JP5121694B2 - 信号検出装置および無線装置 - Google Patents

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本発明は、受信信号の帯域幅を検出する信号検出装置および無線装置に関する。
動画および高精細画像の普及によって、無線通信に要求されるトラフィックが飛躍的に増大している。一方で、無線通信は有限な周波数資源を利用するため、その枯渇問題が深刻化している。これを解決する手法の1つとしてコグニティブ無線方式が提案されている。
コグニティブ無線には大別して2方式ある。一つは複数の既存の無線通信インターフェースを有し、それらにトラフィックを振り分けるマルチモード型、もう一つは1つの無線通信インターフェースを有し、周囲の電波利用状況を検出して空き周波数を検出し利用するホワイトスペース型である。ホワイトスペース型のコグニティブ無線は、将来技術であり、現状では実用化までに解決すべき課題が多数残されている。
ホワイトスペース型のコグニティブ無線は、他システムと周波数を共用する。コグニティブ無線機は、各周波数に優先権を持つシステム(以下プライマリシステムと呼ぶ)が送信を開始したら通信を停止し、プライマリシステムに対して極力干渉を与えないようにしなければならない。したがって、コグニティブ無線機はプライマリ端末を高い感度で検出する必要がある。
法制度の改正によって周波数の共用が徐々に可能になっている。例えばUWB(Ultra Wideband)と呼ばれるシステムは、一定のスペクトルマスクを満たすという条件で、マイクロ波帯の広い周波数を他のシステムの信号に重なるように利用することが可能である。そのほかに、微弱無線と呼ばれる非常に弱い信号であれば、殆ど自由に電波を出すことが可能である。さらに、電子レンジやPCなどの電子機器が出す電磁雑音などがあり、これらの信号は、特定の周波数にライセンスされた信号に重なることがある。コグニティブ端末が、電波を受信してキャリアセンスする際、プライマリシステムの電波に加えて、このようなセカンダリまたは電磁雑音が、時にはプライマリの電波に重なって受信される可能性がある。
コグニティブ端末は、自端末が利用中の帯域でキャリアセンスを行い、いずれかの周波数でプライマリシステムが利用中であると検出したら、その周波数の利用を停止する。しかし、検出された電波がセカンダリや電磁雑音の場合は、そのパワーが自端末の利用を妨げない限り、その周波数の利用を停止する必要は無い。逆に、そのようなセカンダリや電磁雑音が検出された周波数を全て利用停止すると、コグニティブ端末の利用できる周波数が減って、スループットが低下してしまう。
そこで、コグニティブ端末には、検出された電波がプライマリであるか否かを判定する手段を持たせることがある。例えば、それぞれの周波数のプライマリの詳細なシステム諸元の知識を有していて、そのパイロットシンボルやプロトコル上の特徴を検出する手法がある。これは、仮想的に、コグニティブ端末が利用する周波数の全周波数のプライマリシステムの受信機を持つことと同等である。あるいは、変調解析と呼ばれる変調形式を検出する手法もある(例えば、特許文献1参照)。
コグニティブ端末の利用する周波数帯域が非常に広帯域に渡る場合、その中に存在する全てのプライマリの受信機を仮想的にでも持つ手法はあまり現実的とは言い難い。したがって、比較的表面的な変調形式に関する特徴のみでプライマリ識別を行う変調解析のような手法が望ましい。
変調解析を行ってプライマリシステムを識別する場合、コグニティブ端末が、予めどの程度プライマリやセカンダリ、電磁雑音に関する情報を持つかは設計による。あまり詳細な情報を持たない場合、コグニティブ端末は、受信した広帯域な電波の中から、スペクトル的なまとまりを検出して、それを変調解析する。上述のようにプライマリにセカンダリや電磁雑音が重なっていると、スペクトルのまとまりの中に複数の信号が入り交じっているため、このまとまりを変調解析しても、正しい結果が得られなくなる。
変調解析を行う際、非特許文献1や特許文献2、特許文献3のように、そのコグニティブ無線機が利用する周波数帯が限定されており、その中に存在するプライマリシステムの種類が少なく、その無線仕様が既知である場合には、プライマリシステムの詳細仕様に基づいて特有の特徴を検出する系を準備して、高い感度の検出が可能である。
例えば、サイクロステーショナリと呼ばれる性質を用いた信号検出手法がある(例えば、非特許文献1、特許文献2、および特許文献3参照)。特許文献2を例に説明すると、特許文献2の図7に示されるように、送信時にフィルタで帯域制限された信号(特許文献2の図7(2))は、そのスペクトルの低周波側の端(Q’、P’)と高周波側の端(Q、P)で周期性を有している。その周期性は信号のシンボルレートB[Hz]で現れているので、受信した信号をBだけ周波数シフトして、信号の自己相関を計算すると特許文献2の図8に示すように自己相関値が0でない値を示す。
特許文献3では、このようなサイクロステーショナリの性質を利用して、プライマリの信号範囲と雑音を区別している。
特開2001−86171公報 特開2006−222665公報 特開2007−324753公報 GLOBECOM 2007 WC01-2, Chen他、"Spectrum Sensing Using Cyclostationary Properties and Application to IEEE 802.22 WRAN"
特許文献2と特許文献3を併せて考えることにより、上述のような複数の信号が重なったケースでも、各々の信号範囲を特定することが可能である。しかし、サイクロステーショナリを利用した検出は、非常に感度が高い反面、信号の周波数シフト量がBからずれると急速に相関値の期待値が0、すなわち、雑音と区別がつかない状態になる。したがって、Bをかなり正確に予め知っておく必要があり、また、サイクロステーショナリを計算する際の周波数軸上の解像度の整数倍がBに等しくなるように、検出系を整えるか、検出する際に補正が必要になる。
検出するプライマリが1つのみであるならばあまり大きな問題にはならないが、多数ある場合には、このような作業は大変手間がかかる。さらに、Bの値は、プライマリ送信機とコグニティブ端末の発振器精度のずれによって事実上変動し、また、ドップラシフトによっても変動する。したがって、常に正確に一致させておくことは難しく、そのような影響を除去するように補正、追従すると、処理量が膨大になり、現実的な回路規模で実現できなくなる。補正および追従をしないならば、非常に周波数軸上の検出解像度を細かくして検出するような手法を取らざるを得ず、回路規模や処理時間がやはり膨大になる。
このように、コグニティブ端末が、個々のプライマリに関する詳細情報を持たない場合、複数の信号が周波数的に重なった受信信号から、サイクロステーショナリを利用して、信号範囲を分離することは難しくなる。
本発明は、このような問題を解決するために、入力信号の一部の周波数帯域と他の周波数帯域の相関の有無を容易に判定する信号検出装置および無線装置を提供する。
上述の課題を解決するため、本発明の信号検出装置は、入力信号のスペクトルを測定し、該スペクトル内の第1周波数帯域と第2周波数帯域を選択する周波数帯域変換部と、前記入力信号から前記第1周波数帯域の信号を抽出して第1選択サンプル列を取得する第1フィルタ部と、前記入力信号から前記第2周波数帯域の信号を抽出して第2選択サンプル列を取得する第2フィルタ部と、前記第1選択サンプル列および前記第2選択サンプル列の値をそれぞれ複素数から大きさに変換して第1ノルムサンプル列および第2ノルムサンプル列を取得するノルム化部と、前記第1ノルムサンプル列と前記第2ノルムサンプル列との相関値を計算する相関計算部と、前記相関値が閾値を相関が高い方に超えている場合には前記第1周波数帯域の信号と前記第2周波数帯域の信号とが相関していると判定する相関判定部と、前記相関判定部の判定結果と、該判定結果に対応する第1周波数帯域と第2周波数帯域とを関連付けた相関結果を記憶する記憶手段と、前記相関結果に基づいて前記入力信号の内の同一の信号による区間を判定する信号区間判定部と、を具備することを特徴とする。
