JP5122989B2 - 無限移相器及び移相器 - Google Patents

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Description

本発明は、入力された高周波の位相を、0以上2π未満の任意量で変化させて出力する無限移相器に関する。本発明は更にその無限移相器の構成部分として有効な、移相器に関する。
特許文献1は無限移相器の一例である。入力された高周波に対し、位相が一致した高周波、位相がπ/2進んだ高周波、位相がπ進んだ高周波、及び位相が3π/2進んだ高周波を生成し、当該生成された4つの高周波に各々減衰器を用いて重み付け合成をすることで位相を0以上2π未満の任意量で可変としている。
特許文献2は本願出願人らによるASK変調器である。本発明の重要な構成部分に用いる。
この他、未公開の本願出願人らによる出願として、特願2007−3052がある。この構成も本発明の重要な構成部分に用いる。
特開2001−168668 特開2007−067992
特許文献1の特徴は、重み付け合成に係る4つの減衰器の減衰量を正確に制御することにある。確かにそのような正確な制御が可能であれば良いが、例えば小型ICチップでそのような無限移相器を形成することは困難である。
即ち、所望の位相量から、4つの減衰器(少なくとも2つは出力を0にする)の減衰量を正確に設定する必要があることと、出力を0にするために減衰量を無限大とする必要がある。このような機能を半導体トランジスタで実現するためには、電流値を増減してトランジスタの抵抗値を変化させることが考えられるが、この際にトランジスタの内部容量が変化することから減衰器を通過する際に位相が更に変化してしまう。
この際、例えば特許文献2の電子ボリュームを用いようとしても、特許文献2の電子ボリューム内部の差動回路は、バイアスに対して線形に動作する領域が狭く、広い減衰量の範囲で一定の容量を保つことは難しい。
結局、特許文献1の構成を小型ICチップで実現するのは極めて困難である。
そこで本発明は、小型ICチップで実現可能な無限移相器を提供することを目的とする。また、その無限移相器の構成部品としての、移相器を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、入力された高周波の位相を、0以上2π未満の任意量で変化させて出力する無限移相器において、自身に入力される高周波の位相を0以上π/4未満の任意量で変化させて出力する位相調整回路と、自身に入力される高周波から、その位相に対して、位相が一致した高周波、位相がπ/2進んだ高周波、位相がπ進んだ高周波、及び位相が3π/2進んだ高周波を生成する4相発生回路と、4相発生回路において生成された4つの高周波のいずれか1つの高周波を出力する、又は互いに位相がπ/2異なる2つの高周波の和を出力する4つのスイッチを有するベクトル合成回路と、ベクトル合成回路よりも後段に配置され、ベクトル合成回路の出力が、4相発生回路において生成された4つの高周波のうちいずれか1つの高周波である場合の利得調整と、互いに位相がπ/2異なる2つの高周波の和である場合の利得調整により、それらを等しい電圧振幅で出力する利得調整回路とを有することを特徴とする無限移相器である。
請求項2に係る発明は、その接続順序を規定するものであり、高周波はまず位相調整回路に入力され、4相発生回路及びベクトル合成回路を介して利得調整回路から0以上2π未満の任意の位相量とした高周波が出力されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、その接続順序を規定するものであり、高周波はまず4相発生回路に入力され、ベクトル合成回路及び位相調整回路を介して利得調整回路から0以上2π未満の任意の位相量とした高周波が出力されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、ベクトル合成回路が、
第1の電位に接続された出力マッチング回路と、出力マッチング回路に接続された高周波出力端子と、1個の共通トランジスタと、各々高周波入力端子を有する4個のスイッチ部とを有し、
共通トランジスタは、そのコレクタ/ドレインに第1の電位が接続され、そのエミッタ/ソースに他端が第2の電位に接続されたキャパシタの一端が接続されており、
4個のスイッチ部は、各々、スイッチ用トランジスタと、入力用トランジスタと、スイッチ用トランジスタのベース/ゲートに印加されるスイッチ電圧を生成する電流注入及び引き出し可能なカレントミラー回路とから成り、
スイッチ用トランジスタは、そのコレクタ/ドレインに出力マッチング回路が接続され、そのベース/ゲートにスイッチ電圧が印加され、そのエミッタ/ソースに共通トランジスタのエミッタ/ソースがインダクタ又はインダクタンスを有する線路を介して接続されており、
入力用トランジスタは、そのコレクタ/ドレインにスイッチ用トランジスタのエミッタ/ソースが接続され、そのエミッタ/ソースに高周波入力端子が接続されており、
各スイッチ部は、各々のスイッチ用トランジスタのベース/ゲートに印加されるスイッチ電圧により、高周波入力端子から高周波出力端子への経路の接続及び遮断を切り替え可能としたものであることを特徴とする。
尚、バイポーラトランジスタを用いる場合にはエミッタ、ベース、コレクタの用語が用いられ、FETではソース、ゲート、ドレインの用語が用いられる。これは請求項5、7に係る発明においても同じである。
出力マッチング回路は、高周波入力端子と高周波出力端子を接続状態とした場合に、高周波出力端子以降の外部回路とのインピーダンスマッチングを図ると共に、第1の電位、例えば定電圧源からの正電位を、スイッチ用トランジスタのコレクタに供給するように作用するものとする。
入力用トランジスタは、エミッタ/ソースから高周波信号を入力する、ベース/ゲート接地増幅器の構成で用いられる。共通トランジスタは、このベース/ゲート接地増幅器に、オン時(高周波入力端子からの入力された高周波の通過時)にもオフ時(高周波入力端子からの入力された高周波の遮断時)にも、一定の直流電流を流すために設けられているものである。
電流注入及び引き出し可能なカレントミラー回路とは、カレントミラー回路の一方の定電流端子を、スイッチ用トランジスタのベース/ゲートと、例えば更に別のトランジスタのエミッタ/ソースとに接続したものである。当該別のトランジスタがオフの場合にカレントミラー回路の定電流がスイッチ用トランジスタのベース/ゲートに流れることで、当該スイッチ用トランジスタのベース/ゲートが例えば高電位になる。逆に、当該別のトランジスタがオンの場合にカレントミラー回路の定電流が例えば接地に流れると共にスイッチ用トランジスタのベース/ゲートの電荷が接地に流れることで、当該スイッチ用トランジスタのベース/ゲートが例えば低電位(接地電位)になる。
請求項5に係る発明は、利得調整回路が、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタとから成る第1の差動増幅部と、第1のトランジスタのエミッタ/ソース及び第2のトランジスタのエミッタ/ソースにコレクタ/ドレインが接続された第3のトランジスタと、当該第3のトランジスタのエミッタ/ソースに接続された第1の抵抗とから成る第1の定電流回路部と、第4のトランジスタ及び第5のトランジスタとから成る第2の差動増幅部と、第4のトランジスタのエミッタ/ソース及び第5のトランジスタのエミッタ/ソースにコレクタ/ドレインが接続された第6のトランジスタと、当該第6のトランジスタのエミッタ/ソースに接続された第2の抵抗とから成る第2の定電流回路部と、第2のトランジスタからの信号を出力する第7のトランジスタとを有し、
