与に関しても、不良発生の可能性が高くなるほど高い評価ポイントを付与するようにしたが、不良発生の可能性が高くなるほど低い評価ポイントを付与するようにしてもよい。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (12)
- 製品の構成要素に関する検査情報を格納する構成要素検査情報格納手段と、
前記製品の品質保証検査に関する検査情報を格納する品質保証検査情報格納手段と、
前記製品の構成要素に関する検査情報に基づいて不良発生の予測を行い、前記製品の品質保証検査に関する検査情報に基づいて代替的に不良発生の実績を求め、前記不良発生の予測と前記代替的な不良発生の実績とに基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価する検査評価手段と、
を備えたことを特徴とする検査支援システム。 - 前記検査評価手段は、前記製品の各構成要素に関する検査情報をロット毎に所定の等級に等級分けし、前記等級分けされた等級に応じて第1の評価ポイントを付与し、各構成要素間におけるロットの組合せ毎に前記付与された第1の評価ポイントの積または和を求めることで第2の評価ポイントを算出し、前記第2の評価ポイントに基づいて前記不良発生の予測を行うこと、を特徴とする請求項1記載の検査支援システム。
- 前記検査評価手段は、品質保証検査において不合格となった製品の前記品質保証検査に関する検査情報に基づいて、各構成要素間におけるロットの組合せを求めてその組合せの数を算出し、前記算出された組合せの数に応じて第3の評価ポイントを付与し、前記付与された第3の評価ポイントに基づいて前記代替的な不良発生の実績を求めること、を特徴とする請求項1または2に記載の検査支援システム。
- 前記検査評価手段は、前記第2の評価ポイントと、前記第3の評価ポイントと、の積または和に基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価すること、を特徴とする請求項3記載の検査支援システム。
- 組立てられた製品の検査に関連する参考情報を格納する参考情報格納手段をさらに備え、
前記検査評価手段は、前記参考情報に第4の評価ポイントを付与し、前記第2の評価ポイントと、前記第3の評価ポイントと、前記第4の評価ポイントと、の積または和に基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価することを特徴とする請求項4記載の検査支援システム。 - 製品の組立てを行う組立手段と、
前記組立後に所定の検査基準に基づいて検査を行う第1の検査手段と、
前記組立後に所定の数の製品の品質保証検査を行う第2の検査手段と、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の検査支援システムと、を備え、
前記検査支援システムは、製品の構成要素に関する検査情報に基づいて不良発生の予測を行うとともに、前記第2の検査手段から提供される前記製品の品質保証検査に関する検査情報に基づいて代替的に不良発生の実績を求め、前記不良発生の予測と前記代替的な不良発生の実績とに基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価して、前記評価を検査支援情報として前記第1の検査手段に提供すること、を特徴とする製品の製造システム。 - 入荷した前記構成要素の検査を行う受入検査手段をさらに備え、
前記受入検査手段から前記検査支援システムへ前記製品の構成要素に関する検査情報が提供されること、を特徴とする請求項6記載の製品の製造システム。 - 製品の構成要素に関する検査情報に基づいて不良発生の予測を行い、製品の品質保証検査に関する検査情報に基づいて代替的に不良発生の実績を求め、前記不良発生の予測と前記代替的な不良発生の実績とに基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価すること、を特徴とする製品の製造方法。
- 前記製品の各構成要素に関する検査情報をロット毎に所定の等級に等級分けし、
前記等級分けされた等級に応じて第1の評価ポイントを付与し、
各構成要素間におけるロットの組合せ毎に前記付与された第1の評価ポイントの積または和を求めることで第2の評価ポイントを算出し、前記第2の評価ポイントに基づいて前記不良発生の予測を行うこと、を特徴とする請求項8記載の製品の製造方法。 - 品質保証検査において不合格となった製品の前記品質保証検査に関する検査情報に基づいて、各構成要素間におけるロットの組合せを求めてその組合せの数を算出し、
前記算出された組合せの数に応じて第3の評価ポイントを付与し、
前記付与された第3の評価ポイントに基づいて前記代替的な不良発生の実績を求めること、を特徴とする請求項8または9に記載の製品の製造方法。 - 前記第2の評価ポイントと、前記第3の評価ポイントと、の積または和に基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価すること、を特徴とする請求項10記載の製品の製造方法。
- 組立てられた製品の検査に関連する参考情報に第4の評価ポイントを付与し、
前記第2の評価ポイントと、前記第3の評価ポイントと、前記第4の評価ポイントと、の積または和に基づいて、出荷先で不良が発生する可能性を評価すること、を特徴とする請求項11記載の製品の製造方法。
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