本発明の無線装置は、所望の周波数帯を含む無線信号を受信する無線受信部と、前記無線信号をベースバンドデジタル信号に変換し、前記周波数帯を抽出して出力するデジタル信号変換部と、前記デジタル信号変換部の出力を入力信号として、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の信号検出装置を有し、該入力信号の内の同一の信号による区間を判定し、前記周波数帯内をキャリアセンスするキャリアセンス部と、前記キャリアセンス部の出力に基づいて、送信周波数を選択する周波数選択部と、前記周波数選択部からの指示に基づいて、送信信号を生成する無線送信部と、を具備することを特徴とする。
本発明の無線装置は、所望の周波数帯を含む無線信号を受信する無線受信部と、前記無線信号をベースバンドデジタル信号に変換し、前記周波数帯を抽出して出力するデジタル信号変換部と、前記デジタル信号変換部の出力を入力信号として、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の信号検出装置を有し、該入力信号の内の同一の信号による区間を判定し、前記周波数帯内の利用状況を検出し、利用がある受信周波数帯域を選択する信号選択部と、前記信号選択部の指示に基づいて、受信周波数帯を選択するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力を復調する復調部と、を具備することを特徴とする。
本発明の信号検出装置および無線装置によれば、入力信号の一部の周波数帯域と他の周波数帯域の相関の有無を容易に判定することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る信号検出装置および無線装置について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。また、以下の説明では、本発明に直接関連する部分のみを示し、実際に実施する上では必要でも、本発明の動作には直接関連しない部分は省略している。
代表的な実施形態の信号検出装置について図1を参照して説明する。なお、信号検出装置100は、デジタル化された信号列を入力信号として入力する。信号列は、例えば、図示しない受信部等によって受信された電波またはそれに類する電気信号が、図示しないA/D変換器(analog-to-digital converter)によってデジタル化されたものである。
実施形態の信号検出装置は100、周波数領域変換部101、フィルタ102−1、102−2、ノルム化部103−1、103−2、相関計算部104、相関判定部105、まとまり判定部106を含む。
周波数領域変換部101は、入力信号を受け取りそのスペクトルを検出する。検出したスペクトルに基づいて、周波数領域変換部101は相関計算を行うべき2つの周波数帯域を決定する。周波数領域変換部101は、この2つの周波数帯域をそれぞれフィルタすべき周波数帯域として含む2つの周波数帯域情報である第1周波数帯域情報と第2周波数帯域情報を生成する。周波数領域変換部101は、第1周波数帯域情報および第2周波数帯域情報を、それぞれフィルタ102−1およびフィルタ102−2に渡す。また、周波数領域変換部101は、例えば第2周波数帯域をある範囲でスイープさせる。周波数領域変換部101は、スイープさせる周波数区間の上限値と下限値との区間情報と、第1周波数帯域情報とをまとまり判定部106に渡す。
フィルタ102−1、102−2はそれぞれ、周波数領域変換部101から受け取った第1周波数帯域情報または第2周波数帯域情報を受け取り、周波数帯域情報に示されている周波数帯域によって入力信号をフィルタする。すなわち、フィルタ102−1は第1周波数帯域の信号を入力信号から抽出し、フィルタ102−2は第2周波数帯域の信号を入力信号から抽出する。
ノルム化部103−1、103−2はそれぞれ、フィルタ102−1、102−2から受け取ったフィルタされた信号をノルム化する。すなわち、ノルム化部103−1、103−2は複素信号(フィルタされた信号)をその信号のノルムに変換する。ノルムは信号の大きさを示すものであり、一般的には1次のノルムまたは2次のノルムである。1次のノルムは信号の振幅を示し、2次のノルムは信号のパワーを示す。もちろん、他の次数のノルムであってもかまわない。
相関計算部104は、ノルム化部103−1、103−2から出力されたノルム化された2つの周波数帯域の信号を受け取り、これらの信号の相関値を計算する。ここで、相関値の計算について少し説明を加える。
本発明の実施形態では、2つの周波数帯域の信号の波形の類似度を検出したい。したがって、相関計算部104は少なくとも、双方の信号列の大きさによって正規化を行い、信号列の大きさに関する相関は除去するようにする。また、波形変動の類似度を検出するためには、双方の波形の直流オフセットを除去してから相関を計算する方が望ましい。したがって、相関計算に用いる計算式は次式(1)のようにピアソンの相関値と呼ばれる式が望ましい。
Figure 0005121694
本実施形態では、式(1)において、x(t)およびy(t)がそれぞれ2つの周波数帯域の信号列をノルム化したものとなる。
Figure 0005121694
上記(2)はそれぞれx(t),y(t)の平均値、したがってノルム化後の信号列の平均値である。*は複素共役を示すが、本実施形態では、x(t),y(t)ともノルム化されているので、複素共役の操作は意味がないため行わない。また、デジタル信号であるので、積分記号の部分は実際にはサンプル単位での加算となる。平均値は積分期間、すなわち、加算期間における平均値を用いる。
相関判定部105は、相関計算部104が計算した相関値を受け取り、この相関値が予め定められた閾値を相関が高い方に超えるかどうかを判定する。相関判定部105は、相関値が閾値を相関が高い方に超える場合に、選択された2つの周波数帯域の信号が相関していると判定する。相関判定部105は、相関判定部105の判定結果をまとまり判定部106に渡す。
周波数領域変換部101は、少なくともフィルタ102−2で選択される周波数帯域をスイープするように複数選択して、それぞれについて上記の処理(相関計算部104、相関判定部105)を繰り返す。
まとまり判定部106は、このようにして判定された複数の相関値に基づいて同一の信号によって形成される周波数区間を判定する。なお、周波数区間の情報がまとまり判定の際に必要であるため、第2周波数帯域をスイープさせる場合には、まとまり判定部106は周波数区間を示す区間情報と、第1周波数帯域情報とを周波数領域変換部101から受け取る。まとまり判定部106は、相関判定部105の判定結果と、判定結果に対応する第1周波数帯域と第2周波数帯域とを関連付けた相関結果を記憶している。
また、まとまり判定部106は、相関判定部105が選択された2つの周波数帯域の信号が相関していると判定した場合には、簡易判定として、この2つの周波数帯域は同一の信号による区間内にあると判定してもよい。
このように相関計算前に信号列をノルム化すると、信号の位相情報やフィルタ中心周波数に対する微少な周波数ずれによる周波数オフセットの影響がなくなって、包絡線情報に関する相関を取ることになるため、フィルタ102−1、102−2によって抽出された周波数帯域の間隔が、検出しようとしている信号のシンボルレートに正確に合わなくても、信号の有する周期性に基づく相関が検出可能となる。