第1のトランジスタのベース/ゲートと第5のトランジスタのベース/ゲートが接続され、第2のトランジスタのベース/ゲートと第4のトランジスタのベース/ゲートが接続され、第1のトランジスタのコレクタ/ドレインと第4のトランジスタのコレクタ/ドレインが接続され、第2のトランジスタのコレクタ/ドレインと第5のトランジスタのコレクタ/ドレインが接続され、高周波が第3のトランジスタのエミッタ/ソースに入力され、
制御電位が、電流注入及び引き出し可能なカレントミラー回路を介して第2のトランジスタのベース/ゲートに入力され、第2のトランジスタのコレクタ/ドレインが第7のトランジスタのベース/ゲートに接続されて、当該第7のトランジスタのエミッタ/ソースから高周波が出力されるものであることを特徴とする。
例えば本願出願人らによる特許文献2に示した電子ボリュームは、例えば電圧の減衰量0dBから電圧の減衰量1.5dB程度の減衰量の範囲であれば、線形に減衰量を調整できる。この際、位相に変化が無い。更には、電圧の減衰量0dBと1.5dBの切替えであれば、極めて正確に調整可能である。これは本発明の利得調整回路として用いうる。
また、上記未公開の本願出願人らによる出願に記載した高周波スイッチを4入力として、位相が一致した高周波、位相がπ/2進んだ高周波、位相がπ進んだ高周波、及び位相が3π/2進んだ高周波の4つの高周波から、いずれか1つの高周波を出力する、又は互いに位相がπ/2異なる2つの高周波の和を出力するベクトル合成回路として適用することで、電力が等しい、入力された高周波に対して位相がnπ/4(nは0以上7以下の整数)異なる8つの高周波の1つを選択的に出力可能であることを着想した。
これに、自身に入力される高周波の位相を0以上π/4未満の任意量で変化させて出力する位相調整回路を組み合わせれば、入力された高周波の位相を、0以上2π未満の任意量で変化させて出力する無限移相器が構成可能である(請求項1)。位相を0以上π/4未満の任意量で変化させて出力する位相調整回路は、利得の変化がない回路が実現可能であり、小型ICチップ化も可能である。
このように、アナログ的に位相を0から2πまで任意量制御でき、かつ振幅を一定に保つことができる。且つ、無限移相器全体として小型IC化が可能となり、且つ制御が極めて容易となる。
接続順は請求項2、3に記載したいずれの接続順でも良い。
ベクトル合成回路に関する請求項4の発明によれば、共通トランジスタは、入力用トランジスタに一定の直流電流を流すために設けられている。しかし、共通トランジスタに、入力トランジスタのコレクタ/ドレインから高周波が流れてはアイソレーション特性が低下するので、共通トランジスタのエミッタ/ソースと入力用トランジスタのコレクタ/ドレインの間はインダクタ又はインダクタンスを有する線路で接続する。また、共通トランジスタのエミッタ/ソースにはキャパシタを接続し、当該キャパシタの他端は第2の電位に接続、例えば接地しておく。これにより、1.インダクタ又はインダクタンスを有する線路により高周波を減衰させると共に、2.高周波電位は第2の電位に固定されているので、共通トランジスタのエミッタ/ソースには、高周波は流れない。
請求項4の発明によれば、ベクトル合成回路の高周波入力端子から見た入力インピーダンスについて、高周波出力端子と遮断された状態(オフ時)と高周波出力端子に接続された状態(オン時)の切替に際しての変動を小さいものとすることができる。即ち、スイッチのオンオフ切替え時にも高周波入力端子から見たインピーダンスの変化を小さくできる、吸収型スイッチとして振る舞う。また、多入力1出力の高周波スイッチとして構成した場合も、入力数が増してもアイソレーション劣化が小さい高周波スイッチを構成できる。
2個のスイッチをオンとした場合には、そのベクトル和の高周波が出力される。
即ち、請求項4に記載の発明の特徴部は、4入力スイッチ(ベクトル合成回路)を構成する。
また、スイッチ前段電圧をカレントミラー回路に入力し、スイッチ用トランジスタのベース/ゲートに印加されるスイッチ電圧を生成する。即ち、スイッチ前段電圧によりスイッチ用トランジスタのベース/ゲートの電流注入及び引き出しを行うことができる。これによれば、制御電圧をスイッチ電圧としてスイッチ用トランジスタのベース/ゲートに直接印加するよりも、スイッチ用トランジスタのベース/ゲートの電位の高速切替えが可能となる。即ち、本発明によれば、高周波入力端子から高周波出力端子への遮断及び接続を高速に切替ることが可能な高周波スイッチを構成できる。当該カレントミラー回路を用いた電流注入及び引き出しを行う回路は特許文献2に示した通りである。
また、特許文献2に示した電子ボリュームと自身に入力される高周波の位相を0以上π/4未満の任意量で変化させて出力する位相調整回路を組み合わせたものは、全く新しい移相器を構成する。
尚、請求項5の電子ボリュームの特徴は次の通りである。
制御電位による利得調整(増幅)に主として関与するのは第2のトランジスタである。第2のトランジスタの電流を減らすと利得は下がり、増やすと利得は上がる。これは電流が増えると第2のトランジスタのgmが増えるためである。通常、トランジスタの電流を増減すると、その3つの端子間の寄生容量も変わるため、出力位相も変わる。しかし本回路では、第2のトランジスタと第5のトランジスタは並列(エミッタのバイアス電位は同じ)であり、定電圧源から2つのトランジスタへの直流電流の合計は一定である。ここで、増幅に関係するのは第2のトランジスタであり、第5のトランジスタは関係しない。第2のトランジスタを流れる電流が増えて寄生容量が増加した時、第5のトランジスタを流れる電流が減り、寄生容量は減る。従って、並列接続の第2のトランジスタと第5のトランジスタの全体の寄生容量は一定に保たれる。第2のトランジスタを流れる電流が減った場合は、逆の動作になり、この場合も並列接続の第2のトランジスタと第5のトランジスタの全体の寄生容量は一定に保たれる。このため、定電圧源から見た容量は一定であるため、制御電位による利得が変わっても、第2のトランジスタの出力の位相に変化はない。
自身に入力される高周波の位相を0以上π/4未満の任意量で変化させて出力し、利得変化が極めて小さいする位相調整回路は公知であり、任意の構成を採用しうる。
また、入力された高周波に対し、位相が一致した高周波、位相がπ/2進んだ高周波、位相がπ進んだ高周波、及び位相が3π/2進んだ高周波の、出力が等しい4つの高周波を同時に生成する4相発生回路も公知であり、任意の構成を採用しうる。
本発明の構成部分である4入力スイッチ(ベクトル合成回路)と、利得調整回路の制御に用いる、スイッチ電圧を生成する電流注入及び引き出し可能なカレントミラー回路は、特許文献2に記載されている。主たる構成である第1及び第2のトランジスタと、第1のトランジスタに直列接続され、固定ベース/ゲート電位を有する第3のトランジスタと、第2のトランジスタに直列接続され、スイッチ前段電圧をベース/ゲート電位とする第4のトランジスタとを有し、当該第4のトランジスタのエミッタ/ソースにスイッチ用トランジスタのベース/ゲートが接続されているものを採用すれば良い。特に第1、第2、第4のトランジスタをpチャンネルMOSFETで、第3のトランジスタをnチャンネルMOSFETで構成すると良い。
