JP5121155B2 - 形質転換細胞集団の作成方法 - Google Patents

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本願発明は、複数の異なる形質転換細胞からなる細胞集団を作成する方法と、この方法で作成された形質転換細胞集団に関するものである。さらに詳しくは、本願発明は、例えば複数の評価対象を多次元的に解析可能な複数の異なる形質転換細胞の集団とその作成方法に関するものである。
特定の刺激に応答する発現制御配列(プロモーター/エンハンサー配列)の支配下にレポーター遺伝子を組込んだレポーターベクターを細胞に導入することによって、細胞をセンサー化することができる。すなわちこのセンサー細胞は、特定刺激の存在によってレポーター遺伝子を発現させるため、レポーター遺伝子が発現するシグナルの有無または増減によって刺激の有無やその強度を判別することを可能とする。
このようなセンサー細胞は、通常の化学分析的な手法では評価できない生細胞内での刺激応答反応について多くの情報を提供するため、例えば細胞毒性評価等において極めて有用な材料である。例えば、非特許文献1、2には、熱ショックタンパク質(HSP)遺伝子ファミリーのプロモーターを用いて構築したレポーターベクターを細胞に導入してセンサー細胞を作成し、このセンサー細胞によって行った細胞毒性評価が報告されている。また本願発明者は、HSP70B’遺伝子プロモーターを利用した高感度カドミウム毒性の検出に成功し(非特許文献3)、またこの原理を応用した発明(名称:機能性細胞とその発現ベクター)を特許出願している(特許文献1)。
このようなセンサー細胞を作成するためには、通常は、培養細胞にレポーターベクターを導入して培養細胞を形質転換する。従って、このような方法では一つの細胞培養系において1種類の形質転換細胞の集団が得られるに過ぎない。従って、多項目の刺激(例えば細胞毒性物質)を評価するためには、それに応じた数の培養系が必要であった。またこのように個々に形質転換して作成したセンサー細胞を用いて評価系デバイスを構築する場合には、個々のセンサー細胞をそれぞれ個別に培養基材に集積したり、あるいは担体上に固定するなどの手間を必要とした。
これに対して、発現ベクターをスポッティング固定した担体上で細胞を培養し、発現ベクターを培養細胞内に導入することによって形質転換細胞を担体上に固定配置した細胞チップが報告されている(例えば非特許文献4)。しかしながら、このような細胞チップの場合には、発現ベクターを1スポットづつ固定するためにアレイアーやドットブロッターのような特別の装置を必要とし、また発現ベクターが担体に固定されているために細胞内への発現ベクター導入効率が低いといった問題点も有していた。
特開2005-001054号公報 Ait-Aissa, S. et al. Toxicol In Vitro 13:651-655, 1999 Tchounwou, P.B. et al. Mol. Cell Biochem. 222(1-2):21-28, 2001 Wada, K. et al. Biotechnol. Bioeng. 92(4):410-415, 2005 Ziauddin, J. and Sabatini, DM.Nature 411:107-110, 2001
本願発明は、上記のとおりの従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本願発明は、複数の異なる形質転換細胞からなる細胞集団を簡便かつ高効率で作成するための新しい方法と、この方法で作成された形質転換細胞集団を提供することを課題としている。
本願発明は、以上のとおりの課題を解決するものとして、以下の発明を提供する。
すなわち、第1の発明は、複数の異なる形質転換細胞集団を作する方法であって、
(1)並行する複数の微小層流を形成することのできる培養基材上で細胞を培養する工程、
(2)微小層流のそれぞれに、異なる形質遺伝子を有する発現ベクター溶液を流す工程、
を含み、並行する微小層流のそれぞれに位置する培養細胞を異なる形質に転換することを特徴とする形質転換細胞集団の作方法である。

第2の発明は、前記第1発明の方法で作成された形質転換細胞集団であって、培養基材上の並行する複数の微小層流のそれぞれに位置する培養細胞が異なる形質転換細胞であることを特徴とする形質転換細胞集団である。
第3発明は、前記第1発明の方法に使用する材料であって、細胞培養用の培養基材上に、並行する複数の微小層流を形成することのできる微細流路を備えた微小流路チップである。
この微小流路チップにおいては、各微小流路の一端には溶液導入部を有し、他端には溶液排出部を有するものを好ましい態様としている。
本願発明において、「形質転換細胞」とは細胞が本来有していない性質や機能を獲得するように外来遺伝子を導入された細胞を意味する。「複数の異なる形質」とは、互いに全く関連のない形質であってもよく、あるいは互いに関連する形質であるが、その発現形態が異なる形質(例えば、異なる薬剤に対する耐性形質など)であってもよい。さらに、発現制御配列の違いによって、同一形質を発現させるための刺激(例えば転写因子)が異なる場合であってもよい。