次に、より具体的な構成を説明して、それに基づいて本願の動作を詳細に説明する。図2は本発明の実施形態の1つを示す図であり、図1の構成をより具体化した形態である。処理の前半部分がより具体的な構成で示されている。同一の機能には同一の番号を付し、説明は省略する。さらに、図3は図2の信号検出装置の動作の概要を示す図である。
信号検出装置200は、フレーム分割部201、FFT(fast Fourier transformation)部202、まとまり・エッジ検出部203、セレクタ204−1、204−2、ノルム化部103−1、103−2、相関計算部104、相関判定部105、まとまり判定部106を含む。フレーム分割部201、FFT部202、まとまり・エッジ検出部203、セレクタ204−1、204−2は、図1の周波数領域変換部101およびフィルタ102−1、102−2に対応する。
フレーム分割部201は、入力信号を受け取り、FFTフレームに分割し、適切な窓関数を乗算する。
FFT部202は、各FFTフレームのサンプル列を周波数領域に変換し、FFT結果の各周波数ビン(f1〜fn)について、FFTフレームに対応して時系列の変換結果を出力する。
なお、図3では、FFTフレーム長とFFTフレーム間隔が等しいように描いてあるが、図4のようにFFTフレーム間隔をFFTフレーム長よりも短くしたオーバーラップFFTを行ってもよい。図3に示したような山型の窓関数を用いる場合、窓の端(窓関数の中心値から離れた周波数)では信号が削られるため、オーバーラップを施すことによって、それを補うことができる。また、オーバーラップFFTを行うと、雑音の平均化効果が高まるため、スペクトル形状検出や、相関判定の時に、より閾値を下げた検出が可能となる。
まとまり・エッジ検出部203は、FFT部202によってFFTされた各周波数ビンの信号列を受け取り、FFT結果の各周波数ビンのパワーを計算し、スペクトル形状を算出して、1つの信号によって形成されていると思われる周波数区間を推定する。なお、周波数区間や選択された周波数帯域の情報がまとまり判定の際に必要であるため、まとまり・エッジ検出部203は、まとまり判定部106に周波数区間や、セレクタに選択を指示した周波数帯域の情報を通知する。
信号検出装置200では、信号の周波数区間の判定を行うために用いる信号の期間が予め定められている。信号検出装置200は、その期間に渡って、時系列にフレーム分割、FFTを行い、その期間で得られたFFT結果の各ビンの出力信号列について相関値を計算していく。
まとまり・エッジ検出部203は、その期間全体または期間の一部に渡っての各ビンのFFT結果のパワーを時間方向に平均化してスペクトル形状を算出する。よりなめらかなスペクトルを得るためには期間は長い方がよいが、演算量および演算期間が増大する。スペクトル形状計算に用いる信号の期間は設計上の制約によって決定すればよいが、平均化するFFTフレーム数が1つ2つなどあまり少ないと、適切なスペクトルが得られないので、少なくとも10を超えるようなFFTフレームに渡って平均化するとよい。
まとまり・エッジ検出部203について図5を参照して説明する。図5(a)は、ルートロールオフフィルタで整形されたQPSK信号にAWGNを付加して生成した入力信号に対し、まとまり・エッジ検出部203が、上記のような操作を加えて得たスペクトルの一例である。なお、以下の数値例では、信号をFFTする際、隣接するFFTフレームどうしがFFTフレーム長に対して3/4オーバーラップしたオーバーラップFFTを行っている。
中心近傍にQPSK信号によるピークがみられ、周辺は雑音によるフロアになっている。まとまり・エッジ検出部203は、このようにして得られたスペクトル形状から、まず、雑音のみの部分と雑音以外の信号が存在すると推測される部分を分離する。信号検出装置200に入力される信号の雑音レベルは、例えば、出荷時の測定などによって既知であり、まとまり・エッジ検出部203は、その情報を有しており、雑音のみの部分は雑音レベルに対して一定の閾値を加算したパワー以下であるかどうかで識別する。そして、1つの信号によると思われる周波数区間を推定する。まず、雑音でないと判断された周波数ビンのうち、隣接するいずれかの周波数ビンが雑音であると判断された周波数ビン(図5(a)における「閾値を超えた端のビン」のいずれか一方)を選択する。そして、次に、雑音であると判断される周波数ビンの1つ前のビン(同「閾値を超えた端のビン」の他方)までの範囲を、暫定的に選択する。次に、この範囲内でピークと極大値の検出を行う。ピーク、極大値が1つのみである場合には、この範囲は一つの周波数区間であると推定する。ピーク、極大値が複数ある場合で、各ピークまたは極大値の間にある極小値が隣接するピークや極大値に対して、それぞれ一定の値、例えば10dBなど低い値を取っている場合は、そこは信号の切れ目であると判断して、その前後で区間を分離する。図5(a)の例ではピークが一つのみであるので、この範囲は1つの周波数区間とする。このようにして、まとまり・エッジ検出部203は1つの信号によると思われる周波数区間を推定する。また、多くの場合、入力信号のスペクトルには、雑音のみと判断される区間で区切られたまとまりが複数存在するが、まとまり・エッジ検出部203はそれらの全てについて同様の操作を繰り返す。
なお、周波数区間の推定手法は、上述の手法のみではない。例えば、パワースペクトラムの算出は、遅延をスキャンした自己相関から計算することもできる。また例えば、「W. Akmouche他、”OFDM spectral characterization: estimation of the bandwidth and the number of sub-carriers” (Tenth IEEE Workshop on Statistical Signal and Array Processing, 2000、p48)」に示されているようなウェーブレットを用いた周波数区間推定・エッジ検出手法などもあり、他の手法で代用可能である。
次に、まとまり・エッジ検出部203は、得られた周波数区間の内、フレーム分割部201で掛けた窓関数によって決定されるスペクトル広がり幅よりも大きい幅を有する周波数区間を、相関計算の対象として選択する。信号が線スペクトルであったとしても、窓関数の形状とFFTフレームに対する長さによっては、信号が本当に存在するビンのみでなく、隣接するいくつかのビンに漏れる。相関計算による区間の判定は、複数のビンにまたがるような広帯域信号を対象としているため、窓関数によって広がっただけの狭帯域信号に適用しても意味がない。したがって、まとまり・エッジ検出部203は、窓関数で定義されるスペクトル広がりに相当するビンの数よりも多いビンからなる周波数区間を選択する。殆どの場合、このような区間が入力信号スペクトル内に複数存在するため、以下、選択したそれぞれの周波数区間について、同様に同一信号からなるかの判定を行っていく。
まとまり・エッジ検出部203によって選択されたある周波数区間に含まれる信号が1種類の信号のみからなるかどうかは、以下のように処理して判定していく。
まとまり・エッジ検出部203は、セレクタ204−1に対してまず、その周波数区間の高周波側または低周波側のいずれかの端のビンの信号列の選択を指示する。セレクタ204−1、204−2は事実上、図1におけるフィルタ102−1、102−2の役割を果たす。ただし、フィルタの伝達関数は窓関数形状やFFTフレームの間隔で決定される。
次に、まとまり・エッジ検出部203はセレクタ204−2に対して、その周波数区間に含まれるビンと、場合によってはその周辺のいくつかのビンとの内、いずれかを選択するように指示する。このとき、セレクタ204−1に選択するよう指示したビンは除外してもよい。セレクタ204−1、204−2で選択されたビンの信号列は、それぞれノルム化部103−1、103−2で複素数からノルム、すなわち大きさに変換される。ノルムの定義、種類は上述した通りである。なお、FFT部202は内部に図示しないメモリがあり、区間判定を行うための信号の期間に渡るFFT結果が記憶されており、まとまり・エッジ検出部203の指示にしたがって、必要なビンをノルム化部103−1、103−2に渡す。
