JP3570211B2 - 不良率推定方法、不良率推定システムおよび記録媒体 - Google Patents

不良率推定方法、不良率推定システムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
家電品、OA製品など、部品を組み立てて製造する製品の品質評価方法及びそのシステムに係り、特に組立時の組立作業不良の起こり易さを事前に推定する不良率推定方法及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術は、実際に起こった不良現象や故障現象から、その発生原因を推定する方法が主である。製造段階で発生した不良現象内容から不良の原因を推定する方法の公知例としては、特開平1−167631号公報や特開平6−196900号公報がある。これらは、従来の不良実績とその原因のデータを蓄積して不良パターンと不良原因の相関度を求め、それに基づき、不良原因を推定しようというものである。また同様の手法を故障診断に用いた例としては、特開平7−13617号公報や特開平7−271587号公報がある。
【0003】
上記公知例はいずれも、不良現象や故障現象が起きた時に、実際に起きた現象の内容を基に、その手直しや修理を迅速に的確に行うためのものであり、過去の事象に基づいて直接的原因を推定する技術である。
【0004】
一方、実際に不良や故障が起きる前に、製造する製品の品質評価を行う手法としては、主に製品の設計段階で用いられるFMEA(Failure Mode Effect Analysis)が知られている。これは評価者自身が「製品を構成する部品個々の起き得る故障現象」を推定し、各部品に対する故障現象を表形式にまとめるものである。これにより、評価者自身が「それがおきた場合、製品にはどのような影響を及ぼすか」を推定をすることが可能となり、抜けのない品質設計が可能となる。
【0005】
また、FMECA(Failure Mode、Effect & Criticalty Analysis)のように、FMEAにおいて、評価者が推定した個々の部品の故障現象の起きる確率(故障率)を与え、更にその個々の部品の故障によって起こると推定される製品故障の重要度を与え、部品個々の不良や故障の重要度を推察する手法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来手法は、いずれも実際に起きうる故障現象の大部分を把握する必要があるため、その製品の有する不良となるポテンシャルを精度良く推定することは出来ない。
【0007】
従って、現状では検討漏れによる製造不良が多数起き、品質低下の一要因となっている。
【0008】
本発明は、設計段階や製造工程計画段階等の製造前の段階で、その製品の持つ組立不良ポテンシャルを推定する方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0009】
なお、本明細書では、単品部品と部組品を総称して「部品」と記述する。従って、部品組付作業とは、部品の組付作業と部組品の組付作業の両方を含む。また、組み付けられる部品または部組品は総称して「被組付品」と記述する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、 人間が組付作業動作を確実に行えない確率(以下、不確実度と称す)に影響を与える因子に関する情報を基に、組立不良率の推定値を算出することとした。
【0011】
具体的には、部品組付作業の動作内容の情報と、該組付部品の性質に関する情報と、被組付部品の性質に関する情報とを基に組立不良率の推定値を算出することとした。
【0012】
また、本発明は、部品組付作業の動作内容を表現するために必要な動作種類を決定し(下移動動作、横移動動作、等;標準組付動作と称す)、該決定した標準組付動作毎に、予め定めた「ある作業者条件、ある部品条件、ある作業職場条件」(基準条件と称す)の下で該標準組付動作を行う場合にその標準組付動作を確実に行うことの出来ない確率の大小を示す数値(標準組付動作別不良率係数と称す)を設定することとした。
【0013】
また、評価対象をこの予め設定した標準組付動作要素の組み合わせで表現することで、ユーザインタフェースの使い勝手を向上させた。
【0014】
また、本発明は更に組立不良率の推定精度を高くするために、前記した部品組付作業の組付動作内容を表現した標準組付動作要素に加えて、その組付動作の不確実度に影響を与える組付部品と被組付品の性質を以下に示す部品条件補正因子で表現し、該表現された部品条件補正因子を基に組立不良率の推定値を算出する。すなわち、組付部品および被組付品の持つ性質のうちで人間の行う組付作業動作の不確実度に影響を与える因子(以下、部品条件補正因子と称す)を決定し、該決定した各影響因子毎にその影響因子の組付動作への影響度合いを示す数値(以下、部品条件補正係数と称す)を決定しておき、組立不良率推定の対象の部品組付作業に関し、組付動作内容を前記標準組付動作の組み合わせで表現するのに加えて、上記予め設定した部品条件補正因子の中から当該の部品組付作業の組付部品または被組付品の持つ性質に当てはまるものを選び出して表現する。
【0015】
また、本発明は、更に組立不良率の推定精度を高くするために、前記した部品組付作業の組付動作内容を表現した標準組付動作要素と、その組付動作の不確実度に影響を与える部品条件補正因子に加えて、不良率推定対象の部品組付作業に関し、その作業の後工程にて当該部品組付作業が正しく適切に行われたか否かを確認する工程が設けられているか否かの情報を加えて、組立不良率の推定値を算出する。
【0016】
また、本発明は、更に組立不良率の推定精度を高くするために、前記した部品組付作業の組付動作内容を表現した標準組付動作要素と、その組付動作の不確実度に影響を与える部品条件補正因子と、不良率推定対象の部品組付作業に関してその作業の後工程にて当該部品組付作業が正しく適切に行われたか否かを確認する工程が設けられているか否かの情報とに加えて、予め算出した、部品組付作業を行う組立職場の作業者条件や設備の条件、環境、等の組付動作の不確実度に影響を与える因子を反映した職場条件影響度合いを示す数値(以下職場定数と称す)を基に組立不良率の推定値を算出する。
【0017】
すなわち、本発明は、組付部品の標準組付動作別の不良率係数と、組付部品の性質別の補正係数と、被組付部の性質別の補正係数とを予め記憶しておき、評価対象を所定の標準組付動作の組み合わせで表現し、該組み合わせた情報と該評価対象となる組付部品および被組付部品の性質とを入力とすることで、入力された情報から該当する標準組付動作の不良率係数、組付部品の補正係数および被組付部の補正係数を抽出し、抽出された各不良率係数を組付部品の補正係数および被組付部の補正係数により補正した値を加算することで評価対象の組立不良率を算出するものである。
【0018】
もしくは、組付部品の標準組付動作別の不良率係数と、組付部品の性質別の補正係数と、被組付部の性質別の補正係数とを記憶する手段と、評価対象を所定の標準組付動作の組み合わせで表現し、該組み合わせた情報と該評価対象となる組付部品および被組付部品の性質とを入力する手段と、該入力された情報から該当する標準組付動作の不良率係数、組付部品の補正係数および被組付部の補正係数を抽出し、抽出された各不良率係数を組付部品の補正係数および被組付部の補正係数により補正した値を加算することで評価対象の組立不良率を算出する演算手段とを備えたものである。
【0019】
もしくは、組付部品の標準組付動作別の不良率係数と、組付部品の性質別の補正係数と、被組付部の性質別の補正係数と、評価対象を所定の標準組付動作の組み合わせで表現し、該組み合わせた情報と該評価対象となる組付部品および被組付部品の性質とが入力された場合に、入力された情報から該当する標準組付動作の不良率係数、組付部品の補正係数および被組付部の補正係数を抽出し、抽出された各不良率係数を組付部品の補正係数および被組付部の補正係数により補正した値を加算することで評価対象の組立不良率を算出するプログラムを備えたものである。
【0020】