「複数」とは2以上、好ましくは2−10、さらに好ましくは2−5程度の範囲を意味する。また、「複数の異なる形質転換細胞」と「複数の微小層流」とにおける「複数」は同数とすることができるが、微小層流の数が多くてもよい。
本願発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく説明する。また本願発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はSambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995等の記載事項を参考とすることができる。さらに、この発明における用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該技術分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
本願発明によれば、例えば多項目の評価対象を多次元的に解析可能な複数の異なるセンサー細胞の集団と、この細胞集団を簡便かつ高効率に作成する方法が提供される。また、この方法は、例えば複数の異なる有用タンパク質をそれぞれに産生する形質転換細胞を同一の培養基材上で供培養することや、あるいは、例えば創薬研究においてタンパク質に結合する化合物を多次元的にスクリーニングするためのタンパク質発現細胞の集団を作成するたにも適用することができる。
第1発明の方法は、第1の工程として、並行する複数の微小層流を形成することのできる培養基材上で細胞を培養する。すなわち、並行する複数の微小層流が形成されるような微小流路を備えた培養基材上で細胞を培養する工程である。具体的には第3発明の微小流路チップ上で細胞を培養する。
第3発明の微小流路チップに使用する培養基材は、培養細胞が接着できるものであればその材質はいかなるものであってもよい。また、コラーゲンやラミニン等のタンパク質によるコート処理、あるいは化学的な処理によって、表面の細胞接着能を高めるようにしたものが好ましい。さらに、形質転換細胞がセンサー細胞であり、レポーター遺伝子からのシグナルが可視的なものである場合には、顕微鏡観察が可能なように透光性のガラスやプラスチック製の培養基材の使用が好ましい。
この微小流路チップには、並行する複数の微小流路が備えられている。微小流路はPDMS(ポリジメチルシロキサン)やポリスチレン等の樹脂を、例えば実施例に示したようなフォトリソグラフィー技術で微細加工することによって形成することができる。また培養基材の材質等に応じて、微細エッチング等によって基材表面を溝加工することによって形成することもできる。
この微細流路は、複数本の流路が並行に隣接した状態で形成することができ、各微小流路に溶液を流すことによって並行する複数の微小層流を形成することができる。また各流路の一端にはそれぞれ溶液導入部を、また他端には溶液排出部を設けることも好ましい。溶液排出部は、各流路に共通のものを1個設けてもよく、あるいは複数の流路ごとに設けるようにしてもよい。
各流路は、安定した層流が形成されるように直線であることが好ましい。また各流路の断面形状は特に制限されないが、例えば、矩形や半円形等とすることができる。各流路の断面積は、1つの流路の中では一定していることが好ましい。また各流路の断面積は同一であることが適当であるが、それぞれに異なる断面積とすることもできる。
流路の断面形状が矩形である場合には、流路の幅は例えば30〜500μm、好ましくは50〜200μm程度とすることができる。また流路の深さは例えば、3〜10μm程度とすることができる。さらに流路の長さは100μm〜10cm程度とすることができる。
このような微小流路チップ上で培養する細胞は、形質転換細胞集団の使用目的等に応じて適宜に選択することができる。例えば大腸菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の真核細胞等を使用することができる。特に細胞毒性評価等に使用するセンサー細胞の集団を作成する場合には哺乳動物細胞が好ましい。例えばサル腎臓細胞COS-7、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO、マウスの胎児皮膚から分離した3T3細胞などの哺乳動物培養細胞、あるいはHeLa細胞等のヒト細胞株を使用することができる。
これらの細胞は、微小流路チップ上(特に微小流路内で)、適当な培養培地で培養する。培地は細胞の種類等に応じて公知のものを使用することができる。細胞が哺乳動物の場合には、例えば、Alpha-MEM(大日本製薬株式会社等)、ATCC-CRCM 30(ATCC)、Coon's modified F12(SIGMA等)、DM-160およびDM-201(日本製薬株式会社)、Doulbecco's modified Eagle's Medium (DMEM) with High Glucose (4500mg/L)(大日本製薬株式会社等)、Doulbecco's modified Eagle's Medium (DMEM) with Low Glucose (1000mg/L)(和光純薬工業株式会社等)、DMEM:Ham's F12 混合培地(1:1)(大日本製薬株式会社等)、DMEM:RPMI1640混合培地(1:1)、Eagles basal