JP5214307B2 - 信号検出装置、無線通信装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、他システムと周波数を共用する無線システムのための信号検出装置およびこれを内蔵する無線通信装置に関する。
動画、高精細画像の普及によって、無線通信に要求されるトラフィックが飛躍的に増大している。一方で、無線通信は有限な周波数資源を利用するため、その枯渇問題が深刻化している。これを解決する方法の1つとしてコグニティブ無線方式が提案されている。
コグニティブ無線には大別して2方式ある。一つは複数の既存の無線通信インターフェースを有し、それらにトラフィックを振り分けるマルチモード型、もう一つは1つの無線通信インターフェースを有し、周囲の電波利用状況を検出して空き周波数を検出し利用する空き周波数検出型である。空き周波数検出型のコグニティブ無線は将来技術であり、現状では、実用化までに解決すべき課題が多数残されている。
空き周波数検出型のコグニティブ無線では、他システムと周波数を共用する。コグニティブ無線機はほとんどの周波数について送信優先権を持たない。そのため、その周波数に優先権を持つシステム(以下プライマリシステムと呼ぶ)が送信を開始したら通信を停止し、プライマリシステムに対して極力干渉を与えないようにしなければならない。したがって、このタイプのコグニティブ無線機は、プライマリ端末を高い感度で検出する必要がある。コグニティブ無線機が利用する周波数帯が限定されており、その中に存在するプライマリシステムの種類が少なく、その無線仕様が既知である場合(例えば非特許文献1参照)には、プライマリシステムの詳細仕様に基づいて特有の特長を検出する系を準備することによって、高い感度の検出が可能である。
しかし、コグニティブ無線機が利用する帯域幅が広く、内部に含まれるプライマリシステムの種類が膨大な数に及ぶ場合には、この方法を適用することは難しい。プライマリシステムの特徴を利用するにしても、ごく表面的な特徴に限られる。
コグニティブ無線機が利用する帯域内に非常に多数のプライマリシステムが存在する場合には、一次的な検出として、利用する周波数帯の電波を一定の解像度で複数の周波数に分解し、周波数ごとに、他システム信号の有無を、受信パワーによって判定するようなキャリアセンス方法を取らざるを得なくなる。プライマリ信号の帯域幅が周波数帯を分解する解像度よりも大きい場合には、プライマリ信号が適度のSNR(信号対雑音電力比)を持っていれば、適度の受信パワーで受信され、キャリアセンスは成功しやすい。一方、プライマリ信号の帯域幅が解像度よりも著しく小さい場合で、かつ、プライマリ信号のSNRがあまり大きくない場合には問題が生じる。コグニティブ無線機のキャリアセンス解像度の帯域幅内の熱雑音パワーに対して、プライマリ信号パワーが小さく、コグニティブ無線機のキャリアセンス部に対しては十分なSNRを与えないために、プライマリ信号が雑音に埋もれて検出できないといった問題が発生する。
このような状況に対応する技術がある(例えば非特許文献2参照)。周波数ホッピング信号の有無を検出することを目的とし、全ホッピング周波数を含む帯域の受信信号をその帯域幅の逆数に相当する時間のn倍(n=1,2,…,γG、γ<1、G=全帯域幅/(1ホップの帯域幅))の遅延を与えた信号とそれぞれ自己相関をとる。自己相関値は、信号と、遅延を介して複素共役化した信号を乗算し、所定の期間、乗算結果を積分(加算)して得る。それぞれのnに対して得られた積分結果を重み付け平均化し、その結果を閾値判定する。この技術によれば、広帯域な雑音に囲まれた狭帯域信号の有無を検出できる。原理としては、検出帯域幅の逆数以上の遅延の前後で雑音はコヒーレンスをもたないため、十分に長い期間で積分することによって、雑音の平均値は0に近づくが、狭帯域な信号は、1ホップの帯域幅の逆数の時間のγ倍よりも短い遅延の前後ではコヒーレンスを維持しているため、積分によって有意な大きさの値が得られるというものである。この技術を、パワーに基づいた一次検出に続く二次的な検出として利用することによって、上述のような検出解像度の問題はある程度解決できる。
GLOBECOM 2007 WC01-2, Chen他、"Spectrum Sensing Using Cyclostationary Properties and Application to IEEE 802.22 WRAN" Polydoros, et al., IEEE J. Selected Areas in Comm., vol. SAC-3, no.5, Sept. 1985, p.714
非特許文献2の方法では、自己相関値は、受信信号中に含まれる狭帯域信号のパワーが大きければ、自己相関値も大きくなり、小さければ自己相関値も小さくなる。含まれる狭帯域信号のパワーがある程度大きければ、閾値をより大きく上回るので識別が容易になる。しかし、反対に信号パワーが小さいと雑音との区別がつきにくくなる。非特許文献2の方法では、積分期間を十分に長くすることによって雑音による成分を0に近づけることはできるが、完全に0にはならず、雑音のパワーに応じた大きさでばらつく自己相関値が得られる。一般に、無線機の受信系の雑音は、回路状態の変化によって±1dB程度は変化するといわれている。したがって小パワーの狭帯域信号を識別するために、検出閾値を下げた場合、雑音パワー変動によって雑音成分が検出閾値を上回ってしまい、フォールスアラームを発生させる可能性がある。雑音レベルを頻繁な再測定により校正することで回避可能であるが、無線機の動作中の頻繁な校正は容易ではない。
また、別の問題として、オフィス等、多数の電子機器が設置された環境では、PC等が発する電磁雑音によって電波環境が汚染される可能性がある。非特許文献2の方法で感度を増大させた場合、電磁雑音を多数検出してしまい、コグニティブ無線機の送信が頻繁に停止するといった事態を招く。
この発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、精度の高いキャリアセンスを行う信号検出装置、無線通信装置および方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の信号検出装置は、入力信号に一定のサンプル数のフレームを単位として窓関数を掛けたものを時間的に連続してフーリエ変換し、各フレームの計算結果サンプルを周波数ビンごとに時間的に連続した複数のサンプル列として生成するフーリエ変換手段と、前記サンプル列のうち、所望の周波数ビンのサンプル列について、前記窓関数の帯域幅相当以上の遅延を付与してある積分期間で自己相関値を計算し、該所望の周波数ビンの値について該積分期間内でのパワーを合計してエネルギー値を計算し、該自己相関値を該エネルギー値で除算して正規化自己相関値を計算する相関値計算手段と、前記正規化自己相関値の大きさが第1閾値よりも大きいかどうかを判定し、該大きさが該第1閾値よりも大きいと判定された場合に、前記所望の周波数ビンに狭帯域信号が含まれると判定する第1判定手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置は、所望の周波数帯を含む無線信号を受信する受信手段と、前記無線信号をベースバンドデジタル信号に変換し、前記所望の周波数帯を抽出する抽出手段と、前記所望の周波数帯内をキャリアセンスするキャリアセンス手段と、前記キャリアセンス手段の出力に基づいて送信周波数を選択する選択手段と、前記送信周波数で送信信号を送信する送信手段と、を具備し、前記キャリアセンス部は、入力信号に一定のサンプル数のフレームを単位として窓関数を掛けたものを時間的に連続してフーリエ変換し、各フレームの計算結果サンプルを周波数ビンごとに時間的に連続した複数のサンプル列として生成するフーリエ変換手段と、前記サンプル列のうち、所望の周波数ビンのサンプル列について、前記窓関数の帯域幅相当以上の遅延を付与してある積分期間で自己相関値を計算し、該所望の周波数ビンの値について該積分期間内でのパワーを合計してエネルギー値を計算し、該自己相関値を該エネルギー値で除算して正規化自己相関値を計算する相関値計算手段と、前記正規化自己相関値の大きさが第1閾値よりも大きいかどうかを判定し、該大きさが該第1閾値よりも大きいと判定された場合に、前記所望の周波数ビンに狭帯域信号が含まれると判定する第1判定手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の信号検出装置、無線通信装置および方法によれば、精度の高いキャリアセンスを行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る信号検出装置、無線通信装置および方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。また、実施形態では本発明の動作に関連する部分のみを示し、たとえば電源、増幅器等、実施に必須であっても本発明の動作に直接関連しない部分は省略している。
(第1例)
実施形態の信号検出装置の第1例について図1を参照して説明する。
第1例の信号検出装置100は、フレーム分割部101、FFT部102、正規化自己相関値計算部103、閾値判定部104を含む。正規化自己相関値計算部103は、遅延部105、複素共役部106、第1乗算部107、第1加算部108、第2乗算部109、第2加算部110、正規化部111を含む。
フレーム分割部101は、入力信号151をフレームに分割して、窓関数を掛ける。
FFT部102は、フレーム分割部101の出力信号を高速フーリエ変換(FFT)し、周波数ビンf1,f2,…に分解する。FFT部102は、各周波数ビンで、時間的に連続するFFTフレームに対応して、次々とサンプル列を出力する。