この場合、組付数別の補正係数を予め記憶し、前記評価対象の組付数に該当する補正係数により前記不良率係数を補正して組立不良率を算出したり、組立作業が適切に完了しているか否かを確認する工程の有無に対応した補正係数を予め記憶し、前記評価対象に該確認する工程が有る場合、該当する補正係数により前記不良率係数を補正して組立不良率を算出することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の不良率推定システムを用いた組立不良率推定処理を説明する。
【0022】
図1は本発明に係る組立不良率推定のための不良率推定システムの概要を示す。
【0023】
図1に示す計算システムは、本発明の不良率推定システム10と、2次元CADシステムや3次元CADシステムや部品の部品名、部品番号、材質、重量、単価などの情報を記憶する部品情報データベース等からなる設計システム20とから構成される。
【0024】
不良率推定システム10は、キーボード、マウス、ペン入力タブレット、記憶媒体、ネットワークを介しての入力手段等で構成された入力手段1、ディスプレイモニター等の表示手段、印刷手段、他システムへのネットワークを介しての出力手段等で構成された出力手段2と、本発明の推定処理を実行する計算手段3と、不良率を算出するための各種情報を記憶する記憶手段(外部記憶装置)4とから構成される。計算手段3は、CPU32、所定のプログラムを格納したROM31、各種データを一次格納するRAM33、入出力インターフェース部34およびバスライン35などから構成される。
【0025】
本発明では、評価対象となる製品、部組品の組立作業を予め設定された標準組付動作の組み合わせで表現し、それぞれの標準組付動作の有する不良率係数を総合して組立不良の起き易さ(不良率)を算出する。そして、不良率の推定精度を向上させるために任意の組立作業を完成させるまでの組付動作の数、組付部品・被組付部品の条件(例えば、形状、寸法精度、表面精度、大きさ、重量、材質、機能、等)、組立職場の条件、組付完了を確認する工程の有無を補正係数とすることで組立不良の起き易さ(不良率)を算出する。
【0026】
すなわち、評価対象を標準組付動作の組み合わせで表現し、それぞれの標準組付動作の有する不良率係数を組付動作の数、組付部品・被組付部品の条件、組立職場の条件、組付完了を確認する工程の有無により補正した値を総合して不良率を算出する。
【0027】
このように、部品組付作業の組立不良率を、組付作業の動作の内容と、組付部品および被組付品の性質と、作業が適切に完了しているか否かを確認するチェック工程の有無と、組付作業を行う職場の条件とで決定する理由は以下の通りである。
【0028】
組付動作があれば当然、組立不良が起きうるポテンシャル(組立不良率係数)があり、主として不良の発生し易さに影響の大きいものは組付動作である。
【0029】
この組付動作の持つ組立不良率係数を増減する要素として、組付部品および被組付品の性質と、組付作業を行う職場の条件がある。
【0030】
組付部品および被組付品の性質に関して言えば、例えば、組み付ける部品や組み付けられる部品の形状が組み付けにくい形状であれば、組付動作の持つ組立不良率係数は増幅される。
【0031】
同様に、組立作業を行う職場の条件によっても組付動作の持つ組立不良率係数は影響を受ける。例えば、作業に用いる設備が不良の出やすいものであれば、同じ組付動作でも組付動作のもつ不良率係数は高くなり、また職場の作業者の技術レベルが全体的に高ければ、同じ組付動作でも、逆にその組付動作のもつ不良率係数は低くなる。
【0032】
その他、不良発見ポテンシャルとして、組立不良率推定対象の組付作業工程の後に、当該組付作業が適切に完了しているか否かを確認するチェック工程が有るならば、もし不良が発生していたとしても、その工程で発見され、手直し対策が施されることにより、最終的に不良となる確率は低下する。
【0033】
このようなことから、本実施例では、組立不良に大きく影響を与える、組付作業の動作の内容と、組付部品および被組付品の性質と、作業が適切に完了しているか否かを確認するチェック工程の有無と、組付作業を行う職場の条件とに基づいて、不良率を算出することとした。
【0034】
このため、記憶手段4は、部品の組付動作の種類に対応した係数、任意の組立作業を完成させるまでの組付動作の数(組付数と称す)に対応した係数、組付部品および被組付品の性質(例えば、形状、寸法精度、表面精度、大きさ、重量、材質、機能、等)等に対応した係数、組付作業の後工程において組付完了を確認する工程が設けていた場合の係数、組立作業を行う組立職場の条件に対応した係数、本システムの不良率の算出を実行する算術式を含んだ計算プログラムを記憶する。これらのデータベースに記憶される係数は、それぞれ不良の発生しやすい項目ほど大きく、もしくは小さくなるように設定されており、好ましくはそれぞれ組立不良の発生実績データに基づいて設定する。
【0035】
記憶手段4に記憶される計算プログラムには以下の組立不良推定式を用いる。なお、f1()、f2()は関数を表す。
【0036】
部品組付作業の組立不良率推定値
=f1(組付動作内容、部品の性質、職場条件、チェック工程の有無)………(数1)
=f2(組付動作別不良率係数、部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数)…(数2)
従って、例えば、時系列的に連続する3個の動作からなる作業の組付不良の起き易さは、図11に示すように1番目の組付動作、2番目の組付動作、3番目の組付動作、それぞれが有する不良率係数の大きさを部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数により補正した値を加算して算出することとなる。
【0037】
一方、これら各々の動作を補正する部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数による補正を式の上で表現する方法は種々ある。例えば、組付動作別不良率係数に部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数を乗算する方式、または加減算する方式、または指数関数的に補正を加える、等、種々の方式がある。
【0038】
また一つの組付動作に対し、複数の部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数がある場合の補正方法についても、当該の組付動作の組付動作別不良率係数に全ての部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数を掛け合わせる方式、当該の組付動作の組付動作別不良率係数に全ての部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数を加算(減算含む)する方式、等がある。
【0039】
本発明では、いずれの手法を選択しても良く、組付動作別不良率係数を部品補正係数、職場係数、チェック工程補正係数により補正するもので有ればよい。
【0040】
そして、本システムは、図1に示す情報(a〜d)を入力手段1により入力する。
【0041】
まず、組付作業動作を予め用意した標準組付動作種類とその順番とで表現した情報(a)を入力する。すなわち、予め設定されている標準組付動作要素を示す記号を組付作業動作の順序に従って入力する。本実施例における標準組付動作と、その動作を示す記号の例の一部を図3(a)に示す。この標準組付動作は、部品組付作業の動作を表現するのに必要と思われる動作を選んで設定したものであり、本実施例では、図に示すように「下移動」「横移動」「圧入」等、何種類かの標準組付動作を設定している。この予め設定された標準組付動作の中から、不良率を推定したい部品組付作業における動作を表現する。例えば、ある部品の組付動作が「下方向に移動して、次いで横方向に移動して、最後に圧入する」というものであれば、入力すべき部品組付作業の組付動作の情報は、下移動、横移動、圧入、の3個の標準組付動作要素で表現され、動作記号を用いて「↓→C」となる。
【0042】