本発明の構成部分である4入力スイッチ(ベクトル合成回路)においては、共通トランジスタ、スイッチ用トランジスタ及び入力用トランジスタを、全てnpnトランジスタにより構成すると良い。共通トランジスタのエミッタ/ソースと、スイッチ用トランジスタのエミッタ/ソース及び入力用トランジスタのコレクタ/ドレインとの間に挿入するインダクタは、所望の高周波に対する4分の1波長線路で代替できる。
その他、所望の構成のマッチング回路を、任意の位置に配置して良い。マッチング回路については、以下の説明では回路図に明記する場合と明記しない場合があるが、それらの意味するところに特別の差は無い。
尚、以下のシミュレーションにおいては、5.8GHzを中心とした数GHz帯域のシミュレーションを示す。尚、本発明は30〜300GHzのミリ波帯域に対応可能であり、例えば77GHzのミリ波レーダーに適用可能な無限移相器である。
図1.Aは、本発明の具体的な一実施例に係る、無限移相器100の構成を示したブロック図である。図1.Bは、本発明の具体的な他の実施例に係る、無限移相器150の構成を示したブロック図である。
図1.Aの無限移相器100は、位相調整回路10、4相発生回路20、ベクトル合成回路30、利得調整回路40とから成る。無限移相器100の作用は次の通りである。位相調整回路10に基準となる高周波が入力される。当該基準高周波は、その位相が0以上π/4未満の任意量で変化されて4相発生回路20に出力される。4相発生回路20では当該基準高周波の位相量が変化した高周波に対し、位相が一致した高周波、位相がπ/2進んだ高周波、位相がπ進んだ高周波、及び位相が3π/2進んだ高周波の4つの高周波が同時に生成され、ベクトル合成回路30に出力される。
ベクトル合成回路30では、所定の制御により、入力された4つの高周波のうちの1つが利得調整回路40に出力されるか、4つの高周波のうちの位相がπ/2異なる2つの高周波のベクトル和が利得調整回路40に出力される。利得調整回路40での利得調整は次のようである。
ベクトル合成回路30に入力された4つの高周波のうちの1つがベクトル合成回路30から出力された場合の利得を基準として、ベクトル合成回路30に入力された4つの高周波のうちの位相がπ/2異なる2つの高周波のベクトル和がベクトル合成回路30から出力された場合の利得を1.5dB低くなるように(2-1/2倍)する。
図1.Bの無限移相器150は、その順序を4相発生回路20、ベクトル合成回路30、位相調整回路10、利得調整回路40に置き換えたものであり、出力される高周波が図1.Aの無限移相器100と同様であることは明かである。
図2は図1.Aの無限移相器100及び図1.Bの無限移相器150の作用を示すグラフ図である。説明の都合上、以下、図1.Bの無限移相器150の作用を説明する。
図2.Aのように、4相発生回路20に入力される基準高周波の位相を0度(0ラジアン)とする。4相発生回路20からは基準高周波に対して、位相が一致した高周波(0度、0ラジアン)、並びに90度(π/2ラジアン)、180度(πラジアン)及び270度(3π/2ラジアン)位相が進んだ高周波が生成される。今、基準高周波に対して、位相が一致した高周波(0度)と90度位相が進んだ高周波との和を生成すると、その位相は45度(π/4)となり、その電圧は、図2.Aに示す通り、位相が一致した高周波(0度)や90度位相が進んだ高周波より1.5dB大きく(21/2倍)となっている。そこで、上述の通り、ベクトル合成回路30に入力された4つの高周波のうちの1つがベクトル合成回路30から出力された場合の利得を基準として、ベクトル合成回路30に入力された4つの高周波のうちの位相がπ/2異なる2つの高周波のベクトル和がベクトル合成回路30から出力された場合の利得を1.5dB低くなるように(2-1/2倍)する。図2.Aでは利得調整後の電圧が一致している。即ち、この作用を利得調整回路40に担わせる。
次に図2.Bのように、45n度(nπ/4ラジアン、nは0以上7以下の整数)の8通りのいずれかの出力である利得調整回路40に対し、その前段で、位相調整回路10により0〜45度(0〜π/4ラジアン)の範囲で位相を微調整しておけば、利得が一定で、入力される基準高周波に対し、0〜360度(0〜2πラジアン)の任意の位相量を制御した出力が得られる。
図3は本発明に係る位相調整回路10の構成を示す3枚のブロック図である。図3.Aが位相調整回路10全体の構成図、図3.Bは、図3.Aで示した小型位相調整回路101−1及び101−2の構成を示す回路図、図3.Cは図3.Bで示した反転高周波生成回路1010の構成を示す回路図である。
尚、以下においては、各ブロック図の入力端子を単にIn又はin等、出力端子を単にOut又はout等と示す。それら入力端子In又はin等及び出力端子Out又はout等は各々、前段の出力端子Out又はout等、後段の入力端子In又はin等に接続されるものである。
図3.Aの位相調整回路10は、入力端子inから出力端子outまでの間に、キャパシタC1i、インダクタL1i、小型位相調整回路101−1、キャパシタC1m、インダクタL1m、小型位相調整回路101−2、キャパシタC1o及びインダクタL1oがこの順に直列に接続されている。また、小型位相調整回路101−1とキャパシタC1mの接続点にはインダクタL1ms、キャパシタC1msがこの順に直列に接続され、キャパシタC1msの他端が接地されている。また、小型位相調整回路101−2とキャパシタC1oの接続点にはキャパシタC1osが接続され、キャパシタC1osの他端が接地されている。
図3.Aで示した小型位相調整回路101−1及び101−2の構成を図3.Bで小型位相調整回路101として示す。図3.Aで示した小型位相調整回路101−1及び101−2は、対応する素子の特性が一致したもので構成される。
図3.Bの小型位相調整回路101の構成は次の通りである。
入力端子inがnpnトランジスタQ1aのベースに接続されている。npnトランジスタQ1aのベースとコレクタの間には抵抗R1abが接続されている。npnトランジスタQ1aのコレクタには抵抗R1acが接続され、その他端は定電圧源Vccに接続されている。さらにnpnトランジスタQ1aのコレクタにはキャパシタC1acが接続され、その他端は反転高周波生成回路1010に入力されている。
npnトランジスタQ1aのエミッタには抵抗R1aeが接続され、その他端は接地されている。また、npnトランジスタQ1aのベースにはキャパシタC1aが接続され、その他端は接地されている。
npnトランジスタQ1aのベースに入力された高周波が予備的に増幅されてコレクタから出力される。
反転高周波生成回路1010の同相出力iと反転出力rは、各々、キャパシタC1ibを介してnpnトランジスタQ1iのベースに接続され、キャパシタC1rbを介してnpnトランジスタQ1rのベースに接続されている。npnトランジスタQ1iのベースとnpnトランジスタQ1rのベースには、各々、抵抗R1ibとR1rbが接続され、それらの他端はバイアス電位(BIAS11)に接続されている。npnトランジスタQ1iのエミッタとnpnトランジスタQ1rのエミッタには、各々、抵抗R1ieとR1reが接続され、それらの他端は接地されている。また、npnトランジスタQ1iのエミッタからnpnトランジスタQ1rのエミッタまでの間には、抵抗R1ph、バラクタダイオードBD、キャパシタC1phがこの順に直列接続されている。また、バラクタダイオードBDの負極側であるキャパシタC1phとの接続点には電位V1-cntの正極側が抵抗R1vcを介して接続され、バラクタダイオードBDの正極側である抵抗R1phとの接続点には出力端子outが接続されている。