正規化自己相関値計算部103には、複数の周波数ビンのうちの所望の周波数ビンが選択されて、その周波数ビンのサンプル列が入力される。図1の例では、正規化自己相関値計算部103には周波数ビンf3のサンプル列が入力している。正規化自己相関値計算部103では、所望の周波数ビンのサンプル列が2分岐され、一方は複素共役部106に、他方は第1乗算部107と第2乗算部109に入力される。
複素共役部106は、サンプル列を複素共役する。そして、遅延部105が複素共役されたサンプル列を、所定のサンプル数だけ遅延させる。このサンプル数は適切に設定される。第1乗算部107は、遅延部105の出力サンプル列と、正規化自己相関値計算部103に入力したサンプル列とを乗算する。また、第2乗算部109は、複素共役部106の出力サンプル列と、正規化自己相関値計算部103に入力したサンプル列とを乗算する。
第1加算部108は、第1乗算部107からの所定の積分期間の乗算結果を積算し、自己相関値を得る。第2加算部110は、第2乗算部109からの所定の積分期間の乗算結果を積算し、エネルギー値を得る。正規化部111は、第1加算部108からの自己相関値を第2加算部110からのエネルギー値で除算し、正規化自己相関値を得る。
閾値判定部104は、正規化部111で得られた正規化自己相関値と閾値との大小関係を判定し、この結果を狭帯域信号の有無(出力152)として出力する。閾値判定部104は、正規化自己相関値が閾値よりも大きい場合に、正規化自己相関値計算部103が選択した周波数ビンに狭帯域信号が含まれていると判定する。
次に、信号検出装置100の動作について図1および図2を参照しながら詳細に説明する。
入力信号151は、FFT部102が処理できる帯域幅の信号であり、それよりも前の段階で、適切な帯域制限を受けた後、図示しないA/Dコンバータによってデジタル信号に変換されている。入力信号151はまずフレーム分割部101によってFFT部102が対応するサンプル数からなるFFTフレームに分割される。このFFTフレームは、例えば図2に示すように、サンプル列を一定の数ごとに区切り、フレームが互いに重複しないようにしてもよいし、後述するように、フレームを意図的に互いに重複させてもよい。FFTフレームに分割されたサンプル列には窓関数が掛けられる。窓関数はFFTする際にFFTフレームのはじめと終わりのサンプルの不連続性によって発生するエイリアスを防ぐために挿入されるので、ほとんどの場合、窓の長さはFFTフレーム長と同一でよい。しかし、FFTフレーム長と長さが同一の窓では、1FFTビンに含まれる信号の帯域幅はFFTビンの周波数間隔よりも通常の場合広くなる。そこで、FFT部102の出力の各周波数ビンの帯域幅を絞り込みたい場合には、FFTフレーム長よりも長い窓を畳み込んだ結果をFFTしてもよい。なお、FFTフレームに区切っただけで窓関数を掛けない場合もあるが、この場合は、矩形窓を掛けたものとみなすことができる。
FFTする前に掛ける窓関数の長さ、形状によって、FFTの出力の各周波数ビンに含まれる信号の帯域幅が変化する。FFT部102では、信号を窓関数の伝達関数に対応するフィルタで濾波し、FFTフレームレートでサンプルした結果と同等の結果が得られる。したがって、FFTの周波数ビンごとにFFTフレームに対応して次々と出力されるサンプル列は、窓関数が畳み込まれているとみなすことができる。図2のようにFFTフレームがオーバーラップせず、窓が1FFTフレーム内で閉じている場合には、各周波数ビンのサンプル列は、時間的に前後するサンプルとは畳み込みが行われていない。すなわち、元の信号に相関がない限り、時間的に前後するサンプルとは独立したサンプルとなる。
一方、FFTフレームがオーバーラップしている場合や、窓関数の長さが1FFTフレーム長を超える場合には、元の入力信号の時間的な相関に関係なく、あるサンプルは時間的に前後するサンプルと強い相関を持つ。強い相関を持つとみなされる長さは、おおよそ、窓関数の伝達関数の3dB帯域幅の逆数の時間である。図2の例では、1FFTフレームに対し、その長さの窓を掛けているので、強い相関を持つ長さは1FFTフレーム未満の長さとなる。それを超える長さでは、信号自体に相関がない限り基本的に相関を持たないか、あっても小さい。
FFT部102が窓関数を掛けた信号をFFTし、正規化自己相関値計算部103が所望の周波数ビンについて正規化自己相関値を計算する。具体的には、図2に示したように所望の周波数ビンについて、自己相関積分期間で示した期間に含まれるサンプルから自己相関値とエネルギー値を計算する。自己相関値は第1加算部108で、その期間のサンプルを所定サンプル数だけ遅らせた複素共役サンプル列と掛け合わせ、積分期間の間加算して得る。複素共役サンプル列は、複素共役部106がサンプル列を複素共役したものである。所定サンプル数の遅延は前述の窓関数の3dB帯域幅相当の時間よりも長い時間に相当するサンプル数である。このような遅延を与えると、その周波数ビンに含まれる熱雑音は遅延の前後で相関を持たないため、掛け算の結果は位相を含めてランダムな値となり、これを加算すると常に0の周囲をばらつく値となる。一方、窓関数の帯域幅よりも十分に狭い狭帯域信号が含まれる場合には、その遅延の前後でも狭帯域信号そのものが相関を持っているので、加算されると、その結果の大きさは積分期間に対応して増加していく。
実施形態では、さらにこの時、第2加算部110が、その周波数ビンのパワーの合計値、すなわちエネルギー値を計算する。パワーは遅延を与えないで取る自己相関値であるので、図2に示すように、遅延を与えずにサンプル列を複素共役して元のサンプル列と掛け合わせ、第1加算部108と同様に積算していくことによって得られる。図2では、積分期間に含まれるサンプルはm個である。正規化部111はm個に渡って積算して得られた自己相関値をエネルギー値で除算して正規化自己相関値を得る。閾値判定部104は、この結果を閾値判定し、狭帯域信号の有無を判定する。閾値は、雑音をフォールスアラームする確率から、さらには、検出したい信号の帯域幅とパワーを仮定して、そのミスディテクション率から決定するとよい。
次に、図1、図2の信号検出装置100の有効性について図3、図4を参照して説明する。
自己相関値を正規化することの効果をシミュレーションによって検証した。特定の周波数ビン内のスペクトルは図3のようである。図3は特定の周波数ビンのFFT結果のサンプル列のスペクトルであり、FFTフレームを2/3フレームオーバーラップで定義したため、直流の位置がおよそ7000で示される位置にずれている。窓関数の伝達関数形状に対応した雑音のうねりの他に、横軸7000程度のところに弱い狭帯域信号が存在する。周波数ビン内のすべての雑音に対する信号のパワー比は非常に小さくSNRは−5dBを切っている。
この信号を“Polydoros, et al., IEEE J. Selected Areas in Comm., vol. SAC-3, no.5, Sept. 1985, p.714”に開示されている技術に相当する方法で検出した例が図4の(a)〜(c)である。図4の横軸は、長い信号列を複数の積分期間に分割してそれぞれの積分期間での自己相関値を計算した時の測定回である。積算は1回につき600サンプルに渡って行った。縦軸は自己相関値であり、実線は図3のように狭帯域信号を含む場合の自己相関値、破線は図3から狭帯域信号を除去し雑音のみにした場合の自己相関値である。ただし、FFT前にFFTフレーム長と長さの等しいブラックマン窓を掛けた。また、自己相関値は、1FFTフレーム長相当の遅延から4FFTフレーム長相当の遅延までの各遅延に対して計算し、その結果の絶対値の二乗を遅延方向に平均化した値である。さらに、この結果は積分期間に含まれるサンプル数で除算している。図4(a)のような状態で閾値を決定すると、縦軸の値0.01に引いた横の破線が最適となる。
次に、アナログ回路の利得変動を模擬し、雑音、信号、ともに1dB減らした場合が図4(b)、ともに1dB増やした場合が図4(c)である。図4(a)で定義した閾値が、図4(b)、図4(c)では有効に機能していないことが理解できる。
一方、実施形態の信号検出装置100が計算する自己相関値をその積分期間のエネルギー値で除算して正規化し、その絶対値を二乗したものを同様に遅延方向に平均化した結果が図4(d)〜(f)である。利得変動を与えていない場合が(d)、−1dB、+1dBしたものがそれぞれ(e),(f)である。図4からわかるように、全く自己相関値のレベルが変化しておらず、図4(d)から決定した閾値が図4(e)、図4(f)でも有効に作用していることが理解できる。
なお、図3の狭帯域信号が非常に微弱であるため、図4の(a)〜(c)と(d)〜(f)の縦軸には大きな差がない。しかし、信号パワーが大きくなると、図4(a)〜(c)では自己相関値はパワーの増加に対応してどこまでも増加するが、図4(d)〜(f)では1を最大にしてそれ以上増加しない。ただし、平均値の周りのばらつきは信号パワーが増加するにしたがって小さくなっていく。
実施形態の信号検出装置100によれば、自己相関を計算した結果をその期間のエネルギーで正規化することにより、検出される特徴からパワーに関する特徴を除外し、純粋に信号のコヒーレンスのみにしている。その結果、非常に微弱な信号を、自己相関法を使って検出する場合に、雑音レベルの変動によらず安定した検出閾値を設定することが可能となる。
なお、正規化の際のエネルギー計算に用いるサンプルの選び方はいくつか可能である。図2では、サンプル1〜mに対し、1サンプル遅延のサンプル列、0〜m−1を用いて自己相関を計算した。したがって、計算に利用したサンプルは実際には0〜mのサンプルである。mが十分に大きければ、0〜mのサンプルすべてについてパワーを積算してエネルギー値としてもよいし、mがあまり大きくない場合や遅延サンプル数(遅延量に対応する)n(図2では1)が大きい場合には、それをm/(m+n)倍してもよい。あるいは、1−n〜m−nのサンプルでエネルギーを計算してもよいし、1〜mのサンプルでエネルギーを計算してもよい。図4では1−n〜m−nのサンプルによるエネルギーで正規化している。