次に、当該組付作業における組付部品および被組付部品に関して組付作業動作の不確実度(不良起き易さ)に影響を及ぼす性質の条件(b)を入力する。例えば、形状、寸法精度、表面精度、大きさ、重量、材質、機能、等を入力する。すなわち、組付部品および被組付品の持つ性質の中で人の行う組付作業動作の不確実度に影響を与える因子を選び、予め設定されたその因子を示す記号により入力する。また、必要に応じてその因子の特性を示す情報(例えば、重量値など)を入力しても良い。本実施例における部品条件補正因子と、その因子を示す記号の例の一部を図3(b)に示す。本実施例では例えば、図に示すように「微細穴」、「小穴」、「組付完了判定困難」(部品の組付が完了したか否かの判定が視覚的または感触的または聴覚的に困難であるような部品や被組付品の形状、性質)、「接触不可面有り」(組付部品または被組付品に機能的、性能的にみて接触が許されない部分を有する)等、何種類かの部品条件補正因子を設定している。
【0043】
次に、組付作業が適切に完了したか否かを確認する工程が有るか無いかの情報(c)を入力する。確認する工程が有れば、前記組付動作と部品条件により決まる組立不良の起き易さは低下する。
【0044】
次に、部品の当該組付作業における組付部品および被組付部品に関して、部品組付作業を行う組立職場の作業者条件や設備の条件、環境、等の組付動作の不確実度に影響を与える因子に関する情報(d)を入力する。この場合、必要に応じてその因子の特性を示す情報(例えば職場の気温や湿度、生産ロット、生産ラインの速度、等)を入力しても良い。本実施例では簡易的に職場毎の組立不良率の推定値を算出するために、その職場における組立不良の平均的な起き易さを示す数値(職場定数)を使って算出する。ここで職場定数とは、予め定めた或る一定の組立作業(基準作業と称す)を基準となる職場で行ったときの不良率に対して何倍になるかを示した倍率値のことである。また、本実施例では、職場定数を直接入力するが、予め職場別の職場定数が記憶手段241(職場定数データベース)に記憶してある場合には、職場を特定する情報を入力するようにすれば良い。
【0045】
なお、これらの情報を入力する順序は本実施例に限定されず、どのような順序であっても良い。
【0046】
本システムでは、これらの入力が完了すると、cpu32が記憶手段4に記憶された計算プログラムを実行し、入力情報に該当する係数を記憶手段4からRAM33に抽出し、これらの情報と数(2)とを用いて当該部品組付作業の組立不良率の推定値を出力する。
【0047】
図2に示す機能ブロック図を用いて本システムの内部処理を更に詳細に説明する。
【0048】
図2に示す不良率推定システム10では、図1に示す計算手段3を設計システム20から設計情報等を取り込むデータ取込部34、本発明の推定処理を実行するプログラム実行部32、本発明の推定処理のプログラムを記憶する計算プログラム記憶部31、表示手段2に表示された画面上での指示に基づいて新たな情報を生成する情報生成部36とからなる計算手段3とで表現し、記憶手段4を各種のデータベースとして表現している。なお情報生成部36はプログラム実行部32において実行しても良い。
【0049】
記憶手段4に記憶される各データベースの内容は以下の通りである。
【0050】
標準組付動作別不良率係数データベース211は、「下移動」、「横移動」、などの予め定めた標準組付動作の種類毎に設定した、各々の組付動作のもつ作業不良の起き易さを示す係数「標準組付動作別不良率係数」を記憶している。図4に本実施例における標準組付動作別不良率係数DB211のデータ例を示す。標準組付動作別不良率係数は、基準状態の下で各単一標準組付動作の作業を行なった時にその作業動作が作業不良となる確率の大きさを示したもので、ある組付動作の作業不良となる確率の大きさを基準として相対的に設定するものである。本実施例では最も簡単な、組立作業不良の起きにくい動作と考えられる「下移動」を基準として、各標準組付動作の不良率係数を設定している。具体的には図4に示すように「下移動」の組付動作別不良率係数を基準値1として、他の標準組付動作が「下移動動作」に対して何倍不良になりやすいかを示す倍数を標準組付動作別不良率係数を設定する。例えば、図4に示した「横移動」の組付動作別不良率係数は2であるが、これは「横移動」が「下移動」の2倍組立不良になりやすいことを意味する。
【0051】
動作順補正係数データベース221は、複数の標準組付動作要素で表現される組付作業の場合に、動作数が増えるに従って、作業の複雑さが増すことから、その組付作業を構成する個々の組付動作の順番に応じて、各々の動作の「組付動作別不良率基本係数」を大きくするための補正係数「動作順補正係数」を記憶している。図5にデータベースのデータ例を示す。図5は、1番目の動作の動作順係数は1、2番目は1.1、3番目は1.2というように動作順毎に動作順係数を設定している例である。他の例としては、動作順を変数として、動作順を含んだ係数算出式を本データベース221に持っても良い。例えば、動作順をnとするならば、
動作順補正係数=n×1.1 (数3)
等のような式をデータとしてデータベースに持っていて、組立不良率の推定値の算出時にはこの式を読み出して動作順係数を計算して組立不良率の推定値の算出に用いる。
【0052】
また、各組付動作のもつ作業不良の起き易さは、組付ける部品や組付けられる相手部品やその周辺部の条件によって、影響を受けることから、部品条件補正係数データベース231を設ける。すなわち、各組付動作のもつ作業不良の起き易さは、組付ける部品の大きさ、重量、材質、合せ箇所数、などの組付ける部品の性質の条件によって変化する。また、同様に被組付品の性質条件によっても変化する。以上のことから組付部品条件補正係数データベース231と被組付部品条件補正係数データベース232は、組付動作のもつ作業不良の起き易さに重要な影響を及ぼす、組付部品性質因子及び被組付品性質因子を設定し、各因子毎に、標準組付動作別不良率係数を補正するための部品条件補正係数を記憶している。図6に組付部品条件補正係数データベース231と被組付部品条件補正係数データベース232のデータ例を示す。図に示すように、各補正因子毎に補正係数値を設定し記憶している。また前記の動作順補正係数データベース221での例と同様に、補正係数値でなく、係数算出式を本データベース231に持っても良い。組立不良率の推定値の算出時にはこの式を読み出して補正係数を計算して組立不良率の推定値の算出に用いる。また、組付部品条件補正係数データベース231と被組付部品条件補正係数データベース232とのデータベースの構造を異ならせても良い。
【0053】
また、各組付動作のもつ作業不良の起き易さは、組立作業を行なう職場の条件によって大きく異なることから、本実施例では、職場定数データベース241を設ける。職場定数データベース241は、職場の平均的な不良の起き易さを示す定数を記憶している。本実施例では各職場において、職場条件を除いた他の条件が基準状態の下で、基準作業(本実施例では下移動作業)を行った場合の組立不良率を職場定数とする。図7に職場定数データベースのデータ例を示すが、この例では職場Aが職場定数5(ppm)で、職場Bが職場定数10(ppm)となっているが、これは、それぞれの職場において、職場条件を除いた他の条件が基準状態の下での下移動作業の不良率が職場Aでは5(ppm)で、職場Bでは10(ppm)であるということである。即ち、職場定数は各職場の組立作業の信頼性の実力を示す指標とも言える。この職場定数は、その職場における、組立作業を行なう作業者の条件、組立作業に使用する工具・治具や製造ライン設備等の設備の条件や、組立作業職場の気温、湿度、明るさ、騒音、等の職場環境条件、ラインスピード、生産ロット数等の生産条件、等の影響を反映した定数である。
【0054】
チェック工程補正係数データベース25は、組立不良率推定対象の部品組付作業を行った後に当該部品組付作業が適切に行われているか否かをチェックする工程が有る場合、そのために不良率は低下するため、その効果を反映するための補正係数を記憶している。図8にチェック工程補正係数データベース25のデータ例を示す。チェック工程補正係数の係数値が0.2の場合、これはこのチェック工程により当該組立作業で組立不良が発生したものの内、8割は当該チェック工程にて発見できるということを示すものである。チェック作業の種類によって、不良摘出率が異なる場合は、異なるチェック工程毎にチェック工程補正係数を設定しても良い。