反転高周波生成回路1010から、同電力で位相の反転した同相出力iと反転出力rが生成されると、npnトランジスタQ1iとnpnトランジスタQ1rのバッファを介して抵抗R1ph、バラクタダイオードBD、キャパシタC1phにより位相調整される。この際、電位V1-cntにより位相量が制御される。
ここで、図3.Bの小型位相調整回路101の内部で対となっている、npnトランジスタQ1iとnpnトランジスタQ1r、キャパシタC1ibとキャパシタC1rb、抵抗R1ibとR1rb、抵抗R1ieとR1reは、各々素子特性が一致するものである。
更に、図3.Bの小型位相調整回路101と全く同様の回路が図3.Aで示した小型位相調整回路101−1及び101−2として用いられ、且つバイアス電位(BIAS11)は共通のものが、また、位相量を制御するための電位V1-cntは共通のものが用いられる。
図3.Bにて1つのブロックで示した反転高周波生成回路1010の内部構成を図3.Cに示す。
即ち、定電圧源Vccが、抵抗R11cを介してnpnトランジスタQ11のコレクタに、また、抵抗R14cを介してnpnトランジスタQ14のコレクタに接続されている。npnトランジスタQ11のベースとnpnトランジスタQ14のベースは接続され、更にキャパシタC11に接続され、キャパシタC11の他端は接地されている。
npnトランジスタQ11のエミッタには抵抗R11eが接続され、その他端はnpnトランジスタQ12のコレクタとベース及び入力端子inに接続されている。npnトランジスタQ12のエミッタには抵抗R12eが接続され、その他端は接地されている。npnトランジスタQ14のエミッタには抵抗R14eが接続され、その他端はnpnトランジスタQ15のコレクタとベースに接続されている。npnトランジスタQ15のエミッタには抵抗R15eが接続され、その他端は接地されている。
入力端子inが、npnトランジスタQ13のベースに接続されている。npnトランジスタQ13のコレクタは、抵抗R13cを介して定電圧源Vccに接続され、npnトランジスタQ13のエミッタは、抵抗R13eを介して接地されている。npnトランジスタQ13のコレクタの出力が−Vである。
また、npnトランジスタQ11のコレクタの出力が+Vである。ベース接地回路とコレクタ接地回路の組み合わせであるので、180°位相の異なる出力が得られる。
ICチップ化を想定して、図3の位相調整回路10のシミュレーションを行った。図4にV1-cntを1V、0V、−1Vとした時のシミュレーション結果を示す。周波数は5.8GHz、1周期は約172psであるので、V1-cntを1Vから−1Vまで変化させると、位相量を約120度(2π/3ラジアン)の範囲で制御可能であることがわかる。また、位相を変えても振幅が変わっておらず、利得が一定であることがわかる。
図5は図1で示した4相発生回路20の構成を示す回路図である。図5の4相発生回路20は、素子特性を調整する必要はあるものの、図3.Bの小型位相調整回路101の内部構成である反転高周波生成回路1010とその周囲と同様の構成を有する。
実際、図5の4相発生回路20の構成は次の通りである。
入力端子InがnpnトランジスタQ2aのベースに接続されている。npnトランジスタQ2aのベースとコレクタの間には抵抗R2abが接続されている。npnトランジスタQ2aのコレクタには抵抗R2acが接続され、その他端は定電圧源Vccに接続されている。さらにnpnトランジスタQ2aのコレクタにはキャパシタC2acが接続され、その他端は反転高周波生成回路1011に入力されている。
npnトランジスタQ2aのエミッタには抵抗R2aeが接続され、その他端は接地されている。また、npnトランジスタQ2aのベースにはキャパシタC2aが接続され、その他端は接地されている。
npnトランジスタQ2aのベースに入力された高周波が予備的に増幅され、コレクタから出力される。
反転高周波生成回路1011は、図3.Cの反転高周波生成回路1010の構成と同様であって、各素子特性を調整したものである。
反転高周波生成回路1011の同相出力iと反転出力rは、各々、npnトランジスタQ2iのベースとnpnトランジスタQ2rのベースに接続されている。npnトランジスタQ2iのエミッタとnpnトランジスタQ2rのエミッタには、各々、抵抗R2ieとR2reが接続され、それらの他端は接地されている。
npnトランジスタQ2iのエミッタから、出力端子Out−1までの間には、キャパシタC2i、抵抗R21がこの順に直列に接続されている。出力端子Out−1には、キャパシタC21が接続され、その他端は接地されている。
キャパシタC2iと抵抗R21の接続点にキャパシタC22が接続されその他端が出力端子Out−2に接続されている。出力端子Out−2には、抵抗R22が接続され、その他端は接地されている。
npnトランジスタQ2rのエミッタから、出力端子Out−3までの間には、キャパシタC2r、抵抗R23がこの順に直列に接続されている。出力端子Out−3には、キャパシタC23が接続され、その他端は接地されている。
キャパシタC2rと抵抗R23の接続点にキャパシタC24が接続されその他端が出力端子Out−4に接続されている。出力端子Out−4には、抵抗R24が接続され、その他端は接地されている。
npnトランジスタQ2iとnpnトランジスタQ2r、抵抗R2ieとR2re、キャパシタC2ieとC2reは素子特性が一致する。これにより、npnトランジスタQ2iのエミッタの電位とnpnトランジスタQ2rのエミッタの電位は反転電位のままとなる。
キャパシタC21、C22、C23、C24の容量は全て等しくC、抵抗R21、R22、R23、R24の容量は全て等しくRである。この時、周波数1/2πCRで、出力端子Out−1と出力端子Out−2は位相差90度、出力端子Out−3と出力端子Out−4は位相差90度となる。
5.8GHzのICチップ化を想定して、図5の4相発生回路20のシミュレーションを行った。図6にその結果を示す。極めて良好に、4相が生成できた。
図7は、上述した先願である、特願2007−3052に記載した高周波スイッチを用いたベクトル合成回路30の構成を説明するための2つの回路図である。「ベクトル合成回路」の名称は、図2.Aに示したように、2つの高周波の和の振幅が、ベクトルを合成したものと対応づけられることによる。
図7.Aは図1のベクトル合成回路30の構成を簡略化した、スイッチ部を1個有する高周波スイッチ35の構成を示す回路図であり、図7.Bは、図1のベクトル合成回路30の構成を示すブロック図である。図7.Bのスイッチ部31、32、33及び34は、全く同一の特性を示す素子を用いて、同じように構成される。図7.Aのスイッチ部31を有する高周波スイッチ35において、スイッチ部31を説明する。図7.Bのベクトル合成回路30の他のスイッチ部32、33及び34の作用も同様である。
本実施例においては、請求項4に係る発明の第1の電位を第2の電位に対して正とする例であり、第2の電位を接地電位とするものである。勿論、以下で説明するnpnトランジスタQc、Qsw1、Qi1を全てpnpトランジスタに置き換えるのであれば、第1の電位が第2の電位に対して負電位となる負電源を用い、第2の電位を接地電位とする構成も考えられる。しかし、動作速度の面から、以下のように、トランジスタQc、Qsw1、Qi1を全てnpnトランジスタにより構成することが好ましい。