多少煩雑であるが、もっとも正確な方法は、1−n〜m−nのサンプルでエネルギーを計算し、さらに、1〜mのサンプルでエネルギーを計算し、それらの二乗根を掛け合わせたものをエネルギー値とすることである。だだし、二乗根の計算は煩雑なので、最終的に正規化自己相関値の絶対値を二乗してから判定するのであれば、自己相関値を二乗して、それを両方のエネルギー値で割るとよい。
なお、図4では、計算した正規化自己相関値の絶対値を二乗した。閾値判定する前に絶対値を取る必要はあるが、二乗は必ずしも必須ではない。遅延方向の平均化を行わない場合には、何乗しても誤検出確率には変化はない。一方、遅延方向の平均化を行う場合には、累乗数によって若干特性が変化する。乗数が大きくなると、大きい信号が含まれていたときに、平均値がその大きい信号に近づいてしまう傾向があり、若干信号のばらつきが増加する。したがって、乗数はあまり大きくないほうがよく、計算量の制約が無ければ1/2乗、1/3乗などできるだけ少ない数にするとよい。ただし、これによる誤検出確率の変化はあまり大きくないので、二乗根、三乗根などの複雑な回路構成を採用することが難しい場合には、1乗にしておけばよい。
さらに、遅延方向の平均化は、図3のように、含まれる信号が1周波数ビンの帯域幅よりも十分に小さいとわかっている場合には、十分に多数の遅延に対応する正規化自己相関値を平均化することによって、雑音のばらつきを抑え、閾値を小さくすることが可能となる。しかし、本実施形態で前提とするコグニティブ無線機の場合は、狭帯域信号の帯域幅が不明なことが多いため、あまり大きい遅延まで正規化自己相関値を測定すると、帯域幅によっては正規化自己相関値が雑音レベルに近づいてしまう。
しかし、特に、FFTフレームを高いオーバーラップ率で定義している場合には、上述の窓関数の3dB帯域幅相当の遅延から長い方向に2つ、3つの遅延に対する平均化を行っても、さほど遅延の絶対量の範囲が大きくないため、検出できなくなるケースはあまり増加せず、一方で、雑音の平均化効果は得ることができる。したがって、あまり多くない点数で平均化を行うとよい。
また、正規化自己相関値による狭帯域信号の検出では、1FFTビンの帯域幅を均等割りするような間隔で、内部に複数の信号が同じような強さで存在すると、それらの信号が十分なパワーを持っているにもかかわらず、特定の遅延量に対して正規化自己相関値が0に近づき、信号の存在が検出できない場合がある。この現象では、帯域幅を均等割する数と遅延量との間に密接な関係があり、信号が検出できる遅延とできない遅延とが存在する。そこで、このような現象を回避するためにも、複数の遅延に対する正規化自己相関値の平均化が望ましい。
次に、FFTフレームをオーバーラップさせる場合について図5を参照して説明する。
図5は図2のFFTの部分までを抜き出して、オーバーラップFFTに対応させた図である。図5の例では、フレームがおおよそ2/3ずつオーバーラップしており、それぞれに対して窓関数を掛けてからFFTして、その結果を時系列に並べてサンプル列とする。1FFTフレームと同じ長さの矩形でない窓関数を利用する場合、図2のようにオーバーラップさせずにFFTフレームを取っていくと、入力信号の一部の情報が欠けてしまう。情報が欠けないようにするには、少なくとも、スライドしていく窓を加算した振幅合計値が1を切らないようにする必要がある。例えば、ハン窓ならば少なくとも1/2のオーバーラップが必要である。
このような窓を掛けた場合、前述の3dB帯域幅相当の遅延は1FFTフレーム長よりも短くなる。例えばブラックマン窓で2/3オーバーラップとした場合、ある窓から一つ飛ばした2つ目の窓は、3dB帯域幅相当以上の遅延となっている。当然であるが、1サンプル分の遅延増で(1−オーバーラップ率)×FFTフレーム長しか遅延が変化しない。正規化自己相関値を遅延方向に平均化する際、目標とする遅延から前後に2,3サンプル程度を平均化しても、中に含まる狭帯域信号の帯域幅による正規化自己相関値の変動を気にせず、平均化を行うことができる。
(第2例)
実施形態の信号検出装置の第2例について図6を参照して説明する。
第2例の信号検出装置600は、オーバーラップFFTを行い、さらに、3つの遅延に対する正規化自己相関値を平均化する。図1と異なる部分のみを説明する。
オーバーラップフレーム分割部601は、入力信号151をオーバーラップしたフレームに分割して、窓関数を掛ける。
正規化自己相関値計算部602には、複数の周波数ビンのうちの所望の周波数ビンのサンプル列が入力される。正規化自己相関値計算部602のうち、最も短い遅延に対する正規化自己相関値を得る装置部分は図1と同じである。ただし、第1遅延部603から出た信号は、次の第2遅延部604に渡され、さらに遅延を掛けられた後、元のサンプル列と第3乗算部606で乗算され第3加算部608で積算される。積算結果は第2正規化部610に入力される。このようにして第2正規化部610が、第1遅延部603と第2遅延部604の合計の遅延に対して第2の正規化自己相関値を計算する。第3正規化部611が同様に第3の正規化自己相関値を得る。3つの遅延を連続したサンプル数で定義する場合、τとτは1サンプルの遅延素子である。
第2例では、それぞれの正規化部に必要なエネルギー値は各サンプルの積分期間をとるタイミングが異なるだけである。そこで、第2加算部110は、それぞれの正規化部で必要なエネルギー値を与えるタイミングで適宜、適切な出力先に数値を出力している。もし、3つの正規化部に対して同じ値のエネルギー値が渡される、例えば、すべての遅延の自己相関値に対して1〜mのエネルギー値を用いて正規化する場合には、正規化は次段の平均化部612で全部の正規化自己相関値を加算または平均化した後にまとめて行えばよい。この場合、正規化部はそれぞれの自己相関値の絶対値を取り、さらに、設計した累乗数に対応して累乗を行うのみであり正規化の操作は行わない。
平均化部612は、それぞれの正規化部の出力を平均化する。閾値判定部104はその平均化した結果を判定する。なお、平均化部612の操作は、次段の閾値が適切に設定されているならば、事実上加算を行う、または重み付け加算を行うのみでよい。遅延の種類の数、図6の例ならば3で割る必要は無い。重み付けは、単純には平均化の操作に対応する等量の重み付けでよいが、それに近いものであれば、他の比率でもかまわない。ただし、一部の系統の重みを著しく小さくすることは、正規化自己相関値計算の系統数を減らすことと同じになるので望ましくない。
(第3例)
実施形態の信号検出装置の第3例について図7を参照して説明する。図6と同様の部分は説明を省略する。第3例の信号検出装置700は、信号の有無に加えて測定中の周波数ビンに含まれる狭帯域信号のおおよその帯域幅を検出する。
窓関数の3dB帯域幅相当以上の遅延で正規化自己相関値を計算すると、雑音の正規化自己相関値が0に近づくことからもわかるように、その遅延の前後で互いに相関を失ってしまう程度に変化が速い信号は積分後の正規化自己相関値は0に近づく。その結果、遅延が長くなると、帯域幅の狭い信号も遅延の前後で相関を持たなくなり、正規化自己相関値が0に近づいていく。この特性を利用して、内部に含まれる狭帯域信号のおおよその帯域幅を見積もることができる。
帯域幅判定部704は、k種類の遅延に対する自己相関値(k系統それぞれで得られた自己相関値)をそれぞれ入力する。それぞれの系統の遅延はそれぞれの系統とそれ以前に挿入された遅延の合計値である。すなわち、第1乗算部107につながる自己相関値を計算する系統ではτ、第3乗算部606につながる自己相関値を計算する系統では、τ+τ、第(k+1)乗算部702につながる自己相関値を計算する系統では、τ+τ+…+τの遅延に対する自己相関値が計算される。正規化部111は、帯域幅判定部704に入力される値については特に必要ないが、閾値判定部104に入力される前には前述の通り必要である。帯域幅判定の際には、各系統間の自己相関値の比率の比較は必要であるが、雑音レベルに対する判定は必要ないため、正規化は必要ない。もちろん、全系統に正規化部が備えられていてもよい。
帯域幅判定部704は、最小の遅延量での自己相関値に対して、一定の減衰比率、例えば5dB等、自己相関値が低下する遅延量を検出する。各系統間の遅延ステップと全遅延範囲は、検出したい帯域幅の解像度と範囲によって決定される。1サンプル、すなわち、FFTフレーム単位で、前述した窓関数の3dB帯域幅相当の遅延から、加算部での積分期間相当の遅延までを網羅するように設定すると、最も精密に、かつ、広い範囲の帯域幅を検出できる。しかし、現実的には回路規模制限があるため、数サンプルステップとしたり、範囲を積分期間の数分の1までとしたりする。あるいは、系統数を3つ、5つと制限して、それぞれ適切な遅延を設定し、帯域幅を、検出というよりは分類する程度にするとよい。
帯域幅対応表記憶部705は、最小遅延の自己相関値からある減衰比率まで下がるために必要な遅延サンプル数と、帯域幅とを対応させてある帯域幅対応表を記憶している。帯域幅対応表記憶部705を参照すれば、最小遅延の自己相関値からある減衰比率まで下がるために必要な遅延サンプル数を検出すれば、帯域幅を判定することができる。帯域幅対応表記憶部705は、帯域幅判定部704は帯域幅対応表記憶部705を参照して、帯域幅を決定し、出力707から出力する。
プライマリDB706は、周波数ビンごとに送信優先権を有するプライマリシステムの特徴が記載されたデータベースを記憶している。プライマリDB706はプライマリシステムの帯域幅の情報を有しており、帯域幅判定部704が該帯域幅と前記検出手段によって検出された帯域幅とがある誤差範囲内で一致するかどうかを判定する。また、プライマリDB706がプライマリシステムの中心周波数の情報を有しており、帯域幅判定部704が該中心周波数と後述する周波数計算手段によって計算された周波数とがある誤差範囲内で一致するかどうかを判定する。