ノルム化された信号列は、相関計算部104に渡され、相関が計算される。相関計算の詳細は図1の場合と同様である。相関計算の際の積分範囲は区間判定を行うための信号の期間であり、平均値は、その期間に渡って相関計算に先立って計算される。まとまり・エッジ検出部203は、セレクタ204−2に周波数区間内の各ビンを次々と選択させ、これらとセレクタ204−1で選択したビンとの相関が相関計算部104によって次々と計算される。
図5(b)は、図5(a)の信号を従来手法で検出した場合の相関値の一例であり、図6は本実施形態の方式で検出した相関値の一例である。従来例相当の相関値は、相関計算の前にノルム化せずに複素数の状態で計算した。横軸は周波数ビン番号であり、縦軸は相関値の絶対値である。従来手法では相関値が複素数となるため、絶対値を取って表示した。セレクタ204−1がビン番号25のビンを選択し、セレクタ204−2は全部のビンをスイープさせて、それぞれ相関を計算した結果である。したがって、ビン番号25の所には、自分自身との相関(=1)が見えている。なお、図を見やすくするためセレクタ204−2は全部のビンをスイープさせたが、実際には、周波数区間に含まれるビンのみか、場合によってはその周辺のビンを加えたもののみでよい。破線は、QPSK信号のシンボルレートがFFTビン間隔に対して正しく整数倍になっている場合であり、ルートロールオフフィルタによって発生した信号の周期性によるピークがビン番号33近傍に見えている。実線は、QPSK信号のシンボルレートがFFTビン間隔の整数倍から1%ずれた場合であり、1%ずれただけで、周期性のピークが全く検出されなくなっている。
一方、図6は本実施形態の手法に対応し、各ビンの信号列を振幅に変換してから相関計算を行った結果である。相関計算の前段階で絶対値が取られているため、相関はかならず実数になる。そこで、相関計算結果は絶対値を取らずそのまま表示した。したがって、負の相関が見えることもある。破線と実線の条件は図5(b)と同様であり、1%ずれても相関が問題なく取れていることが分かる。これは、相関計算前に振幅に変換したため、1ビン内部の位相情報が除去され、ビン内部での微少な周波数や位相のずれに関係なく、包絡線形状の類似性によって相関が取れるようになったためである。
図6では、基準となるビン25の前後でもビン25との相関が有意な値を持っている。前述のように、窓関数形状とFFTフレーム間隔によっては、信号が隣接するビンに漏れ込むことがあるが、図6を計算するに当たって利用した窓関数、FFTフレーム間隔は最大2つ隣まで有意な大きさで漏れ込むようなものであった。隣接するビンに漏れ込んだビン25の成分は、複素数の状態では周波数や位相が異なるため相関が取れないが、ノルム化することによって包絡線の類似性のみが検出されるようになった結果、相関が取れてしまい、前後のビンでも相関が有意な大きさで現れている。
また、図6では、周波数区間に含まれ、かつ、正の相関が取れている以外の周波数で負の相関が現れていることが分かる。これは、図6の計算に利用した信号が定振幅性のQPSK信号であったため、ある周波数と強い正の相関が取れている状態では、他の周波数では負の相関が現れて、合計するとほぼ定振幅になるような現象が発生しているためである。
次に、このようにして得られた相関値を、相関判定部105で閾値に対して判定する。閾値は、雑音のみの周波数が相関有りと判定されないような値に予め決定しておく。負の相関も有意な相関であるため、閾値は正負の値でそれぞれ設定するか、判定を行う前に相関値の絶対値を取って、正の閾値に対して判定を行う。相関値が負の値であることが意味を持つ場合や、正の相関値と負の相関値との間の変化を検出したい場合もあるので、詳細な検出を行いたい場合には、正負の閾値を設定する方が望ましい。一方、簡単さを重視するなら絶対値化してから正の閾値に対して判定を行うとよい。負の閾値を設定した場合は、負の相関値の絶対値が大きくなる、すなわち、負の値が小さくなる方が相関が高くなるため、負の閾値をマイナス側に超えた場合が相関がある、または相関が高い、と判断する。
閾値を超えたビンは、セレクタ204−1で選択されたビンに対して相関を有していると判定できる。図6の様な例では、周波数区間内はほぼどのビンもビン25と有意な相関を有していると判定できるため、まとまり判定部106はそれによって、周波数区間内は1つの信号によると判定できる。
QPSK信号のような定振幅性の信号ではセレクタ204−2で選択する周波数ビンを振ると、正の相関から負の相関、負の相関から正の相関に変化する途中のビンでは相関が0に近い値になることがある。このような場合、途中に0に近い値があっても、それが直線状に正の相関から負の相関、または、負の相関から正の相関に変化しているならば、(相関絶対値で判定する場合は、スパイク状に1つか2つのビンだけ相関が下がっているならば)、それらは無視して、相関が取れている最大の範囲を1つの信号からなると判断できる。
このようにして、相関を取る前にノルム化することによって、従来のサイクロステーショナリの欠点である信号の周期性に関するかなり正確な情報が予め既知でなければならないという問題が解決でき、一つの信号の周波数範囲の検出が容易になる。
またこの手法によれば、ドップラシフトやフェージングで信号のシンボルレートや位相が微妙にずれていたり、送信機の発振器と信号検出装置のクロックのずれがあったりして、サイクロステーショナリな性質が検波できないといった、位相ずれに関する問題が全て解決されており、小さい回路規模で高い感度の検出が可能となっている。
上述の例では、セレクタ204−1で選択するビンを周波数区間の端の1つのビンのみとしたが、これをスイープすることによって、周波数区間が1つの信号からなるかをより正しく判定できる。
例えば、図5(a)の信号ならば、セレクタ204−1で選択するビンを、ビン25の次に、ビン26,27と変化させて、それぞれについて、周波数区間内の各ビンと同様に相関を計算していく。図示しないが、QPSKやQAMをフィルタで整形したような信号では、相関値は図6の2つのピークが間隔を保ったままに右に移動していき、高周波側に出ている信号の周期性によるピークは周波数区間の高周波側の端に近づくにしたがって、小さくなっていく。他のシングルキャリア型デジタル変調では、若干相関出現の特徴が違うものの、区間が1信号のみからなるならば、区間内の広範囲なビンで相関が取れ、かつ、相関が取れる範囲や幅が周波数区間内に限定され、区間の端で小さくなっていくといった特徴は共通する。このように、セレクタ204−1の選択したビンを振っても、相関が取れる範囲が周波数区間とほぼ一致しているような場合は、その区間全体が1つの信号からなると判断できる。OFDMのようなマルチキャリア信号は特殊な相関の出方をするため後述する。
次に、図7に示すように2つの信号が周波数的に重なって検出される場合にどのように相関が現れるかを例示する。図7(a)の信号Aはプライマリ信号、信号Bはセカンダリ信号であって、信号Aによって利用されていない周波数であれば、信号Bがいても、コグニティブ端末は利用できる可能性がある。ところが、コグニティブ端末に搭載された信号検出装置でのスペクトル形状検出では図7(b)のように検出されるため、これが2つの信号からできていることを識別する必要がある。
図8(a)は、2つの独立なQPSK信号、信号A、信号Bを計算機上で発生させ、雑音を付加した後のスペクトル形状であり、まとまり・エッジ検出部203でスペクトル形状を観測する際の操作と同様の操作で得たものである。2つの信号周波数を近づけて、一部周波数が重複した場合のスペクトル形状が図8(b)である。このスペクトル形状のみからでは、このまとまりが1つの信号であるか否かを識別することは難しい。