【0055】
その他定数データベース26は、上記以外の種類の係数や定数を記憶している。
【0056】
入力データ・計算結果データ記憶部27は、計算プログラムにより不良率計算に用いた入力データと、その入力データに基づき計算プログラムで計算した結果を格納する。
【0057】
ところで、各データベースに記憶される補正係数は、図10に示すように、補正因子の特性値(例えば、重量因子ならば重量値)の変化によって補正係数値も変化するように設定しても良い。すなわち、補正因子の項目によって、例1に示すように補正係数を補正因子の特性値によらず定数値をとるようしたり(組付完了判定困難、接触不可面有、等がこれに該当する。)、例2のようにステップ関数的に補正係数値を変化するようにしたり(多点合わせ、等)、例3のように直線的に補正係数値を変化するようにしたり(重量、等)、その他曲線的に変化するようにしても良い。この場合、必要な特性値を入力することで、図10に示す関数に基づいて係数を算出させることとなる。
【0058】
図9に本実施例の不良率推定システム10による部品組付作業の組立不良率推定値の算出フローチャートを示す。
【0059】
まず、組立不良率の推定を行いたい部品組付作業の作業内容を分析する(ステップ5)。
【0060】
次に、前記ステップ5で行った分析内容を、不良率推定システム10の組立不良率推定値計算プログラムにおいて定められた標準組付動作要素記号と部品補正要素記号で表現する(ステップ6)。
【0061】
次に、前記ステップ6において標準組付動作要素記号と部品補正要素記号で表現した組立不良率推定対象の部品組付作業内容等を入力する。またチェック工程の有無、職場定数を入力する(ステップ7)。
【0062】
すなわち、不良率推定システム10を立ち上げて、計算手段3の計算プログラム記憶部31に記憶されている組立不良率推定値計算プログラムを起動し、入力手段1のキーボード11やマウス12、ペン入力タブレット13、などを使って前述した図1に示す入力情報を入力する。本実施例では容易な入力を促すために、出力手段1の表示装置21に入力インターフェース画面を表示して、それを見ながら上記情報を入力する。図12、13に入力インターフェース画面の例を示す。なお、このステップで、当該組付作業が適切に行われたか否かを確認するチェック工程がある場合は「チェック工程あり」の情報入力をする。また、組立不良率推定対象の部品組付作業を行う職場の職場定数またはその組立職場を特定する情報の入力も行う。また、部品補正の必要がなければ、部品補正要素記号の入力は不要である。
【0063】
一方、本実施例のシステムは職場定数を以下のようにして算出することもできる。先にも述べたように、職場定数とは、本実施例においては、当該職場において補正すべき部品補正条件がない状態で下移動動作だけの作業を行った時の組立不良率である。またすべての動作別不良率係数は基準状態における基準動作(下移動動作)の不良の起きやすさを基準(係数値1)として定めたものである。また動作別不良率係数を補正する補正係数についても同様で、基準状態における基準動作(下移動動作)の不良の起きやすさを基準(係数値1)として定めている。以上のことから、過去に何台も組立実績がある組立作業で、組立作業内容分析ができ、実際の不良率のデータがあれば、該組立実績がある組立作業を行った職場の職場定数を算出することができる。本実施例のシステムでは、組立不良率推定値計算プログラム起動後に出力手段1の表示装置21にメニュー画面を表示し、「組立不良率の推定」か「職場定数の計算・登録」のいずれかを選択できるようにしている。「職場定数の計算・登録」を選んだ場合は、入力インターフェース画面(図13)が出力手段1の表示装置21に表示され、そこへ、これから登録をする職場を特定するコード(名称など)を入力し、次いで入力インターフェース画面(図12)で、当該職場で作業実績のある組立作業の内容を標準組付動作要素記号、部品補正要素記号で入力し、当該組付作業が適切に行われたか否かを確認するチェック工程がある場合は「チェック工程あり」の情報を入力し、更に当該作業の実際不良率を入力する。これにより当該職場の職場定数が算出される。不良実績のある作業が複数ある場合は、それらすべての作業に関する上記のデータを入力することで、各作業ごとに職場定数が求められ、求めた職場定数の単純平均をとるなどの方法で当該職場の職場定数を算出する。本実施例では求めた職場定数の単純平均により当該職場の職場定数を算出する。
【0064】
以上の入力が完了すると、上記ステップ7で入力された情報を基に組立不良率推定値計算プログラムにより当該部品組付作業の不良率の推定値を計算する(ステップ9)。すなわち、(1)、(2)の処理を行う。
【0065】
(1)上記入力された情報を基に各種データベースより、以下の各種係数、定数を読み出す。
【0066】
・上記入力された標準組付動作要素記号を基に各組付動作の不良率係数を組付動作別不良率係数データベース211より読み出す。また動作順補正係数データベース221より各動作の順番に応じた動作順補正係数を読み出す。
【0067】
・上記入力された部品条件補正要素記号を基に各補正要素の部品条件補正係数を部品条件補正係数データベース231または被組付部品補正係数データベース232より読み出す。
【0068】
・上記で「チェック工程あり」の情報が入力されれば、チェック工程補正係数データベース25よりそれに応じたチェック工程補正係数を読み出す。
【0069】
・上記で組立職場を特定する情報の入力があれば、職場定数データベース241から該当する職場の職場定数を読みだす。
【0070】
(2)計算モデルの生成を行う。上記入力された、或いは読み出された各種係数、定数を基に、図11に示したような計算モデルに基づいた計算式を生成する。この時、各種補正係数による補正方法、たとえば補正係数を乗算するのか、加算するのか、減算するのか等の情報は各種補正係数データベースに各補正因子毎に登録しておいてもよいし、計算プログラム上で、補正因子の種類に応じて補正方法を変えるようにプログラムしておいても良い。本実施例は後者の例であり、たとえば全て補正係数は加算するというルールの基にプログラム作成や係数値を決定するという例である。本実施例では、動作順毎に、動作の不良率係数をその動作を補正する部品条件補正係数で補正し(補正因子がない場合は補正を行わない)、そのように補正した動作順ごとの不良率係数を全て合算して、それに「チェック工程あり」であれば、チェック工程補正係数を乗算して総合的な不良率係数を算出し、それに職場定数を乗じて、当該部品組付作業の当該職場における組立不良率の推定値が計算される。
【0071】
次に、上記ステップ8で計算した組立不良率の推定値を出力手段2の表示装置21または印刷装置22または他システムへの出力手段23に出力する(ステップ9)。表示装置21への出力画面例を図14に示す。
【0072】
以上のようにして本実施例のシステムにより、部品組付作業の組立不良率推定値が算出できる。上記説明は、単一の組付作業工程の組付作業の組立不良率推定値算出の例であるが、製品の組立作業全体について組立不良率推定値算出を行う場合も、製品の組立作業を構成する一つ一つの作業工程の作業について、上記したように組付動作の情報や部品条件補正要素の情報、等を入力することにより、これら一つ一つの作業工程の組立不良率推定値が計算され、それらを合算することで容易に製品の組立作業全体について組立不良率推定値計算できることもできる。
【0073】
また、チェック工程の有無に関する情報は、必ずしも必要ではなく、該情報が無くとも所望の不良率を算出することはできる。また、職場定数が予め設定されているのならば、該情報も不要となる。
【0074】