次に、図3よりも若干SNRがよい状態で、遅延を変化させて自己相関値を計算した一例について図8を参照して説明する。図8では、フレームの取り方などの条件は図4と同様であり、2/3オーバーラップ、600サンプルに渡る積算である。
図8は正規化を行っていない自己相関値である。この例では、最小遅延を3サンプルとして、17サンプル遅延まで1サンプル間隔で遅延を変化させている。また、縦軸は自己相関値の絶対値の二乗である。この例では、例えば最小遅延の自己相関値に対する減衰比率を5dBとするならば、遅延サンプル数=8程度でその比率だけ下がる。
なお、例えば5dBとして例示した減衰比率はあまり大きくない値がよい。含まれる狭帯域信号のSNRが小さい場合、自己相関値は遅延量の増大とともにすぐに雑音レベルとなってしまい、それ以上減衰しない場合があるからである。
そこで、帯域幅対応表記憶部705が記憶している帯域幅対応表は複数の減衰比率に対応してテーブルを有しており、場合に応じて適宜使い分けてもよい。帯域幅判定部704への入力では正規化は基本的には必要ないが、正規化を利用して、有効な減衰比率を選択することもできる。例えば、帯域幅判定部704は、閾値判定部104が狭帯域信号の有無を判定する際の閾値を知っておいて、ある減衰比率に対応する遅延を決定する際に、その自己相関値を正規化してみて、それが閾値を下回っている場合には、その減衰比率では有効な自己相関値が得られていないと判断する。そして減衰比率を下げる、例えば5dBだったものを3dBに下げて新たに判断しなおすとよい。この場合、帯域幅対応表は、減衰比率5dBの他に、3dBに対するテーブルも有している。
なお、帯域幅判定部704は、帯域幅判定の際にも遅延方向の平均化を行ってもよい。図8のように遅延を1サンプルごとに取るような場合には、移動平均を取るような形にするとよい。この場合、図7では、加算部と帯域幅判定部704の間に平均化部が入る。このようにすることによって、判断のSNRを上げられる。また、遅延を複数サンプルおきに判断するような場合には、その遅延の周囲のいくつかの遅延に対する自己相関値を平均化すればよい。
なお、遅延方向の平均化を行わない場合、ばらつきや含まれる狭帯域信号の特性によって最小遅延量が必ずしも最大の自己相関値を示さないことがある。その場合には、最小遅延量に近い範囲の遅延で、最大の自己相関値を探して利用するとよい。
さらに、別の方法として、一定の遅延量での減衰比率を探してもよい。その場合、図7における系統数は少なくてよい。最小2系統、すなわち、2つの遅延に対する判断で判定することができる。この場合、各遅延について、それぞれ遅延方向の平均化を行うことが望ましい。ただし、検出できる帯域幅の範囲は限られ、また、含まれる狭帯域信号の種類によっては著しく精度が劣化する。
この場合、例えば、最小遅延での自己相関値に対して、別の遅延での自己相関値が何dB下がっているか検出する。帯域幅対応表記憶部705は、特定の遅延での自己相関値の減衰比率に対する帯域幅のテーブルを有しており、帯域幅判定部704はこれを参照して帯域幅を判定する。
減衰比率に対応する遅延を探す場合と同様に、その遅延で検出された自己相関値が有効な値でない場合があるので、同様に正規化してみて判断するとよい。別の遅延が1つしかない場合には、雑音レベルに下がっている場合には帯域幅は「いくつ以上」である、という判断しかできない。また、あまり減衰比率が小さい場合には誤差が大きく十分な判断ができないこともある。遅延量のとり方によっては(例えば、最小遅延に対して、別の遅延が1サンプル遅れであるような場合)、それで十分なこともあるが、より精密に判断したい場合には、3系統、4系統と遅延の種類を多くするとよい。この場合、帯域幅対応表記憶部705に記憶される帯域幅対応表はそれぞれの遅延でのテーブルを有している。帯域幅判定部704は有効な自己相関値と減衰比率が得られる遅延の系統から得られた結果を出力する。
なお、図8のような遅延サンプル数に対する自己相関値の減少の比率を帯域幅に対して定式化し、信号検出装置700は帯域幅対応表を持たず、帯域幅判定部704が、得られた遅延や自己相関値の減衰比率を式に代入して、計算によって帯域幅を求めて出力してもよい。
なお、信号検出装置700が信号の帯域幅を検出するのは、閾値判定部104によって狭帯域信号ありという判定が下された場合に限定してもよい。ただし、これは信号検出装置700が大きいメモリ(図示せず)を有しており、閾値判定後に使用した元のデータをまだ利用できる場合や、閾値判定と帯域幅判定が異なる時間のサンプルに対して行われても問題ない場合に限定される。
ただし、後述するように、閾値判定部104で狭帯域信号無しと判定された場合でも、特殊な条件では狭帯域信号が含まれる場合もある。また、狭帯域信号が必ずしも時間的に安定して発生していない場合もあるので、自己相関値の計算までは行っておいて、判断のみ場合に応じて下す、または、全部の検出を一応行っておいて、信号検出装置700の出力先、例えば、コグニティブ無線機のキャリアセンス部などが、それぞれの結果を統合して判断するようにしてもよい。
なお、ある程度広い遅延の範囲、例えば、最小遅延から、積分範囲の1/3程度までで細かいステップで遅延を変化させて、対応する自己相関値を計算する構成となっている場合、信号の他の特徴も検出することができる。
検出中の周波数ビン内に複数の信号が周波数分割多重されている場合、自己相関は図9(b)のように周期的な特性を示す。図9(b)は図9(a)のような周波数分割多重(FDM:frequency-division multiplexing)信号を、図8を計算したときと同じの条件で計算した結果である。横軸は遅延サンプル数であり、縦軸は自己相関値である。最初のピーク、または、いずれかのピークから一定の減衰比率に落ちるまでの遅延サンプル数によって、FDM信号全体のおおよその帯域幅が検出できる。一方で、自己相関値の周期性を無視して包絡線を検出すると、その包絡線が一定の減衰比率に達するまでの遅延サンプル数によって、FDM信号に含まれる各信号のおおよその帯域幅を検出できる。したがって、全体の帯域幅と、各信号の帯域幅のおおよその見積もりを行うことができる。一方で、検出中の周波数ビン内に含まれる有効な信号の本数を見極めることは若干難しい。図9(b)は、おのおの遅延量が異なる複数のパスを通過してきたマルチパス信号に発生する周期的変動と同様の特性を有している。したがって、無線通信でしばしば利用されるマルチパス伝送路推定のような処理を行うことによって、有効な信号が何本含まれるかはある程度推定可能である。
このように、帯域幅の判定を行ない、その周波数ビンに狭帯域信号が存在し、なおかつ、帯域幅やその他の特性の判定がある程度できたならば、帯域幅判定部704はこれがプライマリ信号であるかどうかを判定する。帯域幅判定部704は、プライマリDB706を参照してその周波数ビンに含まれるはずの狭帯域信号の特徴を取得する。あるいは、外部のデータベースと通信を行って、外部からその周波数ビンに存在するはずのプライマリ信号の特徴を取得する。そして、帯域幅判定部704で得られた結果が、取得したプライマリの情報に一定の誤差範囲で一致するかどうかを検証し、一致すれば、その周波数ビンに含まれる狭帯域信号がプライマリ信号であると判定する。実施形態の信号検出装置700で得られた帯域幅はあまり正確な値ではないので、誤差範囲は広めに取るとよい。プライマリ信号の情報と一致したかどうかは、検出された帯域幅や他の検出情報と合わせて、この信号検出装置を有するキャリアセンス装置またはコグニティブ無線機が利用し、最終的に、利用する周波数を決定する際に利用する。
このように本実施形態では、比較的簡単な構成で、狭帯域信号の帯域幅といった簡単な特徴を検出し、それがプライマリの特徴と一致するかどうかを判断する。その結果、パワー検出よりも高い精度で、なおかつ、そのプライマリ信号の受信機相当の機能を持つよりははるかに簡単な構成で、プライマリである可能性についての判断が行える。非常に多種類のプライマリ信号がキャリアセンス帯域幅内に含まれていても、現実的な処理量で判断を行うことができる。
これまで、本願の信号検出装置で利用してきた自己相関情報は、積算結果の絶対値に処理を加えたものである。自己相関はパワーと似たパラメータであるが、パワーそのものではないため積算結果が位相を持っており、その大きさを判断するためには位相を除去する必要があるためである。
一方で、自己相関の位相も情報を持っている。例えば、図9(a)のように複数の狭帯域信号が同一周波数ビン内に存在する場合、これらのそれぞれの狭帯域信号から発生する自己相関値はその中心周波数に対応して異なる位相を持つ。図9(a)で、遅延を変化させることによって周期的に自己相関値の大きさが変わるのは、遅延を変化させることによって、2つの狭帯域信号から発生する自己相関値の位相差が変化し、ちょうど逆相になったところで0に近づき、同相になったところでピークとなるためである。このことから判るように、自己相関値の位相を検出することによって、検出中の周波数ビン内に含まれる狭帯域信号のおおよその周波数を知ることができる。
ただし、位相は、窓関数の3dB帯域幅に対応する最小遅延で自己相関を計算した場合、その3dB帯域幅に相当する帯域で位相が360度一周する。遅延を長くすると、その分、一周する周波数の幅は短くなっていき、3dB帯域幅内で同一の位相が複数の周波数から得られ、周波数の区別がつかなくなる。したがって、位相の検出は最小遅延で計算した自己相関値から行うべきである。その周波数ビン内で周波数に対して位相は線形に変化していくため、位相から周波数を容易に求めることができる。位相が0となる周波数は、その遅延で位相が一周する周波数である。最小遅延を1FFTフレーム長にした場合には、そのFFTビンの中心周波数であるが、それより短い遅延にした場合には、高周波側にずれるため補正が必要である。