この状態に対して、本実施形態の相関計算を行った例が図9である。実線はビン29と他のビンの振幅の相関、破線はビン46と他のビンの振幅の相関を取った結果である。実線は信号Aのいる範囲でのみ相関が有意な値を持ち、破線は信号Bのいる範囲でのみ相関が有意な値を持っている。図9は、セレクタ204−1で選択するビンが29と46の2つの場合であるが、セレクタ204−1で選択するビンをスイープしてみると、信号Aがパワー的に優位なビンに対して相関が取れる範囲と、信号Bがパワー的に優位なビンに対して相関が取れる範囲と、が明らかに異なっている。なお、両者が同じようなパワーで存在する領域では、周波数区間内の他のビンとはいずれも相関が低くなる。したがって、セレクタ204−1で選択するビンをスイープすることによって、1つの信号からなる範囲を決定することができる。
図8、図9の例では、セレクタ204−1の選択するビン番号を28から高周波側に上げていったとき、ビン番号33,34を境にして、相関が取れる範囲が、28〜34程度の範囲から、34〜48の範囲に変化する。このような相関が取れる範囲を識別した結果、選択した周波数区間が1つの信号からなるか否かが識別できる。図9の例では、2つの信号からなっていると推測でき、その範囲もおおよそ知ることができる。
信号Aと信号Bの周波数が完全に重なっているような場合では、帯域幅の小さい信号Aの方が帯域幅の大きい信号Bよりもある程度強いパワーを持っていれば、周波数区間が2つの信号からなっていることが識別できる。セレクタ204−1で選択する周波数ビンを周波数区間の端からスイープすると、信号Aを含む領域に入ったとき、相関が強く取れる範囲が、信号Aが存在する範囲内のみに変化する。信号Bの情報も含んでいるため、信号Bのみが存在する周波数ビンとも若干の相関は取れるが、弱い。したがって、このような検出を行う場合では、相関の有無を判定するための閾値を2種類用意するとよい。雑音と区別するための閾値のみでなく、強い相関と弱い相関を区別するもう一つの閾値を設ける。セレクタ204−1によって選択されたビンがある周波数範囲に入った時だけ、強い相関が取れる範囲が急に狭まるような場合は、2つの信号が重なっていると判定できる。
なお、セレクタ204−1が、信号Aが存在しないビンを選択している場合、信号Aが存在する周波数ビンの相関値は、信号Aが存在しないビンと比較して弱まる。しかし、特定のビンに対する相関は必ずしも全てのビンで大きな値では検出されないため、それがたまたま弱いのか、他信号がいるために弱いのかの判定は、セレクタ204−1で選択するビンをスイープした結果を用いて判定しないと難しい。セレクタ204−1がある範囲(信号Aが存在する範囲)を除くどの周波数ビンを選んでいても、その範囲のみ常に相関が大きくならないといった判断基準で判断することができる。
また、このような判断の繰り返しにより、非常に広帯域な信号の中に、周波数の異なる複数の他の信号が重なっている場合も、それぞれの区間を判定できる。
なお、ASK信号のように帯域の中央に強い線スペクトルを有する場合には、線スペクトルを含むビンだけ、他のビンとの相関が小さくなる。したがって、ASKは本実施形態の方式単独では、2つの信号が重なっているのか、ASKなのかを識別することは難しい。周波数区間の中央に線スペクトルや他の信号がいて、それがその周波数区間の他のビンより高いパワーを有している場合、まとまり・エッジ検出部203で検出されたスペクトル形状でも、中央のみが盛り上がった形状となる。その幅を検出することによって、それが情報による広がりを有するものか否かはある程度判別できるので、そのような手法を併用するとよい。幅が実効的に(窓関数による広がりの影響を取り除いた場合に)1ビンの幅を超えるものである場合は2つの信号が重なっていると判断できる。1ビンの幅を超えない場合、ASKと2つの信号が重なっている状態を本実施形態の方式のみで区別することは難しく、他の手法、例えば、中央部分のビンの自己相関からスペクトルの幅を識別する、などの手法を併用するとよい。
信号がOFDMである場合は、サブキャリアが存在する周波数の範囲では殆ど相関が現れない。しかし、サブキャリアの外部の周波数に漏れ出したスプリアスの範囲では相関が取れる。したがって、周波数区間の端のビンをセレクタ204−1で選択すると、周波数区間内にOFDM信号しか存在しない場合、周波数区間の高周波側の端の一定区間と、低周波側の一定区間の端のビンとだけ相関が有意な値を示す。そこで両側の相関を示す範囲で囲むことによって、その区間が1つの信号によると判断できる。
しかし、これだけではサブキャリアが存在する周波数に他の幅の狭い信号が重なっていても区別はできない。セレクタ204−1で選択するビンをスイープすると、重なっている信号が存在する範囲に入ってきたときに、その信号の範囲のみで急に相関が現れるようになる。このような特徴と、まとまり・エッジ検出部203で検出したスペクトル形状から、その周波数区間が1つの信号によるか、他の信号が重なっているかを識別できる。図8の説明で述べた場合と同様に、幅の狭い信号の方がパワーが弱い場合には識別は難しい。
なお、OFDMのように信号の一部の周波数が他と相関を全く示さないような信号でも、送信時のパワーアンプなどで歪を受けた場合には、全体的に弱い相関を示すことがある。QPSKやQAMのようなはっきりした周期性を示す信号の場合でも、通常は弱い負の相関しか示さない周波数の相関もより強くなり、その結果、信号の範囲は検出しやすくなる。
窓関数には種々の種類があるが、本発明の実施形態のように、信号に関する情報が少ない状態でスペクトルを検出する場合は、窓関数の伝達関数の広がりがあまり大きくないものを選択するとよい。窓関数の伝達関数は、中央部の広がりと裾野のフロアからなり、一般に、中央部の広がりが狭い窓は裾野のフロアが高い。そこで、信号検出装置を含む系のダイナミックレンジから許容できるフロアの高さを決定し、そのフロアの高さで定義できる中央の広がりが最も狭い窓関数を選択するとよい。60dB程度のダイナミックレンジであるならば、例えば、ブラックマン窓やナトール窓を利用するとよい。
なお、これまでは、窓関数の長さがFFTフレーム長と一致している場合を述べてきたが、窓関数の長さをFFTフレーム長より長くして、隣接ビンへのスペクトルの漏れ込みを防ぐことも可能である。例えば、「H.S.Malvar著”Signal Processing With Lapped Transforms”(Artech House)、Section 3.2.4」に示されるような手法を利用する。このような手法によれば、隣接ビンへの漏れ込みがなくなるか小さくなるので、相関のピークの幅が狭くなり、より高い精度で区間の判定ができる。ただし、窓関数が長くなると、応答速度が遅くなり、また、回路規模が増大する。
次に、図2の変形例の信号検出装置1000を図10に示す。以下に図2と異なる部分のみを説明する。図2では、まとまり・エッジ検出部203で、FFT出力信号をパワーに変換してパワースペクトラムを生成し、その形状からひとまとまりの周波数区間を検出して、検出した周波数区間に基づいて選択すべきビンをセレクタに指示していた。そしてセレクタ通過後の信号が改めてノルムに変換されていた。
図10の信号検出装置では、FFT出力の全てのビンがノルム化部1001によってノルム化される。その出力はまとまり・エッジ検出部1002に入力する。ノルム化部1001は複素数を振幅に変換してもよいが、振幅は通常一旦パワーを計算してから改めて求めるため、処理軽減のため、はじめからパワーに変換するのが望ましい。パワーに変換された各ビンの信号がまとまり・エッジ検出部1002に入力するので、まとまり・エッジ検出部1002は、それを時間方向に平均化する処理から行えばよくなる。