1入力1出力の高周波スイッチ35は、定電圧源Vcc(第1の電位)に接続された出力マッチング回路MC3と、出力マッチング回路MC3に接続された高周波出力端子Outと、コレクタに定電圧源Vccが接続され、エミッタに他端が接地(第2の電位に接続)されたキャパシタCceの一端が接続された共通トランジスタQcとを有する。共通トランジスタQcのベースには、バイアス電位BIAS32が抵抗Rcbを介して印加され、また、他端が接地されたキャパシタCcbの一端が接続されている。共通トランジスタQcはnpnトランジスタである。
更に、1入力1出力の高周波スイッチ35は、コレクタに出力マッチング回路MC3が接続され、ベースにスイッチ電圧Vctl-1が印加され、エミッタに共通トランジスタQcのエミッタがインダクタL1を介して接続されたスイッチ用トランジスタQsw1を有する。スイッチ用トランジスタQsw1のベースには他端が接地されたキャパシタCsw1bの一端が接続されている。スイッチ用トランジスタQsw1はnpnトランジスタである。
更に、1入力1出力の高周波スイッチ35は、コレクタにスイッチ用トランジスタQsw1のエミッタが接続され、エミッタに高周波入力端子In1が接続された入力用トランジスタQi1を有する。入力用トランジスタQi1のベースには、バイアス電位BIAS31が抵抗Ri1bを介して印加され、また、他端が接地されたキャパシタCi1bの一端が接続されている。入力用トランジスタQi1のエミッタには、他端が接地された抵抗Ri1eの一端が接続されている。入力用トランジスタQi1はnpnトランジスタである。また、入力用トランジスタQi1はベース接地(高周波的に)の構成であり、増幅器としてはエミッタ入力、コレクタ出力である。
以上とは別に、定圧電源Vccから、第1、第2のバイアス(BIAS31、BIAS32)を生成するための図示しないバイアス回路が形成されているものとする。
図7.Aの1入力1出力の高周波スイッチ35は、スイッチ用トランジスタQsw1のベースに印加されるスイッチ電圧Vctl-1の電位が高いか低いかにより、高周波入力端子In1から高周波出力端子Outへの経路の接続及び遮断を切り替え可能とした高周波スイッチである。図7.Aの点線で囲んだスイッチ部31は、スイッチ用トランジスタQsw1とキャパシタCsw1bとスイッチ電圧Vctl-1、インダクタL1、入力用トランジスタQi1と抵抗Ri1b及びRi1eとキャパシタCi1b、並びに高周波入力端子In1により形成されている。
後述するように、スイッチ用トランジスタQsw1のエミッタからインダクタL1側を見た高周波インピーダンスは、高周波出力端子Outに接続される外部回路の特性インピーダンス(例えば50Ω)に比べて十分に大きい。このため、スイッチ用トランジスタQsw1のベースに高電位が印加されてスイッチ用トランジスタQsw1がオンとなり、当該スイッチ用トランジスタQsw1が低抵抗として働く場合は、ベース接地された入力用トランジスタQi1の負荷は、出力マッチング回路MC3のみとなる。即ち、スイッチ用トランジスタQsw1のコレクタに出力される高周波が、インダクタL1側に流れることは無い。一方、スイッチ用トランジスタQsw1のベースに低電位が印加されてスイッチ用トランジスタQsw1がオフである場合は、ベース接地された入力用トランジスタQi1の負荷は、入力用トランジスタQi1のコレクタからインダクタL1側を見たインピーダンスとなる。
本発明においては、スイッチ用トランジスタQsw1のオンオフに関わらず、高周波入力端子In1から見たインピーダンスをほぼ一定にするため、ベース接地された入力用トランジスタQi1に一定の直流電流を流して入力用トランジスタQi1の動作点が一定となるような構成を採用している。これが共通トランジスタQcの作用である。この際、直流電流は定電圧源Vccから共通トランジスタQcを介してベース接地された入力用トランジスタQi1に流す必要があるが、スイッチ100の遮断特性の要請から、当然に、ベース接地された入力用トランジスタQi1から高周波が共通トランジスタQcに流れないようにする必要がある。そこで、インダクタL1を、共通トランジスタQcのエミッタと、入力用トランジスタQi1のコレクタ(及びスイッチ用トランジスタQsw1のエミッタ)との間に設け、共通トランジスタQcのエミッタには更に他端が接地されたキャパシタCceの一端を接続した。ここで、図1に示した通り、インダクタL1の両端子である、共通トランジスタQcのエミッタ及びキャパシタCceとの接続点をNc、入力用トランジスタQi1のコレクタ及びスイッチ用トランジスタQsw1のエミッタとの接続点をN1とする。
インダクタL1とキャパシタCceにより、接続点Ncを使用する高周波において接地電位とし、接続点N1からインダクタL1を見た高周波インピーダンス(図7.AのZa)を外部回路の特性インピーダンス(例えば50Ω)以上で入力用トランジスタQi1のコレクタ抵抗よりも小さい値とした。こうして、スイッチ用トランジスタQsw1のベースに低電位が印加されてスイッチ用トランジスタQsw1がオフとなり、高周波入力端子In1から高周波出力端子Outへの接続が遮断されたオフ時には、共通トランジスタQcのエミッタから入力用トランジスタQi1のコレクタに直流電流は流れるが、接続点Ncの電位が使用高周波に対して接地電位に固定されているので、入力用トランジスタQi1のコレクタの高周波は共通トランジスタQcを通過しない。よって、共通トランジスタQcを介して高周波出力端子Outへ高周波信号が伝搬することはない。このように、本実施例は、オフ時にもアイソレーションの劣化が生じない高周波スイッチの具体例である。入力用トランジスタQi1の動作点が高周波スイッチ35のオンオフ状態に関わらず変動せず、接続点N1からインダクタL1を見た高周波インピーダンス(図7.AのZa)を外部回路の特性インピーダンス(例えば50Ω)以上で入力用トランジスタQi1のコレクタ抵抗よりも小さい値としているので、入力用トランジスタQi1のエミッタから見た入力インピーダンスは、そのコレクタに接続されている負荷(インダクタL1のインピーダンス)に依存しない。よって、本実施例の入力インピーダンスは、オン時とオフ時で変わらず、図7.Aの高周波スイッチ35は吸収タイプのスイッチとなる。よって高周波回路に接続した場合に、高周波スイッチ35のオフ時にも再放射が生ぜず、オンオフ切替え時にインピーダンスの大きなアンバランスは生じない。
このように、図7.Aの1入力1出力の、1個のスイッチ部31を有する高周波スイッチ35の構成を基本として、スイッチ部31と全く同じ構成のスイッチ部32、33、34を追加し、各入力端子を、In2、In3、In4とし、制御電圧をVctl-2、Vctl-3、Vctl-4とする。3つのスイッチ部32、33、34が必要とするバイアスは、スイッチ部31のバイアスBIAS31と同電位である。
これにより理想的なベクトル合成回路30が構成できる(図7.B)。
ここで、更に、4つの制御電圧Vctl-1、Vctl-2、Vctl-3、Vctl-4を生成する回路を、特許文献2に記載したカレントミラー回路を用いた構成とする。これを図8に示す。代表して、図7.Aの1入力1出力の高周波スイッチ35の、スイッチ部31の部分図を図8.Aに、比較のための他の2つの回路を図8.B及び図8.Cに示す。