なお、自己相関値の位相は含まれる狭帯域信号の平均的な周波数に対応する。帯域幅が広い場合や、FDM信号の場合にはその重心によって与えられるような周波数が得られる。したがって、正確な中心周波数や、複数のFDM信号それぞれの周波数は得られないが、おおよその目安となる。
さらに、窓関数の3dB帯域幅よりも短い遅延で計算した自己相関値から判断することによって、周波数を検出する範囲を広げることができる。3dB帯域幅外の信号かどうかも判断できる。ただし、この場合、雑音の自己相関値が0にならず、自己相関値に対する雑音の寄与が大きくなるので、この方法の利用は、中に含まれる狭帯域信号のパワーが強い場合に限定される。
(第4例)
実施形態の信号検出装置の第4例について図10を参照して説明する。第4例の信号検出装置1000は位相から周波数を判定する構成を含む場合を示す。信号検出装置1000は、信号検出装置100に周波数判定部1001を追加した場合であるが、他の例に追加してももちろんかまわない。位相は、正規化の有無は関係無くまた絶対値にする前に取得する必要があるので、正規化前の第1加算部108の出力を分岐して周波数判定部1001に入力している。周波数判定部1001は、入力した自己相関値の位相を検出し、その位相の値に対応する周波数を出力する。
第4例でも帯域幅判定の場合と同様に、その周波数ビンに含まれる可能性があるプライマリ信号の周波数情報を記憶しているプライマリDB706を有しており、周波数判定部1001はその情報と比較し、比較結果も出力する。含まれる信号がプライマリ信号であったとしても、上述のように正しい周波数が出力されないことがあるため、判定結果のみでなく、必ず検出した周波数も出力する。また、含まれる狭帯域信号のSNRが低いと、雑音に影響されて位相のばらつきが大きくなり、信頼度が低くなる。したがって、周波数判定部1001またはその後段で、信号の素性を判定する部分は、閾値判定部104から得られた正規化自己相関値の値も同時にもらい受け、判断の材料にするとよい。
なお、システムの設計によっては、十分に長い積分期間が取れないことがある。本実施形態の例のうち、後述するFM信号に関する判定を除けば、積分期間が十分に取れないときに、途中に中断をはさみながらトータルで十分な積分期間を確保してもかまわない。だだし、加算に関しては途中に中断があってもよいが、遅延をはさんだ複素共役信号と乗算する部分では中断をはさまない信号に限定するように構成する。この場合、信号が中断の間に消滅するような事態も考慮した上で判断を下す必要がある。
したがって、中断をはさまない各部分の自己相関値もそれぞれ計算しておき、全部を足した時とそれぞれの部分での正規化自己相関値に、誤差を超えた乖離がある場合、合計した結果には信用性がないと判断する。なお、後述するような周波数の振れ幅の大きいゆっくりしたFM信号の判定やそのようなFM信号の帯域幅の判定を行う場合には、中断をはさんではならない。
(第5例)
本実施形態の信号検出装置の第5例について図11を参照して説明する。第5例の信号検出装置1100は信号の他の特徴を識別する。信号検出装置1100は、含まれる狭帯域信号が、変調指数の大きく、また、自己相関値の積分期間に対して比較的ゆっくり変化するFM信号であるかどうかを判定する。
第5例の目的は、PCが放射するクロックの高調波を識別することである。PCクロックは、不要輻射の規制を満足させるため、故意にFM変調をかけ、スペクトル拡散している場合が多い。クロックレートに対して1%程度の周波数の振れ幅で、数10μsから数100μs程度の周期で三角波状、または、それに類した形状で周波数変調をかけ、不要輻射がスパイク状のスペクトルを持たないようにしている。
このようなPCクロックによる輻射、または、その高調波の輻射はやはり、その中心周波数に対して同じパーセンテージの振れ幅と同じ周期、形状で周波数変調がかかったような信号となる。
図11の信号検出装置1100によって、このような周波数変調信号を識別する。第5例の信号検出装置1100は第3例の信号検出装置700に変形を施したものである。図7と同じ部分は説明を省略する。図1と同様にまず、正規化自己相関値を求め閾値判定部104で狭帯域信号の有無を閾値判定する。さらに、第2遅延部1101をさらに付加して、τ+τで規定される長遅延に対して自己相関値を計算していくが、この時、長遅延に対しては長短2種類の積分期間で自己相関の積算を行う。
図11では、第3加算部1103で短期間の積分を行ってその結果を第2正規化部1105に渡したら、さらに、第3加算部1103の結果を第4加算部1104に渡して、さらなる期間に渡って積分を継続する。第4加算部1104が、第1加算部108が行う加算とトータルで同じ期間だけ加算したら、その結果を第3正規化部1106に渡す。なお、図11では積分期間に対応して異なる第3加算部1103および第4加算部1104を備えているが、実際には、1つの加算部が適切なタイミングでそれぞれのデータを出力すればよい。
エネルギーを計算する第2加算部110はそれぞれの積分期間に対応したエネルギー値をそれぞれの第2正規化部1105および第3正規化部1106に適切なタイミングで出力し、それぞれの正規化部は、得られた自己相関値を入力されたエネルギー値で正規化する。第1正規化部111と第3正規化部1106の出力は帯域幅判定部1107に渡され、帯域幅判定部1107は、2点の遅延での正規化自己相関値の減衰比率に基づいて、その帯域幅を判定する。一方、FM判定部1108は、長遅延に対する短時間積分の結果の正規化自己相関値と、長遅延に対する長期間積分の結果の正規化自己相関値を入力する。FM判定部1108は、長時間積分の値に対して、短時間積分の値が所定の増加比率以上増加している場合には、この信号は、変調指数が大きく、かつ、自己相関計算時の積分期間に対してゆっくり変化しているFM信号であると判定する。
次に、信号検出装置1100の動作の一例について図12を参照して説明する。図12(a)は狭帯域QPSK信号が帯域内にいる場合のスペクトルであり、図12(e)は積分期間内にその周波数ビンを変調指数の大きいFM信号が横切っていく場合のスペクトルである。基本的なシミュレーション条件は図8と同様である。ただし、積分期間は長期間を600サンプル、短期間を60サンプルとした。自己相関値は正規化自己相関値とした。図12(b),図12(f)はそれぞれの信号に対して長期間積分を行った場合の遅延量の変化に対する正規化自己相関値の変化を示しており、図12(c),図12(d)は同様に短期間積分の場合である。QPSKのように、信号の帯域幅がシンボルごとの波形の変化で決定するような信号は、積分期間を変えても、遅延に対する正規化自己相関値の変化の仕方には大きな差が出ない。一方、積分期間内に当該周波数ビンを横切っていくようなFM信号は、積分期間によって遅延に対する依存性が大きく変化している。すなわち、積分期間が短いと、遅延が大きくなっても正規化自己相関値が下がりにくくなっている。これはすなわち、ゆっくりと大きな振れ幅で周波数が変化するFM信号は、短い積分期間に対しては帯域幅が小さく見えることを意味する。積分期間内にこの周波数ビンを横切っていき、その積分期間内には戻ってこないようなFM信号は、期間を短くすれば、その信号が存在する周波数の幅が小さく見える、すなわち、積分期間に依存して帯域幅が変化して見えるので、このような現象が起こる。したがって、FM判定部1108は、長遅延に対して、積分時間の長短で正規化自己相関値を比較することによって、FM性の信号かどうかを識別できる。
これを2点の遅延で判断するために簡素化したデータがそれぞれ図12(d),図12(h)である。○が短期間積分の場合であり、△が長期間積分の場合である。×は参考までに長期間積分での雑音のみの場合の正規化自己相関値である。横に引いた破線は、狭帯域信号の有無を判定するための閾値の例である。それぞれの点は遅延方向の平均化が施してある。短遅延の点は遅延量=2,3,4サンプルの正規化自己相関値の平均値であり、長遅延の点は遅延量=10,11,12サンプルの正規化自己相関値の平均値である。また、正規化自己相関値は絶対値の二乗で計算している。QPSK信号が長遅延の2点でほとんど値に差がないのに対して、FMでは、10dB以上の差がついており、明確に異なる傾向を示している。図11のFM判定部1108は、例えば5dBといった増加比率を規定し、長期間積分長遅延の値に対して短期間積分長遅延の値がこの増加比率以上の増加があれば、FM信号であると判定を行う。
なお、判定に使用する増加比率や積分期間等は次のように定める。図13は本実施形態の信号検出装置で、遅延時間を変化させた場合の信号の帯域幅に対する正規化自己相関値の一例である。帯域幅は3dB帯域幅で図3と同じスケールで評価している。図3のような信号ならば帯域幅はおおよそ1250である。フレーム等の条件もこれまでと同様である。ただし、信号は周波数ビン内SNRを約13dBとし、雑音の影響を小さくした。
長期間積分は信号の有無の判定に利用するため、自己相関値に十分なSNRが必要である。本実施形態の信号検出装置では、積分期間を長くするほどSNRが向上していくので、長期間積分期間は閾値判定系からの要求でおおよそ決定する。ただし、検出したいFM信号、すなわち、PC雑音の変調の半周期よりも十分短い時間とし、三角波状に変調されたPCクロックの折れ曲がり部分が検出される確率を下げるようにするとよい。PCクロックの変調周期に対して、積分期間は数分の一以下、できれば、十分の一以下であることが望ましい。閾値判定用の積分期間がこれよりも長くなる場合には、FM判定用に別途長期間積分期間を設けるとよい。このような条件化では、PCクロックのFM変調信号が検出される帯域幅は、積分期間にほぼ比例する。したがって、短期間の積分期間を長期間の半分にすれば、本方式が検出する帯域幅も半分に、1/10にすれば、帯域幅も1/10になる。