次に、図15に示す具体的な部品組付作業(コネクタケーブル組付作業)を例にして、部品組付作業の組立不良率推定値算出方法を図9に示すフローチャートに沿って説明する。尚、図15の下に示した表は入出力インタフェース画面の一例であり、入力欄に分析すべき項目を表示した例である。この例では、組立不良率推定値計算プログラムを起動して入出力インタフェース画面を見ながら、評価対象作業を分析して、分析結果を入力することが可能である。
【0075】
まず、部品組付作業を分析すると(ステップ5)、図15の組立不良率推定対象のコネクタケーブル組付作業は次の2作業となる。
【0076】
(1)コネクタ挿入。ただし挿入力大。
【0077】
(2)ケーブルの整形
また、それぞれの作業時の組付部品条件と被組付品条件を分析する。分析は入出力インタフェース画面の入力欄にある項目について分析を行う。まず、(1)「コネクタ挿入。ただし挿入力大。」の作業に関しては、「細ピンコネクタ」であるので被組付品条件として「微細穴」であると分析し、また、「障害物により取付完了状態の目視確認ができない」ので「組付完了判定困難」と分析する。次の作業(2)「ケーブル整形」に関しては補正すべき部品条件はない。
【0078】
次に、ステップ5で分析した作業を、標準組付動作要素記号と部品補正要素記号を用いて表現する(ステップ6)。まず、組付作業動作を標準組付動作要素記号で表現し、その動作要素1つ1つに必要な部品条件補正要素記号を与える。図15の例では、以下のようになる。
【0079】
(1)「コネクタ挿入。ただし挿入力大。」に関しては、標準組付動作要素として「横方向移動(記号:←)して圧入(記号:C)する」と表現する。即ち、一番めの動作は「横方向移動(記号:←)」で、2番めの動作は「圧入(記号:C)」となる。
【0080】
次に部品条件補正要素であるが、1番めの「横方向移動(記号:←)」の部品条件補正要素は「微細穴(記号:ht)」と表現される。また「障害物により取付完了状態の目視確認ができない」ので、「圧入(記号:C)」の部品条件補正要素は、「取付状態確認困難(記号:?)」と表現される。尚、2番目の動作には動作順補正が必要であるが、先にも述べたように本実施例の計算プログラムでは自動補正される。
【0081】
(2)「ケーブル整形」は標準組付動作要素として「整形(記号:d)する」と表現する。この動作の部品条件補正要素は、動作順補正以外ないので、特に表現する必要はない。また、この動作は3番目の動作であるので計算プログラムにより自動的に動作順補正がなされる。
【0082】
次に、組立不良率推定値計算プログラムへステップ6で表現した要素記号を入力する(ステップ7)。例えば、図15に示すように、組付部品名称を部品名称の欄へ入力し、動作順毎に1行づつ、標準組付動作要素と部品条件補正要素を入力する。
【0083】
図15の例では、まず動作順1番めの動作の標準組付動作要素記号「←」を入力し、その動作の部品条件補正要素「ht」を、被組付品条件の欄の「微細穴/小穴」の欄に入力する。次に2行目に、動作順2番めの動作の標準組付動作要素記号「C」を入力し、その動作の部品条件補正要素「?」を、被組付品条件の欄の「組付完了判定」の欄に入力する。
【0084】
次に3行目に、動作順3番めの動作の標準組付動作要素記号「d」を入力する。この動作に関しては補正すべき部品条件補正要素はないため部品条件補正要素に関しては入力しない。
【0085】
また、この例では、当該組付作業が適切に行われたか否かを確認するチェック工程は無いので「チェック工程」に関しての情報入力をしない。
【0086】
また、評価対象職場の職場定数がデータベースに格納されているのであれば、評価対象職場を入力する。図15では、職場名を「A」と入力した例である。評価対象職場の職場定数がデータベースに格納されていなくても、当該評価対象職場と類似と思われる職場の職場定数がデータベースに格納されていれば、その職場を入力しても良いし、職場定数がわかっていれば職場定数を職場定数入力欄に直接入力しても良い。
【0087】
次に、組立不良率推定値計算プログラムにて自動計算を行う(ステップ8)。図15の入出力インタフェース画面の入力欄に入力された各記号に対応した係数値が各種データベースより読み出され、それを基に一つ一つの動作毎にその動作の不良起き易さを示す不良率係数が計算される。例えば、数4や数5を用いて不良率係数を算出する。
【0088】
【数4】
Figure 0003570211
【0089】
【数5】
Figure 0003570211
【0090】
そして、図15の入出力インタフェース画面に示すように、動作順毎に不良率係数が計算され、それらを合計したものが、コネクタケーブル組付作業の不良の起きやすさを示す不良率係数で30となる。一方、職場「A」の職場定数を職場定数データベース241より読みだし、それを乗じてその職場における当該作業の組立不良率推定値が計算される。この例では、職場「A」の職場定数は5ppmであり、職場「A」における当該作業の推定不良率は150ppmとなる。
【0091】
尚、係数値の各種データベースからの読み出しは、予め、組立不良率推定値計算プログラム立ち上げ時等に行っておき、RAM33へ格納しておいても良い。この場合、計算時にはRAM33から各係数値を読み出すこととなり、計算時にその都度、外部の記憶手段4へアクセスする必要がなくなり、計算時間が短縮される効果がある。
【0092】
ついで、不良率推定システム10の組立不良率推定値計算プログラムにより組立不良率の推定値の計算結果を出力する(ステップ9)。
【0093】
尚、図15の例では、必要に応じて、組付部品条件、被組付品条件として部品種が入力出来るようにしている。これは以下の理由による。
【0094】
組立不良には大きく分けて、組立不完全と部品損傷・汚れの2種類がある。
【0095】
「組立不完全」は主に人間の作業動作のぶれ(動作精度のばらつき)や間違えにより起こるもので、この種の不良事例としては、コネクタ挿入作業の場合、「挿入不完全(奥まで完全に挿入されていない状態)」や「コネクタの左右逆向き挿入」などがある。
【0096】
一方、「部品損傷・汚れ」は、主に、上記の人間の作業動作のぶれ(動作精度のばらつき)や間違えの結果として起こるものであるが、「部品損傷・汚れ」として不良になるか否かは、同じ損傷・汚れ具合でも部品の種類によって異なる。例えば、外観に露出する意匠部品は、その他の例えば製品内部の部品とは異なり、ちょっとした傷や汚れでも不良となり得る部品種である。つまり、部品種すなわち部品の機能によっては、同じ外力(ストレス)がその部品に働いても、不良になるかどうかは一律ではないのである。
【0097】
そこで本実施例では、部品種毎にその部品種のもつ外力に対する強さ(抗力)を示す係数値をデータベースに持ち、組付部品および被組付品の部品種の入力を可能とし、評価対象部品の外力に対する強さ(抗力)と、当該部品の組付動作時に部品に働く外力(ストレス)の大きさとを比較して「部品損傷・汚れ」不良となる確率も考慮して推定不良率を算出した。このように本実施例では組立不良として「組立不完全」の不良だけでなく「部品損傷・汚れ」の不良も考慮して不良率を推定している。
【0098】
次に本発明の不良率推定システムの他の実施例について説明する。
【0099】
基本的に作業動作は「位置決め動作」「位置決め後の動作」の繰り返しと考えられる。図17に1種類の組付け動作で完了する組付け作業「円筒の丸穴への下移動挿入作業」の例を示した。図17に示すように、この作業は「下移動動作」であるが、中身は「位置決め動作」と「位置決め後の動作」から成り立っている。また、図18には、2種類の組付け動作で完了する組付け作業「カバー取り付け作業」の例を示した。この作業は「斜め下移動動作」と「回転移動動作」の2つ標準動作から構成されているが、それぞれの標準動作は「位置決め動作」と「位置決め後の動作」とから成り立っているのが判る。
【0100】
標準動作の中には、部品を保持する動作や、電線を整形する動作のような「位置決め動作」だけの動作もあるが、多くの動作は「位置決め」をした上で「位置決め後の動作」を行っている。図19に作業工程の構成の例を示す。例えば、図19の工程1の部品1の組付け作業は、3つの動作から構成されており、1番目の動作であるから3番目の動作まで各動作ごとに「位置決め」「位置決め後の動作」を繰り返す。