図8.Aの本発明に係るカレントミラー回路CM1の構成は次の通りである。pチャンネルMOSFETQ31及びQ32のソースが定圧電源Vccに接続され、ゲートが互いに接続され且つpチャンネルMOSFETQ31のドレインに接続されている。pチャンネルMOSFETQ31のドレインにはnチャンネルMOSFETQ33のドレインが接続されている。nチャンネルMOSFETQ33のゲートには第3のバイアス(BIAS33)が印加され、ソースは接地されている。一方、pチャンネルMOSFETQ32のドレインにはpチャンネルMOSFETQ34のソースが接続されており、pチャンネルMOSFETQ34のゲートにはスイッチ前段電圧V'ctl-1が印加され、ドレインは接地されている。
図8.Bはカレントミラー回路CM1をnチャンネルMOSFET90と1個の抵抗R90のみに置き換えた回路図、図8.Cは2つのpチャンネルMOSFET91及び92でカレントミラー回路を構成し、nチャンネルMOSFET93でスイッチ前段電圧V'ctl-1を入力する入力回路の回路図である。
npnトランジスタQsw1のベースに接続される入力回路としては、例えば図8.Bのような、ゲートにスイッチ前段電圧V'ctl-1が印加され、定圧電源Vccが抵抗R90を介してドレインに接続され、ドレインがnpnトランジスタQsw1のベースに接続され、ソースが接地されたnチャンネルMOSFET90の構成を用いる場合が想定される。しかし、図8.Bの構成では電圧注入である。そのため、MHz程度の高速切替に対応させるために、抵抗R90を小さくすると消費電流が大きくなってしまう。逆に抵抗R90を大きくすると時定数が大きくなり、高速切替に対して、なまった反応をしてしまう。
また、図8.Cは、2つのpチャンネルMOSFET91及び92のソースを定圧電源Vccに接続し、pチャンネルMOSFET91及び92のゲートを互いに接続してpチャンネルMOSFET91のドレインに接続してカレントミラー回路を形成し、pチャンネルMOSFET91のドレインに、ゲートにスイッチ前段電圧V'ctl-1を印加したnチャンネルMOSFET93のドレインを接続し、nチャンネルMOSFET93のソースを接地し、pチャンネルMOSFET92のドレインをnpnトランジスタQsw1のベースに接続したものである。図8.Cの構成では電流注入は可能であるが、電流引き出しの経路が無いために、高速切替に対してやはりなまった反応をしてしまう。
本発明に係る図8.Aの構成におては、pチャンネルMOSFETQ32のドレインに、ゲートにスイッチ前段電圧V'ctl-1が印加されたpチャンネルMOSFETQ34のソースが接続され、この接続点にnpnトランジスタQsw1のベースが接続されているので、電流引き出しの経路を設けることができ、電流注入も電流引き出しも可能である。実際、第3のバイアス(BIAS33)として適当な正電位をnチャンネルMOSFETQ33のゲートに印加すると、nチャンネルMOSFETQ33がオンとなって、pチャンネルMOSFETQ31及びQ32がカレントミラー回路として作用し、一定電流がpチャンネルMOSFETQ32のドレインから流れる。
この際、pチャンネルMOSFETQ34のゲートが正電位であれば、pチャンネルMOSFETQ34はオフとなり、pチャンネルMOSFETQ32のドレインからの電流がnpnトランジスタQsw1のベースに注入される。こうしてnpnトランジスタQsw1のベース(スイッチ電圧Vctl-1)が高電位となって、npnトランジスタQsw1がオンとなり、入力用トランジスタQi1のエミッタに入力された高周波がnpnトランジスタQsw1のコレクタに出力される(出力Outに接続される)。
一方、pチャンネルMOSFETQ34のゲートが0又は負電位であれば、pチャンネルMOSFETQ34はオンとなり、pチャンネルMOSFETQ32のドレインからの電流がpチャンネルMOSFETQ34を介してグランドに流れる。この際、npnトランジスタQsw1のベースからも電流がpチャンネルMOSFETQ34を介してグランドに流れることとなる。こうしてnpnトランジスタQsw1のベース(スイッチ電圧Vctl-1)が低電位となってnpnトランジスタQsw1がオフとなり、入力用トランジスタQi1のエミッタに入力された高周波はnpnトランジスタQsw1のコレクタに出力されない(遮断される)。
このように、消費電流(消費電力)を抑え、スイッチ前段電圧V'ctl-1の高速切替に対して、時間遅れの小さな高速スイッチングが可能となる。
図9は、図5の4相発生回路20と図7.Bのベクトル合成回路30を接続した構成の作用をシミュレーションしたグラフ図である。5.8GHzの高周波を想定した。図5の4相発生回路20の4つの出力端子Out−1、Out−2、Out−3、Out−4を各々図7.Bの入力端子In1、In2、In3、In4に接続した。図9では、ベクトル合成回路30の制御電圧Vctl-1、Vctl-2、Vctl-3、Vctl-4を次のようにした5例を示した。
図9でIn1:Vctl-1が高電位(In1がオン)、Vctl-2、Vctl-3、Vctl-4が低電位(In2、In3、In4がオフ)。
図9でIn1+In2:Vctl-1とVctl-2が高電位(In1とIn2がオン)、Vctl-3、Vctl-4が低電位(In3、In4がオフ)。
図9でIn1+In4:Vctl-1とVctl-4が高電位(In1とIn4がオン)、Vctl-2、Vctl-3が低電位(In2、In3がオフ)。
図9でIn3+In4:Vctl-3とVctl-4が高電位(In3とIn4がオン)、Vctl-1、Vctl-2が低電位(In1、In2がオフ)。
図9でIn1+In3:Vctl-1とVctl-3が高電位(In1とIn3がオン)、Vctl-2、Vctl-4が低電位(In2、In4がオフ)。
図9に示すように、理想的なベクトル合成回路を実現可能である。また、4つのスイッチのうち1つだけがオンの場合の出力電圧振幅に対し、位相がπ/2だけ異なる2つの入力のスイッチがオンの場合の出力電圧振幅は21/2倍となっている。
尚、In1とIn3に入力される高周波は位相がπ異なるので、それらのベクトル和は0となる。
図10は本発明の利得調整回路40の構成を示す回路図である。利得調整回路40は特許文献2に示した電子ボリュームの回路を用いたものであり、カレントミラー回路41の制御電位Vmodを調整することにより、出力の利得調整を可能とする。図7.Bのベクトル合成回路30の出力は、図5の4相発生回路20から入力される4相の高周波の1つを出力する場合に対し、位相がπ/2だけ異なる2つの入力の和の電圧振幅が21/2倍であるので、カレントミラー回路41の制御電位Vmodにより、位相がπ/2だけ異なる2つの入力の和が入力された場合に電圧振幅を2-1/2倍に減衰させる。
尚、最終段に置かれた利得調整電位Vgcは、最終的な利得調整の為に置かれたものであり、本発明の本質を成すわけではないが、通常、必要となるものである。
利得調整回路40の構成は以下の通りである。尚、7つのnpnトランジスタQ41、Q42、Q43、Q44、Q45、Q46及びQ47は、請求項5及び7に言う第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7のトランジスタにそれぞれ対応する。尚、MOSFETであるQ48、Q49、Q50及びQ51が、特許文献2の特許請求の範囲に言う第8、第9、第10及び第11のトランジスタにそれぞれ対応する。
6つのnpnトランジスタQ41、Q42、Q43、Q44、Q45及びQ46により、アナログ乗算器Mxを形成する。尚、4つのnpnトランジスタQ41、Q42、Q44及びQ45は特性が揃っており、2つのnpnトランジスタQ43及びQ46も特性がほぼ同じものを用いる。6つのnpnトランジスタQ41、Q42、Q43、Q44、Q45及びQ46は、特許請求の範囲に言う第1、第2、第3、第4、第5及び第6のトランジスタにそれぞれ対応する。