図13は帯域幅60から10000までの信号に対してプロットされており、事実上ほとんどの信号を網羅できている。これを見ると適切な遅延量を選択することにより、帯域幅が10倍程度異なれば、どの帯域幅でもおおよそ、帯域幅の区別がつけられることが理解できる。したがって短期間の積分期間は長期間に対して1/10程度が望ましい。
また、長遅延の長さであるが、図13では、最も長い遅延30サンプル遅延において最も広い範囲で帯域幅の検出が可能であるように見えるが、実際には、本実施形態の信号検出装置の検出はSNRのより低い信号に対して適用する。雑音の閾値は0.01程度であり、SNRが劣化すると曲線全体が下に下がるような形になる。したがって、あまり長い遅延を選択した場合、短期間積分の結果ですら雑音に埋もれて検出できない可能性がある。検出したいFM信号の変調の速さと検出系の条件に応じて適宜選択するが、例えば、上述のようなPCクロックの条件で、5GHz帯において、FFTビン間隔が1MHz程度、窓の3dB帯域幅が2MHz程度であるならば、10遅延程度が望ましい。
また、増加比率についてであるが、図13では10倍の帯域幅の差がある場合、最大で20dB以上の正規化自己相関値の差が発生している。しかし、カーブの肩にかかった場合を考慮すると、2,3dBとしたい場合もある。一方で、含まれる狭帯域信号のSNRが低い場合、正規化自己相関値は2,3dB程度は簡単にばらつくため、判定に用いる増加比率を2,3dBとすると、雑音によるばらつきの影響によって判断を誤る可能性が高くなる。さらに、短期間積分はSNRを高く取ることが難しく、値がばらつきやすい。したがって、若干のマージンを加えるとよい。このような理由から、ここでは5dBという値を採用してきた。
なお、以上では自己相関値を正規化したが、FM判定では必ずしも必要はない。ただし異なる積分期間の自己相関値を比較するため、積分サンプル数で割る必要がある。しかし、短期間積分は値がばらつきやすいので正規化したほうがばらつきの影響が小さくなり、判定が容易になる。また、後述するような非常に周波数の変化の速度が速いFMを判定する際には閾値判定が必要となるため、正規化しておく方が結果として構成が単純になる。
また、図12(d),(h)では、FM判定部1108が各識別用のデータについて遅延方向に3点の平均化を行っている。長遅延と短遅延の間に十分な差があるため、少ない点数であれば遅延方向の平均化が可能であり、また、これを行うことによって自己相関値のSNRを改善できる。
また、図11の変形例としては、2種類の遅延による帯域幅判定をそれぞれ、長期間と短期間の積分期間で行って、それぞれの積分期間に対する帯域幅をおおよそ検出し、それらが異なるかどうかで判定してもよい。
さらに、積分期間を2種類ではなく、複数種類にすることによって、より詳細に積分期間対帯域幅のデータを得ることができる。例えば、長遅延に対して、一定間隔の3種類以上の積分時間での正規化自己相関値を計算する。このようにすると、含まれる信号がFMである場合、積分時間に対応して徐々に正規化自己相関値が下がっていく。閾値以下まで下がる積分時間を求めたり、下がっていく割合を求めることによって信号周波数の変化の速度をおおよそ求めることが可能である。
(第6例)
実施形態の請求項の第6例について図14を参照して説明する。第5例では3種類の正規化自己相関値を計算したが、第6例ではさらに、短遅延に対しても短期間積分の正規化自己相関値を求めることで、閾値判定で検出しそこなった信号を検出することを可能にする。第6例の信号検出装置1400は、信号検出装置1100に短遅延で短期間積分を行う第5加算部1401と対応する第4正規化部1402、第5正規化部1403が加わっている。
第4正規化部1402からは、短期間積分短遅延の正規化自己相関値が出力され、この結果はFM判定部1405に入力される。FM判定部1405には、さらに、閾値判定部1404からの出力が入力されている。閾値判定部1404が狭帯域信号無しと判断した場合、FM判定部1405は、短期間積分による、長遅延、短遅延それぞれの正規化自己相関値をそれぞれ適切な閾値に対して判定する。積分期間が短くなると、正規化自己相関値のSNRが劣化するため、これらの閾値は閾値判定部1404で用いる閾値よりも若干高めにするとよい。また、遅延が長くなることによって広帯域信号の正規化自己相関値が小さくなるため、短期間積分、長遅延に対する閾値は短期間積分・短遅延に対する閾値より若干低めにする。
このようにして、2つの正規化自己相関値を判定し、双方とも閾値を超えていた場合、閾値判定部1404が狭帯域信号無しと判定しても、FM判定部1405は、周波数が変化する速度が非常に速いFM信号が存在すると判定する。長期間積分期間の間に帯域幅全体を横切ってしまい遅延時間を短くても信号が検出できない非常に速いFM信号は、長期間積分では検出できないが、積分期間を短くすることによって、検出上の帯域幅を小さくすれば検出できるためである。FM判定部1405はこのような検出が行われたことを出力1151から出力する。
本実施形態の信号検出装置は入力端にFFT部102を備えており、所望する周波数ビンについて、これまで述べたような狭帯域信号の判定を行う。また、複数の周波数ビンについて、同時にこのような判定が行えるよう、複数の正規化自己相関値計算系を用意したり、計算系をソフトウェア的に構成して並列に計算してもよい。
(第7例)
本実施形態の信号検出装置の第7例について図15を参照して説明する。
上述のようなPCクロックによるFM変調信号はFM変調の振れ幅がクロックの1%程度と大きい。例えば5GHz帯に発生した高調波であれば、その振れ幅は50MHzになる。FFTの解像度が数MHz程度である場合、このようなPCクロックの高調波が本願の信号検出装置に入力されると、1つの周波数ビンではなく、複数の周波数ビンを次々に横切っていくように検出される可能性が高い。
そこで、第7例の信号検出装置1500は、周波数方向に検出の結果を組み合わせてPCクロックの不要輻射が含まれているかどうかを判断する。信号検出装置1100と信号検出装置1400におけるFFT以降の部分を検出ユニット1110または1407という形でまとめて示した。この検出ユニットの中はもちろん、図11や図14のような構成でもよいし、信号検出装置の機能によっては他の構成でもよい。なお、図15では各検出ユニット1110または1407からの出力は図を簡素化するため、何種類あっても1本で表示してある。
FFT部102によってFFTされた信号はそれぞれの検出ユニット1110または1407で必要に応じて、狭帯域信号であるかどうかが判定される。判定結果は信号特性総合判定部1501に判定の根拠となった数値とともに入力される。いずれかの検出ユニット1110または1407でFM信号が含まれると判定された場合、信号特性総合判定部1501は、その前後の周波数で同様の判定がなされているかどうかを調べる。まず、FM信号判定がされているかどうか、されている場合、その帯域幅と、それを検出した時刻を調べる。また、周波数が変化する速度を検出できるような検出ユニット1110または1407である場合、その値を比較する。同じ長さの積分期間において同様の帯域幅を示し、周波数が変化する速度が似通っており、なおかつ、検出時刻が少しずつずれて検出されているような場合には、これらをまとめて1つの振れ幅の大きいゆっくりしたFM信号であると認識する。
ただし、FM信号の周波数の端にかかるような周波数ビンでは若干違う特徴で検出される。周波数ビンの途中で信号が折り返すような形となり、また、変調波形が三角波以外の緩やかな形状の場合、その周波数ビンにとどまる時間が長いため、通常の狭帯域信号と区別することが難しい。そこで、端の周波数ビンに対する判断は保留し、少なくとも、振れ幅の広いゆっくりしたFM信号がその中を横切っていったと判断できる周波数ビンのセットと、その特徴を次段に出力する。
このように隣接する周波数ビンと信号の特徴を比較することによって、PCクロックの高調波をより確実に検出できる。
なお、図15において、信号特性総合判定部1501はFM検出結果のみでなく検出ユニット1110または1407から出力された各ビンの種々の情報をまとめて次段に出力する。
(第8例)
本実施形態の信号検出装置の第8例について図16を参照して説明する。
信号検出装置1600は、自己相関計算を行う周波数ビンを選択する。本実施形態の信号検出装置は、狭帯域信号が狭帯域であるがゆえにSNRが劣化して検出できない問題を解決することを目的としている。すなわち、十分なSNRで検出された信号については、自己相関計算をするまでもなく、パワーに基づいて信号有りと判定できる。したがって、信号の有無が判定しきれない周波数ビンについて、自己相関計算を行う。
図16では、FFT部102の結果は2分岐されて、1つはパワー判定部1601、もうひとつは検出ユニット1110または1407に入力される。パワー判定部1601は、各周波数ビンのパワーを計算する。ここでは各周波数ビンについて、まず、各サンプルをパワーに変換する。その後、信号の有無を判定するために、パワーを一定期間の平均化をするなど種々の下処理を行う。このようなラジオメトリと呼ばれる方法には多くの公知例が存在するため、ここでは下処理の詳細は省略する。
パワー判定部1601は、このようにパワーに対して適切な下処理を施して得られたパワーに基づいたパラメータを2つの閾値に対して判定する。図17を用いて説明する。各周波数ビンのパワーが、大きい閾値である閾値Pを超えているかどうかを判定する。閾値Pは非常に小さいフォールスアラーム確率で信号が存在すると判定できる閾値である。閾値Pを超えている場合には、確実に信号があると判断し、その周波数ビンについては自己相関による判断を行わない。