【0101】
このように、作業は「位置決め」「位置決め後の動作」から構成され、作業不良も大きく、位置決め時に発生するものと、位置決め後の動作時に発生するものの2つに分がれることが我々の研究により明らかになった。
【0102】
まず、位置決め時に発生する不良は、位置決め時の部品位置や部品姿勢のばらつき(不正確さ)に起因して発生する不良である。位置決めが不十分なまま、本動作へ移行すると、本動作が行えない不良(作業不完全不良)が発生するが、組付部品や被組付品の結合部の強度や本動作の動作力によっては、結合部の損傷不良、変形不良に至る。通常、作業者は位置決めが十分である事を確認した上で位置決め後の動作へ移行するため、位置決めが不十分であれば、本動作へ移行する前に位置決めの修正を行ったうえで位置決め後の動作へ移行する。作業部位が見にくいなど位置決め確認が困難であったり、うっかり位置決め確認を忘れてしまったときに上記のような不良が特に発生しやすい。
【0103】
その他、位置決め後の動作が原因で起こる組立不良は、位置決め後の動作の軌跡の制御不良、即ち動作軌跡のばらつきが原因で起こるものと、位置決め後の動作力が不足して起こるものとがある。上記の位置決め後の動作の軌跡の制御不良が原因で起こる組立不良は、特に長区間動作時に発生頻度が高い。一方、位置決め後の動作力が不足して起こる組立不良は、組み付けに必要な動作力が発揮できない場合であり、特に、圧入動作など必要動作力が大きい時、または動作や部品の性質条件などにより所定の動作力が発揮できない場合に発生頻度が高い。
【0104】
そこで実施例2では、これらの各不良ポテンシャルを評価するのに適した例について説明する。
【0105】
このシステムは、実施例1で示した不良率推定システム(図1)とほぼ同様の構成ではあるが、標準組付動作別不良率係数データベース211や組付部品条件補正係数データベース231に記憶する情報、その情報を取り扱うための計算プログラムが異なっている。
【0106】
図21は、その標準組付動作別不良率係数データベース211に記憶する情報であり、次のような特徴をもつ。
【0107】
第一の特徴は、一つの標準組付動作に対し、前述の位置決め不良不良率係数、軌跡制御不良不良率係数、必要動作力不良不良率係数の3種類の不良率係数を設定した点にある。第二の特徴は、同じ種類の動作でも、ある基準以上の位置決め精度を必要とする動作と、そうでない動作とを区別して標準組付動作の動作種類とした点である。例えば、同じ下移動動作でも、位置決め精度の高い下移動と、そうでない下移動とで、位置決め不良不良率係数の設定を変えている。なお、図21では、「位置決め精度の高い下移動」の場合の位置決め不良率係数を「1」(基準)として、各不良率係数を設定している。すなわち、「位置決め精度の高い下移動」の位置決め不良発生ポテンシャルに対して何倍不良になりやすいかを示す倍数を設定する。
【0108】
一方、図22は、組付部品条件補正係数データベース231と被組付部品条件補正係数データベース232に記憶する情報であり、標準組付動作別不良率係数データベース211同様に各補正因子毎に3種類の補正係数値を設定し記憶している。
【0109】
その他、これらの情報を取り扱う計算プログラムは次のような特徴を持つ。上述したように、位置決め後動作時の軌跡制御不良の発生ポテンシャルと動作力不足不良の発生ポテンシャルは、あるかぎられた補正条件のときに特に高くなる。そこで、本実施例の計算プログラムは、評価対象の作業を構成する動作に対して、ある特定の補正要素が付加されたときにのみ、軌跡制御不良発生ポテンシャルまたは動作力不足不良発生ポテンシャルを計算するようにした。具体的には、長区間動作であることを示す補正要素が付加された動作に対しては、位置決め不良ポテンシャルに加えて軌跡制御不良発生ポテンシャルを計算することとし、また、動作力が大きいことを示す補正要素が付加された動作に対しては、位置決め不良ポテンシャルに加えて動作力不足不良の発生ポテンシャルを計算することとした。すなわち、組付動作に付加された補正要素の種類より、その動作が位置決め不良ポテンシャル以外に、軌跡制御不良発生ポテンシャルまたは動作力不足不良発生ポテンシャルをもつか否かを判定し、必要に応じて位置決め不良発生ポテンシャルのほかに軌跡制御不良発生ポテンシャルまたは動作力不足不良発生ポテンシャルを計算することとした。
【0110】
次に、図23、24に示す具体的な部品組付作業を例にして、部品組付作業の組立不良率推定値算出方法を説明する。図23、24の(1)から(4)は直径aの円筒型の組付部品を丸穴へ挿入する作業であるが、それぞれ被組付部の条件を変えたものである。(1)は被組付部である丸穴の挿入ガイド部の直径(面取り部の外周径)が小さいもの、即ち高い位置決め精度が要求される下移動作業である。一方(2)は被組付部である丸穴の挿入ガイド部の直径(面取り部の外周径)が大きいもの、即ち高い位置決め精度は要求されない、位置決めに気を使わなくても良い下移動作業である。(3)は被組付部である丸穴の挿入ガイド部の直径(面取り部の外周径)が小さく、高い位置決め精度が要求される下移動作業で、更に丸穴の深さが深く、長区間挿入作業を要求される下移動作業である。(4)は被組付部である丸穴の挿入ガイド部の直径(面取り部の外周径)が大きく、高い位置決め精度は要求されず位置決めに気を使わなくても良い下移動作業であるが、挿入直径aと穴径cのクリアランスが小さく、はめあいのきつい通常よりも大きい挿入力を要求される下移動作業である。まず上記の図23、24の(1)から(4)のそれぞれの組立作業の不良発生ポテンシャルを示す不良率係数の算出方法について説明する。尚、(1)から(4)の作業例に関しては後工程でのチェック工程はないものとする。
【0111】
まず、図23(1)の作業は、高い位置決め精度を要する下移動で、長区間動作や、大きな動作力を要する動作を示す補正要素がないので、作業分析は「位置決め下移動」(記号:↓’)となる。そして、この作業分析結果を入力すると、該当する位置決め不良不良率係数を組付動作別不良率係数データベース211より読み出す。この場合、「位置決め下移動」(記号:↓’)であるので、図21より位置決め不良不良率係数は「1」となる。また、この場合は長区間動作や、大きな動作力を要する動作を示す補正要素が入力されていないので、軌跡制御不良不良率係数および動作力不足不良不良率係数の計算は行わない。以上より、図23(1)の作業の合計の不良率係数は「1」となる。具体的な不良率は、この不良率係数「1」に、予め入力されている職場定数を乗算して算出される。
【0112】
次に図23(2)の作業は、挿入ガイド部の直径が大きく、位置決め精度を要さない下移動で、長区間動作や、大きな動作力を要する動作を示す補正要素がないので、作業分析は単なる「下移動」(記号:↓)となる。そして、この作業分析結果を入力すると、該当する位置決め不良不良率係数を組付動作別不良率係数データベース211より読み出す。この場合、「下移動」(記号:↓)であるので、図21より位置決め不良不良率係数は「0.1」となる。また、この場合は長区間動作や、大きな動作力を要する動作を示す補正要素が入力されていないので、軌跡制御不良不良率係数および動作力不足不良不良率係数の計算は行わない。以上より、図23(2)の作業の合計の不良率係数は「0.1」となる。具体的な不良率は、この不良率係数「1」に、予め入力されている職場定数を乗算して算出される。
【0113】