具体的には、npnトランジスタQ41のコレクタ及びnpnトランジスタQ44のコレクタが定圧電源VCCに接続されている。また、npnトランジスタQ42のコレクタ及びnpnトランジスタQ45のコレクタが、抵抗R2Cを介して固定電圧VCCに接続されている。npnトランジスタQ41のベースとnpnトランジスタQ45のベースが接続され、定圧電源VCCから抵抗R41Bを介してベース電位が印加される。尚、pチャンネルMOSFETQ52のソースもnpnトランジスタQ41のベースに接続されている。pチャンネルMOSFETQ52のゲートには第3のバイアス(BIAS43)が印加され、ドレインは接地されている。また、npnトランジスタQ42のベースとnpnトランジスタのQ44のベースが接続され、カレントミラー回路41を介して制御電位Vmodが入力される。npnトランジスタQ44のベースとnpnトランジスタQ45のベースには、各々他端が接地されたキャパシタC44BとC45Bが接続されている。
npnトランジスタQ41のエミッタとnpnトランジスタQ42のエミッタが接続され、npnトランジスタQ41及びQ42が第1の差動増幅部を形成している。また、npnトランジスタQ41のエミッタには、npnトランジスタQ43のコレクタが接続されている。npnトランジスタQ43のベースには、抵抗R43Bを介して第1のバイアス(BIAS41)が印加されており、また、他端が接地されたキャパシタC43Bが接続されている。また、npnトランジスタQ43のエミッタには、他端が接地された抵抗R43Eが接続されている。npnトランジスタQ43と抵抗R43Eとが第1の定電流回路部を形成している。尚、npnトランジスタQ43のエミッタには入力インダクタL4iと入力キャパシタC4iを介して前段の装置からの位相調整された高周波が入力される。
全く同様に、npnトランジスタQ44のエミッタとnpnトランジスタQ45のエミッタが接続され、npnトランジスタQ44及びQ45が第2の差動増幅部を形成し、npnトランジスタQ44のエミッタには、npnトランジスタQ46のコレクタが接続されている。npnトランジスタQ46のベースには、抵抗R46Bを介して第1のバイアス(BIAS41)が印加されており、また、他端が接地されたキャパシタC46Bが接続されている。また、npnトランジスタQ46のエミッタには、他端が接地された抵抗R46Eが接続されている。npnトランジスタQ46と抵抗R46Eとが第2の定電流回路部を形成している。
npnトランジスタQ42のコレクタはエミッタフォロワ部42に接続されている。エミッタフォロワ部42はnpnトランジスタQ47及びQgc、インダクタL78とキャパシタC78、抵抗RgcE及びRgcB、出力キャパシタC4oから構成されている。エミッタフォロワ部42の各素子の接続は次の通りである。即ち、npnトランジスタQ42のコレクタはnpnトランジスタQ47のベースに接続されている。npnトランジスタQ47のコレクタは定圧電源VCCに接続されている。npnトランジスタQ47のエミッタにはインダクタL78とキャパシタC78の並列回路を介してnpnトランジスタQgcのコレクタが接続されており、npnトランジスタQgcのエミッタには他端が接地された抵抗RgcEが接続されている。npnトランジスタQgcのベースには抵抗RgcBを介して利得制御電圧Vgcが印加されており、npnトランジスタQ47のエミッタから出力キャパシタC4oを介して利得調整された高周波が出力される。
カレントミラー回路41の構成は次の通りである。pチャンネルMOSFETQ48及びQ49のソースが定圧電源Vccに接続され、ゲートが互いに接続され且つpチャンネルMOSFETQ48のドレインに接続されている。pチャンネルMOSFETQ48のドレインにはnチャンネルMOSFETQ50のドレインが接続されている。nチャンネルMOSFETQ50のゲートには第2のバイアス(BIAS42)が印加され、ソースは接地されている。一方、pチャンネルMOSFETQ49のドレインにはpチャンネルMOSFETQ51のソースが接続されており、pチャンネルMOSFETQ51のゲートには制御電位Vmodが印加され、ドレインは接地されている。
図11は、利得調整回路40の作用のシミュレーション結果を示す2つのグラフ図である。
図11.Aに示されるように、5.8GHzの高周波の入力に対し、制御電位Vmodを380mVとしたときの利得に対し、制御電位Vmodを360mVとした時に1/2の減衰を実現できる。この際、位相が変化していない。また、図11.Bに示されるように、数GHz程度の比較的広範囲において、制御電位Vmodを380mVと360mVとで切り替えた際の減衰量がほとんど変化せず、図10の利得調整回路40が利得調整回路として優れた機能を有していることがわかる。
図10の利得調整回路40において、利得を調整しても位相が変化しない理由は次の通りである。
制御電位Vmodによる利得調整(増幅)に主として関与するのはnpnトランジスタQ41とQ42である。npnトランジスタQ42の電流を減らすと利得は下がり、増やすと利得は上がる。これは電流が増えるとnpnトランジスタQ42のgmが増えるためである。通常、npnトランジスタQ42の電流を増減すると、3つの端子間の寄生容量も変わるため、出力位相も変わる。しかし本回路では、npnトランジスタQ42とQ45は並列(エミッタのバイアス電位は同じ)であり、負荷R42cには一定の直流電流が流れている。ここで、増幅に関係するのはnpnトランジスタQ42であり、Q45は関係しない。npnトランジスタQ42を流れる電流が増えて寄生容量が増加した時、npnトランジスタQ45を流れる電流が減り、寄生容量は減る。従って、並列接続のnpnトランジスタQ42とQ45の全体の寄生容量は一定に保たれる。npnトランジスタQ42を流れる電流が減った場合は、逆の動作になり、この場合も並列接続のnpnトランジスタQ42とQ45の全体の寄生容量は一定に保たれる。このため、負荷R42cから見た容量は一定であるため、制御電位Vmodによる利得が変わっても、npnトランジスタQ42の出力の位相に変化はない。
図12は、図3.Aの位相調整回路10、図5の4相発生回路20、図7.Bのベクトル合成回路30、図10の利得調整回路40を、図1.Bのように接続した無限移相器150の作用のシミュレーション結果を示す2つのグラフ図である。
図12.Aのように、利得調整回路40において、減衰させない場合と2-1/2倍に減衰させる場合を切り替えることで、ベクトル合成回路30から入力される電圧振幅が1又は21/2の2通りあっても、利得調整回路40の出力を常に一定に保つことができる。
図12.Aでは、ベクトル合成回路30において、In1+In2、入力In1のみの出力、In1+In4、In4のみの出力、In4+In3、In1+In3(振幅0)、の6通りを示した。
図12.Bは、ベクトル合成回路30の出力がIn1+1n2の場合に位相調整回路10の電位V1-cntを、0、正、負と切り替えた場合の利得調整回路40の出力を示す。図12.Bのように、位相を調整可能であり、電圧振幅に変化は生じていない。