図2の場合と同様に、まとまり・エッジ検出部1002はセレクタ204−1、204−2に選択すべき周波数ビンを指示する。この段階でセレクタが選択した信号列はすでにパワーに変換されているため、そのまま相関計算部104に入力できる。これまでの説明は振幅での相関であったが、これがパワーになっても、相関の出方には殆ど差はない。したがって、これ以降は、これまで説明したものと同様の処理で行える。このような形態ではノルム計算の重複がないため、信号処理量や回路規模が小さくできる。
図11に図10の信号検出装置が行う処理に対応したフローチャートを示す。
フレーム分割部201が、フレームを定義し入力信号を分割する(ステップS1101)。分割された入力信号ごとに窓関数を入力信号に乗算する(ステップS1102)。FFT部202が、窓関数が乗算された信号をFFTする(ステップS1103)。ノルム化部1001が周波数領域に変換された信号をパワーに変換する(ステップS1104)。まとまり・エッジ検出部1002が1つの信号からなるかどうかを推定する周波数区間[f,fi+m]を設定する(ステップS1105)。f,fi+m等はビン番号である。まとまり・エッジ検出部1002が指示し、セレクタ204−1が第1の周波数ビンとしてb1=fを選択し(ステップS1106)、セレクタ204−2が第2の周波数ビンとしてb2=fを選択する(ステップS1107)。
相関計算部104が、周波数ビンb1のパワー列と周波数ビンb2のパワー列との相関値を計算する(ステップS1108)。セレクタ204−2が第2の周波数ビンを隣のビンにずらすためにb2に1を加算する(ステップS1109)。b2がfi+mよりも大きいかどうかを判定し(ステップS1110)、大きい場合にはステップS1111に進み、大きくない場合にはステップS1108に戻り、周波数ビンb1のパワー列と先の第2の周波数ビンの隣のビンのパワー列との相関値を計算する。
相関判定部105が、ステップS1108で得られた相関値を閾値と比較し、閾値を超える第2の周波数ビンを判定する(ステップS1111)。まとまり判定部106が、ステップS1111で閾値を超えると判定された第2の周波数ビンの分布を得る(ステップS1112)。セレクタ204−1が第1の周波数ビンを隣のビンにずらすためにb1に1を加算し、b2=fを選択する(ステップS1113)。b1がfi+mよりも大きいかどうかを判定し(ステップS1114)、大きい場合にはステップS1115に進み、大きくない場合にはステップS1108に戻り、先の第1の周波数ビンの隣のビンのパワー列と周波数ビンb2のパワー列との相関値を計算する。
まとまり判定部106が、以下の3つ条件を全て満足する部分区間があるかどうかを判定する(ステップS1115)。第1の条件は、あるビンb1のパワー列と相関があると判定されたパワー列が存在する相関出現範囲、または、あるビンb1のパワー列と相関値が閾値以上であると判定されたパワー列が存在する強い相関出現範囲がビンb1を含む周波数区間内の(全部ではない)一部分である部分区間に限定されていることである。第2の条件は、この部分区間内の他のビンをb1としたときに、このb1でも第1の条件での部分区間とある誤差の範囲内で同じ部分区間(おおよそ同じ部分区間)に相関の出現が限定されるか、もしくはこのビンb1のパワー列とこの部分区間以外のビンでのパワー列との相関値が閾値よりも小さい(相関が弱い)ことである。第3の条件は、周波数区間内で、かつ、この部分区間外にb1を設定したときに、ビンb1のパワー列とこの部分区間内のビンでのパワー列との相関値が閾値よりも小さいことである。
ステップS1115で3つの条件を全て満足する部分区間がある場合にはステップS1116に進み、3つの条件のうち、ない場合にはステップS1117に進む。まとまり判定部106は、周波数区間は複数の信号からなり、検出した部分区間に周波数区間よりも帯域幅の狭い信号が存在すると判定する(ステップS1116)。まとまり判定部106は、周波数区間は1つの信号からなると判定する(ステップS1117)。
図11では、セレクタ204−1で選択する周波数ビンもスイープしている。もちろん、そのシステムが要求する精度によっては、上述したように、セレクタ204−1で選択する周波数ビンを周波数区間の端のみに限定するような簡便な手法で、その周波数区間は1つの信号からなると判断してもかまわない。
次に、上述したような信号検出装置を内蔵するホワイトスペース型コグニティブ端末について図12を参照して説明する。
無線通信装置1200は、信号を受信し周囲の電波環境を認識し、利用可能な周波数を検出して利用するタイプのコグニティブ無線端末である。実施形態による機能は、利用可能な周波数を検出する過程で用いられる。その機能に関係する部分のみを抜き出して図示している。無線通信装置1200は、受信アンテナ1201、無線受信部1202、キャリアセンス部1205、周波数選択部1208、無線送信部1209、送信アンテナ1210を含む。また、無線受信部1202は、無線信号変換部1203、復調部1204を含み、キャリアセンス部1205は、信号検出装置100,200,1000、利用状況識別部1206、変調解析部1207を含む。
無線受信部1202は、受信アンテナ1201で受信した電波を受け取り、受信信号処理を行う。詳細には以下の通りである。無線信号変換部1203が、受信信号を受け取り、所望の帯域を無線周波数(RF)の信号からベースバンドデジタル信号に変換する。自端末通信の受信を行う時には、復調部1204が、ベースバンドデジタル信号に変換された受信波を受け取り、必要なチャンネルを選択して復調し、復調したデータをデータ出力1251から出力する。
キャリアセンス部1205は、自端末の送信のためのキャリアセンスを行う時に動作する。キャリアセンス部1205は、ベースバンドデジタル信号に変換された信号を受け取り、この信号を信号検出装置100,200,1000と利用状況識別部1206と変調解析部1207とに入力する。信号検出装置100,200,1000は上述したように、入力された信号のスペクトルを検出し、信号があると思われる周波数区間を全て検出して、それらが各々1つの信号からなるかどうかを判断し、場合によっては、複数の信号からなる区間については、区間内の同一信号による範囲を判定する。
図12の無線通信装置では、信号が存在する周波数を識別する処理の基本的な部分は信号検出装置100,200,1000で行われている。しかし、例えば、パワースペクトラムからは信号が存在しないように見える周波数にも狭帯域信号が存在することがあるので、信号検出装置100,200,1000で行う以外の信号検出処理も必要である。そのような信号検出処理を利用状況識別部1206が行う。これらの結果を受け、必要に応じて、変調解析部1207は、信号有りと判定され、かつ、そこに含まれる信号の素性が不明であると判断された区間の信号について変調解析を行う。
変調解析部1207は、信号検出装置100,200,1000の検出によって、同一の信号からなると判断された区間について、それがどのようなパラメータで変調されているかを解析する。解析の結果は、無線通信装置1200が予め備えているプライマリシステムの変調仕様に関するパラメータリスト、あるいは、セカンダリシステムや電磁雑音に関するパラメータリストと照らし合わせて、その区間の信号の変調方式を識別する。その結果に基づいて、周波数選択部1208は、プライマリである可能性が高い周波数区間や、セカンダリや電磁雑音であると判定しきれない周波数区間を、利用不可と判定する。
また、セカンダリや電磁雑音であると判断されても、干渉レベルが高く、利用できない場合がある。その区間が、無線通信装置1200の利用に差し支えないと判断するためには、無線通信装置1200の送信先の端末からの情報が必要である場合もあるが、その情報交換手段は図示していない。送信先の端末からの情報をもらう前に素性が不明な信号については、全て素性を確かめるという順序でかまわない。