次に図24(3)の作業は、挿入ガイド部の直径が小さく、高い位置決め精度を要する下移動で、長区間挿入であるので、動作が「位置決め下移動」(記号:↓’)で、その補正要素が「長区間挿入」(記号:lh)と作業分析される。そして、この作業分析結果を入力すると、該当する位置決め不良不良率係数を組付動作別不良率係数データベース211より読み出す。この場合、「位置決め下移動」(記号:↓)であるので、図21より位置決め不良不良率係数は「1」となる。更に、この場合は長区間挿入の補正要素が入力されているので、被組付部品条件補正係数データベース232より、長区間挿入の位置決め不良補正要素係数「1」を読み出す(図22参照)。更に、長区間挿入であるので軌跡制御不良不良率係数を計算する。組付動作別不良率係数データベース211より軌跡制御不良不良率係数「1」を読み出す(図21参照)。次いで被組付部品条件補正係数データベース232より、長区間挿入補正による軌跡制御不良補正係数「2」を読み出す(図22参照)。尚、この場合は、大きな動作力を要する動作を示す補正要素が入力されていないので動作力不足不良不良率係数の計算は行わない。以上より、図24(3)の作業の不良率係数は、まず位置決め不良不良率係数が1×1で「1」、軌跡制御不良不良率係数が1×2で「2」となり、合計で「3」となる。具体的な不良率は、この不良率係数「3」に、予め入力されている職場定数を乗算して算出される。
【0114】
最後に図24(4)の作業は、挿入ガイド部の直径が大きく、位置決め精度を要さない下移動で、補正要素がないので、作業分析は単なる「下移動」(記号:↓)で、「はめあいきつい」という補正条件であるので、動作が「下移動」(記号:↓)で、その補正要素が「はめあいきつい」(記号:th)と作業分析される。そして、この作業分析結果を入力すると、該当する位置決め不良不良率係数を組付動作別不良率係数データベース211より読み出す。この場合、「下移動」(記号:↓)であるので、図21より位置決め不良不良率係数は「0.1」となる。更に、この場合は「はめあいきつい」の補正要素が入力されているので、被組付部品条件補正係数データベース232より、「はめあいきつい」の位置決め不良補正要素係数「1」を読み出す(図22参照)。更に、「はめあいきつい」即ち動作力が大きい動作であるので動作力不足不良不良率係数を計算する。組付動作別不良率係数データベース211より動作力不足不良不良率係数「1」を読み出す(図21参照)。次いで被組付部品条件補正係数データベース232より、「はめあいきつい」の補正による動作力不足不良補正係数「5」を読み出す(図22参照)。尚、この場合は、長区間動作を示す補正要素が入力されていないので軌跡制御不良不良率係数の計算は行わない。以上より、図24(4)の作業の不良率係数は、まず位置決め不良不良率係数が0.1×1で「0.1」、動作力不足不良不良率係数が1×5で「5」となり、合計で「5.1」となる。具体的な不良率は、この不良率係数「5.1」に、予め入力されている職場定数を乗算して算出される。
【0115】
なお、図20は、実施例2に示したシステムの出力例であり、前述の位置決め不良、軌跡制御不良、動作力不足不良毎の不良率係数が表示されている。
【0116】
以上のような実施例2の方法によれば、位置決め不良、軌跡制御不良、動作力不足、のそれぞれの発生ポテンシャルを分けて木目細かく不良率推定ができるので、不良率の推定精度が向上する効果がある。また位置決め不良、軌跡制御不良、動作力不足、のそれぞれの発生ポテンシャルが出力されるので、評価対象の作業の中でどの動作がどのような不良ポテンシャルを持っているかが定量的に知ることが出来、推定生産前の設計段階において、より的確に改良すべきポイントの提示も可能となる。またそれぞれの発生ポテンシャルの大きさと、部品条件補正係数種類の組み合わせで不良現象の推定も可能となる。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、製品設計段階、製造工程計画段階、等の製品生産前に、その製品の組立作業の組立不良率の推定値を部品組付作業毎に精度高く推定できるので、不良率係数の高い部品組付作業を容易に摘出でき、それらを改良を施すことで、効率良く効果的に組立不良率を低減できる。本発明のシステムを用いれば、信頼性の高い製品設計、製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る組立不良率推定のための不良率推定システムを示す図
【図2】本発明の機能ブロック図
【図3】本発明のデータベースの一例を示す図
【図4】本発明のデータベースの一例を示す図
【図5】本発明のデータベースの一例を示す図
【図6】本発明のデータベースの一例を示す図
【図7】本発明のデータベースの一例を示す図
【図8】本発明のデータベースの一例を示す図
【図9】本発明の組立不良率推定値の算出フローチャート
【図10】本発明の補正係数パターン例を示す図
【図11】本発明の組立不良率推定値の算出モデルを示す図
【図12】本発明の入力画面例を示す図
【図13】本発明の入力画面例を示す図
【図14】本発明の出力画面例を示す図
【図15】本発明の一実施例を示す図
【図16】本発明の組立不良率推定値の算出モデルを示す図
【図17】組立作業の流れを示す図
【図18】組立作業の流れを示す図
【図19】組立作業工程の構成例を示す図
【図20】本発明の出力画面例を示す図
【図21】本発明のデータベースの一例を示す図
【図22】本発明のデータベースの一例を示す図
【図23】本発明の処理の一例を示す図
【図24】本発明の処理の一例を示す図
【符号の説明】
1…入力手段、2…出力手段、3…計算手段、4…記憶手段、5…組立不良率推定対象の部品組付作業を分析するステップ、6…標準組付動作要素と部品補正要素で部品組付作業を表現するステップ、7…不良率推定システムに表現した要素を入力するステップ、8…本実施例の不良率推定システムの組立不良率推定値計算プログラムにより組立不良率の推定値を計算するステップ、9…不良率推定システムの組立不良率推定値計算プログラムにより組立不良率の推定値の計算結果を出力するステップ、
10…不良率推定システム、11…キーボード、12…マウス、13…ペン入力タブレット、20…設計システム、21…表示手段、22…印刷手段、23…他システムへのネットワークを介しての出力手段、25…チェック工程補正係数データベース、26…その他定数データベース、27…入力データ・計算結果データ記憶部、30…計算システム、31…ROM、32…CPU、プログラム実行部、33…RAM、34…入出力インターフェース部、35…バスライン、36…情報生成部、71…部品組付作業の組付動作の情報の入力ステップ、72…組付部品および被組付部品の性質情報の入力ステップ、73…組付作業完了確認工程有無の情報の入力ステップ、74…組立職場条件補正情報の入力ステップ、211…標準組付動作別不良率係数データベース、221…動作順補正係数データベース、231…組付部品条件補正係数データベース、232…被組付部品条件補正係数データベース、241…職場定数データベース。

Claims (17)

  1. 複数の部品を組み立てて製造する製品について、該製品の製造前に、前記各部品の組立時に不良が起きる確率の推定値を算出する不良率推定方法であって、
    あらかじめ組立作業の動作内容を表現するための複数の標準組付動作について、それらの標準組付動作のうちのひとつを基準とし、その標準組付動作を確実には行うことができない確率を前記基準との比率で示す数値である不良率係数を前記標準組付動作と対応づけて記憶しておき、
    対象の部品の組立作業について、該部品の組立作業を表す所定の記号で表現された少なくともひとつの標準組付動作の入力を受け付けると、
    入力された記号に対応する標準組付動作の前記記憶されている不良率係数に基づいて前記部品の組立時の推定不良率を算出することを特徴とする不良率推定方法。
  2. 前記不良率係数は、前記標準組付動作のうち最も不良が起きにくいものを基準とし、該基準と比較して各標準組付動作が何倍不良になりやすいかを表す数値を不良の発生実績データに基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の不良率推定方法。
  3. 前記製品を構成する部品が有する標準組付動作の不確実度に影響を与える性質である部品補正因子それぞれについて補正係数値を設定して記憶しておき、
    前記記号で表現された少なくともひとつの標準組付動作情報の入力と、それぞれの標準組付動作の対象である組付部品および被組付部品が有する部品補正因子を表す記号の入力とを受け付け、