medium(BME)(大日本製薬株式会社等)、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)(大日本製薬株式会社等)、EMEM:RPMI1640混合培地(1:1)、ES medium(日水製薬株式会社)、Fischer's Medium(和光純薬工業株式会社等)、Ham's F10(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12 medium(大日本製薬株式会社等)、Ham's F12:RPMI1640混合培地(1:1)、Kaighns modification of Ham's F12(F12K)(大日本製薬株式会社等)、Leibovitz's L-15 medium(大日本製薬株式会社等)、McCoy's 5A(大日本製薬株式会社等)、RITC80-7培地(機能性ペプチド研究所)、HF-C1培地(機能性ペプチド研究所)、MCDB107培地(機能性ペプチド研究所)、MCDB201培地(SIGMA)、HSMC-C1培地(機能性ペプチド研究所)、HEC-C1培地(機能性ペプチド研究所)、MCDB131培地(機能性ペプチド研究所)、HSMC-C2培地(機能性ペプチド研究所)、MCDB153培地(機能性ペプチド研究所)、MCDB153HAA培地(機能性ペプチド研究所)、Medium 199(大日本製薬株式会社等)、NCTC135(大日本製薬株式会社等)、RPMI1640(大日本製薬株式会社等)、Waymouth's MB752/1 medium(大日本製薬株式会社等)、Williams' medium E(大日本製薬株式会社等)などの市販培地を使用することができる。
細胞を培養し、細胞が適当な量に増殖した状態(特に、微細流路内で細胞がコンフルエントに達した状態)で、工程(2)を行う。すなわち、微小流路のそれぞれに、異なる形質遺伝子を有する発現ベクター溶液を流す。
発現ベクターは、細胞の種類等に応じて公知のベクターから選択して用いることができる。例えば細胞が微生物(大腸菌等)の場合は、pUC系、pBluescriptII、pETベクターシリーズ、pGEXベクターシリーズ等を使用することができる。また細胞が哺乳動物細胞である場合には、例えば、pKA1、pCDM8、pSVK3、pSVL、pBK-CMV、pBK-RSV、EBVベクター、pRS、pYE82などのベクターが使用可能である。
形質遺伝子は、形質転換細胞集団の使用目的等に応じて適宜とすることができる。例えば、異なる有用タンパク質をそれぞれに産生する細胞集団を作成する場合、あるいは異なるタンパク質と相互作用する物質(低分子化合物等)を多次元的にスクリーニングする場合には、それぞれのタンパク質をコードするDNA(例えばcDNA)が適当な発現制御配列の支配下で発現するように発現ベクターを構築する。タンパク質をコードするDNAは、例えば公知の遺伝子データベース、例えばDISC(http://www.dna.affrc.go.jp/)、DDBJ(http://www.ddbj.nig.ac.jp/)、NCBI/GenBank(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)、EMBL/EBI(http://www.ebi.ac.uk/ebi_home.html)、ExPASY molecular biology server(http://www.expasy.ch/)、PDB(http://www2.protein.osaka-u.ac.jp/)に登録されている配列情報に基づいて作成したオリゴヌクレオチドプローブを用いたプローブハイブリダイゼーション法や、配列情報に基づいて設計したプライマーセットを用いたRT-PCR法により取得することができる。
また、形質転換細胞集団を細胞毒性等の評価系(センサー細胞集団)として使用する場合には、特定の刺激(例えば毒性物質)に応答する発現制御配列の支配下でレポーター遺伝子が発現するように発現ベクターを構築することができる。発現制御配列は評価対象となる刺激に対する応答性が知られている配列を、前記のデータベース等の情報に基づき適宜に選択することができる。例えば、カドミウム毒性を評価する場合には、非特許文献3や特許文献1に開示されているようなHSP70B’遺伝子のプロモーター等を採用することができる。またレポーター遺伝子は、発現されるシグナルが検出可能なものであれば特段の制限はなく、細胞やタンパク質標識の手段として当該技術分野で使用されている遺伝子を適宜に選択して使用することができる。特に、センサー細胞として使用するためには、シグナルの有無や増減を視覚的に確認できる発光タンパク質(例えば、ホタルルシフェラーゼ、クリックビートルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼやそれらの変異体等)、蛍光タンパク質(例えば、GFP、CFP、YFP、RFPやそれらの変異体等)から適宜にレポーター遺伝子を選択して用いることができる。また、鉄貯蔵タンパク質フェリチンを用いた場合には、Magnetic resonance imaging(MRI)によって可視化することもできる。なお蛍光タンパク質をレポーター遺伝子とする場合には、pECFP、pECFP-C1、pEGFP、pEGFP-F、pEBFP、pEYFPベクター(Clontech社製)等の使用により発現ベクターを簡便に構築することもできる。