周波数選択部1208は、信号検出装置100,200,1000、利用状況識別部1206、変調解析部1207の出力を全て受け取り、受信した帯域の中で、利用可能な周波数帯を選択する。あるいは、現在利用中の周波数帯が、引き続き利用可能であるかどうかを判断する。このとき場合によっては、無線通信装置1200外のデータベースや、無線通信装置1200の通信相手からの情報も利用される。これらの情報に基づいて周波数選択部1208は無線送信部1209に、次の送信に利用する周波数や、送信を停止する周波数を指示する。
無線送信部1209は、データ入力1252から送信すべきデータを入力していて、周波数選択部1208の指示にしたがって、これを変調波にマッピングして、無線信号の形態に変換し、送信アンテナ1210がこの変換された信号を空中に放射する。
図12の無線通信装置1200によれば、複数の信号が重なって受信されても、それが複数の信号からなっていることや、各々の周波数区間を判別できる。ホワイトスペース型コグニティブ端末のキャリアセンス時に、複数の受信信号の周波数が重なっているが故に本来の信号の特徴を失って、検出された信号の素性が判定できないということが減り、より利用できる周波数が増加し、スループットが向上する。
次に、上述した信号検出装置を搭載した無線受信装置1300について図13を参照して説明する。無線受信装置1300は、広帯域な受信信号から、任意の信号を選び出して復調する機能を有する。
無線受信装置1300は、受信アンテナ1201、無線信号変換部1203、信号選択部1301、バンドセレクタ1304、復調部1305を含む。信号選択部1301は、信号検出装置100,200,1000、利用状況検出部1302、変調解析部1303を含む。
信号選択部1301は、無線信号変換部1203で得られたベースバンドデジタル信号を受け取り、信号検出装置100,200,1000と利用状況検出部1302と変調解析部1303とに入力する。信号検出装置100,200,1000では上述したような処理を行う。利用状況検出部1302は、図12と同様に、信号検出装置100,200,1000で行う以外の信号検出処理を行い、さらに、他のブロックからの情報を収集し、選択すべき周波数帯域の判断を行う。利用状況検出部1302は、例えば、利用状況により利用がある周波数帯域を選択する。
変調解析部1303は、無線信号変換部1203で得られたベースバンドデジタル信号を入力し、信号検出装置100,200,1000の結果などに基づいて、利用状況検出部1302の指示により、必要に応じて、検出された周波数区間の信号の素性を解析する。
利用状況検出部1302は、信号検出装置100,200,1000の検出結果や変調解析部1303の結果を入力し、自身での解析結果と併せて、バンドセレクタ1304に選択すべき周波数区間を指示する。
バンドセレクタ1304は、ベースバンドデジタル信号を入力し、利用状況検出部1302の指示にしたがって必要な周波数区間の信号をフィルタする。フィルタされた信号は復調部1305に送る。復調部1305は、利用状況検出部1302から、その周波数区間の信号の変調方式など、復調に必要な情報が通知され、それに対応してフィルタされてきた信号を復調し、復調結果を復調部1305から出力する。
図13の無線受信装置1300によれば、複数の信号が周波数的に重なった状態でも、任意の信号を復調することができる。
以上に示した実施形態によれば、このように相関計算前に信号列をノルム化すると、信号の位相情報やフィルタ中心周波数に対する微少な周波数ずれによる周波数オフセットの影響がなくなって、包絡線情報に関する相関を取ることになるため、2つのフィルタによって抽出された周波数帯域の間隔が、検出しようとしている信号のシンボルレートに正確に合わなくても、信号の有する周期性に基づく相関が検出可能となり、入力信号の一部の周波数帯域と他の周波数帯域の相関の有無を容易に判定することができる。
また、相関を取る前にノルム化することによって、従来のサイクロステーショナリの欠点である信号の周期性に関するかなり正確な情報が予め既知でなければならないという問題が解決でき、一つの信号の周波数範囲の検出が容易になる。
さらに、ドップラシフトやフェージングで信号のシンボルレートや位相が微妙にずれていたり、送信機の発振器と信号検出装置のクロックのずれがあったりして、サイクロステーショナリな性質が検波できないといった、位相ずれに関する問題が全て解決されており、小さい回路規模で高い感度の検出が可能となる。
またさらに、複数の信号が重なって受信されても、それが複数の信号からなっていること、各々の周波数区間を判別できる。ホワイトスペース型コグニティブ端末のキャリアセンス時に、複数の受信信号の周波数が重なっていることが原因で本来の信号の特徴を失って、検出された信号の素性が判定できないということが減り、より利用できる周波数が増加し、スループットを向上させることができる。
さらにまた、無線受信装置に利用することにより、複数の信号が周波数的に重なった状態でも、任意の信号を復調することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の代表的な実施形態の信号検出装置のブロック図。 図1のより具体的な実施形態の信号検出装置のブロック図。 図2の信号検出装置の動作を説明するための図。 オーバーラップFFTを説明するための図である。 (a)は図2のまとまり・エッジ検出部について説明するための図であり、(b)は比較するための従来手法によって計算した相関値の一例を示す図。 図5(a)の信号を実施形態の信号検出装置によって計算した相関値の一例を示す図。 (a)は実施形態の信号検出装置が入力する入力信号の一例を示す図であり、(b)は単なるスペクトル形状検出結果を示す図。 (a)は計算機上で発生させた信号A、信号Bに雑音を付加した後のスペクトル形状を示す図であり、(b)はこれらの信号の一部の周波数が重複した場合のスペクトル形状を示す図。 本実施形態の信号検出装置が計算した図8(b)の場合での相関値の一例を示す図。 図2の変形例である信号検出装置のブロック図。 図10の信号検出装置のフローチャートを示す図。 実施形態の信号検出装置を含むホワイトスペース型コグニティブ端末のブロック図。 実施形態の信号検出装置を含む無線受信装置のブロック図。
符号の説明
100,200,1000・・・信号検出装置、101・・・周波数領域変換部、102−1,102−2・・・フィルタ、103−1,103−2、1001・・・ノルム化部、104・・・相関計算部、105・・・相関判定部、106・・・まとまり判定部、201・・・フレーム分割部、202・・・FFT部、203、1002・・・まとまり・エッジ検出部、204−1,204−2・・・セレクタ、1200・・・無線通信装置、1201・・・受信アンテナ、1202・・・無線受信部、1203・・・無線信号変換部、1204、1305・・・復調部、1205・・・キャリアセンス部、1206・・・利用状況識別部、1207、1303・・・変調解析部、1208・・・周波数選択部、1209・・・無線送信部、1210・・・送信アンテナ、1251・・・データ出力、1252・・・データ入力、1300・・・無線受信装置、1301・・・信号選択部、1302・・・利用状況検出部、1304・・・バンドセレクタ。

Claims (16)

  1. 入力信号のスペクトルを測定し、該スペクトル内の第1周波数帯域と第2周波数帯域を選択する周波数帯域変換部と、
    前記入力信号から前記第1周波数帯域の信号を抽出して第1選択サンプル列を取得する第1フィルタ部と、
    前記入力信号から前記第2周波数帯域の信号を抽出して第2選択サンプル列を取得する第2フィルタ部と、