次に、パワー判定部1601は得られたパワーが閾値Aを下回っているかどうかを判断する。閾値Aは予め設定された雑音の平均値に近い値である。これを下回っている場合には、内部に狭帯域信号がいたとしても、その狭帯域信号帯域内でのSNRが非常に小さいため、信号を無視できるとする。
最後に、パワー判定部1601は、閾値Aと閾値Pにはさまれた周波数ビンは不明な狭帯域信号がいる可能性があるため、検出ユニット1110または1407に自己相関による判定を指示する。
なお、パワー判定部1601でのパワー計算回路は、検出ユニット内でエネルギーを求めるためにパワーを計算している部分と一部を共通化してもよい。
さらに、閾値Aは雑音の平均値より高い必要はない。また、閾値Aをパワー0の値とすることによって、閾値Pを下回った周波数ビンについては、すべて自己相関による判定を行うようにしてもよい。
このようにすると、信号の有無が疑われる周波数ビンだけを処理することが出来、処理量を削減できる。
信号特性総合判定部1602は、パワー判定部1601の判定結果により作動させる検出ユニット1110または1407がどれであるかの情報をパワー判定部1601から受け取り、作動した検出ユニット1110または1407の判定結果を受け取り、信号特性総合判定部1501と同様に、前後の周波数で同様の判定がなされているかどうかを調べる。まず、FM信号判定がされているかどうか、されている場合、その帯域幅と、それを検出した時刻を調べ、また、周波数が変化する速度を検出できるような検出ユニット1110または1407である場合、その値を比較する。
なお、パワー判定と、自己相関計算の時間的な順序については、信号をメモリに保存しておいて、パワー判定が済んだ信号をメモリから読み出して、検出ユニットに渡してもよいし、パワー判定した時点より後の信号に対して自己相関計算を行うようにしてもよい。もちろん、狭帯域信号の有無のみでなく、その種々の特性も判定できるため、全周波数ビンに関して自己相関計算を行って、含まれる信号の特性を検出してもよい。
(無線機全体)
次に、本実施形態の第1例から第8例の信号検出装置100,600,700,1000,1100,1400,1500,または1600を含むコグニティブ無線機の構成を図18に示す。
無線通信装置1800は、周囲の周波数利用状況を識別して、空き周波数を選択して送信に利用するコグニティブ無線機である。この例の無線通信装置1800は、受信アンテナ1801、無線受信部1802、キャリアセンス部1803、周波数選択部1804、無線送信部1805、送信アンテナ1806を含む。無線受信部1802は無線信号変換部1807と復調部1808を含み、キャリアセンス部1803は利用状況識別部1809と信号検出装置100,600,700,1000,1100,1400,1500,または1600を含む。
無線受信部1802は、受信アンテナ1801で受け取った電波を受信信号として入力する。無線信号変換部1807は受信信号を所望帯域のベースバンドデジタル信号に変換し、通信データ受信時は復調部1808が通信データを復調してデータ出力1851をする。キャリアセンス時には、キャリアセンス部1803は無線信号変換部1807の出力を入力する。キャリアセンス部1803では、信号が2分岐され、利用状況識別部1809と信号検出装置100,600,700,1000,1100,1400,1500,1600がこの信号を入力する。利用状況識別部1809は、実際には図16のパワー判定部1601と信号特性総合判定部1602を併せたような機能を有する。もし、信号検出装置が図16の信号検出装置1600であるならば、利用状況識別部1809は必要ない。利用状況識別部1809は、得られた信号を周波数に分解し、周波数ごとに利用中か否かを判定する。その検出は、パワー判定部1601で行うようなパワー判定によってもよいし、サイクロステーショナリなどを用いた異なる判定によってもよい。また、利用状況識別部1809で周波数に分解するためにFFTを行う場合、信号検出装置と利用状況識別部1809との間でフレーム分割部101(またはオーバーラップフレーム分割部601)およびFFT部102を共通化してよい。さらに、復調部1808によっては、フレーム分割部101(またはオーバーラップフレーム分割部601)およびFFT部102が無線信号変換部1807に含まれることもある。
信号検出装置は自己相関による検出を必要な周波数ビンについて行って、その結果を利用状況識別部1809に通知する。必要な周波数ビンについての指示は利用状況識別部1809から受け取る。利用状況識別部1809は、パワー判定部1601が行った判定と同様の判定によって、あるいは、独自の判定に基づいて信号検出装置に必要な周波数ビンを指示する。利用状況識別部1809は、独自の検出と信号検出装置による検出の結果を合わせて周波数選択部1804に通知する。
この時、例えば、狭帯域信号が検出されても、それがPCクロックの高調波、すなわち、電磁雑音であることが確認されたならば、これは利用可な周波数、あるいは、自無線機による干渉やスプリアスがかかっても問題がない周波数であるとする。あるいは、信号検出装置によって検出された特徴が、明らかにその周波数ビンにあるべきプライマリ信号の特徴と異なっている場合は、電磁雑音か、あるいは、送信優先権を持たない他のセカンダリ無線機の信号であり、利用可であるか、自無線機による干渉やスプリアスがかかっても問題がない周波数であるとする。周波数選択部1804はこのような通知を受けて、キャリアセンスを行った周波数帯域内から利用周波数を選択し、無線送信部1805に通知する。無線送信部1805はデータ入力1852からのデータを、利用周波数の無線信号に変調して送信アンテナ1806から送り出す。
このように本願の信号検出装置をキャリアセンス部内に含むことにより、狭帯域なプライマリ信号の検出精度を向上させ、さらには、電磁雑音やセカンダリ無線機の信号を見分けることができ、プライマリ信号に与える干渉を減らしつつ、電磁雑音によるスループット低下を防ぐような、高い精度の送信周波数選択が可能となる。
なお、本実施形態では、デジタル信号処理によるフーリエ変換としてFFTを用いているが、もちろん、フレーム長が2の累乗以外の数の場合にはFFTは離散フーリエ変換(DFT)となる。変換回路の内部構造は異なるが、機能として入力信号を周波数領域に変換するという点では同一である。
以上に示した実施形態によれば、小パワーの狭帯域信号が帯域幅の広い検出帯域に含まれていた場合の検出精度を上げ、また、含まれる狭帯域信号の帯域幅や変調方式といった簡単な特徴を識別することによって、精度の高いキャリアセンスを行うことができる。
また、自己相関を計算した結果をその期間のエネルギーで正規化することにより、検出される特徴からパワーに関する特徴を除外し、純粋に信号のコヒーレンスのみにしている。その結果、非常に微弱な信号を、自己相関法を使って検出する場合に、雑音レベルの変動によらず安定した検出閾値を設定することが可能となる。
さらに、比較的簡単な構成で、狭帯域信号の帯域幅、中心周波数といった簡単な特徴を検出し、それがプライマリの特徴と一致するかどうかを判断する。その結果、パワー検出よりも高い精度で、なおかつ、そのプライマリ信号の受信機相当の機能を持つよりははるかに簡単な構成で、プライマリである可能性についての判断が行える。非常に多種類のプライマリ信号がキャリアセンス帯域幅内に含まれていても、現実的な処理量で判断を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
実施形態の第1例の信号検出装置のブロック図。 図1の信号検出装置の動作を説明するための図。 図1の信号検出装置の効果を説明するために利用した信号のスペクトルを示す図。 従来例((a)〜(c))に比較して図1の信号検出装置((d)〜(f))の効果を説明するための図。 FFTフレームをオーバーラップさせることを説明するための図。 実施形態の第2例の信号検出装置のブロック図。 実施形態の第3例の信号検出装置のブロック図。 図7の帯域幅判定部の動作を説明するための図。 図7の帯域幅判定部がFDM信号の帯域幅を判定する動作を説明するための図。 実施形態の第4例の信号検出装置のブロック図。 実施形態の第5例の信号検出装置のブロック図。 図11の信号検出装置の動作を説明するための図。 図11の信号検出装置で、遅延時間を変化させた場合の信号の帯域幅に対する正規化自己相関値を示す図。 実施形態の第6例の信号検出装置のブロック図。 実施形態の第7例の信号検出装置のブロック図。 実施形態の第8例の信号検出装置のブロック図。 図16のパワー判定部の検出結果を示す図。 実施形態の信号検出装置を含むコグニティブ無線機のブロック図。
符号の説明
100,600,700,1000,1100,1400,1500,1600・・・信号検出装置、101・・・フレーム分割部、102・・・FFT部、103、602・・・正規化自己相関値計算部、104・・・閾値判定部、105・・・遅延部、106・・・複素共役部、107・・・第1乗算部、108・・・第1加算部、109・・・第2乗算部、110・・・第2加算部、111・・・正規化部、151・・・入力信号、152、1151・・・出力、601・・・オーバーラップフレーム分割部、603・・・第1遅延部、604、1101・・・第2遅延部、606・・・第3乗算部、608、1103・・・第3加算部、610、1105・・・第2正規化部、611、1106・・・第3正規化部、612・・・平均化部、702・・・第(k+1)乗算部、704、1107・・・帯域幅判定部、705・・・帯域幅対応表記憶部、707・・・出力、1001・・・周波数判定部、1104・・・第4加算部、1108、1405・・・FM判定部、1110・・・検出ユニット、1401・・・第5加算部、1402・・・第4正規化部、1403・・・第5正規化部、1404・・・閾値判定部、1501、1602・・・信号特性総合判定部、1601・・・パワー判定部、1800・・・無線通信装置、1801・・・受信アンテナ、1802・・・無線受信部、1803・・・キャリアセンス部、1804・・・周波数選択部、1805・・・無線送信部、1806・・・送信アンテナ、1807・・・無線信号変換部、1808・・・復調部、1809・・・利用状況識別部、1851・・・データ出力、1852・・・データ入力。