    前記入力された標準組付動作の記号に対応する標準組付動作の不良率係数に、前記入力された部品補正因子に対応する補正係数値を乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出することを特徴とする請求項2に記載の不良率推定方法。
  4. 前記対象部品の組立作業を行う職場において、前記標準組付動作のうち最も組立作業不良の起きにくい標準組付動作を行った場合の組立不良率を職場定数として記憶しておき、
    前記記号で表現された少なくともひとつの標準組付動作情報と、それぞれの標準組付動作の対象である組付部品および被組付部品が有する部品補正因子を表す記号の入力と、組立作業を行う職場を特定する情報の入力とを受け付け、
    前記入力された記号に対応する標準組付動作の不良率係数と部品補正因子に対応する補正係数値と職場の職場定数とを乗算することにより補正係数値を乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出することを特徴とする請求項2および請求項3のいずれかに記載の不良率推定方法。
  5. 前記部品の組立作業の後に該組立作業が適切に行われているか否かをチェックするチェク工程がある場合に標準組付動作に対応する不良率係数を補正する補正係数の値をチェック工程補正係数として記憶しておき、前記部品の組立作業を構成する複数の標準組付動作について、該標準組付動作に対応する不良率係数に該チェック工程補正係数を乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の不良率推定方法。
  6. 標準組付動作の順番に応じて前記標準組付動作に対応する不良率係数を補正する動作順補正係数を予め設定して記憶しておき、
    前記入力された記号が複数の場合には、前記記号で表現された標準組付動作に対応する不良率係数に該標準組付動作の動作順補正係数を乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の不良率推定方法。
  7. 前記入力された記号が複数の場合には、該記号に対応する複数の標準組付動作の不良率係数を加算した値を前記部品の組立時の推定不良率として算出することを特徴とする請求項2に記載の不良率推定方法。
  8. 前記入力された記号が複数の場合には、該記号に対応する複数の標準組付動作の不良率係数を乗算した値を前記部品の組立時の推定不良率として算出することを特徴とする請求項2に記載の不良率推定方法。
  9. 請求項2に記載の不良率推定方法を計算機に実行させるためのプログラムおよび前記標準組付動作と対応づけられた不良率係数とを記憶した記録媒体。
  10. 入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段とを備え、複数の部品を組み立てて製造する製品について、該製品の製造前に、前記各部品の組立時に不良が起きる確率の推定値を算出する不良率推定システムであって、
    あらかじめ組立作業の動作内容を表現するための複数の標準組付動作について、それらの標準組付動作のうちのひとつを基準とし、その標準組付動作を確実には行うことができない確率を前記基準との比率で示す数値である不良率係数を前記標準組付動作と対応づけて前記記憶手段に記憶しておき、
    前記入力手段より対象の部品の組立作業について、該部品の組立作業を表す所定の記号で表現された少なくともひとつの標準組付動作の入力を受け付けると、
    前記演算手段が、入力された記号に対応する標準組付動作の前記記憶手段に記憶されている不良率係数を読み出して前記部品の組立時の推定不良率を算出し、前記出力手段に表示するよう制御することを特徴とする不良率推定システム。
  11. 前記記憶手段に記憶しておく不良率係数は、前記標準組付動作のうち最も不良が起きにくいものを基準とし、該基準と比較して各標準組付動作が何倍不良になりやすいかを表す数値を不良の発生実績データに基づいて設定することを特徴とする請求項10に記載の不良率推定システム。
  12. 前記製品を構成する部品が有する標準組付動作の不確実度に影響を与える性質である部品補正因子それぞれについて補正係数を設定して前記記憶手段に記憶しておき、
    前記入力手段より前記記号で表現された少なくともひとつの標準組付動作情報の入力と、それぞれの標準組付動作の対象である組付部品および被組付部品が有する部品補正因子を表す記号の入力とを受け付け、
    前記演算手段は、前記記憶手段より前記入力された標準組付動作の記号に対応する標準組付動作の不良率係数と前記入力された部品補正因子に対応する補正係数とを読み出し、前記不良率係数と前記部品補正因子に対応する補正係数値とを乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出し、前記出力手段に出力するよう制御することを特徴とする請求項11に記載の不良率推定システム。
  13. 前記対象部品の組立作業を行う職場において、標準組付動作のうち最も組立作業不良の起きにくい標準組付動作を行った場合の組立不良率を職場定数として前記記憶装置に記憶しておき、
    前記入力手段より前記記号で表現された少なくともひとつの標準組付動作情報と、それぞれの標準組付動作の対象である組付部品および被組付部品が有する部品補正因子を表す記号の入力と、組立作業を行う職場を特定する情報の入力とを受け付け、
    前記演算装置は、前記入力された記号に対応する標準組付動作の不良率係数と部品補正因子に対応する補正係数値と職場の職場定数とを前記記憶手段より読み出し、前記不良率係数と前記部品補正因子に対応する補正係数値と前記職場定数とを乗算した値を該標準組 付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出し、前記出力手段に出力するよう制御することを特徴とする請求項11および請求項12のいずれかに記載の不良率推定システム。
  14. 前記部品の組立作業の後に該組立作業が適切に行われているか否かをチェックするチェク工程がある場合に標準組付動作に対応する不良率係数を補正する補正係数をチェック工程補正係数として前記記憶手段に記憶しておき、
    前記演算装置は、前記入力された記号に対応する標準組付動作の不良率係数と前記チェック工程補正係数とを前記記憶手段から読み出し、前記不良率係数とチェック工程補正係数とを乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出し、前記出力手段に出力するよう制御することを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の不良率推定システム。
  15. 標準組付動作の順番に応じて前記標準組付動作に対応する不良率係数を補正する動作順補正係数を予め設定して前記記憶手段に記憶しておき、
    前記入力手段より入力された記号が複数の場合には、
    前記演算手段は、前記記憶手段から前記記号で表現された標準組付動作に対応する不良率係数と該標準組付動作の動作順に応じた動作順補正係数とを読み出し、前記標準組付動作に対応する不良率係数と前記動作順に応じた動作順補正係数とを乗算した値を該標準組付動作の不良率係数として前記部品の組立時の推定不良率を算出し、前記出力手段に出力するよう制御することを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれかに記載の不良率推定システム。
  16. 前記入力手段より入力された記号が複数の場合には、
    前記演算手段は、該記号に対応する複数の標準組付動作の不良率係数を加算した値を前記部品の組立時の推定不良率として算出することを特徴とする請求項11に記載の不良率推定システム。
  17. 前記入力手段より入力された記号が複数の場合には、
    前記演算手段は、該記号に対応する複数の標準組付動作の不良率係数を乗算した値を前記部品の組立時の推定不良率として算出することを特徴とする請求項11に記載の不良率推定システム。
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