    前記第1選択サンプル列および前記第2選択サンプル列の値をそれぞれ複素数から大きさに変換して第1ノルムサンプル列および第2ノルムサンプル列を取得するノルム化部と、
    前記第1ノルムサンプル列と前記第2ノルムサンプル列との相関値を計算する相関計算部と、
    前記相関値が閾値を相関が高い方に超えている場合には前記第1周波数帯域の信号と前記第2周波数帯域の信号とが相関していると判定する相関判定部と、
    前記相関判定部の判定結果と、該判定結果に対応する第1周波数帯域と第2周波数帯域とを関連付けた相関結果を記憶する記憶手段と、
    前記相関結果に基づいて前記入力信号の内の同一の信号による区間を判定する信号区間判定部と、を具備することを特徴とする信号検出装置。
  2. 前記信号区間判定部は、前記相関結果が前記第1周波数帯域の第1信号と前記第2周波数帯域の第2信号とが相関していることを示している場合には、該第1周波数帯域と該第2周波数帯域は同一の信号による区間内にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
  3. 前記周波数領域変換部は、前記入力信号からスペクトル形状を計算し、周波数軸上で連続して信号が存在すると推定される周波数区間を検出し、相関計算の対象となる範囲を指示する区間推定部を含み、
    前記周波数領域変換部は、前記周波数区間内から前記第1周波数帯域および前記第2周波数帯域を選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号検出装置。
  4. 前記周波数領域変換部は、前記入力信号を、所定の間隔で開始する所定サンプル数と所定形状の窓関数によって定義されるFFTフレームでFFTし、各FFTフレームの計算結果サンプルを周波数ビンごとに時間的に連続したサンプル列として出力するFFT部を含むことを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  5. 前記所定の間隔は前記FFTフレームのフレーム長よりも短いことを特徴とする請求項4に記載の信号検出装置。
  6. 前記区間推定部は前記FFT部の出力からスペクトル形状を計算することを特徴とする請求項4に記載の信号検出装置。
  7. 前記第1フィルタ部および前記第2のフィルタ部は、前記FFT部が出力する出力サンプル列のいずれかのビンをそれぞれ選択することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  8. 前記区間推定部は、前記周波数区間に属する複数の周波数帯域を前記第2周波数帯域として選択し、前記第2フィルタ部に該第2周波数帯域を選択するよう指示し、
    前記ノルム化部、前記相関計算部、前記相関判定部、および前記記憶手段は、第2フィルタ部が選択した複数の周波数帯域のサンプル列について、それぞれ所定の処理を行い、前記信号区間判定部は、前記第1周波数帯域と、前記第2周波数帯域のそれぞれとの相関に基づいて、前記区間推定部が推定した区間が1つの信号によるか否かを判定することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  9. 前記区間推定部は、前記第1のフィルタ部に、前記周波数区間に含まれる複数の周波数帯域を選択するよう指示し、
    前記信号区間判定部は、それぞれの第1の周波数帯域と、それぞれの第2の周波数帯域とについての前記相関判定部の出力に基づいて判定を行うことを特徴とする請求項8に記載の信号検出装置。
  10. 前記信号区間判定部は、
    前記複数の周波数帯域のうちの1つの周波数帯域である第1選択周波数帯域のパワー列と相関値が第1の閾値を相関が高い方に超えると判定されたパワー列が存在する相関出現範囲、または、該第1選択周波数帯域のパワー列と相関値が第1の閾値より絶対値の大きい第2の閾値を相関が高い方に超えると判定されたパワー列が存在する強い相関出現範囲が該第1選択周波数帯域を含む周波数区間内の部分区間に限定されていることを示す第1条件、
    該部分区間内の他のビンを第2選択周波数帯域としたときに、該第2選択周波数帯域でも第1条件での部分区間とある誤差の範囲内で同じ部分区間に相関の出現が限定されるか、もしくは該第2選択周波数帯域のパワー列と該部分区間以外のビンでのパワー列との相関値が閾値を相関が高い方に超えないことを示す第2条件、
    前記周波数区間内で、かつ、該部分区間外に第3選択周波数帯域を設定したときに、該第3選択周波数帯域のパワー列と該部分区間内のビンでのパワー列との相関値が閾値を相関が高い方に超えないことを示す第3条件、
    の全ての条件を満たす部分区間がある場合には、前記周波数区間は複数の信号を含み、検出した部分区間に該周波数区間よりも帯域幅の狭い信号が存在すると判定し、全ての条件を満たす部分区間がない場合には、該周波数区間は1つの信号からなると判定することを特徴とする請求項9に記載の信号検出装置。
  11. 前記区間推定部は、前記周波数区間の低周波側または高周波側の端から、前記周波数区間の幅に対して所定の割合に含まれる周波数帯域を前記第1周波数帯域として前記第1フィルタ部が選択するように指示することを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  12. 前記ノルム化部は複素数を振幅に変換することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  13. 前記ノルム化部は複素数をパワーに変換することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  14. 前記ノルム化部は、前記FFT部の後段に位置して該FFT部が出力する各周波数ビンのサンプル列をそれぞれパワーに変換し、前記区間推定部は、該ノルム化部の出力からスペクトル形状を計算し、前記第1フィルタ部および前記第2フィルタ部は、該ノルム化部からの出力のうちの指定されたビンの出力を選択することを特徴とする請求項4から請求項11のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  15. 所望の周波数帯を含む無線信号を受信する無線受信部と、
    前記無線信号をベースバンドデジタル信号に変換し、前記周波数帯を抽出して出力するデジタル信号変換部と、
    前記デジタル信号変換部の出力を入力信号として、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の信号検出装置を有し、該入力信号の内の同一の信号による区間を判定し、前記周波数帯内をキャリアセンスするキャリアセンス部と、
    前記キャリアセンス部の出力に基づいて、送信周波数を選択する周波数選択部と、
    前記周波数選択部からの指示に基づいて、送信信号を生成する無線送信部と、を具備することを特徴とする無線装置。
  16. 所望の周波数帯を含む無線信号を受信する無線受信部と、
    前記無線信号をベースバンドデジタル信号に変換し、前記周波数帯を抽出して出力するデジタル信号変換部と、
    前記デジタル信号変換部の出力を入力信号として、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の信号検出装置を有し、該入力信号の内の同一の信号による区間を判定し、前記周波数帯内の利用状況を検出し、利用がある受信周波数帯域を選択する信号選択部と、
    前記信号選択部の指示に基づいて、受信周波数帯を選択するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力を復調する復調部と、を具備することを特徴とする無線装置。
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