Claims (15)

  1. 入力信号をある伝達関数のフィルタで濾波し、一定のレートでサンプルし、時間的に連続した複数のサンプル列生成するフィルタ手段と、
    記サンプル列について、前記伝達関数の帯域幅相当する最小遅延以上の遅延を付与してある積分期間で自己相関値を計算し、該サンプル列について該積分期間内でのパワーを合計してエネルギー値を計算し、該自己相関値を該エネルギー値で除算して正規化自己相関値を計算し、遅延時間の異なる複数の遅延に対して該積分期間で正規化自己相関値をそれぞれ計算する相関値計算手段と、
    前記最小遅延に対する前記正規化自己相関値の大きさが第1閾値よりも大きいかどうかを判定し、該大きさが該第1閾値よりも大きいと判定された場合に、前記サンプル列に狭帯域信号が含まれると判定する第1判定手段と、
    前記複数の遅延に対応する複数の正規化自己相関値の大きさが、該遅延の増加に対して減少する割合を検出することによって、前記サンプル列に含まれる狭帯域信号の帯域幅を検出する検出手段と、を具備することを特徴とする信号検出装置。
  2. 前記相関値計算手段は、1つの正規化自己相関値を計算する場合に、前記遅延と、該遅延の前後の1つ以上の遅延に対してそれぞれ正規化自己相関値を計算し、複数の該正規化自己相関値を重み付け加算した値を、該遅延に対応する正規化自己相関値として出力することを特徴とする請求項に記載の信号検出装置。
  3. 前記検出手段は、前記最小遅延での正規化自己相関値の大きさから正規化自己相関値の大きさがある割合に減少する遅延に対応する帯域幅が記載されたテーブルを記憶している記憶手段を含み、
    前記検出手段は、前記最小遅延での正規化自己相関値の大きさよりもある割合だけ正規化自己相関値の大きさが小さくなる遅延を検出して、前記テーブルを参照して該遅延に対応する帯域幅を取得することによって帯域幅を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号検出装置。
  4. 前記相関値計算手段は、前記最小遅延に最も近い第1遅延と第1積分期間とによる第1正規化自己相関値と、該第1遅延よりも長い第2遅延と該第1積分期間とによる第2正規化自己相関値と、該第2遅延と該第1積分期間よりも短い第2積分期間による第3正規化自己相関値と、を計算し、
    前記第1判定手段は、前記第1正規化自己相関値の大きさが前記第1閾値よりも大きいかどうかを判定して、前記サンプル列に狭帯域信号が含まれるかどうかを判定し、
    前記検出手段は、前記第1正規化自己相関値と前記第2正規化自己相関値から前記帯域幅を検出し、
    前記第2正規化自己相関値と前記第3正規化自己相関値とを比較し、該第3正規化自己相関値が該第2正規化自己相関値よりもある比率以上に大きい場合に、前記サンプル列に含まれる狭帯域信号が周波数変調信号であると判定する第4判定手段をさらに具備することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  5. 前記相関値計算手段は、前記第1遅延と前記第2積分期間による第4正規化自己相関値を計算し、
    前記第4判定手段は、前記第1判定手段が狭帯域信号無しと判定した場合に、前記第3正規化自己相関値が第2閾値を超えており、かつ、前記第4正規化自己相関値が第3閾値を越えている場合には、周波数の時間的変化が非常に速い周波数変調信号が存在すると判定することを特徴とする請求項に記載の信号検出装置。
  6. 前記相関値計算手段は、前記第2遅延と、前記第1積分期間および前記第2の積分期間とは異なる1つ以上の第3積分期間とによる第5正規化自己相関値を計算し、
    前記第4判定手段は、前記第2正規化自己相関値、前記第3正規化自己相関値、前記第5正規化自己相関値の積分期間に対する変化の割合に基づいて周波数の時間的変化の割合を検出することを特徴とする請求項または請求項に記載の信号検出装置。
  7. 前記最小遅延での正規化自己相関値の位相を検出し、該位相の値から、前記サンプル列に含まれる狭帯域信号の周波数を計算する周波数計算手段を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  8. 前記フィルタ手段は、入力信号に一定のサンプル数のフレームを単位として窓関数を掛けたものを時間的に連続してフーリエ変換し、各フレームの計算結果サンプルを周波数ビンごとに時間的に連続した複数のサンプル列として生成
    前記相関値計算手段は、前記サンプル列のうち、所望の周波数ビンのサンプル列について、正規化自己相関値を計算することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  9. 前記フィルタ手段は、前記フレームを時間的にオーバーラップさせてフーリエ変換を行うことを特徴とする請求項に記載の信号検出装置。
  10. 前記所望の周波数ビンの周波数で優先的に送信権を有するプライマリシステムの帯域幅の情報を有しており、該帯域幅と前記検出手段によって検出された帯域幅とがある誤差範囲内で一致するかどうかを判定する第2判定手段をさらに具備することを特徴とする請求項または請求項に記載の信号検出装置。
  11. 前記フィルタ手段は、入力信号に一定のサンプル数のフレームを単位として窓関数を掛けたものを時間的に連続してフーリエ変換し、各フレームの計算結果サンプルを周波数ビンごとに時間的に連続した複数のサンプル列として生成し、
    前記相関値計算手段は、前記サンプル列のうち、所望の周波数ビンのサンプル列について、正規化自己相関値を計算し、
    前記第4判定手段は、前記所望の周波数ビンに存在する狭帯域信号が周波数変調信号であると判定した場合に、該所望の周波数ビンに隣接する複数の周波数ビンでの前記第4判定手段の結果を参照し、該所望の周波数ビンに周波数変調信号が存在すると判定したサンプル列の時刻から一定の時刻範囲内で、該隣接する複数の周波数ビンで周波数変調信号が検出されたか否かを判定することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の信号検出装置
  12. 前記フィルタ手段は、入力信号に一定のサンプル数のフレームを単位として窓関数を掛けたものを時間的に連続してフーリエ変換し、各フレームの計算結果サンプルを周波数ビンごとに時間的に連続した複数のサンプル列として生成し、
    前記相関値計算手段は、前記サンプル列のうち、所望の周波数ビンのサンプル列について、正規化自己相関値を計算し、
    前記所望の周波数ビンの周波数で優先的に送信権を有するプライマリシステムの中心周波数の情報を有しており、該中心周波数と前記周波数計算手段によって計算された周波数とがある誤差範囲内で一致するかどうかを判定する第3判定手段をさらに具備することを特徴とする請求項に記載の信号検出装置。
  13. 複数のフレームにわたって前記フィルタ手段から出力された値からパワーに基づいて計算された閾値判定用パラメータ値を周波数ビンごとに計算し、計算した該パラメータ値が第1パワー閾値以下である場合は信号無し、該パラメータ値が該第1パワー閾値よりも大きい第2パワー閾値以上である場合は信号有りとして、該周波数ビンでの信号の有無を判定し、該パラメータ値が第1パワー閾値と第2パワー閾値の間であると判定した周波数ビンを、前記所望の周波数ビンと判定するパワー判定手段をさらに具備することを特徴とする請求項から請求項12のいずれか1項に記載の信号検出装置。
  14. 所望の周波数帯を含む無線信号を受信する受信手段と、
    前記無線信号をベースバンドデジタル信号に変換し、前記所望の周波数帯を抽出する抽出手段と、
    前記所望の周波数帯内をキャリアセンスするキャリアセンス手段と、
    前記キャリアセンス手段の出力に基づいて送信周波数を選択する選択手段と、
    前記送信周波数で送信信号を送信する送信手段と、を具備し、
    前記キャリアセンス部は、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の信号検出装置を含むことを特徴とする無線通信装置。
  15. 入力信号をある伝達関数のフィルタで濾波し、一定のレートでサンプルし
    間的に連続した複数のサンプル列生成し、
    記サンプル列について、前記伝達関数の帯域幅相当する最小遅延以上の遅延を付与してある積分期間で自己相関値を計算し、
    前記サンプル列について前記積分期間内でのパワーを合計してエネルギー値を計算し、
    前記自己相関値を前記エネルギー値で除算して正規化自己相関値を計算し、
    遅延時間の異なる複数の遅延に対して前記積分期間で正規化自己相関値をそれぞれ計算し、
    前記最小遅延に対する前記正規化自己相関値の大きさが第1閾値よりも大きいかどうかを判定し、
    前記大きさが前記第1閾値よりも大きいと判定された場合に、前記サンプル列に狭帯域信号が含まれると判定し、
    前記複数の遅延に対応する複数の正規化自己相関値の大きさが、該遅延の増加に対して減少する割合を検出することによって、前記サンプル列に含まれる狭帯域信号の帯域幅を検出することを特徴とする信号検出方法。
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