以上のように、本実施例である、図3.Aの位相調整回路10、図5の4相発生回路20、図7.Bのベクトル合成回路30、図10の利得調整回路40を、図1.Bのように接続した無限移相器150は、図3.Aの位相調整回路10の電位V1-cntを調整して位相を0〜45度(0〜π/4)の範囲で調整し、図7.Bのベクトル合成回路30の4つのスイッチ電位Vctl-1、Vctl-2、Vctl-3、Vctl-4の1つをオン、又は位相が90度(π/2ラジアン)異なる2つの高周波に対応した2つのスイッチをオンし、利得調整回路40での制御電位Vmodをベクトル合成回路30のスイッチのオン状態に対応して切り替えることで、常に電圧振幅が一定の、0〜360度(0〜2πラジアン)の任意の位相量とした、高周波出力が可能な、GHz帯域の無限移相器である。本実施例の構成は、明かに小型ICチップ化が可能である。以上は図1.Aのように接続した無限移相器100でも全く同様である。
このように、本発明によれば、高周波の振幅を一定としたまま、0〜360度(0〜2πラジアン)の任意の位相量とした高周波出力が可能な、ICチップ化可能な無限移相器が実現できる。
本発明は、複数個のアンテナによりビームフォーミングを行うレーダー装置に適用できる。当該レーダー装置は、車載レーダーに適用可能である。
1.Aは、本発明の具体的な一実施例に係る無限移相器100の構成を示したブロック図、1.Bは、本発明の具体的な他の実施例に係る無限移相器150の構成を示したブロック図。 無限移相器100及び150の作用を示す2枚のグラフ図。 位相調整回路10の構成を示すブロック図及び回路図。 位相調整回路10のシミュレーション結果を示すグラフ図。 4相発生回路20の構成を示す回路図。 4相発生回路20のシミュレーション結果を示すグラフ図。 ベクトル合成回路30の構成を説明するための回路図及びブロック図。 カレントミラー回路の作用を説明するための3つの回路図(部分図)。 4相発生回路20とベクトル合成回路30を接続した構成のシミュレーション結果を示すグラフ図。 利得調整回路40の構成を示す回路図。 利得調整回路40のシミュレーション結果を示す2つのグラフ図。 位相調整回路10、4相発生回路20、ベクトル合成回路30、利得調整回路40を接続した無限移相器150のシミュレーション結果を示す2つのグラフ図。
100、150:無限移相器
10:位相調整回路
101(101−1、101−2):小型位相調整回路
1010:反転高周波生成回路
20:4相発生回路
30:ベクトル合成回路(4入力1出力のスイッチ回路)
31、32、33、34:スイッチ
35:1入力1出力のスイッチ回路
40:利得調整回路

Claims (5)

  1. 入力された高周波の位相を、0以上2π未満の任意量で変化させて出力する無限移相器において、
    自身に入力される高周波の位相を0以上π/4未満の任意量で変化させて出力する位相調整回路と、
    自身に入力される高周波から、その位相に対して、位相が一致した高周波、位相がπ/2進んだ高周波、位相がπ進んだ高周波、及び位相が3π/2進んだ高周波を生成する4相発生回路と、
    前記4相発生回路において生成された4つの高周波のいずれか1つの高周波を出力する、又は互いに位相がπ/2異なる2つの高周波の和を出力する4つのスイッチを有するベクトル合成回路と、
    前記ベクトル合成回路よりも後段に配置され、前記ベクトル合成回路の出力が、前記4相発生回路において生成された4つの高周波のうちいずれか1つの高周波である場合の利得調整と、互いに位相がπ/2異なる2つの高周波の和である場合の利得調整により、それらを等しい電圧振幅で出力する利得調整回路とを有することを特徴とする無限移相器。
  2. 高周波はまず前記位相調整回路に入力され、前記4相発生回路及び前記ベクトル合成回路を介して前記利得調整回路から0以上2π未満の任意の位相量とした高周波が出力されることを特徴とする請求項1に記載の無限移相器。
  3. 高周波はまず前記4相発生回路に入力され、前記ベクトル合成回路及び前記位相調整回路を介して前記利得調整回路から0以上2π未満の任意の位相量とした高周波が出力されることを特徴とする請求項1に記載の無限移相器。
  4. 前記ベクトル合成回路が、
    第1の電位に接続された出力マッチング回路と、前記出力マッチング回路に接続された高周波出力端子と、1個の共通トランジスタと、各々高周波入力端子を有する4個のスイッチ部とを有し、
    前記共通トランジスタは、そのコレクタ/ドレインに第1の電位が接続され、そのエミッタ/ソースに他端が第2の電位に接続されたキャパシタの一端が接続されており、
    前記4個のスイッチ部は、各々、スイッチ用トランジスタと、入力用トランジスタと、前記スイッチ用トランジスタのベース/ゲートに印加されるスイッチ電圧を生成する電流注入及び引き出し可能なカレントミラー回路とから成り、
    前記スイッチ用トランジスタは、そのコレクタ/ドレインに出力マッチング回路が接続され、そのベース/ゲートにスイッチ電圧が印加され、そのエミッタ/ソースに前記共通トランジスタの前記エミッタ/ソースがインダクタ又はインダクタンスを有する線路を介して接続されており、
    前記入力用トランジスタは、そのコレクタ/ドレインに前記スイッチ用トランジスタの前記エミッタ/ソースが接続され、そのエミッタ/ソースに高周波入力端子が接続されており、
    各スイッチ部は、各々の前記スイッチ用トランジスタの前記ベース/ゲートに印加される前記スイッチ電圧により、前記高周波入力端子から前記高周波出力端子への経路の接続及び遮断を切り替え可能としたものである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無限移相器。
  5. 前記利得調整回路が、
    第1のトランジスタ及び第2のトランジスタとから成る第1の差動増幅部と、
    第1のトランジスタのエミッタ/ソース及び第2のトランジスタのエミッタ/ソースにコレクタ/ドレインが接続された第3のトランジスタと、当該第3のトランジスタのエミッタ/ソースに接続された第1の抵抗とから成る第1の定電流回路部と、
    第4のトランジスタ及び第5のトランジスタとから成る第2の差動増幅部と、
    第4のトランジスタのエミッタ/ソース及び第5のトランジスタのエミッタ/ソースにコレクタ/ドレインが接続された第6のトランジスタと、当該第6のトランジスタのエミッタ/ソースに接続された第2の抵抗とから成る第2の定電流回路部と、
    前記第2のトランジスタからの信号を出力する第7のトランジスタとを有し、
    前記第1のトランジスタのベース/ゲートと前記第5のトランジスタのベース/ゲートが接続され、
    前記第2のトランジスタのベース/ゲートと前記第4のトランジスタのベース/ゲートが接続され、
    前記第1のトランジスタのコレクタ/ドレインと前記第4のトランジスタのコレクタ/ドレインが接続され、
    前記第2のトランジスタのコレクタ/ドレインと前記第5のトランジスタのコレクタ/ドレインが接続され、
    高周波が前記第3のトランジスタのエミッタ/ソースに入力され、
    制御電位が、電流注入及び引き出し可能なカレントミラー回路を介して前記第2のトランジスタのベース/ゲートに入力され、
    前記第2のトランジスタのコレクタ/ドレインが前記第7のトランジスタのベース/ゲートに接続されて、当該第7のトランジスタのエミッタ/ソースから高周波が出力されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無限移相器。
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