細胞が培養されている微量流路にこれらの発現ベクターの溶液を流すことによって、培養細胞を異なる形質に転換することができる。例えば、各微小流路の一端の溶液導入部から発現ベクター溶液を微量流路に流入させ、他端の溶液排出部から溶液を吸引するなどの方法によって、発現ベクター溶液の層流を微量流路に形成し、発現ベクターを培養細胞内に導入することによって、培養細胞を形質転換することができる。発現ベクターの細胞内導入は、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポゾーム法、DEAEデキストラン法、リポフェクション法など公知の方法で行うことができる。
以上の第1発明の方法によって、微小流路チップ表面の並行する複数の微小流路のそれぞれに位置する培養細胞が異なる形質転換細胞である形質転換細胞集団(第2発明)が作成される。この細胞集団は、微小流路チップ上に細胞が固定した状態となっており、例えば、細胞毒性等の評価デバイスとして使用することができる。また、複数の異なる有用タンパク質を同時に発現するタンパク質発現系として、あるいはタンパク質と相互作用する物質の多次元スクリーニングの系として使用することができる。細胞毒性評価系やスクリーニング系の場合、例えば、微小流路の一端の溶液導入部から被検物質溶液を流入することによって各細胞集団に被検物質を接触させ、細胞からのシグナルの変化を指標として被検物質の性質やスクリーニング目的の物質を特定することができる。
以下、実施例を示して本願発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本願発明は以下の例によって限定されるものではない。
実施例1:微小流路チップの作成
並行する3本の微小流路(それぞれ幅100μm)を培養基材上に備えた微小流路チップを作成した。各微小流路の一端には溶液導入部を、また3本の微量流路から合流する溶液排出部を他端に形成した(図1参照)。
すなわち、可視光重合開始剤を含むウレタンアクリレート溶液(またはネガ型g線フォトレジストでも可)を塗布したカバーガラス表面に、上記の構成からなる微小流路パターンの可視光を縮小照射し、微小流路の鋳型を作成した(図1a)。この鋳型にPDMSプレポリマーを流し込み、加熱してPDMSを硬化させた(図1b)。そして、鋳型から剥離して微小流路を形成し(図1c)、これを培養基材上に貼付して、微小流路を備えた微小流路チップを作成した(図1d)。
この微小流路チップの3本の微小流路のそれぞれの溶液導入部からトリパンブルー溶液(0%、0.1%、0.5%)を導入して層流を形成させた。結果は図2に示したとおりであり、互いに分離した層流の形成が確認された。
実施例2:微小流路内での細胞培養
NIH-3T3細胞を、10%FBSを添加したDMEM培地に懸濁し、この細胞懸濁液を微小流路チップの溶液導入部から3本の微小流路に導入した。液流が停止したことを確認した後、5%CO2、37℃のチャンバー内で静置した。細胞が十分に伸展した後に流路内の培養液を置換し、培養を継続した。
その結果、図3に示したように、細胞導入12時間後には細胞は流路内でコンフルエントな状態に達した。
実施例3:微小流路内の培養細胞の形質転換
細胞がコンフルエント状態に達した後、微小流路の一つの溶液導入部から、GFP発現ベクターを含むリポフェクション試薬を導入し、残り二つの溶液導入部からは培養液を導入した。溶液排出部からリポフェクション試薬と培養液を吸引しながら、微小層流を30分間維持し、発現ベクターを細胞に接触させた。その後、全ての溶液導入部から培養液を導入してリポフェクション試薬を洗浄し、液流を止めた状態で培養を継続した。
図4は、GFP由来の緑色蛍光を観察した蛍光顕微鏡像である。発現ベクター溶液を導入した微小流路の培養細胞のみが、GFP発現ベクターによって形質転換されたことが確認された。また発現ベクターが導入された細胞の局在は少なくとも27時間は安定に維持された。
微小流路チップの作成例を示した工程図である。 トリパンブルー溶液(0%、0.1%、0.5%)を3本の微小流路に導入した結果を示す顕微鏡像である。互いに分離した層流の形成が確認された。 微小流路におけるNIH-3T3細胞の培養状態を示した顕微鏡像である。細胞は微小流路内で伸展し、コンフルエントな状態に達した。 GFP由来の緑色蛍光を観察した蛍光顕微鏡像である。発現ベクター溶液を導入した微小層流下の培養細胞のみがGFP発現ベクターによって形質転換された。

Claims (2)

  1. 複数の異なる形質転換細胞集団を作製する方法であって、
    (1)並行する複数の微小層流を形成することのできる培養基材上で細胞を培養する工程、
    (2)微小層流のそれぞれに、異なる形質遺伝子を有する発現ベクター溶液を流す工程、
    を含み、並行する微小層流のそれぞれに位置する培養細胞を異なる形質に転換することを特徴とする形質転換細胞集団の作製方法。
  2. 請求項1記載の方法で作製された形質転換細胞集団であって、培養基材上の並行する複数の微小層流のそれぞれに位置する培養細胞が異なる形質転換細胞であることを特徴とする形質転換細胞集団。
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